JP2016176718A - 試薬カートリッジ - Google Patents
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Abstract
Description
特許文献1としての特表WO02/008768号公報には、ウエル(21)〜(26)やセル(A)〜(C)、検体槽(28)などが形成された試薬カートリッジが記載されている。窪み状のウエル(21)〜(26)等には、測定に必要な液状試薬や希釈溶液、洗浄用液などが予め分注されており、試薬カートリッジの上部が1枚のシール(31)で密閉されて、試薬が保存されている。特許文献1では、測定時に、試薬カートリッジの検体槽(28)に検体が注入されて、前記試薬カートリッジが測定装置にセットされる。そして、ノズルが下方に移動して、シール(31)を突き破り、ウエル(21)〜(26)やセル(A)〜(C)毎に孔を開けて内部の試薬を吸引する。そして、ノズルが検体槽(28)に移動し、吸引された試薬を検体槽(28)に吐出する。すなわち、特許文献1には、ポンプとノズルを有する測定装置が記載されており、試薬カートリッジからは試薬が直接吐出されない。
また、本発明は、試薬カートリッジの操作性を向上させると共に、操作者の安全性を確保し易くすることを第2の技術的課題とする。
さらに、本発明は、試薬供給装置の構成を簡略化することを第3の技術的課題とする。
一端から他端に向かって延びて試薬が収容されると共に、試薬を流出させる場合に加圧可能な収容空間と、前記収容空間の一端部に設けられた開口部と、前記収容空間の他端部に設けられ前記収容空間に収容された試薬が外部に流出可能な流出口と、前記収容空間の一端側に設けられ前記収容空間に比べて幅が狭い狭隘部と、を有する試薬容器本体と、
前記試薬容器本体の他端部に支持されて、前記収容空間に収容された試薬との間に気体が封入された空間が形成された状態で前記流出口を密閉し且つ、試薬を流出させる場合に前記試薬容器本体に対して除去可能な流出密閉部材と、
前記試薬容器本体の一端部に支持されて前記開口部を密閉し且つ、試薬を流出させる場合に押されて破断可能な膜状の開口密閉部材と、
を備え、
1回限りで使い捨て可能であることを特徴とする。
一端から他端に向かって移動可能に支持され且つ試薬を押し出す気体を注入する注入部材を有し、前記注入部材を駆動させて試薬を供給する試薬供給装置、に着脱可能に支持される前記試薬カートリッジであって、
前記注入部材に押されて破断可能な前記開口密閉部材、
を備えたことを特徴とする。
一端から他端に向かって延びて試薬が収容されると共に、試薬を流出させる場合に加圧可能な収容空間と、前記収容空間の一端部に設けられた開口部と、前記収容空間の他端部に設けられ前記収容空間に収容された試薬が外部に流出可能な流出口と、前記収容空間の一端側に設けられ前記収容空間に比べて幅が狭い狭隘部と、前記収容空間の一端部に支持されて前記開口部と繋がる密閉された内部空間を有し復元位置と前記復元位置に比べて圧縮された圧縮位置とを弾性変形可能な圧縮部材と、を有する試薬容器本体と、
大気圧に対して負圧に設定された前記内部空間と、
前記試薬容器本体の他端部に支持されて、前記収容空間に収容された試薬との間に気体が封入された空間が形成された状態で前記流出口を密閉し、且つ、試薬を流出させる場合に前記試薬容器本体に対して除去可能な流出密閉部材と、
を備え、
1回限りで使い捨て可能であることを特徴とする試薬カートリッジ。
前記収容空間の他端側に設けられ前記収容空間に比べて幅が狭く前記収容空間から前記流出口まで延びる流出路と、
を備えたことを特徴とする。
前記試薬容器本体が装填可能に形成され且つ前記試薬容器本体が装填された場合に前記試薬容器本体の他端部が露出可能な開口を有する装填部、が複数形成された装填部材と、
少なくとも一つ以上の前記装填部に装填された前記試薬容器本体と、
を備えたことを特徴とする。
複数の前記試薬容器本体と、
複数の試薬容器本体の前記流出口を密閉する1つの前記流出密閉部材と、
を備えたことを特徴とする。
前記試薬容器本体の他端部間を連続的に結合する結合部と、
前記試薬容器本体の他端部および前記結合部に剥離可能に支持された前記流出密閉部材と、
を備えたことを特徴とする。
一端から他端に向かって延びて試薬が収容されると共に、試薬を流出させる場合に加圧可能な収容空間と、前記収容空間の一端部に設けられた開口部と、前記収容空間の他端部に設けられ前記収容空間に収容された試薬が外部に流出可能な流出路と、前記収容空間の一端側に設けられ前記収容空間に比べて幅が狭い狭隘部と、前記収容空間の一端部に支持されて前記開口部と繋がる密閉された内部空間を有し復元位置と前記復元位置に比べて圧縮された圧縮位置とを弾性変形可能な圧縮部材と、を有する試薬容器本体と、
大気圧に対して負圧に設定された前記内部空間と、
前記流出路の他端部に設けられて、前記収容空間に収容された試薬との間に気体が封入された空間が形成された状態で前記流出路を封鎖し、且つ、試薬を流出させる場合に前記気体が封入された空間の位置で破断されて前記試薬容器本体に対して除去可能な封鎖部と、
を備え、
1回限りで使い捨て可能であることを特徴とする。
請求項2に記載の発明によれば、注入される気体で、試薬を安定して流出させることができる。また、請求項2に記載の発明によれば、本発明の構成を有しない場合に比べて、試薬供給装置の構成を簡略化することができる。
請求項4に記載の発明によれば、収容空間に比べて幅の狭い流出路が形成されていない場合に比べて、試薬を安定流出させることができると共に、流出する試薬の向きを安定させることができる。
請求項6に記載の発明によれば、流出密閉部材に対する一度の剥離操作で複数の試薬容器本体の流出口を開放させることができ、試薬カートリッジに対する操作性を向上させることができる。
請求項7に記載の発明によれば、結合部が設けられていない場合に比べて、流出密閉部材が支持され易く、試薬に触れに難くして安全に試薬カートリッジを扱い易くすることができると共に、試薬の液だれや吐出口のコンタミネーションを防止し易くすることが出来る。
なお、以後の説明の理解を容易にするために、図面において、前後方向をX軸方向、左右方向をY軸方向、上下方向をZ軸方向とし、矢印X,−X,Y,−Y,Z,−Zで示す方向または示す側をそれぞれ、前方、後方、右方、左方、上方、下方、または、前側、後側、右側、左側、上側、下側とする。
また、図中、「○」の中に「・」が記載されたものは紙面の裏から表に向かう矢印を意味し、「○」の中に「×」が記載されたものは紙面の表から裏に向かう矢印を意味するものとする。
なお、以下の図面を使用した説明において、理解の容易のために説明に必要な部材以外の図示は適宜省略されている。
図1は本発明の実施例1の試薬カートリッジの説明図であり、図1Aは試薬容器が単体の場合の説明図、図1Bは試薬容器が複数の場合の説明図、図1Cは試薬容器が複数の場合のカートリッジ本体を上方から見た説明図、図1Dは試薬容器が複数の場合のカートリッジ本体を下方から見た説明図である。
図2は本発明の実施例1の試薬カートリッジの説明図であり、図2Aは試薬容器の説明図、図2Bは試薬容器を上方から見た説明図、図2Cは試薬容器を下方から見た説明図、図2Dは試薬充填時の説明図である。
図1、図2において、実施例1の試薬カートリッジS1は、試薬容器本体の一例として、試薬が収容される試薬容器101を有する。
ここで、逆流防止部103と、液ダレ防止部108との間の空間により、実施例1の収容空間の一例としての試薬収容部111が構成される。試薬収容部111の容量は、200[μL]以下に好適に設定される。実施例1では、試薬収容部111の容量は、一例として、200[μL]に設定されている。また、逆流防止部103よりも上方の空間により、実施例1の気体収容部112が構成される。気体収容部112の上部には、開口部の一例としての導入口113が形成されている。
小孔104の径は、試薬収容部111に比べて径が小さく構成されており、試薬収容部111に収容された試薬Lが試薬収容部111に保持可能な径に設定されている。
ここで、試薬収容部111に試薬Lが収容される前は、試薬容器101の内部は大気圧と同じ故、吐出路107は大気で満たされた状態となり、吐出路107の内部には、いわゆる、空気層が形成されている。この空気層を、実施例1では、気体の空間126という。
また、試薬容器101の下端には、流出密閉部材の一例としての膜状の剥離シール123が支持される。剥離シール123は、試薬容器101の下端に対して接着剤124を介して剥離可能に支持され、吐出路107の先端の吐出口107aを密閉する。
なお、接着剤122,124は、コンタミネーションを防止するために、導入口113の縁や吐出口107aの縁から隙間を空けて配置されている。
図2Dにおいて、試薬Lは、吐出口107aが剥離シール123で密閉された状態で充填される。具体的には、剥離シール123で密閉された後に、注入針Neが導入口113から挿入される。注入針Neは、逆流防止部103の小孔104を通過させた状態で、先端Ne1が試薬収容部111に配置される。そして、注入針Neを通じて、試薬収容部111に対して予め設定された量の試薬Lが注入される。実施例1の試薬収容部111に対しては、50〜150[μL]の量の試薬Lが好適に注入される。このとき、吐出路107には小径の気体の空間126が存在している。
各試薬容器101と、各結合板131,132、セット部136とにより、実施例1のカートリッジ本体S1aが構成されている。なお、実施例1のカートリッジ本体S1aは、例えば、ポリプロピレンやポリエチレン等を樹脂材料として、成形品で構成可能である。製造方法としては、例えば、まず、図1Bに示すように、試薬収容部111に対して上側の開口側本体部S1a1と、下側の流出口側本体部S1a2とをそれぞれ射出成形する。そして、開口側本体部S1a1と、流出口側本体部S1a2と溶着することで、カートリッジ本体S1aを構成することが可能である。なお、カートリッジ本体S1aには、各試薬容器101と、各結合板131,132とで囲まれた空間により、肉抜き部137が形成されている。
また、シール支持面134には、剥離シール123が支持される。剥離シール123には、シール支持面134の全体を覆う形状の密閉部123aと、密閉部123aよりも後方の摘み部123bとが形成されている。剥離シール123は、密閉部123aが、吐出口107aの縁から隙間を空けた接着剤124を介して、シール支持面134に剥離可能に支持される。これにより、各試薬容器101の吐出口107aが1枚の剥離シール123で密閉される。
そして、予め設定された位置の試薬容器101上部の密閉フィルム121が破断され、気体収容部112が加圧されると、加圧された気体が小孔104を通過して下方の試薬収容部111に流入する。したがって、試薬収容部111に収容されていた試薬Lが上方から加圧され下方に押し出される。よって、試薬収容部111に予め充填されていた量の試薬Lが吐出路107を通って吐出口107aから吐出される。したがって、実施例1の試薬カートリッジS1では、各試薬容器101の気体収容部112に対して順次加圧を繰り返すことにより、プロトコルに沿った試薬Lを試薬供給対象物に吐出可能となっている。また、プロトコルに沿った試薬吐出が終了した場合には、試薬カートリッジS1を捨てることが可能であり、試薬カートリッジS1は使い捨てされる。すなわち、試薬カートリッジS1では、各試薬容器101における試薬Lは開封後、時間が経過すると失活してしまうため、1回で出し切って使い切られ、全ての試薬容器101の試薬が使い切られると、試薬カートリッジS1が捨てられる。つまり、実施例1の試薬カートリッジS1は、1回限りで使い捨て可能になっている。
これに対して、実施例1の試薬カートリッジS1では、試薬Lは、吐出タイミング毎に別々の試薬容器101に収容されており、且つ、各試薬容器101から直接試薬Lが吐出可能になっている。したがって、試薬を変更する場合には、試薬容器101を変更して加圧するだけで必要な試薬Lが吐出可能となっており、試薬の吸引、充填作業が不要である。したがって、試薬充填済みの容器から直接吐出可能な実施例1の試薬カートリッジS1では、従来に比べて、プロトコルに沿った試薬の吐出操作が容易になっている。
また、実施例1では、逆流防止部103が設けられており、試薬カートリッジS1の運搬時などに、試薬Lが気体収容部112に進入することが抑制されている。よって、密閉フィルム121を破断して、気体収容部112を加圧する際に、試薬Lに触れ難くなっている。
したがって、実施例1の試薬カートリッジS1では、操作者が試薬に触れずに操作し易くて安全性が確保されている。
図3は本発明の実施例1の試薬供給システムの説明図であり、図3Aは気体注入針が退避位置に移動した場合の説明図、図3Bは気体注入針が気体注入位置に移動し且つ試薬カートリッジから試薬が吐出される場合の説明図である。
図3において、実施例1の試薬カートリッジS1の使用法の一例を説明する。
実施例1の試薬供給システムSは、実施例1の試薬カートリッジS1と、前記試薬カートリッジS1が着脱可能に支持される試薬供給装置S2と、を有する。
試薬供給装置S2は、試薬カートリッジS1の支持部の駆動機構の一例としてのスライダ機構151を有する。スライダ機構151は、支持部の一例としてのスライダ152を有する。スライダ152には、試薬カートリッジS1が着脱可能に支持され且つ試薬カートリッジS1が装着された場合に吐出口107aが下方に露出した状態で装着される。スライダ機構151は、試薬供給対象物Pがある吐出位置に試薬カートリッジS1を移動させる。なお、スライダ機構151は、従来公知のXYステージの構成などを適用可能であるため、詳細な説明を省略する。
なお、前記制御部Cは、外部との信号の入出力等を行う入出力インターフェースI/Oや、必要な処理を行うためのプログラムおよび情報等が記憶されたROM:リードオンリーメモリ、必要なデータを一時的に記憶するためのRAM:ランダムアクセスメモリ、ROM等に記憶されたプログラムに応じた処理を行うCPU:中央演算処理装置等を有する。したがって、実施例1の制御部Cは、情報処理装置、いわゆるコンピュータにより構成されている。よって、制御部Cは、ROM等に記憶されたプログラムを実行することにより種々の機能を実現することができる。
昇降制御手段C2aは、昇降機構184の駆動回路を介して、支持部材183を昇降させる。実施例1の昇降制御手段C2aは、スライダ152により試薬カートリッジS1が吐出位置に移動した場合に、支持部材183を退避位置から気体注入位置に移動させる。そして、昇降制御手段C2aは、試薬Lが吐出されるのに十分な予め設定された時間が経過すると、支持部材183を気体注入位置から退避位置に移動させる。
スライダ機構151と、加圧機構181と、制御部Cとにより、実施例1の試薬供給装置S2が構成される。
この実施例は下記の点で、前記実施例1と相違しているが、他の点では前記実施例1と同様に構成される。
図4は本発明の実施例2の試薬カートリッジの説明図であり、図4Aは試薬容器が単体の場合の説明図、図4Bは試薬容器のポンプ部が圧縮位置に移動して試薬容器が圧縮された場合の説明図、図4Cは試薬容器の断面図、図4Dは試薬容器が複数の場合の説明図、図4Eは試薬容器が装填される装填部材を上方から見た説明図である。
図4において、実施例2の試薬カートリッジS1″は、実施例2の試薬容器本体の一例としての試薬容器201を有する。
容器部202、ポンプ部221、導入部231により、実施例2の試薬容器201が構成されている。
ここで、試薬容器201の下端に対して、剥離シール123が、吐出口208aの縁から隙間を空けた接着剤124を介して剥離可能に支持され、且つ、導入部231が封止されると、実施例2の試薬容器201も内部が密封され、試薬Lの長期保存が可能となる。したがって、試薬容器201により、試薬カートリッジのカートリッジ本体を構成可能である。
実施例2の試薬カートリッジS1″は、装填部材の一例であり、結合部材の一例としての試薬容器201を装填可能な結合ホルダ241を有する。
実施例2の結合ホルダ241は左右方向に延びる直方体状に形成されており、試薬容器201が装填される装填部242が形成されている。装填部242は、試薬容器201の容器部202が収容される下方に貫通した孔状の本体収容部242aと、試薬容器201のポンプ部221が収容される上面に対して凹んだ形状の凹部242bとを有する。実施例2では、装填部242が左右方向に3つ形成されている。
各装填部242には、試薬容器201が装填される。このとき、下結合板132″が、各試薬容器201の下端間に配置されるように形成されており、各試薬容器201の下端が、下結合板132″と面一状に配置される。すなわち、各試薬容器201の下端間が、下結合板132″が無い場合に比べて長手方向に連続的に結合される。各試薬容器201の下端面と各下結合板132″の下面とにより、実施例2のシール支持面134″が構成されている。
各試薬容器201と、結合ホルダ241とにより、実施例2の試薬容器が複数の場合のカートリッジ本体S1a″が構成されている。また、カートリッジ本体S1a″と、剥離シール123と、接着剤124と、気体の空間126と、試薬Lとにより、実施例2の試薬カートリッジS1″が構成されている。
図5A〜図5Eにおいて、実施例2の試薬容器201に対して試薬を充填する方法を説明する。各試薬容器201には、プロトコルに必要な試薬が吐出タイミング毎に必要な量充填される。
このようにして、試薬カートリッジS1″における各試薬容器201では、プロトコルに応じた試薬Lが充填される。
実施例2の試薬カートリッジS1″の使用法の一例を説明する。
図5F〜図5Hにおいて、実施例2の試薬供給システムS″は、実施例2の試薬カートリッジS1″と、前記試薬カートリッジS1″が着脱可能に支持される試薬供給装置S2″とを有する。
図5Hにおいて、実施例2の試薬供給装置S2″では、実施例1の気体注入針182に替えて、実施例2の加圧部材の一例としての加圧部182″が加圧機構181″に支持されている点が実施例1と異なっている。加圧部182″は、試薬容器201のポンプ部221上面に対応する円筒状に形成されている。実施例2の加圧部182″は、試薬容器201から離間する図5Fに示す退避位置と、ポンプ部221を圧縮位置まで押す図5Hに示す押出位置との間を移動可能に支持されている。
実施例2の制御部C″では、加圧制御手段C2″から、ポンプ制御手段C2bが省略されている点が実施例1の加圧制御手段C2と異なっている。よって、実施例2では、スライダ152や昇降部材183は実施例1と同様に制御される。
前記スライダ機構151と、加圧機構181″と、制御部C″とにより、実施例2の試薬供給装置S2″が構成される。
図5F〜図5Hにおいて、加圧部182″が試薬容器201のポンプ部221を押すと、圧縮空間222が圧縮され、気体収容部214が加圧される。したがって、上方から加圧された試薬収容部213の試薬Lが下方に押し出され、吐出路208から吐出される。そして、加圧部182″が押出位置に到達し、且つ、ポンプ部221が図5Hの圧縮位置に移動された後に、予め設定された時間が経過すると、加圧部182″は退避位置に上昇する。
したがって、実施例2の試薬供給システムS″でも、ノズルなどの供給器具の洗浄やメンテナンスなどが不要となっており、操作者の試薬に対する操作性が容易になっている。また、操作者が試薬Lに直接触れ難くなっており、安全性が確保されている。さらに、実施例2では、試薬カートリッジS1″がポンプ部221を備えており、試薬供給装置S2″では気体注入用のポンプなどを省略可能である。よって、実施例1に比べて構成がさらに簡略化されている。
なお、実施例2の試薬供給システムS″では、駆動された加圧部182″が試薬容器201のポンプ部221を圧縮する構成を例示したが、これに限定されない。例えば、操作者が手順に応じてポンプ部221を圧縮して、試薬Lを吐出させる構成も可能である。
図6において、実施例2では、吐出口208aが形成済みの試薬容器201により試薬カートリッジS1″が製造される構成を例示したが、これに限定されない。例えば、吐出路208の先端が貫通していない試薬容器201′により製造することも可能である。
すなわち、図6において、容器部202の下端に封鎖部208bが形成され、吐出路208の下流端が封鎖された試薬容器201′を成形する。
この実施例は下記の点で、前記実施例1と相違しているが、他の点では前記実施例1,2と同様に構成される。
図7は本発明の実施例3の試薬供給システムの説明図であり、図7Aはジャバラ構造を有する気体の注入部材が退避位置に移動した場合の説明図、図7Bはジャバラ構造を有する気体の注入部材が気体注入位置に移動し且つ試薬カートリッジから試薬が吐出される場合の説明図、図7Cは試薬カートリッジと気体の注入部材とカートリッジ台の使用例の説明図、図7Dは変更例の説明図であり注射器構造を有する気体の注入部材が退避位置に移動した場合の説明図、図7Eは注射器構造を有する気体の注入部材が気体注入位置に移動し且つ試薬カートリッジから試薬が吐出される場合の説明図である。
図7において、実施例3の試薬供給システムSaは、実施例1の試薬カートリッジS1と、実施例3における加圧部材の一例であり、気体の注入部材の一例としての注入ジャバラ282と、実施例3における支持部の一例としてのカートリッジ台252と、を有する。
以上、本発明の実施例を詳述したが、本発明は、前記実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内で、種々の変更を行うことが可能である。本発明の変更例(H01)〜(H012)を下記に例示する。
(H01)前記各実施例において、試薬カートリッジS1,S1″では、9つや3つの試薬容器を有する構成を例示したが、これに限定されず、1つ以上の任意の数で試薬カートリッジを構成することが可能である。
(H02)前記各実施例において、試薬カートリッジS1,S1″では、複数の試薬容器101,201,201′が直線状に配列された構成を例示したが、これに限定されない。例えば、4列×2列、3列×3列、100列×10列など、任意の二次元配列にすることが可能である。
(H04)前記実施例1,3において、試薬カートリッジS1では、有する試薬容器101の全てに試薬Lが充填された構成を例示したが、これに限定されない。例えば、右方の6つの試薬容器101にのみ試薬Lが充填され、左方の3つの試薬容器101には試薬が充填されず空のままとされた試薬カートリッジの構成も可能である。
(H05)前記実施例2において、結合ホルダ241の全ての装填部242に対し、試薬容器201,201′が装填された構成を例示したが、これに限定されない。プロトコルに応じて、装填部242には試薬容器201が装填されていない空の装填部242を設けた試薬カートリッジとすることも可能である。
(H07)前記各実施例において、試薬カートリッジS1では、剥離シール123はシール支持面134、134″に支持されていることが望ましいが、試薬容器101,201,201′の下端部分のみに支持され、間欠的に支持される構成も可能である。
(H010)前記実施例1,3において、気体収容部112を加圧する場合には、気体を注入して加圧する構成が望ましいが、これに限定されず、気体収容部112の断面形状に対応した部材を導入口113から気体収容部112に挿入して加圧することも可能である。
(H011)前記各実施例において、試薬カートリッジS1,S1″を試薬供給対象物Pの上方に移動させて、試薬容器101,201,201′から試薬Lを供給する構成を例示したが、これに限定されず、例えば、試薬カートリッジS1,S1″の位置を固定として、試薬供給対象物Pを試薬容器101,201,201′の下方に移動させて、試薬容器101,201,201′から試薬Lを供給させる構成も可能である。
(H012)前記各実施例において、例示した具体的な数値は、本願発明の作用、効果を奏する範囲内において、任意の数値に変更可能である。
103,204…狭隘部、
107,208…流出路、
107a,208a…流出口、
111,213…収容空間、
113,216…開口部、
126…気体が封入された空間、
121…開口密閉部材、
123…流出密閉部材、
132,132″…結合部、
182…注入部材、
208b…封鎖部、
221…圧縮部材、
L…試薬、
S1,S1″…試薬カートリッジ、
S2,S2″…試薬供給装置。
Claims (8)
- 一端から他端に向かって延びて試薬が収容されると共に、試薬を流出させる場合に加圧可能な収容空間と、前記収容空間の一端部に設けられた開口部と、前記収容空間の他端部に設けられ前記収容空間に収容された試薬が外部に流出可能な流出口と、前記収容空間の一端側に設けられ前記収容空間に比べて幅が狭い狭隘部と、を有する試薬容器本体と、
前記試薬容器本体の他端部に支持されて、前記収容空間に収容された試薬との間に気体が封入された空間が形成された状態で前記流出口を密閉し且つ、試薬を流出させる場合に前記試薬容器本体に対して除去可能な流出密閉部材と、
前記試薬容器本体の一端部に支持されて前記開口部を密閉し且つ、試薬を流出させる場合に押されて破断可能な膜状の開口密閉部材と、
を備え、
1回限りで使い捨て可能であることを特徴とする試薬カートリッジ。 - 一端から他端に向かって移動可能に支持され且つ試薬を押し出す気体を注入する注入部材を有し、前記注入部材を駆動させて試薬を供給する試薬供給装置、に着脱可能に支持される前記試薬カートリッジであって、
前記注入部材に押されて破断可能な前記開口密閉部材、
を備えたことを特徴とする請求項1に記載の試薬カートリッジ。 - 一端から他端に向かって延びて試薬が収容されると共に、試薬を流出させる場合に加圧可能な収容空間と、前記収容空間の一端部に設けられた開口部と、前記収容空間の他端部に設けられ前記収容空間に収容された試薬が外部に流出可能な流出口と、前記収容空間の一端側に設けられ前記収容空間に比べて幅が狭い狭隘部と、前記収容空間の一端部に支持されて前記開口部と繋がる密閉された内部空間を有し復元位置と前記復元位置に比べて圧縮された圧縮位置とを弾性変形可能な圧縮部材と、を有する試薬容器本体と、
大気圧に対して負圧に設定された前記内部空間と、
前記試薬容器本体の他端部に支持されて、前記収容空間に収容された試薬との間に気体が封入された空間が形成された状態で前記流出口を密閉し、且つ、試薬を流出させる場合に前記試薬容器本体に対して除去可能な流出密閉部材と、
を備え、
1回限りで使い捨て可能であることを特徴とする試薬カートリッジ。 - 前記収容空間の他端側に設けられ前記収容空間に比べて幅が狭く前記収容空間から前記流出口まで延びる流出路と、
を備えたことを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の試薬カートリッジ。 - 前記試薬容器本体が装填可能に形成され且つ前記試薬容器本体が装填された場合に前記試薬容器本体の他端部が露出可能な開口を有する装填部、が複数形成された装填部材と、
少なくとも一つ以上の前記装填部に装填された前記試薬容器本体と、
を備えたことを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の試薬カートリッジ。 - 複数の前記試薬容器本体と、
複数の試薬容器本体の前記流出口を密閉する1つの前記流出密閉部材と、
を備えたことを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の試薬カートリッジ。 - 前記試薬容器本体の他端部間を連続的に結合する結合部と、
前記試薬容器本体の他端部および前記結合部に剥離可能に支持された前記流出密閉部材と、
を備えたことを特徴とする請求項5または6に記載の試薬カートリッジ。 - 一端から他端に向かって延びて試薬が収容されると共に、試薬を流出させる場合に加圧可能な収容空間と、前記収容空間の一端部に設けられた開口部と、前記収容空間の他端部に設けられ前記収容空間に収容された試薬が外部に流出可能な流出路と、前記収容空間の一端側に設けられ前記収容空間に比べて幅が狭い狭隘部と、前記収容空間の一端部に支持されて前記開口部と繋がる密閉された内部空間を有し復元位置と前記復元位置に比べて圧縮された圧縮位置とを弾性変形可能な圧縮部材と、を有する試薬容器本体と、
大気圧に対して負圧に設定された前記内部空間と、
前記流出路の他端部に設けられて、前記収容空間に収容された試薬との間に気体が封入された空間が形成された状態で前記流出路を封鎖し、且つ、試薬を流出させる場合に前記気体が封入された空間の位置で破断されて前記試薬容器本体に対して除去可能な封鎖部と、
を備え、
1回限りで使い捨て可能であることを特徴とする試薬カートリッジ。
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