JP2016171907A - 医療業務支援システムおよびその警告方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】現在の患者4の生体情報および患者4に対する処置情報を含む現状データを受信する設定状態受信部12および動作状態受信部13と、患者4の治療記録を含むパーソナルデータを受信するパーソナルデータ受信部11と、受信した現状データに異常が検出された際に、パーソナルデータを参照して異常警報の優先度を判定するアラート優先度判定部25と、判定された優先度に基づいて異常警報を出力するアラート通知部27と、を有する。
【選択図】図1
Description
医療業務支援システムとしては、患者カルテの電子化などの情報処理が一般的であったが、近年では医療業務におけるミスを防止するための高度な支援が図られている。
また、前述した特許文献2では、患者の状態が予め設定しておいた警報条件になった際に、緊急対応を行うことができる。
しかし、これらの警報の基準となる条件設定は、異常の内容や状況に応じて設定されており、患者の状況によっては適切な警報を行うことができないことがあった。
本発明において、患者の生体情報は、いわゆるバイタルデータであって、患者を監視するバイタルモニタの各種項目、例えば血圧値や脈拍値、各部体温などが利用できる。また、処置情報は、薬剤投与や送液、加熱や冷却などの処置に関する情報が利用でき、各項目の設定状態および実際の動作状態として個々に利用することができる。
つまり、現状データに検出された異常が、一般的な患者には問題にならない事項であっても、特定の患者には体質的に重大な影響が予測される場合がある。このような場合、本発明では、パーソナルデータに記録された体質情報に基づいて、特定の患者にのみ異常警報を出力し、異常対応を行うことで重大な影響を回避することができる。
このように、本発明によれば、現状データの異常が同じであっても、患者のパーソナルデータに基づいて異常警報を判別することで、異常内容に応じかつ患者個人にも対応した適切な警報を行うことができる。
〔医療業務支援システム〕
図1には、本実施形態の医療業務支援システム1の構成が示されている。
医療業務支援システム1は、院内情報システムのネットワーク2に接続されている。
ネットワーク2には、診療記録データベース5が接続されている。
診療記録データベース5には、個々の患者4の診療記録(いわゆるカルテ情報)が登録されている。
医療業務支援システム1は、パーソナルデータ受信部11、設定状態受信部12、動作状態受信部13およびパーソナルデータベース14を有する。
設定状態受信部12は、ベッドサイドモニタ3から、患者4への投与薬剤やバイタルモニタの設定状態を受信し、この情報を現状データとしてパーソナルデータベース14に記録する。
動作状態受信部13は、ベッドサイドモニタ3から、患者4に対する送液状態や、血圧値および脈拍値の異常検出信号など、現在の動作状態を受信し、この情報を現状データとしてパーソナルデータベース14に記録する。
図2に示すように、パーソナルデータベース14は、患者データベース141と、現状データベース143とを有する。
患者データベース141は、患者4の「氏名」を含む患者情報を記録するとともに、患者4の診療情報をパーソナルデータ142として記録している。
パーソナルデータ142としては、例えば、現在治療中の「病名」「前回投与薬剤」「前回投与時刻」「前回報告危険度」などが記録される。
前述したように、これらパーソナルデータ142の情報は、主に診療記録データベース5から受信される。
機器データ144としては、例えば、送液ポンプの「投与薬剤」「現時刻」「送液状態」が記録される。
このうち、「投与薬剤」は設定状態に関するデータであり、「現時刻」「送液状態」は動作状態に関するデータである。「送液状態」は警報状態であり、指定通り送液されていれば0であるが、送液が指定されているのに停止していれば1を示す。
このうち、「血糖値モニタ」「脈拍値モニタ」は、モニタONのとき1、OFFのとき0とされる。これらの「血糖値モニタ」「脈拍値モニタ」は、設定状態に関するデータであり、設定状態受信部12により受信される。
また、「血糖値異常」「脈拍値異常」は、異常のとき1、正常のとき0とされる。「血糖値異常」「脈拍値異常」は、動作状態に関するデータであり、動作状態受信部13により受信される。
医療業務支援システム1は、パーソナルデータベース14を更新するために、前述したパーソナルデータ受信部11、設定状態受信部12、動作状態受信部13により必要な情報を収集する動作を繰り返す。
図3において、医療業務支援システム1は、パーソナルデータ受信部11で更新情報の有無を確認し(処理S31)、更新情報があればパーソナルデータベース14の該当項目を更新する(処理S32)。
続いて、動作状態受信部13で更新情報の有無を確認し(処理S35)、更新情報があれば現状データベース143の該当項目を更新する(処理S36)。
通知判定トリガーとしては、ポンプによる送液の開始、警報の発生、投与薬剤の変更、血圧低下などの変動など、適宜な条件が予め医療業務支援システム1に設定される。
アラート通知のための処理とは、更新情報の解析(処理S38)、アラート優先度の判定(処理S39)、アラート方法の選択(処理S3A)、アラート通知(処理S3B)の各処理であり、各々の詳細は後述する。
前述した各処理S38〜S3Bを実行するために、医療業務支援システム1は、パーソナルデータ解析部21、設定状態解析部22、動作状態解析部23、解析用データベース24、アラート優先度判定部25、アラート方法選択部26、アラート通知部27およびシナリオデータベース28を備えている。
設定状態解析部22は、パーソナルデータベース14の機器データ144およびバイタルモニタデータ145のうち設定状態に関するデータを解析し、解析用データベース24を参照して設定状態に関する解析値を算出する。
動作状態解析部23は、パーソナルデータベース14の機器データ144およびバイタルモニタデータ145のうち動作状態に関するデータを解析し、解析用データベース24を参照して動作状態に関する解析値を算出する。
図5において、「判定式」テーブル242には、判定式243が定義されている。判定式243は、前述したパーソナルデータ解析部21、設定状態解析部22、動作状態解析部23における解析で得られた解析値を用いた演算式によって定義されている。
このうち、「薬剤必須度」は前述した「薬剤必須度」テーブル2411から得られる解析値であり、「ポンプ動作状態」は機器データ144の「送液状態」に該当する。「モニタリング必須度」は前述した「モニタリング必須度」テーブル2412から得られる解析値である。
このほかの「前回危険度」「前回投与」「バイタル動作状態1」「バイタル動作状態2」については、「判定式」テーブル242の解析変数定義リスト244に定義されている。
図3に戻って、以上が処理S37の判定で通知判定トリガーが検出された際に先ず実行されるパーソナルデータベース14の更新情報の解析(処理S38)の内容である。
医療業務支援システム1は、処理S38に続いて、アラート優先度の判定(処理S39)、アラート方法の選択(処理S3A)、アラート通知(処理S3B)の各処理を実行する。
図6において、シナリオデータベース28には、多数のシナリオレコード280が登録されている。
シナリオレコード280は、それぞれシナリオ名281、優先アラート状況282、アラート方法283のフィールドを有する。
なお、アラート方法「ポンプで、大音量の警報音を発報」は、警報先が「ポンプ」であり、警報内容が「大音量の警報音を発報」ということである。
具体的には、前述した「ポンプ警報時の緊急度チェック」のシナリオが選択された場合、警報先「ポンプ」において、警報内容「大音量の警報音を発報」を実行し、周辺の医療スタッフにポンプの状態をチェックさせる。
シナリオデータベース28に記録されるシナリオとしては、例えば次のようなシナリオが用いられる。
ポンプで投与不可となるアラームが発報した場合、薬剤の効果・効能から、現在の患者状態に投与不可欠かどうか判定する。
(トリガー)ポンプで閉塞警報が発報、投与が停止を検出。
(解析)パーソナルデータ142の処方情報から、投与薬剤の効果効能を取得。
(判定)患者は薬剤投与が不可欠、薬剤投与不可の状態が危険であると判断。
(通知)ポンプ本体にフィードバック、通常よりも大きい音量で警報を発報。
ポンプで薬剤投与中にバイタルモニタからアラームが発報した場合、薬剤の効果・効能と患者情報から、現在の患者状態に投与継続が可能かどうか判定する
(トリガー)バイタルモニタで血圧低下警報が発報。
(解析)パーソナルデータ142の処方情報から、投与している薬剤の効果効能を取得。パーソナルデータ142の患者情報から、患者の疾患名を取得。
(判定)患者状態を検知し、薬剤の投与継続が危険であると判断
(通知)ポンプ本体にフィードバック、警報を発報し、薬剤の投与継続が危険であることを通知。
ポンプを使用して薬剤を投与する際、薬剤の効果・効能とバイタルモニタ情報から、現在の患者状態に投与可能かどうか判定する。
(トリガー)ポンプで降圧薬を投与する際、バイタルモニタの血圧が低下状態、または低下傾向にある。
(解析)パーソナルデータ142の処方情報から投与する薬剤の効果効能を取得。パーソナルデータ142のバイタルデータから、現在の血圧情報を取得。
(判定)血圧低下状態であることを検知し、薬剤(降圧薬)の投与が危険であると判断。
(通知)ポンプ本体にフィードバック、警報を発報。併せて、バイタルモニタ側にも血圧情報を点滅するなどして強調表示、どのバイタル情報を基に危険と判断したかを通知。
ポンプを使用して薬剤を投与する際、患者の投与実績と、薬剤の投与間隔情報から、十分な間隔が空いているか判定する。
(トリガー)ポンプで薬剤を投与する際、前回投与からの時間間隔が十分空いていない。
(解析)パーソナルデータの処方情報から、投与する薬剤の推奨投与間隔を取得。パーソナルデータの患者情報から、患者の投与実績を取得。
(判定)投与間隔が不十分であることを検知し、同一薬剤の投与が危険であると判断。
(通知)ポンプ本体にフィードバック、警報を発報し、投与間隔が不十分であることを通知。緊急時は、開始キー長押し等で強制開始することも可能とする。
3つ以上の関連するアラームが同時に発生し、かつ、患者情報にアラートに関連する注意事項か、要状態監視などの注意事項などが存在する場合。
(トリガー)患者情報に血圧を注視する指示があり、以下3つのアラームが同時に発生。
1.ポンプによる下流閉塞警報が発報(=薬剤注入が阻害)
2.バイタルモニタによる血圧低下のアラートが発生(=状態悪化1)
3.バイタルモニタによる脈拍数範囲外のアラートが発生(=状態悪化2)
(解析および判定)各アラームについて処理実行。
(通知)アラートのいずれも優先度「高」。このため、患者4のバイタルモニタに表示を行うとともに、緊急事態であることを示す最高レベルのアラートを、看護師の携帯端末と、ナースステーションの監視装置とにも通知する。
医療業務支援システム1において、前述のような解析(処理S38)、優先度の判定(処理S39)、アラート方法の選択(処理S3A)およびアラート通知(処理S3B)を実行する際には、図1のパーソナルデータベース14、解析用データベース24、シナリオデータベース28を参照しつつ、ワークメモリ上に解析用マトリックスを作成する。
アラートレコード31は、適用されるシナリオを示すシナリオ名311および該当する患者4を示す患者名312の各フィールドを有する。
解析値35には、解析処理(図3の処理S38)で算出するパラメータが記録される。具体的には、例えば図5の「判定式」テーブル242に定義された「バイタル動作状態1」「バイタル動作状態2」「前回危険度」「前回投与」などである。解析値35に記録されるパラメータは、これらに限らず、判定式36に記録される判定式で指定されたパラメータに応じて適宜変更される。
アラート方法38には、アラート方法の選択処理S3Aで選択されたシナリオ(前述したシナリオ名311にそのシナリオの名称が表示されたシナリオ)のアラート方法283が転記される。
そして、最大優先度のアラートに設定されたアラート通知処理S3Bを実行することで、患者4のパーソナルデータ32,142をも含めて考慮したうえで最優先に行うべき警報を実施することができる。
本実施形態によれば、患者4の現状データ(現状データベース143の機器データ144およびバイタルモニタデータ145)に異常が検出された際に、患者のパーソナルデータ142を参照して異常警報の優先度を判定し、この優先度に基づいて異常警報を出力することができる。
このように、本実施形態によれば、例え現状データの異常が同じであっても、患者4のパーソナルデータ142に基づいて異常警報を判別することで、異常内容に応じかつ患者個人にも対応した適切な警報を行うことができる。
このため、患者4の現状データに異常が検出された際に、患者4のパーソナルデータ142を参照して異常警報の優先度を判定し、さらにシナリオデータベース28を参照して該当する優先アラート状況282およびこれに対応するアラート方法283を迅速かつ確実に取得することができ、異常内容および患者個人にも対応した適切な警報を行うことができる。
このため、患者4の現状データに異常が検出され、患者のパーソナルデータを参照して異常警報の優先度を判定する際に、解析用データベース24を参照し、現状データの情報とパーソナルデータ142の情報との相関度合いを用いて判定を行うことができ、異常内容および患者個人にも対応した適切な警報を効率よく行うことができる。
なお、本発明は前記実施形態の構成に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲内の変形などは本発明に含まれるものである。
パーソナルデータ142としては、図2に例示した病名、前回投与薬剤、前回投与時刻、前回報告危険度に限らず、患者4に関係しかつ医療処置に影響をもつ事象であれば適宜採用することができる。
バイタルモニタデータ145としては、血圧値および脈拍値に限らず、患者4の生体情報であれば適宜採用することができる。
これらのシナリオは、シナリオデータベース28に一元化して記録してもよいが、他の情報記憶構造を利用してもよい。
前記実施形態では、解析用データベース24に解析用のデータテーブルを準備したが、これらの構造および情報内容は必要に応じて選択すればよい。
Claims (4)
- 患者に異常が検出された際に異常警報を出力する医療業務支援システムであって、
現在の前記患者の生体情報および前記患者に対する処置情報を含む現状データを受信する現状データ受信部と、
前記患者の治療記録を含むパーソナルデータを受信するパーソナルデータ受信部と、
前記現状データに異常が検出された際に、前記パーソナルデータを参照して前記異常警報の優先度を判定するアラート優先度判定部と、
前記優先度に基づいて前記異常警報を出力するアラート通知部と、を有することを特徴とする医療業務支援システム。 - 請求項1に記載された医療業務支援システムにおいて、
前記現状データに検出される異常内容と前記パーソナルデータの情報とを関連付けた優先アラート状況と、前記優先アラート状況に対応するアラート方法とを記録したシナリオデータベースを有することを特徴とする医療業務支援システム。 - 請求項1または請求項2に記載された医療業務支援システムにおいて、
前記現状データの情報と前記パーソナルデータの情報とを関連付けるとともに、各情報の相関度合いを示す情報を記録した解析用データベースを有することを特徴とする医療業務支援システム。 - 患者に異常が検出された際に異常警報を出力する医療業務支援システムの警告方法であって、
現在の前記患者の生体情報および前記患者に対する処置情報を含む現状データ、および、前記患者の治療記録を含むパーソナルデータを受信し、
前記現状データに異常が検出された際に、前記パーソナルデータを参照して前記異常警報の優先度を判定し、前記優先度に基づいて前記異常警報を出力することを特徴とする医療業務支援システムの警告方法。
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