JP2016172479A - 空気入りタイヤ - Google Patents

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Abstract

【課題】冬用タイヤとして好適であって、氷上性能とウェット性能とを適切に両立することを可能にした空気入りタイヤを提供する。【解決手段】トレッド部1にタイヤ周方向に延びる複数本の主溝11とタイヤ幅方向に延びる複数本のラグ溝13とを有し、これら主溝11およびラグ溝13により複数のブロック14が区画形成された空気入りタイヤにおいて、ブロック14に主溝11に連通する小溝15を設けると共に、該小溝15の周囲に該小溝15の先端に向かって傾斜する傾斜面16Aで構成された窪み部16を設け、該窪み部16の接地面における投影面積をブロック14の接地面における投影面積の20%〜40%にする。【選択図】図3

Description

本発明は、空気入りタイヤに関し、更に詳しくは、冬用タイヤとして好適な空気入りタイヤに関し、更に詳しくは、氷上性能とウェット性能とを適切に両立することを可能にした空気入りタイヤに関する。
主に冬用として使用される空気入りタイヤにおいては、トレッド部にタイヤ周方向に延びる複数本の主溝とタイヤ幅方向に延びる複数本の横溝とが形成され、これら主溝及び横溝により複数のブロックが区画形成されたトレッドパターンが採用される。このようなトレッドパターンを有するタイヤでは、多数の溝による排水効果と多数のブロックによるエッジ効果を得ることができ、ウェット性能と氷雪性能を両立することができる(例えば、特許文献1を参照)。
しかしながら、使用環境によって、特に優れた排水性能が求められる場合があるが、そのような場合に、このような空気入りタイヤにおいて溝面積を増加して排水性能を高めようとすると、溝面積の増加に伴って接地面積が減少するため氷上での制動性能が低下してしまい、求められる性能を達成することができないという問題がある。そのため、氷上性能とウェット性能とを適度なバランスで両立する対策が求められている。
特開2008‐307918号公報
本発明の目的は、冬用タイヤとして好適であって、氷上性能とウェット性能とを適切に両立することを可能にした空気入りタイヤを提供することにある。
上記目的を達成するための本発明の空気入りタイヤは、トレッド部にタイヤ周方向に延びる複数本の主溝とタイヤ幅方向に延びる複数本のラグ溝とを有し、これら主溝およびラグ溝により複数のブロックが区画形成された空気入りタイヤにおいて、前記ブロックに前記主溝に連通する小溝を設けると共に、該小溝の周囲に該小溝の先端に向かって傾斜する傾斜面で構成された窪み部を設け、該窪み部の接地面における投影面積が前記ブロックの接地面における投影面積の20%〜40%であることを特徴とする。
本発明では、上述のように、主溝に連通する小溝と、この小溝の先端に向かって傾斜する窪み部を設けているので、ブロック踏面と路面との間に存在する水は、窪み部を伝って小溝に流れ込み易くなり、窪み部から小溝を経由して主溝へと流れる排水の流れが促進され、排水性能を高めることができる。このようにブロック自体に優れた排水性能を付与することができるので、主溝やラグ溝を増加して溝面積を大幅に増やすことなく優れた排水性能を得ることができる。即ち、氷上での制動性能を損なうことなく、優れたウェット性能を得ることができ、これら性能をバランスよく両立することが可能になる。このとき、窪み部の投影面積を上記範囲に設定し、ブロック全体に占める窪み部の割合を限定しているので、接地面積が充分に維持され、氷上での制動性能を充分に確保することができる。
本発明では、窪み部の深さをタイヤ赤道側に位置するブロックからショルダー側に位置するブロックに向かって大きくすることが好ましい。このようにブロックのタイヤ幅方向の位置に応じて窪み部の深さを変化させることで、タイヤ赤道近傍の接地圧を相対的に大きくして、タイヤ赤道近傍での接地長を延長することができるので、氷雪上での制動性能を向上することができる。
本発明では、小溝の溝幅が1.5mm以上2.5mm以下であり、小溝の溝深さが3.0mm以上6.0mm以下であることが好ましい。このように小溝の寸法を規定することで、接地面積やブロック剛性を充分に維持しながら小溝による排水性能を確保することが可能になり、氷上性能とウェット性能とを両立するには有利になる。
本発明では、ブロックの踏面が複数の辺により囲まれた多角形をなし、小溝が開口する辺を除いた他の辺に沿う帯状の周縁部においてブロックの高さが最大となるように窪み部を配置することが好ましい。このように窪み部を配置することで、周縁部によって接地面積やブロック剛性を確保することができる。また、このような構成にすることで、周縁部の接地圧が高くなる一方で小溝近傍の接地圧は低下するため、接地圧の低い小溝近傍は接地圧の高い周縁部によって3方向を囲まれることになり、接地時には周囲の周縁部によって押圧されて排水の流れが促進されるので、排水性能を向上するには有利になる。
このとき、帯状の周縁部の幅が2mm以上であることが好ましい。このように周縁部を充分に確保することで、上述の周縁部による効果を確実かつ充分に得ることが可能になる。
本発明では、窪み部の最大深さが主溝の溝深さの5%〜20%であることが好ましい。このように窪み部の寸法を設定することで、窪み部による効果を充分に得ながら、ブロック内での接地圧の変化を抑えて偏摩耗を抑制することが可能になる。
本発明では、窪み部内に主溝に連通する少なくとも1本のサイプを設けることが好ましい。このようにサイプを設けることで、サイプのエッジ成分が増加することによって制動性能を向上すると共に、サイプ自体を排水路とする排水性能も得ることができる。
本発明では、回転方向が指定されると共に、主溝がタイヤ赤道側からショルダー側に向かって回転方向と逆方向に傾斜した方向性パターンを有する空気入りタイヤである場合に、各ブロックに形成される小溝を各ブロックの回転方向の逆側でタイヤ赤道側の辺に配置することが好ましい。このように小溝を配置することで、排水の流れを一定の方向に揃えることが可能になり、排水性能を向上するには有利になる。
尚、本発明において、接地面とは、タイヤを正規リムにリム組みして正規内圧を充填した状態で平面上に垂直に置いて正規荷重を加えたときに路面に接触しているタイヤの面である(この接地面のタイヤ幅方向の端部が接地端である)。「正規リム」とは、タイヤが基づいている規格を含む規格体系において、当該規格がタイヤ毎に定めるリムであり、例えば、JATMAであれば標準リム、TRAであれば“Design Rim”、或いはETRTOであれば“Measuring Rim”とする。「正規内圧」とは、タイヤが基づいている規格を含む規格体系において、各規格がタイヤ毎に定めている空気圧であり、JATMAであれば最高空気圧、TRAであれば表“TIRE ROAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES”に記載の最大値、ETRTOであれば“INFLATION PRESSURE”であるが、タイヤが乗用車である場合には180kPaとする。「正規荷重」は、タイヤが基づいている規格を含む規格体系において、各規格がタイヤ毎に定めている荷重であり、JATMAであれば最大負荷能力、TRAであれば表“TIRE ROAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES”に記載の最大値、ETRTOであれば“LOAD CAPACITY”であるが、タイヤが乗用車である場合には前記荷重の88%に相当する荷重とする。
また、接地面における投影面積とは、各部を上述の接地面に投影した際の面積である。具体的には、ブロックの投影面積とは、ブロックの踏面を接地面に投影した際の、窪み部および小溝を含むブロック全体の面積であり、タイヤ赤道に近いブロックでは、実質的にブロックの踏面を構成する複数の辺の内側の面積に相当する。また、窪み部の投影面積とは、窪み部を接地面に投影した際の、小溝を含む窪み部全体の面積であり、タイヤ赤道に近いブロックでは、実質的に窪み部とブロック踏面との境界線(窪み部を構成する傾斜面の傾斜が開始する点を結んだ線)の内側の面積である。
本発明の実施形態からなる空気入りタイヤの子午線断面図である。 本発明の実施形態からなる空気入りタイヤのトレッド面を示す正面図である 。 本発明の実施形態からなるブロックを拡大して示す正面図である。 図3のブロックをA−A面で切断した斜視図である。 本発明の別の実施形態からなるブロックを拡大して示す正面図である。 図2の空気入りタイヤのX−X矢視断面図である。 本発明の別の実施形態からなる空気入りタイヤのトレッド面を示す正面図で ある。
以下、本発明の構成について添付の図面を参照しながら詳細に説明する。
図1において、符号CLはタイヤ赤道を表わし、符号Eは接地端を表す。本発明の空気入りタイヤは、タイヤ周方向に延在して環状をなすトレッド部1と、トレッド部1の両側に配置された一対のサイドウォール部2と、これらサイドウォール部2のタイヤ径方向内側に配置された一対のビード部3とから構成される。左右一対のビード部3間には1層のカーカス層4が装架されている。このカーカス層4は、タイヤ径方向に延びる複数本の補強コードを含み、各ビード部3に配置されたビードコア5の廻りに車両内側から外側に折り返されている。また、ビードコア5の外周上にはビードフィラー6が配置され、このビードフィラー6がカーカス層4の本体部と折り返し部とにより包み込まれている。一方、トレッド部1におけるカーカス層4の外周側には複数層(図1では2層)のベルト層7,8が埋設されている。各ベルト層7,8は、タイヤ周方向に対して傾斜する複数本の補強コードを含み、これら補強コードは層間で互いに交差するように配置されている。ベルト層7,8において、補強コードのタイヤ周方向に対する傾斜角度は例えば10°〜40°の範囲に設定されている。ベルト層7の外周側には更にベルト補強層9が設けられている。ベルト補強層9は、タイヤ周方向に配向する有機繊維コードを含む。ベルト補強層9において、有機繊維コードはタイヤ周方向に対する角度が例えば0°〜5°に設定されている。
本発明は、このような一般的な空気入りタイヤに適用されるが、その断面構造は上述の基本構造に限定されるものではない。
図2に示す実施形態におけるトレッド部1には、タイヤ周方向に延びる複数本(図2では3本)の主溝11が形成されている。これら主溝11によって、タイヤ周方向に延びる複数列(図では4列)の陸部12が区画される。各陸部12には、タイヤ幅方向に延びると共に、両端が各陸部12に隣接する主溝11に開口する複数本のラグ溝13がタイヤ周方向に間隔をおいて形成され、各陸部12を複数のブロック14に区画している。
尚、図2に示すトレッドパターンは、タイヤ周方向に延びる複数本の主溝11とタイヤ幅方向に延びる複数本のラグ溝13とで複数のブロック14が区画されたトレッドパターンを簡略化して示したものである。本発明は、主溝11およびラグ溝13により区画形成された複数のブロック14に後述の小溝15および窪み部16を設けるものであるので、ブロック14の形状は図示の例に限定されない。例えば、主溝11やラグ溝13がタイヤ周方向またはタイヤ幅方向に対して傾斜してブロック14の踏面の形状が平行四辺形やひし形であってもよく、ジグザグ状の主溝11またはラグ溝13によって各ブロックが複雑な形状を有していてもよい。
各ブロック14には、図3,図4に拡大して示すように、主溝11に連通する小溝15が形成されている。この小溝15は、一方側の端部が前述のように主溝11に対して開口する一方で、他方側の端部はブロック14内で閉止している。尚、小溝15とは、主溝11(溝幅が例えば4.0mm〜11.0mm、溝深さが例えば6.0mm〜10.0mm)やラグ溝13(溝幅が例えば4.0mm〜11.0mm、溝深さが例えば6.0mm〜10.0mm)に対して溝幅および溝深さが小さい一方で、一般的なサイプ(溝幅が例えば0.2mm〜1.0mm)よりも溝幅が大きい溝である。
この小溝15の周囲には、小溝15の先端(ブロック14内で閉止する他方側の端部)に向かって傾斜する傾斜面16Aで構成された窪み部16が設けられている。言い換えれば、ブロック14の踏面にすり鉢状の窪み部16が形成され、このすり鉢状の窪み部16の最も深い点から主溝11に向かって小溝15が延在し、小溝15の主溝11側の端部が主溝11に対して開口している。図3および図4では、この形状が明確になるように、窪み部16の同じ高さの部分をつないだ等高線hを描いている。このとき、窪み部16の接地面における投影面積は、ブロック14の接地面における投影面積の20%〜40%に設定されている。
このように小溝15と窪み部16とが組み合わされて設けられているので、ブロック14の踏面と路面との間に存在する水は、窪み部16の傾斜面16Aを伝って小溝15に流れ込み易くなり、窪み部16から小溝15を経由して主溝11へと流れる排水の流れが促進され、排水性能を高めることができる。このように小溝15と窪み部16とによってブロック14自体に優れた排水性能を付与することができるので、主溝11やラグ溝13を増加して溝面積を大幅に増やすことなく優れた排水性能を得ることができる。即ち、接地面積を確保して氷上での制動性能を維持しながら、優れたウェット性能を得ることができ、これら性能をバランスよく両立することが可能になる。
このとき、窪み部16の投影面積を上記範囲に設定して、ブロック14全体に占める窪み部16の割合を限定しているので、接地面積が充分に維持され、氷上での制動性能を充分に確保することができる。窪み部16の接地面における投影面積がブロック14の接地面における投影面積の20%よりも小さいと、窪み部16による排水の流れを促進する効果が充分に得られなくなり、排水性能を効果的に高めることができない。窪み部16の接地面における投影面積がブロック14の接地面における投影面積の40%よりも大きいと、ブロック14の踏面の大半を窪み部16が占めることになり、接地面積が減少し、氷上での制動性能を維持することができない。
上述のように、小溝15は、主溝11やラグ溝13に対して溝幅および溝深さが小さい溝であるが、その溝幅Wを例えば1.5mm以上2.5mm以下、その溝深さdを例えば3.0mm以上6.0mm以下に設定するとよい。このように小溝の寸法を規定することで、接地面積やブロック剛性を充分に維持しながら小溝による排水性能を確保することが可能になり、氷上性能とウェット性能とを両立するには有利になる。このとき小溝15の溝幅Wが1.5mmよりも小さいか、小溝15の溝深さdが3.0mmよりも小さいと、小溝15の容積が小さくなり過ぎるため、小溝15による排水性能を充分に得ることが難しくなる。小溝15の溝幅Wが2.5mmよりも大きいと、ブロック14の踏面に対して小溝15の溝面積が大きくなり過ぎて、接地面積を充分に確保することが難しくなる。また、ブロック14の剛性を維持することも難しくなる。また、小溝15の溝深さdが6.0mmよりも大きいと、ブロック14の剛性を維持することが難しくなる。尚、小溝15は窪み部16に沿って深さが変化し得るので、小溝15の深さdは図示のように小溝15の先端部(窪み部16が最も深くなる部分)にて測定するものとする。
窪み部16を構成する傾斜面16Aは、図4に示す例では、A−A断面において直線状であるが、A−A断面において湾曲していてもよい。このように傾斜面16Aが湾曲する場合、小溝15側に向かって凸になるような湾曲形状とすることが好ましい。
窪み部16は、上述のように小溝15の先端に向かってに傾斜する傾斜面16Aから構成され、小溝15の先端付近が最も深くなるすり鉢形状を有するが、その小溝15の先端における深さd(即ち、窪み部16の最大深さ)は、主溝11の溝深さの5%〜20%であることが好ましい。このように窪み部16の深さdを設定することで、窪み部16による効果を充分に得ながら、ブロック14内での接地圧の変化を抑えて偏摩耗を抑制することが可能になる。このとき、窪み部16の最大深さdが主溝11の溝深さの5%よりも小さいと、窪み部16を構成する傾斜面16Aの傾斜角度が小さくなり過ぎて、この傾斜面16Aを伝って小溝15へと至る水の流れを充分に促進することが難しくなる。窪み部16の最大深さdが主溝11の溝深さの20%よりも大きいと、1つのブロック14内で、窪み部16の最深部近傍と窪み部16以外の部分との間の接地圧の変化が大きくなり過ぎて、偏摩耗が発生し易くなる。
本発明の小溝15および窪み部16はどのような形状のブロック14に対しても適用可能であるが、踏面が複数の辺により囲まれた多角形をなすブロック14に用いることが好ましく、この場合、小溝15が開口する辺を除いた他の辺に沿う帯状の周縁部14Aにおいてブロック14の高さが最大となるように窪み部16を配置するとよい。例えば、図3,4に示すブロック14は、踏面が4本の辺で囲まれた四角形をなしているが、小溝15が開口する辺には窪み部16も開口しているが、他の辺には小溝15および窪み部16は開口せず、ブロック14の高さが最大となる周縁部14Aが存在している。このように窪み部16を配置することで、周縁部14Aによってブロック14の接地面積や剛性を確保することができる。また、このような構成にすることで、周縁部14Aの接地圧が高くなる一方で小溝15近傍の接地圧は低下するため、接地圧の低い小溝15近傍は接地圧の高い周縁部14Aによって3方向を囲まれることになり、接地時には周囲の周縁部15によって押圧されて排水の流れが促進されるので、排水性能を向上するには有利になる。
このとき、帯状の周縁部14Aの幅Lを2mm以上確保することが好ましい。このように周縁部14Aを充分に確保することで、上述の周縁部14Aによる効果を確実かつ充分に得ることが可能になる。周縁部14Aの幅Lが2mmよりも小さい場合、例えば、窪み部16が、小溝15が開口する辺以外の他の辺のいずれかの辺側に大きく偏って配置されている場合、周縁部14Aの幅が小さくなった部位でブロック14の剛性が低下し、偏摩耗が発生する虞がある。
ブロック14の踏面には、図5に示すように、小溝15以外にサイプ17を設けることもできる。図5の例では、小溝15の両側に1本ずつのサイプ17が設けられている。このサイプ17は、両端が主溝11に対して連通する一方で、窪み部16が形成された領域内を少なくとも一部が通過するように配置されることが好ましい。このようにサイプ17を設けることで、サイプ17のエッジ成分が増加することによって制動性能を向上すると共に、サイプ自体を排水路とする排水性能も得ることができる。
図2に示す実施形態のように、タイヤ幅方向に複数列の陸部12(ブロック14の列)が存在する場合、窪み部16の最大深さDを、タイヤ赤道CL側に位置するブロック14からショルダー側(接地端E側)に位置するブロック14に向かって大きくすることが好ましい。具体的には、図6に示すように、タイヤ赤道CL側に位置するブロック14における窪み部16の最大深さをD1、ショルダー側(接地端E側)に位置するブロック14における窪み部16の最大深さをD2とすると、深さD2が深さD1よりも大きくなっている。このようにブロック14のタイヤ幅方向の位置に応じて窪み部16の深さを変化させることで、タイヤ赤道CL近傍の接地圧を相対的に大きくして、タイヤ赤道CL近傍での接地長を延長することができるので、氷雪上での制動性能を向上することができる。
上述の説明では、本発明の基本的な構成が明確になるように、タイヤ周方向に沿って延びる主溝11とタイヤ幅方向に沿って延びるラグ溝13とで構成された図2のトレッドパターンを用いたが、例えば、図7に示すようなトレッドパターンにおいても本発明を適用することができる。
図7に例示する実施形態の空気入りタイヤは、回転方向Rが指定された方向性のパターンを有する。図7の例では、トレッド部1にタイヤ赤道CL側からショルダー側に向かって回転方向Rと逆方向に傾斜した複数本の主溝21が設けられ、隣り合う主溝21の間に複数の陸部22が形成されている。各陸部22には、主溝21と交差する方向に延在する複数本のラグ溝23が主溝21の延長方向に沿って間隔をおいて設けられ、各陸部22は、複数のブロック24に区画されている。このような空気入りタイヤが回転すると、主溝21内に入り込んだ水は、タイヤ赤道CLから回転方向Rと逆方向に略V字状に拡がる主溝21内をタイヤ幅方向外側に向かって流れて、効率のよい排水を実現している。
このようなタイヤに本発明の小溝15および窪み部16を適用すると、図2のトレッドパターンの場合と同様に、氷上での制動性能を維持しながら、優れた排水性能を得ることができ、これら性能をバランスよく両立することが可能になる。
本発明の小溝15および窪み部16を図7のようなトレッドパターンに適用する場合、特に、各ブロック24に形成される小溝15を、各ブロック24の踏面を構成する複数の辺のうち、各ブロック24の回転方向の逆側であり、且つ、タイヤ赤道CL側の辺に配置することが好ましい。このように小溝15を配置することで、排水の流れを一定の方向(この場合、回転方向Rの逆方向)に揃えることが可能になり、排水性能を向上するには有利になる。
タイヤサイズが195/65R15であり、図1に例示する断面形状を有し、図7のトレッドパターンを基調とし、小溝の有無、小溝の溝幅、小溝の溝深さ、小溝の開口位置、窪み部の有無、主溝深さに対する窪み部の最大深さの割合(窪み部の最大深さ)、タイヤ幅方向の位置に応じた窪み部の深さの変化の有無(窪み部深さの変化)、ブロックの踏面を構成する4辺のうち周縁部が存在する辺の個数(周縁部の個数)、周縁部の最小幅、サイプの有無をそれぞれ表1のように設定した比較例1、実施例1〜10の11種類の空気入りタイヤを作製した。
尚、比較例1は、ブロックの踏面を構成する4辺のうち対向する辺の中央部どうしを繋ぐ線に向かって凹んだ十字形状の窪み部を有する共に、ブロックの踏面を構成する4辺のそれぞれに開口する窪み部の中央部に開口すると共にブロック中心に向かって延びてブロック内で他のサイプと交わらずに閉止する4本のサイプを設けた例である。表1の「サイプの有無」の欄については、サイプ形状が大きく異なるが、便宜的に「有」とした。
比較例1を除いてサイプを有する例では、図5に示すように、両端が主溝に対して連通する一方で窪み部が形成された領域内を通過するサイプを、小溝の両側に設けている。
表1の「小溝の開口位置」の欄について、全ての例で小溝は主溝に対して開口しているが、全ての小溝が各ブロックのタイヤ赤道側に隣接する主溝に開口している場合を「CL側」とし、小溝が開口する主溝が各ブロックのタイヤ赤道側/ショルダー側のいずれか一方に定まっていない場合を「ランダム」とした。また、表1の「窪み部深さの変化」の欄については、図6に模式的に示すように、タイヤ赤道側に位置するブロックからショルダー側に位置するブロックに向かって窪み部の深さが大きくなる場合を「有」とし、ブロックのタイヤ幅方向の位置に依らず窪み部の深さが一定である場合を「無」とした。
これら11種類の空気入りタイヤについて、下記の評価方法により、排水性能および氷上性能を評価し、その結果を表1に併せて示した。
排水性能
各試験タイヤをリムサイズ15×6Jのホイールに組み付けて、空気圧を200kPaとして排気量2000ccの前輪駆動車(試験車両)に装着し、直進路上で水深10mmのプールに進入するようにした走行試験を実施し、プールへの進入速度を徐々に増加させ、ハイドロプレーニング現象が発生する限界速度を測定した。評価結果は、比較例1を100とする指数にて示した。この指数値が大きいほど排水性能が優れることを意味する。
氷上性能
各試験タイヤをリムサイズ15×6Jのホイールに組み付けて、空気圧を200kPaとして排気量2000ccの前輪駆動車(試験車両)に装着し、氷温が−5℃〜0℃の範囲にある氷路面からなるテストコースにおいて、速度30km/hでの走行状態からブレーキを掛けて車両が停止するまでの制動距離を測定した。評価結果は、測定値の逆数を用い、比較例1を100とする指数値にて示した。この指数値が大きいほど制動距離が短く氷上性能が優れていることを意味する。
Figure 2016172479
表1から明らかなように、実施例1〜10はいずれも、比較例1に対して排水性能と氷上性能をバランスよく両立した。
1 トレッド部
2 サイドウォール部
3 ビード部
4 カーカス層
5 ビードコア
6 ビードフィラー
7,8 ベルト層
9 ベルト補強層
11 主溝
12 陸部
13 ラグ溝
14 ブロック
14A 周縁部
15 小溝
16 窪み部
16A 傾斜面
17 サイプ
h 等高線
CL タイヤ赤道
E 接地端

Claims (8)

  1. トレッド部にタイヤ周方向に延びる複数本の主溝とタイヤ幅方向に延びる複数本のラグ溝とを有し、これら主溝およびラグ溝により複数のブロックが区画形成された空気入りタイヤにおいて、
    前記ブロックに前記主溝に連通する小溝を設けると共に、該小溝の周囲に該小溝の先端に向かって傾斜する傾斜面で構成された窪み部を設け、該窪み部の接地面における投影面積が前記ブロックの接地面における投影面積の20%〜40%であることを特徴とする空気入りタイヤ。
  2. 前記窪み部の深さをタイヤ赤道側に位置するブロックからショルダー側に位置するブロックに向かって大きくしたことを特徴とする請求項1に記載の空気入りタイヤ。
  3. 前記小溝の溝幅が1.5mm以上2.5mm以下であり、前記小溝の溝深さが3.0mm以上6.0mm以下であることを特徴とする請求項1または2のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
  4. 前記ブロックの踏面が複数の辺により囲まれた多角形をなし、前記小溝が開口する辺を除いた他の辺に沿う帯状の周縁部において前記ブロックの高さが最大となるように前記窪み部を配置したことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
  5. 前記帯状の周縁部の幅が2mm以上であることを特徴とする請求項4に記載の空気入りタイヤ。
  6. 前記窪み部の最大深さが前記主溝の溝深さの5%〜20%であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
  7. 前記窪み部内に前記主溝に連通する少なくとも1本のサイプを設けたことを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
  8. 回転方向が指定されると共に、前記主溝がタイヤ赤道側からショルダー側に向かって前記回転方向と逆方向に傾斜した方向性パターンを有する空気入りタイヤであって、各ブロックに形成される前記小溝を各ブロックの前記回転方向の逆側でタイヤ赤道側の辺に配置したことを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
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