JP2016174659A - 骨固定用プレート - Google Patents

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Abstract

【課題】変形し難く、分断された骨部と骨部を段差が形成された状態で強固に接合固定でき、骨部と骨部が離反方向に動いたり、骨部と骨部の段差が大きくなったりする心配が殆どない骨固定用プレートを提供する。【解決手段】略水平方向に伸びる近位端側プレート部1aと遠位端側プレート部1bとの境界部分に屈曲段差部1cが形成され、双方のプレート部1a,1bにねじ用貫通孔1dが形成され、側面視において、屈曲段差部1cは近位端側プレート部1a又は遠位端側プレート部1bに対して75〜105°の夾角で屈曲し、平面視において、屈曲段差部1cとその両隣りに位置するねじ用貫通孔1dの距離が3〜15mmである骨固定用プレート1とする。屈曲段差部1cを骨部と骨部の段差面に沿わせて双方のプレート部1a,1bを双方の骨部にねじ固定するので、骨固定用プレート1が変形し難くなり、骨部の動きを阻止できる。【選択図】図3

Description

本発明は骨固定用プレートに関し、更に詳しくは、Le Fort I型骨切り術などの上顎骨切り術において、骨切りした上顎骨を固定する際に好適に用いられる骨固定用プレートに関する。
Le Fort I型骨切り術は、下顎骨が上顎骨よりも前方に突き出しているような場合に、上顎骨を横方向に骨切りして頭骨側(上側)の骨部と下顎骨側(下側)の骨部に分断し、この上顎骨の分断された下側骨部を前方に移動させてその突き出しの程度を下顎骨に合わせ、その状態で上顎骨の分断された下側骨部と上側骨部を固定用部材で接合固定するものである。従って、接合固定後の上顎骨の上側骨部と下側骨部の接合部分には、下側骨部を前方へ移動させた分だけ段差が生じることになる。
上記のLe Fort I型骨切り術に用いる固定用部材としては、例えば、上顎骨の分断された下側骨部にほぼ合致するように湾曲する長手方向プレート部と、この長手方向プレート部から上方に延びる複数のフィンガとを備えた顎矯正インプラントであって、長手方向プレート部とフィンガにねじ挿通孔を形成すると共に、フィンガの中間部に波形部分を形成した顎矯正インプラントが知られている(特許文献1)。
この顎矯正インプラントは、長手方向プレート部を上顎骨の分断された下側骨部に沿わせて、そのねじ挿通孔からねじ込んだ固定用ねじで長手方向プレート部を下側骨部に固定すると共に、フィンガの波形部分を上顎骨の段差のある分断箇所に位置合わせし、ねじ挿通孔からねじ込んだ固定用ねじでフィンガを上顎骨の上側骨部に固定することによって、上顎骨の分断された下側骨部の突き出しの程度を下顎骨に合わせた状態で、上顎骨の分断された上側骨部と下側骨部を接合固定するものである。
また、骨接合用プレートを、特定の加工用具を用いて曲げ加工することも知られている(特許文献2)
特表2013−524992号公報 特許第4409133号公報
ところで、図7の(a)に模式的に示すように、骨切りして分断した骨部B1と骨部B2を段差が形成されるように接合固定する場合は、骨接合用プレート100を2箇所で互いに逆方向に鈍角に折り曲げ、その中間の傾斜部100cを骨部B1と骨部B2との段差部分に位置合わせして、上段側のプレート部100aを一方の骨部B1に固定用ねじ(不図示)で固定すると共に、下段側のプレート部100bを他方の骨部B2に固定用ねじ(不図示)で固定することが多い。特に、骨接合用プレート100がプラスチック製の場合は、折損の懸念を回避するために、骨接合用プレート100を上記のように2箇所で鈍角に折り曲げる傾向が強かった。
しかしながら、上記の骨接合用プレート100を用いて骨部B1と骨部B2を接合固定すると、図7の(b)に模式的に示すように、骨部B1、骨部B2を元の段差のない状態に戻そうとする力F,Fが働いたときに、骨接合用プレート100の2箇所の折り曲げ部分が更に鈍角に変形して、双方の骨部B1、骨部B2が互いに離反方向(骨接合用プレート100の長軸方向)に動こうとする問題があった。
また、Le Fort I型骨切り術などの上顎骨切り術においては、上顎骨の分断された下側骨部を下顎骨に合わせて位置調整することから、図8の(a)に模式的に示すように、上記の骨接合用プレート100を用いて上顎骨の分断された上側骨部Buと下側骨部Bdを接合すると、上側骨部Buと下側骨部Bdとの間に隙間Gが生じる場合もあり、そのような場合において、図8の(b)に模式的に示すように、上側骨部Buと下側骨部Bdの隙間Gを圧縮する方向の力F,Fが作用すると、骨接合用プレート100の2箇所の折り曲げ部分の角度が小さくなるように該プレート100が変形し、下側骨部Bdが前方に移動して上側骨部Buと下側骨部Bdの段差が大きくなるという問題もあった。
これらの問題は、金属製の骨接合用プレートに比べて剛性が低いプラスチック製の骨接合プレートを使用した場合に顕在化するので、特に、プラスチック製の骨接合プレートにおいては、これらの問題を無視することが出来ない。
また、これらの問題は、骨接合用プレートの中間部に、上記特許文献1の顎矯正インプラントのフィンガに形成された波形部分と同様の波形部分を形成する場合にも、同様に生じる。
本発明は上記問題に対処すべくなされたものであって、その解決しようとする課題は、変形し難く、分断された骨部と骨部を段差が形成された状態で強固に接合固定でき、骨部と骨部が離反方向に動いたり、骨部と骨部の段差が大きくなったりする心配が殆どない骨固定用プレートを提供することにある。
上記課題を解決するため、本発明の骨固定用プレートは、長手方向に連なる近位端側プレート部と遠位端側プレート部を有する骨固定用プレートであって、近位端側プレート部と遠位端側プレート部がそれぞれ略水平方向に伸び、双方のプレート部には固定用ねじを挿通するねじ用貫通孔が形成されており、近位端側プレート部と遠位端側プレート部との境界部分には屈曲段差部が形成されており、側面視において屈曲段差部は近位端側プレート部又は遠位端側プレート部に対して75〜105°の夾角で屈曲しており、平面視において屈曲段差部とその両隣りに位置するねじ用貫通孔の距離が3〜15mmであることを特徴とするものである。
本発明の骨固定用プレートにおいては、屈曲段差部の高さが2〜10mmであることが望ましい。そして、近位端側プレート部のねじ用貫通孔と遠位端側プレート部のねじ用貫通孔がいずれも複数ずつ形成されていることが望ましい。
また、本発明の骨固定用プレートは、上顎骨を骨切りして分断した下側骨部と上側骨部を段差が生じた状態で接合固定するための上顎骨固定用プレートとして極めて好ましく使用されるものである。
本発明の骨固定用プレートは、側面視において屈曲段差部が近位端側プレート部又は遠位端側プレート部に対して75〜105°の夾角で屈曲し、かつ、平面視において屈曲段差部とその両隣に位置するねじ用貫通孔の距離が3〜15mmであるので、屈曲段差部を分断された骨部と骨部の段差面に沿わせて、双方のプレート部をねじ用貫通孔からねじ込んだ固定用ねじで双方の骨部に固定すると、外力に対して骨固定用プレートが変形し難くなり、双方の骨部を段差が生じた状態で安定良く且つ強固に接合固定することができる。従って、分断された骨部と骨部が元の段差のない状態に戻ろうとする力が作用しても、屈曲段差部の夾角が大きくなるように骨固定用プレートが変形し難く、また、骨部と骨部の間隙を圧縮する力が作用しても、屈曲段差部の夾角が小さくなるように骨固定用プレートが変形し難いので、屈曲段差部の夾角が大きくなることで骨部と骨部が互い離反方向に移動したり、屈曲段差部の夾角が小さくなることで骨部と骨部の段差が大きくなったりする問題を解消することができる。
特に、屈曲段差部の高さが2〜10mmである骨固定用プレートは、Le Fort I型骨切り術などの上顎骨切り術において、分断された下側骨部と上側骨部を接合固定するときの段差寸法が通常2〜10mmであるため、上顎骨切り術で分断された下側骨部と上側骨部を接合固定する上顎骨固定用プレートとして極めて好ましく使用される。
そして、近位端側プレート部のねじ用貫通孔と遠位端側プレート部のねじ用貫通孔がいずれも複数ずつ形成されている骨固定用プレートは、これらのねじ用貫通孔から固定用ねじを双方の骨部にねじ込むことによって、双方の骨部を強固に、かつ、骨固定用プレートと骨部がねじ用貫通孔(換言すれば固定用ねじ)を中心に相対的に回動しないように、安定良く確実に接合固定することができる。
また、本発明の骨固定用プレートは、その屈曲段差部が骨部と骨部の段差面に沿ってほぼ接触し、その分だけ骨部との接触面積が増えるため、例えば、骨固定用プレートが骨伝導能を有するバイオセラミックス粉体を含んだ生体内分解吸収性ポリマーからなるものである場合は、骨伝導能が十分に発揮されて、比較的短期間ですみやかに骨組織と置換するという利点がある。
本発明の一実施形態に係る骨固定用プレート(上顎骨固定用プレート)の平面図である。 同骨固定用プレートの側面図である。 図1における骨固定用プレートのA−A線断面図である。 同骨固定用プレートの使用状態を示す模式断面図である。 同骨固定用プレートの使用状態の説明図である。 (a)は本発明の他の実施形態に係る骨固定用プレートの平面図、(b)は同骨固定用プレートのC−C線断面図である。 (a)は従来の骨固定用プレートによる骨部と骨部の接合固定構造の一例を示す模式側面図、(b)はその問題点を説明するための模式側面図である。 (b)は従来の骨固定用プレートによる上顎骨の分断された上側骨部と下側骨部の接合固定構造の一例を示す模式側面図、(b)はその問題点を説明するための模式側面図である。
以下、図面に基づいて、本発明に係る骨固定用プレートの代表的な実施形態を詳細に説明する。
図1は本発明の代表的な一実施形態に係る骨固定用プレートの平面図、図2は同骨固定用プレートの側面図、図3は図1における骨固定用プレートのA−A線断面図、図4は同骨固定用プレートの使用状態を示す模式断面図、図5は同骨固定用プレートの使用状態の説明図である。
この実施形態の骨固定用プレート1は、Le Fort I型骨切り術などの上顎骨切り術において、図4、図5に示すように、上顎骨の分断された上側骨部Buと、下顎骨に合わせて位置調整を行った下側骨部Bdとを、段差が生じた状態で接合固定する際に好適に用いられる上顎骨固定用プレートである。
この上顎骨固定用プレート1は、図1〜図3に示すように、長手方向に連なる近位端側プレート部1aと遠位端側プレート部1bを有するもので、双方のプレート部1a,1bはそれぞれ略水平方向に伸びており、双方のプレート部1a,1bの境界部分には屈曲段差部1cが形成されている。
図1に示すように、近位端側プレート部1aは直線的な略帯状の平面形状を有するのに対し、遠位端側プレート部1bはやや鈍角に曲がった鉤状の平面形状を有しており、従って、上顎骨固定用プレート1全体としては略L字状の平面形状を有している。なお、遠位端側プレート部1bをやや鈍角に曲がった鉤状の平面形状としたのは、上顎骨の分断された下側骨部Bdの上下寸法が小さくても、遠位端側プレート部1bを下側骨部Bdに固定できるようにするためである。
近位端側プレート部1aの端部と、近位端側プレート部1aの屈曲段差部1c寄りの部分には、固定用ねじを挿通する複数(2つ)のねじ用貫通孔1dが形成されており、また、遠位端側プレート部1bの端部と、やや鈍角に曲がったコーナー部にも、固定用ねじを挿通する複数(2つ)のねじ用貫通孔1dが形成されている。そして、各ねじ用貫通孔1dの上面側口縁には、上広がりテーパー状の座繰部1eが形成されており、図4に示すように、固定用ねじ2を各ねじ用貫通孔1dから上顎骨の分断された上側骨部Buと下側骨部Bdにねじ込んだときに、固定用ねじ2の頭部2aが座繰部1eに嵌合して上顎骨固定用プレート1をガタツキなく強固に押し付けて双方の骨部Bu,Bdに固定できるようになっている。
近位端側プレート部1aと遠位端側プレート部1bとの境界部分には、図1〜図3に示すように、屈曲段差部1cが形成されており、近位端側プレート部1aは屈曲段差部1cの下端屈曲部に連なる下段のプレート部、遠位端側プレート部1bは屈曲段差部1cの上端屈曲部に連なる上段のプレート部となっている。
この屈曲段差部1cは、側面視において、近位端側プレート部1a又は遠位端側プレート部1bに対して75〜105°の夾角θで屈曲している必要があり、この実施形態では、図2に示すように、略90°(90°又は90°前後)の夾角θで屈曲している。夾角θが75〜105°の範囲内であると、屈曲段差部1cを上顎骨の分断された下側骨部Bdと上側骨部Buとの段差面(骨切り面)に沿わせてほぼ当接させた状態で、近位端側プレート部1aと遠位端側プレート部1bを双方の骨部Bu,Bdに当接、固定できるため、後で詳述するように、外力が作用しても上顎骨固定プレート1が変形し難くなり、双方の骨部Bu,Bdを段差が生じた状態で安定良く且つ強固に接合固定することができる。上顎骨切り術では、図4に示すように、上顎骨を厚み方向に略直角に骨切りして上側骨部Buと下側骨部Bdに分断するのが普通であるので、最も好ましい夾角θは、この実施形態のように略90°である。
また、この屈曲段差部1cの高さH(図2参照)は、2〜10mmであることが好ましい。上顎骨切り術によって生じる上側骨部Buと下側骨部Bdの段差寸法は、通常、2〜10mm程度であるから、上記のように屈曲段差部1cの高さHが2〜10mmであれば、十分対応することができる。
この屈曲段差部1cとその両隣りに位置するねじ用貫通孔1d,1dとの平面視における距離L,Lは、3〜15mmと短く設定する必要があり、このように距離L,Lを短く設定すると、図4に示すように、屈曲段差部1cの近傍箇所において近位端側プレート部1aの屈曲段差部寄りの部分と遠位端側プレート部1bの屈曲段差寄りの部分を上顎骨の上側骨部Buと下側骨部Bdに固定用ねじ2で固定できるため、上顎骨固定用プレート1が一層変形し難くなって、上側骨部Buと下側骨部Bdを強固に接合固定することができる。距離L,Lが3mmよりも短い場合は、固定用ねじ2をねじ込むためのタップ孔を上側骨部Buと下側骨部Bdの切断面に近づけて形成しなければならないので、タップ孔を形成する作業がし辛くなり、距離L,Lが15mmよりも長い場合は、外力が作用したときに、近位端側プレート部1aの屈曲段差部寄りの部分や遠位端側プレート1aの屈曲段差部寄りの部分が、上側骨部Buや下側骨部Bdから浮いて反り上がるように変形する心配がある。
この上顎骨固定用プレート1は、図1に示すように、上面側の全周のエッジ部が斜めに面取りされて、傾斜面1fが上面側の全周に形成されている。エッジ部が存在する場合は、上顎骨の上側骨部Buと下側骨部Bdを接合固定して上顎骨固定用プレート1を顔面裏側に埋設したときに、エッジ部が顔面裏側の組織に刺激(擦れによる刺激)を与えて炎症等を生じさせる懸念があるが、上記のように上顎骨固定用プレート1の上面側の全周に傾斜面1fが形成されていると、顔面裏側の組織に与える刺激が激減するので、炎症などをおこす懸念がなくなる。
また、この上顎骨固定用プレート1は、図1に示すように、ねじ用貫通孔1dを形成した部分をそれぞれ幅方向に膨出させて拡幅し、それ以外の部分の幅を少し狭めることによって、強度を実質的に落とすことなく材料使用量の節約を図っているが、上顎骨固定用プレート1全体に亘って一定の幅としてもよいことは言うまでもない。
この上顎骨固定用プレート1の各部の寸法は特に限定されるものではなく、上顎骨の分断された上側骨部Buと下側骨部Bdの大きさを考慮して適切な寸法を決定すればよいが、参考までに好ましい寸法の一例を以下に挙げる。
上顎骨固定用プレート1の厚みTは0.5〜1.8mm(好ましくは1mm程度)であり、
平面視における近位端側プレート部1aの近位端(図1における右端)から遠位端側プレート部1bのコーナー部(図1における左上端)までの長さLは12〜30mm(好ましくは19.5mm程度)であり、
近位端側および遠位端側プレート部1a,1bのねじ用貫通孔1dを形成した部分の幅Wは3〜10mm(好ましくは4.5mm程度)であり、
近位端側および遠位端側プレート部1a,1bに形成された2つのねじ用貫通孔1d,1dの間隔(中心から中心までの間隔)は3〜15mm(好ましくは6mm程度)であり、
ねじ用貫通孔1dの直径は1.5〜3mm(好ましくは2.2mm程度)であり、
座繰部1eの外径は3.4〜7mm(好ましくは3.4mm程度)、内径はねじ用貫通孔の直径と同一、テーパー角は15〜60°(好ましくは45°程度)であり、
遠位端側プレート部1bの折れ曲がって側方へ突き出した部分の長さLは7〜20mm(好ましくは10.5mm程度)であり、
遠位端側プレート部1bの側方(図1においては下方)への折れ曲がり角度は90〜135°(好ましくは100°程度)である。
なお、屈曲段差部1cと近位端側プレート部1a又は遠位端側プレート部1bとの夾角θ、屈曲段差部1cの高さH、屈曲段差部1cから両隣りのねじ用貫通孔1d,1dまでの距離L,Lについては、すでに説明したので省略する。
この上顎骨固定用プレート1は、生体活性を有するバイオセラミックス粉粒を配合した生体内分解吸収性ポリマーで作製することが望ましい。このようなポリマーで作製された上顎骨固定用プレート1を用いて、上顎骨の分断された上側骨部Buと下側骨部Bdを接合固定すると、生体内分解吸収性ポリマーの加水分解に伴って骨細胞がバイオセラミックス粉粒の骨伝導能により上顎骨固定用プレート1に伝導され、上顎固定用プレート1が骨組織で置換されて、上側骨部Buと下側骨部Bdが強く結合されるからである。但し、本発明の骨固定用プレートは、生体不活性な金属や合成樹脂で作製することを除外するものではない。
生体内分解吸収性ポリマーとしては、ポリ乳酸、ポリ乳酸共重合体(例えば乳酸―グリコール酸共重合体)などが好ましく使用される。
また、バイオセラミックス粉粒としては、ハイドロキシアパタイト、ジカルシウムフォスフェート、トリカルシウムフォスフェート、テトラカルシウムフォスフェート、オクタカルシウムフォスフェート、カルサイト、セラバイタル、ジオプサイトなどが好ましく使用される。
このような上顎骨固定用プレート1は、例えば、射出成形装置を用いて、バイオセラミックス粉体が配合された生体内分解吸収性ポリマーを図1〜図3に示す形状通りに射出成形して作製するか、或いは、屈曲段差部1cを形成する前の平らな形状のプレートを射出成形した後、専用の曲げ治具を用いて、熱軟化させた該プレートを2箇所で互いに逆向きに略90°屈曲させて屈曲段差部1cを形成することにより、作製すればよい。
この実施形態の上顎骨固定用プレート1は、屈曲段差部1cが近位端側プレート部1a又は遠位端側プレート部1bに対して略90°の夾角θで屈曲し、かつ、平面視において屈曲段差部1cからその両隣りのねじ用貫通孔1d,1dまでの距離L,Lが3〜15mmと短いので、この上顎骨固定用プレートを用いて、図4に示すように、その屈曲段差部1cを上顎骨の分断された上側骨部Buと下側骨部Bdの段差面(下側骨部Bdの切断面)に沿わせて当接すると共に、近位端側プレート部1aと遠位端側プレート部1bを上側骨部Buと下側骨部Bdに当接し、双方のプレート部1a,1bに2つずつ形成されたねじ用貫通孔1dから合計4本の固定用ねじ2を上側骨部Buと下側骨部Bdにねじ込んで、双方の骨部Bu,Bdを段差が生じた状態で接合、固定すると、双方の骨部Bu,Bdに外力が作用しても、以下のように上顎骨固定用プレート1が変形し難くなる。
即ち、上顎骨の上側骨部Buと下側骨部Bdを元の段差のない状態に戻そうとする力F1,F1が相対的に作用しても、上顎骨固定用プレート1の屈曲段差部1cが上側骨部Buと下側骨部Bdの段差面(下側骨部Bdの切断面)に当接して屈曲段差部1cの高さ方向と力F1,F1の方向が一致するため、屈曲段差部1cと直交する方向の分力が屈曲段差部1cに生じて夾角θ,θが大きくなるように変形し難く、しかも、遠位端側プレート部1bの屈曲段差部1c寄りの部分は、屈曲段差部1cとの距離が3〜15mmと近いねじ用貫通孔1dからねじ込まれた固定用ねじ2で固定されているため、下側骨部Bdから浮いて反り上がるように変形し難い。
そして、上記と逆に、上側骨部Buと下側骨部Bdの段差を大きく拡げようとする力が作用した場合でも、屈曲段差部1cと直交する方向の分力が屈曲段差部1cに生じないので、上顎骨固定用プレート1は夾角θ,θが大きくなるように変形し難く、また、近位端側プレート部1aの屈曲段差部1c寄りの部分も、屈曲段差部1cから3〜15mmと近い箇所でねじ固定されているので、上側骨部Buから浮いて反り上がるように変形し難い。
このように、上顎骨の上側骨部Buと下側骨部Bdを元の段差のない状態に戻そうとする力が作用した場合でも、逆に段差を大きく拡げようとする力が作用した場合でも、上顎骨固定用プレート1は、双方のプレート部1a,1bと屈曲段差部1cの夾角θが大きくなるように変形し難く、且つ、双方のプレート部1a,1bの屈曲段差部1c寄りの部分も反り上がるように変形し難いので、これらの変形によって上側骨部Buと下側骨部Bdが離反方向に移動するのを阻止することができる。
また、上顎骨きり術では、図4に仮想線で示すように、上顎骨の分断された上側骨部Buと下側骨部Bdとの間に隙間Gが形成された状態で双方の骨部Bu,Bdを段差をつけて接合、固定する場合がある。その場合において、双方の骨部Bu,Bdの隙間Gを押し縮める方向の力F2,F2が作用したとしても、近位端側プレート部1a及び遠位端側プレート部1bの長さ方向と力F2の方向が一致しているので、双方のプレート部1a,1bと直交する方向の分力が双方のプレート部1a,1bに生じることがなく、しかも、屈曲段差部1cは下側骨部Bdの切断面によって支持されているので、上顎骨固定用プレート1は、近位端側プレート部1aと屈曲段差部1cの夾角θが小さくなるように変形しないで、図4に示す元の形状を維持する。従って、従来の骨接合プレートのように、折り曲げ部分の角度が小さくなるように変形して下側骨部Bdが前方に移動し、上側骨部Buと下側骨部Bdの段差が大きくなるという問題を解決することができる。
また、この上顎骨固定用プレート1のように、近位端側プレート部1aと遠位端側プレート部1bにねじ用貫通孔1dを複数(2つ)づつ形成し、双方のプレート部1a,1bをそれぞれ複数本(2本)の固定用ねじ2で上側骨部Buと下側骨部Bdに固定すると、双方のプレート部1a,1bをそれぞれ1本の固定用ねじで固定する場合に比べて、固定強度が大きくなることは勿論であるが、それに加えて、双方のプレート部1a,1bが1本の固定用ねじを中心として回動するという不都合を解消することが可能となり、双方の骨部Bu,Bdの接合、固定を確実に行えるようになる。なお、双方のプレート部1a,1b又はいずれか一方のプレート部を1本の固定用ねじ2で固定しても、固定強度の問題や回動の問題などが実質的に生じない場合は、双方のプレート部1a,1b又はいずれか一方のプレート部に一つのねじ用貫通孔1dを形成し、1本の固定用ねじ2で固定しても勿論よい。
また、この上顎骨固定用プレート1は、その屈曲段差部1cが上側骨部Buと下側骨部Bdの段差面に沿ってほぼ接触し、その分だけ骨部との接触面積が増えるため、上顎骨固定用プレート1が骨伝導能を有するバイオセラミックス粉体を含んだ生体内分解吸収性ポリマーからなるものである場合は、骨伝導能が十分に発揮されて比較的短期間で骨組織と置換され、双方の骨部Bu,Bdと強固に結合されるという利点がある。
図6の(a)は本発明の他の実施形態に係る骨固定用プレートの平面図、(b)は同骨固定用プレートのC−C線断面図である。
この骨固定用プレート10は、上顎骨の分断された上側骨部Buと下側骨部Bdを段差をつけて接合、固定する場合に限らず、他の骨部と骨部を段差をつけて接合固定する場合などに広く用いられるものであって、図6の(a)(b)に示すように、遠位端側プレート部1bの平面形状を近位端側プレート部1aと同じ略帯状にした以外は、前述の上顎骨固定用プレート1と同様の構成としたものである。
即ち、略水平方向に延びる略帯状の近位端側プレート部1aと、略水平方向に延びる略帯状の遠位端側プレート部1bとの境界部分には、屈曲段差部1cが形成されており、双方のプレート部1a,1bには固定用ねじを挿通するねじ用貫通孔1dが2つずつ形成されている。そして、各ねじ用貫通孔1dの上面側口縁には、上広がりテーパー状の座繰部1eが形成されている。また、この骨固定用プレート10の上面側全周には、エッジ部を斜めに面取りした傾斜面1fが形成されている。
屈曲段差部1cは、側面視において、近位端側プレート部1a又は遠位端側プレート部1bに対して略90°の夾角θで屈曲しており、その高さが2〜10mmに設定されている。そして、平面視において、屈曲段差部1cとその両隣りに位置するねじ用貫通孔1d,1d(屈曲段差部1c寄りのねじ用貫通孔)との距離は3〜15mmと短く設定されている。
この骨固定用プレート10も、前述した上顎骨固定用プレート1と同様に、バイオセラミックス粉粒を配合した生体内分解吸収性ポリマーで作製されている。
この骨固定用プレート10は、接合固定すべき骨部と骨部の段差面に屈曲段差部1c沿わせて接触させると共に、双方のプレート部1a,1bを双方の骨部に当接して、各ねじ用貫通孔1dから固定用ねじを双方の骨部にねじ込むことにより、双方の骨部を段差を付けて接合、固定するものであって、前述の上顎骨固定用プレート1と同様の作用、効果を奏し、従来の骨固定用プレート100の問題点を解消できるものである。
以上、代表的な実施形態を挙げて本発明の骨固定用プレートを説明したが、本発明の骨固定用プレートはこれらの実施形態に限定されるものではなく、例えば、近位端側プレート部1aと遠位端側プレート部1bのいずれか一方又は双方の平面形状を、T字状、Y字状、V字状など、所望の形状となしうるものである。また、近位端側プレート部1aの平面形状をコ字状となし、遠位端側プレート部1bの平面形状を逆コ字状となして、双方のプレート部1a,1bの境界部分に2つの屈曲段差部1c,1cを形成し、骨固定用プレート全体の平面形状をロ字状(方形枠状)とすることも可能である。
1 上顎骨固定用プレート
1a 近位端側プレート部
1b 遠位端側プレート部
1c 屈曲段差部
1d ねじ用貫通孔
1e 座繰部
1f エッジ部を斜めに面取りした傾斜面
2 固定用ねじ
10 骨固定用プレート
θ 夾角
Bu 上顎骨の分断された上側骨部
Bd 上顎骨の分断された下側骨部
B1,B2 骨部

Claims (4)

  1. 長手方向に連なる近位端側プレート部と遠位端側プレート部を有する骨固定用プレートであって、
    近位端側プレート部と遠位端側プレート部はそれぞれ略水平方向に伸び、双方のプレート部には固定用ねじを挿通するねじ用貫通孔が形成されており、
    近位端側プレート部と遠位端側プレート部との境界部分には屈曲段差部が形成されており、
    側面視において、屈曲段差部は近位端側プレート部又は遠位端側プレート部に対して75〜105°の夾角で屈曲しており、
    平面視において、屈曲段差部とその両隣りに位置するねじ用貫通孔の距離が3〜15mmである、ことを特徴とする骨固定用プレート。
  2. 屈曲段差部の高さが2〜10mmであることを特徴とする、請求項1に記載の骨固定用プレート。
  3. 近位端側プレート部のねじ用貫通孔と遠位端側プレート部のねじ用貫通孔が、いずれも複数ずつ形成されていることを特徴とする、請求項1又は請求項2に記載の骨固定用プレート。
  4. 骨固定用プレートが、上顎骨を骨切りして分断した下側骨部と上側骨部を段差が生じた状態で接合固定するための上顎骨固定用プレートであることを特徴とする、請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の骨固定用プレート。
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