JP2016172307A - 精密鋳造品の加工用治具 - Google Patents

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Abstract

【課題】精密鋳造部品の軸心に対する同軸度を高度に維持した状態で保持でき、精密鋳造部品の軸部の接合用端面および凹部内を通常の旋盤などで品質良くかつ能率的に加工できる精密鋳造部品の加工用治具を提供する。【解決手段】本発明の精密鋳造部品の加工用治具1は、精密鋳造部品80の他方の軸部83を保持すると共に精密鋳造部品80を一方の軸部81側に向かって軸心に沿って押圧可能なセンター部材10と、精密鋳造部品80の中間部86において軸心と直交しかつ一方の軸部81寄りの基準面87に当接する基準面当接面21と一方の軸部81を貫通させる中空部22を有するリング部20と、リング部20の内側に取り付けられ精密鋳造部品80の中間部87の背盤部の側部または側面89を保持して精密鋳造部品80を内側に向かって押圧する環状弾性部材30と、精密鋳造部品80を収容可能な精密鋳造部品収容用凹部41を備えたホルダー40とを有している。【選択図】図1

Description

本発明は、例えばターボチャージャーのインペラー部分となる複数の羽根部を含む精密鋳造部品の加工用治具に関する。
図2は、本発明の加工用治具による仕上げ加工の対象となる、ターボチャージャーのインペラー部分となる羽根部を有する精密鋳造部品80の縦断面を示すものである。この精密鋳造部品80は、例えばロストワックス法により造型された鋳型のキャビティに、溶けた鋳鋼を減圧吸い上げ鋳造することで鋳造され、両端に同心である一対の軸部81,83と、これらの間に位置する中間部86とを一体に有している。図2中、左側に示す一方の軸部81は、図示しない回転軸に接合される鋳肌の接合用端面84を有しており、この接合用端面84の中心部には、凹部84aが鋳造において同時に形成されている。また、右側に示された他方の軸部83は、鋳造時において湯口に接続していた端面82を有している。さらに、精密鋳造部品80の中間部86の外側には螺旋形状を呈する複数の羽根部88が渦巻き状かつ放射状に一体に形成されていると共に、背盤部の側部89を有している。
この精密鋳造部品80は、一方の軸部81寄りに基準面(背盤部の背面)87を有しており、この基準面87は、一対の軸部81,83の軸心方向と直交している。このため、精密鋳造部品80を一方の軸部81の接合用端面84を介して図示しない回転軸に溶接などによって接合する前に、予め接合用端面84が基準面87と平行な平坦面になるように、切削や研磨する仕上げ加工が施されている。
ところで、精密鋳造部品80の基準面87は、中間部86の複数の羽根部88における軸部81寄りの端面に大きく露出しつつ展開しているため、通常の旋盤などのチャックでは保持できない。また、他方の軸部83も細径でかつ短いため、やはり旋盤などのチャックでは保持できない。このため、精密鋳造部品80における一方の軸部81の接合用端面84を仕上げ加工する工程では、バラ付きが生じ易くかつ時間を要するという問題点があり、本願出願人は先にこのような精密鋳造部品の軸部の接合用端面を通常の旋盤などで品質良くかつ能率的に仕上げ加工できる精密鋳造部品の加工用治具を提案している(特開2004−42198号公報)。
しかし、近年、タービンインペラーの高バランス化に伴い、軸部83の接合用端面84のみならず、凹部84a内の高精度な加工が求められるようになっており、さらに、精密鋳造部品の軸心に対する同軸度を高度に維持した状態で保持できる精密鋳造部品の加工用治具が求められるようになった。
特開2004−42198号公報
そこで、本発明の課題は、精密鋳造部品の軸心に対する同軸度を高度に維持した状態で保持でき、精密鋳造部品の軸部の接合用端面および凹部内を通常の旋盤などで品質良くかつ能率的に加工できる精密鋳造部品の加工用治具を提供することにある。
上記課題を解決するものは、両端に同心の一対の軸部を備え前記一対の軸部の間に中間部を一体に有する精密鋳造部品を保持して、回転軸などを接合する一方の軸部の接合用端面または凹部内を加工するための精密鋳造部品の加工用治具であって、
前記精密鋳造部品の他方の軸部を保持すると共に、前記精密鋳造部品を前記一方の軸部側に向かって軸心に沿って押圧可能なセンター部材と、
前記精密鋳造部品の中間部において軸心と直交しかつ前記一方の軸部寄りの基準面に当接する基準面当接面と、前記一方の軸部を貫通させる中空部を有するリング部と、
該リング部の内側に取り付けられ、前記精密鋳造部品の中間部の背盤部の側部または側面を保持して前記精密鋳造部品を内側に向かって押圧する環状弾性部材と、
前記センター部材を収容し、かつ前記リング部を固定すると共に、前記精密鋳造部品を収容可能な精密鋳造部品収容用凹部を備えたホルダーとを有していることを特徴とする精密鋳造部品の加工用治具である(請求項1)。
前記環状弾性部材は、中空の略円錐台形状に形成され、前記ホルダーの開口部側に向かって縮径するように前記リング部の内側に取り付けられていることが好ましい(請求項2)。前記センター部材は、前記ホルダーの前記精密鋳造部品収容用凹部の底面に連通する貫通孔内に弾性部材を介して収容されると共に、先端部に前記精密鋳造部品の他方の軸部の端部形状と噛合する保持用凹部を有していることが好ましい(請求項3)。前記ホルダーは、側壁部に前記精密鋳造部品を前記精密鋳造部品収容用凹部内に挿入するための精密鋳造部品挿入用開口部を有していることが好ましい(請求項4)。前記リング部は、前記ホルダーの前記開口部に締結部材により着脱可能に固定されていることが好ましい(請求項5)。前記リング部は、外方に向かって拡径する円錐状のテーパ面を有していることが好ましい(請求項6)。
請求項1に記載した精密鋳造品の加工用治具によれば、精密鋳造部品の軸心に対する同軸度を高度に維持した状態で保持でき、精密鋳造部品の軸部の接合用端面および凹部内を通常の旋盤などで品質良くかつ能率的に加工することができる。具体的には、精密鋳造品の加工用治具は、精密鋳造部品の他方の軸部をセンター部材によって一方の軸部側へ軸心に沿って押圧しながら保持し、中間部の基準面をリング部の基準面当接面にて保持し、さらに、環状弾性部材にて中間部の背盤部の側部または側面を精密鋳造部品の内側に向かって押圧しながら強固に保持する。この状態で、精密鋳造部品の一方の軸部はその接合用端面および凹部がリング部の中空部を貫通して外部に突出し、精密鋳造部品は一対の軸部の軸心方向と基準面とが直角に交差した姿勢でセンター部材とリング部に挟まれ、さらに、環状弾性部材にて中間部の背盤部の側部または側面が内側に向かって押圧されてホルダーの精密鋳造部品収容用凹部内に強固に保持される。このため、精密鋳造品の加工用治具を例えば旋盤のスピンドルシャフトに固定して回転させて精密鋳造部品の接合用端面や凹部をバイトにより切削したり、研磨工具により研磨しても、同軸度が高度に維持されるため、接合用端面および凹部を品質良くかつ能率的に加工することができる。
請求項2に記載した精密鋳造品の加工用治具によれば、環状弾性部材が中間部の複数の羽根部に触れない状態で中間部の背盤部の側部または側面のみと当接して中間部の背盤部の側部または側面のみをその弾性力により内側に向かって押圧することができる。
請求項3に記載した精密鋳造部品の加工用治具によれば、センター部材が、弾性部材による弾性力によって精密鋳造部品の他方の軸部をリング部側に向かって押し付けると共に、精密鋳造部品の他方の軸部とセンター部材とが保持用凹部で噛合しているため、同軸度がより高度に維持されて、接合用端面および凹部をより品質良くかつ能率的に加工することができる。
請求項4に記載した精密鋳造部品の加工用治具によれば、精密鋳造部品をホルダーの側壁部に設けられた精密鋳造部品挿入用開口部から挿入できることで、各部材を取り外すことなく、容易に精密鋳造部品をホルダーの精密鋳造部品収容用凹部内に装着できる。また、背盤部の径より羽根部の径が大きい精密鋳造部品でも精密鋳造部品収容用凹部内に装着できる。
請求項5に記載した精密鋳造部品の加工用治具によれば、リング部がホルダーの精密鋳造部品収容用凹部の開口部にボルトなどの締結部材により着脱可能に固定されるため、精密鋳造部品をその軸心が中間部の基準面と直角に交差した姿勢でかつセンター部材とリング部により軸心方向に沿って挟まれた状態でホルダー内に収容することができ、一方の軸部の接合用端面を中間部の基準面と平行な平坦面に一層容易に加工することができる。
請求項6に記載した精密鋳造部品の加工用治具によれば、リング部が外方に向かって拡径する円錐状のテーパ面を有しているため、テーパ面によって切削用のバイトなどをリング部により接触させることなく、一方の軸部の接合用端面に当てて切削したり、研磨する加工を一層容易に行うことができる。
本発明の精密鋳造部品の加工用治具の一実施例の使用状態を説明するための縦断面図である。 本発明の精密鋳造部品の加工用治具により保持される精密鋳造部品の一実施例の縦断面図である。 図1に示した精密鋳造部品の加工用治具の作用を説明するための縦断面図である。 図1に示した精密鋳造部品の加工用治具のホルダーを説明するための説明図であり、(A)は正面図、(B)は右側面図、(C)は背面図である。 図1に示した精密鋳造部品の加工用治具の環状弾性部材を説明するための説明図であり、(A)は正面図、(B)は右側面図である。 図1に示した精密鋳造部品の加工用治具のセンター部材を説明するための説明図であり、(A)は正面図、(B)は右側面図、(C)は背面図である。 図1に示した精密鋳造部品の加工用治具のリング部を説明するための説明図であり、(A)は正面図、(B)は右側面図である。 図1に示した精密鋳造部品の加工用治具の使用状態を説明するための拡大部分断面図である。 図1に示した精密鋳造部品の加工用治具を旋盤に固定した状態を示す概略図である。
本発明は、精密鋳造部品80の他方の軸部83を保持すると共に、精密鋳造部品80を一方の軸部81側に向かって軸心に沿って押圧可能なセンター部材10と、精密鋳造部品80の中間部86において軸心と直交しかつ一方の軸部81寄りの基準面87に当接する基準面当接面21と一方の軸部81を貫通させる中空部22を有するリング部20と、リング部20の内側に取り付けられ精密鋳造部品80の中間部87の背盤部の側部または側面89を保持して精密鋳造部品80を内側に向かって押圧する環状弾性部材30と、センター部材10を収容し、かつリング部20を固定すると共に、精密鋳造部品80を収容可能な精密鋳造部品収容用凹部41を備えたホルダー40とを有することで、精密鋳造部品の軸心に対する同軸度を高度に維持した状態で保持でき、精密鋳造部品の軸部の接合用端面および凹部内を通常の旋盤などで品質良くかつ能率的に加工することができる精密鋳造部品の加工用治具を実現した。
本発明の精密鋳造部品の加工用治具を図1ないし図8に示した一実施例を用いて説明する。
この実施例の精密鋳造部品の加工用治具1は、図1に示すように、両端に同心の一対の軸部81,83を備え一対の軸部81,83の間に中間部86を一体に有する精密鋳造部品80を保持して、回転軸などを接合する一方の軸部81の接合用端面84または凹部84a内を加工するための精密鋳造部品80の加工用治具であって、精密鋳造部品80の他方の軸部83を保持すると共に、精密鋳造部品80を一方の軸部81側に向かって軸心に沿って押圧可能なセンター部材10と、精密鋳造部品80の中間部86において軸心と直交しかつ一方の軸部81寄りの基準面87に当接する基準面当接面21と一方の軸部81を貫通させる中空部22を有するリング部20と、リング部20の内側に取り付けられ、精密鋳造部品80の中間部87の背盤部の側部または側面89を保持して精密鋳造部品80を内側に向かって押圧する環状弾性部材30と、センター部材10を収容し、かつリング部20を固定すると共に、精密鋳造部品80を収容可能な精密鋳造部品収容用凹部41を備えたホルダー40とを有している。以下、各構成について詳述する。
この実施例の精密鋳造部品の加工用治具1は、精密鋳造部品80の基準面87と平行になるような姿勢で常に接合用端面84を切削および研磨できることに加え、軸心に対する同軸度を高度に維持した姿勢で精密鋳造部品を保持すべく着想されたものである。
図9は、精密鋳造部品の加工用治具1を旋盤90にセットした状態を示す。すなわち、精密鋳造部品の加工用治具1は、旋盤90においてバイトを固定する往復台91を左右にスライドして支持するベッド92の一端に位置する主軸台93のスピンドルシャフト94に固定され、かつ回転可能に保持されて、精密鋳造部品80を加工することができるものである。
ホルダー40は、図3または図4に示すように、外形が円筒形であり内側に円柱形空間で、かつ外形とほぼ相似形の精密鋳造部品収容用凹部41を有する本体42と、精密鋳造部品収容用凹部41の底面43を形成する底壁44に連なる縮径部45と、縮径部45の端部から円盤状に突出したフランジ46とを有している。
図3または図4(A)に示すように、ホルダー40の本体42の開口部47側には、複数の雌ネジ孔48が形成されている。また、本体42の底壁44には比較的小径の通し孔49が開口し、縮径部45の中心部には通し孔49と同心で、かつこれを介して精密鋳造部品収容用凹部41と一端が連通する比較的大径の貫通孔50が形成されている。さらに、ホルダー40の本体42は、図4(B)に示すように、側壁部に精密鋳造部品80を精密鋳造部品収容用凹部41内に挿入するための一対の精密鋳造部品挿入用開口部51を対称に有している。
貫通孔50は、図3または図4(C)に示すように、本体42や精密鋳造部品収容用凹部41と同心で、かつその他端がフランジ46の浅い凹み46aの中心部に開口し、フランジ46には複数の通し孔52が形成されている。以上のようなホルダー40は、例えば鋳鋼の精密鋳造または鋼塊の切削加工により一体に形成される。
リング部20は、図3または図7に示すように、円盤状で中心部に貫通して設けられた中空部22と、外方に向かって拡径する円錐状のテーパ面23と、精密鋳造部品80の一方の軸部81の基準面87に当接する基準面当接面21と、フランジ部24とを有している。
ホルダー40内に精密鋳造部品80が装着されると、中空部22内からは、図8に示すように、精密鋳造部品80の一方の軸部81の接合用端面84および凹部84aが露呈するように構成されている。また、外方に向かって拡径する円錐状のテーパ面23が設けられることにより、切削用のバイトなどをリング部20に接触させることなく、一方の軸部81の接合用端面84に当てて切削したり研磨する加工を一層容易に行うことができるように構成されている。さらに、基準面当接面21は、図8に示すように、ホルダー40の内側に向かって突出した環状突起の上面にて形成されており、基準面当接面21が精密鋳造部品80の一方の軸部81の基準面87に当接することで精密鋳造部品80をホルダー40の開口部47側から保持するように構成されている。
フランジ部24には、図3に示すように複数の通し孔25が形成されており、これらにボルトを螺合させてリング部20をホルダー40に固定するように構成されている。以上のようなリング部20は、例えば鋳鋼の精密鋳造または鋼片を切削加工して形成される。
センター部材10は、精密鋳造部品80の他方の軸部83を保持すると共に、精密鋳造部品80を一方の軸部81側に向かって軸心に沿って押圧するためのものであり、図6に示すように、円柱形の軸部11と、先端部に設けられ精密鋳造部品80の他方の軸部83の端部形状と噛合する保持用凹部12と、軸部11の後端から外側に放射状に延びるフランジ13とを有し、フランジ13は、その内側に位置するほぼ円形溝の収納部14と、太径部15とを有している。
図1または図3に示すように、センター部材10の軸部11の大半および後端側のフランジ13は、ホルダー40の縮径部45内の貫通孔50内にスライド可能に収容され、軸部11の先端側は小径の通し孔49にスライド可能に収容されている。貫通孔50内において、センター部材10の軸部11の周囲には、コイルバネ(バネ)16が巻き付けられ、かつホルダー40の底壁44と収納部14との間に介在している。
センター部材10は、ドローバーSを介して、その軸方向に沿って図1で左側にスライド可能とされると共に、その軸部11に巻き付けたコイルバネ16により、図3に示すように、右側に復帰するように付勢されている。
環状弾性部材30は、精密鋳造部品80の中間部87の背盤部の側部または側面(この実施例では円環状側面または円柱体の外周面)89を保持して精密鋳造部品80を内側に向かって押圧するためのものであり、図1に示すように、リング部20の内側に締結部材60にて固定された環状リング61により、リング部20と環状リング61との間に軸方向に沿って挟圧して固定されてリング部20の内側に取り付けられている。精密鋳造部品80は、この環状(円環状)弾性部材30によって中間部86の背盤部の側部または側面89が、装着時の弾性反発力により内側に向かって押圧されながら保持されることにより、さらにホルダー40内に強固に保持されるように構成されている。
この実施例の環状弾性部材30は環状圧縮バネにて構成されている。具体的には、環状弾性部材30は、図5に示すように、環状線条体31が軸方向の一端と他端の間の折り返しを繰り返して円環状に形成されており、内部に精密鋳造部品80の中間部86が配されると、その反発力により環状線条体31の間に形成された多数の間隙が収縮する方向に作用して中間部86の背盤部の側部または側面89を内側に向かって押圧するように構成されている。このため、中間部86の背盤部の側部または側面89外側が内側に向かって押圧されて精密鋳造部品80がホルダー40内により強固に保持されるように構成されている。
また、環状弾性部材30は、図5(B)に示すように、中空の略円錐台形状に形成されており、ホルダー40の開口部47側に向かって縮径するようにリング部20の内側に取り付けられている。このため、環状弾性部材30が精密鋳造部品80の中間部86の中間部86の背盤部の側部または側面89をその弾性力により内側に向かって押圧するため、より強固に保持することができ、精密鋳造部品80の軸心に対する同軸度がより高度に維持されて、接合用端面84および凹部84aをさらに品質良くかつ能率的に加工することができるように構成されている。また、環状弾性部材が中間部の複数の羽根部に触れない状態で中間部の背盤部の側部または側面のみと当接して中間部の背盤部の側部または側面のみをその弾性力により内側に向かって押圧することができる。
つぎに、精密鋳造部品の加工用治具1の使用方法を説明する。
図9は、旋盤90のスピンドルシャフト94に精密鋳造部品の加工用治具1を固定すると共に、ホルダー40の精密鋳造部品収容用凹部41内に精密鋳造部品80(図示しない)を収容した状態を示す。すなわち、精密鋳造部品の加工用治具1は、図9に示すように、ホルダー40のフランジ46を、旋盤90のスピンドルシャフト94の左側面に嵌合し、スピンドルシャフト94のネジ孔(図示しない)にフランジ46の通し孔52を貫通したボルト(図示しない)を締結することによりスピンドルシャフト94に固定され、かつスピンドルシャフト94と共に回転可能に支持されている。なお、センター部材10の太径部15側およびドローバーSは、図1または図3に示すように、左右方向にスライド可能となっている。
ホルダー40の開口部47側には、環状弾性部材30を固定したリング部20が、複数のボルトを通し孔25にネジ込むことにより、予め固定されている(図3の状態)。そして、精密鋳造部品80を、ホルダー40の精密鋳造部品収容用凹部41内に精密鋳造部品挿入用開口部51から環状弾性部材30の内側に配置する。つぎに、センター部材10が、ドローバーSによって、図1に示すように左側へスライドされ、精密鋳造部品80における他方の軸部83の先端部は、センター部材10の保持用凹部12と噛合して保持される。この際、コイルバネ16は、図1に示すように圧縮されている。
上記の状態でホルター40内への精密鋳造部品80の装着は完了するが、この状態では、精密鋳造品の加工用治具1は、図1に示すように、精密鋳造部品80の他方の軸部83をセンター部材10によって一方の軸部81側へ軸心に沿って押圧しながら保持し、中間部86の基準面87をリング部20の基準面当接面21にて保持し、さらに、環状弾性部材30にて中間部86の背盤部の側部または側面89を精密鋳造部品80の内側に向かって押圧しながら強固に保持する。そして、精密鋳造部品80の一方の軸部81はその接合用端面84および凹部84aがリング部20の中空部22を貫通して外部に突出し、精密鋳造部品80は一対の軸部81,83の軸心方向と基準面87とが直角に交差した姿勢でセンター部材10とリング部20に挟まれ、さらに、環状弾性部材30にて内側に向かって押圧されてホルダー40の精密鋳造部品収容用凹部41内に強固に保持されている。このため、精密鋳造品の加工用治具1を例えば旋盤90のスピンドルシャフト94に固定して回転させて精密鋳造部品80の接合用端面84や凹部84aをバイト(図示しない)により切削したり、研磨工具により研磨しても、精密鋳造部品80の軸心に対する同軸度が高度に維持されているため、接合用端面84および凹部84aを品質良くかつ能率的に加工することができる。加工後の精密鋳造部品80は、ドローバーSを後退させ、コイルバネ16のバネ圧によりセンター部材10を元の位置(図3の位置)に復帰させた後、精密鋳造部品挿入用開口部51から外部に取り出すことができる。
なお、本発明の精密鋳造部品の加工用治具は、上述した形態に限定されるものではなく、例えば、ホルダーはリング部とが一体的に構成され、センター部材を収容可能で、かつ内部に精密鋳造部品収容用凹部を有するものであれば上記形態に限定されない。また、センター部材の軸部は、四角柱や六角柱などの多角柱でもよく、ホルダーの貫通孔内に介在されるバネも、コイルバネに限定されず、板バネや密封された圧力流体などを用いてもよい、さらに、環状弾性部材も、リング部の内側に取り付けられ、精密鋳造部品の中間部の背盤部の側部または側面を保持して精密鋳造部品を内側に向かって押圧するものであれば上記形態に限定されない。さらに、本発明の加工治具の対象となる精密鋳造部品は、上記ターボチャージャーのインペラー部分となる羽根部を有する形態に限らず、両端に一対の軸部を有し、これらの間に適宜形状を付され、かつ前記基準面を含む中間部を有する形態であれば特に限定されない。
1 精密鋳造部品の加工用治具
10 センター部材
20 リング部
21 基準面当接面
22 中空部
30 環状弾性部材
40 ホルダー
41 精密鋳造部品収容用凹部
80 精密鋳造部品
81 一方の軸部
83 他方の軸部
84 接合用端面
84a 凹部
86 中間部
87 基準面
90 旋盤
91 往復台
92 ベッド
93 主軸台
94 スピンドルシャフト

Claims (6)

  1. 両端に同心の一対の軸部を備え前記一対の軸部の間に中間部を一体に有する精密鋳造部品を保持して、回転軸などを接合する一方の軸部の接合用端面または凹部内を加工するための精密鋳造部品の加工用治具であって、
    前記精密鋳造部品の他方の軸部を保持すると共に、前記精密鋳造部品を前記一方の軸部側に向かって軸心に沿って押圧可能なセンター部材と、
    前記精密鋳造部品の中間部において軸心と直交しかつ前記一方の軸部寄りの基準面に当接する基準面当接面と、前記一方の軸部を貫通させる中空部を有するリング部と、
    該リング部の内側に取り付けられ、前記精密鋳造部品の中間部の背盤部の側部または側面を保持して前記精密鋳造部品を内側に向かって押圧する環状弾性部材と、
    前記センター部材を収容し、かつ前記リング部を固定すると共に、前記精密鋳造部品を収容可能な精密鋳造部品収容用凹部を備えたホルダーとを有していることを特徴とする精密鋳造部品の加工用治具。
  2. 前記環状弾性部材は、中空の略円錐台形状に形成され、前記ホルダーの開口部側に向かって縮径するように前記リング部の内側に取り付けられている請求項1に記載の精密鋳造部品の加工用治具。
  3. 前記センター部材は、前記ホルダーの前記精密鋳造部品収容用凹部の底面に連通する貫通孔内に弾性部材を介して収容されると共に、先端部に前記精密鋳造部品の他方の軸部の端部形状と噛合する保持用凹部を有している請求項1または2に記載の精密鋳造部品の加工用治具。
  4. 前記ホルダーは、側壁部に前記精密鋳造部品を前記精密鋳造部品収容用凹部内に挿入するための精密鋳造部品挿入用開口部を有している請求項1ないし3のいずれかに記載の精密鋳造部品の加工用治具。
  5. 前記リング部は、前記ホルダーの前記開口部に締結部材により着脱可能に固定されている請求項1ないし4のいずれかに記載の精密鋳造部品の加工用治具。
  6. 前記リング部は、外方に向かって拡径する円錐状のテーパ面を有している請求項1ないし5のいずれかに記載の精密鋳造部品の加工用治具。
JP2015054558A 2015-03-18 2015-03-18 精密鋳造品の加工用治具 Active JP5974131B1 (ja)

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