JP2016171624A - 電動車両 - Google Patents
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Abstract
【課題】充電効率の悪化を抑制しながらメモリ効果を解消する。【解決手段】電動車両1のECU300は、メモリ効果が発生していない状態からのメインバッテリ150の正極電位の変化量であるメモリ量を推定し、推定したメモリ量を用いて実SOCにおける正極電位を算出する。そして、ECU300は、算出した正極電位に対応する、充電電力と充電効率との関係を示すデータを取得し、取得したデータを用いて充電効率が下限充電効率以上となるときの充電電力を算出するとともに、算出した充電電力でメモリ解消制御を実行する。【選択図】図4
Description
本発明は、電動車両に関し、より特定的には、蓄電装置でメモリ効果が発生した場合に蓄電装置を充電するメモリ解消制御を実行する、電動車両に関する。
従来から、走行用の動力源としてエンジンの他にモータを備えたハイブリッド車などの電動車両が知られている。このような電動車両は、車載の蓄電装置に蓄えられた電力を用いてモータを駆動して駆動輪を回転させることにより走行可能となっている。
蓄電装置には、ニッケルカドミウム電池またはニッケル水素電池が用いられることが多いが、このような正極にニッケル化合物を用いた二次電池では、蓄電量(以下、SOC(State of Charge)とも称する)が満充電に達する前に放電を行うサイクルを繰り返すことによって充電メモリ効果(以下、単にメモリ効果とも称する)が発生する。メモリ効果が発生すると、実際に使用していたSOCの範囲よりも高SOC側で蓄電装置の端子間電圧(蓄電装置における正極と負極との電位差、以下、電池電圧とも称する)が本来よりも高くなり、満充電に達する前であっても電池電圧が満充電時と同等レベルに達するといった現象が起こる。これにより、蓄電装置の充電受け入れ性が低下し、満充電時のSOCが実質的に減少してしまう。
そこで、特開2006−129588号公報(特許文献1)に開示された電源装置においては、メモリ効果の影響を受けて変動してしまうSOCに基づいて充放電を制御するのではなく、電池電圧および充放電電流の実測値に基づいて充放電を制御することにより、メモリ効果の影響を受けない範囲で充放電を制御することを可能とした。
メモリ効果は、実使用範囲よりも高SOC側の範囲まで蓄電装置を充電する制御(以下、メモリ解消制御とも称する)を実行することにより、充電した範囲まで解消することが知られている。
しかし、メモリ効果が発生すると、蓄電装置の正極電位(負極電位とは異なる所定の基準電位に対して正極活物質が持つ電気的な位置エネルギ)が本来よりも高くなり、充電時の副反応として正極から酸素が発生しやすくなる。このため、メモリ効果が発生している状態でメモリ解消制御などによる充電を行ってしまうと、充電電力の一部が酸素の発生に用いられてしまい、充電効率が悪化して燃費の悪化を招く虞がある。
特許文献1に開示された電源装置においては、メモリ効果の影響を受けない範囲で充放電を制御することが可能であっても、メモリ解消制御によってメモリ効果を解消することも、メモリ効果が発生している状態における充電時に充電効率が悪化することも、何ら鑑みられていない。このため、メモリ効果を解消するためにメモリ解消制御を行ったとしても、充電時には充電効率が悪化してしまい、燃費の悪化を招いてしまう。
本発明は上記の課題を解決するためになされたものであって、その目的は、充電効率の悪化を抑制しながらメモリ効果を解消することである。
本発明に係る電動車両は、蓄電装置と、蓄電装置でメモリ効果が発生した場合に蓄電装置を充電するメモリ解消制御を実行する制御装置とを備える。制御装置は、メモリ効果に起因する蓄電装置の正極電位の変化量に基づいて、メモリ解消制御を行うときの充電効率が所定値以上となる充電電力を算出し、算出した充電電力でメモリ解消制御を実行する。
上記の電動車両においては、メモリ効果に起因する蓄電装置の正極電位の変化量に基づき、正極における酸素の発生による充電電力の消費分を考慮して、充電効率が所定値以上となるときの充電電力でメモリ解消制御が行われる。これにより、充電効率の悪化を抑制しながらメモリ効果を解消することができる。
本発明の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、参照する図面において、同一または相当する部分には同一の参照番号を付してその説明は繰り返さない。
本実施の形態においては、電動車両の1つの例示的形態として、蓄電装置を外部からの電力を用いて充電(以下、外部充電とも称する)することが可能に構成されたハイブリッド車であるプラグインハイブリッド車について説明する。なお、本発明が適用可能な電動車両は、プラグインハイブリッド車に限定されるものではなく、外部充電のための構成を備えていないハイブリッド車であってもよい。
[電動車両1の基本構成]
図1を参照しながら、本実施の形態に係る電動車両1の全体構成を説明する。図1に示すように、電動車両1は、ECU(Electronic Control Unit)300と、メインバッテリ150と、システムメインリレー(以下、SMR(System Main Relay)とも称する)110と、PCU(Power Control Unit)200と、第1モータジェネレータ(以下、第1MGとも称する)10と、第2モータジェネレータ(以下、第2MGとも称する)20と、動力分割機構30と、エンジン100と、駆動輪350とを備える。ECU300は「制御装置」の一実施例に対応し、メインバッテリ150は「蓄電装置」の一実施例に対応する。
図1を参照しながら、本実施の形態に係る電動車両1の全体構成を説明する。図1に示すように、電動車両1は、ECU(Electronic Control Unit)300と、メインバッテリ150と、システムメインリレー(以下、SMR(System Main Relay)とも称する)110と、PCU(Power Control Unit)200と、第1モータジェネレータ(以下、第1MGとも称する)10と、第2モータジェネレータ(以下、第2MGとも称する)20と、動力分割機構30と、エンジン100と、駆動輪350とを備える。ECU300は「制御装置」の一実施例に対応し、メインバッテリ150は「蓄電装置」の一実施例に対応する。
ECU300は、いずれも図示を省略するが、CPU(Central Processing Unit)と、記憶領域を有するメモリと、バッファとを含む。ECU300は、所定の記憶領域に記憶されたマップやデータ、およびプログラムに基づいて、各センサからの信号を用いた演算処理を実行し、演算処理結果に応じた制御信号を出力する。なお、ECU300の一部もしくは全部は、電子回路などのハードウェアにより演算処理を実行するように構成されてもよい。
メインバッテリ150は、充放電が可能に構成された直流電源であり、たとえば、ニッケルカドミウム電池やニッケル水素電池など、正極にニッケル化合物を用いた二次電池で構成される。メインバッテリ150は、電動車両1の運転時に駆動力を発生させるための電力をPCU200に供給する一方で、電動車両1の回生制動時に第1MG10または第2MG20で発電された電力が供給されることで充電される。
メインバッテリ150には、監視ユニット152が設けられている。監視ユニット152は、メインバッテリ150の温度(以下、電池温度TBとも称する)、電池電圧(以下、電圧VBとも称する)、および充放電電流(以下、電流IBとも称する)の各々を検出し、その検出結果を示す信号をECU300に出力する。ECU300は、電圧VBおよび電流IBに基づいて、メインバッテリ150のSOCを算出する。SOCは、メインバッテリ150の満充電状態に対する現在の残容量の百分率で示される。
SMR110は、ECU300からの制御信号SE1に基づいて、閉成または開放される。SMR110が閉成された場合には、メインバッテリ150と電力線PL,NLとが電気的に連結され、メインバッテリ150からの電力が電力線PL,NLに供給可能となる。SMR110が開放された場合には、メインバッテリ150と電力線PL,NLとが電気的に分離され、メインバッテリ150からの電力が電力線PL,NLに供給不可能となる。
PCU200は、メインバッテリ150から供給された直流電力を交流電力に変換して、第1MG10および第2MG20に供給する。その一方で、PCU200は、第1MG10または第2MG20で発電された交流電力を直流電力に変換して、メインバッテリ150に供給する。
エンジン100は、たとえば、ガソリンエンジン、ディーゼルエンジンなどの内燃機関である。第1MG10および第2MG20は、たとえば、永久磁石がロータに埋設された三相交流回転電機である。動力分割機構30は、たとえば、遊星歯車機構であり、エンジン100が発生させた動力を、駆動輪350に伝達する動力と、第1MG10に伝達する動力とに分割する。
第1MG10は、動力分割機構30を介してエンジン100のクランク軸に連結される。第1MG10は、エンジン100を始動する際に、メインバッテリ150の電力を用いてエンジン100のクランク軸を回転させる。また、第1MG10は、エンジン100の動力を用いて発電(以下、エンジン発電とも称する)することも可能である。具体的に、エンジン100は、ECU300からの信号PWC1に基づいて、第1MG10に動力を伝える。PCU200は、ECU300からの信号PWC2に基づいて、エンジン100からの動力を用いて第1MG10に発電させ、エンジン発電された交流電力を直流電力に変換してメインバッテリ150に供給する。これにより、ECU300の制御によってエンジン発電された交流電力を用いてメインバッテリ150が充電される。なお、エンジン発電された交流電力は、第2MG20に供給される場合もある。
第2MG20は、メインバッテリ150の電力および第1MG10で発電された電力の少なくとも一方を用いて駆動軸を回転させる。また、第2MG20は、回生制動によって発電(以下、回生発電とも称する)することも可能である。回生発電された交流電力は、PCU200によって直流電力に変換されてメインバッテリ150に供給される。
電動車両1は、外部充電のための構成として、充電器260と、充電リレー(以下、CHR(Charge Relay)とも称する)280とを備える。ユーザは、充電ケーブル400を電動車両1に接続することにより、電動車両1と外部電源500(一般的な商用交流電源)とを接続することができ、外部電源500からの電力は、充電ケーブル400を介して電動車両1の充電器260に供給される。ECU300からの制御信号SE2に基づいてCHR280が閉成された場合には、メインバッテリ150と充電器260とが電気的に連結され、充電器260によって交流電力から直流電力に変換された電力がメインバッテリ150に供給される。これにより、外部電源500から供給される電力を用いてメインバッテリ150が外部充電される。
[メモリ解消制御]
以上のような構成を有する電動車両1においては、メインバッテリ150が過充電および過放電になることを防止するため、使用可能なSOCの範囲(以下、制御範囲とも称する)が決められている。たとえば、本実施の形態においては、SOCが40%〜80%となる制御範囲内において、ECU300により充放電が制御される。
以上のような構成を有する電動車両1においては、メインバッテリ150が過充電および過放電になることを防止するため、使用可能なSOCの範囲(以下、制御範囲とも称する)が決められている。たとえば、本実施の形態においては、SOCが40%〜80%となる制御範囲内において、ECU300により充放電が制御される。
しかし、電動車両1の使用環境によっては、ユーザによる実使用範囲が制限範囲よりも狭くなることがある。たとえば、あるユーザの実使用範囲が50%〜60%の場合、SOCが80%に達する前に放電を行うサイクルを繰り返すことになる。このようなサイクルで充放電を繰り返すと、実使用範囲よりも高SOC側(上記の例の場合、60%〜80%の範囲)でメモリ効果が発生してしまう。実使用範囲はユーザの使用態様や電動車両1の使用環境などによって変動するため、常に同じ実使用範囲であればメモリ効果の影響を受けないが、ユーザの使用態様や電動車両1の使用環境が変わって実使用範囲が変動すれば、メモリ効果の影響を受けてしまうことがある。
メモリ効果は、実使用範囲よりも高SOC側の範囲までメインバッテリ150を充電することにより、充電した範囲まで解消することが知られている。そこで、ECU300は、メモリ解消制御を実行して、実使用範囲よりも高SOC側の範囲までメインバッテリ150を充電することによって、メモリ効果を解消する。本実施の形態におけるメモリ解消制御では、エンジン発電によって供給される充電電力を用いて、制御範囲の上限である80%もしくはそれ以上のSOCに達するまでメインバッテリ150が充電される。
このように、メモリ解消制御を実行することによって、充電されたSOCの範囲までメモリ効果を解消することができる。しかし、メモリ効果が発生している状態において、メモリ効果が発生していない状態と同様の充電電力でメモリ解消制御などによる充電を行った場合、充電効率が悪化するといった問題が生じる。
図2および図3を参照しながら、メモリ効果の発生時の充電における充電効率の悪化について説明する。図2は、メモリ効果の未発生時および発生時におけるSOCに対する正極電位の変化の一例を示すタイミングチャートであり、図3は、メモリ効果の未発生時および発生時におけるSOCに対する充電効率の変化の一例を示すタイミングチャートである。なお、図2および図3において、実線はメモリ効果の未発生時におけるSOCに対する変化の一例を示し、破線はメモリ効果の発生時におけるSOCに対する変化の一例を示す。なお、図2および図3においては、制御範囲が40%〜80%であり、実使用範囲が50%〜60%である場合を例示する。
図2に示す例のように、制限範囲よりも実使用範囲が狭い場合、メモリ効果の発生時は、メモリ効果の未発生時に比べて、実使用範囲よりも高SOC側でメインバッテリ150の正極電位が高くなる。このように正極電位が本来よりも高くなると、充電時の副反応としてメインバッテリ150の正極から酸素が発生しやすくなる。このため、メモリ効果が発生している状態でメモリ解消制御などによる充電を行ってしまうと、充電電力の一部が酸素の発生に用いられてしまう。しかも、メモリ効果が発生していない状態からの正極電位の変化量(以下、メモリ量とも称する)が大きいほど、酸素の発生による充電電力の消費分が大きくなり、その影響で充電効率が悪化して燃費の悪化を招く虞がある。
たとえば、図3に示す例では、メモリ効果の発生時および未発生時ともに、5kwの充電電力で充電した場合の充電効率の変化を示しているとする。図3に示すように、実使用範囲において5kwで充電した場合は充電効率に影響がなくとも、制御範囲の上限SOC(本実施の形態においては、80%)付近において5kwで充電した場合、メモリ効果の発生時は、メモリ効果の未発生時(たとえば、メインバッテリ150の新品時)に比べて、充電効率が悪化してしまう。
このように、メモリ効果が発生している状態において、メモリ効果が発生していない状態と同様の充電電力でメモリ解消制御などの充電を行った場合、充電効率が悪化してしまい、燃費の悪化を招いてしまうといった問題が生じる。
上述した問題に鑑み、本実施の形態における電動車両1のECU300は、メモリ効果に起因するメインバッテリ150のメモリ量に基づき充電電力と充電効率との関係を示すデータを取得し、取得したデータを用いて充電効率が悪化しない充電効率以上となるときの充電電力でメモリ解消制御を実行する。
図4を参照しながら、ECU300が実行するメモリ解消制御について説明する。なお、図4に示すルーチンは、エンジンが稼働している状態において、たとえば、100msec間隔でECU300により実行される。また、各ステップは、基本的にはECU300によるソフトウェア処理によって実現されるが、ECU300内に作製されたハードウェア(電子回路)によって実現されてもよい。
図4に示すように、まず、ECU300は、全範囲(0%〜100%)に亘る各SOC(たとえば、1%刻みの各SOC)のメモリ量を推定する(S10)。全範囲に亘るメモリ量の推定は、所定の記憶領域に予め記憶された実験データを用いて、現時点における電池温度TBやSOCの実使用範囲などから推定することができる。なお、仮に、現時点のSOC(以下、実SOCとも称する)でメモリ量が生じていなくとも、実SOCよりも高SOC側でメモリ効果が発生していれば、実SOCにおいても正極活物質の電気化学反応は生じているため、たとえば、実SOCにおける電池温度TBなどを検出すれば、全範囲に亘るメモリ量を推定することは可能である。
次に、ECU300は、推定したメモリ量のうち、制御範囲の上限SOCにおけるメモリ量が所定の閾値以上であるか否かを判定することにより、メモリ解消制御を実行するか否かを判定する(S11)。
ECU300は、上限SOCにおけるメモリ量が閾値以上である場合(S11でYES)、メモリ解消制御を実行するため、S13に移行する。一方、ECU300は、上限SOCにおけるメモリ量が閾値以上でない場合(S11でNO)、メモリ解消制御の実行中であれば、メモリ解消制御を終了し(S12)、未だメモリ解消制御を実行していなければ、S12を実行することなく、本ルーチンを終了する。
ECU300は、S11の後、メモリ解消制御のための充電電力として仮予定の充電電力(以下、要求充電電力とも称する)を所定の記憶領域から読み出す(S13)。ここで、要求充電電力は、たとえば、電動車両1で用いられる最大の充電電力(たとえば、5kw)であってもよいし、現時点のSOCと所定の充電完了予定時刻とから算出される充電電力であってもよい。
ECU300は、S10で推定したメモリ量を用いて実SOCにおける正極電位を算出する(S14)。実SOCにおける正極電位は、メインバッテリ150の新品時の実SOCにおける正極電位に対して、推定した実SOCにおけるメモリ量を加算することにより、算出することができる。たとえば、メモリ効果が発生していれば、図2の実線で示す正極電位に対して、推定した実SOCにおけるメモリ量を加算することにより、図2の破線で示す正極電位を算出することができる。
ECU300は、実SOCにおける正極電位に対応する、充電電力と充電効率との関係を示すデータを取得する(S15)。ここで、本実施の形態においては、各充電電力で充電した場合における正極電位に対する充電効率を示すデータを所定の記憶領域に予め記憶している。たとえば、図5に示すように、1kwの充電電力で充電した場合の正極電位に対する充電効率のデータ、3kwの充電電力で充電した場合の正極電位に対する充電効率のデータ、および5kwの充電電力で充電した場合の正極電位に対する充電効率を示すデータなどが、所定の記憶領域に予め記憶されている。なお、所定の記憶領域には、これ以外の充電電力で充電した場合のデータが記憶されていてもよい。
S15において、ECU300は、上記のデータを用いて、図6に示すような実SOCにおける正極電位に対応する、充電電力と充電効率との関係を示すデータを取得する。たとえば、実SOCにおける正極電位に対応する、1kwの充電電力で充電した場合の充電効率、3kwの充電電力で充電した場合の充電効率、および5kwの充電電力で充電した場合の充電効率などをグラフにプロットしていけば、図6に示すようなデータを取得することができる。なお、上記のように、メインバッテリ150の電池電圧ではなく、負極電位を考慮しない正極電位の変化量(メモリ量)に基づき充電電力と充電効率との関係を示すデータを取得する理由は、電池電圧の場合、正極電位のみならず、充電効率に関与しない負極電位の変化も含まれてしまうからである。
ECU300は、S15で取得したデータを用いて、充電効率が所定の下限充電効率となるときの充電電力(以下、下限効率充電電力とも称する)を算出する(S16)。なお、下限充電効率は任意に設定することができるが、メモリ効果の未発生時の充電効率、もしくは充電効率が悪化しない充電効率に設定すればよい。たとえば、図3に示す例が5kwの充電電力で充電した場合の充電効率の変化を示しているとすると、5kwの充電電力で充電した場合のメモリ効果の未発生時の充電効率(すなわち、図3の実線で示す充電効率)を下限充電効率として設定してもよい。
ECU300は、S13で読み出した要求充電電力が、S16で算出した下限効率充電電力よりも高いか否かを判定する(S17)。
ECU300は、要求充電電力が下限効率充電電力よりも高い場合(S17でYES)、そのまま要求充電電力で充電してしまうと充電効率が下限充電効率よりも低くなってしまうため、メモリ解消制御に用いる充電電力を、下限効率充電電力に設定する(S18)。一方、ECU300は、要求充電電力が下限効率充電電力よりも低い場合(S17でNO)、そのまま要求充電電力で充電しても充電効率が下限充電効率よりも低くならないため、メモリ解消制御に用いる充電電力を、要求充電電力に設定する(S19)。
なお、充電効率を高めるという点からすると、図6に示すように、充電電力が低いほど充電効率が高くなる。しかし、充電時間を極力短縮してメモリ効果を早期に解消させることで、メインバッテリ150の劣化を防止して車両性能を安定させる点からすると、S16〜S19のように、下限充電効率を設定するとともに、充電効率が下限充電効率以上となるときの充電電力を算出する方が好ましい。
S18またはS19で充電効率が下限充電効率以上となる充電電力を設定した後、ECU300は、設定した充電電力でメモリ解消制御を開始する(S20)。すなわち、ECU300は、エンジン100およびPCU200を制御してエンジン発電を実行し、設定した充電電力でメインバッテリ150を充電する。その後、ECU300は、本ルーチンを終了する。
以上のように、本実施の形態における電動車両1のECU300は、メモリ効果に起因するメモリ量を推定し、推定したメモリ量を用いて実SOCにおける正極電位を算出する。そして、ECU300は、算出した正極電位に対応する、充電電力と充電効率との関係を示すデータを取得し、取得したデータを用いて充電効率が下限充電効率以上となるときの充電電力を算出するとともに、算出した充電電力でメモリ解消制御を実行する。
このように、メモリ効果に起因するメインバッテリ150のメモリ量に基づき、正極における酸素の発生による充電電力の消費分を考慮して、充電効率が悪化しない下限充電効率以上となるときの充電電力でメモリ解消制御が行われる。これにより、充電効率の悪化を抑制しながらメモリ効果を解消することができる。
[変形例]
本実施の形態においては、エンジン発電によって供給される充電電力を用いてメモリ解消制御を実行するものであったが、これに限らず、回生発電によって供給される充電電力を用いてメモリ解消制御を実行してもよいし、外部充電を利用してメモリ解消制御を実行してもよい。なお、回生発電による充電や外部充電を利用する場合、電動車両は、ハイブリッド車に限らず、エンジンを搭載しない電気自動車であってもよい。
本実施の形態においては、エンジン発電によって供給される充電電力を用いてメモリ解消制御を実行するものであったが、これに限らず、回生発電によって供給される充電電力を用いてメモリ解消制御を実行してもよいし、外部充電を利用してメモリ解消制御を実行してもよい。なお、回生発電による充電や外部充電を利用する場合、電動車両は、ハイブリッド車に限らず、エンジンを搭載しない電気自動車であってもよい。
本実施の形態においては、図4に示すルーチンのS10で全範囲(0%〜100%)に亘る各SOCのメモリ量を推定していたが、これに限らず、S11で用いる制限範囲の上限SOCのメモリ量およびS14で用いる実SOCのメモリ量のみを推定してもよい。このようにすれば、処理を簡素化することができる。
本実施の形態においては、図4に示すルーチンのS11で制御範囲の上限SOCにおけるメモリ量を判定しているが、これに限らない。たとえば、実SOCにおけるメモリ量が所定の閾値以上であるか否かを判定してもよい。なお、メモリ量は、SOCが高いほど大きくなる傾向があるため、メモリ効果の影響により制御範囲内で一定量以上のメモリ量が発生しているか否かを判断できる点からすると、上限SOCにおけるメモリ量を判定する方がより好ましい。また、S11のように、上限SOCにおけるメモリ量が閾値以上であるか否かを判定するものに限らず、上限SOCにおける推定された正極電位が閾値以上であるか否かを判定することにより、メモリ解消制御の実行有無を決定してもよい。
本実施の形態においては、図4に示すルーチンのS14で推定されたメモリ量を用いて実SOCにおける正極電位を算出し、算出した正極電位を用いて、S15で充電電力と充電効率との関係を示すデータを取得しているが、これに限らない。たとえば、電動車両1が、正極電位を測定できる測定手段を備えるものであれば、測定手段によって測定された正極電位を用いて、S15で充電電力と充電効率との関係を示すデータを取得してもよい。
本実施の形態においては、図4に示すルーチンのS13で要求充電電力を読み出すとともに、S17で要求充電電力と下限効率充電電力とを比較していたが、S13およびS17の処理を設けなくてもよい。すなわち、S16で算出した下限効率充電電力を、メモリ解消制御で用いる充電電力に必ず設定するものであってもよい。このようにすれば、処理を簡素化することができる。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 電動車両、10 第1モータジェネレータ、20 第2モータジェネレータ、30 動力分割機構、100 エンジン、110 システムメインリレー(SMR)、150 メインバッテリ、152 監視ユニット、200 PCU、260 充電器、280 充電リレー(CHR)、300 ECU、350 駆動輪、400 充電ケーブル、500 外部電源。
Claims (1)
- 蓄電装置と、
前記蓄電装置でメモリ効果が発生した場合に前記蓄電装置を充電するメモリ解消制御を実行する制御装置とを備え、
前記制御装置は、前記メモリ効果に起因する前記蓄電装置の正極電位の変化量に基づいて、前記メモリ解消制御を行うときの充電効率が所定値以上となる充電電力を算出し、算出した前記充電電力で前記メモリ解消制御を実行する、電動車両。
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