JP2016173241A - ひげぜんまい - Google Patents

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Abstract

【課題】ひげぜんまいのひげ持の変位方向を制御し、ぜんまい部に加わる応力を低減して耐衝撃性に優れたひげぜんまいを提供する。
【解決手段】内端3aを回転軸体と接続するための貫通孔2aを有するひげ玉2に接続し、外端3bを他の部材に固定するためのひげ持10に接続し、ひげ玉2の周囲に巻回されるぜんまい部3を有するひげぜんまいであって、ひげ持10は、ぜんまい部3の外周に円弧状に配置され、異なる弾性を有する第1の部分11と第2の部分12とを有し、ぜんまい部3の外端3bは、ひげ持10の一箇所で接続し、ひげ持10の他の少なくとも一箇所で、他の部材と接続する構成とした。
【選択図】図1

Description

本発明は、機械式時計の調速機などに用いられるひげぜんまいの改良に関する。
従来から機械式時計は、歩度(一日あたりの時計の進み又は遅れの程度)を一定に保つために、ひげぜんまいとてん輪等によって構成する調速機(てんぷ)が用いられている。この調速機を構成するひげぜんまいは、よく知られているように、細い金属製のバネ材を渦巻き状に加工した形状であり、そのバネ力による伸縮によって、調速機は規則正しく往復運動を行う。
従来のひげぜんまいによる調速機の一例を、図12を用いて説明する。
図12(a)において、調速機100は、ひげぜんまい101、緩急針110、てん輪111、てん真112、てんぷ受113などによって構成される。
ひげぜんまい101は、内端を回転体軸であるてん真112に接続するひげ玉(図示せず)と、外端をてんぷ受113に固定するためのひげ持102に接続し、ひげ玉の周囲に巻回されるぜんまい部103を有している。また、てん輪111は、てん真112を介してひげぜんまい101に接続され、ひげぜんまい101のバネ力によって往復回転運動を行う。
また、ぜんまい部103の外周部103aは、緩急針110のひげ棒とひげ受とに挟まれており、この緩急針110を円周方向に動かすことで、ひげぜんまい101の有効長が変化し、バネ定数が変わることで、ひげぜんまい101の振動周期(調速機100の歩度)が調整される。
また近年、金属材料では無く、水晶やシリコン等の結晶構造を有する材料を用いて、エッチング技術により、ひげぜんまいを製造する提案がなされている。このエッチング加工技術は、よく知られているように、結晶材料を高精度に加工することが可能であり、一般的な金属によるひげぜんまいよりも加工精度のばらつきが少なく、量産性に優れている等の利点がある。
そのような水晶やシリコン等の材料で構成されるひげぜんまいは、金属製のひげぜんまいに比して温度特性がよいことが知られている。従来のひげぜんまいの材料として用いられる金属よりも環境温度に対して変形しにくいという特徴がある。このことから、時計の調速機にもこの技術を応用することが考えられている。
そのようなひげぜんまいであっても、その回転運動中にてん真に対して偏心してしまう場合がある。このため、ひげぜんまいの改良として、ひげぜんまいに接続する接続部材(ひげ持)が環状部材であるひげぜんまいが提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
特許文献1に示した従来技術は、調速機のひげぜんまいの内端がひげ玉に固定され、その外端が接続部材(ひげ持)と一体式に形成されており、この接続部材は剛性がひげぜんまいの剛性よりかなり大きく、接続部材は環状部材であって、ひげ玉を中心に角度を有して分散される少なくとも2つの位置決め要素(開口)を含むことが示されている。このような構造により、ひげぜんまいの偏心を防止する。
特開2012−78358号公報(第6〜第7頁、図1〜図8)
ひげぜんまいを用いた調速機を腕時計に用いたとき、使用者の激しい腕の動きや、腕時計を誤って落下させてしまったときなど、調速機のひげぜんまいには、大きな衝撃が加わる。
従来の調速機のひげぜんまい(図12(a)参照)は、前述したように、ぜんまい部103の外端に、ひげ持102が接続され、このひげ持102は、てんぷ受113に固定されている。この状態で、調速機100が組み込まれた腕時計(図示せず)に落下等によって大きな衝撃が加わると、時計内部の調速機100にも衝撃が伝わり、ひげぜんまい101に大きな荷重が印加される。
図12(b)は、ぜんまい部103の外端に接続されるひげ持102の拡大図であり、ひげぜんまい101に大きな荷重が矢印A方向から印加された場合を説明する部分拡大図である。
図12(b)に示したように、ひげ持102に接続しているぜんまい部103の外周部103aは、荷重方向(矢印A)と略同じ方向(矢印B)に変位する(点線で示す)。このとき、ひげ持102は、てんぷ受103に固定されているので、ぜんまい部103の外周部103aとひげ持102との間に相対変位が生じ、ひげ持102に接続しているぜんまい部103の付け根である外端103bには、大きな曲げ応力が集中し、外端103bとその周辺に変形や破損が発生する危険性がある。
とくに、ひげぜんまいの材質が水晶やシリコンである場合、水晶やシリコンは脆性材料であるので、緩急針を用いることはできないが、ひげ持にててんぷ受などに固定されていることには変わりがなく、ぜんまい部103の外端103bに加わる応力によって、変形ではなく割れやひびといった破損が発生してしまう。
特許文献1に示した従来技術は、ひげ持の部分を改良した技術であるが、ひげぜんまいの偏心を防止する技術であるから、印加される衝撃に関しては対応できない。
このため、水晶やシリコンを材料とするひげぜんまいは、製品化が難しいという課題が依然としてあり、このような事情から、水晶やシリコンを材料とし、且つ、耐衝撃性に優れたひげぜんまいの改良が求められている。
本発明の目的は上記課題を解決し、ひげぜんまいのひげ持の変位方向を制御し、ぜんまい部に加わる応力を低減して耐衝撃性に優れたひげぜんまいを提供することである。
上記課題を解決するために、本発明のひげぜんまいは下記記載の構成を採用する。
本発明のひげぜんまいは、一端を回転軸体と接続するための貫通孔を有するひげ玉に接続し、他端を他の部材に固定するためのひげ持に接続し、ひげ玉の周囲に巻回されるぜんまい部を有するひげぜんまいであって、ひげ持は、その他端と一箇所で接続するとともにその一箇所以外の少なくとも一箇所で他の部材と接続し、ひげ持は、ぜんまい部の外周に配置され、異なる弾性を有する第1の部分と第2の部分とを有することを特徴とする。
本発明のひげぜんまいにより、異なる弾性の第1の部分と第2の部分とを有するひげ持に、ぜんまい部の他端を接続することで、外部からの衝撃によるひげ持とぜんまい部の他端との接続部分の変位方向が、第1の部分と第2の部分との弾性の違い(弾性差)によって制御され、ひげ持とぜんまい部の他端との相対変位が減少するので、ぜんまい部に加わる応力が低減して耐衝撃性に優れたひげぜんまいを提供できる。
また、ひげ持は、回転軸体の軸方向から見て円弧状でもよい。
これにより、弾性を有する円弧状のひげ持によって、略円形のぜんまい部の外周を覆うことができるので、外部から衝撃が加わったときに、ぜんまい部が大きく変形することを防ぎ、ひげぜんまいの耐衝撃性を向上させることができる。
また、第1の部分及び第2の部分は、ぜんまい部の他端との接続部分から、一方を巻回の方向と同一方向に湾曲させ、他方を巻回の方向と反対方向に湾曲させてもよい。
これにより、第1の部分と第2の部分とを巻回に沿ってそれぞれ湾曲させることで、ひげ持が適正な弾性体として機能し、外部から衝撃が加わったときに、第1の部分と第2の部分の接続部分の変位量が大きくなるので、ひげぜんまいの耐衝撃性を向上させることができる。
また、ひげ持は、他の部材と接続する箇所が一箇所でもよい。
これにより、接続を一箇所にすることで、ひげぜんまいの組み込み性が向上し、また、ひげぜんまいのスペース効率も向上する。
また、ひげ持は、弾性を調整する調整手段を有してもよい。
これにより、調整手段によって、第1の部分と第2の部分との弾性差を調整し、衝撃によるひげ持とぜんまい部の他端との接続部分の変位方向を適切に制御して、ひげぜんまいの耐衝撃性を向上させることができる。
本発明のひげぜんまいによれば、外部からの衝撃によるひげ持とぜんまい部の他端との接続部分の変位方向が、第1の部分と第2の部分との弾性差によって制御される。その結果、衝撃による接続部分の変位量(移動量)が大きくなって、ひげ持とぜんまい部の他端との相対変位が減少するので、ぜんまい部の他端に加わる応力が低減して耐衝撃性に優れたひげぜんまいを提供できる。
本発明の第1の実施形態に係わるひげぜんまいの平面図である。 本発明の第1の実施形態に係わるひげ持とぜんまい部との接続部分の変位方向を説明する説明図である。 本発明の第1の実施形態の変形例に係わるひげぜんまいの平面図である。 本発明の第2の実施形態に係わるひげぜんまいの平面図である。 本発明の第3の実施形態に係わるひげぜんまいの平面図である。 本発明の第4の実施形態に係わるひげぜんまいの平面図である。 本発明の第5の実施形態に係わるひげぜんまいの平面図と変位方向の説明図である。 本発明の第5の実施形態の変形例に係わるひげぜんまいの平面図である。 本発明の第6の実施形態のひげぜんまいの製造方法を説明するひげ持とぜんまい部の接続部分の拡大図である。 本発明の第6の実施形態のひげぜんまいの製造工程を説明する断面図である。 本発明の第6の実施形態のひげぜんまいの製造工程を説明する断面図である。 従来のひげぜんまいを用いた調速機の説明図である。
以下図面に基づいて本発明のひげぜんまいの具体的な実施の形態を詳述する。
説明にあっては、その説明及び図は一例であって、これに限定されるものではない。また、図面における寸法や形状は実際の形状を正確に反映したものではなく、図面を見やすく、または、理解しやすくするため一部誇張して模式的に記載している。また、発明に直接関係しない一部の要素は省略し、各実施形態において重複する説明は省略するものとする。そして、同一の構成には同一の番号を付与しており、説明を省略している。
[実施形態の特徴]
第1の実施形態の特徴は、ひげ持の第1の部分と第2の部分の形状(幅)の違いによって異なる弾性を得ていることである。
第2の実施形態の特徴は、ひげ持の第1の部分と第2の部分の有効長の違いによって異なる弾性を得ていることである。
第3の実施形態の特徴は、ひげ持の第1の部分と第2の部分の材質の違いによって異なる弾性を得ていることである。
第4の実施形態の特徴は、ひげ持が他の部材と接続する箇所が一箇所であることである。
第5の実施形態の特徴は、ひげ持の弾性差を調整する調整手段を有することである。
第6の実施形態の特徴は、LIGAプロセスによる、ひげぜんまいの製造方法によりひげぜんまいと第1及び第2の部分とを一体に形成する点である。
[第1の実施形態のひげぜんまいの構成説明:図1]
第1の実施形態のひげぜんまいの構成を、図1を用いて説明する。
図1において、符号1は第1の実施形態のひげぜんまいである。ひげぜんまい1は、ひげ玉2、ぜんまい部3、ひげ持10(斜線部)などによって構成される。
ぜんまい部3は、一端である内端3aをひげぜんまい1の回転軸体(てん真:図示せず)と接続するための貫通孔2aを有するひげ玉2に接続し、他端である外端3bを他の部材(てんぷ受:図示せず)に固定するためのひげ持10に接続し、ひげ玉2の周囲に巻回されている。
ひげ持10は弾性体であり、ぜんまい部3の外周に配置され、異なる弾性を有する第1の部分11と第2の部分12とを有する。ひげ持10とぜんまい部3の外端3bとの接続部分は、ひげ持10の第1の部分11と第2の部分12との結合箇所であり、接続部10aと称する。すなわち、ぜんまい部3の外端3bは、接続部10aの一箇所でひげ持10に接続している。なお、外端3bとひげ持10とは、接着剤等で固定される。
また、第1の部分11と第2の部分12とのそれぞれの先端には、他の部材であるてんぷ受(図示せず)に接続するための止め部13、14が形成されている。各止め部13、14は、貫通孔13a、14aを有し、この貫通孔13a、14aによって、てんぷ受にネジ止めや接着剤等による固定、または嵌合等により固定される。
このように、ひげ持10を固定する止め部13、14は、第1の部分11と第2の部分12のそれぞれの先端に位置するので、ぜんまい部3の外端3bが接続しているひげ持10の接続部10aから大きく離れている。
ひげ持10の材質は第1の部分11と第2の部分12が同一の金属であって、例えば、ニッケル(Ni)、または、その合金である。また、ぜんまい部3とひげ玉2との材質は、例えば、シリコン(Si)である。
ひげ持10の第1の部分11は、強い弾性を得るために幅を広く形成し、第2の部分12は、第1の部分11の弾性より弱い弾性を得るために、幅を狭く形成している。具体的には、第1の部分11の幅W1は、一例として先端になるほど広がる形状であり、第2の部分12の幅W2は、幅W1より狭く、一例として第2の部分12全体でほぼ一定である。
すなわち、ひげ持10の第1の部分11と第2の部分12とは、異なる弾性を有するが、第1の実施形態においては、第1の部分11と第2の部分12との形状(具体的には幅)を変えることで、弾性差を得ている。なお、ひげ持10の幅ではなく、厚み、または、幅と厚みとの両方を変えて、弾性差を得てもよい。また、ひげ持10の弾性が、ぜんまい部3の振動周期に影響しないように、ひげ持10は、ぜんまい部3と比較して十分強い弾性を有している。
また、ひげ持10は、ひげぜんまい1の回転軸体の軸方向から見て円弧状である。具体的には一例として、ひげ持10の第1の部分11は、ぜんまい部3の外端3bと接続する接続部10aから、巻回の方向と同一方向(矢印R1)に湾曲し、第2の部分12は、ぜんまい部3の外端3bと接続する接続部10aから、巻回の方向と反対方向(矢印R2)に湾曲することで、ひげ持10の全体が円弧状に形成されている。
以上の構成により、ひげぜんまい1は、ぜんまい部3の内端3aがひげ玉2に接続し、ぜんまい部3の外端3bがひげ持10の接続部10aに接続することで、てんぷ受(図示せず)に固定される。そして、ひげぜんまい1のバネ力によって、ひげ玉2の貫通孔2aを通る回転軸体であるてん真(図示せず)に接続されたてん輪(図示せず)を往復回転運動させて、調速機として機能する。
詳しくは後述するが、形状(幅)を変えることで異なる弾性を有する第1の部分11と第2の部分12とでなるひげ持10に、ぜんまい部3の外端3bを接続することで、外部から衝撃が加わった場合、第1の部分11と第2の部分12との結合箇所である接続部10aが、荷重に応じて変位するので、ぜんまい部3の外端3bの変位方向が制御されて、ぜんまい部3に加わる応力を低減し、耐衝撃性に優れたひげぜんまいを実現できる。
また、第1の部分11と第2の部分12とは、ぜんまい部3の巻回に沿ってそれぞれ湾曲し、ひげ持10は円弧状であるので、略円形のぜんまい部3の外周を覆うことができる。これにより、外部から衝撃が加わったときに、ぜんまい部3が大きく変形することを防ぎ、ひげぜんまいの耐衝撃性を向上させることができる。
また、第1の部分11と第2の部分12とがそれぞれ湾曲しているので、ひげ持10の全体が適正な弾性体として機能し、外部から衝撃が加わったときに、接続部10aの変位量が大きくなり、ぜんまい部3に加わる衝撃を吸収することができる。
[第1の実施形態のひげぜんまいの衝撃吸収動作の説明:図2]
次に、第1の実施形態のひげぜんまいが、衝撃を受けたときの具体的な動作例を、図2
を用いて説明する。図2は、ひげ持10とぜんまい部3との接続部分を拡大し、その変位方向を説明する説明図であって、図2(a)と図2(b)とは変位方向が違う場合を示している。
図2(a)において、前述したように、ぜんまい部3の外端3bは、ひげ持10の第1の部分11と第2の部分12との結合箇所である接続部10aに接続されている。そして、強い弾性を有する第1の部分11は、接続部10aからぜんまい部3の巻回方向(矢印R1)に配置されており、一方、弱い弾性を有する第2の部分12は、接続部10aからぜんまい部3の巻回方向と反対方向(矢印R2)に配置されている。
ここで、ひげぜんまい1に外部から強い衝撃が加わり、一例として、ひげぜんまい1の中心方向から荷重Nが、ぜんまい部3とひげ持10とに印加されたとする。
すると、ひげ持10の第1の部分11は弾性が強く、第2の部分12は弾性が弱いので、荷重Nによる第1の部分11の変形は小さいが、第2の部分12の変形は大きくなる。また、第1の部分11と第2の部分12とは、前述したように、ぜんまい部3の巻回に沿ってそれぞれ湾曲し円弧状であるので、適正な弾性体として機能する。
それにより、第1の部分11と第2の部分12との結合箇所である接続部10aは変位するが、その変位方向は荷重Nの方向ではなく、矢印D1で示すように、第1の部分11が位置する方向に変化して大きく変位することになる。この矢印D1方向に変位したひげ持10uは、図中点線で示している。
このように、荷重Nを受けたときに矢印D1方向に変位するのは、強い弾性を有する第1の部分11自体の変形が小さく、弱い弾性を有する第2の部分12自体の変形が大きいためであり、結果として矢印D1方向に変位するのである。
すなわち、ぜんまい部3の外端3bが接続しているひげ持10の接続部10aは、従来例とは異なり、固定されている止め部13、14から大きく離れている(図1参照)と共に、第1の部分11と第2の部分12とが弾性体であるので、外部からの荷重によって比較的自由に変位するのである。しかも、第1の部分11と第2の部分12とには弾性差があるので、その弾性差に応じて変位方向が制御されて変化し、且つ、その変位方向の変化によって、変位量(移動量)が増幅されて大きくなる。
その結果、ひげ持10は、接続部10aに接続されているぜんまい部3の外端3bも、共に矢印D1の方向に大きく変位するから、ぜんまい部3に対して衝撃を受け流し、吸収するように働き、変位しない場合に比べて、ひげ持10の接続部10aとぜんまい部3の外端3bとの相対変位が減少するので、ぜんまい部3の外端部3bとその周辺に生じる曲げ応力が小さくなり、耐衝撃性に優れたひげぜんまいを実現することができる。
また、ぜんまい部3の材質がシリコンであったとしても、外端部3bとその周辺に生じる曲げ応力が十分小さくなるので、割れやひびの発生を防ぐことが可能となり、量産性に優れ、特性が揃ったひげぜんまいを提供できる。
荷重Nが印加されたときの変位方向は、上記の例に限定されず、図2(b)に示すように、例えば、強い弾性を有する第1の部分11を、接続部10aを基準にしてぜんまい部3の巻回方向と反対方向(矢印R2)に配置し、弱い弾性を有する第2の部分12を、接続部10aを基準にしてぜんまい部3の巻回方向(矢印R1)に配置してもよい。なお、この例に示す要素は、図中では、ぜんまい部3´、外端3b´、ひげ持10´、接続部10a´第1の部分11´、第2の部分12´で示す。
この場合、図2(a)に示す例と同様な方向から荷重Nが印加されると、荷重Nによる接続部10a´の変位方向は、強い弾性を有する第1の部分11の位置する方向(矢印D2方向)になり、同様にぜんまい部3´の外端3b´も矢印D2の方向に変位する。この矢印D2方向に変位したひげ持10dは、図中点線で示している。
その結果、変位方向が変わっても、ひげ持10´の接続部10a´とぜんまい部3´の外端3b´との相対変位が減少し、外端部3b´とその周辺に生じる曲げ応力を小さくできる。
以上のように、第1の実施形態によれば、ひげ持10の第1の部分11と第2の部分12との形状(幅)を変えることで弾性差を得ており、このひげ持10の弾性差により、外部からの衝撃によって変位する変位方向を変え、ひげ持10とぜんまい部3との相対変位を減少させることで耐衝撃性に優れたひげぜんまいを提供できる。
また、ひげ持10の弾性差は、第1の部分11と第2の部分12との形状の幅を変えることで実現しているので、この幅の違いを変えることで弾性差の大きさを変え、変位方向を制御して、相対変位が最も減少する最適なひげ持10を得ることができる。このようにして、耐衝撃性に優れたひげぜんまいを提供できる。
また、説明した例では、ひげ持10は金属であるので、衝撃に強く、信頼性の高いひげぜんまいを提供でき、ぜんまい部3はシリコンであるので、高い加工精度によってばらつきが少なく量産性に優れ、温度特性もよいひげぜんまいを提供できる。
なお、第1の部分11及び第2の部分12における形状の幅は、事前に実験やシミュレーションなどを行って、この幅を変えると、掛る荷重Nに対してどの程度変位するかなどを調べて決めればよい。
[第1の実施形態の変形例のひげぜんまいの構成説明:図3]
次に、第1の実施形態の変形例のひげぜんまいの構成を、図3を用いて説明する。第1の実施形態の変形例の特徴は、ひげぜんまいのぜんまい部の材質とひげ持の材質が同一であり、共にシリコン(Si)である点である。
図3において、符号20は第1の実施形態の変形例のひげぜんまいである。ひげぜんまい20は、ひげ玉2、ぜんまい部3、ひげ持21などによって構成される。ひげ玉2、ぜんまい部3の構成は、第1の実施形態と同様であるので説明は省略する。
ひげ持21は、ぜんまい部3の外周に配置され、異なる弾性を有する第1の部分22と第2の部分23とを有する。ひげ持21の第1の部分22と第2の部分23との結合箇所である接続部21aにぜんまい部3の外端3bが接続されている。
なお、上述のように、ぜんまい部3とひげ持21とは、共にシリコンで形成されている。このとき、双方を別々に製造した後に接着剤等で固定してもよく、最初から一体的に形成するように製造してもよい。後者の場合は、双方を一度に製造できるので、生産性が向上するので好ましい。
また、第1の部分22と第2の部分23のそれぞれの先端には、てんぷ受(図示せず)に接続するための止め部24、25が形成されている。各止め部24、25は、貫通孔24a、25aを有し、この貫通孔24a、25aによって、てんぷ受に接着剤等で固定される。なお、この貫通孔24a、25aにピン等を差し込んだ上で、接着時等で固定してもよい。
また、ひげ持21は第1の実施形態と同様に、第1の部分22は強い弾性を得るために幅を広く形成し、第2の部分23は第1の部分22の弾性より弱い弾性を得るために、幅を狭く形成している。このように、ひげ持21の形状は、第1の実施形態のひげ持10と同様であるので、詳細な説明は省略する。
ぜんまい部3とひげ持21とを含めたひげぜんまい20の材質はシリコンであり、よって、ひげぜんまい20は、エッチング技術によって一体的に製造可能である。
ここで第1の実施形態の図2と同様に、ひげぜんまい20に、外部から強い衝撃が加わり、荷重Nがぜんまい部3とひげ持21とに印加されたとする。すると、第1の部分22は弾性が強く、第2の部分23は弾性が弱いので、荷重による第1の部分22の変形は小さいが、第2の部分23の変形は大きくなる。
その結果、図2(a)と同様に、ひげ持21の接続部21aは、弾性が弱い側の第2の部分23の方向(矢印D1:図2(a)参照)に変位し、ひげ持21の接続部21aとぜんまい部3の外端3bとの相対変位が減少するので、ぜんまい部3の外端部3bとその周辺に生じる曲げ応力が小さくなり、耐衝撃性に優れたひげぜんまいを提供することができる。
以上のように、第1の実施形態の変形例によれば、第1の実施形態と同様に耐衝撃性に優れたひげぜんまいを提供できると共に、ぜんまい部3とひげ持21とを含めたひげぜんまい20全体の材質がシリコンであるので、エッチング技術によって一体的な製造も可能であり、特性のばらつきが少なく量産性に優れ、温度特性もよいひげぜんまいを提供できる。
なお、ひげぜんまいの各要素の材質は限定されず、例えば、金属(ニッケル)であってもよい。また、ぜんまい部3とひげ持21とをシリコンで一体的に形成し、ひげ玉2のみ金属としてもよい。その場合は、貫通孔2aに嵌め込まれるてん真の材質等に鑑みて決めることができる。
[第2の実施形態のひげぜんまいの構成説明:図4]
次に、第2の実施形態のひげぜんまいの構成を、図4を用いて説明する。第2の実施形態の特徴は、ひげ持の第1の部分と第2の部分の有効長の違いによって異なる弾性を得ていることである。
図4において、符号30は第2の実施形態のひげぜんまいである。ひげぜんまい30は、ひげ玉2、ぜんまい部3、ひげ持31などによって構成される。ひげ玉2、ぜんまい部3の構成は、第1の実施形態と同様であるので説明は省略する。
ひげ持31は、ぜんまい部3の外周に円弧状に配置され、異なる弾性を有する第1の部分32と第2の部分33とを有している。第1の部分32は、ぜんまい部3の巻回方向(矢印R1)と同一方向に湾曲し、また、第2の部分33は、ぜんまい部3の巻回方向と反対方向(矢印R2)に湾曲している。
また、第1の部分32と第2の部分33のそれぞれの先端には、てんぷ受(図示せず)に接続するための止め部34、35が形成され、各止め部34、35は、貫通孔34a、35aを有し、この貫通孔34a、35aによって、てんぷ受にネジ止め又は接着剤等にて固定される。
また、ぜんまい部3の外端3bは、ひげ持31の第1の部分32と第2の部分33との結合箇所である接続部31aに接続される。
また、ひげ持31の第1の部分32は、強い弾性を得るために、接続部31aから止め部34までの有効長L1を短く形成し、第2の部分33は、第1の部分32より弱い弾性を得るために、接続部31aから止め部35までの有効長L2を第1の部分32の有効長L1より長く形成している。すなわち、第2の実施形態は、ひげ持31の第1の部分32と第2の部分33との弾性差を得るために、その有効長を変えることで実現している。
ひげ持31の材質は、第1の実施形態と同様に金属でもよく、または、第1の実施形態の変形例のように、シリコンでもよい。
ここで第1の実施形態の図2と同様に、ひげぜんまい30に、外部から強い衝撃が加わり、荷重Nがぜんまい部3とひげ持31とに印加されたとする。すると、第1の部分32は有効長L1が短いために弾性が強く、第2の部分33は有効長L2が長いために弾性が弱いので、荷重による第1の部分32の変形は小さいが、第2の部分33の変形は大きくなる。
その結果、図2(a)と同様に、ひげ持31の接続部31aは、弾性が弱い側の第2の部分33の方向(矢印D1:図2(a)参照)に変位し、ひげ持31の接続部31aとぜんまい部3の外端3bとの相対変位が減少するので、ぜんまい部3の外端部3bとその周辺に生じる曲げ応力が小さくなり、耐衝撃性に優れたひげぜんまいを提供することができる。
なお、第1の部分32及び第2の部分33における有効長は、事前に実験やシミュレーションなどを行って、この長さを変えると、掛る荷重Nに対してどの程度変位するかなどを調べて決めればよい。
以上のように、第2の実施形態によれば、ひげ持31の第1の部分32と第2の部分33との有効長を変えることで弾性差を得ており、このひげ持31の弾性差により、外部からの衝撃によって変位する変位方向を変え、ひげ持31の接続部31aとぜんまい部3との相対変位を減少させることで耐衝撃性に優れたひげぜんまいを提供できる。また、ひげ持31の弾性差は、第1の部分32と第2の部分33との有効長を変えるだけで実現できるので、製造が簡単で量産性に優れたひげぜんまいを提供できる。
[第3の実施形態のひげぜんまいの構成説明:図5]
次に、第3の実施形態のひげぜんまいの構成を、図5を用いて説明する。第3の実施形態の特徴は、ひげ持の第1の部分と第2の部分の材質を変えることで、異なる弾性を得ていることである。
図5において、符号40は第3の実施形態のひげぜんまいである。ひげぜんまい40は、ひげ玉2、ぜんまい部3、ひげ持41などによって構成される。ひげ玉2、ぜんまい部3の構成は、第1の実施形態と同様であるので説明は省略する。
ひげ持41は、ぜんまい部3の外周に配置され、異なる弾性を有する第1の部分42と第2の部分43とを有している。第1の部分42は、ぜんまい部3の巻回方向(矢印R1)と同一方向に湾曲し、また、第2の部分43は、ぜんまい部3の巻回方向と反対方向(矢印R2)に湾曲している。この第1の部分42と第2の部分43の形状(幅、厚み、有効長等)は同一である。
また、第1の部分42と第2の部分43とのそれぞれの先端には、てんぷ受(図示せず)に接続するための止め部44、45が形成され、各止め部44、45は、貫通孔44a、45aを有し、この貫通孔44a、45aによって、てんぷ受にネジ止め又は接着剤等にて固定される。
また、ぜんまい部3の外端3bは、ひげ持41の第1の部分42と第2の部分43との結合箇所である接続部41aに接続される。
また、ひげ持41の第1の部分42(斜線で示す)は、強い弾性を得るために弾性率が大きい材質で構成し、第2の部分43は、第1の部分42より弱い弾性を得るために、弾性率が小さい材質で構成している。すなわち、第3の実施形態は、ひげ持41の第1の部分42と第2の部分43との弾性差を得るために、構成する材質を変えることで実現している。
また、第1の部分42と第2の部分43との材質は同じで、第1の部分42の弾性を強くするために、図示しないが、ひげ持41の表面に弾性率が大きい金属、例えば、アルミニウム(Al)、チタン(Ti)などをコーティングしてもよい。すなわち、第1の部分42と第2の部分43との材質を同一のシリコン(Si)とし、ひげぜんまい40の加工後に、第1の部分42の外周の表面に金属膜をコーティングするのである。それにより、材質を異ならせた場合と同様の効果を得ることができ、第1の部分42の弾性が強くなり、第2の部分43の弾性は、第1の部分42より弱くなる。
また、第1の部分42と第2の部分43との材質を同一のシリコン(Si)とし、その表面に多結晶シリコン膜を形成しておく。ひげぜんまい40の加工後に、第2の部分43の多結晶シリコン膜の少なくとも一部にレーザー(例えば、フェムト秒レーザ)を照射し、第2の部分43の多結晶シリコン膜を晶質化させて弾性率を低下させてもよい。それにより、元の材質は同じシリコンだが、レーザ照射による改質で、第2の部分43の弾性は、第1の部分42の弾性より弱くなる。
また同様に、第1の部分42と第2の部分43との材質を、同一のポリシリコン(Poly−Si)やシリコン酸化物(SiO2)とする。ひげぜんまい40の加工後に、第2の部分43の少なくとも一部にレーザー(例えば、フェムト秒レーザ)を照射し、第2の部分43のポリシリコンやシリコン酸化物の一部又は全部を晶質化させて弾性率を低下させてもよい。
また、第1の部分42と第2の部分43の材質を同一のシリコンとし、ひげぜんまい40の加工後に、一方の第1の部分42に所定のイオン注入を行い、弾性率を上昇させてもよい。例えば、酸素イオンを所定の深さ及び注入量でイオン注入し、熱処理をすることでシリコンを酸化物化させて弾性率を上昇させるのである。
このように、ベースとなる第1の部分42及び第2の部分43の材質を同じにしても、上述のごとく加工を施すことで一方の部分の弾性率を変化させることができる。上述の加工に係る手法は一例であるが、どのような手法を用いるかは自由に選択可能である。
ここで第1の実施形態の図2と同様に、ひげぜんまい40に、外部から強い衝撃が加わり、荷重Nがぜんまい部3とひげ持41とに印加されたとする。すると、第1の部分42は弾性が強く、第2の部分43は弾性が弱いので、荷重による第1の部分42の変形は小さいが、第2の部分43の変形は大きくなる。
その結果、図2(a)と同様に、ひげ持41の接続部41aは、弾性が弱い側の第2の
部分43の方向(矢印D1:図2(a)参照)に変位し、ひげ持41の接続部41aとぜんまい部3の外端3bとの相対変位が減少するので、ぜんまい部3の外端部3bとその周辺に生じる曲げ応力が小さくなり、耐衝撃性に優れたひげぜんまいを提供することができる。
以上のように、第3の実施形態によれば、ひげ持41の第1の部分42と第2の部分43との材質を変えることで弾性差を得ており、このひげ持41の弾性差により、外部からの衝撃によって変位する変位方向を変え、ひげ持41の接続部41aとぜんまい部3との相対変位を減少させることで耐衝撃性に優れたひげぜんまいを提供できる。
また、ひげ持41の弾性差は、第1の部分42と第2の部分43との材質を変えるだけで実現できるので、第1の部分42と第2の部分43の形状を変える必要がなく、また、ひげぜんまいの加工後の後工程として弾性差を持たせることも可能であり、ベースとなるひげぜんまいを製造しておき、用いる調速機の性能や搭載される時計等に鑑みて弾性率を変更できるなど、量産性に優れたひげぜんまいを提供できる。
[第4の実施形態のひげぜんまいの構成説明:図6]
次に、第4の実施形態のひげぜんまいの構成を、図6を用いて説明する。第4の実施形態の特徴は、ひげ持が他の部材(てんぷ受)と接続する箇所が一箇所であることである。
図6において、符号50は第4の実施形態のひげぜんまいである。ひげぜんまい50は、ひげ玉2、ぜんまい部3、ひげ持51などによって構成される。ひげ玉2、ぜんまい部3の構成は、第1の実施形態と同様であるので説明は省略する。
ひげ持51は、ぜんまい部3の外周に配置され、異なる弾性を有する第1の部分52と第2の部分53とを有している。第1の部分52は、ぜんまい部3の巻回方向(矢印R1)と同一方向に湾曲し、また、第2の部分53は、ぜんまい部3の巻回方向と反対方向(矢印R2)に湾曲している。
また、第1の部分52と第2の部分53との湾曲したそれぞれの先端は一箇所で結合し、その箇所にてんぷ受(図示せず)と接続するための止め部54が形成され、止め部54は、貫通孔54aを有し、この貫通孔54aによって、てんぷ受にネジ止めや接着剤等で固定される。すなわち、第4の実施形態のひげ持51は、一箇所の止め部54によって、てんぷ受と接続するのである。
ひげ持51の第1の部分52は、第1の実施形態と同様に、強い弾性を得るために幅を広く形成し、第2の部分53は、第1の部分52の弾性より弱い弾性を得るために、幅を狭く形成している。すなわち、ひげ持51の第1の部分52と第2の部分53とは、形状(幅)を変えることで、異なる弾性を得ている。
なお、第4の実施形態において、ひげ持51の第1の部分52と第2の部分53とが異なる弾性を得る手段は限定されず、例えば、第2の実施形態のひげぜんまい30のように、それぞれの有効長を変えてもよいし、また、第3の実施形態のひげぜんまい40のように、第1の部分52と第2の部分53の材質を変えてもよい。
また、ぜんまい部3の外端3bは、ひげ持51の第1の部分52と第2の部分53との結合箇所である接続部51aに接続される。
ここで第1の実施形態の図2と同様に、ひげぜんまい50に、外部から強い衝撃が加わり、荷重Nがぜんまい部3とひげ持51とに印加されたとする。すると、第1の部分52
は弾性が強く、第2の部分53は弾性が弱いので、荷重による第1の部分52の変形は小さいが、第2の部分53の変形は大きくなる。
その結果、図2(a)と同様に、ひげ持51の接続部51aは、弾性が弱い側の第2の部分53の方向(矢印D1:図2(a)参照)に変位し、ひげ持51の接続部51aとぜんまい部3の外端3bとの相対変位が減少するので、ぜんまい部3の外端部3bとその周辺に生じる曲げ応力が小さくなり、耐衝撃性に優れたひげぜんまいを提供することができる。
以上のように、第4の実施形態によれば、第1の実施形態と同様に耐衝撃性に優れたひげぜんまいを提供できると共に、ひげ持51とてんぷ受を接続する止め部54が一箇所であるので、ひげぜんまいの組み込み性やスペース効率が向上し、小型の時計に組み込む調速機用ひげぜんまいとして好適である。
[第5の実施形態のひげぜんまいの構成説明:図7]
次に、第5の実施形態のひげぜんまいの構成を、図7を用いて説明する。第5の実施形態の特徴は、ひげ持の弾性差を調整する調整手段を有することであり、ひげ持を固定する止め部に長穴の貫通孔を設け、止め位置を変えることで弾性差を調整する。
図7(a)において、符号60は第5の実施形態のひげぜんまいである。ひげぜんまい60は、ひげ玉2、ぜんまい部3、ひげ持61などによって構成される。ひげ玉2、ぜんまい部3の構成は、第1の実施形態と同様であるので説明は省略する。
ひげ持61は、ぜんまい部3の外周に配置され、異なる弾性を有する第1の部分62と第2の部分63とを有している。第1の部分62は、ぜんまい部3の巻回方向(矢印R1)と同一方向に湾曲し、また、第2の部分63は、ぜんまい部3の巻回方向と反対方向(矢印R2)に湾曲している。
また、第1の部分62と第2の部分63とのそれぞれの先端には、てんぷ受(図示せず)に接続するための止め部64、65が形成され、各止め部64、65は、長穴の貫通孔64a、65aを有し、この貫通孔64a、65aによって、てんぷ受にネジ止めや接着剤等で固定される。この止め部64、65の長穴の貫通孔64a、65aがひげ持61の弾性を調整する調整手段として機能する。
また、ひげ持61の第1の部分62は、強い弾性を得るために有効長L3を短く形成し、第2の部分63は、第1の部分62より弱い弾性を得るために、有効長L4を第1の部分32の有効長L3より長く形成している。
また、ぜんまい部3の外端3bは、ひげ持61の第1の部分62と第2の部分63との結合箇所である接続部61aに接続される。
ひげ持61の材質は、第1の実施形態と同様に金属でもよく、または、第1の実施形態の変形例のように、シリコンでもよい。
ここで、ひげ持61の第1の部分62の止め部64を、止め位置66a(小円で示す)で固定すると、第1の部分62の有効長L3は、貫通孔64aの略長径の分だけ長くなり、それにより、第1の部分62の弾性が弱くなる。また、第1の部分62の止め部64を、止め位置66bで固定すると、第1の部分62の有効長L3は変わらないので、第1の部分62の弾性に変化はない。
同様に、ひげ持61の第2の部分63の止め部65を、止め位置67aで固定すると、第2の部分63の有効長L4は、貫通孔65aの略長径の分だけ長くなり、それにより、第2の部分63の弾性が弱くなる。また、第2の部分63の止め部65を、止め位置67bで固定すると、第2の部分63の有効長L4は変わらないので、第2の部分63の弾性に変化はない。
図7(b)は、ひげ持61の第1の部分62と第2の部分63との止め位置を変えることで、ひげ持61の接続部61aの変位方向がどのように変化するかの一例を示している。なお、荷重Nが図面上の左側から印加されたと仮定する。
ここで、接続部61aの変位方向D11は、第1の部分62と第2の部分63との有効長が共に短くなるように、すなわち、第1の部分62は止め位置66bで固定し、第2の部分63は止め位置67bで固定した場合の一例である。
また変位方向D12は、第1の部分62を止め位置66aで固定して、第1の部分62の有効長L3を長くし、第2の部分63は止め位置67bで固定した場合である。この状態では、第1の部分62の弾性が弱くなるので(多少、変形しやすくなるので)、荷重Nに対して変位方向の角度が浅くなるように調整される。
また変位方向D13は、第1の部分62を止め位置66bで固定し、第2の部分63は止め位置67aで固定して、第2の部分63の有効長L4を長くした場合である。この状態では、第2の部分63の弾性が弱くなるので(さらに変形しやすくなるので)、荷重Nに対して変位方向の角度が深くなるように調整される。
以上のように、第5の実施形態によれば、ひげ持61の第1の部分62と第2の部分63との止め位置を変えることで、第1の部分62と第2の部分63との弾性差を調整することができる。
その結果、外部からの衝撃で荷重が印加されたときの、ひげ持61の接続部61aとぜんまい部3の外端3bとの変位方向を調整し最適化することが可能となり、ひげ持61の接続部61aとぜんまい部3との相対変位をより減少させ、ぜんまい部3の外端3bとその周辺に生じる曲げ応力を小さくして耐衝撃性に優れたひげぜんまいを提供できる。なお、止め部64、65の貫通孔64a、65aは、便宜上、直線的な長穴として図示したが、ぜんまい部3の巻回方向に沿った円弧状の長穴でもよい。もちろん、図示した止め部64、65の大きさも限定しない。より大きく(貫通孔64a、65aの径をより長径に)すれば、要請範囲も広くなるので好ましい。
また、ひげ持61の第1の部分62の有効長L3と第2の部分63の有効長L4は限定されず、例えば、有効長L3=L4とし、その分、止め部64、65の貫通孔64a、65aの長径を長くして、有効長の調節範囲を広くし、弾性差を調整してもよい。
[第5の実施形態の変形例のひげぜんまいの説明:図8]
次に、第5の実施形態の変形例のひげぜんまいを、図8を用いて説明する。第5の実施形態の変形例の特徴は、ひげ持の弾性差を調整する調整手段を有することであり、コーティングした膜の一部をレーザによってトリミングすることで弾性差を調整する。
図8において、符号70は第5の実施形態の変形例のひげぜんまいである。ひげぜんまい70は、ひげ玉2、ぜんまい部3、ひげ持71などによって構成される。ひげ玉2、ぜんまい部3の構成は、第1の実施形態と同様であるので説明は省略する。
ひげ持71は、ぜんまい部3の外周に配置され、異なる弾性を有する第1の部分72と第2の部分73とを有している。第1の部分72は、ぜんまい部3の巻回方向(矢印R1)と同一方向に湾曲し、また、第2の部分73は、ぜんまい部3の巻回方向と反対方向(矢印R2)に湾曲している。この第1の部分72と第2の部分73との形状(幅、厚み、有効長等)は同一である。
また、第1の部分72と第2の部分73とのそれぞれの先端には、てんぷ受(図示せず)に接続するための止め部74、75が形成され、各止め部74、75は、貫通孔74a、75aを有し、この貫通孔74a、75aによって、てんぷ受にネジ止めや接着剤等で固定される。
また、ぜんまい部3の外端3bは、ひげ持71の第1の部分72と第2の部分73との結合箇所である接続部71aに接続される。
また、ひげ持71の第1の部分72の外周の表面には、弾性を調整する調整手段として、弾性率が大きい金属でなる調整膜76をコーティングしている。この調整膜76は、例えば、無電解メッキや蒸着などで形成することができる、銅(Cu)やニッケル(Ni)である。この調整膜76をコーティングすることで、第1の部分72の弾性は第2の部分43の弾性より強くなる。
従って、調整膜76によって、第1の部分72と第2の部分73との弾性差を持たせることができるので、第1の部分72と第2の部分73とは、弾性が等しい同一材質、例えば、シリコンで形成してもよい。
また、第1の部分72は弾性が強い材質を選択し、第2の部分73は、弾性が弱い材質を選択してもよい。また図示しないが、第1または第2の実施形態のように、幅や有効長などの形状を変えることで、第1の部分72の弾性を強くしてもよい。このように、第1の部分72の材質や形状を変えて弾性を強くした場合は、調整膜76をコーティングすることで、第1の部分72の弾性をさらに強めることができる。
[第5の実施形態の変形例のひげ持の弾性調整方法の説明:図8]
次に、第5の実施形態の変形例のひげ持の弾性調整方法を説明する。この弾性調整方法は、第1の部分72にコーティングした調整膜76をレーザ光によってトリミングすることで行われる。
図8において、ひげぜんまい70を加工し、調整膜76をコーティングした後に、所定のレーザ光を出力するレーザ照射器80を、図示しない手段によって第1の部分72の外周に沿って矢印R3で示す方向に移動させて、レーザ光81を第1の部分72の調整膜76の所定の領域に照射する。このレーザ光81の照射によって、照射箇所の調整膜76は溶けて飛散するので、調整膜76の面積が減少し、それにより、第1の部分72の弾性は、弱まるように調整される。
ここで、レーザ光81による調整膜76のトリミング範囲は、一例として、レーザ照射前に、図示しない手段によってひげぜんまい70に所定の荷重を印加し、その荷重によるひげ持71の接続部71aの変位方向を測定し、その変位方向を修正したい場合には、得られた変位方向と、目標とする変位方向との角度差から、第1の部分72と第2の部分73との必要な弾性差を算出し、調整膜76のトリミング範囲を決定するとよい。
また、調整膜76の溶解は、レーザ照射器80を、第1の部分72の外周に沿って矢印R3方向に移動させながらレーザ光81を照射する、いわゆるスイープ照射を行っても、
所定距離を移動して止まりレーザ光81を照射することを繰り返す、いわゆるステップ照射を行ってもよい。もちろん、レーザ照射器80自体は固定しておき、レーザ光81の照射方向を変えてもよい。
以上のように、第5の実施形態の変形例によれば、ひげ持71の一部に弾性の強い調整膜76をコーティングし、その調整膜76をレーザ光によってトリミングすることで、第1の部分72と第2の部分73の弾性差を調整することができる。
その結果、外部からの衝撃で荷重が印加されたときの、ひげ持71の接続部71aとぜんまい部3との変位方向を調整し最適化することが可能となり、ひげ持71の接続部71aとぜんまい部3の外端3bとの相対変位をより減少させ、ぜんまい部3の外端3bとその周辺に生じる曲げ応力を小さくして耐衝撃性に優れたひげぜんまいを提供できる。
また、第1、第2の実施形態のように、第1の部分と第2の部分との形状が異なることで所定の弾性差を有するひげ持を製造し、後工程で調整膜76をコーティングし、レーザ光によるトリミングによって、すでに得られている弾性差をさらに調整してもよい。また、第4の実施形態のように、接続する箇所が一箇所であるひげぜんまいの一方の部分に調整膜76をコーティングし、同様な手法で弾性差を調整してもよい。
また、図示しないが、第3の実施形態で前述したように、ひげ持71の材質をシリコンとし、第2の部分73に、例えばフェムト秒レーザを照射して改質し、その照射領域を調整することで第1の部分72と第2の部分73との弾性差を変えて、変位方向を調整してもよい。
[ひげぜんまいの製造方法の説明:図9〜図11]
次に、第6の実施形態として、ひげぜんまいの製造方法の一例を、図9〜図11を用いて説明する。
なお、製造するひげぜんまいは、第1の実施形態のひげぜんまい1を製造することを前提とする。すなわち、ぜんまい部3の材質がシリコン(Si)であり、ひげ持10の材質が金属のニッケル(Ni)であるひげぜんまい1(図1参照)を製造する。また、製造方法としては、LIGA(Lithographie、Galvanoformung、Abformung)プロセスによる製造を前提として説明する。
図9は、製造方法を説明するためのひげ持10の第1の部分11と第2の部分12との結合箇所である接続部10aと、ぜんまい部3の外端3bと、の接続部分の拡大図である。図9において、シリコンでなるぜんまい部3の外端3bには、ひげ持10の接続部10aに接する面に凹部3cが形成されている。
一方、ひげ持10の接続部10aには、ぜんまい部3の外端3bに接する面に凸部10bが形成されている。そして、外端3bの凹部3cに接続部10aの凸部10bが填め込まれる形で、ぜんまい部3とひげ持10とが接続される。本製造方法の説明では、外端3bの凹部3cと接続部10aの凸部10bとを通る切断線E−E´による断面図(図10、図11参照)を用いて以下説明する。なお、ひげ持10の接続部10aとぜんまい部3の外端3bの接続面の形状とは限定されず、例えば、図示しないが、凹凸形状が複数形成された接続面でもよい。
まず、図10(a)において、少なくとも1つのひげぜんまい1が取り出せる大きさの面積と厚みとを有するSOI(Silicon On Insulator)基板200を準備する。SOI基板200とは、シリコンからなるシリコン活性層210とシリコンからなる基体230との間に酸化シリコン(SiO2)からなる絶縁層220を挟んだ構
造のシリコン半導体基板である。
本製造方法では、このSOI基板200のシリコン活性層210を利用してひげぜんまい1を製造する。したがって、ひげぜんまい1の厚みに合わせて、シリコン活性層210の厚みを選択すれば、シリコン活性層210を切削や研磨するなどの工程を省略することも可能である。
次に、SOI基板200のシリコン活性層210上に、ひげ持10を形成するためのマスク(図示せず)を形成し、シリコン活性層210をRIE(Reactive Ion
Etching)技術でドライエッチングすることにより、所定の幅と深さの溝部211をシリコン活性層210に加工する。このとき、酸化シリコンからなる絶縁層220はシリコンに比べてドライエッチングされ難いため、エッチング防御層の役目をなし、下層のシリコンからなる基体230まではドライエッチングされない。
次に、図10(b)に示すように、溝部211が加工されたシリコン活性層210の表面及び溝部211の内面(内壁と底部)に導電性の金属膜212を成膜する。本実施形態では金属膜212として銅(Cu)を真空成膜法の1つであるスパッタリング法で約0.2μmの厚さで成膜した。
次に、図10(c)に示すように、電鋳法により、金属膜212を電極として溝部211の内面にニッケル(Ni)をメッキ成長させ、ニッケル(Ni)からなる金属部213を形成する。この金属部213が、ひげ持10となる(図9参照)。
次に、図11(a)に示すように、シリコン活性層210の表面を研磨加工によって平坦化する。研磨加工の方法は限定されず、例えば、公知のCMP(Chemical Mechanical Polishing:化学機械研磨)法を用いることができる。この研磨加工によって、シリコン活性層210の表面上に形成された金属部213と金属膜212とを除去できると共に、シリコン活性層210の高さを調整し、その平面を鏡面化することができる。これにより、寸法精度の高いひげぜんまい1を製造できる。
次に、図11(b)に示すように、シリコン活性層210の表面に、ひげぜんまい1のマスク214(レジスト)を形成する。このマスク214は、ひげぜんまい1のぜんまい部3とひげ玉2(図1参照)を形作る形状である。マスク214は、例えば、シリコン酸化膜であり、CVD(Chemeical Vapor Doposition:化学気相成長)法などで形成する。
次に、シリコン活性層210をRIE技術でドライエッチングする。このとき、深掘りRIE(Deep RIE)技術を用いれば、アスペクト比が高いドライエッチングが可能となるので、ひげぜんまい1の形状を忠実に形成できる。このドライエッチングにより、マスク214以外の領域のシリコン活性層210を除去する。これにより、シリコン活性層210はひげぜんまい1の形状に加工され、絶縁層220上にシリコン活性層210でなるぜんまい部3と、ひげ玉2、及びニッケル(すなわち、金属部213)でなるひげ持10の形状を得る。
その後に、図11(c)に示すように、マスク214と絶縁層220とを除去することで、ひげぜんまい1を基体230から分離して完成に至る。ここで、マスク214及び絶縁層220は、いずれも酸化シリコンからなるので、同時に除去することができ、例えば、SOI基板200をフッ化水素酸を主成分とする公知のエッチング液に浸漬しておこなう。このような手法を一般的にリフトオフと称する。
以上のように、第6の実施形態のLIGAプロセスによる製造方法によれば、シリコンと金属とからなるひげぜんまい1をSOI基板200の一平面だけを1つの連続したプロセスで加工し製造できるので、別途行うひげぜんまいとひげ持との接着加工が不要になり、作業工程を低減できる。このため、生産性が良好であるというメリットがある。
また、非常に薄い形状のひげぜんまい1を製造しようとした場合でも、シリコン活性層210の厚みを薄くするだけでよく、基台となる厚みの厚い基体230は加工されずに最終工程まで残るので、SOI基板200を製造工程区画間で移動させるときひげぜんまいを破損してしまう危険性が少ない。このため、ハンドリングが良好で、扱いやすいというメリットもある。
また、ひげぜんまいの構成が、ぜんまい部3が金属であり、ひげ持10がシリコンである場合は、シリコン活性層210に形成される溝部211がぜんまい部3の位置(図9、図10(a)参照)に変わり、また、マスク214が、ひげ持10の接続部10aの位置(図9、図11(b)参照)に変わるが、製造工程そのものは変わることがない。
また、ひげぜんまいの構成が、第2の実施形態のように、すべてシリコンである場合は、SOI基板を深掘りRIE技術でドライエッチングするだけで、製造することができる。
また、ひげぜんまいの製造方法は、限定されるものではなく、例えば、シリコンでなるぜんまい部3とひげ玉2、および、金属でなるひげ持10を別々に製造し、図9で示すぜんまい部3の外端3bとひげ持10の接続部10aとの接続面を接着等によって接続してもよいことは無論である。この場合、例えば、さまざまな形状や材質のひげぜんまいとひげ持とをそれぞれ製造しておき、調速機の仕様や時計の性能に鑑みて双方を組み合わせるときに便利である。
なお、本発明の実施形態で示した各図面等は、これに限定されるものではなく、本発明の要旨を満たすものであれば、任意に変更してよい。
本発明のひげぜんまいは、耐衝撃性に優れ、製造ばらつきも少ないので、高性能な機械時計用ひげぜんまいとして、幅広く利用することができる。
1、20、30、40、50、60、70 ひげぜんまい
2 ひげ玉
3、3´ ぜんまい部
3b、3b´ 外端
10、10´、21、31、41、51、61、71 ひげ持
10a、10a´、21a、31a、41a、51a、61a、71a 接続部
11、11´、22、32、42、52、62、72 第1の部分
12、12´、23、33、43、53、63、73 第2の部分
13、14、24、25、34、35、44、45、54、64、65、74、75 止め部
76 調整膜
80 レーザ照射器
81 レーザ光
200 SOI基板
210 シリコン活性層
211 溝部
212 金属膜
213 金属部
214 マスク
220 絶縁層
230 基体

Claims (5)

  1. 一端を回転軸体と接続するための貫通孔を有するひげ玉に接続し、他端を他の部材に固定するためのひげ持に接続し、前記ひげ玉の周囲に巻回されるぜんまい部を有するひげぜんまいであって、
    前記ひげ持は、前記他端と一箇所で接続するとともに該一箇所以外の少なくとも一箇所で前記他の部材と接続し、
    前記ひげ持は、前記ぜんまい部の外周に配置され、異なる弾性を有する第1の部分と第2の部分とを有する
    ことを特徴とするひげぜんまい。
  2. 前記ひげ持は、前記回転軸体の軸方向から見て円弧状である
    ことを特徴とする請求項1に記載のひげぜんまい。
  3. 前記第1の部分及び前記第2の部分は、前記ぜんまい部の他端との接続部分から、一方を前記巻回の方向と同一方向に湾曲させ、他方を前記巻回の方向と反対方向に湾曲させる
    ことを特徴とする請求項2に記載のひげぜんまい。
  4. 前記ひげ持は、前記他の部材と接続する箇所が一箇所である
    ことを特徴とする請求項1から3のいずれか1つに記載のひげぜんまい。
  5. 前記ひげ持は、弾性を調整する調整手段を有する
    ことを特徴とする請求項1から4のいずれか1つに記載のひげぜんまい。
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