JP2016175097A - 金属薄板の加工装置及び加工方法 - Google Patents

金属薄板の加工装置及び加工方法 Download PDF

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Abstract

【課題】接近/離間方向に型開閉する金型を用いて金属薄板を加工する際の生産性が低い問題を解決し得て、金属薄板の加工コストを低減することが可能な金属薄板の加工装置を提供する。【解決手段】所定速度で搬送される長尺の金属薄板Hに対して加工を行う加工装置であって、(a)接近/離隔方向に型開閉する金型24と、(b)金属薄板Hの搬送方向に、金属薄板Hと同期して金型24を移動させる金型移動手段と、(c)カム部材52と金型24の可動型44に一端を固定されたロッド48とを有し、カム部材52のカム面54にロッド48の他端を当接させた際のカム作用により、搬送方向に移動する金型24の可動型44を型閉方向に駆動させる金型駆動手段と、を備えている。【選択図】 図2

Description

この発明は金属薄板の加工装置及び加工方法に関し、特に金属薄板を搬送移動させたままの状態で加工を行うことが可能な加工装置及び加工方法に関する。
従来、長尺の金属薄板に対し、その板厚方向に突出する一定幅の突条部を複数形成する方法として下記特許文献1で示す円板状カッタを用いたロール成形手法が知られている。
図10はその一例を示している。
同図において102は上ロール、104は下ロールで、これら一対のロール102,104は周縁部の周方向所定ピッチに凸部108を備えた円板状カッタ106を回転軸方向に重ね合わせて構成されている。
これら一対のロール102,104の凸部108は、互いに相手ロールの凸部108間の凹部に嵌合している。
そしてロール102,104の間に供給された金属薄板Hには、凸部108のかみ合わせにより図示のように板厚方向に突出する突条部110が複数形成される。
詳しくは、部分拡大図で示すように凸部108の両側縁部に、金属薄板Hを剪断するための刃部112が形成されており、上ロール102側の刃部112と下ロール104側の刃部112とが互いに回転しながらかみ合うことによって、金属薄板Hには長尺方向に延びる2つのスリットが形成される。
そしてスリット形成と同時に、対向する2つのスリットとの間の部分を凸部108の頂部によって板厚方向に押し出すことで金属薄板Hに突条部110が形成される。
このような円板状カッタを用いたロール成形手法は、金属薄板Hを搬送させながら連続的に突条部110を形成することができるので生産性が高い。
しかしながら、スリット加工により刃部112が磨耗した場合に再研磨を行うと、凸部108の頂部を含む凸部108全体の高さが低くなってしまい、その結果、凸部108の頂部によって押し出される金属薄板Hの突条部110の高さがそれまでのものと異なってしまう。このためロール成形手法にあっては刃部112を再研磨して使用することが難しく、カッタの寿命が短いものとなってしまう。
一方、下記特許文献2には、上記円板状カッタを用いたロール成形手法以外の手法として、接近/離間方向に型開閉する金型を用いて金属薄板に突条部を形成するものが開示されている。
この特許文献2に開示のものは、対向配置された上型と下型のそれぞれの合せ面(加工面)に、半円弧状の凸部が形成された板状カッタを備え、上型側の凸部の刃部と下型側の凸部の刃部とが互いに上下方向にすれ違うことによって金属薄板にスリットが形成される。
そしてスリット加工と同時に、対向する2つのスリットとの間の部分を凸部の頂部によって板厚方向に押し出すことで金属薄板に突条部が形成される。
このように凸部を回転方向ではなく上下方向に駆動させるものは、凸部を有する板状カッタと金型本体との間にシム板を挿入することで凸部の高さを容易に調整することができるため、刃部を含む凸部全体を再研磨した場合でも、板状カッタを継続して使用することが可能である。
しかしながらこの場合はロール成形と異なり、加工の際にはその都度、金属薄板の搬送を一旦停止させて加工を行なわなければならず生産性が低くなってしまう。
特開平03−204126号公報 特開2005−158755号公報
本発明は以上のような事情を背景とし、接近/離間方向に型開閉する金型を用いて金属薄板を加工する際の生産性が低い問題を解決し得て、金属薄板の加工コストを低減することが可能な金属薄板の加工装置及び加工方法を提供することを目的としてなされたものである。
而して請求項1は金属薄板の加工装置に関するもので、所定速度で搬送される長尺の金属薄板に対して加工を行う加工装置であって、(a)固定型に対向配置された可動型が、該固定型に対して接近/離隔方向に型開閉する金型と、(b)前記金属薄板の搬送方向に、該金属薄板と同期して該金型を移動させる金型移動手段と、(c)カム部材と前記可動型に一端を固定されたロッドとを有し、該カム部材のカム面に該ロッドの他端を当接させた際のカム作用により、前記搬送方向に移動する前記金型の可動型を型閉方向に駆動させる金型駆動手段と、を備えていることを特徴とする。
請求項2は、請求項1において、前記金型移動手段が前記金型を保持する金型保持部材と、該金型保持部材に固定されたスクリューナットと、該スクリューナットに嵌合するスクリューと、該スクリューを回転させるサーボモータと、を備えていることを特徴とする。
請求項3は、請求項1,2の何れかにおいて、前記金属薄板と同期して該金属薄板の搬送方向に移動する前記金型を複数配置し、該搬送方向上流側に位置する該金型にて該金属薄板に複数のスリットを形成し、該搬送方向下流側に位置する該金型にて該スリット間の短冊片部を板厚方向に曲げ加工して、前記金属薄板に複数の突条部を形成することを特徴とする。
請求項4は、請求項1,2の何れかにおいて、前記金属薄板と同期して該金属薄板の搬送方向に移動する前記金型の該搬送方向下流側に、該金属薄板の搬送方向に位置固定された成形ロールを配置し、該搬送方向上流側に位置する該金型にて該金属薄板に複数のスリットを形成し、該搬送方向下流側に位置する前記成形ロールにて該スリット間の短冊片部を板厚方向に曲げ加工して、前記金属薄板に複数の突条部を形成することを特徴とする。
請求項5は、請求項1,2の何れかにおいて、前記金型は前記金属薄板にスリットを形成するための刃部と、該スリット間の短冊片部を板厚方向に曲げ加工するための凸部とを有し、前記金属薄板に対してスリット加工と同時に曲げ加工を行ない、該金属薄板に複数の突条部を形成することを特徴とする。
請求項6は金属薄板の加工方法に関するもので、(a)固定型に対向配置された可動型が、該固定型に対して接近/離隔方向に型開閉する金型と、(b)前記金属薄板の搬送方向に、該金属薄板と同期して該金型を移動させる金型移動手段と、(c)カム部材と前記可動型に一端を固定されたロッドとを有し、該カム部材のカム面に該ロッドの他端を当接させた際のカム作用により、前記搬送方向に移動する前記金型の可動型を型閉方向に駆動させる金型駆動手段と、を備えた加工装置を用い、前記金型を、所定速度で搬送される長尺の金属薄板と同期して移動させ、該金属薄板を搬送移動させたままの状態で該金型の前記可動型を型閉方向に駆動させて、該金属薄板に対して加工を行うことを特徴とする。
以上のように本発明は、金属薄板の搬送方向に金属薄板と同期して金型を移動させる金型移動手段と、カム作用を利用して搬送方向に移動する金型の可動型を型閉方向に駆動させる金型駆動手段とを備えたものである。
本発明によれば金型移動手段により金型を金属薄板の搬送方向に移動させた状態で、金型の搬送方向の運動をカム作用により金型の型閉方向の運動に変換させることができる。
かかる本発明では金型が加工動作を行なう際、金型を金属薄板と同期して移動させることで、金属薄板を搬送移動させたまま金属薄板に加工を行うことができるため、加工の度に金属薄板を一旦停止させる必要がなく、生産性の向上を図ることができる。
本発明ではまた、金型の搬送方向の運動を利用して金型の可動型を型閉方向に駆動させるので、別途の型閉用のモータ等を不要となし得て装置全体を小型化することができる。
更に本発明では、接近/離隔方向に型開閉する金型を用いるため、パンチやダイの再研磨により金型の加工面の高さが変わってしまった場合であっても、シム板を挿入することで容易に高さを元の状態に戻すことができる。
このため再研磨による金型部品の寿命延長が可能となり、ロール成形法に比べて加工コストを低減させることができる。
本発明では、金型移動手段として、金型を保持する金型保持部材と、金型保持部材に固定されたスクリューナットと、スクリューナットに嵌合するスクリューと、スクリューを回転させるサーボモータと、を備えておくことができる(請求項2)。
この請求項2によれば、サーボモータの回転方向及び回転速度を制御することにより、金型の移動速度を容易に変更することができる。
金型が金属薄板と接触する加工状態にあっては金属薄板と同期して金型を金属薄板の搬送方向に移動させる一方、金型が金属薄板と接触していない非加工状態にあっては金属薄板との同期を解除して金型を高速移動させることができるため、加工サイクルの短縮化が可能となり生産性をより向上させることができる。
本発明では、金属薄板と同期し金属薄板の搬送方向に移動する金型を複数配置し、上流側に位置する金型にて金属薄板に複数のスリットを形成し、下流側に位置する金型にてスリット間の短冊片部を板厚方向に曲げ加工して、金属薄板に複数の突条部を形成することができる(請求項3)。
従来のロール成形法を用いて金属薄板に突条部を形成する場合、2つの対向するスリットの間には1つの突条部が形成させるだけであった。これに対して請求項3に従ってスリット加工を行なう金型を曲げ加工を行なう金型とは別に設けた場合、2つの対向するスリット間の短冊片部に2つ若しくは3つ以上の突条部を形成するといったことも可能となる。
また、大小の大きさの異なる突条部を組み合わせたり、突条部頂部が平坦でスリット加工が困難な形状もスリット加工と曲げ加工とを分けることで形成可能となるなど、加工形状の選択の自由度を高めることができる。
本発明ではまた、金属薄板と同期して金属薄板の搬送方向に移動する金型に加えてその下流側に金属薄板の搬送方向に位置固定された成形ロールを配置し、上流側に位置する金型にて金属薄板に複数のスリットを形成し、下流側の成形ロールにてスリット間の短冊片部を板厚方向に曲げ加工して、金属薄板に複数の突条部を形成することができる(請求項4)。
スリット加工を伴わない曲げ加工だけであれば加工部の磨耗は軽微であるため、ロール成形を用いることも可能である。
本発明ではまた、スリット加工のための刃部と、スリット間の短冊片部を板厚方向に曲げ加工するための凸部を金型に設けて、金属薄板に対してスリット加工と同時に曲げ加工を行ない、金属薄板に複数の突条部を形成することができる(請求項5)。
以上のような本発明によれば、接近/離間方向に型開閉する金型を用いて金属薄板を加工する際の生産性が低い問題を解決し得て、金属薄板の加工コストを低減することが可能な金属薄板の加工装置及び加工方法を提供することができる。
本発明の適用対象の金属セパレータ部品の一例を示した図である。 本発明の一実施形態の加工装置の構成を示した図である。 同実施形態のカム部材の位置決め機構を示した図である。 金型の動作を説明するための図である。 加工工程毎の金属薄板の加工形状を示した図である。 スリット加工のための金型の要部を示した図である。 曲げ加工のための金型の要部を示した図である。 本発明の他の実施形態の図である。 本発明の更に他の実施形態の図である。 従来のロール成形手法を用いた金属薄板の加工方法の一例を示した図である。
次に本発明の実施形態を図面に基づいて以下に詳しく説明する。
図1(A)において、10は本発明の適用対象の一例である燃料電池等に用いられる金属セパレータ部品で、長尺の金属薄板を素材として製造される。12はその板厚方向に突出する一定幅の突条部で、金属薄板の長尺方向及び幅方向にそれぞれ所定間隔で複数形成されている。
図2は、金属薄板H上に上記金属セパレータ部品10の突条部12を形成するための加工装置17の構成を示した図である。
同図において20はアンコイラー、22はコイラーで、アンコイラー20にコイル状に巻き付けて準備された長尺の金属薄板Hは、コイラー22の回転力により引き出され、突条部12を形成するための加工が施された後、コイラー22によりコイル状に巻き取られる。
金属薄板Hとして、本例では板厚0.1mm、幅200mmのステンレス鋼板が使用されている。
図2において、24,26,28,30は金属薄板Hに突条部12を形成ための複数の金型で、それぞれが等間隔(距離L)離間した状態で金型保持部材32内に位置保持されている。本例では後述するようにこれらの金型を用いて4つの工程に分けて突条部12を形成する。
本例では金型24,26,28,30を金型保持部材32とともに金属薄板Hの搬送方向に移動させることができる。
図2において、38は金属薄板Hの搬送方向に延びるスクリュー、36はスクリュー38を回転駆動させるサーボモータで、金型保持部材32の側に取り付けられたスクリューナット40がスクリュー38に螺合している。
金型を保持する金型保持部材32は、スクリュー38及びスクリューナット40を介して加えられる回転トルクに基づく力により、下フレーム35上面を金属薄板Hの搬送方向及びこれと逆方向(図中左右方向)に移動する。
即ち、ここではサーボモータ36、スクリュー38、スクリューナット40及び金型保持部材32が金型移動手段をなしている。
金型24,26,28,30及び金型保持部材32の移動方向及び移動速度は、サーボモータ36の回転方向及び回転数を変更することで任意に調整可能である。
本例では、サーボモータ36の制御は制御部18により行われる。
56は金属薄板Hの搬送速度及び移動距離を検出するためのエンコーダである。エンコーダ56によって検出した金属薄板Hの搬送速度に基づいて、制御部18は金型保持部材32の移動速度、即ち金型の移動速度を金属薄板Hの搬送速度に同期させるようにサーボモータ36を制御する。
尚、図中左側には長尺の金属薄板Hのたるみを防止するためのパウダブレーキ(電磁ブレーキ)57が設けられている。
金型24,26,28,30は何れも固定型42と、固定型42に対向配置された可動型44とを有しており、可動型44を固定型42に対し接近/離間させることで型開閉動作が行われる。
固定型42と可動型44とはガイドポスト46によって上下に連結され、可動型44はガイドポスト46に案内されて図中上下方向に進退移動可能に構成されている。
ガイドポスト46の外周部には図示を省略したコイルばねが設けられており、その付勢力は可動型44を型開きさせる方向に作用する。
48は可動型44を型閉方向に駆動動作させるためのロッドである。ロッド48は金型保持部材32の天板に設けられた貫通穴を通って上下方向に延びており、ロッド48の下端は可動型44の上面に固定されている。
一方、ロッド48の上端にはカムローラ50が回転可能に取り付けられている。
52は上フレーム34の下面に取り付けられたカム部材である。
カム部材52には搬送方向(コイラー22側)に進むに従って斜め下方に延びるカム面54が形成されている。
搬送方向(図中右方向)に移動するロッド48のカムローラ50がこのカム面54に当接すると、そのカム作用により搬送方向の運動の一部は金型の型閉方向の運動に変換される。このためロッド48と一体をなす可動型44は、搬送方向に進むにつれ搬送方向とは略直交する方向の型閉方向に駆動せしめられる。
図3はカム部材52の位置決め機構を示した図である。
カム部材52は上フレーム34に位置固定された保持ピン58を中心に回転可能に設けられ、図中左上に位置するコイルばね59により、カム部材52には反時計方向の回転力が付与されている。
一方、カム部材52の図中右上にはくさび形状の位置決めブロック60が配置され、カム部材52の上面が、上記反時計方向の回転力に基づいて位置決めブロック60の下面と当接することでカム部材52の位置決めがなされている。
ここで位置決めブロック60は、制御部18によって駆動制御されているシリンダ61によって図中左右方向に進退可能とされている。このため本例では位置決めブロック60を図中右方向に後退させ、カム部材52をコイルばね59の付勢力により更に反時計方向に回転させることで、カム面54をカムローラ50に対して上方に逃がすことができる。後述するように本例ではカム面54を上方に逃がすことで型閉じ状態にある可動型44を型開き方向に移動させることができる。
本実施形態における金型の基本動作を、図4を用いて説明する。図4では金型24の動作を中心に説明しているが、他の金型の動作もこれと同様である。
図4(I)は金型24が原位置で停止している状態を示している。一方、金属薄板H(以降、素材Hとする場合がある)は金型24の可動型44と固定型42の間を所定速度で図中右方向に搬送されている。ここで原位置にある金型24は素材Hの搬送方向と同じ方向に移動を開始し、その後素材Hと同期して(同じ速度で)移動する。
その後、図4(II)で示すように上フレーム34に設けられたカム部材52のカム面54に、カムローラ50が当接すると、そのカム面54に沿ってカムローラ50及びロッド48が図中下方向に押し下げられ、これとともに可動型44も型閉方向に下降する。
その後、金型24の加工面が素材Hに接触し、スリット加工が開始される。この間も金型24は素材Hと同期して図中右方向に移動する。
図4(III)で示すようにスリット加工完了後、カム部材52のカム面54を上方に逃がし、カムローラ50及びロッド48とともに可動型44を(図示を省略したコイルばねの反発力により)型開き方向に移動させる。
このようにすることで金型24の加工面を金属薄板Hから逃がした後、サーボモータ36を逆回転させ、金型24を高速で原位置に向けて移動させる。
そして図4(IV)で示すように金型24が原位置に復帰する。
以上、金型が原位置から移動を開始して、材料に対する加工を行なった後再び原位置に戻るまでが金型による加工の1サイクルである。
尚、本例では図4(III)において、金型24が原位置に向けて素材Hの搬送方向とは逆方向に移動する間も素材Hは所定速度で次工程に向けて搬送されるため、素材Hの長尺方向に隣接して形成される製品(金属セパレータ部品)10同士の間には間隔が生じる場合があるが、製品10を素材Hから切断して使用する場合には前記間隔を切断代以内とすることで素材Hを連続搬送させることができる。
また素材Hの長尺方向に隙間無く製品10を配置する場合には必要に応じて素材Hの搬送を時々停止させて調整するといったことも可能である。
次に次工程の金型26に注目すると、素材Hが図4(I)の状態から距離Lだけ搬送され次工程の金型26に送られた時点(図4(IV)の状態)で金型26が搬送方向に移動を開始して1回目のスリット加工が行なわれた部位に対して金型26による2回目のスリット加工が施される。
本例ではエンコーダ56により素材Hの移動距離が測定されており、制御部18は素材Hの移動距離が所定値に達したタイミングで2回目の加工を開始するため、1回目のスリット加工と2回目のスリット加工の送り方向のずれを抑制することができる。
尚、本例のように加工を複数回に分けて行う場合には、1回目の加工の際に素材Hの製品範囲外の部分にカイド穴を穿設し、その後の(2回目以降の)工程においては金型側に設けられたカイドピンを素材H側のカイド穴に嵌合させて素材Hと金型との位置合わせを行うことも可能であり、このようにすれば更に送り方向のずれを抑制することができる。
本実施形態では図1(A)で示した金属セパレータ部品10が有する突条部12を、上述のように4つの金型を用いて、4工程の加工により金属薄板Hに形成する。
具体的にはスリット加工1、スリット加工2、平坦化、曲げ加工の4つの工程に分かれている。図5はそれぞれの工程における素材Hの加工形状を示した図である。
スリット加工1では加工予定の全スリットの半分についてスリットを形成する。図5(A)にて破線で示された部分のスリット14−1がスリット加工1で形成されるスリットである。
スリット加工2では残り半分についてスリットを形成する。図5(B)にて破線で示された部分のスリット14−2がスリット加工2で形成されるスリットである。
尚、何回に分割してスリット加工を行なうかは素材の加工し易さやスリット14の数等により適宜決定することができる。
図6はスリット加工を行う際に用いられる金型24、26の要部を示した図である。
図6(A)で示すように可動型44の側は、下向きに突出する断面略三角形状の凸部64を備えた板状カッタ66が間隔を設けて複数重ね合わされている。凸部64の両側縁部には、素材Hを剪断するための刃部65が形成されている。
一方、固定型42の側は図6(B)で示すように、先端面が平坦をなす板状カッタ68とバックアップブロック70とが交互に重ね合わされ、素材Hと接する固定型42の加工面は全体として凹凸の無い平坦面を形成している。ここで板状カッタ68の先端面の両側縁部にも、素材Hを剪断するための刃部69が形成されている。
板状カッタ68の間に位置するバックアップブロック70は上下動可能に設けられ、且つコイルばね71にて上方に付勢されている。
スリット加工の際は、図6(C)で示すように可動型44の側の凸部64がバックアップブロック70を押し下げながら下降して、可動型44の刃部65と固定型42の刃部69とが上下方向にすれ違い、素材Hに線状のスリット14が形成される。
スリット14が形成された後、可動型44の凸部64が上昇するとバックアップブロック70は元の高さまで上昇する。この時可動型44の凸部64により下方に押し下げられていた素材Hの一部も元の高さまで押し戻される。
尚ここでは図示を省略しているが、加工後に素材Hを金型から引き剥がすための機構をバックアップブロック70に加えて設けることも可能である。かかる引き剥がし機構はスリット加工の他、後述の曲げ加工においても必要に応じて設けることができる。
上記スリット加工の後に図5(C)で示す平坦化の加工が行なわれる。
この平坦化では、可動型44及び固定型42の加工面(合せ面)をフラットな平坦面で構成し、素材Hを上下両方向から押し付け、スリット加工時に生じたダレを平坦化する。
更に次工程の曲げ加工では、図5(D)で示すように素材Hの幅方向に対向するスリット14とスリット14の間に位置する短冊片部16を板厚方向に曲げ加工して突条部12を形成する。
図7は曲げ加工を行う際に用いられる金型の要部を示した図である。
図7で示すように可動型44の側には凹部72を、固定型42の側には凸部74を形成し、型閉状態でスリット14の間に形成された短冊片部16を板厚方向(図中上向き)に押出すように曲げ加工することで突条部12が形成される。
但し図7で示す金型形状は一例である。同図において可動型44の凹部72は素材Hの短冊片部16に当たらない形状とされているが、型閉状態で凹部72も素材Hの短冊片部16に当たる形状として固定型42と可動型42の両方で素材Hの短冊片部16を拘束して突条部12を形成するようにすれば、成形荷重は増加するものの製品形状の精度をより高くすることができる。
以上のように本実施形態によれば、金型24,26,28,30を金属薄板Hと同期して移動させ、金属薄板Hを搬送移動させたまま金属薄板に対する加工を行うことができるため、生産性の向上を図ることができる。
また本実施形態ではサーボモータ36の回転方向及び回転速度を制御することにより、金型24,26,28,30の移動速度を容易に変更することができるため、金型24,26,28,30が金属薄板Hと接触する加工状態にあっては金属薄板Hと同期して金型を金属薄板の搬送方向に移動させる一方、金型が金属薄板Hと接触していない非加工状態にあっては金属薄板Hとの同期を解除して金型を高速移動させることができるため、加工サイクルの短縮化が可能となり生産性をより向上させることができる。
本実施形態ではまた、金型24,26,28,30の搬送方向の運動を利用して金型の可動型44を型閉方向に駆動させるので、別途の型閉用のモータ等を不要となし得て加工装置17全体を小型化することができる。
更に本実施形態では、接近/離隔方向に型開閉する金型を用いるため、例えばスリット加工に用いる板状カッタ66,68の刃部の高さが再研磨により変わってしまった場合であっても、シム板を板状カッタ66,68と金型本体との間に挿入することで容易に高さを元の状態に戻すことができる。
このため再研磨による金型部品の寿命延長が可能となり、ロール成形法に比べて加工コストを低減させることができる。
本実施形態では、スリット加工を行なう金型24,26と曲げ加工を行なう金型30とを別に設けているため、スリット加工の制約を受けることなく曲げ加工を行なう金型30の形状を変更することができる。例えば図1(B)で示すように、2つの対向するスリット間の短冊片部16に2つの突条部12を形成すること等が可能となり加工形状の選択の自由度を高めることができる。
図8は本発明の他の実施形態を示している。
この例では、上記図2〜図7に示す第1の実施形態と同様にスリット加工1、スリット加工2及び平坦化を金型24,26,28を用いて実施したものであるが、曲げ加工をロール成形法を用いて実施した点が上記第1の実施形態と異なっている。他の構成については、第1の実施形態と同じである。
同図において、76は上ロール、80は下ロールで、回転可能な状態で素材Hの搬送方向に位置固定されている。
下ロール80の周縁部の周方向所定ピッチには、部分拡大図で示すように素材Hの短冊片部16を板厚方向(図中上向き)に押出すように曲げ加工するための凸部77が複数形成されている。
一方、上ロール76の周縁部の周方向所定ピッチには、前記凸部77とかみ合う凹部81が複数形成されており、凸部77と凹部81とを嵌合させることにより両ロール間に挟まれた短冊片部(図示省略)を板厚方向に曲げ加工して突条部を形成する。
スリット加工を伴わない曲げ加工だけであれば加工部の磨耗は軽微であるため、本実施形態のようにロール成形を用いることも可能である。
図9は本発明の更に他の実施形態を示している。
この例は、図9(A)で示すように素材Hにスリットを設けるスリット加工と突条部を形成する曲げ加工とを同時に1つの金型84で行なうようになしたもので、この点が上記図2〜図7に示す第1の実施形態と異なっている。他の構成については、第1の実施形態と同じである。
図9(B)で示すように、この例では可動型44の側に、所定ピッチで複数の凸部86を備えた板状カッタ87が間隔を設けて複数重ね合わされている。凸部86の両側縁部には、素材Hを剪断するための刃部88が形成されている。
一方、固定型42の側は先端面が平坦をなす板状カッタ89が間隔を設けて複数重ね合わされている。ここで板状カッタ89の先端面の両側縁部にも、素材Hを剪断するための刃部90が形成されている。
加工の際は、可動型44の側の凸部86が下降して、可動型44の刃部88と固定型42の刃部90とが上下方向にすれ違うことで、スリット加工と同時に、形成された対向する2つのスリットとの間の部分を凸部86の頂部によって板厚方向(この例では図中下向き)に押し出すように曲げ加工することで金属薄板Hに突条部12が形成される。
この例のように1つの金型でスリット加工と曲げ加工を行うようにすることで、加工装置全体をより小型化することができる。
以上本発明の実施形態を詳述したがこれはあくまでも一例示である。
例えば上記実施形態において、突条部形成後に上下一対の圧延ロールで軽圧延を行い金属薄板全体の平坦度を向上させることも可能である。
また、突条部形成後に切断工程を設けて、長尺の金属薄板から製品部分を切り出すようにすることも可能である。
金属薄板に付与する加工形状についても、上記実施形態の例に限定されるものではなく、図1(C)で示すように連続する突条部12の突出方向を交互に異ならせたり、更には様々な凹凸形状や穴部を形成することも可能である等、その趣旨を逸脱しない範囲において様々変更を加えた形態で構成可能である。
12 突条部
14,14−1,14−2 スリット
16 短冊片部
17 加工装置
24,26,28,30,84 金型
32 金型保持部材
36 サーボモータ
38 スクリュー
40 スクリューナット
42 固定型
44 可動型
48 ロッド
52 カム部材
54 カム面
H 金属薄板(素材)

Claims (6)

  1. 所定速度で搬送される長尺の金属薄板に対して加工を行う加工装置であって、
    (a)固定型に対向配置された可動型が、該固定型に対して接近/離隔方向に型開閉する金型と、
    (b)前記金属薄板の搬送方向に、該金属薄板と同期して該金型を移動させる金型移動手段と、
    (c)カム部材と前記可動型に一端を固定されたロッドとを有し、該カム部材のカム面に該ロッドの他端を当接させた際のカム作用により、前記搬送方向に移動する前記金型の可動型を型閉方向に駆動させる金型駆動手段と、
    を備えていることを特徴とする金属薄板の加工装置。
  2. 請求項1において、前記金型移動手段が前記金型を保持する金型保持部材と、該金型保持部材に固定されたスクリューナットと、該スクリューナットに嵌合するスクリューと、該スクリューを回転させるサーボモータと、を備えていることを特徴とする金属薄板の加工装置。
  3. 請求項1,2の何れかにおいて、前記金属薄板と同期して該金属薄板の搬送方向に移動する前記金型を複数配置し、
    該搬送方向上流側に位置する該金型にて該金属薄板に複数のスリットを形成し、
    該搬送方向下流側に位置する該金型にて該スリット間の短冊片部を板厚方向に曲げ加工して、前記金属薄板に複数の突条部を形成することを特徴とする金属薄板の加工装置。
  4. 請求項1,2の何れかにおいて、前記金属薄板と同期して該金属薄板の搬送方向に移動する前記金型の該搬送方向下流側に、該金属薄板の搬送方向に位置固定された成形ロールを配置し、
    該搬送方向上流側に位置する該金型にて該金属薄板に複数のスリットを形成し、
    該搬送方向下流側に位置する前記成形ロールにて該スリット間の短冊片部を板厚方向に曲げ加工して、前記金属薄板に複数の突条部を形成することを特徴とする金属薄板の加工装置。
  5. 請求項1,2の何れかにおいて、前記金型は前記金属薄板にスリットを形成するための刃部と、該スリット間の短冊片部を板厚方向に曲げ加工するための凸部とを有し、前記金属薄板に対してスリット加工と同時に曲げ加工を行ない、該金属薄板に複数の突条部を形成することを特徴とする金属薄板の加工装置。
  6. (a)固定型に対向配置された可動型が、該固定型に対して接近/離隔方向に型開閉する金型と、(b)前記金属薄板の搬送方向に、該金属薄板と同期して該金型を移動させる金型移動手段と、(c)カム部材と前記可動型に一端を固定されたロッドとを有し、該カム部材のカム面に該ロッドの他端を当接させた際のカム作用により、前記搬送方向に移動する前記金型の可動型を型閉方向に駆動させる金型駆動手段と、を備えた加工装置を用い、
    前記金型を、所定速度で搬送される長尺の金属薄板と同期して移動させ、該金属薄板を搬送移動させたままの状態で該金型の前記可動型を型閉方向に駆動させて、該金属薄板に対して加工を行うことを特徴とする金属薄板の加工方法。
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