JP6382682B2 - 工具ホルダ - Google Patents

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この発明は、マシニングセンタ等の工作機械で金属加工(例えば金型製作)を行う分野、特に、機械主軸端面から加工面までの距離が長い加工の場合、削り出し加工に見られる深い切削が必要な場合、ワーク又はクランプ治具などが干渉し長い工具が必要な場合、などの加工分野で、高剛性、高バランス、高能率な加工に適した工具ホルダとその製造方法に関する。
近年のモノづくりに共通しているテーマは、製造における短納期とコスト低減である。その手段の一つに切削加工における高能率加工が挙げられる。その高能率加工を実現するには、加工条件である切削工具の一刃の切込量を増やしたり、送り速度を上げたりするなど、単位時間当たりの切削除去量を増やさなければならない。また、できる限り加工ワークの段取り変えを少なくしなければならない。例えば、切削工具のみで加工できない場合、放電加工等の手段を採用する等の段取り変えを行うこととなる。
一方、加工ワークは近年益々複雑形状となる傾向にある。例えば、自動車におけるインナーパネルやバンパーなどの金型は、一体成型化により大型化かつ複雑であり、機械主軸端から加工面までのリーチが長い。そのため、加工深さに伴いリーチの長い工具や工具ホルダが必要となる。
また、航空機部品においても削り出しによる加工が多く、ワーク自身やクランプ治具との干渉により、工具や工具ホルダのリーチは長くなる一方である。工具や工具ホルダのリーチが長くなると必然的に剛性の低下を招く。
その「リーチが長い」とは、例えば、工具のホルダの首径をD1(図1参照)とし、機械主軸端面からの工具先端まで突き出し長さをL(図1参照)としたり、機械主軸端面からの工具ホルダ先端まで突き出し長さL’としたり(図1参照)とした場合、L又はL’/D1比が3を超えるような工具ホルダを指す。いずれにしても、「リーチが長い」とはそのようなL,L’が長い場合をいう。
さらに、工具や工具ホルダの剛性が低くなると、加工条件である切削工具の一刃の切込量は少なくなり、送り速度も下げなければならない。こうなると、単位時間当たりの切削除去量が低下するため、加工時間が長くなり、生産性も低下することからコストも高くなる。
特に、刃先交換式フライスカッタ系の工具は、比較的刃径が大きく、切削除去量の多い荒取り加工に用いられるため、その加工時間が長くなったり、生産性が低下したりせずに、高能率加工に寄与することが要求される。
特開平07−285002号公報 実開平03−103105号公報 特許第3932216号公報
このような状況下、特許文献1には、防振効果を高めて切削効率を向上させるために、アーバ中心孔内面をテーパ状に成形し、そのテーパに嵌合するように、外径をテーパにした超硬合金を嵌め込みねじ止めした技術が開示されている。
この技術によれば、超硬合金とアーバを一体化するには、アーバ側の深いテーパ孔を精度良く内面研削する技術が必要であり、片持ちのクイルを用いてそのテーパ孔内面を研削する加工では、その深いテーパ孔の製作は非常に難しい。仮に、製作できても製作にかかる日数は長くなり、製造コストも高くなる。
また、同文献記載技術の超硬合金は先端に行くほど先細りするテーパ形状となっている。これは、アーバ中心孔内面と超硬合金の外周面を密着させるためであるが、根元部と同径のストレート形状のものよりも曲げ剛性が低下する問題がある。
さらに、同文献記載の先行技術の防振アーバ(同文献図5参照)の外周形状は、ストレート形状であり、シャンク部(主軸側挿入テーパ部)と冷やし嵌めなどにより一体化の考えも示しているが、その基底となる技術、製造方法は、ストレート形状の防振アーバを便宜的にシャンク部に接合しているのであって、リーチの長い切削加工においては、接合部と加工点との距離が長くなるために、接合強度を充分に維持することは難しい。また、高速回転時のバランスも安定しない。
特許文献2には、アーバに超硬合金を内蔵させることにより剛性を高める技術が開示されている。この技術は、ホルダ本体(ストレート状アーバ)と芯金(超硬合金)との間で径方向のガタが生じないようにするために、微少テーパによる結合が行われている。また、焼嵌めや冷やし嵌めなども軸体と孔の嵌め合いとしている。しかし、その焼嵌めや冷やし嵌めによって同上の嵌め合いを実現するには、中心孔に対する内径加工(片持ちクイルによる内面研削加工)は深孔加工となり作業が極めて難しい。そのため、製作コスト増になると共に作業効率が著しく低下する問題がある。
さらに、ホルダ本体とシャンク部との結合は、インロー部とねじによる結合であり、結合剛性が充分ではない。この技術の主題はボーリング加工であり、半径方向に大きな負荷がかかるフライス加工には適合していない。
この発明は、以上の実状の下、L、L’/D比で3を超えるような加工深さの深い切削加工に対応するリーチの長い工具ホルダや、首径が制限されるようなリーチの長い工具ホルダ等において、剛性が高く、高バランスであり、高能率加工が可能なものとすることを課題とする。
上記課題を達成するために、この発明は、シャンク部とホルダ部からなり、そのシャンク部とホルダ部の軸心にその両者に亘る円柱状超硬合金製棒材がそれぞれ焼嵌めによって内装され、前記ホルダ部は前記超硬合金製棒材が内装された途中で分割されている構成としたのである。
このように、超硬合金製棒材を焼嵌めする部材を分割すれば、その各分割部材にその超硬合金製棒材を焼嵌めする孔をそれぞれ形成すれば良いため、上記特許文献1の技術のように、その孔も深く(長く)する必要がない。このため、その孔も高い精度でもって容易に形成することができる。また、工具ホルダの重心をシャンク部側に近づけることも容易にできてバランスが良くなる。また、ホルダ部を分割しているため、その分割部(接合部)と加工点との距離も短くし得るため、接合強度を充分に維持することができ、高速回転時のバランスが安定する。
そのホルダ部の分割面の位置は、工具ホルダの剛性や製作性を考慮して適宜に設定すれば良いが、超硬合金製棒材の長さ方向の中程、特に中央とすることが好ましい。このため、その超硬合金製棒材が挿入されるホルダ部とシャンク部の中心孔(超硬合金製棒材焼嵌め孔)の形状(長さ)はその態様とすることが好ましく、そのような構成にすることで、外径比の大きい超硬合金製棒材を高精度に密封し、一体化させることができる。
このとき、超硬合金製棒材の長さによっては、ホルダ部の両分割部材の間に、その両分割部材の外周面に連続する外周面を有する中間部材を設け、この中間部材はその軸心に超硬合金製棒材が貫通する構成とすることもできる(図6参照)。
その超硬合金製棒材が内装(焼嵌め)されるホルダ部及びシャンク部の中心孔内面は高精度(回転軸に対して)に加工し、その一部は、焼嵌めにより超硬合金が強固に把持できる設定で、高精度に加工する。
超硬合金製棒材は、ストレートの全長に亘って同一径の円柱形、若しくは、段付のある円柱形とし、その外周は研削等で高精度に加工を施す。その加工によって、超硬合金製棒材を、ホルダ部、シャンク部と高精度に一体化させると共に、回転バランスを高めることができる。前記段付の超硬合金製棒材を採用し、ホルダ部の外形をテーパ状にすることで、さらに剛性を高めることができる(図8参照)。
このようなホルダ部及びシャンク部に超硬合金製棒材を焼嵌めにより結合することは、位置決め精度(把持精度)が他の方法、例えば圧入等と比較し、各段に精度の高い結合が行われる。
この構成の工具ホルダは、そのホルダ部の首径をD1とし、機械主軸端面からの突出し長さを上記L又はL’とした場合、L、L’/D1比が3を超えるものに採用することが好ましい。
また、そのホルダ部の最小外径(首径)D1と超硬合金製棒材の外径D2の直径比は、D2/D1=0.5〜0.9とすることができる。この直径比とすれば、鋼材のみのホルダ(図9A参照)に比べて、工具ホルダの曲げ剛性を1.1倍以上得ることができる。
シャンク部及びホルダ部への超硬合金製棒材の焼嵌めは、ホルダ部及びシャンク部内の超硬合金製棒材の両端で行うことが好ましい。このとき、超硬合金製棒材の長さ方向の途中に焼嵌めされない部分を形成すれば、その部分においてシャンク部及びホルダ部の長さ方向の収縮を吸収して前記両端での焼嵌めを強固にできるからである。
また、シャンク部と超硬合金製棒材の焼嵌め位置は、シャンク部のフランジ部より奥まった位置で焼嵌めすることが好ましい。若しくは、ホルダ首径より太く設計された位置に充分かかるように焼嵌めする。より好ましくは、フランジ部より奥側に位置すると共に、ホルダ首径からフランジ部に至る外周は、円弧状や直線状のテーパ面のように徐々に太くなる形状を採用することができる(図1〜図8等参照)。このようにすることで工具ホルダ全体の曲げ剛性を高めることができる。
超硬合金製棒材の中心軸上には、両端面に貫通する孔を設けることができる。この貫通孔を設けることで、剛性を維持したままで、超硬合金製棒材の軽量化を図ると共にコスト低減にもつながる。このとき、超硬合金製棒材は、シャンク部及びホルダ部内に焼嵌めによって高精度に密封及び密着しているので、その強度を維持することができる。また、その貫通孔を利用して、クーラント液を供給するための通路としても活用できる。その貫通孔の大きさ(径:d)は、超硬合金製棒材の外径D2に対し、d=0.4〜0.8D2が好ましい。このように設定すれば、超硬合金製棒材の剛性を維持しつつ軽量化及びコスト低減を有効に図ることができる。
さらに、ホルダ部の中心孔奥の超硬合金製棒材外周部の一部に制振合金などの防振材を挟み込むことにより、防振効果も期待できる(図7参照)。
以上の各構成の工具ホルダは、種々の手段で製造できるが、例えば、上記シャンク部及びそのシャンク部に連続するホルダ部の分割した一方の分割部材に上記超硬合金製棒材の一端を焼嵌めによって内装し、そのシャンク部に内装した超硬合金製棒材の他端にホルダ部の分割した他方の分割部材を焼嵌めする製造方法を採用することができる。
このとき、超硬合金製棒材の端面とシャンク部中心孔側の端面とは、シャンク部が熱収縮する際に圧接され、強固に固定される。
ホルダ部の両分割部材の間に中間部材を設ける場合は、シャンク部に内装した超硬合金製棒材の他端に、その中間部材を貫通させて他方の分割部材を焼嵌めする。このとき、中間部材も超硬合金製棒材に焼嵌めすることができる。
これらの製造方法において、シャンク部に内装した超硬合金製棒材の他端にホルダ部の一部(分割部材)又は中間部材を焼嵌めすると、そのホルダ部の熱収縮によってホルダ部の分割部材間又は分割部材と中間部材の間に間隙が生じる。このため、超硬合金製棒材のホルダ部の他の分割部材への焼嵌め後、シャンク部に対しホルダ部(他方の分割部材、中間部材)を押圧して超硬合金製棒材にホルダ部を圧入して前記間隙をなくすことが好ましい。さらに、その両分割部材の分割面(界面)や分割部材と中間部材の界面は、溶接や接着等してそれらを一体化することが好ましい。その溶接等は前記圧入後にする。
この発明は、以上のように超硬合金製棒材を焼嵌めする部材を分割した構成としたので、ホルダ内に密封される超硬合金製棒材の直径比率を大きくすることができ、このため、従来にない高剛性が得られる。また、各部品を分割する等して別部材とし得ることから、その各部材の高精度加工が容易であると共に焼嵌めにより超硬合金製棒材が高精度に固定させることができるため、リーチの長い工具ホルダであっても回転バランスが高いものとなる。
さらに、シャンク部の内部で超硬合金を直接固定することで曲げ剛性を高めることができる。また、この構成は静剛性を積極的に高めたので、特定な加工条件、工具形状に特定されることなく、幅広い切削領域で高能率加工が実現できる。
この発明に係わる工具ホルダの一実施形態の一部切断正面図 同実施形態の各部材を分解した断面図 他の実施形態の一部切断正面図 他の実施形態の一部切断正面図 他の実施形態の一部切断正面図 他の実施形態の一部切断正面図 他の実施形態の一部切断正面図 他の実施形態の一部切断正面図 加工事例説明用一部切断正面図
この発明に係る工具ホルダの一実施形態を図1、図2に示し、この実施形態の工具ホルダA1は、マシニングセンタの主軸に着脱可能なシャンク部10と、その工具B(B1)を取り付けるホルダ部(アーバ部)20と、そのシャンク部10とホルダ部20の軸心にその両者に亘って内装された超硬合金製棒材(芯金)30とからなる。
そのシャンク部10は自動工具交換機(ATC)用マニピュレータ把持部(Vフランジ部)11を有する。シャンク部10からホルダ部20への連結部は、徐々に縮径するテーパ面21となっており、そのテーパ面21から先端までのホルダ部20は同一径(首径D1と同じ)となっている。テーパ面21は、図1、図3鎖線で示すように円弧状とし得る。ホルダ部20はその同一径となった長さ方向の途中で分割されている(分割面a)。その一方の分割部材20はシャンク部10と一体物である。
超硬合金製棒材30は、全長に亘って同一径の円柱であり、シャンク部10とホルダ部20の軸心にその両者に亘って内装された際、その長さ方向ほぼ中央がホルダ部20の分割面aに位置する。
そのホルダ部20の最小外径(首径)D1と超硬合金製棒材30の外径D2の直径比は、D2/D1=0.5〜0.9とする。この直径比としたのは、鋼材のみのホルダ(図9(a)参照)に比べて、工具ホルダA1の曲げ剛性を1.1倍以上得るためであり、通常、超硬合金製棒材30がホルダ部20に対して太くなると、工具ホルダA1の曲げ剛性が向上する。
超硬合金製棒材30の中心軸上(軸心)には、両端面に貫通する孔33が設けられ、この貫通孔33を設けることで、剛性を維持したままで、超硬合金製棒材30の軽量化を図ると共にコスト低減にもつながる。このとき、超硬合金製棒材30は、焼嵌めにより、シャンク部10及びホルダ部20内に高精度に密封及び密着するので、その強度を維持することができる。また、その貫通孔33を利用して、クーラントを供給するための通路としても活用できる。その貫通孔33の大きさ(径:d)は、超硬合金製棒材30の外径:D2とした場合、d=0.4〜0.8D2とする。
シャンク部10とホルダ部20の材質は、一般的なホルダ材料であるSCM415や特許文献3で示されるオーステナイト組織を有する特殊鋼を採用できる。また、超硬合金製棒材30の材質は、ヤング率の高いK01〜K40等を採用するのが好ましい。
シャンク部10及びホルダ部20の円柱状取付孔(中心孔)12、22の円孔径と超硬合金製棒材30の円径の焼嵌め締り代を、その超硬合金製棒材30の基準径D2の5/10000〜3/1000程度までとする。この実施形態では、シャンク部10の取付孔12とホルダ部20の取付孔22の円孔径とは同一径としている。
ホルダ部20及びシャンク部10の超硬合金製棒材30が内装される中心孔(取付孔)12、22内面は高精度(回転軸に対して)に加工し、その一部は、焼嵌めにより超硬合金製棒材30が強固に把持できる設定として高精度に加工する。
この実施形態の工具ホルダA1の構成は以上の通りであり、工具に加わる切削力に対しては、その多くがホルダ部20の分割部材20、超硬合金製棒材30、ホルダ部20の分割部材20、シャンク部10の順に伝わってそれらが抗する。
この工具ホルダA1の製造は、まず、図2鎖線で示すように、加熱したシャンク部10及びそれに連続するホルダ部20の一部(一方の分割部材)20の中心孔12に超硬合金製棒材30の一端を差し込んでその一端面を中心孔12の奥端面に当接させる。この状態で、シャンク部10及びホルダ部20の一部20を冷やすと、その冷却に伴ってそれらが熱収縮して縮まる。このため、超硬合金製棒材30に中心孔12の周面を介してシャンク部10及びホルダ部20の一部20が焼嵌めされるとともに、超硬合金製棒材30の一端に中心孔12の奥端面が圧接する。
このとき、その中心孔12の奥端面の手前部周面は抉って空隙12aを形成すれば、その空隙12aに前記手前部周面の収縮(縮径)が吸収されるため、超硬合金製棒材30の一端への中心孔12の奥端面の圧接が確実となる。また、シャンク部10に対し超硬合金製棒材30を押圧したり、超硬合金製棒材30に対しシャンク部10を押圧したりすれば、その圧接力が大きくなる。その押圧は、冷却時であったり、冷却終了後(焼嵌め完了後)であったりすることができる。
つぎに、そのシャンク部10に内装した(焼嵌めした)超硬合金製棒材30の他端に、加熱したホルダ部20の残り一部(他方の分割部材)20を差し込んでその差し込み端面をシャンク部10側のホルダ部20の一部20端面に当接する。この状態で、ホルダ部20の残り一部20を冷やすと、その冷却に伴ってその一部20が熱収縮して縮まる。このため、超硬合金製棒材30に中心孔22の周面を介してホルダ部20の一部20が焼嵌めされる。
そのホルダ部中心孔22の分割面aの両側所要長さの周面を抉って空隙22aを形成することができる。
また、シャンク部10に対しホルダ部20の残り一部(他方の分割部材)20を押圧したり、超硬合金製棒材30に対しホルダ部20の残り一部20を押圧したりすることができる。その押圧は、冷却時であったり、冷却終了後(焼嵌め完了後)であったりすることができる。このように押圧すれば、超硬合金製棒材30にホルダ部20の残り一部20が圧入されるため、分割面aの間隙ができるだけ、小さくなる。しかし、ミクロ的には、その間隙は無くならないため、分割面aに間隙が生じたり、生じなかったりしても、そのホルダ部20の分割面の全周縁はビーム溶接等によって溶接する。超硬合金製棒材30は、その溶接によってホルダ分割部材20、20を一体とし、その一体化したホルダ部20全体で曲げ応力に抗することが好ましいからである。溶接に代えて、接着材等による種々の一体化を図ることができる。
以上のようにして製造した工具ホルダA1は、フライスカッタB1のホルダとする場合は、図1に示すように、ホルダ部20の先端部は、クーラント孔25が周囲等間隔に3本形成されるとともに、カッタ取付部26が設けられた態様とし、その取付部26にフライスカッタB1を回り止めキー27、クランクボルト28等によって取り付ける。この構成であると、クーラント液(冷却液)は超硬合金製棒材30他端の中心孔22の空間22bからそれらのクーラント孔25に導かれる。
この工具ホルダA1は、フライスカッタB1用としてではなく、例えば、図3に示すコレットチャックB2用ホルダA2、図4に示す焼嵌めチャックB3用ホルダA3、ボーリングヘッドB4用ホルダA4等とし得る。
また、シャンク部10の形式は、図1〜図5に示すテーパ型(BT型)のみならず、図6〜図8に示すHSK型等の種々の態様を採用した工具ホルダA6〜A7とし得る。
シャンク部10の種々の態様において、図6に示すように、ホルダ部20を3つ以上に分割することができる。同図は3つに分割し、その中間部材20は両分割部材20、20の外周面に連続する(同一円径の)外周面を有しており、この中間部材20はその軸心に超硬合金製棒材30が貫通している。このとき、中間部材20は超硬合金製棒材30に焼嵌めすることができる。この態様の工具ホルダA5は、上記リーチが長い場合に有効である。このホルダ部20を3つ以上に分割した工具ホルダA5においても、各分割部材20、20間や分割部材と中間部材20の間の界面aは溶接等してそれらを一体化することができる。
また、そのシャンク部10の種々の態様において、図7に示すように、超硬合金製棒材30の一端部に円環状の制振合金(例えば、大同特殊鋼株式会社製、商品名;スターサイレント)などの防振材40を挟み込む工具ホルダA6とすることができ、この工具ホルダA6は防振効果も期待できる。
さらに、超硬合金製棒材30は、図8に示すように、径がその長さ方向に異なる段付とすることができる。この場合は、ホルダ部20のその段数に応じた分割部材20、20、20・・からなるものとする。この態様とすることによって、超硬合金製棒材30がホルダ部20に対してより太いものとすることができ得るため、工具ホルダA7の剛性がより向上する。この態様においても、両端の分割部材20、20で挟まれる中間部材20等は、超硬合金製棒材30に単に貫通するだけであったり、焼嵌めしたりすることができる。
また、図8に示すように、ホルダ部10の外形はその長さ方向において支障が無い限りにおいて長いテーパ状にすることで、さらに剛性を高めることができる。
以下に、この発明に係る高剛性、高バランス、高能率加工用工具ホルダB(A1)、Cと、同形状のいわゆる鋼製の工具ホルダ(A)を用いて切削性能を比較した結果、以下のような違いが明らかになった。
[切削加工事例の説明]
図9(a)〜(c)に示す下記3本のホルダ(実施品A、B、C)で比較した。各部分の寸法(mm)は図示の通りであり、この発明に係る実施品はB、Cである。
実施品A:鋼製ホルダ(図9(a))
実施品B:超硬合金内蔵ホルダ(図9(b))、超硬合金の根元焼嵌め部(連結部21)の肉厚が大きい)
実施品C:超硬合金内蔵ホルダ(図9(c)),ストレート型)
[切削条件]
a.被削材は機械構造用炭素鋼S50Cで未熱処理(通常生材)である。
b.工具はカッタ径φ50mmの刃先交換式フライスカッタB1で、切削チップは4ヶ取付き、チップ形状は丸駒タイプとした。
c.半径方向の切込量は25mm、1刃の切込量は0.25mmとし、軸方向の切込量Apと切削速度(送り)は可変とした。
d.機械は横型マシニングセンタで、機械主軸テーパ形状はHSK−A100規格である。
e.機械主軸から切削面までの距離は305mm(C:289mm)である。
f.ホルダ首下(ストレート部)の切削面までの距離はいずれも250mmである。
g.ワークは、イケール治具に油圧バイスを固定し、そのバイスに取り付けした。
h.X軸方向に、ダウンカットで、冷却液(クーラント液)は使用せずドライ加工で行った。
加工結果は以下の表1の通りであり、その表1において、正常:(○)、ビビリあり:(×)、判断が難しい:(△)、実施せず:(−) である。
Figure 0006382682
この結果から、実施品Aと実施品Bを比較すると、超硬合金製棒材30をこの発明の態様(実施品B)とすることで、2.5倍以上の切削除去量(CC:容量)が得られた。
実施品Bと実施品Cは共に超硬合金製棒材30を内蔵しているが、実施品Bは、シャンクフランジ11からホルダ部20への連結外周部21が徐々に縮径するテーパ状となっているのに対し、実施品Cは、その連結部外周部が切欠き効果をふせぐために(亀裂が生じ難くするために)小さい円弧状であってホルダ部全体がほぼストレートである等の超硬合金製棒材30の内蔵方法及び形状が異なる。このため、この発明に係る実施品Bは、同実施品Cと比べ1.3倍程度の切削除去量が得られた。また、実施品Bは、Ap=1.0においては、切削速度の全領域において安定した加工を実現した。
因みに、超硬合金製棒材30のシャンク部10側の端は、シャンク部10に至らず、連結部21又はその連結部21に至らないホルダ部20内に位置する態様も、工具ホルダの充分な剛性を担保できる限りにおいて考えられる。
A、A1〜A7 工具ホルダ
B1 フライスカッタ
B2 コレットチャック
B3 焼嵌めチャック
B4 ボーリングヘッド
a 分割面
10 シャンク部
11 シャンク部のフランジ
12 シャンク部及びホルダ部に亘る超硬合金製棒材の嵌め込み孔(中心孔)
20 ホルダ部
20、20、20 ホルダ部の分割部材(中間部材)
22 ホルダ部の超硬合金製棒材の嵌め込み孔(中心孔)
30 超硬合金製棒材
33 超硬合金製棒材の貫通孔
40 防振材

Claims (8)

  1. 一体物のシャンク部(10)とホルダ部(20)からなり、そのシャンク部(10)とホルダ部(20)の軸心にその両者に亘る円柱状超硬合金製棒材(30)がそれぞれ焼嵌めによって内装され、前記ホルダ部(20)は前記超硬合金製棒材(30)が内装された途中で分割されて、そのホルダ部(20)の分割した一方の分割部材(20)と分割した他方の分割部材(20)をその分割面(a)で溶接して一体としたことを特徴とする工具ホルダ。
  2. 一体物のシャンク部(10)とホルダ部(20)からなり、そのシャンク部(10)とホルダ部(20)の軸心にその両者に亘る円柱状超硬合金製棒材(30)がそれぞれ焼嵌めによって内装され、前記ホルダ部(20)は前記超硬合金製棒材(30)が内装された途中で分割され、そのホルダ部(20)の途中で分割された両分割部材(20、20)の間に、その両分割部材(20、20)の外周面に連続する外周面を有する中間部材(20)を設けて、この中間部材(20)はその軸心に上記超硬合金製棒材(30)が貫通し、ホルダ部(20)の分割した一方の分割部材(20 )、中間部材(20 )及び分割した他方の分割部材(20 )をそれぞれの界面(a)で溶接して一体化していることを特徴とする工具ホルダ。
  3. 上記ホルダ部(20)の分割面(a)を上記超硬合金製棒材(30)の長さ方向の中程としたことを特徴とする請求項1又は2に記載の工具ホルダ。
  4. 上記ホルダ部(20)の最小外径(D1)と超硬合金製棒材(30)の外径(D2)の直径比は、D2/D1=0.5〜0.9であることを特徴とする請求項1乃至3の何れか1つに記載の工具ホルダ。
  5. 上記超硬合金製棒材(30)の軸心に両端に貫通する孔(33)を形成したことを特徴とする請求項1乃至4の何れか一つに記載の工具ホルダ。
  6. 請求項に記載の工具ホルダの製造方法であって、上記シャンク部(10)及びそのシャンク部(10)に連続するホルダ部(20)の分割した一方の分割部材(20)に上記超硬合金製棒材(30)の一端を焼嵌めによって内装し、そのシャンク部(10)に内装した超硬合金製棒材(30)の他端にホルダ部(20)の分割した他方の分割部材(20)を焼嵌めし、そのホルダ部(20)の分割した一方の分割部材(20 )と分割した他方の分割部材(20 )をその分割面(a)で溶接して一体とすることを特徴とする工具ホルダの製造方法。
  7. 請求項に記載の工具ホルダの製造方法であって、上記シャンク部(10)及びそのシャンク部(10)に連続するホルダ部(20)の分割した一方の分割部材(20)に上記超硬合金製棒材(30)の一端を焼嵌めによって内装し、そのシャンク部(10)に内装した超硬合金製棒材(30)の他端に、上記中間部材(20)を貫通させるとともにホルダ部(20)の分割した他方の分割部材(20)を焼嵌めし、ホルダ部(20)の分割した一方の分割部材(20 )、中間部材(20 )及び分割した他方の分割部材(20 )をそれぞれの界面(a)で溶接して一体化することを特徴とする工具ホルダの製造方法。
  8. 上記超硬合金製棒材(30)の他端に上記ホルダ部(20)の分割した他方の分割部材(20)を焼嵌め後、前記シャンク部(10)に対し前記他方の分割部材(20)を押圧して超硬合金製棒材(30)に圧入することを特徴とする請求項6又は7に記載の工具ホルダの製造方法。
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