JP2016176718A - 試薬カートリッジ - Google Patents

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Abstract

【課題】試薬を長期保存可能とし、使用時には試薬を安定流出させること。また操作者にとって試薬カートリッジの操作性を向上させると共に安全性を確保し易くすること。さらに試薬供給装置の構成を簡略化すること。【解決手段】試薬(L)が収容され試薬(L)を流出させる場合に加圧可能な収容空間(111)と、収容空間(111)の一端部の開口部(113)と、収容空間(111)の他端部の流出口(107a)と、収容空間(111)の一端側で幅が狭い狭隘部(103)と、を有する試薬容器本体(101)と、収容空間(111)の試薬(L)との間に気体の空間(126)が形成された状態で流出口(107a)を密閉し且つ試薬流出時には除去可能な流出密閉部材(123)と、開口部(113)を密閉し且つ試薬流出時に押されて破断可能な開口密閉部材(121)と、を備えた試薬カートリッジ(S1)。【選択図】図1

Description

本発明は、試薬を長期保存可能であり、使用時には保存している試薬を供給可能な試薬カートリッジに関する。特に、本発明は、検査、実験などの目的毎に必要な試薬がまとめられた試薬カートリッジに関する。
試薬とは、「検査、試験、研究、実験など試験・研究的な場合において、測定基準、物質の検出・確認、定量、分離・精製、合成実験、物性測定などに用いられるものであって、それぞれの使用目的に応じた品質が保証され、少量使用に適した供給形態の化学薬品」のことを一般には言う(非特許文献1)。よって、試薬は、検査、実験などの目的毎に異なる使用手順や使用環境条件、いわゆる、プロトコルに基づいて使用されることが多い。
また、一回分の検査プロトコルに必要な試薬が収容された試薬カートリッジを装置に着脱可能にして、検査が行なわれる度に試薬カートリッジを交換する技術が知られている。このような技術に関して、以下の特許文献1〜4に記載の技術が知られている。
特許文献1としての特表WO02/008768号公報には、ウエル(21)〜(26)やセル(A)〜(C)、検体槽(28)などが形成された試薬カートリッジが記載されている。窪み状のウエル(21)〜(26)等には、測定に必要な液状試薬や希釈溶液、洗浄用液などが予め分注されており、試薬カートリッジの上部が1枚のシール(31)で密閉されて、試薬が保存されている。特許文献1では、測定時に、試薬カートリッジの検体槽(28)に検体が注入されて、前記試薬カートリッジが測定装置にセットされる。そして、ノズルが下方に移動して、シール(31)を突き破り、ウエル(21)〜(26)やセル(A)〜(C)毎に孔を開けて内部の試薬を吸引する。そして、ノズルが検体槽(28)に移動し、吸引された試薬を検体槽(28)に吐出する。すなわち、特許文献1には、ポンプとノズルを有する測定装置が記載されており、試薬カートリッジからは試薬が直接吐出されない。
特許文献2としての特開2011−59082号公報には、複数の区画を有し、区画毎に試薬が充填され、各区画の上部が1枚のシールで密閉された試薬カートリッジが記載されている。特許文献2でも、試薬カートリッジの使用時には、上部のシールが測定装置の分注手段で穿孔される。そして、内部の試薬が分注手段のノズルで吸引され、他の場所に試薬が吐出される。また、特許文献3としての特開2012−127974号公報には、洗浄液や試薬が充填された試薬容器(1)の上面が、アルミニウムの保護フィルム(1a)で密閉されており、使用時には、装置本体が有する分注手段のニードル部(2c)により保護フィルム(1a)が穿孔される構成が記載されている。そして、特許文献3でも、ニードル部(2c)が試薬の分注、すなわち、穿孔された孔から、試薬の吸引、吐出を行なうことが記載されている。よって、特許文献2,3にも、特許文献1と同様にポンプとノズルを有する測定装置が記載されており、試薬カートリッジからは試薬が直接吐出されていない。
特許文献4としての特開2013−152252号公報には、膜状基材で構成され、試薬が充填された試薬パック(103)が記載されている。特許文献4では、試薬パック(103)を、反応が行われる測定容器(101)の上方に配置した後に、先が尖った器具(106)で試薬パック(103)を突き刺して孔を開け、開けた孔から試薬を自重で吐出させる構成が記載されている。なお、特許文献4には、尖った器具(106)は、コンタミネーションを回避するために、試薬毎に使い分けることが望ましいことが記載されている。また、特許文献4では、他の構成として、試薬パック(103)の上部に筋状の溝(105)を設け、溝(105)の両側から試薬パック(103)に対して圧力を付与して包装部(104)を破損させて試薬を吐出させたり、試薬パック(103)を搬送用のローラー(310)と圧迫機構(320)で圧迫して、試薬(302,303,304)を押し出したりしている。
特表WO02/008768号公報(公報第14頁第14行目から公報第17頁第26行目、図1〜図3) 特開2011−59082号公報(「0012」、「0013」、「0017」、図1、図4) 特開2012−127974号公報(「0018」、図1) 特開2013−152252号(「0012」〜「0019」、図1〜図6)
"試薬の定義"、[online]、[平成27年2月26日検索]、社団法人 日本試薬協会、インターネット〈URL:http://j-shiyaku.or.jp/home/reagents/index.html〉
従来、試薬が使用される実験では、試薬保存用の数種類の試薬びんから、試薬供給用のピペットとチップで必要量吸引して、試薬供給対象物の一例としてのウェルやチューブ等に試薬を吐出させる方法が一般的であった。そして、この点は、自動の装置で試薬を吐出する場合も、操作者が直接ピペットなどを操作して試薬を吐出する場合も状況は変わらない。よって、異なるプロトコルは勿論、同一のプロトコルであっても、試薬を変更する場合には、コンタミネーションを回避するために、使用するピペットやチップの洗浄や交換の必要があった。よって、従来の実験では、試薬の使用時に、試薬の吸引作業があったり、器具の洗浄、交換作業があったりして、試薬が吐出されるまでの一連の操作、いわゆる、吐出操作が煩雑になり易いという問題があった。また、ピペットやチップを変える際に、操作者が試薬に触れる恐れがあり、操作者が安全でない恐れがあった。さらに、従来の自動の装置では、試薬の吸引や供給用のノズルやポンプを備えており、構成が複雑化し易いという問題もあった。
特許文献1〜3に記載の構成のような検査装置においても、分注する部材、いわゆる、ノズルが使用されており、試薬は吸引されて、吐出供給される。よって、特に、ノズルが一つの特許文献1〜3では、複数の試薬を供給するために、この工程を複数回繰り返す必要が生じる。よって、試薬のコンタミネーションを防止する場合には、特許文献1に記載のように洗浄液の吸引、排出を繰り返してノズル先端を洗浄したり、特許文献2に記載のように試薬毎にノズル先端を交換する場合もある。したがって、試薬カートリッジから試薬を吸引して使用する特許文献1〜3の構成でも、手間がかかり煩雑となり易いという問題がある。また、特許文献1〜3に記載の検査装置でも、試薬の吸引や供給用のノズルやポンプを備えており、構成が複雑化し易いという問題がある。
また、特許文献4では、試薬パック(103)を器具(106)で突き刺し、吐出用と空気抜け用の孔を形成し、試薬を孔から自重で滴下させている。しかし、試薬の吐出量は孔の形状に依存し易く、吐出量の制御が困難になる恐れがある。また、器具(106)と試薬が触れており、器具(106)を使い回すと、器具(106)に付着していた試薬が変質していてコンタミネーションが生じる恐れもある。特に、複数の試薬を用いる検査では、試薬毎に器具(106)を交換する必要や、試薬毎に試薬パック(103)に孔をあける必要がある。よって、試薬パック(103)が使用されるまでの手間が煩雑になり易い。また、試薬パック(103)を圧迫して押し出す場合には、試薬パック(103)がつぶれる際に、潰れかたにバラツキが生じ加圧される方向が異なり易く、吐出される試薬の量や向きにバラつきが生じ易い。すなわち、特許文献4のような膜状基材の試薬容器では、各構成特有の問題の上に、試薬の吐出を制御し難いという問題が生じ易い。
本発明は、試薬を長期保存可能としつつ、試薬使用時には、試薬を安定して流出させることを第1の技術的課題とする。
また、本発明は、試薬カートリッジの操作性を向上させると共に、操作者の安全性を確保し易くすることを第2の技術的課題とする。
さらに、本発明は、試薬供給装置の構成を簡略化することを第3の技術的課題とする。
前記技術的課題を解決するために、請求項1に記載の発明の試薬カートリッジは、
一端から他端に向かって延びて試薬が収容されると共に、試薬を流出させる場合に加圧可能な収容空間と、前記収容空間の一端部に設けられた開口部と、前記収容空間の他端部に設けられ前記収容空間に収容された試薬が外部に流出可能な流出口と、前記収容空間の一端側に設けられ前記収容空間に比べて幅が狭い狭隘部と、を有する試薬容器本体と、
前記試薬容器本体の他端部に支持されて、前記収容空間に収容された試薬との間に気体が封入された空間が形成された状態で前記流出口を密閉し且つ、試薬を流出させる場合に前記試薬容器本体に対して除去可能な流出密閉部材と、
前記試薬容器本体の一端部に支持されて前記開口部を密閉し且つ、試薬を流出させる場合に押されて破断可能な膜状の開口密閉部材と、
を備え、
1回限りで使い捨て可能であることを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の試薬カートリッジにおいて、
一端から他端に向かって移動可能に支持され且つ試薬を押し出す気体を注入する注入部材を有し、前記注入部材を駆動させて試薬を供給する試薬供給装置、に着脱可能に支持される前記試薬カートリッジであって、
前記注入部材に押されて破断可能な前記開口密閉部材、
を備えたことを特徴とする。
前記技術的課題を解決するために、請求項3に記載の発明の試薬カートリッジは、
一端から他端に向かって延びて試薬が収容されると共に、試薬を流出させる場合に加圧可能な収容空間と、前記収容空間の一端部に設けられた開口部と、前記収容空間の他端部に設けられ前記収容空間に収容された試薬が外部に流出可能な流出口と、前記収容空間の一端側に設けられ前記収容空間に比べて幅が狭い狭隘部と、前記収容空間の一端部に支持されて前記開口部と繋がる密閉された内部空間を有し復元位置と前記復元位置に比べて圧縮された圧縮位置とを弾性変形可能な圧縮部材と、を有する試薬容器本体と、
大気圧に対して負圧に設定された前記内部空間と、
前記試薬容器本体の他端部に支持されて、前記収容空間に収容された試薬との間に気体が封入された空間が形成された状態で前記流出口を密閉し、且つ、試薬を流出させる場合に前記試薬容器本体に対して除去可能な流出密閉部材と、
を備え、
1回限りで使い捨て可能であることを特徴とする試薬カートリッジ。
請求項4に記載の発明は、請求項1ないし3のいずれかに記載の試薬カートリッジにおいて、
前記収容空間の他端側に設けられ前記収容空間に比べて幅が狭く前記収容空間から前記流出口まで延びる流出路と、
を備えたことを特徴とする。
請求項5に記載の発明は、請求項1ないし4のいずれかに記載の試薬カートリッジにおいて、
前記試薬容器本体が装填可能に形成され且つ前記試薬容器本体が装填された場合に前記試薬容器本体の他端部が露出可能な開口を有する装填部、が複数形成された装填部材と、
少なくとも一つ以上の前記装填部に装填された前記試薬容器本体と、
を備えたことを特徴とする。
請求項6に記載の発明は、請求項1ないし5のいずれかに記載の試薬カートリッジにおいて、
複数の前記試薬容器本体と、
複数の試薬容器本体の前記流出口を密閉する1つの前記流出密閉部材と、
を備えたことを特徴とする。
請求項7に記載の発明は、請求項5または6に記載の試薬カートリッジにおいて、
前記試薬容器本体の他端部間を連続的に結合する結合部と、
前記試薬容器本体の他端部および前記結合部に剥離可能に支持された前記流出密閉部材と、
を備えたことを特徴とする。
前記技術的課題を解決するために、請求項8に記載の発明の試薬カートリッジは、
一端から他端に向かって延びて試薬が収容されると共に、試薬を流出させる場合に加圧可能な収容空間と、前記収容空間の一端部に設けられた開口部と、前記収容空間の他端部に設けられ前記収容空間に収容された試薬が外部に流出可能な流出路と、前記収容空間の一端側に設けられ前記収容空間に比べて幅が狭い狭隘部と、前記収容空間の一端部に支持されて前記開口部と繋がる密閉された内部空間を有し復元位置と前記復元位置に比べて圧縮された圧縮位置とを弾性変形可能な圧縮部材と、を有する試薬容器本体と、
大気圧に対して負圧に設定された前記内部空間と、
前記流出路の他端部に設けられて、前記収容空間に収容された試薬との間に気体が封入された空間が形成された状態で前記流出路を封鎖し、且つ、試薬を流出させる場合に前記気体が封入された空間の位置で破断されて前記試薬容器本体に対して除去可能な封鎖部と、
を備え、
1回限りで使い捨て可能であることを特徴とする。
請求項1,3,8に記載の発明によれば、本発明の構成を有しない場合に比べて、試薬を長期保存可能としつつ、試薬使用時には、試薬を安定して流出させることができる。また、請求項1,3,8に記載の発明によれば、本発明の構成を有しない場合に比べて、試薬カートリッジの操作性を向上させると共に、操作者の安全性を確保し易くすることができる。
請求項2に記載の発明によれば、注入される気体で、試薬を安定して流出させることができる。また、請求項2に記載の発明によれば、本発明の構成を有しない場合に比べて、試薬供給装置の構成を簡略化することができる。
請求項4に記載の発明によれば、収容空間に比べて幅の狭い流出路が形成されていない場合に比べて、試薬を安定流出させることができると共に、流出する試薬の向きを安定させることができる。
請求項5に記載の発明によれば、目的の検査に応じて試薬容器本体の数を容易に変更することができる。
請求項6に記載の発明によれば、流出密閉部材に対する一度の剥離操作で複数の試薬容器本体の流出口を開放させることができ、試薬カートリッジに対する操作性を向上させることができる。
請求項7に記載の発明によれば、結合部が設けられていない場合に比べて、流出密閉部材が支持され易く、試薬に触れに難くして安全に試薬カートリッジを扱い易くすることができると共に、試薬の液だれや吐出口のコンタミネーションを防止し易くすることが出来る。
図1は本発明の実施例1の試薬カートリッジの説明図であり、図1Aは試薬容器が単体の場合の説明図、図1Bは試薬容器が複数の場合の説明図、図1Cは試薬容器が複数の場合のカートリッジ本体を上方から見た説明図、図1Dは試薬容器が複数の場合のカートリッジ本体を下方から見た説明図である。 図2は本発明の実施例1の試薬カートリッジの説明図であり、図2Aは試薬容器の説明図、図2Bは試薬容器を上方から見た説明図、図2Cは試薬容器を下方から見た説明図、図2Dは試薬充填時の説明図である。 図3は本発明の実施例1の試薬供給システムの説明図であり、図3Aは気体注入針が退避位置に移動した場合の説明図、図3Bは気体注入針が気体注入位置に移動し且つ試薬カートリッジから試薬が吐出される場合の説明図である。 図4は本発明の実施例2の試薬カートリッジの説明図であり、図4Aは試薬容器が単体の場合の説明図、図4Bは試薬容器のポンプ部が圧縮位置に移動して試薬容器が圧縮された場合の説明図、図4Cは試薬容器の断面図、図4Dは試薬容器が複数の場合の説明図、図4Eは試薬容器が装填される装填部材を上方から見た説明図である。 図5は本発明の実施例2の試薬カートリッジと試薬供給システムの説明図であり、図5Aは試薬カートリッジにおいて試薬注入前の試薬容器の説明図、図5Bは試薬容器に試薬が注入される際の説明図、図5Cは試薬注入後の試薬容器の説明図、図5Dは試薬注入のための導入路が封止された場合の説明図、図5Eは試薬充填済みの試薬容器の説明図、図5Fは試薬供給システムにおいて加圧部が退避位置に移動した場合の説明図、図5Gは加圧部がポンプ部に接触した場合の説明図、図5Hは加圧部が押出位置に移動し且つポンプ部が圧縮位置に押され試薬カートリッジから試薬が吐出される場合の説明図である。 図6は本発明の実施例2の試薬容器の変更例の説明図であり、図6Aは試薬容器の説明図、図6Bは試薬容器の断面図、図6Cは試薬容器の開封方法の説明図、図6Dは開封後の試薬容器の説明図、図6Eは試薬容器の使用例の説明図である。 図7は本発明の実施例3の試薬供給システムの説明図であり、図7Aはジャバラ構造を有する気体の注入部材が退避位置に移動した場合の説明図、図7Bはジャバラ構造を有する気体の注入部材が気体注入位置に移動し且つ試薬カートリッジから試薬が吐出される場合の説明図、図7Cは試薬カートリッジと気体の注入部材とカートリッジ台の使用例の説明図、図7Dは変更例の説明図であり注射器構造を有する気体の注入部材が退避位置に移動した場合の説明図、図7Eは注射器構造を有する気体の注入部材が気体注入位置に移動し且つ試薬カートリッジから試薬が吐出される場合の説明図である。
次に図面を参照しながら、本発明の実施の形態の具体例(以下、実施例と記載する)を説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
なお、以後の説明の理解を容易にするために、図面において、前後方向をX軸方向、左右方向をY軸方向、上下方向をZ軸方向とし、矢印X,−X,Y,−Y,Z,−Zで示す方向または示す側をそれぞれ、前方、後方、右方、左方、上方、下方、または、前側、後側、右側、左側、上側、下側とする。
また、図中、「○」の中に「・」が記載されたものは紙面の裏から表に向かう矢印を意味し、「○」の中に「×」が記載されたものは紙面の表から裏に向かう矢印を意味するものとする。
なお、以下の図面を使用した説明において、理解の容易のために説明に必要な部材以外の図示は適宜省略されている。
(実施例1の試薬カートリッジS1の説明)
図1は本発明の実施例1の試薬カートリッジの説明図であり、図1Aは試薬容器が単体の場合の説明図、図1Bは試薬容器が複数の場合の説明図、図1Cは試薬容器が複数の場合のカートリッジ本体を上方から見た説明図、図1Dは試薬容器が複数の場合のカートリッジ本体を下方から見た説明図である。
図2は本発明の実施例1の試薬カートリッジの説明図であり、図2Aは試薬容器の説明図、図2Bは試薬容器を上方から見た説明図、図2Cは試薬容器を下方から見た説明図、図2Dは試薬充填時の説明図である。
図1、図2において、実施例1の試薬カートリッジS1は、試薬容器本体の一例として、試薬が収容される試薬容器101を有する。
図2において、試薬容器101は、上下方向に沿って延びる筒状に構成されている。試薬容器101の内部には、上端から下方に向かって延びる円柱状の主収容部102が形成されている。主収容部102の上下方向中央部には、第1の狭隘部の一例としての逆流防止部103が形成されている。逆流防止部103は、上端及び下端が、上下方向中央に進むに連れて内径が小さくなる傾斜を有しており、上下方向中央部には、上下の空間を繋ぐ小孔104が形成されている。前記逆流防止部103の下方であって、前記主収容部102の下方には、下方に進むに連れて内径が小さくなる窄み部106が形成されている。
前記窄み部106の下方には、流出路の一例として、窄み部106から試薬容器101の下端まで貫通する吐出路107が形成されている。よって、実施例1では、窄み部106と吐出路107とにより、第2の狭隘部の一例としての液ダレ防止部108が構成されている。
ここで、逆流防止部103と、液ダレ防止部108との間の空間により、実施例1の収容空間の一例としての試薬収容部111が構成される。試薬収容部111の容量は、200[μL]以下に好適に設定される。実施例1では、試薬収容部111の容量は、一例として、200[μL]に設定されている。また、逆流防止部103よりも上方の空間により、実施例1の気体収容部112が構成される。気体収容部112の上部には、開口部の一例としての導入口113が形成されている。
また、前記吐出路107の幅の一例としての径は、試薬Lの液性に応じた小さい径に設定されている。すなわち、吐出路107は、試薬収容部111に比べて径が小さく構成されており、試薬収容部111に収容された試薬Lが、表面張力の作用により試薬収容部111に保持可能な径に設定されている。実施例1では、吐出路107の直径は1[mm]以下を好適に使用可能であり、いわゆる、マイクロ流路として構成される。
小孔104の径は、試薬収容部111に比べて径が小さく構成されており、試薬収容部111に収容された試薬Lが試薬収容部111に保持可能な径に設定されている。
ここで、試薬収容部111に試薬Lが収容される前は、試薬容器101の内部は大気圧と同じ故、吐出路107は大気で満たされた状態となり、吐出路107の内部には、いわゆる、空気層が形成されている。この空気層を、実施例1では、気体の空間126という。
図1Aにおいて、試薬容器101の上端には、開口密閉部材の一例としての膜状の密閉フィルム121が支持される。密閉フィルム121は、試薬容器101の上端に対して接着剤122を介して支持され、導入口113を密閉する。
また、試薬容器101の下端には、流出密閉部材の一例としての膜状の剥離シール123が支持される。剥離シール123は、試薬容器101の下端に対して接着剤124を介して剥離可能に支持され、吐出路107の先端の吐出口107aを密閉する。
なお、接着剤122,124は、コンタミネーションを防止するために、導入口113の縁や吐出口107aの縁から隙間を空けて配置されている。
試薬容器101の試薬収容部111には試薬Lが収容される。
図2Dにおいて、試薬Lは、吐出口107aが剥離シール123で密閉された状態で充填される。具体的には、剥離シール123で密閉された後に、注入針Neが導入口113から挿入される。注入針Neは、逆流防止部103の小孔104を通過させた状態で、先端Ne1が試薬収容部111に配置される。そして、注入針Neを通じて、試薬収容部111に対して予め設定された量の試薬Lが注入される。実施例1の試薬収容部111に対しては、50〜150[μL]の量の試薬Lが好適に注入される。このとき、吐出路107には小径の気体の空間126が存在している。
したがって、試薬Lに表面張力が作用して、吐出路107には試薬Lが進入しない。よって、吐出路107では、気体の空間126により、試薬Lと剥離シール123とが離間された状態が保持可能となる。そして、導入口113が密閉フィルム121で密閉されると、試薬容器101の内部が、密閉フィルム121および剥離シール123とで密封され、試薬Lが試薬容器101内に保存可能となる。なお、実施例1では、密閉フィルム121の密閉は大気圧よりも低い気圧の中で行なわれており、主収容部102は負圧にされて密閉される。
図1B〜図1Dにおいて、実施例1の試薬カートリッジは1つ以上の試薬容器で構成される。すなわち、検査、実験などの目的毎に必要な試薬、いわゆる、プロトコルを実行する場合に必要な試薬Lを収容可能に構成される。実施例1では、一例として、9回、試薬Lの吐出が必要なプロトコルに対応させて、9つの試薬容器101を有する構成を例示する。
実施例1の試薬カートリッジS1では、各試薬容器101は並行に配置され、且つ、左右方向に一列に配列されている。そして、隣接する試薬容器101,101の上端が、結合部の一例としての上結合板131により面一で結合されている。また、隣接する試薬容器101,101の下端が、結合部の一例としての下結合板132により面一で結合されている。各試薬容器101の上端面と各上結合板131の上面とにより、実施例1の開口密閉部材の支持部の一例としてのフィルム支持面133が構成されている。また、各試薬容器101の下端面と各下結合板132の下面とにより、実施例1の流出密閉部材の支持部の一例としてのシール支持面134が構成されている。
試薬カートリッジS1の前後両端には、被位置決め部の一例として、前後方向に膨出するセット部136が形成されている。実施例1では、前後左右の4つのセット部136のうち、左後方のセット部136には切り欠き部136aが形成されている。よって、切り欠き部136aの有無により試薬カートリッジS1の前後左右の向きが判別可能に構成されている。
各試薬容器101と、各結合板131,132、セット部136とにより、実施例1のカートリッジ本体S1aが構成されている。なお、実施例1のカートリッジ本体S1aは、例えば、ポリプロピレンやポリエチレン等を樹脂材料として、成形品で構成可能である。製造方法としては、例えば、まず、図1Bに示すように、試薬収容部111に対して上側の開口側本体部S1a1と、下側の流出口側本体部S1a2とをそれぞれ射出成形する。そして、開口側本体部S1a1と、流出口側本体部S1a2と溶着することで、カートリッジ本体S1aを構成することが可能である。なお、カートリッジ本体S1aには、各試薬容器101と、各結合板131,132とで囲まれた空間により、肉抜き部137が形成されている。
カートリッジ本体S1aのフィルム支持面133には、密閉フィルム121が支持される。密閉フィルム121は、フィルム支持面133の全体を覆う形状に形成されている。すなわち、一枚の密閉フィルム121で、各試薬容器101の導入口113が密閉される。密閉フィルム121は、導入口113の縁から隙間を空けた接着剤122を介して、フィルム支持面133に支持される。
また、シール支持面134には、剥離シール123が支持される。剥離シール123には、シール支持面134の全体を覆う形状の密閉部123aと、密閉部123aよりも後方の摘み部123bとが形成されている。剥離シール123は、密閉部123aが、吐出口107aの縁から隙間を空けた接着剤124を介して、シール支持面134に剥離可能に支持される。これにより、各試薬容器101の吐出口107aが1枚の剥離シール123で密閉される。
ここで、各試薬容器101の試薬収容部111には、プロトコルに必要な試薬Lが必要な量充填される。実施例1では、剥離シール123で各試薬容器101の吐出口107aが密封された状態で、予め設定された位置の試薬容器101に対して、プロトコルに応じた試薬Lが充填される。各試薬Lが充填される試薬容器101の位置は、試薬Lの吐出順序に基づいて、例えば、左端の試薬容器101から順に並んだ充填位置とすることが可能である。また、試薬の吐出順序に合わせるのではなく、試薬Lの種類や性質などでグループ分けして、グループ毎にまとめて並んだ充填位置とすることなどが可能である。プロトコルに必要な試薬Lが充填されると、密閉フィルム121で各試薬容器101の導入口113が密閉される。これにより、密閉フィルム121と剥離シール123とで各試薬容器101が密封され、試薬Lが保存される。前記カートリッジ本体S1aと、密閉フィルム121と、接着剤122と、剥離シール123と、接着剤124と、気体の空間126と、試薬Lとにより、実施例1の試薬カートリッジS1が構成されている。
前記構成を備えた実施例1の試薬カートリッジS1では、プロトコルに応じた数の試薬容器101が備えられており、プロトコルに必要な試薬Lが必要な量充填されている。また、試薬容器101が密閉フィルム121と剥離シール123とで密封されて、試薬Lが保存されており、密封された試薬カートリッジS1を、例えば、保管部の一例としての冷蔵庫に入れて保管する場合には、試薬Lが長期保存され、6ヶ月以上の保存が望める。そして、検査などを行う場合には、試薬カートリッジS1を用意することで、プロトコルに必要な試薬の準備が完了する。
試薬カートリッジS1では、剥離シール123が剥離されると、試薬容器101の吐出口107aの密閉が解除され、吐出路107がいわば開封される。このとき、実施例1の試薬容器101では、吐出路107には気体の空間126が存在しており、試薬Lの液ダレが抑制されている。特に、実施例1では、気体収容部112が製造時に負圧に設定されており、試薬カートリッジS1が配置された環境温度が変化しても、液ダレが抑制され易くなっている。
そして、予め設定された位置の試薬容器101上部の密閉フィルム121が破断され、気体収容部112が加圧されると、加圧された気体が小孔104を通過して下方の試薬収容部111に流入する。したがって、試薬収容部111に収容されていた試薬Lが上方から加圧され下方に押し出される。よって、試薬収容部111に予め充填されていた量の試薬Lが吐出路107を通って吐出口107aから吐出される。したがって、実施例1の試薬カートリッジS1では、各試薬容器101の気体収容部112に対して順次加圧を繰り返すことにより、プロトコルに沿った試薬Lを試薬供給対象物に吐出可能となっている。また、プロトコルに沿った試薬吐出が終了した場合には、試薬カートリッジS1を捨てることが可能であり、試薬カートリッジS1は使い捨てされる。すなわち、試薬カートリッジS1では、各試薬容器101における試薬Lは開封後、時間が経過すると失活してしまうため、1回で出し切って使い切られ、全ての試薬容器101の試薬が使い切られると、試薬カートリッジS1が捨てられる。つまり、実施例1の試薬カートリッジS1は、1回限りで使い捨て可能になっている。
ここで、従来の試薬が使用される実験や特許文献1〜3では、試薬の保存容器と、ピペットなどの試薬の吸引、吐出器具と、が別々に構成されていた。よって、試薬を使用する際に、試薬の充填操作などが必要となり、吐出操作が煩雑になり易いという問題があった。
これに対して、実施例1の試薬カートリッジS1では、試薬Lは、吐出タイミング毎に別々の試薬容器101に収容されており、且つ、各試薬容器101から直接試薬Lが吐出可能になっている。したがって、試薬を変更する場合には、試薬容器101を変更して加圧するだけで必要な試薬Lが吐出可能となっており、試薬の吸引、充填作業が不要である。したがって、試薬充填済みの容器から直接吐出可能な実施例1の試薬カートリッジS1では、従来に比べて、プロトコルに沿った試薬の吐出操作が容易になっている。
また、実施例1では、気体収容部112を加圧して、試薬収容部111から試薬Lを押し出し、吐出路107から試薬Lを吐出させている。ここで、実施例1の吐出路107は、直径が1[mm]以下に設定されており、いわゆるマイクロ流路として構成されている。したがって、吐出路107内では、試薬Lが乱流ではなく層流として流動し易い。よって、試薬Lは、上向きの表面張力に抗じて流出し難いために試薬収容部111に留まりやすい一方で、加圧されて、ひとたび、試薬Lに表面張力より大きい力が作用した場合には、吐出路107から安定流出し易くなる。したがって、実施例1では、吐出される試薬Lの向きや流量が安定し易くなっている。
また、実施例1の試薬カートリッジS1は、剥離シール123で吐出口107aが密閉されている。よって、容器を刺して孔を空けたり、先端をねじ切って開封する構成に比べて、コンタミネーションなどの恐れが低減されている。しかも、実施例1では、複数の試薬容器101の吐出路107が一枚の剥離シール123で密閉されている。ここで、孔を空けたりねじ切る構成では、複数の容器があると、開封作業を繰り返す必要があり、煩雑になり易い。これに対して、実施例1では、剥離シール123を剥離する一回の操作で、全ての吐出路107を開封可能であり、試薬カートリッジS1に対する操作が容易となっている。
また、実施例1では、剥離シール123で密封されている場合に、吐出路107には気体の空間126が存在している。よって、剥離シール123には試薬Lが付着し難くなっている。したがって、剥離された剥離シール123によって作業環境を汚染したり、剥離時に操作者が試薬Lに触れ難くなっている。
また、実施例1では、逆流防止部103が設けられており、試薬カートリッジS1の運搬時などに、試薬Lが気体収容部112に進入することが抑制されている。よって、密閉フィルム121を破断して、気体収容部112を加圧する際に、試薬Lに触れ難くなっている。
したがって、実施例1の試薬カートリッジS1では、操作者が試薬に触れずに操作し易くて安全性が確保されている。
特に、実施例1では、剥離シール123は、面一で構成されたシール支持面134に支持されている。仮に、シール支持面134が設けられておらず、吐出口107a間が連続的に結合されていないとすると、剥離シール123は、複数の試薬容器101に対して吐出路107のある先端部分のみで支持され、長手方向に対して間欠的に支持されることになる。よって、剥離シール123の支持面積が小さくなり易い。これに対して、実施例1では、試薬容器101の下端と下結合板132で構成されたシール支持面134が設けられており、剥離シール123の接着剤124を介した接着面積が大きくなり易い。よって、剥離シール123とシール支持面134の相互作用が得られ易く、剥離シール123が機能を発揮し易くなっている。よって、試薬カートリッジS1にとっては、長期保存中の試薬Lの液ダレや吐出口107aのコンタミネーションが防止され易くなっている。また、操作者にとっては、試薬に触れることなく安全に試薬カートリッジS1を扱い易くなっている。
(実施例1の試薬供給システムSの説明)
図3は本発明の実施例1の試薬供給システムの説明図であり、図3Aは気体注入針が退避位置に移動した場合の説明図、図3Bは気体注入針が気体注入位置に移動し且つ試薬カートリッジから試薬が吐出される場合の説明図である。
図3において、実施例1の試薬カートリッジS1の使用法の一例を説明する。
実施例1の試薬供給システムSは、実施例1の試薬カートリッジS1と、前記試薬カートリッジS1が着脱可能に支持される試薬供給装置S2と、を有する。
試薬供給装置S2は、試薬カートリッジS1の支持部の駆動機構の一例としてのスライダ機構151を有する。スライダ機構151は、支持部の一例としてのスライダ152を有する。スライダ152には、試薬カートリッジS1が着脱可能に支持され且つ試薬カートリッジS1が装着された場合に吐出口107aが下方に露出した状態で装着される。スライダ機構151は、試薬供給対象物Pがある吐出位置に試薬カートリッジS1を移動させる。なお、スライダ機構151は、従来公知のXYステージの構成などを適用可能であるため、詳細な説明を省略する。
試薬供給装置S2は、試薬容器101の主収容部102を加圧する加圧機構181を有する。加圧機構181は、加圧部材の一例であり、気体の注入部材の一例としての上下方向に沿って延びる気体注入針182を有する。気体注入針182は、吐出位置の試薬容器101の上方に対応して配置されている。気体注入針182は、支持部材183を介して昇降機構184に昇降可能に支持されており、離間位置の一例としての図3Aに示す退避位置と、進入位置の一例としての図3Bに示す気体注入位置と、の間を移動可能に構成されている。気体注入針182には、気体漏れの防止部材の一例としての円板状の密閉ゴム182aが支持されている。密閉ゴム182aは、気体注入針182が気体注入位置に移動した場合に、試薬容器101の上方に押し当てられる位置に支持されている。気体注入針182には、管182bが接続されており、前記管182bを介して図示しないポンプから気体が送られる。なお、昇降機構184は、モータ駆動や油圧駆動など従来公知の構成を適用可能であるため、詳細な説明を省略する。
試薬供給装置S2は、制御部Cを有する。試薬供給装置S2の制御部(コントローラ)Cは、スライダ制御手段C1と、加圧制御手段C2とを有する。
なお、前記制御部Cは、外部との信号の入出力等を行う入出力インターフェースI/Oや、必要な処理を行うためのプログラムおよび情報等が記憶されたROM:リードオンリーメモリ、必要なデータを一時的に記憶するためのRAM:ランダムアクセスメモリ、ROM等に記憶されたプログラムに応じた処理を行うCPU:中央演算処理装置等を有する。したがって、実施例1の制御部Cは、情報処理装置、いわゆるコンピュータにより構成されている。よって、制御部Cは、ROM等に記憶されたプログラムを実行することにより種々の機能を実現することができる。
スライダ制御手段C1は、スライダ機構151の駆動回路を介して、スライダ152の移動を制御する。実施例1のスライダ制御手段C1では、試薬カートリッジS1に収容された試薬Lの吐出順序と、試薬Lが収容された試薬容器101の位置との対応関係が予め記憶されており、前記対応関係に基づいてスライダ152を移動させる。実施例1のスライダ制御手段C1は、試薬カートリッジS1がスライダ152に装着された場合に、スライダ152を移動させ、最初に吐出される試薬Lが収容された試薬容器101を吐出位置に移動させる。そして、予め設定された時間が経過すると、次に吐出される試薬Lが収容された試薬容器101を吐出位置に移動させる。同様にして、吐出される試薬Lの順序に基づいて、試薬カートリッジS1が有する全ての試薬容器101を、順次、吐出位置に移動させる。
加圧制御手段C2は、昇降制御手段C2aと、ポンプ制御手段C2bと、を有する。
昇降制御手段C2aは、昇降機構184の駆動回路を介して、支持部材183を昇降させる。実施例1の昇降制御手段C2aは、スライダ152により試薬カートリッジS1が吐出位置に移動した場合に、支持部材183を退避位置から気体注入位置に移動させる。そして、昇降制御手段C2aは、試薬Lが吐出されるのに十分な予め設定された時間が経過すると、支持部材183を気体注入位置から退避位置に移動させる。
ポンプ制御手段C2bは、気体注入針182が気体注入位置に移動した場合に、ポンプを作動させて、気体注入針182に対して試薬Lを全量吐出させる気体を送らせる。
スライダ機構151と、加圧機構181と、制御部Cとにより、実施例1の試薬供給装置S2が構成される。
前記構成を備えた実施例1の試薬供給システムSでは、試薬カートリッジS1が、剥離シール123が剥離された状態でスライド機構151に装着される。そして、スライド機構151が作動して所定の試薬容器101が吐出位置に移動すると、気体注入針182が退避位置から気体注入位置に向けて移動する。この際に、気体注入針182は、密閉フィルム121を押して破断、すなわち穿孔する。さらに、気体注入針182が下降すると、密閉ゴム182aが密閉フィルム121に押し当てられ、密閉フィルム121に形成された孔と、気体注入針182との間の隙間が塞がれる。そして、気体注入針182が気体注入位置に移動すると、ポンプが作動して、気体注入針182を通じて気体が気体収容部112に注入される。このとき、密閉ゴム182aにより密閉フィルム121に開いた孔から気体が漏れ難くなっており、気体収容部112が加圧される。よって、試薬収容部111の試薬Lが下方に押し出され吐出路107から吐出される。試薬Lの吐出が終了すると、気体注入針182が退避位置に移動する。
同様に、実施例1の試薬供給システムSでは、試薬の吐出タイミングに合わせて、試薬容器101が順に吐出位置に移動して、気体注入針182により主収容部102の加圧が繰り返されることで、プロトコルに沿った一連の試薬Lが吐出される。また、試薬Lを使い終わった試薬カートリッジS1は取り外して、プロトコル毎に使い捨て可能である。よって、試薬供給システムSでは、新品の試薬カートリッジS1を新たに装着するだけで、プロトコルに沿った試薬Lの準備が完了する。よって、実施例1では、ノズルなどの供給器具の洗浄やメンテナンスなどが不要となっており、操作者の試薬に対する操作性が容易になっている。また、操作者が試薬Lに直接触れ難くなっており、安全性が確保されている。さらに、試薬吸引、充填用のノズルがある従来の構成に比べて、試薬供給装置S2の構成が簡略化されている。
よって、実施例1の試薬供給システムSでは、実施例1の試薬カートリッジS1を用いて、試薬を供給する工程が自動化されている。したがって、試薬カートリッジS1が着脱可能にされた試薬供給装置の製造が可能である。よって、実施例1の試薬カートリッジS1を、臨床現場即時検査、いわゆる、ポイントオブケアテスト(POCT:Point Of Care Testing)や大規模な検査システムの自動分析装置において、試薬を供給する装置に着脱可能に構成して、試薬カートリッジS1から試薬Lを供給することも可能である。
したがって、例えば、抗原抗体反応、標識反応、化学発光反応を順次行なうアレルギー検査の検査装置においては、試薬カートリッジS1の各試薬容器101に、洗浄液や抗体試薬、発光試薬の各種試薬Lを吐出タイミング毎に充填しておき、前記試薬カートリッジS1を用いることで、アレルギー検査のプロトコルに沿った試薬Lを自動で吐出すること可能となる。このとき、試薬カートリッジS1から試薬Lが供給される自動分析装置では、試薬を吸引供給するためのノズルやポンプは不要となり、自動分析装置全体の構成を簡略化したり、小型化し易くなる。また、検査毎に試薬カートリッジS1を廃棄交換すれば試薬の供給、吐出準備が完了し、試薬の供給器具の洗浄やメンテナンスなどが不要となり易く、操作者の試薬に対する操作性が容易になり、安全性も確保される。
次に本発明の実施例2の説明をするが、この実施例2の説明において、前記実施例1の構成要素に対応する構成要素には同一の符号を付して、その詳細な説明は省略する。
この実施例は下記の点で、前記実施例1と相違しているが、他の点では前記実施例1と同様に構成される。
(実施例2の試薬カートリッジS1″の説明)
図4は本発明の実施例2の試薬カートリッジの説明図であり、図4Aは試薬容器が単体の場合の説明図、図4Bは試薬容器のポンプ部が圧縮位置に移動して試薬容器が圧縮された場合の説明図、図4Cは試薬容器の断面図、図4Dは試薬容器が複数の場合の説明図、図4Eは試薬容器が装填される装填部材を上方から見た説明図である。
図4において、実施例2の試薬カートリッジS1″は、実施例2の試薬容器本体の一例としての試薬容器201を有する。
試薬容器201は、上下方向に沿って延びる筒状の容器部202を有する。実施例2の容器部202には、実施例1の符号102〜108に対応して、符号203〜209で示される構成が設けられている。また、実施例1の試薬収容部111や、気体収容部112、導入口113に対応して、実施例2の収容空間の一例としての試薬収容部213や、気体収容部214、接続口216が設けられている。実施例2の前記符号203〜216で示される空間や部材の構成は、実施例1と同様に構成可能である。よって、実施例2の試薬収容部213の容量は、一例として、200[μL]に設定されている。また、吐出路208の直径は1[mm]以下を好適に使用可能であり、いわゆる、マイクロ流路として構成される。
容器部202の上端には、圧縮部材の一例として、中空円柱状のポンプ部221が支持されている。ポンプ部221は、ジャバラ構造を有しており、予め設定された段数のジャバラが形成されている。これにより、実施例2のポンプ部221は、上下方向に弾性変形可能であり、自然状態の図4Aに示す復元位置と、前記復元位置に比べて下方向に圧縮された図4Bに示す圧縮位置と、の間を弾性変形可能に構成されている。ポンプ部221の内部には圧縮空間222が形成されている。圧縮空間222は、ポンプ部221が復元位置から圧縮位置に移動する場合に圧縮される。圧縮空間222は、容器部202の上端に形成された接続口216を介して、容器部202内部の主収容部203に繋がっている。
ポンプ部221の上部には、上方に向かって延びる筒状に形成された導入部231が形成されている。導入部231は、容器部202と同軸上に配置されている。導入部231の内部には、上端からポンプ部221の圧縮空間222に向かって貫通する導入路232が形成されている。したがって、試薬容器201では、上方から、導入路232、圧縮空間222、主収容部203、吐出路208、気体の空間126の順に空間が繋がっている。
容器部202、ポンプ部221、導入部231により、実施例2の試薬容器201が構成されている。
なお、実施例2の試薬容器201は、例えば、ポリプロピレンやポリエチレン等を樹脂材料として、成形品で構成可能である。図4Cにおいて、製造方法としては、例えば、容器部202において、試薬収容部213に対して上側の接続口側部202bと、下側の流出口側部202cとをそれぞれ射出成形する。そして、各部202b,202cを溶着して容器部202を構成する。また、容器部202の上方、すなわち、ポンプ部221と導入部231については、ブロー成形により一体成形する。そして、成形されたポンプ部221と導入部231との成型品221+231を、容器部202上端に接続して溶着する。これにより、実施例2の試薬容器201が製造可能である。
ここで、試薬容器201の下端に対して、剥離シール123が、吐出口208aの縁から隙間を空けた接着剤124を介して剥離可能に支持され、且つ、導入部231が封止されると、実施例2の試薬容器201も内部が密封され、試薬Lの長期保存が可能となる。したがって、試薬容器201により、試薬カートリッジのカートリッジ本体を構成可能である。
図4D、図4Eにおいて、実施例2の試薬カートリッジは、一つ以上の試薬容器201で構成可能であり、プロトコルを実行する場合に必要な試薬Lを収容可能に構成される。実施例2では、一例として、3回の吐出タイミングがあるプロトコルに対応可能な構成を例示する。
実施例2の試薬カートリッジS1″は、装填部材の一例であり、結合部材の一例としての試薬容器201を装填可能な結合ホルダ241を有する。
実施例2の結合ホルダ241は左右方向に延びる直方体状に形成されており、試薬容器201が装填される装填部242が形成されている。装填部242は、試薬容器201の容器部202が収容される下方に貫通した孔状の本体収容部242aと、試薬容器201のポンプ部221が収容される上面に対して凹んだ形状の凹部242bとを有する。実施例2では、装填部242が左右方向に3つ形成されている。
なお、実施例2の結合ホルダ241では、実施例1のカートリッジ本体S1aの下結合板132やセット部136、切り欠き部136a、肉抜き部137に対応して、下結合板132″やセット部136″、切り欠き部136a″、肉抜き部137″が形成されている。結合ホルダ241も、例えば、ポリプロピレンやポリエチレン等を樹脂材料として成形可能である。
各装填部242には、試薬容器201が装填される。このとき、下結合板132″が、各試薬容器201の下端間に配置されるように形成されており、各試薬容器201の下端が、下結合板132″と面一状に配置される。すなわち、各試薬容器201の下端間が、下結合板132″が無い場合に比べて長手方向に連続的に結合される。各試薬容器201の下端面と各下結合板132″の下面とにより、実施例2のシール支持面134″が構成されている。
各試薬容器201と、結合ホルダ241とにより、実施例2の試薬容器が複数の場合のカートリッジ本体S1a″が構成されている。また、カートリッジ本体S1a″と、剥離シール123と、接着剤124と、気体の空間126と、試薬Lとにより、実施例2の試薬カートリッジS1″が構成されている。
図5は本発明の実施例2の試薬カートリッジと試薬供給システムの説明図であり、図5Aは試薬カートリッジにおいて試薬注入前の試薬容器の説明図、図5Bは試薬容器に試薬が注入される際の説明図、図5Cは試薬注入後の試薬容器の説明図、図5Dは試薬注入のための導入路が封止された場合の説明図、図5Eは試薬充填済みの試薬容器の説明図、図5Fは試薬供給システムにおいて加圧部が退避位置に移動した場合の説明図、図5Gは加圧部がポンプ部に接触した場合の説明図、図5Hは加圧部が押出位置に移動し且つポンプ部が圧縮位置に押され試薬カートリッジから試薬が吐出される場合の説明図である。
図5A〜図5Eにおいて、実施例2の試薬容器201に対して試薬を充填する方法を説明する。各試薬容器201には、プロトコルに必要な試薬が吐出タイミング毎に必要な量充填される。
図5A〜図5Bにおいて、実施例2の各試薬容器201では、吐出口208aが剥離シール123で密閉された状態で、ポンプ部221を、復元位置と圧縮位置との間に設定された図5Bに示す途中位置まで圧縮する。次に、注入針Neを導入路232から内部に挿入し、実施例1と同様に、注入針Neを通じて試薬収容部213に直接試薬Lが注入される。なお、実施例2の試薬収容部213に対しては、一例として、50〜150[μL]の量の試薬Lが注入される。このとき、実施例2でも、吐出路208には小径の気体の空間126が存在しており、試薬Lの表面張力により吐出路208には試薬Lが進入しない。したがって、図5Cに示すように、気体の空間126により、試薬Lと剥離シール123とが離間された状態が保持可能となる。図5Dにおいて、試薬Lの充填が終了すると、注入針Neが抜かれ、導入路232の上端に封止部233が形成される。なお、封止部233は、導入部231の上端を溶着するなどして形成可能である。よって、試薬容器201では、剥離シール123と封止部233で密封されて、試薬Lが保存可能となる。
そして、図5Eにおいて、ポンプ部221の圧縮が解除されると、ポンプ部221は弾性復元し、ポンプ部221の圧縮空間222などが負圧になる。ここで、負圧は、試薬収容部213の試薬Lが、逆流防止部204を通過しない程度の圧力に設定されている。
このようにして、試薬カートリッジS1″における各試薬容器201では、プロトコルに応じた試薬Lが充填される。
前記構成を備えた実施例2の試薬カートリッジS1″では、プロトコルに応じた数の試薬容器201が備えられており、プロトコルに必要な試薬Lが必要な量充填されている。また、試薬容器201が剥離シール123と封止部233で密封されており、実施例1と同様に、試薬Lの長期保存が可能となっている。また、検査などを行う場合には、試薬カートリッジS1″を用意することで、プロトコルに必要な試薬の準備が完了する。そして、実施例2の試薬カートリッジS1″でも、剥離シール123が剥離されて、試薬容器201の吐出口208aが開封される。このとき、吐出路208には気体の空間126が存在しており、実施例1と同様に、試薬Lの液ダレが抑制されている。そして、試薬容器201において、ポンプ部221を圧縮位置に移動させると、主収容部203では、圧縮された気体が接続口216や、気体収容部214、小孔206を通過して、下方の試薬収容部213に流入する。よって、試薬収容部213では、試薬Lは上方から加圧されて下方に押し出され、試薬Lが、マイクロ流路として構成された吐出路208を通って吐出される。
したがって、実施例2の試薬カートリッジS1″でも、各試薬容器201のポンプ部221を予め設定された順に圧縮して、気体収容部214や試薬収容部213などの主収容部203の加圧が繰り返されることで、プロトコルに沿った試薬Lを試薬供給対象物に吐出可能となっている。また、プロトコルに沿った試薬供給が終了した場合には、試薬カートリッジS1″を1回限りで使い捨て可能である。よって、実施例2の試薬カートリッジS1″でも、実施例1と同様に、試薬Lを長期保存可能としつつ、試薬使用時には、試薬を安定して流出させることができる。また、実施例2の試薬カートリッジS1″でも、実施例1と同様に、試薬カートリッジS1″の操作性を向上させると共に、操作者の安全性を確保し易くすることができる。
ここで、実施例2の試薬容器201は、ポンプ部221を備えている。よって、ポンプ部221を圧縮する操作で、主収容部203を加圧可能であり試薬Lを吐出可能である。特に、実施例2のポンプ部221はジャバラ構造を有している。ジャバラ構造では、直径、段数、材質に基づいて加圧時の圧力を設定し易い。よって、実施例2の試薬容器201では、試薬Lを吐出させ易くなっている。
また、実施例2の試薬容器201には、逆流防止部204が形成されている。逆流防止部204が形成されていない場合、ポンプ部221に試薬Lが進入して、ポンプ部221の内部に試薬Lが付着し易い。特に、実施例2のポンプ部221は、ジャバラ構造であり、試薬Lが付着し易い。よって、予め充填された試薬量に比べて、吐出される試薬量が減少する恐れがある。これに対して、実施例2では、逆流防止部204により、ポンプ部221に試薬Lが逆流することが抑制されており、充填した量に応じた試薬Lが吐出され易くなっている。よって、実施例2では、逆流防止部204が形成されていない場合に比べて、予め設定された量の試薬を吐出させ易くなっている。
さらに、実施例2では、ポンプ部221が圧縮された状態で試薬Lが注入され、ポンプ部221が弾性復元することにより、試薬容器201の内部が負圧にされる。したがって、実施例2では、試薬充填時に、ポンプ部221の圧縮により負圧が実現されており、大気圧の環境下でも大気圧に対して負圧にし易くなっている。したがって、実施例2の試薬カートリッジS1″では、試薬容器201の製造が簡易になっている。
(実施例2の試薬供給システムS″)
実施例2の試薬カートリッジS1″の使用法の一例を説明する。
図5F〜図5Hにおいて、実施例2の試薬供給システムS″は、実施例2の試薬カートリッジS1″と、前記試薬カートリッジS1″が着脱可能に支持される試薬供給装置S2″とを有する。
図5Hにおいて、実施例2の試薬供給装置S2″では、実施例1の気体注入針182に替えて、実施例2の加圧部材の一例としての加圧部182″が加圧機構181″に支持されている点が実施例1と異なっている。加圧部182″は、試薬容器201のポンプ部221上面に対応する円筒状に形成されている。実施例2の加圧部182″は、試薬容器201から離間する図5Fに示す退避位置と、ポンプ部221を圧縮位置まで押す図5Hに示す押出位置との間を移動可能に支持されている。
実施例2の制御部C″では、加圧制御手段C2″から、ポンプ制御手段C2bが省略されている点が実施例1の加圧制御手段C2と異なっている。よって、実施例2では、スライダ152や昇降部材183は実施例1と同様に制御される。
前記スライダ機構151と、加圧機構181″と、制御部C″とにより、実施例2の試薬供給装置S2″が構成される。
前記構成を備えた実施例2の試薬供給システムS″では、主収容部203の気体収容部214が加圧される場合に、加圧部182″が退避位置から押出位置に向けて移動する。
図5F〜図5Hにおいて、加圧部182″が試薬容器201のポンプ部221を押すと、圧縮空間222が圧縮され、気体収容部214が加圧される。したがって、上方から加圧された試薬収容部213の試薬Lが下方に押し出され、吐出路208から吐出される。そして、加圧部182″が押出位置に到達し、且つ、ポンプ部221が図5Hの圧縮位置に移動された後に、予め設定された時間が経過すると、加圧部182″は退避位置に上昇する。
したがって、実施例2の試薬供給システムS″では、試薬容器201が予め設定された順に吐出位置に移動し、且つ、加圧部182″によりポンプ部221が圧縮され、主収容部203の加圧が繰り返されることで、プロトコルに沿った一連の試薬Lが吐出されている。また、試薬Lを使い終わった試薬カートリッジS1″は使い捨て可能となっている。
したがって、実施例2の試薬供給システムS″でも、ノズルなどの供給器具の洗浄やメンテナンスなどが不要となっており、操作者の試薬に対する操作性が容易になっている。また、操作者が試薬Lに直接触れ難くなっており、安全性が確保されている。さらに、実施例2では、試薬カートリッジS1″がポンプ部221を備えており、試薬供給装置S2″では気体注入用のポンプなどを省略可能である。よって、実施例1に比べて構成がさらに簡略化されている。
また、実施例2の試薬供給システムS″でも、実施例1と同様に、試薬カートリッジS1″を用いて、試薬を供給する工程が自動化されている。よって、実施例2の試薬カートリッジS1″を用いて、試薬を供給する装置を製造することが可能である。
なお、実施例2の試薬供給システムS″では、駆動された加圧部182″が試薬容器201のポンプ部221を圧縮する構成を例示したが、これに限定されない。例えば、操作者が手順に応じてポンプ部221を圧縮して、試薬Lを吐出させる構成も可能である。
図6は本発明の実施例2の試薬容器の変更例の説明図であり、図6Aは試薬容器の説明図、図6Bは試薬容器の断面図、図6Cは試薬容器の開封方法の説明図、図6Dは開封後の試薬容器の説明図、図6Eは試薬容器の使用例の説明図である。
図6において、実施例2では、吐出口208aが形成済みの試薬容器201により試薬カートリッジS1″が製造される構成を例示したが、これに限定されない。例えば、吐出路208の先端が貫通していない試薬容器201′により製造することも可能である。
すなわち、図6において、容器部202の下端に封鎖部208bが形成され、吐出路208の下流端が封鎖された試薬容器201′を成形する。
そして、試薬容器201′に対して、吐出口208aが剥離シール123で密閉された試薬容器201と同様に、注入針Neを用い、且つ、ポンプ部221を圧縮した状態で試薬Lを充填する。このとき、試薬容器201′でも吐出路208には小径の気体の空間126が存在しており、試薬Lが吐出路208には進入しない。そして、試薬Lの充填が終了したら、封止部233を形成する。これにより、試薬Lが充填済みの試薬容器201′が構成される。そして、試薬容器201′を結合ホルダ241に装填する。次に、図6C、図6Dに示すように、装填された各試薬容器201′において、封鎖部208bを破断、例えば、切断部材Cuで切断する。よって、試薬容器201′では、気体の空間126が存在する吐出路208の位置で切断され、吐出口208a′が形成される。これにより、プロトコルに沿った試薬Lを吐出可能な試薬カートリッジS1″とすることも可能である。なお、吐出路208の切断時には、吐出路208には気体の空間126が存在しており、液ダレが抑制されている。よって、試薬容器201′でも、操作者が試薬に触れずに操作し易くて安全性が確保されている。
ここで、実施例2の試薬カートリッジS1″では、試薬容器201,201′と、結合ホルダ241とは別体で構成されている。したがって、結合ホルダ241に装填される試薬容器201,201′の数は変更し易い。よって、実施例2では、目的の検査や、目的の実験などのプロトコルにあわせた試薬容器201,201′を備えた試薬カートリッジS1″を構成し易くなっている。特に、封鎖部208bを有する試薬容器201′では、予め多数の種類の試薬が充填された試薬容器201′を製造しておき、検査時には目的に応じて、必要な試薬Lの試薬容器201′を結合ホルダ241に装填し、試薬容器201′を切断部材Cuでカットすることで、目的のプロトコルに応じた試薬カートリッジS1″とすることが可能となっている。よって、この試薬カートリッジS1″を、試薬供給システムS″で使用される試薬カートリッジや、操作者がポンプ部221を操作して圧縮させる試薬カートリッジとして使用することも可能である。
なお、実用新案登録3113430号公報には、服薬用のスポイト構造が記載されており、スポイト状容器で薬液を吸引し容器の先端を密封する構造が記載されている。しかしながら、この服薬用のスポイト状容器では、スポイト先端に薬液が流入している恐れがあり、先端の開封時に薬液に触れる恐れがある。また、薬液の充填時に吸引しており先端を薬液が一度通過している。よって、薬液が流入しないとしても、スポイト先端の流路に乾燥した薬液が存在している場合がある。よって、スポイト先端を開封する際や、薬液の吐出の際にコンタミネーションの恐れがある。
これに対して、実施例2の変更例の試薬容器201′では、試薬Lは、注入針Neで試薬収容部213に直接注入されている。よって、試薬Lは、吐出路208を通過していない。また、吐出路208には気体の空間126が存在している。よって、吐出路208の切断時に、切断部材Cuが試薬Lや、乾燥した試薬Lと接触しない。よって、吸引して保存するスポイト容器に比べて、コンタミネーションの恐れが低減されている。また、試薬Lの液ダレも抑制されている。
さらに、この試薬容器201′は、結合ホルダ241に装填して使用することも可能ではあるが、単体の試薬容器201′により構成された試薬カートリッジとして使用することも可能である。すなわち、試薬Lを試薬容器201′に充填し且つ封止部233を形成して、試薬を長期保存可能とする。そして、使用時には、図6C、図6Dに示すように、切断部材Cuにより封鎖部208bを切断して吐出路208をカットして吐出口208a′を形成する。そして、図6Eに示すように、操作者により、ポンプ部221が圧縮されると、試薬容器201′の吐出路208から試薬Lが吐出され、使用済みとなる。よって、単体の試薬容器201′は使い捨ての試薬カートリッジとして使用することも可能である。
次に本発明の実施例3の説明をするが、この実施例3の説明において、前記実施例1,2の構成要素に対応する構成要素には同一の符号を付して、その詳細な説明は省略する。
この実施例は下記の点で、前記実施例1と相違しているが、他の点では前記実施例1,2と同様に構成される。
(実施例3の試薬供給システムSaの説明)
図7は本発明の実施例3の試薬供給システムの説明図であり、図7Aはジャバラ構造を有する気体の注入部材が退避位置に移動した場合の説明図、図7Bはジャバラ構造を有する気体の注入部材が気体注入位置に移動し且つ試薬カートリッジから試薬が吐出される場合の説明図、図7Cは試薬カートリッジと気体の注入部材とカートリッジ台の使用例の説明図、図7Dは変更例の説明図であり注射器構造を有する気体の注入部材が退避位置に移動した場合の説明図、図7Eは注射器構造を有する気体の注入部材が気体注入位置に移動し且つ試薬カートリッジから試薬が吐出される場合の説明図である。
図7において、実施例3の試薬供給システムSaは、実施例1の試薬カートリッジS1と、実施例3における加圧部材の一例であり、気体の注入部材の一例としての注入ジャバラ282と、実施例3における支持部の一例としてのカートリッジ台252と、を有する。
注入ジャバラ282は、中空円柱状のポンプ部282aを有する。ポンプ部282aはジャバラ構造を有しており、上下方向に弾性変形可能に構成されている。ポンプ部282の下部には、実施例1の密閉ゴム182aが支持されている。また、ポンプ部282の下部には、密閉ゴム182aを貫通して下方に延びる気体注入針282bが支持されており、ポンプ部282aで圧縮された気体が、気体注入針282bの先端から導出可能に構成されている。注入ジャバラ282は、図7Aに示す退避位置と、気体注入針282bが試薬容器101の気体収容部112に進入した進入位置の一例としての図7Bに示す気体注入位置との間を移動可能に構成されている。また、注入ジャバラ282では、ポンプ部282aが図7Aに示す弾性復元した位置と、図7Bに示す圧縮された位置との間を弾性変形可能に構成されている。
カートリッジ台252には、試薬カートリッジS1が着脱可能に支持される。カートリッジ台252は、試薬カートリッジS1が装着された場合に、試薬カートリッジS1の吐出口107aが下方に露出し、試薬供給対象物Pの上方に吐出口107aが配置されるように、試薬カートリッジS1を支持する。また、カートリッジ台252は、試薬カートリッジS1を相対的に左右方向に移動可能に支持する。
前記構成を備えた実施例3の試薬供給システムSaでは、図7Cに示すように、試薬供給対象物Pの位置に対応させてカートリッジ台252が配置される。また、カートリッジ台252には、試薬カートリッジS1が剥離シール123が剥離された状態で装着される。そして、試薬容器101が試薬供給対象物Pの上方に配置された状態で、注入ジャバラ282を気体注入位置に移動させると、注入ジャバラ282の気体注入針282bが密閉フィルム121に孔を開けて内部に進入すると共に、密閉ゴム182aにより密閉フィルム121に形成された孔の隙間が上方から塞がれる。このとき、ポンプ部282aが圧縮され、気体注入針282bを通じて気体収容部112に気体が注入されると、実施例3でも、気体収容部112が加圧され、試薬収容部111に収容されていた試薬Lが吐出される。
したがって、実施例3の試薬供給システムSaでは、試薬容器101が試薬供給対象物Pの上に配置され且つ注入ジャバラ282を用いた加圧が繰り返されることで、プロトコルに沿った一連の試薬Lが吐出可能となる。また、試薬Lを使い終わった試薬カートリッジS1は使い捨てされる。したがって、例えば、操作者が注入ジャバラ282や、試薬カートリッジS1を操作することでも、プロトコルに応じた試薬Lを試薬供給対象物Pに容易に吐出可能となっている。よって、実施例3の試薬供給システムSaでも、実施例1,2と同様に、従来に比べて、プロトコルに沿った試薬Lの吐出操作が容易になっている。
なお、実施例3の試薬供給システムSaでは、ジャバラ構造を有する注入ジャバラ282を操作して加圧する構成を例示したが、加圧部材や気体の注入部材の構成は、これに限定されない。加圧部材や気体の注入部材としては、例えば、注射器構造も可能である。具体的には、図7D,図7Eにおいて、注射器構造を有する気体の注入部材の一例としての注射器状部材282′では、プランジャ部282a′に対してバネ282b′を装着し、バネ282b′が弾性復元した場合に、プランジャ部282a′が図7Dに示す加圧可能な位置に保持される構成とする。また、注射器状部材282′の容器の針側には、実施例1の密閉ゴム182aを支持させる。
前記注射器状部材282′により試薬容器101を加圧する場合には、図7Eに示すように、注射針282c′により密閉フィルム121を穿孔し、注射針282c′先端を気体収容部112に進入させ、且つ、密閉ゴム182aにより密閉フィルム121に形成された孔を塞がせる。このとき、バネ282b′の弾性力に抗してプランジャ部282a′が押されると、気体収容部112には気体が注入されて加圧される。よって、注射器状部材282′を操作することでも、試薬Lを吐出可能である。すなわち、密閉フィルム121を破断させて、気体収容部112を加圧可能な部材であれば、任意の部材で気体収容部112を加圧して、試薬カートリッジS1から試薬Lを吐出させる構成が可能である。
(変更例)
以上、本発明の実施例を詳述したが、本発明は、前記実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内で、種々の変更を行うことが可能である。本発明の変更例(H01)〜(H012)を下記に例示する。
(H01)前記各実施例において、試薬カートリッジS1,S1″では、9つや3つの試薬容器を有する構成を例示したが、これに限定されず、1つ以上の任意の数で試薬カートリッジを構成することが可能である。
(H02)前記各実施例において、試薬カートリッジS1,S1″では、複数の試薬容器101,201,201′が直線状に配列された構成を例示したが、これに限定されない。例えば、4列×2列、3列×3列、100列×10列など、任意の二次元配列にすることが可能である。
(H03)前記各実施例において、試薬容器101,201,201′では、気体収容部112,214が、試薬収容部111,213と同様の径を有する構成を例示したが、これに限定されない。すなわち、気体収容部112,214の径が、試薬収容部111,213の径に比べて大きい構成や、気体収容部112,214の径が、試薬収容部111,213の径に比べて小さい構成も可能である。また、気体収容部112,214が省略された形状も可能であり、気体が収容されている小孔104,206の上端に、開口部の一例としての導入口113や接続口216が設けられた構成も可能である。
(H04)前記実施例1,3において、試薬カートリッジS1では、有する試薬容器101の全てに試薬Lが充填された構成を例示したが、これに限定されない。例えば、右方の6つの試薬容器101にのみ試薬Lが充填され、左方の3つの試薬容器101には試薬が充填されず空のままとされた試薬カートリッジの構成も可能である。
(H05)前記実施例2において、結合ホルダ241の全ての装填部242に対し、試薬容器201,201′が装填された構成を例示したが、これに限定されない。プロトコルに応じて、装填部242には試薬容器201が装填されていない空の装填部242を設けた試薬カートリッジとすることも可能である。
(H06)前記実施例2において、結合ホルダ241には、孔状の装填部242を形成して、試薬容器201,201′が長手方向に挿入されて装填される構成を例示したが、これに限定されない。例えば、装填部を断面U字状の凹み形状に形成し、試薬容器201,201′側部全体を、長手方向と交差する方向に押し込んで装填したり、あるいは、結合ホルダを前枠部材と後枠部材とで構成して、試薬容器201,201′を前枠部材と後枠部材とで挟んで保持させて装填するなど、任意の装填方法で結合ホルダに試薬容器201,201′を装填させる構成が可能である。
(H07)前記各実施例において、試薬カートリッジS1では、剥離シール123はシール支持面134、134″に支持されていることが望ましいが、試薬容器101,201,201′の下端部分のみに支持され、間欠的に支持される構成も可能である。
(H08)前記実施例2において、装填部材の一例としての結合ホルダ241には、ポンプ部221を備えた試薬容器201,201′が装填される構成を例示したが、装填される試薬容器は、ポンプ部221を備えた試薬容器201,201′に限定されない。例えば、実施例1の試薬容器101を装填可能にした構成も可能である。すなわち、実施例1の試薬容器101を装填可能に個別に成形し、且つ、試薬容器101が装填される装填部が形成された結合ホルダを成形し、試薬容器101が装填される結合ホルダと、装填された各試薬容器101と、各試薬容器101を密閉する密閉フィルム121と剥離シール123とで、試薬カートリッジを構成することも可能である。
(H09)前記各実施例において、試薬カートリッジS1,S1″では、各試薬容器101,201,201′が順次、加圧される構成を例示したが、これに限定されず、気体の注入部材を複数配置して複数の試薬容器101,201,201′から同時に吐出させる構成も可能である。
(H010)前記実施例1,3において、気体収容部112を加圧する場合には、気体を注入して加圧する構成が望ましいが、これに限定されず、気体収容部112の断面形状に対応した部材を導入口113から気体収容部112に挿入して加圧することも可能である。
(H011)前記各実施例において、試薬カートリッジS1,S1″を試薬供給対象物Pの上方に移動させて、試薬容器101,201,201′から試薬Lを供給する構成を例示したが、これに限定されず、例えば、試薬カートリッジS1,S1″の位置を固定として、試薬供給対象物Pを試薬容器101,201,201′の下方に移動させて、試薬容器101,201,201′から試薬Lを供給させる構成も可能である。
(H012)前記各実施例において、例示した具体的な数値は、本願発明の作用、効果を奏する範囲内において、任意の数値に変更可能である。
101,201,201′…試薬容器本体、
103,204…狭隘部、
107,208…流出路、
107a,208a…流出口、
111,213…収容空間、
113,216…開口部、
126…気体が封入された空間、
121…開口密閉部材、
123…流出密閉部材、
132,132″…結合部、
182…注入部材、
208b…封鎖部、
221…圧縮部材、
L…試薬、
S1,S1″…試薬カートリッジ、
S2,S2″…試薬供給装置。

Claims (8)

  1. 一端から他端に向かって延びて試薬が収容されると共に、試薬を流出させる場合に加圧可能な収容空間と、前記収容空間の一端部に設けられた開口部と、前記収容空間の他端部に設けられ前記収容空間に収容された試薬が外部に流出可能な流出口と、前記収容空間の一端側に設けられ前記収容空間に比べて幅が狭い狭隘部と、を有する試薬容器本体と、
    前記試薬容器本体の他端部に支持されて、前記収容空間に収容された試薬との間に気体が封入された空間が形成された状態で前記流出口を密閉し且つ、試薬を流出させる場合に前記試薬容器本体に対して除去可能な流出密閉部材と、
    前記試薬容器本体の一端部に支持されて前記開口部を密閉し且つ、試薬を流出させる場合に押されて破断可能な膜状の開口密閉部材と、
    を備え、
    1回限りで使い捨て可能であることを特徴とする試薬カートリッジ。
  2. 一端から他端に向かって移動可能に支持され且つ試薬を押し出す気体を注入する注入部材を有し、前記注入部材を駆動させて試薬を供給する試薬供給装置、に着脱可能に支持される前記試薬カートリッジであって、
    前記注入部材に押されて破断可能な前記開口密閉部材、
    を備えたことを特徴とする請求項1に記載の試薬カートリッジ。
  3. 一端から他端に向かって延びて試薬が収容されると共に、試薬を流出させる場合に加圧可能な収容空間と、前記収容空間の一端部に設けられた開口部と、前記収容空間の他端部に設けられ前記収容空間に収容された試薬が外部に流出可能な流出口と、前記収容空間の一端側に設けられ前記収容空間に比べて幅が狭い狭隘部と、前記収容空間の一端部に支持されて前記開口部と繋がる密閉された内部空間を有し復元位置と前記復元位置に比べて圧縮された圧縮位置とを弾性変形可能な圧縮部材と、を有する試薬容器本体と、
    大気圧に対して負圧に設定された前記内部空間と、
    前記試薬容器本体の他端部に支持されて、前記収容空間に収容された試薬との間に気体が封入された空間が形成された状態で前記流出口を密閉し、且つ、試薬を流出させる場合に前記試薬容器本体に対して除去可能な流出密閉部材と、
    を備え、
    1回限りで使い捨て可能であることを特徴とする試薬カートリッジ。
  4. 前記収容空間の他端側に設けられ前記収容空間に比べて幅が狭く前記収容空間から前記流出口まで延びる流出路と、
    を備えたことを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の試薬カートリッジ。
  5. 前記試薬容器本体が装填可能に形成され且つ前記試薬容器本体が装填された場合に前記試薬容器本体の他端部が露出可能な開口を有する装填部、が複数形成された装填部材と、
    少なくとも一つ以上の前記装填部に装填された前記試薬容器本体と、
    を備えたことを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の試薬カートリッジ。
  6. 複数の前記試薬容器本体と、
    複数の試薬容器本体の前記流出口を密閉する1つの前記流出密閉部材と、
    を備えたことを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の試薬カートリッジ。
  7. 前記試薬容器本体の他端部間を連続的に結合する結合部と、
    前記試薬容器本体の他端部および前記結合部に剥離可能に支持された前記流出密閉部材と、
    を備えたことを特徴とする請求項5または6に記載の試薬カートリッジ。
  8. 一端から他端に向かって延びて試薬が収容されると共に、試薬を流出させる場合に加圧可能な収容空間と、前記収容空間の一端部に設けられた開口部と、前記収容空間の他端部に設けられ前記収容空間に収容された試薬が外部に流出可能な流出路と、前記収容空間の一端側に設けられ前記収容空間に比べて幅が狭い狭隘部と、前記収容空間の一端部に支持されて前記開口部と繋がる密閉された内部空間を有し復元位置と前記復元位置に比べて圧縮された圧縮位置とを弾性変形可能な圧縮部材と、を有する試薬容器本体と、
    大気圧に対して負圧に設定された前記内部空間と、
    前記流出路の他端部に設けられて、前記収容空間に収容された試薬との間に気体が封入された空間が形成された状態で前記流出路を封鎖し、且つ、試薬を流出させる場合に前記気体が封入された空間の位置で破断されて前記試薬容器本体に対して除去可能な封鎖部と、
    を備え、
    1回限りで使い捨て可能であることを特徴とする試薬カートリッジ。
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