以下に、本発明を実施するための形態について詳細に説明する。尚、以下に説明する実施の形態は、本発明を実現するための一例であり、本発明が適用される装置の構成や各種条件によって適宜修正または変更されるべきものであり、本発明は以下の実施の形態に限定されるものではない。また、後述する各実施形態の一部を適宜組み合わせて構成してもよい。
[実施形態1]以下に、本発明の通信機器として、無線LAN通信機能を有するデジタルカメラに適用した実施の形態について説明する。なお、本発明はこれに限らず、無線通信機能により外部機器と通信可能な電子機器に広く適用可能である。
また、以下では、IEEE802.11に準拠した無線LANを用いた無線通信システムの例について説明するが、通信形態は必ずしもIEEE802.11準拠の無線LANには限らない。
<通信機器のハードウェア構成>まず、図1を参照して、本実施形態の通信機器のハードウェア構成について説明する。
図1は本実施形態における通信機器101のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
制御部102は、記憶部103に記憶される制御プログラムを実行することにより通信機器全体を制御する。制御部102は、1つまたは複数のCPUやMPUなどのプロセッサを含む。
記憶部103は、制御部102が実行する制御プログラムと、通信パラメータなどの各種情報を記憶する。また、記憶部103には、自機で生成された、または、外部機器から受信した、画像データその他のファイルなどを記憶してもよい。記憶部103は、例えばROM、RAM、HDD、フラッシュメモリなどの各種メモリが用いられる。なお、後述するシーケンスやフローチャートの動作は、記憶部103に記憶された制御プログラムを制御部102が実行することにより実現される。
無線通信部104は、IEEE802.11に準拠した無線LANの通信処理を行う。
表示部105は、各種表示を行うLCDやLEDなどを有し、視覚で認知可能な情報を出力する機能を有する。また、表示部105はスピーカなどの音声出力が可能な機能を有してもよい。
操作部106は、ユーザによる各種操作入力を受け付ける入力手段であり、通信機器を操作するための各種ボタンやタッチパネルなどを含む。
アンテナ制御部107は、アンテナ108を制御して無線通信による制御信号やデータ信号を送受信する。
撮像部109は、光学レンズ、CMOSイメージセンサ、デジタル画像処理部などを備え、光学レンズを介して入力されるアナログ信号をデジタルデータに変換して画像データを生成する。撮像部109によって生成された画像データは、記憶部103に記憶される。
なお、図1に示すハードウェア構成は一例であり、本実施形態の通信機器101は図1に示すハードウェア構成以外のハードウェア構成を備えていてもよい。
<通信機器のソフトウェア構成>次に、図2を参照して、本実施形態の通信機器101のソフトウェア構成について説明する。
図2は、本実施形態の通信機器101が備える通信制御機能を実行するソフトウェア機能ブロック201の構成の一例を示す図である。
ソフトウェア機能ブロック201は、図2に示す各機能ブロック202〜216を備える。
Discovery制御部202は、通信相手となる外部機器を検索するサービス検索処理を実施する。
GO Negotiation制御部203は、Wi−Fi Directプロトコルに基づく制御を行い、通信機器間でどちらが無線LANアクセスポイントになり、どちらが無線LANステーションになるかといった無線層における役割を決定する。Wi−Fi Directでは、無線LANアクセスポイント機能を実施する通信機器をP2Pグループオーナ(以下、GO)、無線LANステーション機能を実施する通信機器をP2Pクライアント(以下、CL)と称する。GOまたは無線LANアクセスポイントとなる場合は、後述の無線LANアクセスポイント機能制御部211が起動され、CLまたは無線LANステーションとなる場合は、後述する無線LANステーション機能制御部210が起動される。GO Negotiation制御部203の機能はWi−Fi Directプロトコルで決定されているが、詳細な説明は省略する。
DHCPクライアント制御部204は、自機が無線LANステーションとしてネットワークに接続する場合に起動される。
DHCPサーバ制御部205は、自機の役割が無線LANアクセスポイントとなったときに起動される。
WPSエンローリ制御部206は、無線LANの通信のために必要な通信パラメ―タを、他のWPSレジストラ機器より受信する。DHCPクライアント制御部204と同様に、自機の役割が無線LANステーションの場合に動作する。
WPSレジストラ制御部207は、無線LANの通信のために必要な通信パラメータを、他のWPSエンローリ機器に提供する。DHCPサーバ制御部205と同様に、自通信機器の役割が無線LANアクセスポイントの場合に動作する。なお、WPSレジストラによって提供される通信パラメータは、ネットワーク識別子としてのSSID、暗号鍵、暗号方式、認証鍵、認証方式などが用いられる。
無線LANパケット受信部208および無線LANパケット送信部209は、上位層の通信プロトコルを含むあらゆるパケットの送受信を司る。
無線LANステーション機能制御部210は、自機が無線LANステーションとして動作するときの認証・暗号処理などを実施し、無線LANアクセスポイントとして動作する機器が構築した無線ネットワークに参加する。
無線LANアクセスポイント機能制御部211は、自機が無線LANアクセスポイント機能として動作するときに無線ネットワークを構築し、認証・暗号処理および通信相手機器の管理などを実施する。無線LANステーション機能制御部210および無線LANアクセスポイント機能制御部211は、いずれか一方の機能もしくは同時に動作することが可能である。
データ記憶部212は、ソフトウェアそのものおよび、無線LANパラメータや、前述のDHCPアドレステーブルおよびARPテーブルなどの各種テーブルを記憶する機能を有する。
無線層サービスディスカバリ制御部213は、Wi−Fi Directに特有の無線層サービスディスカバリ機能を制御する。無線層サービスディスカバリ機能は、IEEE802.11uで定められたアクションフレームを送受信することにより、通信相手機器の保有しているサービス情報をやりとりする。
アプリケーション層サービスディスカバリ制御部214は、アプリケーション層サービスディスカバリ機能を制御する。アプリケーション層サービスディスカバリ機能は、SSDP(Simple Service Discovery Protocol)で定められたパケットを送受信することにより、通信相手機器の保有しているサービス情報をやりとりする。なおここで、SSDPは一例である。mDNS(multicast Domain Name System)プロトコルを利用してもよい。
プッシュ型画像再生サービス利用部215は、外部機器によって提供されるプッシュ型画像再生サービスを利用する機能を制御する。プッシュ型画像再生サービスは、ユーザが画像を有する機器を操作し、表示機器に対して画像を送信(プッシュ)することで再生を行うサービスである。プッシュ型画像再生サービスは、例えばUPnP(Universal Plug and Play)規格で定義されたAVTransportサービスおよびConnectionManagerサービスの技術を利用することで実現できる。
プル型画像再生サービス提供部216は、外部機器に対してプル型画像再生サービスを提供する機能を制御する。プル型画像再生サービスは、ユーザが表示機器を操作し、画像を有する機器から画像を取得(プル)することで再生を行うサービスである。プル型画像再生サービスは、例えばUPnP規格で定義されたContentDirectoryサービスおよびConnectionManagerサービスの技術を利用することで実現できる。
通信機器101は、自機が有する画像データを無線ネットワーク上の表示機器を用いて再生するネットワーク画像再生機能を備える。ネットワーク画像再生機能は、上述したプッシュ型画像再生サービスを利用するか、プル型画像再生サービスを提供することによって実現される。
なお、図2に示す全ての機能ブロックはソフトウェアによって提供されるものに限らず、少なくとも一部がハードウェアによって提供されるものであってもよい。そして、図2に示す各機能ブロックは、相互関係を有するものである。また、図2に示す各機能ブロックは一例であり、複数の機能ブロックが1つの機能ブロックを構成するようにしてもよいし、いずれかの機能ブロックが更に複数の機能を行うブロックに分かれてもよい。
<表示機器のハードウェア構成>次に、図3を参照して、本実施形態の表示機器301のハードウェア構成について説明する。
図3は、本実施形態における第1の外部機器および第2の外部機器としての表示機器301のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
表示機器301は、制御部302、記憶部303、無線通信部304、表示部305、操作部306、アンテナ制御部307、アンテナ308を含む。
制御部302は、記憶部303に記憶される制御プログラムを実行することにより機器全体を制御する。制御部302は、1つまたは複数のCPUやMPUなどのプロセッサを含む。制御部302は、他の機器との間で通信パラメータの設定に関する制御も行う。
記憶部303は、制御部302が実行する制御プログラムと、通信パラメータなどの各種情報を記憶する。また、記憶部303には、通信機器で生成された、または、外部機器から受信した、画像データやファイルなどを記憶してもよい。記憶部103は、ROM、RAM、HDD、フラッシュメモリなどの各種メモリによって構成される。なお、後述する各種動作は、記憶部303に記憶された制御プログラムを制御部102が実行することにより行われる。
無線通信部304は、IEEE802.11に準拠した無線LANの通信処理を行う。
表示部305は、各種表示を行うLCDやLEDなどを有し、視覚で認知可能な情報を出力する機能を有する。また、表示部305はスピーカなどの音声出力が可能な機能を有する。
操作部306は、ユーザによる各種操作入力を受け付ける入力手段であり、通信機器を操作するための各種ボタンやリモートコントローラなどを含む。
アンテナ制御部307はアンテナ308を制御して無線通信による信号を送受信する。
なお、図3に示すハードウェア構成は一例であり、本実施形態の表示機器301は図3に示すハードウェア構成以外のハードウェア構成を備えていてもよい。
<表示機器の通信機能>次に、図1ないし図3を参照して、本実施形態の表示機器301のソフトウェア機能ブロックについて説明する。
まず、本発明に係る第1の外部機器として例示される表示機器301のソフトウェア構成について説明する。なお、以下の説明では、後述する第2の外部機器として例示される表示機器と区別のために表示機器Aと記述する。
表示機器Aは、ソフトウェア機能ブロックとして、通信機器101が備えるDiscovery制御部202、GO Negotiation制御部203、DHCPクライアント制御部204、DHCPサーバ制御部205、WPSエンローリ制御部206、WPSレジストラ制御部207、無線LANパケット受信部208、無線LANパケット送信部209、無線LANステーション機能制御部210、無線LANアクセスポイント機能制御部211、データ記憶部212、無線層サービスディスカバリ制御部213、アプリ層サービスディスカバリ制御部214、と同様の機能ブロックを備え、さらにプッシュ型画像再生サービスを提供する機能ブロックを備える。表示機器Aによって提供されるプッシュ型画像再生サービスを、通信機器101が利用することにより、通信機器101が有する画像データが表示機器Aで再生される。
次に、本発明に係る第2の外部機器として例示される表示機器301のソフトウェア構成について説明する。なお、以下の説明では、上述した第1の外部機器として例示される表示機器と区別のために表示機器Bと記述する。
表示機器Bは、ソフトウェア機能ブロックとして、通信機器101が備えるDiscovery制御部202、GO Negotiation制御部203、DHCPクライアント制御部204、DHCPサーバ制御部205、WPSエンローリ制御部206、WPSレジストラ制御部207、無線LANパケット受信部208、無線LANパケット送信部209、無線LANステーション機能制御部210、無線LANアクセスポイント機能制御部211、データ記憶部212、アプリ層サービスディスカバリ制御部214、と同様の機能ブロックを備え、さらにプル型画像再生サービスを利用する機能ブロックを備える。通信機器101によって提供されるプル型画像再生サービスを、表示機器Bが利用することにより、通信機器101が有する画像データが表示機器Bで再生される。
<ネットワーク構成>次に、図4を参照して、本実施形態における無線ネットワーク構成について説明する。
図4(a)は、通信機器101がいずれの無線ネットワークにも接続していない状態を示す。図4(b)は、通信機器101がWiFi Directによって表示機器Aと同一の無線ネットワークA(401)に接続している状態を示す。図4(c)は、通信機器101が外部のアクセスポイント機器403を介して表示機器Bと同じ無線ネットワークB(402)に接続している状態を示す。
<プッシュ型画像再生サービス>次に、図5を参照して、図4(b)で示した無線ネットワークA(401)において、通信機器101と表示機器Aの間でプッシュ型画像再生サービスによる画像の再生が実施される場合の処理シーケンスについて説明する。
プッシュ型画像再生サービスは、表示機器Aによって提供される第1のサービスであり、通信機器101が利用可能である。
なお、本シーケンスにおける通信機器101の処理は、サービス検索手段やサービス制御手段による処理の一例である。
また、図5に示すシーケンスは、初期状態において、通信機器101が無線ネットワークに未接続の状態であることを前提とする。また、表示機器Aに送信する画像データは、予め通信機器101において選択済みであることを前提とする。
通信機器101は、ユーザ操作によってネットワーク画像再生処理を開始する指示を受け付けると(S501)、無線層サービスディスカバリ制御部213が、プッシュ型画像再生サービスを提供している外部機器を検索するための問い合わせ信号を送信する(S502)。
問い合わせ信号を受信した表示機器Aは、通信機器101に検出応答信号を送信し(S503)、検出応答を受信した通信機器101は、検出した機器の情報をユーザに通知し、接続するかどうかを問い合わせる(S504)。ここで、同じタイミングにおいて、表示機器A以外の機器から検出応答を受信した場合は、それらの機器も接続相手機器の選択肢に含まれることになる。本シーケンスではユーザが接続相手機器として表示機器Aを選択したと仮定する。
ユーザ操作によって表示機器Aとの接続が選択されると(S505)、通信機器101は、表示機器Aに無線接続を要求する信号を送信する(S506)。
無線接続要求信号を受信した表示機器Aは、通信機器101に成功応答信号を送信する(S507)。
成功応答信号を受信した通信機器101は、GO Negotiation制御部203が、表示機器Aとの間で無線層の接続処理を実施する(S508)。無線層の接続処理は、前述したWi−Fi Directプロトコルに基づく処理である。すなわち、通信機器101または表示機器Aのいずれか一方がGO(P2Pグループオーナ)となり、他方がCL(P2Pクライアント)となり、CLはGOが構築した無線ネットワークに参加することによって接続を行う。無線層の接続確立後は、通信機器101と表示機器Aの間で、DHCPによるIPアドレス設定処理が実施される。
その後、通信機器101は、アプリケーション層サービスディスカバリ制御部214が、表示機器Aとの間でアプリケーション層のサービスディスカバリ処理を実施し、プッシュ型画像再生サービスの詳細情報を取得する(S509)。
続いて通信機器101は、自機が有する画像データを取得するためのURLの設定を要求する信号を表示機器Aに送信する(S510)。
URL設定要求を受信した表示機器Aは、通信機器101に成功応答信号を送信する(S511)。
成功応答を受信した通信機器101は、画像データの再生開始を要求する信号を表示機器Aに送信する(S512)。
再生表示開始要求を受信した表示機器Aは、通信機器101に成功応答信号を送信し(S513)、S510で設定されたURLに対して画像取得を要求する信号を送信する(S514)。
画像取得要求を受信した通信機器101は、成功応答として画像データを表示機器Aに送信し(S515)、表示機器Aは画像データの再生処理を実施する(S516)。
<プル型画像再生サービス>次に、図6を参照して、図4(c)で示した無線ネットワーク402において、通信機器101と表示機器B(301)との間でプル型画像再生サービスによる画像再生処理が実施される場合の処理シーケンスについて説明する。
プル型画像再生サービスは、通信機器101が提供する第2のサービスであり、表示機器Bが利用可能である。なお、本シーケンスにおける通信機器101の処理は、サービス提供手段による処理の一例である。
なお、図6に示すシーケンスは、説明の簡単化のため、通信機器101が予め外部のネットワーク機器としてのアクセスポイント機器403が生成している無線ネットワークに接続するための情報を備えていることを前提とする。また、通信機器B(301)はアクセスポイント機器403の無線ネットワークに接続済みであることを前提とする。
通信機器101は、ユーザ操作によってネットワーク画像再生処理を開始する指示を受け付けると(S601)、無線LANステーション機能制御部210がアクセスポイント機器403が生成している無線ネットワークへの接続処理を実施する(S602)。S602では、通信機器101とアクセスポイント機器403の間でDHCPによるIPアドレス設定処理も実施される。
次に、通信機器101は、アプリケーション層サービスディスカバリ制御部214が、アプリケーション層におけるサービスディスカバリ処理を実施し、自機が提供するプル型画像再生サービスの情報をネットワークに公開する(S603)。公開されたプル型画像再生サービスの情報を検出した表示機器Bは、検出した機器の情報をユーザに通知し、接続するか否かを問い合わせる(S604)。ここで、無線ネットワーク内にプル型画像再生サービスを提供する機器が他にも存在する場合は、それらの機器も表示機器Bによって検出されるが、本シーケンスでは、ユーザが接続相手として通信機器101を選択したと仮定する。
ユーザ操作によって通信機器101との接続が選択されると(S605)、表示機器Bは、通信機器101に画像情報リストの取得を要求する信号を送信する(S606)。ここで画像情報リストとは、通信機器101が備える画像の詳細情報をリスト化したものであり、画像データの名前、サイズ、画像フォーマット、および画像データを取得するためのURLなどが含まれる。
画像情報リストの取得要求を受信した通信機器101は、成功応答として画像情報リストを表示機器Bに送信する(S607)。
画像情報リストを受信した表示機器Bは、その内容をユーザに画像選択画面として表示する(S608)。
その後、表示機器Bは、ユーザによって画像の選択を受け付けると(S609)、該当する画像のURLに対して、画像取得を要求する信号を送信する(S610)。
画像取得要求を受信した通信機器101は、成功応答として画像データを表示機器Bに送信し(S611)、表示機器Bは画像データの再生表示処理を実施する(S612)。
<ネットワーク画像再生処理>次に、図7を参照して、本実施形態における、通信機器101がネットワーク画像再生機能を実行する処理について説明する。
なお、本フローチャートに示す各ステップの処理は、記憶部103に記憶されたプログラムを制御部102が実行することによって実現される。
本フローチャートは、送信対象とする画像が選択された状態においてネットワーク画像再生処理を開始するための操作を受け付けた場合に開始される。例えば、画像データが表示部105に再生表示されている状態において、ユーザがネットワーク画像再生処理を開始するための操作を行った場合などが対応する。
S701では、制御部102は、無線層サービスディスカバリ制御部213がプッシュ型画像再生サービスを提供している表示機器を検索するための無線層サービスディスカバリ処理を実施する。
S702では、制御部102は、S701での検索処理の結果、表示機器を検出したか否かの判定を行い、検出した場合はS703に進み、検出しなかった場合はS711に進む。なお、この判定処理は、サービス検索処理を開始してから所定時間経過するまでに、少なくとも1つの表示機器からの応答を受信したか否かで判定する。所定時間は、例えば1秒などに設定される。
S703では、制御部102は、S702で検出した表示機器の情報を表示部105に表示することによりユーザに選択を促す。検出した表示機器が複数の場合は、複数の情報がリストで表示される。表示部105には、ネットワーク画像再生処理を実行する表示機器を選択するための画面が表示される。
S704では、制御部102は、操作部106を介して表示機器の選択操作を受け付けた場合はS705に進み、受け付けなかった場合はS711に進む。
以降、S704で表示機器が選択された場合には、制御部102は、プッシュ型画像再生サービスを利用可能にする一方、プル型画像再生サービスを利用不可とするように制御を行う。また、S704で表示機器が選択されない場合には、制御部102は、プッシュ型画像再生サービスを利用不可にする一方、プル型画像再生サービスを利用可能とする制御を行う。
S705では、制御部102は、通信機器101が現在無線ネットワークに接続している状態か否かを判定する。ここで、無線ネットワークに接続している状態としては、無線LANステーション機能制御部210によってアクセスポイント機器403が生成している無線ネットワークに接続している状態と、無線LANアクセスポイント機能制御部211によって無線ネットワークを生成している状態とがあり、いずれかの状態に対応する場合はS706に進み、対応しない場合はS707に進む。
S706では、制御部102は、無線ネットワークとの接続を切断する処理を実施する。無線LANステーション機能制御部210によってアクセスポイント機器403が生成している無線ネットワークに接続している状態であった場合は、無線ネットワークから離脱する処理を実施する。無線LANアクセスポイント機能制御部211によって無線ネットワークを生成している状態であった場合は、無線ネットワークを無効化する処理を実施する。また、本ステップの処理において制御部102は、接続を切断した無線ネットワークの情報を記憶部103に記憶する。ここで無線ネットワークの情報とは、SSID、接続のための暗号情報などであり、記憶した情報はS710において無線ネットワークに再接続する際に利用される。
S707では、制御部102は、GO Negotiation制御部203によりS704で選択された表示機器との無線ネットワーク接続処理を実施する。本ステップの処理は、図5におけるS506からS508までの処理に対応する。
S708では、制御部102は、プッシュ型画像再生サービス利用部215を有効化し、表示機器から提供されるプッシュ型画像再生サービスを利用する処理を実施する。本ステップの処理により、本フローチャートの初期状態において選択状態にあった画像データが表示機器で再生される。本ステップの処理は、図5におけるS509からS516までの処理に対応する。
S709では、制御部102は、表示機器との無線ネットワーク接続を切断する処理を実施する。
S710では、制御部102は、ネットワーク画像再生処理を実施する前に接続していた無線ネットワークへの再接続を実施する。S710に遷移する前にS706またはS714の処理が実施され、制御部102が直前に接続していた無線ネットワークの情報を記憶部103に記憶している場合は、その情報を読み出して無線ネットワークへの再接続を実施する。S710に遷移する前にS706とS714のいずれの処理も実施されなかった場合は、本ステップでは何も実施されない。
S711では、制御部102は、プル型画像再生サービス提供部216によりプル型画像再生サービスを提供する無線ネットワークを選択する処理を実施する。例えば、表示部105に接続可能な無線ネットワークを表示してユーザに選択させてもよいし、ユーザに選択させること無く予め設定された無線ネットワークを自動的に選択するようにしてもよい。また、通信機器101自身が無線LANアクセスポイント機能制御部211によって生成する無線ネットワークを選択してもよい。
S712では、制御部102は、S711で選択された無線ネットワークに通信機器101が既に接続されている状態か否かを判定し、接続済みである場合はS716に進み、そうでない場合はS713に進む。なお、S711において、無線LANアクセスポイント機能制御部211による無線ネットワークが選択された場合は、通信機器101が当該無線ネットワークを生成している状態であればS716に進む。
S713では、制御部102は、通信機器101が現在無線ネットワークに接続している状態か否かを判定する。ここで、無線ネットワークに接続している状態としては、無線LANステーション機能制御部210によってアクセスポイント機器403が生成している無線ネットワークに接続している状態と、無線LANアクセスポイント機能制御部211によって無線ネットワークを生成している状態とがあり、いずれかの状態に該当する場合はS714に進み、該当しない場合はS715に進む。
S714では、制御部102は、無線ネットワークとの接続を切断する処理を実施する。無線LANステーション機能制御部210によってアクセスポイント機器403が生成している無線ネットワークに接続している状態であった場合は、無線ネットワークから離脱する処理を実施する。無線LANアクセスポイント機能制御部211によって無線ネットワークを生成している状態であった場合は、無線ネットワークを無効化する処理を実施する。また、本ステップにおいて制御部102は、接続を切断した無線ネットワークの情報を記憶部103に記憶する。ここで無線ネットワークの情報とは、SSID、接続のための暗号情報などであり、記憶した情報はステップS710において無線ネットワークに再接続する際に利用される。
S715では、制御部102は、S711で選択された無線ネットワークへの接続処理を実施する。本ステップの処理は、図6におけるS602の処理に対応する。
S716では、制御部102は、プル型画像再生サービス提供部216を有効化し、無線ネットワーク上の表示機器に対してプル型画像再生サービスを提供する処理を実施する。本ステップによって提供したプル型画像再生サービスが表示機器によって利用されることにより、画像データが表示機器で再生される。本ステップの処理は、図6におけるS603からS612までの処理に対応する。
S717では、制御部102は、ユーザ操作によるプル型画像サービス提供を終了する指示に基づいて、サービス提供を停止すると共に、無線ネットワーク接続を切断する処理を実施する。
以上、本実施形態におけるネットワーク画像再生処理について説明したが、図7に示すフローチャートは一例であり、例えば以下の実施形態としても本発明を適用可能である。
なお、S703およびS704で説明したユーザに表示機器の選択を促す処理は、ユーザ操作の手間を省略するために自動で選択する処理としてもよい。例えば最初に検出された機器を自動選択するようにしてもよい。また検出された機器が1つであったら、その機器を自動選択するようにしてもよい。また、予め通信機器101に表示機器の識別子などの情報を登録しておき、登録済みの表示機器が検出された場合はS705に進み、検出されなかった場合はS711に進むようにしてもよい。識別子にはMACアドレスを使用してよい。
また、S705、S706、S710、S713、S714で、ネットワーク画像再生処理を開始する前に接続していた無線ネットワークの情報を記憶し、ネットワーク画像再生が終了した後に再接続する処理を省略することもできる。
図8は、本実施形態のネットワーク画像再生処理において表示部105に表示されるユーザインタフェース画面を例示している。
図8(a)は、図7のフローチャートの初期状態における、画像再生表示画面を例示している。801は画像再生表示画面を示す。802は再生されている画像を示す。803は再生する画像を前方向に切り替えるボタンである。804は再生する画像を後方向に切り替えるボタンである。805はネットワーク画像再生処理を開始するボタンである。このボタン805が押下されると、画面に表示されている画像802が再生対象として選択された状態で図7のフローチャートが開始される。
図8(b)は、S703において表示される表示機器の選択画面を例示している。806は表示機器の選択画面を示す。807は表示機器を選択するためのボタンであり、このボタン807が押下されると、S704において表示機器が選択済みと判定される。808は表示機器を選択しないためのボタンであり、このボタン808が押下されると、S704において表示機器が未選択と判定される。
図8(c)は、S708において画像データを表示機器に送信する処理が完了したときに表示される通知画面を例示している。809は通知画面を示す。810は承諾ボタンであり、このボタン810が押下されると図7のS709に進む。
図8(d)は、S711において表示される無線ネットワークの選択画面を例示している。811は無線ネットワークの選択画面を示す。812は通信機器101の無線LANアクセスポイント機能制御部211が生成する無線ネットワークを選択するためのボタンである。813はアクセスポイント機器403が生成する無線ネットワークを選択するためのボタンである。ボタン812または813が押下されると、図7のS712に進む。
図8(e)は、S716におけるプル型画像再生サービスの提供開始をユーザに通知する画面を例示している。814は通知画面を示す。815はプル型画像再生サービスを終了するためのボタンであり、このボタン815が押下されると図7のS717に進む。
以上のように、本実施形態によれば、画像データ選択済みの状態においてユーザからネットワーク画像再生処理の開始指示を受け付けた場合、無線ネットワークに接続する前に、無線層におけるプッシュ型画像再生サービスを提供している表示機器を検索する。そして、無線層におけるサービス検索結果に応じてプッシュ型画像再生サービスを利用する方式とプル型画像再生サービスを提供する方式のいずれかについて、通信機器の周囲の無線ネットワーク環境に適した方式をユーザに選択可能に提示する。このように、ユーザがサービス方式の違いを理解していない場合であっても最適なサービス方式を容易に選択できるユーザインターフェースを実現することができる。これにより、ユーザは無線ネットワーク上で検索されたサービスを使う方式か、その他のサービスを使う方式かを選択するだけで、無線ネットワーク環境に応じた最適な方式でサービスが利用可能となる。
[実施形態2]次に、実施形態2について説明する。
実施形態2では、送信対象の画像が選択されていない状態においてネットワーク画像再生処理を開始する場合の実施の形態について説明する。
なお、本実施形態では、実施形態1と異なる点について詳細に説明する。また、通信機器や表示機器の構成、ネットワーク構成は実施形態1と同様であるため説明を省略する。
図9は、本実施形態における、通信機器101によるネットワーク画像再生処理を示しており、モード設定手段による制御の一例である。本フローチャートの各ステップは、記憶部103に記憶されたプログラムを制御部102が実行することによって処理される。
本フローチャートは、送信対象の画像が選択されていない状態でネットワーク画像再生処理を開始するためのユーザ操作を受け付けた場合に開始される。例えば、通信機器101のトップメニュー画面において、ユーザがネットワーク画像再生処理のための操作を行った場合などに対応する。
S901では、制御部102は、ネットワーク再生を行う画像を選択するための操作機器として、通信機器101と表示機器のいずれにするかをユーザに選択させるための画面(図10)を表示部105に表示する。
S902では、制御部102は、通信機器101が操作機器として選択された場合はS903に進み、表示機器が選択された場合はS711に進む。
S903では、制御部102は、ネットワーク再生を行う画像を選択する処理を実施する。例えば、表示部105に画像データのサムネイル一覧を表示してユーザに選択させてもよい。また、例えば作成日時が最も新しい画像を選択するなど、ユーザに選択させることなく自動で選択するようにしてもよい。
S904では、制御部102は、S701のサービス検索処理によって検出した表示機器から接続対象とする表示機器を選択する処理を実施する。例えば、表示部105に検出した表示機器の情報を表示し、ユーザに選択させてもよい。また、最初に検出された機器を自動選択するようにしてもよい。また検出された機器が1つであったら、その機器を自動選択するようにしてもよい。また、予め通信機器101に表示機器の識別子を登録しておき、登録済みの表示機器が検出されていた場合は自動選択し、検出されていなかった場合はユーザに選択させるようにしてもよい。識別子にはMACアドレスを使用してよい。
図10は、S901において表示部105に表示される操作機器の選択画面を例示している。1001は操作機器選択画面を示す。1002は操作機器として通信機器101を選択するためのボタンであり、このボタン1002が押下されるとS903に進む。1003は操作機器として表示機器を選択するためのボタンであり、このボタン1003が押下されるとS711に進む。
以上のように、本実施形態によれば、送信対象の画像が選択されていない状態でプッシュ型画像再生サービスとプル型画像再生サービスの両方が利用可能である場合に、ユーザが画像を再生したい操作機器を選択可能に提示する。このように、ユーザは操作機器を選択するだけでよいので、ユーザがサービス方式の違いを理解していない場合であっても最適なサービス方式を容易に選択できるユーザインターフェースを実現することができる。
[その他の実施形態]
上述した各実施形態では、本発明における第1のサービスおよび第2のサービスとして画像再生サービスを例示し、外部機器として表示機器を例示したが、本発明はこれらに限定されない。例えば、通信機器が有する画像データを外部機器に記録するファイル転送サービスや、通信機器が有する画像データを外部機器で印刷する印刷サービスにも本発明は適用可能である。
また、上記実施形態1、2は適宜組み合わせることができ、例えば、通信機器が、実施形態1、2のいずれに従って動作するかをユーザが任意に選択できるようにしてもよい。
また、本実施形態では無線通信機能としてIEEE802.11準拠の無線LANの例を説明した。しかしながら、本発明は、ワイヤレスUSB、MBOA(Multi Band OFDM Alliance)、Bluetooth(登録商標)、UWB、ZigBee(登録商標)などの他の無線通信を用いて実施してもよい。また、有線LANなどの有線通信媒体において実施してもよい。なお、UWBは、ワイヤレスUSB、ワイヤレス1394、WINETなどが含まれる。
さらに、本発明は、上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサーがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。