JP2016175637A - 温度異常検出システム、温度異常検出方法 - Google Patents

温度異常検出システム、温度異常検出方法 Download PDF

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拓也 大庭
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Abstract

【課題】軌道走行車両などの一つ以上の車両から編成される移動体の監視対象部位に温度異常が発生していることを精度良く検出する技術を提供する。【解決手段】車両編成が検出された移動体(編成検出移動体)に含まれる監視対象部位の温度値を取得する。特定の車両編成(特定編成)を有する移動体における標準温度(特定編成標準温度)とすべての編成検出移動体における標準温度(全編成標準温度)とを、取得した監視対象部位の温度値に基づき計算する。特定編成標準温度と全編成標準温度との関係を示す標準温度関係点が2次元平面上に分布する範囲である平面集合を作成する。蓄積しておいた特定編成標準温度と全編成標準温度との関係を示す標準温度関係点が2次元平面上に分布する範囲である正常時集合を計算する。平面集合と正常時集合との2次元平面上での位置関係を判定し、判定結果に基づき監視対象部位に温度異常が発生しているか否かを判定する。【選択図】図1

Description

本発明は、軌道走行車両などの一つ以上の車両から編成される移動体の監視対象部位に温度異常が発生していることを精度良く検出する技術に関する。
鉄道車両など軌道上を走行する車両では、車輪を支持する軸の両端に、その軸を回転可能に支持する車軸軸受けがそれぞれ取り付けられている。この車軸軸受けとしては、潤滑油等の液体潤滑に依存する滑り軸受けや固体潤滑を利用した転がり軸受けがある。なお、このような車軸軸受けはそれを支持する構造を含めて一般的に軸箱とも呼ばれるため、以下の説明では軸箱と適宜表記する。
ところで、このような軸箱においては、走行時に高速で回転する軸を回転可能に支持するために多量の熱を発生させる。そして、発生した熱により車両走行時に軸箱の温度が異常上昇し、過熱および焼損等の事故が発生し得る。このため、このような軸箱の過熱および焼損等の発生を未然に防ぐために、軸箱の温度異常を検出する技術が提案されている。
例えば、特許文献1には、走行中である車両の発熱部位の表面温度を測定し、測定された軸箱の表面温度値から、互いに同一条件下におかれていたと判断されるとともにその温度傾向が同一である軸箱の表面温度値を選択し、選択した表面温度値の編成内の中央値から軸箱に異常が発生しているか否かを判定するための評価値を算出し、さらに、測定されたすべての表面温度値と推定温度値とを順に比較し、その比較結果に基づきその表面温度値に対応する軸箱に異常が発生しているか否かを判定する技術について記載されている。
特開2010−179706号公報
しかし、特許文献1に記載の技術では、次のような問題があった。すなわち、特許文献1に記載の技術では、測定した軸箱の表面温度値を互いに同一条件下におかれ且つその温度傾向が同一である軸箱の表面温度値に基づき算出された推定温度値と比較することで軸箱の温度異常を監視するが、軸箱への太陽光の入射や風雨、降雪等などに起因する外乱の影響がある場合には、軸箱の表面温度値と軸箱の表面温度値に基づき算出された推定温度値とが共に受ける。このため、温度異常が検出された場合に、機器異常が原因なのか外乱の影響による温度上昇が原因なのか区別がつかない。したがって、両者を比較することで行われる軸箱の温度異常の判断が誤っているおそれがあり、軸箱の温度異常を精度良く検出することができないという問題があった。
本発明は、このような課題に鑑みなされたものであり、その目的とするところは、軌道走行車両などの一つ以上の車両から編成される移動体の監視対象部位に温度異常が発生していることを精度良く検出する技術を提供することにある。
上記課題を解決するためになされた本発明の温度異常検出システムは、一つ以上の車両から編成される移動体の監視対象部位に温度異常が発生していることを検出する温度異常検出システムであって、前記移動体の車両編成を前記移動体ごとに検出する編成検出手段と、前記編成検出手段によって前記車両編成が検出された移動体を編成検出移動体として、前記編成検出移動体に含まれる前記監視対象部位の温度値を取得する温度値取得手段と、前記車両編成のうち、予め設定された特定の車両編成を特定編成とし、前記編成検出移動体のうち前記特定編成を有する移動体における標準温度である特定編成標準温度を、前記温度値取得手段が取得した前記監視対象部位の温度値に基づき計算する特定編成標準温度計算手段と、すべての前記編成検出移動体における標準温度である全編成標準温度を、前記温度値取得手段が取得した前記監視対象部位の温度値に基づき計算する全編成標準温度計算手段と、前記特定編成標準温度計算手段によって計算された前記特定編成標準温度および前記全編成標準温度計算手段によって計算された前記全編成標準温度に関して、互いに対応する前記特定編成標準温度と前記全編成標準温度との関係を示す標準温度関係点が2次元平面上に分布する範囲である平面集合を作成する平面集合作成手段と、前記特定編成標準温度計算手段によって計算された前記特定編成標準温度と前記全編成標準温度計算手段によって計算された前記全編成標準温度とを対応付けて記憶する標準温度記憶手段と、前記標準温度記憶手段に記憶されている前記全編成標準温度および前記全編成標準温度に関して、互いに対応する前記特定編成標準温度と前記全編成標準温度との関係を示す標準温度関係点が前記2次元平面上に分布する範囲である正常時集合を計算する正常時集合計算手段と、前記平面集合作成手段によって計算された前記平面集合と前記正常時集合計算手段によって計算された前記正常時集合との前記2次元平面上での位置関係を判定する集合関係判定手段と、前記集合関係判定手段による判定結果に基づき前記監視対象部位に温度異常が発生しているか否かを判定する温度異常判定手段と、を備えることを特徴とする。
この場合、前記温度異常判定手段が、前記2次元平面上で前記平面集合が前記正常時集合より逸脱すると前記集合関係判定手段によって判定された場合に、前記監視対象部位に温度異常が発生していると判定するようにしてもよい。
このように構成された本発明の温度異常検出システムによれば、測定された監視対象部位の温度値から統計的手法を用いて算出された平面集合と正常時集合との位置関係に基づき監視対象部位に温度異常が発生しているか否かを判断している。このため、測定された監視対象部位の温度値が、太陽光の入射や風雨、降雪等などに起因する外乱の影響を受けている場合でも、特許文献1に記載の技術とは異なり、平面集合と正常時集合との位置関係に基づく判断により、機器異常が原因である温度異常なのか外乱の影響による温度上昇が原因である温度異常なのか区別することができる。したがって、監視対象部位に温度異常が発生していることを精度良く検出することができる。
上記課題を解決するためになされた本発明の温度異常検出方法は、一つ以上の車両から編成される移動体の監視対象部位に温度異常が発生していることを検出する温度異常検出方法であって、前記移動体の車両編成を前記移動体ごとに検出し、前記車両編成が検出された移動体を編成検出移動体として、前記編成検出移動体に含まれる前記監視対象部位の温度値を取得し、前記車両編成のうち、予め設定された特定の車両編成を特定編成とし、前記編成検出移動体のうち前記特定編成を有する移動体における標準温度である特定編成標準温度を、取得した前記監視対象部位の温度値に基づき計算し、すべての前記編成検出移動体における標準温度である全編成標準温度を、取得した前記監視対象部位の温度値に基づき計算し、計算された前記特定編成標準温度および計算された前記全編成標準温度に関して、互いに対応する前記特定編成標準温度と全編成標準温度との関係を示す標準温度関係点が2次元平面上に分布する範囲である平面集合を作成し、計算された前記特定編成標準温度および計算された前記全編成標準温度を対応付けて記憶し、記憶された前記特定編成標準温度および前記全編成標準温度に関して、互いに対応する前記特定編成標準温度と前記全編成標準温度との関係を示す標準温度関係点が前記2次元平面上に分布する範囲である正常時集合を計算し、前記平面集合と前記正常時集合との前記2次元平面上での位置関係を判定し、判定結果に基づき前記監視対象部位に温度異常が発生しているか否かを判定することを特徴とする。
この場合、前記2次元平面上で前記平面集合が前記正常時集合より逸脱すると判定された場合に、前記監視対象部位に温度異常が発生していると判定するようにしてもよい。
このように構成された本発明の温度異常検出方法によれば、測定された監視対象部位の温度値から統計的手法を用いて算出された平面集合と正常時集合との位置関係に基づき監視対象部位に温度異常が発生しているか否かを判断している。このため、測定された監視対象部位の温度値が、太陽光の入射や風雨、降雪等などに起因する外乱の影響を受けている場合でも、特許文献1に記載の技術とは異なり、平面集合と正常時集合との位置関係に基づく判断により、機器異常が原因である温度異常なのか外乱の影響による温度上昇が原因である温度異常なのか区別することができる。したがって、監視対象部位に温度異常が発生していることを精度良く検出することができる。
温度異常検出システム1を示す概略構成図である。 温度異常検出を示す説明図である。
以下に本発明の実施形態を図面とともに説明する。なお、本発明は下記実施形態に限定されるものではなく、様々な態様にて実施することが可能である。
図1に示す温度異常検出システム1は、軌道走行車両などの一つ以上の車両から編成される移動体としての列車の監視対象部位に温度異常が発生していることを検出する機能を有する。
[1.温度異常検出システム1の構成]
温度異常検出システム1は、機器温度センサ11と、列車(編成)検出部12と、機器部位検出部13と、データ処理部14と、記憶部15と、特定編成標準温度計算部16と、全編成標準温度計算部17と、平面集合作成部18と、正常時集合計算部19と、集合関係判定部20と、温度異常検出部21と、を備える。
なお、温度異常検出システム1は、周知のCPU、ROM、RAM、入出力回路であるI/Oおよびこれらの構成を接続するバスラインなどで構成されるコンピュータを搭載しており、このうちのCPUが、データ処理部14、特定編成標準温度計算部16、全編成標準温度計算部17、平面集合作成部18、正常時集合計算部19、集合関係判定部20および温度異常検出部21として機能し、RAMが記憶部15として機能する。
また、CPUは、ROMおよびRAMに記憶された制御プログラムおよびデータにより制御を行なう。ROMは、プログラム格納領域とデータ記憶領域とを有している。プログラム格納領域には制御プログラムが格納され、データ記憶領域には制御プログラムの動作に必要なデータが格納されている。また、制御プログラムは、RAM上にてワークメモリを作業領域とする形で動作する。
[1.1.機器温度センサ11の構成]
機器温度センサ11は、線路(軌道)が敷設された地上側に、線路を走行する列車の両側方それぞれに対応して配置され、監視対象部位の放射熱を検知して監視対象部位の温度値を測定する。より具体的には、機器温度センサ11は、筐体の内部に赤外線放射温度計を内蔵する構成を有しており、赤外線放射温度計が、温度を有する物体が放射する赤外線の強さ(エネルギー量)を検知することにより、線路を通過する列車の各車両の監視対象部位の温度を、非接触で計測する。なお、監視対象部位とは、温度異常が発生しているか否かを監視すべき対象となる部位であり、軸箱や車軸などが挙げられる。
なお、この機器温度センサ11は、CPUからの指示に従って、予め設定された測定開始時刻となったら上述の測定を開始し、予め設定された測定終了時刻となったら測定を終了する。このとき、機器温度センサ11は、後述する列車(編成)検出部12によって車両編成が検出された列車を編成検出列車(編成検出移動体)として、編成検出列車に含まれる監視対象部位の温度値を取得し、取得した温度値を、データ処理部14を介して特定編成標準温度計算部16および全編成標準温度計算部17に出力する。
なお、機器温度センサ11は、温度値取得手段に該当する。
[1.2.列車(編成)検出部12の構成]
列車(編成)検出部12は、線路を通過する列車の編成番号を検出する。具体的には、列車を構成する車両の車体に貼り付けたICカードに編成名が登録されていて、列車通過時に地上に設けられた図示しないアンテナによって情報を受信し、編成名を当該列車(編成)検出部12に読み込むようになっている。このように、列車(編成)検出部12は、列車の車両編成を検出する。
なお、列車(編成)検出部12は、編成検出手段に該当する。
[1.3.機器部位検出部13の構成]
機器部位検出部13は、車輪のフランジ部が近接すると信号を出力し、非接触で車輪の通過タイミングを精度良く検知可能である。なお、このような非接触での検出手法としては、例えば高周波誘導方式や光電方式が挙げられる。
[1.4.データ処理部14の構成]
データ処理部14は、機器温度センサ11からの出力信号、列車(編成)検出部12からの出力信号、機器部位検出部13からの出力信号に基づき各種演算を実行して、通過する列車の車両編成(編成名)、列車の車種、軸箱が設置される号車番号、軸箱の軸位、および軸箱が設置される側が海側か山側の区別を判断し、その判断結果を特定編成標準温度計算部16および全編成標準温度計算部17に出力する。
また、データ処理部14は、記憶部15との間でデータのやり取りが可能であり、上述の判断結果を記憶部15に出力して記憶させたり、記憶部15が記憶する各種データを読み出して特定編成標準温度計算部16および全編成標準温度計算部17に出力したりする。
[1.5.記憶部15の構成]
記憶部15は、各種情報を記憶しておくために用いられる。
[1.6.特定編成標準温度計算部16の構成]
特定編成標準温度計算部16は、機器温度センサ11が取得した監視対象部位の温度値に基づき、特定編成標準温度を計算する。具体的には、特定編成標準温度計算部16は、車両編成のうち、予め設定された特定の車両編成を特定編成とし、列車(編成)検出部12によって車両編成が検出された列車(編成検出列車)のうち特定編成を有する列車における標準温度である特定編成標準温度を、機器温度センサ11が取得した監視対象部位の温度値に基づき計算する。具体的には、標準温度を「(温度指標−温度指標の編成内平均)/標準偏差」により定義し、特定編成を有する列車における算出値を特定編成の標準温度(特定編成標準温度)とする。この場合、算出の元となる温度指標については機器温度センサ11によって計測された監視対象部位の温度を用いて算出された標準温度を用いる。また、算出の元となる標準偏差については、機器温度センサ11によって計測された監視対象部位の温度を用いて算出された標準温度を母集団とする標準偏差を算出して用いる。温度指標の編成内平均とは、特定編成内でのすべての温度指標の平均値である。なお、特許文献1による判定手法で算出された相対温度等を用いてもよい。
なお、特定編成については、すべての車両編成の中から一つの車両編成を予め設定しておき、本実施形態の温度異常の判定を行うが、すべての車両編成の中から一つずつ選択して、複数の車両編成またはすべての車両編成について、本実施形態の温度異常の判定を行うようにしてもよい。
なお、特定編成標準温度計算部16は特定編成標準温度計算手段に該当する。
[1.7.全編成標準温度計算部17の構成]
全編成標準温度計算部17は、機器温度センサ11が取得した前記監視対象部位の温度値に基づき、全編成標準温度を計算する。具体的には、全編成標準温度計算部17は、列車(編成)検出部12によって車両編成が検出されたすべての列車(編成検出列車)における標準温度である全編成標準温度を、機器温度センサ11が取得した監視対象部位の温度値に基づき計算する。具体的には、標準温度を「(温度指標−温度指標の全編成平均)/標準偏差」により定義し、すべての編成検出列車における算出値を全編成の標準温度(全編成標準温度)とする。この場合、算出の元となる温度指標については機器温度センサ11によって計測された監視対象部位の温度を用いて算出された標準温度を用いる。また、算出の元となる標準偏差については、機器温度センサ11によって計測された監視対象部位の温度を用いて算出された標準温度を母集団とする標準偏差を算出して用いる。温度指標の全編成平均とは、すべての列車である全編成でのすべての温度指標の平均値である。なお、特許文献1による判定手法で算出された相対温度等を用いてもよい。
なお、全編成標準温度計算部17は全編成標準温度計算手段に該当する。
[1.8.平面集合作成部18の構成]
平面集合作成部18は、特定編成標準温度計算部16によって計算された特定編成標準温度と全編成標準温度計算部17によって計算された全編成標準温度とに基づき平面集合を作成する。具体的には、特定編成標準温度と全編成標準温度に関して、図2に示すように、特定編成標準温度を横軸、全編成標準温度を縦軸とした2次元平面としてのグラフ上において、互いに対応する特定編成標準温度と全編成標準温度との関係を示す標準温度関係点をプロットする。ここでは、予め設定された算出期間に計測された監視対象部位の温度に基づき算出された特定編成標準温度および全編成標準温度を用いる。この算出期間については、現在から直近の期間でもよいし、過去のある時刻から遡った期間でもよい。そして、グラフ上にプロットされた標準温度関係点の分布する範囲を平面集合(図2中の[A])として特定する。
なお、平面集合作成部18は平面集合作成手段に該当する。
[1.9.正常時集合計算部19の構成]
正常時集合計算部19は、特定編成標準温度計算部16によって計算された特定編成標準温度と全編成標準温度計算部17によって計算された全編成標準温度とに基づき正常時の集合を計算する。具体的には、特定編成標準温度計算部16によって計算された特定編成標準温度と全編成標準温度計算部17によって計算された全編成標準温度とを対応付けて記憶しておく。図2に示すように、前記グラフ上において、互いに対応する特定編成標準温度と全編成標準温度との関係を示す標準温度関係点をプロットする。ここでは、平面集合を算出する際に設定された算出期間よりも十分に長い算出期間を設定し、この算出期間に計測された監視対象部位の温度に基づき算出された特定編成標準温度および全編成標準温度を用いる。この算出期間については、現在から直近の期間でもよいし、過去のある時刻から遡った期間でもよい。そして、グラフ上にプロットされた標準温度関係点の分布する範囲を正常時集合(図2中の[B])として特定する。なお、この正常時集合については、特定編成標準温度および全編成標準温度をグラフ上にプロットすることで正常時集合を特定する代わりに、特定編成標準温度および全編成標準温度それぞれの移動平均値または移動中央値をグラフ上にプロットすることで正常時集合を特定することにより、正常時集合が占める領域を縮小することが可能である。移動平均値とは、直近の所定回数の値の平均値であり、移動中央値とは、直近の所定回数の値の中央値である。
なお、正常時集合計算部19は、標準温度記憶手段および正常時集合計算手段に該当する。
[1.10.集合関係判定部20の構成]
集合関係判定部20は、平面集合作成部18によって計算された平面集合と正常時集合計算部19によって計算された正常時集合とのグラフ上での位置関係を判定する。例えば、平面集合と正常時集合とのグラフ上での重なり度合が所定値以上である場合には、集合関係判定部20は、平面集合が正常時集合より逸脱しないと判定し、一方、平面集合と正常時集合とのグラフ上での重なり度合が所定値未満である場合には、集合関係判定部20は、平面集合が正常時集合より逸脱すると判定するといった具合である。この場合の所定値は、平面集合と正常時集合とのグラフ上での重なり度合によって監視対象部位に温度異常が発生しているか否かを判定する観点から予め実験等により設定される。また、ここでは、平面集合が正常時集合から逸脱する方向(逸脱方向)についても特定する。
なお、集合関係判定部20は集合関係判定手段に該当する。
[1.11.温度異常検出部21の構成]
温度異常検出部21は、集合関係判定部20による判定結果に基づき監視対象部位に温度異常が発生しているか否かを判定する。具体的には、温度異常検出部21は、グラフ上で平面集合が正常時集合より逸脱すると集合関係判定部20によって判定された場合に、監視対象部位に温度異常が発生していると判定する。
なお、上記のグラフ上に示された正常時集合からの平面集合の逸脱方向により、異常度の高さ及び異常の特色を読み取ることが可能となる。これは、計測された監視対象部位の温度値が変化した場合に、これらの計測温度に基づき算出された特定編成標準温度の値または全編成標準温度の値が変化し、特定編成標準温度および全編成標準温度に基づき算出された平面集合が、グラフ上において、正常時集合と重なる位置から逸脱することによる。例えば、監視対象部位の温度値が変化した場合において、特定編成を有する列車の監視対象部位の温度値が変化して特定編成標準温度の値が増減するときには、これに伴って標準温度関係点がグラフ上で横軸方向に移動し、平面集合がグラフ上で横軸方向へ移行または拡張する。また、監視対象部位の温度値が変化した場合において、全編成の列車の監視対象部位の温度値が変化して全編成標準温度の値が増減するときには、これに伴って標準温度関係点がグラフ上で縦軸方向に移動し、平面集合がグラフ上で縦軸方向へ移行または拡張する。
例えば、図2に示すように、グラフ上の正常時集合からの第1象限側への平面集合の逸脱は高温異常を示すと考えられる。これは、高温異常が発生しているときには、計測された監視対象部位の温度値が高温となり、これらの計測温度に基づき算出された特定編成標準温度の値および全編成標準温度の値が大きくなり、特定編成標準温度および全編成標準温度に基づき算出された平面集合が、グラフ上において、正常時集合と重なる位置から第1象限方向へその分布が移行または拡張して正常時集合から逸脱することによる。また、第3象限側への平面集合の逸脱については、低温異常を示すと考えられる。これは、低温異常が発生しているときには、計測された監視対象部位の温度値が低温となり、これらの計測温度に基づき算出された特定編成標準温度の値および全編成標準温度の値が小さくなり、特定編成標準温度および全編成標準温度に基づき算出された平面集合が、グラフ上において、正常時集合と重なる位置から第3象限方向へその分布が移行または拡張して正常時集合から逸脱することによる。また、第2象限および4象限への平面集合の逸脱については、上述のような高温異常または低温異常によるものではなく、特定編成の特異性或いは、計測異常を示すと考えられる。これは、特定編成の特異性或いは計測異常により、特定編成標準温度の値または全編成標準温度の値が変化し、特定編成標準温度および全編成標準温度に基づき算出された平面集合が、グラフ上において、正常時集合と重なる位置から第2象限方向または第4象限方向へその分布が移行または拡張して正常時集合から逸脱することによる。なお、特定編成の特異性としては、床下機器の配置が特殊である車両が特定編成の列車に含まれる場合や、他の車両とは異なる機器を床下に備える車両が特定編成の列車に含まれる場合などが挙げられる。また、計測異常の具体例としては、機器温度センサ11の故障やデータ通信時の障害による一部データの欠損などが挙げられる。
なお、温度異常検出部21は温度異常判定手段に該当する。
[2.実施形態の効果]
このように本実施形態の温度異常検出システム1によれば、列車の車両編成を検出し、車両編成が検出された列車を編成検出列車として、編成検出列車に含まれる監視対象部位の温度値を取得し、車両編成のうち、予め設定された特定の車両編成を特定編成とし、編成検出列車のうち特定編成を有する列車における標準温度である特定編成標準温度を、取得した監視対象部位の温度値に基づき計算し、すべての編成検出列車における標準温度である全編成標準温度を、取得した監視対象部位の温度値に基づき計算し、特定編成標準温度と全編成標準温度とに基づき平面集合を作成し、特定編成標準温度と全編成標準温度とに基づき正常時集合を計算し、前記平面集合と前記正常時集合とのグラフ上での位置関係を判定し、判定結果に基づき前記監視対象部位に温度異常が発生しているか否かを判定する。
このことにより、測定された監視対象部位の温度値から統計的手法を用いて算出された平面集合と正常時集合との位置関係に基づき監視対象部位に温度異常が発生しているか否かを判断している。このため、測定された監視対象部位の温度値が、太陽光の入射や風雨、降雪等などに起因する外乱の影響を受けている場合でも、特許文献1に記載の技術とは異なり、平面集合と正常時集合との位置関係に基づく判断により、機器異常が原因である温度異常なのか外乱の影響による温度上昇が原因である温度異常なのか区別することができる。したがって、監視対象部位に温度異常が発生していることを精度良く検出することができる。
1…温度異常検出システム、11…機器温度センサ、12…列車(編成)検出部、13…機器部位検出部、14…データ処理部、15…記憶部、16…特定編成標準温度計算部、17…全編成標準温度計算部、18…平面集合作成部、19…正常時集合計算部、20…集合関係判定部、21…温度異常検出部。

Claims (4)

  1. 一つ以上の車両から編成される移動体の監視対象部位に温度異常が発生していることを検出する温度異常検出システムであって、
    前記移動体の車両編成を前記移動体ごとに検出する編成検出手段と、
    前記編成検出手段によって前記車両編成が検出された移動体を編成検出移動体として、前記編成検出移動体に含まれる前記監視対象部位の温度値を取得する温度値取得手段と、
    前記車両編成のうち、予め設定された特定の車両編成を特定編成とし、前記編成検出移動体のうち前記特定編成を有する移動体における標準温度である特定編成標準温度を、前記温度値取得手段が取得した前記監視対象部位の温度値に基づき計算する特定編成標準温度計算手段と、
    すべての前記編成検出移動体における標準温度である全編成標準温度を、前記温度値取得手段が取得した前記監視対象部位の温度値に基づき計算する全編成標準温度計算手段と、
    前記特定編成標準温度計算手段によって計算された前記特定編成標準温度および前記全編成標準温度計算手段によって計算された前記全編成標準温度に関して、互いに対応する前記特定編成標準温度と前記全編成標準温度との関係を示す標準温度関係点が2次元平面上に分布する範囲である平面集合を作成する平面集合作成手段と、
    前記特定編成標準温度計算手段によって計算された前記特定編成標準温度と前記全編成標準温度計算手段によって計算された前記全編成標準温度とを対応付けて記憶する標準温度記憶手段と、
    前記標準温度記憶手段に記憶されている前記特定編成標準温度および前記全編成標準温度に関して、互いに対応する前記特定編成標準温度と前記全編成標準温度との関係を示す標準温度関係点が前記2次元平面上に分布する範囲である正常時集合を計算する正常時集合計算手段と、
    前記平面集合作成手段によって計算された前記平面集合と前記正常時集合計算手段によって計算された前記正常時集合との前記2次元平面上での位置関係を判定する集合関係判定手段と、
    前記集合関係判定手段による判定結果に基づき前記監視対象部位に温度異常が発生しているか否かを判定する温度異常判定手段と、
    を備えることを特徴とする温度異常検出システム。
  2. 請求項1に記載の温度異常検出システムにおいて、
    前記温度異常判定手段は、前記2次元平面上で前記平面集合が前記正常時集合より逸脱すると前記集合関係判定手段によって判定された場合に、前記監視対象部位に温度異常が発生していると判定すること
    を特徴とする温度異常検出システム。
  3. 一つ以上の車両から編成される移動体の監視対象部位に温度異常が発生していることを検出する温度異常検出方法であって、
    前記移動体の車両編成を前記移動体ごとに検出し、
    前記車両編成が検出された移動体を編成検出移動体として、前記編成検出移動体に含まれる前記監視対象部位の温度値を取得し、
    前記車両編成のうち、予め設定された特定の車両編成を特定編成とし、前記編成検出移動体のうち前記特定編成を有する移動体における標準温度である特定編成標準温度を、取得した前記監視対象部位の温度値に基づき計算し、
    すべての前記編成検出移動体における標準温度である全編成標準温度を、取得した前記監視対象部位の温度値に基づき計算し、
    計算された前記特定編成標準温度および計算された前記全編成標準温度に関して、互いに対応する前記特定編成標準温度と全編成標準温度との関係を示す標準温度関係点が2次元平面上に分布する範囲である平面集合を作成し、
    計算された前記特定編成標準温度および計算された前記全編成標準温度を対応付けて記憶し、
    記憶された前記特定編成標準温度および前記全編成標準温度に関して、互いに対応する前記特定編成標準温度と前記全編成標準温度との関係を示す標準温度関係点が前記2次元平面上に分布する範囲である正常時集合を計算し、
    前記平面集合と前記正常時集合との前記2次元平面上での位置関係を判定し、
    判定結果に基づき前記監視対象部位に温度異常が発生しているか否かを判定すること
    を特徴とする温度異常検出方法。
  4. 請求項3に記載の温度異常検出方法において、
    前記2次元平面上で前記平面集合が前記正常時集合より逸脱すると判定された場合に、前記監視対象部位に温度異常が発生していると判定すること
    を特徴とする温度異常検出方法。
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