JP2016171543A - 通信装置、通信システム、通信方法、および、通信プログラム - Google Patents

通信装置、通信システム、通信方法、および、通信プログラム Download PDF

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Abstract

【課題】システムでの消費電力の増加量を抑えつつ、通信経路を確保する。
【解決手段】複数の通信装置を含むネットワーク中の第1の通信装置は、記憶部、設定部、送信部を備える。記憶部は、送信処理で使用する電力の大きさとパケットの宛先に対応付けて、パケットの転送先を記憶する。設定部は、送信に失敗した送信パケットの宛先装置と、送信パケットが到達しない第2の通信装置との組み合わせを示す情報とともに、転送経路の変更要求を取得すると、宛先装置宛てのパケットを転送する転送先装置を設定する。ここで、設定部は、宛先装置宛のパケットの転送に使用した第1の送信電力より大きい第2の送信電力と宛先装置に対応付けられた転送先を転送先装置に設定する。転送先装置が宛先装置と第2の通信装置のいずれとも一致しない場合、送信部は、組み合わせを示す情報と変更要求を、転送先装置に送信する。
【選択図】図1

Description

本発明は、複数の通信装置を含むネットワークで行われる通信に関する。
アドホックネットワークは、ネットワークに参加する通信装置が追加または削除された場合でも、動的にネットワークが形成される。通信装置間での配線が困難な場合には、無線アドホックネットワークが用いられることがある。無線アドホックネットワークでは、通信装置の周辺の環境の変化によって一部の経路が切断されても、自律的に通信経路が設定しなおされるため、利便性が高い。そこで、アドホックネットワークは、センサネットワークなど、通信装置の設置位置で得られる情報を収集するためのシステムに適用されることもある。この場合、個々の通信装置は、設置地点でデータを取得し、アドホックネットワークを用いて、予め決められた中継装置にデータを送信する。中継装置は、得られたデータを所定のサーバ等に送信する。
関連する技術として、宛先への経路情報がない場合、リアルタイム性が要求されない通信では、最小送信電力による経路探索を行う無線通信装置が提案されている。この無線通信装置は、最小送信電力による経路探索に失敗したときは、送信電力を段階的に上げて経路探索を行い、送信電力が所定値になるまで経路探索を繰り返す(例えば、特許文献1)。また、ルート検出の際にエラーが発生すると、自装置の送信電力を大きくしてからルートリクエストを再送信する制御装置が提案されている。この制御装置は、カバーエリアの増大後もエラーが発生すると自装置に近い中継局での送信電力を大きくしてルートリクエストを再送信する(例えば、特許文献2)。
特開2007−142658号公報 特開2001−7762号公報
アドホックネットワーク中の一部のリンクの切断により通信経路を再設定する場合、リンクの切断の原因や通信装置の配置によっては、通信経路の再設定に失敗することがある。この場合、アドホックネットワークに参加している各通信装置でのパケットの送信出力を大きくして、通信経路を再設定することになる。しかし、パケットの送信出力を大きくすると、通信装置での消費電力が大きくなってしまう。通信に失敗した通信装置に限ってパケットの送信電力を大きくすることにより、消費電力の増大を抑えることも考えられるが、リンクが切断された原因によっては、リンクが切断された通信装置での送信電力を変更しても通信できない可能性もある。
本発明は、システムでの消費電力の増加量を抑えつつ、通信経路を確保することを目的とする。
1つの態様では、複数の通信装置を含むネットワーク中の第1の通信装置として動作する通信装置は、記憶部、設定部、送信部を備える。記憶部は、送信処理で使用する電力の大きさとパケットの宛先に対応付けて、前記パケットの転送先を記憶する。設定部は、送信に失敗した送信パケットの宛先装置と、前記送信パケットが到達しない第2の通信装置との組み合わせを示す情報とともに、転送経路の変更要求を取得すると、前記宛先装置宛てのパケットを転送する転送先装置を設定する。ここで、設定部は、前記宛先装置宛のパケットの転送に使用した第1の送信電力より大きい第2の送信電力と前記宛先装置に対応付けられた転送先を転送先装置に設定する。前記転送先装置が前記宛先装置と前記第2の通信装置のいずれとも一致しない場合、送信部は、前記組み合わせを示す情報と変更要求を、前記転送先装置に送信する。
1つの側面として、システムでの消費電力の増加量を抑えつつ、通信経路を確保できる。
実施形態にかかる通信方法の例を説明する図である。 通信装置の構成の例を示す図である。 中継装置の構成の例を示す図である。 通信装置および中継装置のハードウェア構成の例を示す図である。 ネットワーク中での障害発生の例を説明する図である。 第1の経路と第2の経路の例を説明する図である。 ルート更新開始パケットの例を説明する図である。 回避要求パケットの例を説明する図である。 経路の変更処理の例を説明する図である。 終了通知パケットの例を説明する図である。 ケース2での第1の経路と第2の経路の例を説明する図である。 経路の変更処理の例を説明する図である。 ルート変更要求パケットの例を説明する図である。 経路の変更処理の例を説明する図である。 ルート更新開始パケットを受信した通信装置で行われる処理の例を説明するフローチャートである。 回避要求パケットを受信した通信装置で行われる処理の例を説明するフローチャートである。 ルート変更要求パケットを受信した通信装置で行われる処理の例を説明するフローチャートである。 中継装置で行われる処理の例を説明するフローチャートである。 第2の実施形態で行われる処理の例を説明する図である。 第2の実施形態で行われる処理の例を説明するフローチャートである。
図1は、実施形態にかかる通信方法の例を説明する図である。図1に示す無線ネットワークには、ノードA〜Eが含まれている。まず、経路R1に示すように、ノードAは、ノードB、ノードC、ノードDを介して、ノードEと通信しているとする。ノードA〜Eの各装置は、経路R1を使用する際には、第1の送信電力を使用しているとする。その後、ノードCとノードDの間の経路の状況が変動したことにより、ノードCがノードDにパケットを送信できなくなったとする。ノードCは、ノードE宛てのパケットをノードDに転送できないことを、パケットの送信元であるノードAに通知する。
ノードAは、ノードEとの間の通信経路を確立するために、第1の送信電力よりも大きい第2の送信電力を用いて、ノードEに至る経路の探索処理を行う。第2の送信電力を用いた経路探索により、図1の経路R2が得られたとする。経路R2では、ノードAは、ノードB、ノードDを介して、ノードEと通信できる。ノードA、ノードB、ノードDは、第2の送信電力に対応付けて、ノードE宛てのパケットの転送先を記憶する。
ノードAは、経路R2が得られると、経路R1を用いた時にノードE宛てのパケットの転送に失敗した装置であるノードCに対して、ルート更新の開始を通知する。ノードCは、第1の送信電力よりも大きな送信電力に対応付けて、ノードE宛てのパケットの転送先を記憶しているかを判定する。図1の例では、ノードCは経路R2に示すノードAからノードEに至る経路に含まれていないので、ノードCは、第1の送信電力よりも大きな送信電力を用いたときのノードE宛てのパケットの転送先を記憶していない。そこで、ノードCは、ノードCからはパケットがノードEに到達しないと判定して、ノードE宛てのパケットの転送先としてノードCを回避することを要求するための回避要求パケットをブロードキャストする。ここで、ノードCは、ノードE宛てのパケットがノードDに到達しないため、ノードCを経由した経路が使用できないことを表す情報を、回避要求パケットに含めている。
ノードBは、ノードCからブロードキャストされた回避要求パケットを受信する(経路R3の矢印X)。ノードBは、ノードCの回避が要求されているのでノードCを通らずにノードE宛てのパケットを転送する経路を保持しているかを、ルーティングテーブルを用いて判定する。このとき、ノードBは、第1の送信電力よりも大きな電力を使用する経路から、使用する経路を選択する。図1の経路R2に示すように、ノードBは、第2の経路に含まれており、ノードBが第2の経路を用いてノードE宛てのパケットを転送すると、パケットはノードDに転送される。そこで、ノードBは、ノードE宛てのパケットの転送に使用する経路を、第2の送信電力を使用した場合の経路に切り替える。さらに、ノードBは、切り替え後の転送先が、転送処理に失敗したパケットの最終的な宛先か、パケットの転送の失敗によりパケットが到達していない装置のいずれかと一致するかを判定する。図1の例では、転送処理に失敗したパケットの最終的な宛先はノードEである。また、ノードBには、回避要求パケットにより、ノードDにパケットが到達しないことにより、ノードE宛てのパケットが転送できないことが通知されている。そこで、ノードBは、パケットの転送の失敗によりパケットが到達しなかったノードDにパケットを転送できるので、ノードE宛てのパケットを、ノードCを迂回して転送するルートができたと判定する。そこで、ノードBは、経路変更の終了をノードAに通知する。すると、ノードAは、ノードE宛てのパケットを再送する。
このため、実施形態にかかる方法では、図1に示す経路R3が使用される。経路R3では、ノードAとノードBの間のリンクと、ノードDとノードEの間のリンクは、経路R1と経路R2で共通なので、経路R1と同様に、第1の送信電力を用いる区間として、経路R3に組み込まれている。一方、ノードBでの転送先の変更により、ノードE宛てのパケットは、第2の送信電力を用いてノードBからノードDに転送されるので、ノードBからノードDへの転送では、経路R2の一部が使用されている。
すなわち、経路R3では、第1の送信電力を用いて通信できる経路R1のうちで通信に失敗しているリンクを迂回するために、第2の送信電力を用いて生成した経路R2が使用される。さらに、経路R3では、経路R2と経路R1で共通して使用されるリンクは、経路R1を用いる際と同様に第1の送信電力で使用される。このため、実施形態にかかる方法では、システムでの消費電力の増加を抑えつつ、通信経路を確保できる。
<装置構成>
以下、通信装置10が、設置地点でのデータを取得し、中継装置40の要求に応じてデータを中継装置40に通知する場合を例として説明する。通信装置10と中継装置40のいずれも無線通信を行う。このため、以下の説明では、ある通信装置10から送信されたパケットを受信することができる範囲内に位置する装置のことを、通信装置10に「隣接する」装置と記載することがある。同様に、中継装置40から送信されたパケットを受信できる通信装置10を、中継装置40に隣接した通信装置10と記載することもある。
図2は、通信装置10の構成の例を示す図である。通信装置10は、送受信部13、制御部20、記憶部30を備える。送受信部13は、受信部11と送信部12を備える。制御部20は、振り分け部21、経路生成処理部22、経路設定部23、転送処理部24を備える。記憶部30は、ルーティングテーブル31を記憶し、さらに、通信装置10の処理に使用される情報を、適宜、記憶する。
受信部11は、ネットワーク中の他の通信装置10や中継装置40からパケットを受信し、受信したパケットを振り分け部21に出力する。送信部12は、ネットワーク中の他の通信装置10や中継装置40に向けてパケットを送信する。振り分け部21は、入力されたパケットを、そのパケットの種類に応じた出力先に出力する。
経路生成処理部22は、経路生成に使用される制御パケットを処理することにより、経路の生成処理を行う。経路生成処理部22は得られた転送経路を、転送処理に使用される送信電力に対応付けてルーティングテーブル31に記録する。経路設定部23は、ルーティングテーブル31に含まれている複数の経路のうちで有効にする経路の情報を決定することにより、転送経路を設定する。経路設定部23で行われる処理については後で詳しく説明する。転送処理部24は、通信装置10が受信したパケットのうち、他の通信装置10や中継装置40に転送するパケットの転送処理を行う。
図3は、中継装置40の構成の例を示す図である。中継装置40は、送受信部13、記憶部30、制御部50を備える。送受信部13の動作と記憶部30に保持されている情報は、中継装置40においても通信装置10と同様である。制御部50は、振り分け部21、経路生成処理部22、経路設定部23、転送処理部24、および、データ要求部51を有する。また、振り分け部21、経路生成処理部22、経路設定部23、転送処理部24の処理は、中継装置40においても通信装置10と同様である。
データ要求部51は、定期的に、通信装置10にデータの送信を要求するためのデータ要求パケットを生成する。データ要求部51は、ルーティングテーブル31を参照して、データ要求パケットの転送先を決定すると、送信部12を介して、データ要求パケットを転送先に送信する。
図4は、通信装置10および中継装置40のハードウェア構成の例を示す図である。通信装置10は、プロセッサ100a、バス101(101a、101b)、タイマIC(integrated circuit)104、DRAM(Dynamic Random Access Memory)106、フラッシュメモリ107、無線モジュール108を備える。バス101a、101bは、プロセッサ100a、タイマIC104、DRAM106、フラッシュメモリ107、無線モジュール108の間を、相互にデータを入出力できるように接続する。中継装置40は、プロセッサ100b、バス101(101d〜101f)、PHYチップ103、タイマIC104、DRAM106、フラッシュメモリ107、無線モジュール108を備える。バス101d〜101fは、プロセッサ100b、タイマIC104、DRAM106、フラッシュメモリ107、無線モジュール108の間を、相互にデータを入出力できるように接続する。
プロセッサ100(100a、100b)は、Micro-Processing Unit(MPU)などの任意の処理回路である。プロセッサ100a、100bは、フラッシュメモリ107に格納されたファームウェアなどのプログラムを読み込んで処理を行う。このとき、プロセッサ100は、DRAM106をワーキングメモリとして使用できる。
通信装置10において、プロセッサ100aは制御部20として動作し、DRAM106は記憶部30を実現する。また、無線モジュール108は送受信部13として動作する。タイマIC104は、パケットの転送に成功したかの判定の際に行われる時刻情報の取得などに用いられる。
中継装置40において、プロセッサ100bは、制御部50として動作する。中継装置40中のタイマIC104は、データを収集する周期の測定に用いられるため、データ要求部51の一部として動作する。中継装置40においても、DRAM106は、記憶部30として動作し、無線モジュール108は、送受信部13として動作する。さらに、中継装置40は、PHYチップ103を介して他のネットワークとの間の通信を行うことができる。
なお、ファームウェアなどのプログラムは、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体に格納されて提供され、通信装置10や中継装置40にインストールされてもよい。また、プログラムは、ネットワークからPHYチップ103や無線モジュール108を介してダウンロードされることにより通信装置10や中継装置40にインストールされてもよい。さらに、実施形態に応じて、DRAM106やフラッシュメモリ107以外の他の種類の記憶装置が利用されることがある。また、通信装置10および中継装置40は、コンピュータによって実現されても良い。
<第1の実施形態>
図5は、ネットワーク中での障害発生の例を説明する図である。以下の説明では、処理を行っている装置をわかりやすくするために、中継装置40の識別子としてGWを用い、通信装置10については、「ノード」という文字列と通信装置の識別に使用するアルファベットを示すことがある。さらに、通信装置10や中継装置40の内部の説明を行うときは、符号の末尾に、通信装置10または中継装置40に割り当てられた識別子と同じアルファベットの小文字を付すものとする。例えば、経路要求部21aは、ノードAに含まれている経路要求部21を指す。さらに、ルーティングテーブル31中の情報が更新されていく様子を分かりやすくするために、以下の説明では、参照番号の後に、ハイフンを挟んで、数字を記載する。例えば、図5の例では、中継装置40が保持しているルーティングテーブル31に、「31gw−1」という番号を付している。
図5を参照しながら、まず、パケットの送信処理が失敗する前に行われている通信について説明する。図5に示すネットワークには、中継装置40とノードA〜ノードEが含まれている。パケットの送信処理に失敗する前は、中継装置40およびノードA〜ノードEのいずれも、1mWの送信電力で通信を行っている。以下、中継装置40中のデータ要求部51は、定期的に、ノードA〜Eに対して、データの送信を要求し、ノードA〜Eは、データの送信の要求に応じて、パケットを中継装置40に返信する場合を例として説明する。
図5には、一部の装置が保持しているルーティングテーブル31中の情報も示す。パケット送信の失敗前は、中継装置40はルーティングテーブル31gw−1、ノードBはルーティングテーブル31b−1、ノードCはルーティングテーブル31c−1、ノードDはルーティングテーブル31d−1を保持している。図では、見やすくするために、中継装置40から遠ざかる方向に向かう経路の情報を示している。ルーティングテーブル31は、経路ごとに、目的ノード、転送先、送信電力、有効フラグが対応付けられている。目的ノードは、パケットの最終的な宛先である。転送先は、目的ノードにパケットを転送する際の転送先となる装置である。送信電力は、パケットを転送先に転送する際に使用される電力の大きさを示す。有効フラグは、目的ノードへのパケットの転送に使用されている経路の情報であるかを示す。以下の説明では、有効フラグの値が丸印になっている経路は有効な経路として、パケットの転送処理に使用されるものとする。一方、有効フラグによって有効な経路に設定されていない経路は、ルーティングテーブル31に含まれていてもパケットの転送処理に使用されない。
障害の発生前は、中継装置40はルーティングテーブル31gw−1の5番目のエントリに従って、ノードE宛のパケットを1mWの送信電力でノードBに転送する。同様に、ノードBは、ルーティングテーブル31b−1の3番目のエントリを用いて、ノードE宛のパケットを1mWの送信電力でノードCに転送する。ノードCは、ルーティングテーブル31c−1の2番目のエントリを用いて、ノードE宛のパケットを1mWの送信電力でノードDに転送する。ノードDは、ルーティングテーブル31d−1中のエントリを用いて、ノードE宛のパケットを1mWの送信電力でノードEに転送する。従って、中継装置40から送信されたノードE宛のパケットは、ノードB、ノードC、ノードDを介して、ノードEに送信される。このとき、ノードE宛のパケットは、いずれの装置においても1mWの送信電力で送信される。
その後、図5に示すように、ノードCとノードDの間で伝搬路の状態が変化したことにより、ノードCは、1mWの送信電力を用いたときにノードDへのパケットの転送に失敗するようになったとする。すると、ノードCの転送処理部24cは、ノードE宛のパケットの転送に失敗したことを中継装置40(GW)に通知するための通知パケットを生成し、送信部12cを介して中継装置40に向けて転送する。さらに、転送処理部24cは、ルーティングテーブル31c−1の経路のうち、ノードDを介してノードEへパケットを転送する転送経路を無効にする(図6のルーティングテーブル31c−2を参照)。
ここで、図5中には記載されていないが、ネットワーク中の各通信装置10は中継装置40へパケットを転送するための経路を保持している。このため、中継装置40は、ノードBを介して、ノードCからの通知パケットを受信する。中継装置40は、現在使用中の電力を用いて、ノードEに至る新たな経路を生成できる可能性があるかを、ルーティングテーブル31gw−1を用いて判定する。ここでの判定方法は、既知の任意の方法である。中継装置40は、現在使用中の電力を用いて、ノードEに至る新たな経路が得られないと判定すると、現在使用中の経路のうちで通信に失敗している箇所を迂回する経路を生成するための処理を開始する。以下、中継装置40(GW)からノードEに至る経路を再生成する際に行われる処理の例を、ケース1とケース2に分けて説明する。
(1)ケース1
ケース1では、第1の経路に含まれている通信装置10を用いて、経路が再生成される場合について説明する。
図6は、第1の経路と第2の経路の例を説明する図である。図6では、第1の経路を実線の矢印、第2の経路を一点鎖線の矢印で示す。第1の経路は、図5を参照しながら説明した、ノードCとノードDの間で伝搬路の状態が変化する前に中継装置40からのノードE宛のパケットの転送に使用されていた経路である。第2の経路は、これから述べる経路検索により得られる経路である。第2の経路の検索には、第1の経路での通信に使用される電力より大きな電力が使用される。
中継装置40(GW)中の経路生成処理部22gwは、現在使用中の電力を用いて、ノードEに至る新たな経路が得られないと判定すると、使用中の電力よりも大きな電力での通信経路(第2の経路)を検索するための経路探索パケットを生成する。以下の説明では、10mWの送信電力を用いた場合の経路が第2の経路として求められる場合の例を用いて説明するが、第2の経路の探索の際に使用される送信電力は、第1の経路での通信に使用される送信電力よりも大きな任意の値である。経路探索パケットには、経路の始点の情報、経路の終点となる通信装置10の情報、通信に使用する送信電力、経路の始点から経路探索パケットを生成したノードまでのコスト値などの情報が含まれる。例えば、経路生成処理部22gwによって、探索対象の経路の始点が中継装置40、探索対象の経路の終点がノードE、通信に使用する電力が10mW、コスト値が0であることを示す経路探索パケットが生成されたとする。なお、中継装置40は探索対象の経路の始点であるので、中継装置40が生成する経路探索パケットでは、コスト値は0に設定される。経路生成処理部22gwは、生成した経路探索パケットを、送信部12gwを介して、中継装置40に隣接する装置にブロードキャストする。このため、ノードAとノードBが経路探索パケットを、中継装置40から受信したとする。
経路探索パケットを受信した各装置の経路生成処理部22は、受信部11および振り分け部21を介して経路探索パケットを取得すると、経路探索パケットを用いて探索されている経路の始点から自ノードまでのコスト値を求める。なお、探索中の経路の始点から自ノードまでのコスト値は、経路探索パケットで通知されたコスト値と、経路探索パケットを送信してきた装置と自ノードの間の経路のコスト値を用いて計算される。経路生成処理部22は、求めたコスト値と共に、探索中の経路の始点と終点の情報を含めた経路探索パケットを生成し、送信部12を介してブロードキャストする。この処理は、経路探索パケットで探索されている終点以外の通信装置10によって繰り返される。図6の例では、ノードBが10mWで送信した経路探索パケットがノードCとノードDとに到達したとする。また、ノードDが送信した経路探索パケットは、ノードEに到達したとする。
ノードE中の経路生成処理部22eは、経路探索パケットを用いて、中継装置40と通信する際のパケットの転送先としてノードDを使用できることを特定すると、送信部12eを介して、ノードDに応答パケットを送信する。
ノードDの受信部11dは、ノードEから送信された応答パケットを受信し、振り分け部21dに出力する。振り分け部21dは、応答パケットを経路生成処理部22dに出力する。すると、経路生成処理部22dは、ノードE宛のパケットの転送先をノードEに決定するので、ルーティングテーブル31d−1(図5)をルーティングテーブル31d−2(図6)に更新する。このとき、経路生成処理部22dは、新たに得られた経路の有効フラグを無効(図6では×印)に設定する。さらに、経路生成処理部22dは、ノードDに経路探索パケットを送信してきたノードBに対して、応答パケットを送信する。
ノードDから応答パケットを受信すると、ノードBは、ノードDがノードEから応答パケットを受信したときの処理と同様の処理を行う。このため、ノードBは、ルーティングテーブル31b−1(図5)に送信電力が10mWの場合の経路を追加することにより、ルーティングテーブル31b−2を得ると共に、中継装置40に応答パケットを送信する。応答パケットを受信したときの中継装置40でもノードBと同様にルーティングテーブル31の更新が行われる。このため、経路生成処理部22gwによって、ルーティングテーブル31gw−1(図5)がルーティングテーブル31gw−2(図6)に更新される。第2の経路では、中継装置40からノードEに至る経路は、ノードBとノードDを経由し、中継装置40、ノードB、ノードDでの送信電力は10mWである。
なお、図6は一例であり、例えば、経路の終点のノードが複数のノードから経路探索パケットを受信しても良い。この場合、経路の始点から終点までのコストが最小の経路が採用される。また、応答パケットを受信したノードが複数のノードから経路探索パケットを受信した場合も、応答パケットを受信したノードは、経路の始点から終点までのコストが最小となるように、応答パケットの送信先を決定する。このように、経路中の各装置が経路のコストが最小となる経路探索パケットの送信元に応答パケットを送信することにより、第2の経路の生成が行われる。
中継装置40の経路生成処理部22gwは、第2の経路が得られると第2の経路の探索の終了を経路設定部23gwに通知する。すると、経路設定部23gwは、ルート更新開始パケットP1を生成する。ルート更新開始パケットは、第1の経路を使用したときにパケットが到達しない装置か、第1の経路での送信に失敗しているパケットの最終宛先までの迂回経路を、第2の経路を用いて生成することを要求するための制御パケットである。ルート更新パケットに含まれている情報要素については、図7を参照しながら説明する。ルート更新開始パケットは、第1の経路での転送処理に失敗した通信装置10に充てて送信される。図6の例ではノードCからノードDへのパケットの転送が失敗しているので、経路設定部23gwは、ノードC宛のルート更新開始パケットP1を生成し、ノードCに向けて送信する。なお、ルート更新開始パケットは、第1の経路を用いて、ノードCに転送されるが、図6では、図を見やすくするために、中継装置40とノードCを直接結ぶ矢印で、ルート更新開始パケットP1の転送を図示している。
図7は、ルート更新開始パケットの例を説明する図である。ルート更新開始パケットのフォーマットを、図7のF1に示す。図7は、さらに、ルート更新開始パケットP1に含まれている情報要素の具体例も示している。
ルート更新開始パケットには、受信PID(Personal Area Network ID)、受信アドレス、送信PID、送信アドレス、コマンドID、通信不可装置ID、終点装置ID、変更前出力、変更後出力、チェックサムが含まれる。受信PIDと受信アドレスの組合せは、ルート更新開始パケットの宛先の特定に使用される。ルート更新開始パケットP1では、受信PIDと受信アドレスにより、ノードCが特定される。送信PIDと送信アドレスの組合せは、ルート更新開始パケットの送信元の特定に使用される。ルート更新開始パケットP1では、送信PIDと送信アドレスにより、中継装置40(GW)が特定される。コマンドIDは、制御パケットの種類の特定に使用される。ルート更新開始パケットでは、コマンドIDは、ルート更新開始を示す値である。
通信不可装置IDは、第1の経路を用いたときにパケットが到達しない装置を特定する情報である。ルート更新開始パケットP1では、通信不可装置IDはノードDの識別情報に設定される。終点装置IDは、更新される経路でのパケットの最終宛先の情報であり、第1の経路の終点に設定されている装置の特定に使用される。ルート更新開始パケットP1では、終点装置IDは、ノードEの識別情報に設定される。変更前出力は、第1の経路で使用されている送信電力である。ルート更新開始パケットP1の場合、変更前出力は1mWである。変更後出力は、第2の経路で使用されている送信電力である。ルート更新開始パケットP1の場合、変更後出力は10mWである。
以下、図7に示すルート更新開始パケットP1を受信したときのノードCで行われる処理の例を説明する。ノードCの振り分け部21cは、受信部11cを介してルート更新開始パケットP1を取得する。振り分け部21cは、ルート更新開始パケットP1の受信PIDと受信アドレスの組合せがノードCを表わしているので、ルート更新開始パケットP1は自ノード宛のパケットであると判定する。振り分け部21は、コマンドIDの値がルート更新開始を示す値であるので、ルート更新開始パケットP1を経路設定部23cに出力する。
経路設定部23cは、ルート更新開始パケットP1中の終点装置IDと変更後出力を用いて、ノードE宛に10mWで送信するときの経路を使用することが要求されたと判定する。そこで、経路設定部23cは、ノードE宛のパケットを10mWで送信するための経路がルーティングテーブル31cに含まれているかを判定する。この時点では、ノードCは、ルーティングテーブル31c−2(図6)を保持している。ルーティングテーブル31c−2には、送信電力=10mWに対応付けられたノードE宛の経路が含まれていない。そこで、経路設定部23cは、ノードCを介した経路ではノードEにパケットが到達しないと判定し、ノードE宛のパケットの転送経路をノードCに到達する前に変更することを決定する。経路設定部23cは、ノードE宛のパケットがノードCに到達することを回避するために、回避要求パケットを生成する。
図8は、回避要求パケットの例を説明する図である。回避要求パケットのフォーマットを、図8のF2に示す。回避要求パケットには、受信PID、受信アドレス、送信PID、送信アドレス、コマンドID、要求元ID、通信不可装置ID、終点装置ID、変更前出力、変更後出力、チェックサムが含まれる。受信PID、受信アドレス、送信PID、送信アドレス、通信不可装置ID、終点装置ID、変更前出力、変更後出力、チェックサムは、回避要求パケットでもルート更新開始パケットと同様である。ただし、回避要求パケットは、回避要求パケットの送信元に隣接する全ての装置にブロードキャストされるので、受信PIDと受信アドレスの組み合わせは、送信元に隣接する全ての装置を意味する値である。回避要求パケットでは、コマンドIDは、回避要求を示す値に設定される。また、要求元IDは、回避要求によって、終点装置に至る経路に自ノードを含めないことを要求している装置を特定する情報であり、回避要求パケットの送信元の装置の識別情報である。
図8のP2は、経路設定部23cが生成する回避要求パケットP2の例である。経路設定部23cは、ノードE宛のパケットの転送経路にノードCを含めないことを要求するために、回避要求パケットP2の終点装置をノードE、要求元をノードCに設定する。さらに、経路設定部23cは、第1の経路ではパケットが到達しない装置の情報、変更前出力、変更後出力の情報を、ルート開始要求P1(図7)から抽出して、回避要求パケットP2に含める。このため、回避要求パケットP2においても、ルート開始要求P1と同様に、通信不可装置=ノードD、変更前出力=1mW、変更後出力=10mWに設定される。経路設定部23cは、生成した回避要求パケットP2を、送信部12cを介してブロードキャストする。
図9は、経路の変更処理の例を説明する図である。図9に、ノードCから送信された回避要求パケットP2がノードBに到達する様子を示す。ノードBの受信部11bは、回避要求パケットP2を受信すると、振り分け部21bに出力する。振り分け部21bは、回避要求パケットP2の受信PIDと受信アドレスがブロードキャストを示しているので、回避要求パケットP2を自ノードでの処理対象であると判定する。振り分け部21bは、コマンドIDの値が回避要求を示す値であるので、回避要求パケットP2を経路設定部23bに出力する。
経路設定部23bは、回避要求パケットP2の送信元が、ノードBにとって、回避要求パケットP2中の終点装置IDで識別される装置へのパケットの転送先であるかを判定する。ここで、経路設定部23は、終点装置宛のパケットの転送先以外の装置から回避要求パケットを取得した場合、回避要求パケットを廃棄する。図8に示すように回避要求パケットP2によって、ノードE宛のパケットの転送経路にノードCを含めないことが要求されている。ここで、ルーティングテーブル31b―2に示すように、ノードBは、ノードE宛のパケットをノードCに転送している。このため、経路設定部23bは、回避要求パケットP2によって、ノードBでの転送先の変更が要求されていると判定する。
経路設定部23bは、回避要求パケットP2中の終点装置ID、変更後出力、要求元の情報を用いて、ノードE宛に10mWで送信するときの経路で、かつ、ノードC以外が転送先となっている経路を使用することが要求されたと判定する。そこで、経路設定部23bは、回避要求パケットP2で通知された条件に合う経路がルーティングテーブル31b−2(図9)に含まれているかを判定する。ルーティングテーブル31b−2の4番目のエントリには、ノードE宛のパケットを10mWで送信する際に、転送先がノードDであることが記憶されている。経路設定部23bは、回避要求パケットP2で通知された条件に合致する経路が見つかったため、ルーティングテーブル31b−2の4番目のエントリを有効にする。さらに、現在、ノードE宛のパケットの転送先に使用しているルーティングテーブル31b−2の3番目のエントリを無効に設定する。このため、ルーティングテーブル31b−2は、ルーティングテーブル31b―3に更新される。
次に、経路設定部23bは、有効にした経路での転送先が、第1の経路が使用されたときにパケットが到達しない装置(通信不可装置)か、変更対象の経路の最終宛先(終点装置)のいずれかであるかを判定する。有効化された経路での転送先と、通信不可装置が一致する場合、経路設定部23bでの経路変更によって、通信不可装置へパケットを到達させるための迂回経路が生成できたことになる。一方、有効化された経路での転送先と、変更対象の経路の最終宛先が一致する場合、通信不可装置を介さずに、パケットの最終宛先に対する迂回経路が得られたことになる。すなわち、有効化された経路での転送先が通信不可装置か、変更対象の経路の最終宛先のいずれかである場合、最終的な宛先にパケットを到達させるための経路が確保さるので、経路の変更処理は終了できる。
図9の例では、経路設定部23bが有効にした経路での転送先がノードDであるのに対し、通信不可装置はノードD、変更対象の経路の最終宛先はノードEである。従って、経路設定部23bによるルーティングテーブル31bの変更により、通信不可装置への迂回経路が生成されたことになる。そこで、経路設定部23bは、経路変更の終了を通知するための終了通知パケットP3を生成し、送信部12bを介して、中継装置40に送信する。終了通知パケットP3については、図10を参照しながら詳しく説明する。中継装置40のデータ要求部51gwは、終了通知パケットP2を受信すると、送信に失敗したパケットを再送するために使用する経路が得られたと判定し、送信部12gwを介して、ノードE宛のパケットを再送する。
図10は、終了通知パケットの例を説明する図である。終了通知パケットのフォーマットを、図10のF3に示す。終了通知パケットは、受信PID、受信アドレス、送信PID、送信アドレス、コマンドID、通信不可装置ID、終点装置ID、変更前出力、変更後出力、チェックサムが含まれる。終了通知パケットでは、コマンドIDは、経路変更の終了を表わす値である。
図10は、経路設定部23bが生成する終了通知パケットP3の例も示している。経路設定部23bは、終了通知パケットP3の通信不可装置=ノードD、変更対象の経路の最終宛先=ノードE、変更前出力=1mW、変更後出力=10mWに設定する。なお、これらの情報は、ノードBが受信した回避要求パケットP2から抽出されている。さらに、受信PIDと受信アドレスには、中継装置40を示す値が使用され、送信PIDと送信アドレスには、ノードBを示す値が使用される。なお、ネットワーク中の各通信装置10は、経路の変更が中継装置40から要求されることと、経路の変更の終了を中継装置40に通知することを予め記憶しているものとする。
図9に戻って、ケース1によって生成された変更後の経路と、各リンクで使用される送信出力の関係を考察する。図9では、転送に使用される送信電力を分かりやすくするために、1mWが使用されるリンクの矢印を実線、10mWが使用されるリンクの矢印を太い一点鎖線で示している。さらに、第1の経路のうちで転送経路の変更により使用されなくなったリンクを破線、第2の経路のうちで使用されないリンクを細い一点鎖線で示している。中継装置40とノードDでは、ルーティングテーブル31の更新が行われる前に、経路の更新が終了している。このため、中継装置40は、ノードE宛てのパケットの送信の際に、ルーティングテーブル31gw−2を使用する。ルーティングテーブル31gw−2では、ノードE宛のパケットの転送先はノードBであり、中継装置40とノードBの間の通信は1mWで行われる。次に、ノードBの転送処理部24bは、ノードE宛のパケットの転送の際に、ルーティングテーブル31b−3を用いる。このため、ノードE宛のパケットは、10mWの送信電力を用いて、ノードBからノードDに転送される。ノードDの転送処理部24dは、ノードE宛のパケットをノードBから受信すると、ルーティングテーブル31d−2を用いて転送処理を行う。このため、ノードE宛のパケットは、1mWの送信電力を用いて、ノードDからノードEに転送される。この結果、中継装置40からノードEへのパケットの転送は、中継装置40、ノードB、ノードD、ノードEの経路で行われるものの、第2の経路(図6の一点鎖線の矢印)の条件は、ノードBとノードDの間でしか使用されない。従って、ノードBとノードDの間のリンク以外では、第1の経路と同じ条件での転送処理が行われる。
従って、ケース1では、実施形態にかかる方法により、送信電力を増大させる区間をなるべく限定しつつ、通信を確保することができる。すなわち、実施形態にかかる方法により、システム中での消費電力を抑えつつ、通信経路を確保できる。
(2)ケース2
ケース2では、第1の経路に含まれていない通信装置10が第2の経路に含まれているため、第1の経路に含まれていない装置を含む経路が更新後の経路として生成される場合について説明する。
図11は、ケース2での第1の経路と第2の経路の例を説明する図である。図11の例でも、第1の経路は、図5を参照しながら説明したとおりの経路である。ケース1で説明したように、中継装置40は、現在使用中の電力を用いて、パケットの宛先に至る経路が得られない場合、使用中の電力よりも大きな電力での通信経路(第2の経路)を検索するための処理を開始する。中継装置40とネットワーク中の各通信装置10において、第2の経路を生成するために行われる処理は、ケース1において図6などを参照しながら説明した処理と同様である。図11の例では、送信電力10mWを用いたときに、中継装置40からパケットの宛先であるノードEに至る経路として、図11中の一点鎖線の矢印で示すように、中継装置40からノードAとノードDを介してノードEに至る経路が得られたとする。
中継装置40と第2の経路中の各通信装置10は、図6で説明した方法と同様に、10mWの送信電力でのノードEに至る経路の情報をルーティングテーブル31に含めるが、この段階では、第2の経路中の転送先のエントリは無効に設定されている。このため、中継装置40はルーティングテーブル31gw―11、ノードAはルーティングテーブル31a−11、ノードDはルーティングテーブル31d−11を保持する。なお、ノードBは10mWの送信電力で通信する際の中継装置40からノードEに至る経路に含まれないので、ノードBは、ルーティングテーブル31b−11を有する。また、ノードCは、図5を参照しながら説明したとおり、ノードCとノードDの間で通信不能になっていることから、ノードDを介してノードEへパケットを転送する転送経路を無効にするので、ルーティングテーブル31c−2を保持している。
中継装置40は、第2の経路が得られると図6と図7を参照しながら説明した処理により、ルート更新開始パケットP1を生成する。ルート更新開始パケットP1は、ケース1と同様に、中継装置40からノードCに送信される。
図12は、経路の変更処理の例を説明する図である。ルート更新開始パケットP1を受信したときのノードCで行われる処理は、ケース2でもケース1と同様である。このため、ノードCは、ケース1と同様の処理により、回避要求パケットP2(図8)を生成して、ノードBに送信することにより、ノードCを介さずにノードEに至る経路の生成を要求する。
ノードBは、回避要求パケットP2を受信する。ノードBの経路設定部23bは、ケース1と同様に、受信部11bと振り分け部21bを介して、回避要求パケットP2中のデータを取得する。経路設定部23bは、ノードE宛に10mWで送信するときの経路がルーティングテーブル31b−11(図12)に含まれているかを判定する。ルーティングテーブル31b−11には、ノードE宛のパケットを送信電力が10mWで送信するための経路が含まれていない。そこで、経路設定部23bは、ノードB自身を要求元とした回避要求パケットP11を生成する。経路設定部23bが回避要求パケットP11を生成する際に行う処理はノードCの経路設定部23cが回避要求パケットP2の生成の際に行う処理と同様である。このため、経路設定部23bは、回避要求パケットP11に以下の情報を含める。
受信PIDと受信アドレス:全ての隣接ノードを示す値
送信PIDと送信アドレス:ノードBの情報
コマンドID :回避要求
要求元 :ノードB
通信不可装置 :ノードD
終点装置 :ノードE
変更前出力 :1mW
変更後出力 :10mW
回避要求パケットP11はノードBの全ての隣接装置に送信されるので、図12の例では、中継装置40とノードCに受信される。ノードCの経路設定部23cは、回避要求パケットP11の要求元がノードBであるのに対し、回避要求パケットP11中の終点装置であるノードEに宛てたパケットについての有効な転送先を有さないことから、回避要求パケットP11を廃棄する。
一方、中継装置40の経路設定部23gwは、回避要求パケットP11の要求元がノードBであり、回避要求パケットP11中の終点装置であるノードEに宛てたパケットの転送先もノードBであることから、回避要求パケットP11を処理対象とする。経路設定部23gwは、ノードE宛に10mWで送信するときの経路であって、転送先がノードBとは異なる経路がルーティングテーブル31gw−11(図11)に含まれているかを判定する。ルーティングテーブル31gw−11には、ノードE宛のパケットを10mWで送信する際に、転送先をノードAとすることが記録されている。経路設定部23gwは、回避要求パケットP11によって回避が要求されているノードB以外を転送先として、ノードEに向けて変更後出力で送信するための経路が見つかったため、ルーティングテーブル31gw−11の6番目のエントリを有効にする。さらに、現在、ノードE宛のパケットの転送先に使用しているルーティングテーブル31gw−11の5番目のエントリを無効に設定する。このため、ルーティングテーブル31gw−11(図11)は、ルーティングテーブル31gw−12(図12)に示すように更新される。
さらに、経路設定部23gwは、有効にした経路での転送先が、第1の経路が使用されたときの通信不可装置か、変更対象の経路の最終宛先のいずれかであるかを判定する。図12の例では、経路設定部23gwが有効にした経路での転送先がノードAであるのに対し、通信不可装置はノードD、変更対象の経路の最終宛先はノードEである。従って、経路設定部23gwによってルーティングテーブル31gwが変更されても、通信不可装置への迂回経路も、パケットの最終宛先への迂回経路も完成しない。そこで、経路設定部23gwは、有効にした経路での転送先に対しても経路の変更を要求するために、ルート変更要求パケットを生成する。
図13は、ルート変更要求パケットの例を説明する図である。ルート変更要求パケットのフォーマットを、図13のF4に示す。ルート変更要求パケットは、受信PID、受信アドレス、送信PID、送信アドレス、コマンドID、要求元ID、通信不可装置ID、終点装置ID、変更前出力、変更後出力、チェックサムが含まれる。ルート変更要求パケットでは、コマンドIDは、ルート変更要求を表わす値である。要求元IDは、ルート変更要求パケットの送信元を示す値である。なお、ルート変更要求パケットは、要求元IDに含まれている装置を含む経路を、第1の経路を用いたときの通信不可装置か、変更対象の経路の最終宛先のいずれかにまで延長することを要求するための制御パケットである。このため、ルート変更要求パケットを受信した装置では、ルート変更要求パケットの要求元IDに記録されている装置から受信したパケットの転送処理に使用する経路の探索が行われる。
図13は、経路設定部23gwが生成するルート変更要求パケットP12の例も示している。経路設定部23gwは、ルート変更要求パケットP12の通信不可装置=ノードD、変更対象の経路の最終宛先=ノードE、変更前出力=1mW、変更後出力=10mWに設定する。なお、これらの情報は、中継装置40が受信した回避要求パケットP11から抽出されている。さらに、受信PIDと受信アドレスには、ノードAを示す値が使用され、送信PIDと送信アドレスには、中継装置40を示す値が使用される。さらに、経路設定部23gwは、ルート変更要求パケットP12の要求元を、中継装置40(GW)を表わす情報に設定する。
図14は、経路の変更処理の例を説明する図である。経路設定部23gwは、図13を参照しながら説明したルート変更要求パケットP12を、送信部12gwを介して、ノードAに送信する。ノードAの受信部11aは、ルート変更要求パケットP12を受信すると、振り分け部21aに出力する。振り分け部21aは、ルート変更要求パケットP12の受信PIDと受信アドレスがノードAを識別する情報であるので、ルート変更要求パケットP12を自ノードでの処理対象であると判定する。振り分け部21aは、コマンドIDの値がルート変更要求を示す値であるので、ルート変更要求パケットP12を経路設定部23aに出力する。
経路設定部23aは、ルート変更要求パケットP12中の終点装置IDと変更後出力を用いて、ノードE宛に10mWでパケットを送信するための経路を使用することが要求されたと判定する。ルーティングテーブル31a−11の1番目のエントリには、ノードE宛のパケットを10mWで送信する際の転送先がノードDであることが記憶されている。経路設定部23aは、ルート変更要求パケットP12によって設定が要求されている条件に合致する経路が見つかったため、ルーティングテーブル31a−11の1番目のエントリを有効にする。このため、ルーティングテーブル31a−11は、ルーティングテーブル31a−12に更新される。
さらに、経路設定部23aは、有効にした経路での転送先が、第1の経路が使用されたときの通信不可装置か、変更対象の経路の最終宛先のいずれかであるかを判定する。図14の例では、経路設定部23aが有効にした経路での転送先がノードDであるのに対し、通信不可装置はノードD、変更対象の経路の最終宛先はノードEである。従って、経路設定部23aによるルーティングテーブル31aの変更により、通信不可装置への迂回経路が生成されたことになる。そこで、経路設定部23aは、経路変更の終了を通知するために、以下の情報を含む終了通知パケットP13を生成する。
受信PIDと受信アドレス:中継装置40の情報
送信PIDと送信アドレス:ノードAの情報
コマンドID :終了通知
通信不可装置 :ノードD
終点装置 :ノードE
変更前出力 :1mW
変更後出力 :10mW
経路設定部23aは、送信部12aを介して、終了通知パケットP13を中継装置40に送信する。中継装置40のデータ要求部51gwは、終了通知パケットP2を受信すると、送信に失敗したパケットを再送するために使用する経路が得られたと判定し、送信部12gwを介して、ノードE宛のパケットを再送する。
ここで、ケース2で生成された変更後の経路と、各リンクで使用される送信出力の関係を考察する。図14では、ノードE宛のパケットの転送処理に使用されるリンクのうち、1mWが使用されるリンクの矢印を実線の矢印、10mWが使用されるリンクの矢印を太い一点鎖線の矢印で示している。中継装置40は、ノードE宛てのパケットの送信の際に、ルーティングテーブル31gw−12を使用する。このため、中継装置40は、ノードE宛のパケットを10mWでノードAに転送する。ノードAの転送処理部24aは、ノードE宛のパケットの転送の際に、ルーティングテーブル31a−12を用いる。このため、ノードE宛のパケットは、10mWの送信電力を用いて、ノードAからノードDに転送される。ここで、ケース2では、ノードDでの経路の変更が行われないので、ノードDの転送処理部24dは、ノードE宛のパケットを、ルーティングテーブル31d−11に従って転送する。このため、ノードE宛のパケットは、1mWの送信電力を用いて、ノードDからノードEに転送される。この結果、中継装置40からノードEへのパケットの転送は、中継装置40、ノードA、ノードD、ノードEの経路で行われる。ここで、中継装置40からノードEに至る第2の経路(図11の一点鎖線の矢印)と第1の経路で共通しているリンクでは、第1の経路で使用された条件での転送処理が行われる。このため、図14にかかる経路では、ノードDとノードEの間のリンクにおいて、第1の経路と同じ条件での転送処理が行われる。
従って、ケース2においても、実施形態にかかる方法により、送信電力を増大させる区間を限定しつつ、通信を確保することができる。このため、システム中での消費電力を抑えつつ、通信経路を確保することができる。
(3)装置ごとの動作例
以下、第1の実施形態で行われる処理を、装置ごとの動作としてフローチャートを参照しながら説明する。
図15は、ルート更新開始パケットを受信した通信装置で行われる処理の例を説明するフローチャートである。ルート更新開始パケットは、中継装置40が他の通信装置10からデータを収集するシステムでは、中継装置40から送信されるので、図15は、通信装置10での処理の例である。なお、図15に示す処理の順序は一例であり、例えば、ステップS6の判定よりもステップS8の判定が先に行われるように手順を変更するなどの変更が実装に応じて行われうる。
受信部11は、ルート更新開始パケットを受信する(ステップS1)。振り分け部21は、ルート更新開始パケットを取得し、ルート更新開始パケットを経路設定部23に出力する。経路設定部23は、ルート更新開始パケット中の変更後出力で、更新する経路の終点(終点装置)に向けてパケットを転送するための経路をルーティングテーブル31に保持しているかを判定する(ステップS2)。変更後出力で、終点装置に向けてパケットを転送するための経路を保持していない場合、経路設定部23は回避要求パケットを生成し、送信部12を介してブロードキャストする(ステップS2でNo、ステップS3)。変更後出力で終点装置に向けてパケットを転送するための経路を保持している場合、経路設定部23は、変更前出力に対応付けられた経路を無効にし、変更後出力に対応付けられた経路を有効にする(ステップS2でNo、ステップS4)。
その後、経路設定部23は、終点装置宛のパケットの転送先は通信不可装置であるかを判定する(ステップS5)。終点装置宛のパケットの転送先が通信不可装置である場合、経路設定部23は、更新処理が完了したと判定し、終了通知パケットを中継装置40に送信する(ステップS5でYes、ステップS6)。一方、終点装置宛のパケットの転送先が通信不可装置ではない場合、経路設定部23は、終点装置宛のパケットの転送先は終点装置であるかを判定する(ステップS5でNo、ステップS7)。終点装置宛のパケットの転送先が終点装置である場合、経路設定部23は、更新処理が完了したと判定し、終了通知パケットを中継装置40に送信する(ステップS7でYes、ステップS8)。終点装置宛のパケットの転送先が終点装置でない場合、経路設定部23は、ルート更新要求パケットを、終点装置宛のパケットの転送先に送信する(ステップS7でNo、ステップS9)。
図16は、回避要求パケットを受信した通信装置で行われる処理の例を説明するフローチャートである。回避要求パケットは、中継装置40と通信装置10のいずれも受信し得る。回避要求パケットの受信の際に行われる処理は、中継装置40と通信装置10で共通している。また、図16に示す処理は、実装に応じて変更され得る。例えば、図16において、ステップS26の処理を省略して、ステップS24でYesと判定された場合にステップS27の処理が行われるように変更されてもよい。
受信部11は、回避要求パケットを受信する(ステップS21)。振り分け部21は、回避要求パケットを取得し、回避要求パケットを経路設定部23に出力する。経路設定部23は、回避要求パケット中の要求元が終点装置宛のパケットの転送先であるかを判定する(ステップS22)。回避要求パケット中の要求元が終点装置宛のパケットの転送先ではない場合、経路設定部23は、パケットを廃棄して処理を終了する(ステップS22でNo、ステップS23)。回避要求パケット中の要求元が終点装置宛のパケットの転送先である場合、経路設定部23は、回避要求パケットを処理対象とする(ステップS22でYes)。
回避要求パケットを処理対象とする場合、経路設定部23は、回避要求パケット中の変更後出力で、終点装置に向けてパケットを転送するための経路をルーティングテーブル31に保持しているかを判定する(ステップS24)。変更後出力で、終点装置に向けてパケットを転送するための経路を保持していない場合、経路設定部23は回避要求パケットを生成し、送信部12を介してブロードキャストする(ステップS24でNo、ステップS25)。変更後出力で終点装置に向けてパケットを転送するための経路を保持している場合、経路設定部23は、終点装置宛てのパケットの転送先が、変更前出力と変更後出力で同じかを判定する(ステップS24でYes、ステップS26)。終点装置宛てのパケットの転送先が変更前出力と変更後出力で異なる場合、経路設定部23は、変更前出力に対応付けられた経路を無効にし、変更後出力に対応付けられた経路を有効にする(ステップS26でNo、ステップS27)。終点装置宛てのパケットの転送先が変更前出力と変更後出力で同じ場合、経路設定部23は、ステップS27の処理は行わない(ステップS26でYes)。その後、ステップS28〜S32に示す処理が行われる。なお、ステップS28〜S32に示す処理は、図15を参照しながら説明したステップS5〜S9に示す処理と同様である。
図17は、ルート変更要求パケットを受信した通信装置で行われる処理の例を説明するフローチャートである。受信部11は、ルート変更要求パケットを受信する(ステップS41)。振り分け部21は、受信部11からルート変更要求パケットを取得し、ルート変更要求パケットを経路設定部23に出力する。経路設定部23は、ステップS42〜S48の処理を行う。図17のステップS42〜S48に示す処理は、図16を参照しながら説明したステップS26〜S32に示す処理と同様である。
なお、図17に示す処理は、実装に応じて変更され得る。例えば、図17において、ステップS42の処理を省略して、ルート変更要求パケットを受信した全ての装置で、ステップS43の処理が行われるように変更されてもよい。
図18は、中継装置40で行われる処理の例を説明するフローチャートである。図18は、パケットの送信に失敗したことが検出されてからパケットの転送に使用する新たな経路が得られるまでに行われる処理を示している。なお、図18において、経路更新により検索の対象となっている経路の終点装置をノードXと記載している。
中継装置40中の受信部11は、ネットワーク中の通信装置10から、通信に失敗した通信先(ノードX)を通知するパケットを受信する(ステップS51)。経路設定部23は、現在使用中の電力で、ノードXに至る新たな経路を生成できるかを判定する(ステップS52)。なお、ステップS52で行われる判定処理では、任意の既知の方法が使用されうる。現在使用中の電力で、ノードXに至る新たな経路を生成できる場合、経路設定部23は、新たな経路を設定するための処理を行った後で、ノードX宛にパケットを送信する(ステップS52でYes、ステップS53)。
一方、現在使用中の電力で、ノードXに至る新たな経路を生成できない場合、経路生成処理部22は、送信電力を上げたときのノードXに至る経路の検索を行う(ステップS52でNo、ステップS54)。経路設定部23は、送信電力を上げたときの経路の検索が終わると、通信の失敗を通知してきたノードに対して、ルート更新開始パケットを送信する(ステップS55)。その後、中継装置40は、終了通知パケットを受信するまで待機する(ステップS56でNo)。なお、中継装置40は、終了通知パケットを受信する前に、回避要求パケットを受信した場合には、図16を参照しながら説明した処理を行う。中継装置40は、終了通知パケットを受信すると、ノードX宛にパケットを送信し、処理を終了する(ステップS56でYes、ステップS57)。
以上説明したように、第1の実施形態を用いることにより、通信経路を再生成する際に、送信電力を増大させる区間を限定できる。このため、システム中の各装置での消費電力を抑えつつ、通信経路を確保できる。
無線アドホックネットワークに含まれている各装置は、太陽電池などのバッテリーで動作していることが多いため、各装置で使用する電力を小さくすることが望ましい。しかしながら、通信状態が悪化した場合には、通信状態が悪化している領域での通信を確立するために送信電力を大きくすることも望ましい。また、通信状況が悪化した原因が、障害物による反射である場合には、送信電力を大きくしても通信経路を再確立することは難しく、異なる経路を使用する方が効率的である。
第1の実施形態を用いると、通信装置10や中継装置40を、通信状態が悪化したときに、通信状況が悪化している領域での経路の再構築や通信状況が悪化している領域の迂回を行う装置だけ、大きな電力で動作させることができる。このため、第1の実施形態によると、無線アドホックネットワークを、省電力で効果的に運用することができる。
<第2の実施形態>
第2の実施形態では、パケットの転送の失敗が発生した第1の経路と、第1の経路よりも大きな送信電力で生成した第2の経路を用いて、経路の更新を行う際に、送信電力の増大を減らすための処理がさらに行われる。以下の説明では、分かりやすくするために、第1の経路を用いた通信に使用される送信電力を「第1の送信電力」、第2の経路を用いた通信に対応付けられている送信電力を「第2の送信電力」と記載することがある。
第2の実施形態では、ルーティングテーブル31中でいずれかの経路を有効化した装置は、有効化した経路の転送先を目的ノードとした経路の情報がルーティングテーブル31に含まれているかを判定する。ここで、有効化された経路は、第2の経路の一部であるので、第2の送信電力に対応付けられている。有効化した経路の転送先を目的ノードとした経路がルーティングテーブル31に含まれている場合、経路設定部23は、有効化した経路の転送先を目的ノードとした経路で使用されている送信電力(第3の送信電力)が、第2の送信電力よりも小さいかを判定する。経路設定部23は、第3の送信電力が、第2の送信電力よりも小さい場合、有効化した経路の転送先との間では、第2の送信電力よりも小さい第3の送信電力を用いても通信が可能であると判定する。そこで、経路設定部23は、ルーティングテーブル31において、有効化したエントリに対応付けられている送信電力を、第2の送信電力から第3の送信電力に引き下げる。以後、有効化したエントリを用いた通信では第3の送信電力が使用されるため、システム中の消費電力を削減できる。
以下、第2の実施形態の具体例として、第1の実施形態においてケース2で説明した場合を例として、送信電力を増大させるリンクを減らすための処理の例を説明する。まず、第1の実施形態のケース2の図11、図12を参照して説明したように、ノードBが中継装置40に対して、回避要求パケットP11を送信したとする。中継装置40は、図12を参照しながら説明した手順により、ルーティングテーブル31gw−11をルーティングテーブル31gw−12に更新する。その後、中継装置40は、ノードE宛のパケットの新たな転送先に決定したノードAとの通信に使用する送信電力の増大を抑えるための処理を行う。送信電力の増大を抑えるための処理の例を、図19を参照しながら説明する。
図19は、第2の実施形態で行われる処理の例を説明する図である。中継装置40は、ルーティングテーブル31g−12を保持しており、ノードE宛のパケットをノードAに転送する経路を新たに有効にしている。また、ルーティングテーブル31g−12には、目的ノードがノードAの場合の経路も含まれている。そこで、経路設定部23gwは、ノードAを目的ノードとした経路で有効に使用されている送信電力と、ノードE宛のパケットの転送に使用する送信電力を比較する。ルーティングテーブル31g−12において、ノードE宛のパケットの転送先はノードA、送信電力は10mWである。一方、ノードAに至る経路での転送先はノードAで、送信電力は1mWである。ノードAが目的ノードとなっている経路において送信電力が1mWであることから、経路設定部23gwは、送信電力を1mWにしてもノードAへパケットを転送できると判定する。そこで経路設定部23は、ルーティングテーブル31g−12で有効化されているノードE宛の経路の送信電力を1mWに引き下げる。送信電力の引き下げにより、中継装置40は、ルーティングテーブル31gw−21を得る。
その後、経路設定部23gwは、図12を参照しながら説明した処理と同様の処理により、ノードAにルート更新要求パケットを送信する。ノードAでもルート更新の処理が行われる。ここで、ノードAは、ノードDを目的ノードとした経路を保持していないので、有効化された経路の送信電力は変更されない。このため、ノードAは、図13、図14を参照しながら説明した処理により得られたルーティングテーブル31a−12を転送処理に使用する。
なお、第2の実施形態においても、ノードDにはルートの変更処理が要求されないので、ノードDが保持するルーティングテーブル31d−11では、送信電力=1mWの経路が有効になっている。
以上の処理により、第2の実施形態によると、中継装置40からノードE宛に送信されたパケットは、ノードA、ノードDを経由してノードEに到達する。また、中継装置40がノードAへのパケットの転送に使用する送信電力と、ノードDがノードEへのパケットの転送に使用する送信電力は、いずれも1mWである。従って、第2の送信電力である10mWを用いて転送処理が行われるリンクは、ノードAとノードDの間のリンクだけになる。
図20は、第2の実施形態で行われる処理の例を説明するフローチャートである。図20のステップS61〜S67は、図16を参照しながら説明したステップS21〜S27と同様である。
ルーティングテーブル31の有効フラグの更新処理の後で、経路設定部23は、有効にしたルートでの転送先が目的ノードになっている経路の送信電力(X)は、変更後出力よりも低いかを判定する(ステップS68)。有効にしたルートでの転送先を目的ノードとした経路の送信電力(X)の方が変更後出力よりも低い場合、経路設定部23は、有効にしたルートでの使用電力をXに変更する(ステップS68でYes)。有効にしたルートでの転送先を目的ノードとした経路の送信電力(X)が変更後出力以上の場合、経路設定部23は、ステップS69の処理を行わない(ステップS68でNo)。この場合、経路設定部23は、ステップS67の処理により、有効にしたルートでの使用電力を第2の送信電力に設定することになる。その後、ステップS70〜S74の処理が行われる。ステップS70〜S74の処理は、図15を参照しながら説明したステップS5〜S9と同様である。また、ステップS66においてYesと判定された場合もステップS70〜S74の処理が行われる。
図20を参照しながら、回避要求パケットを受信したノードでの処理の例を説明したが、第2の実施形態で説明したように、他のノードへの経路を用いた送信電力の引き下げは、回避要求パケットを受信したノード以外で行われても良い。例えば、ルート更新開始パケットまたはルート更新要求パケットを受信したノードでも、ルーティングテーブル31の有効フラグの更新処理の後で、ステップS68、S69と同様の処理が行われうる。
このように、第2の実施形態では、経路の更新を行う際に、送信電力を増大させるリンクを減らすための処理が行われるので、送信電力を増大させる区間を限定できる。このため、システム中の各装置での消費電力を抑えつつ、通信経路を確保できる。
<その他>
なお、実施形態は上記に限られるものではなく、様々に変形可能である。以下にその例をいくつか述べる。
以上の説明で述べたテーブルやパケットに含まれている情報要素は例であり、実装に応じて変更され得る。
図12などを用いて説明した回避要求パケットを送信するノードの処理も実装に応じて変更されても良い。例えば、ノードBがノードEを終点装置として回避要求パケットP11を送信する際に、ノードBの経路設定部23bは、ルーティングテーブル31b中のノードEを目的ノードとする経路に対応付けられた有効フラグを無効にしても良い。
以上の説明では、中継装置40がデータの送信元や経路の生成を開始する装置である場合を例として説明したが、中継装置40以外の任意の通信装置10がデータの送信元や経路の生成を開始する装置として動作しても良い。この場合、変更する経路の始点となる装置を特定するための情報が、適宜、回避要求パケット、ルート変更要求パケット、ルート更新開始パケットなどに含められる。記憶部30は、変更する経路の始点となる装置を特定するための情報を適宜記憶する。なお、変更する経路の始点となる装置は、終了装置に宛てたパケットを送信した装置である。
上述の第1および第2の実施形態を含む実施形態に関し、以下の付記を開示する。
(付記1)
複数の通信装置を含むネットワーク中の第1の通信装置として動作する通信装置であって、
送信処理で使用する電力の大きさとパケットの宛先に対応付けて、前記パケットの転送先を記憶する記憶部と、
送信に失敗した送信パケットの宛先装置と、前記送信パケットが到達しない第2の通信装置との組み合わせを示す情報とともに、転送経路の変更要求を取得すると、前記宛先装置宛のパケットの転送に使用した第1の送信電力より大きい第2の送信電力と前記宛先装置に対応付けられた転送先を、前記宛先装置宛てのパケットを転送する転送先装置に設定する設定部と、
前記転送先装置が前記宛先装置と前記第2の通信装置のいずれとも一致しない場合、前記組み合わせを示す情報と変更要求を、前記転送先装置に送信する送信部
を備えることを特徴とする通信装置。
(付記2)
前記設定部は、前記第2の送信電力と前記宛先装置に対応付けられた転送先が前記記憶部に記憶されていない場合、前記第1の通信装置を回避して前記宛先装置に到達する経路の設定の要求と、前記組み合わせを示す情報を含む回避要求パケットを生成し、
前記送信部は、前記回避要求パケットを送信する
ことを特徴とする付記1に記載の通信装置。
(付記3)
前記設定部は、
前記転送先装置に宛てたパケットの転送処理に使用している送信電力の大きさである第3の送信電力よりも前記第2の送信電力が大きい場合、前記宛先装置に宛てたパケットを前記転送先装置に転送するときに使用する電力を前記第3の送信電力に設定し、
前記第2の送信電力が前記第3の送信電力以下の場合、前記宛先装置に宛てたパケットを前記転送先装置に転送するときに使用する電力を前記第2の送信電力に設定し、
前記送信部は、前記設定部が送信した電力を用いて送信処理を行う
ことを特徴とする付記1または2に記載の通信装置。
(付記4)
前記記憶部は、前記宛先装置に宛てたパケットの送信元の情報をさらに記憶し、
前記設定部は、前記転送先装置が前記宛先装置か前記第2の通信装置のいずれかと一致すると、前記宛先装置に至る経路の変更が終了したことを通知する終了通知パケットを生成し、
前記送信部は、前記終了通知パケットを、前記送信元に向けて送信する
ことを特徴とする付記1〜3のいずれか1項に記載の通信装置。
(付記5)
パケットを前記パケットの宛先である宛先装置に向けて送信する送信元装置と、
前記送信元装置と前記宛先装置を含むネットワークを形成する複数の通信装置
を含む通信システムであって、
第1の経路を用いた前記宛先装置への送信パケットの送信が失敗すると、前記送信元装置および前記複数の通信装置の各々は、
前記送信元装置が送信に使用している第1の送信電力よりも大きい第2の送信電力を用いて、前記送信元装置と前記宛先装置が通信するための第2の経路を生成し、
前記第1の送信電力で前記送信パケットが到達しない装置と、前記宛先装置の組み合わせを示す情報とともに、転送経路の変更要求を取得すると、前記宛先装置宛のパケットの転送先である転送先装置を前記第2の経路を用いて変更し、
前記転送先装置が前記組み合わせ中のいずれの装置とも一致しない場合、前記組み合わせを示す情報と前記変更要求を、前記転送先装置に送信する
ことを特徴とする通信システム。
(付記6)
前記組み合わせを示す情報と前記変更要求を取得した通信装置は、前記第2の経路が当該通信装置を経由しない場合、当該通信装置を回避して前記宛先装置に到達する経路の設定の要求と、前記組み合わせを示す情報を含む回避要求パケットを送信する
ことを特徴とする付記5に記載の通信システム。
(付記7)
前記第2の経路を用いて前記宛先装置宛のパケットの転送経路の変更を行った通信装置は、
前記転送先装置に宛てたパケットの転送処理に使用している送信電力の大きさである第3の送信電力よりも前記第2の送信電力が大きい場合、前記宛先装置に宛てたパケットを、前記第3の送信電力を用いて、前記転送先装置に転送し、
前記第2の送信電力が前記第3の送信電力以下の場合、前記宛先装置に宛てたパケットを、前記第2の送信電力を用いて、前記転送先装置に転送する
ことを特徴とする付記5または6に記載の通信システム。
(付記8)
前記第2の経路を用いて前記宛先装置宛のパケットの転送経路の変更を行った通信装置は、
前記送信元装置を特定する情報を記憶しており、
前記転送先装置が前記組み合わせ中の装置のいずれかと一致すると、前記宛先装置に至る経路の変更が終了したことを通知する終了通知パケットを、前記送信元装置に送信する
ことを特徴とする付記5〜7のいずれか1項に記載の通信システム。
(付記9)
複数の通信装置を含むネットワークで行われる通信方法であって、
送信パケットを送信する送信元装置から前記送信パケットの宛先装置への第1の経路を用いた送信が失敗すると、前記複数の通信装置の各々は、前記送信元装置が送信に使用している第1の送信電力よりも大きい第2の送信電力を用いて、前記送信元装置と前記宛先装置が通信するための第2の経路を生成し、
前記第1の経路を用いた送信の失敗を検出した通信装置である検出装置は、前記第1の送信電力で前記送信パケットが到達しない装置と、前記宛先装置の組み合わせを示す情報とともに、転送経路の変更要求をブロードキャストし、
前記検出装置に前記送信パケットを転送した通信装置は、前記宛先装置宛のパケットの転送先である転送先装置を前記第2の経路を用いて変更し、
前記転送先装置が前記組み合わせ中のいずれの装置とも一致しない場合、前記組み合わせを示す情報と前記変更要求を、前記転送先装置に送信する
ことを特徴とする通信方法。
(付記10)
前記検出装置に前記送信パケットを転送した通信装置は、前記第2の経路が当該通信装置を経由しない場合、当該通信装置を回避して前記宛先装置に到達する経路の設定の要求と、前記組み合わせを示す情報を含む回避要求パケットをブロードキャストする
ことを特徴とする付記9に記載の通信方法。
(付記11)
前記送信パケットを転送した通信装置から前記回避要求パケットを受信した通信装置は、前記第2の経路が当該通信装置を経由しない場合、当該通信装置を回避して前記宛先装置に到達する経路の設定の要求と、前記組み合わせを示す情報を含む他の回避要求パケットをブロードキャストする
ことを特徴とする付記10に記載の通信方法。
(付記12)
前記第2の経路を用いて前記宛先装置宛のパケットの転送経路の変更を行った通信装置は、
前記転送先装置に宛てたパケットの転送処理に使用している送信電力の大きさである第3の送信電力よりも前記第2の送信電力が大きい場合、前記宛先装置に宛てたパケットを、前記第3の送信電力を用いて、前記転送先装置に転送し、
前記第2の送信電力が前記第3の送信電力以下の場合、前記宛先装置に宛てたパケットを、前記第2の送信電力を用いて、前記転送先装置に転送する
ことを特徴とする付記9〜11のいずれか1項に記載の通信方法。
(付記13)
前記第2の経路を用いて前記宛先装置宛のパケットの転送経路の変更を行った通信装置は、
前記送信元装置を特定する情報を記憶しており、
前記転送先装置が前記組み合わせ中の装置のいずれかと一致すると、前記宛先装置に至る経路の変更が終了したことを通知する終了通知パケットを、前記送信元装置に送信する
ことを特徴とする付記9〜12のいずれか1項に記載の通信方法。
(付記14)
複数の通信装置を含むネットワーク中の第1の通信装置として動作する通信装置に、
送信処理で使用する電力の大きさとパケットの宛先に対応付けて、前記パケットの転送先を取得し、
送信に失敗した送信パケットの宛先装置と、前記送信パケットが到達しない第2の通信装置との組み合わせを示す情報とともに、転送経路の変更要求を取得すると、前記宛先装置宛のパケットの転送に使用した第1の送信電力より大きい第2の送信電力と前記宛先装置に対応付けられた転送先を、前記宛先装置宛てのパケットを転送する転送先装置に設定し、
前記転送先装置が前記宛先装置と前記第2の通信装置のいずれとも一致しない場合、前記組み合わせを示す情報と変更要求を、前記転送先装置に送信する
処理を行わせることを特徴とする通信プログラム。
10 通信装置
11 受信部
12 送信部
13 送受信部
20、50 制御部
21 振り分け部
22 経路生成処理部
23 経路設定部
24 転送処理部
30 記憶部
31 ルーティングテーブル
40 中継装置
51 データ要求部
100 プロセッサ
101 バス
103 PHY
104 タイマIC
106 DRAM
107 フラッシュメモリ
108 無線モジュール

Claims (10)

  1. 複数の通信装置を含むネットワーク中の第1の通信装置として動作する通信装置であって、
    送信処理で使用する電力の大きさとパケットの宛先に対応付けて、前記パケットの転送先を記憶する記憶部と、
    送信に失敗した送信パケットの宛先装置と、前記送信パケットが到達しない第2の通信装置との組み合わせを示す情報とともに、転送経路の変更要求を取得すると、前記宛先装置宛のパケットの転送に使用した第1の送信電力より大きい第2の送信電力と前記宛先装置に対応付けられた転送先を、前記宛先装置宛てのパケットを転送する転送先装置に設定する設定部と、
    前記転送先装置が前記宛先装置と前記第2の通信装置のいずれとも一致しない場合、前記組み合わせを示す情報と変更要求を、前記転送先装置に送信する送信部
    を備えることを特徴とする通信装置。
  2. 前記設定部は、前記第2の送信電力と前記宛先装置に対応付けられた転送先が前記記憶部に記憶されていない場合、前記第1の通信装置を回避して前記宛先装置に到達する経路の設定の要求と、前記組み合わせを示す情報を含む回避要求パケットを生成し、
    前記送信部は、前記回避要求パケットを送信する
    ことを特徴とする請求項1に記載の通信装置。
  3. 前記設定部は、
    前記転送先装置に宛てたパケットの転送処理に使用している送信電力の大きさである第3の送信電力よりも前記第2の送信電力が大きい場合、前記宛先装置に宛てたパケットを前記転送先装置に転送するときに使用する電力を前記第3の送信電力に設定し、
    前記第2の送信電力が前記第3の送信電力以下の場合、前記宛先装置に宛てたパケットを前記転送先装置に転送するときに使用する電力を前記第2の送信電力に設定し、
    前記送信部は、前記設定部が送信した電力を用いて送信処理を行う
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の通信装置。
  4. 前記記憶部は、前記宛先装置に宛てたパケットの送信元の情報をさらに記憶し、
    前記設定部は、前記転送先装置が前記宛先装置か前記第2の通信装置のいずれかと一致すると、前記宛先装置に至る経路の変更が終了したことを通知する終了通知パケットを生成し、
    前記送信部は、前記終了通知パケットを、前記送信元に向けて送信する
    ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の通信装置。
  5. パケットを前記パケットの宛先である宛先装置に向けて送信する送信元装置と、
    前記送信元装置と前記宛先装置を含むネットワークを形成する複数の通信装置
    を含む通信システムであって、
    第1の経路を用いた前記宛先装置への送信パケットの送信が失敗すると、前記送信元装置および前記複数の通信装置の各々は、
    前記送信元装置が送信に使用している第1の送信電力よりも大きい第2の送信電力を用いて、前記送信元装置と前記宛先装置が通信するための第2の経路を生成し、
    前記第1の送信電力で前記送信パケットが到達しない装置と、前記宛先装置の組み合わせを示す情報とともに、転送経路の変更要求を取得すると、前記宛先装置宛のパケットの転送先である転送先装置を前記第2の経路を用いて変更し、
    前記転送先装置が前記組み合わせ中のいずれの装置とも一致しない場合、前記組み合わせを示す情報と前記変更要求を、前記転送先装置に送信する
    ことを特徴とする通信システム。
  6. 前記組み合わせを示す情報と前記変更要求を取得した通信装置は、前記第2の経路が当該通信装置を経由しない場合、当該通信装置を回避して前記宛先装置に到達する経路の設定の要求と、前記組み合わせを示す情報を含む回避要求パケットを送信する
    ことを特徴とする請求項5に記載の通信システム。
  7. 前記第2の経路を用いて前記宛先装置宛のパケットの転送経路の変更を行った通信装置は、
    前記転送先装置に宛てたパケットの転送処理に使用している送信電力の大きさである第3の送信電力よりも前記第2の送信電力が大きい場合、前記宛先装置に宛てたパケットを、前記第3の送信電力を用いて、前記転送先装置に転送し、
    前記第2の送信電力が前記第3の送信電力以下の場合、前記宛先装置に宛てたパケットを、前記第2の送信電力を用いて、前記転送先装置に転送する
    ことを特徴とする請求項5または6に記載の通信システム。
  8. 前記第2の経路を用いて前記宛先装置宛のパケットの転送経路の変更を行った通信装置は、
    前記送信元装置を特定する情報を記憶しており、
    前記転送先装置が前記組み合わせ中の装置のいずれかと一致すると、前記宛先装置に至る経路の変更が終了したことを通知する終了通知パケットを、前記送信元装置に送信する
    ことを特徴とする請求項5〜7のいずれか1項に記載の通信システム。
  9. 複数の通信装置を含むネットワークで行われる通信方法であって、
    送信パケットを送信する送信元装置から前記送信パケットの宛先装置への第1の経路を用いた送信が失敗すると、前記複数の通信装置の各々は、前記送信元装置が送信に使用している第1の送信電力よりも大きい第2の送信電力を用いて、前記送信元装置と前記宛先装置が通信するための第2の経路を生成し、
    前記第1の経路を用いた送信の失敗を検出した通信装置である検出装置は、前記第1の送信電力で前記送信パケットが到達しない装置と、前記宛先装置の組み合わせを示す情報とともに、転送経路の変更要求をブロードキャストし、
    前記検出装置に前記送信パケットを転送した通信装置は、前記宛先装置宛のパケットの転送先である転送先装置を前記第2の経路を用いて変更し、
    前記転送先装置が前記組み合わせ中のいずれの装置とも一致しない場合、前記組み合わせを示す情報と前記変更要求を、前記転送先装置に送信する
    ことを特徴とする通信方法。
  10. 複数の通信装置を含むネットワーク中の第1の通信装置として動作する通信装置に、
    送信処理で使用する電力の大きさとパケットの宛先に対応付けて、前記パケットの転送先を取得し、
    送信に失敗した送信パケットの宛先装置と、前記送信パケットが到達しない第2の通信装置との組み合わせを示す情報とともに、転送経路の変更要求を取得すると、前記宛先装置宛のパケットの転送に使用した第1の送信電力より大きい第2の送信電力と前記宛先装置に対応付けられた転送先を、前記宛先装置宛てのパケットを転送する転送先装置に設定し、
    前記転送先装置が前記宛先装置と前記第2の通信装置のいずれとも一致しない場合、前記組み合わせを示す情報と変更要求を、前記転送先装置に送信する
    処理を行わせることを特徴とする通信プログラム。
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