JP2016170978A - 質量分析装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】元素マッピング測定の範囲が広い質量分析装置を提供する。【解決手段】実施形態に係る質量分析装置は、試料に照射されると前記試料から中性粒子を発生させるイオンビームを出射するイオンビーム照射部と、前記イオンビームを偏向させることにより、前記イオンビームを前記試料における任意の部分に到達させるイオンビーム偏向部と、レーザービームを出射するレーザー光源と、前記レーザービームを前記試料上に誘導すると共に前記レーザービームを集束させて、前記中性粒子をイオン化させることが可能なイオン化領域を形成するレーザービーム偏向部と、前記イオンビーム偏向部及び前記レーザービーム偏向部を制御することにより、前記部分の直上域に前記イオン化領域を位置させる制御部と、を備える。【選択図】図1

Description

本発明の実施形態は、質量分析装置に関する。
試料中の元素の種類を分析するために使用される測定装置としてレーザーポストイオン化スパッタ中性粒子質量分析(SNMS)装置がある。このような質量分析装置は、集束イオンビームを試料に照射することで試料から中性粒子を飛散させ、レーザービームによってその中性粒子をイオン化粒子とした後に質量分析計によって分析する。このような質量分析装置においては、検出感度を一定に保ったまま、試料を広範囲にわたって分析することが求められている。
特開平5−251035号公報
実施形態の目的は、元素マッピング測定の範囲が広い質量分析装置を提供することである。
実施形態に係る質量分析装置は、試料と前記試料から中性粒子を発生させるイオンビームを出射するイオンビーム照射部と、前記イオンビームを偏向させることにより、前記イオンビームを前記試料における任意の部分に到達させるイオンビーム偏向部と、レーザービームを出射するレーザー光源と、前記レーザービームを前記試料上に誘導すると共に前記レーザービームを集束させて、前記中性粒子をイオン化させることが可能なイオン化領域を形成するレーザービーム偏向部と、前記イオンビーム偏向部及び前記レーザービーム偏向部を制御することにより、前記部分の直上域に前記イオン化領域を位置させる制御部と、を備える。
実施形態に係る質量分析装置を例示する模式図である。 実施形態に係る質量分析装置の測定原理を例示する模式図である。 実施形態に係る質量分析装置の制御シグナルの流れを示すチャート図である。 実施形態に係る質量分析装置の測定までの流れを示すチャート図である。 実施形態に係る質量分析装置の測定範囲を例示する模式図である。 (a)は、レーザー光源、レーザービーム偏向部及び測定範囲の位置関係を例示する図であり、(b)は、測定範囲上におけるレーザービームの位置を例示する模式図である。 (a)は、レーザー光源、レーザービーム偏向部及び測定範囲の位置関係を例示する図であり、(b)は、測定範囲上におけるレーザービームの位置を例示する模式図である。 (a)は、レーザー光源、レーザービーム偏向部及び測定範囲の位置関係を例示する図であり、(b)は、測定範囲上におけるレーザービームの位置を例示する模式図である。 (a)は、レーザー光源、レーザービーム偏向部及び測定範囲の位置関係を例示する図であり、(b)は、測定範囲上におけるレーザービームの位置を例示する模式図である。 (a)は、レーザー光源から照射された試料上を通過するレーザービームによってイオン化した粒子の強度を例示する写真であり、(b)は、横軸に位置をとり、縦軸に粒子強度をとって図10(a)に示す領域Aにおけるイオン化された粒子の分布を例示するグラフ図である。 は、比較例における一次イオンビームとレーザービームの位置を例示する模式図である。
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施形態について説明する。
図1は、本実施形態に係る質量分析装置を例示する模式図である。
図1に示すように、本実施形態に係る質量分析装置には、測定する試料150を乗せる試料台101が設けられている。
以下、本明細書においては、説明の便宜上、XYZ直交座標系を導入する。この座標系においては、試料台の試料を乗せる面に平行な方向であって相互に直交する2方向をX方向及びY方向とし、X方向及びY方向の双方に対して直交する方向をZ方向とする。
試料台101の直上域には、試料150に対して一次イオンビーム151を照射し、試料150から中性粒子を発生させるイオンビーム照射部102が設けられている。一次イオンビーム151は、例えば集束イオンビームなどのビームである。試料台101とイオンビーム照射部102の間には、第1イオンビーム偏向部103及び第2イオンビーム偏向部104が設けられている。
第1イオンビーム偏向部103においては、X方向に対向する2枚の電極板103a、103bが設けられている。試料150に一次イオンビーム151が照射されたとき、一次イオンビーム151は、電極板103a、103bの間を通過する。第1イオンビーム偏向部103に電圧が印加されている場合、一次イオンビーム151は、第1イオンビーム偏向部103に印加されている電圧値に応じて電界からの影響を受けてX方向に偏向する。このとき、第1イオンビーム偏向部103に印加される電圧値によって、一次イオンビーム151のX方向への偏向度は決定される。
第2イオンビーム偏向部104においては、Y方向に対向する2枚の電極板104a、104bが設けられている。試料150に一次イオンビーム151が照射されたとき、一次イオンビーム151は、電極板104a、104bの間を通過する。第2イオンビーム偏向部104に電圧が印加されている場合、一次イオンビーム151は、電界からの影響を受けてY方向に偏向する。このとき、第2イオンビーム偏向部104に印加される電圧値によって、一次イオンビーム151のY方向への偏向度は決定される。
また、中性粒子をイオン化粒子にするレーザービーム152を照射するレーザー光源105及びレーザー光源105から照射されたレーザービーム152を偏向させることで試料150の直上域を通過させるレーザービーム偏向部106が設けられている。レーザービーム152は、例えばフェムト秒レーザーなどのレーザー光である。レーザービーム偏向部106においては、移動台106a、レーザービーム152を反射させる反射ミラー106b及びレーザービーム152を集束させる可動式凸レンズ106cが設けられている。可動式凸レンズ106cにおいては、凸レンズ部106dと可動部106eが設けられている。反射ミラー106b及び可動式凸レンズ106cは、移動台106a上に配置されている。移動台106aは動力として例えばモータを有しており、X方向に可動する。また、可動式凸レンズ106cの可動部106eは、動力として例えばモータを有しており、Y方向に可動する。レーザー光源105から照射されたレーザービーム152は、反射ミラー106b及び可動式凸レンズ106cの凸レンズ部106eを介して試料150の直上域における所定の空間を通過する。
また、第1イオンビーム偏向部103、第2イオンビーム偏向部104、移動台106a及び可動式凸レンズ106cに接続された制御部107が設けられている。移動台106aと制御部107の接続の間及び可動式凸レンズ106cと制御部107の接続の間には、アンプ108が設けられている。すなわち、移動台106a及び可動式凸レンズ106cは、アンプ108を介して制御部107に接続されている。
試料150上には、イオン化粒子を加速させるイオン引出電極109及びイオン化粒子を取り込んで質量分析を施す質量分析計110が設けられている。
なお、図示していないが、試料台101、試料150、イオン引出電極109及び質量分析計110はチャンバー内に配置されている。チャンバー内は減圧されており、例えば10−8パスカル以下の圧力に減圧されている。また、レーザー光源105を移動台106a上に設置できる場合は、反射ミラー106bは設けられていなくても良い。更に、第1イオンビーム偏向部103、第2イオンビーム偏向部104は、電磁石などの磁場を発生させる部材でも良い。更にまた、試料台101は、可動式の試料台であってもよい。
図2は、本実施形態に係る質量分析装置の原理を例示する模式図である。
図2に示すように、本実施形態に係る質量分析装置においては、試料150に対して一次イオンビーム151を照射することで、試料150の一部を中性粒子150aとして飛散させる。試料150上に飛散した中性粒子150aは、試料150の直上域を通過するレーザービーム152によってポストイオン化されることでイオン化粒子150bになる。イオン化粒子150bは、質量分析計110の取り込まれ分析される。これにより、試料150の構成元素を決定することができる。
次に、本実施形態に係る質量分析装置の制御シグナルの流れについて説明する。
図3は、本実施形態に係る質量分析装置の制御シグナルの流れを示すチャート図である。
図3に示すように、ユーザーインターフェース301を通して制御部107から第1イオンビーム偏向部103及び第2イオンビーム偏向部104への制御シグナル302が流れる。この制御シグナル302を基にして、移動台106aのモーター303にX方向に移動するシグナルが流れ、可動式凸レンズ106cのモーター304にY方向に移動するシグナルが流れる。
次に、本実施形態に係る質量分析装置の測定までの流れについて説明する。
図4は、本実施形態に係る質量分析装置の測定までの流れを示すチャート図である。
まず、ステップS1に示すように、制御部107によって第1イオンビーム偏向部103及び第2イオンビーム偏向部104には、制御シグナル302である所定の電圧が印加される。
ステップS2に示すように、第1イオンビーム偏向部103及び第2イオンビーム偏向部104に印加された電圧は、それぞれアンプにも印加され所定の係数倍に増幅され、電圧値を変更される。そして、ステップS3に示すように、移動台106aには、第2イオンビーム偏向部104に印加された電圧と同じ電圧値の電圧がアンプ108によって所定の係数倍に増幅されて印加される。また、可動式凸レンズ106cには、第1イオンビーム偏向部103に印加された電圧と同じ電圧値の電圧がアンプ108によって所定の係数倍に増幅されて印加される。これにより、移動台106a及び可動式凸レンズ106cは所定の位置に移動する。このとき、移動台106aは第1イオンビーム偏向部103と連動して制御され、可動式凸レンズ106cは、第2イオンビーム偏向部104と連動して制御される。その後、ステップS4に示すように、一次イオンビーム151及びレーザービーム152を照射することで、試料150を測定する。
例えば、一次イオンビーム151を第1イオンビーム偏向部103によって試料150上においてX方向に+30μm偏向させた場合、移動台106aは,モーター303へ第1イオンビーム偏向部103に印加された電圧に比例して増幅された電圧が印加されることで、レーザービーム152を試料150においてX方向に+30μm偏向させる。これにより、X方向における一次イオンビーム151の位置を制御することができる。
また、詳しくは後述するが、移動式凸レンズ106cによって集束されたレーザービーム152には、最も光子密度が高い部分を含むイオン化領域が存在する。Y方向においては、移動式凸レンズ106cをY方向に移動させることで、イオン化領域の位置を制御し、第2イオンビーム偏向部104に電界を発生させることで、一次イオンビーム151のY方向への偏向を制御する。例えば、一次イオンビーム151を第2イオンビーム偏向部104によって試料150上においてY方向に+30μm偏向させた場合、移動式凸レンズ106cは、モーター304へ第2イオンビーム偏向部104に印加された電圧に比例して増幅された電圧が印加されることで、イオン化領域を試料150上においてY方向に+30μm移動させる。これにより、Y方向における一次イオンビーム151及びイオン化領域の位置を制御することができる。
一次イオンビーム151及びレーザービーム152のX方向の制御とY方向の制御を組み合わせることにより、試料150を移動させることなく所定の位置を測定する。
次に、本実施形態に係る質量分析装置による質量分析方法について説明する。
図5は、本実施形態に係る質量分析装置の測定範囲を例示する模式図である。
図5に示すように、測定範囲200内には、一次イオンビームを照射するスポット201が複数設定されている。測定範囲200のY方向の長さLは、例えば約1mmである。本実施形態に係る質量分析装置100は、試料150の測定範囲200内のスポット201に一次イオンビーム151を照射することで試料150から中性粒子150aを発生させる。第1イオンビーム偏向部103及び第2イオンビーム偏向部104によって一次イオンビーム151を偏向させることで、測定範囲200内における複数のスポット201のそれぞれに一次イオンビーム151を照射することができる。スポット201毎に発生した中性粒子150aは、レーザービーム152によってポストイオン化され、イオン化粒子150bになる。スポット201毎に発生したイオン粒子150bを質量分析計110で分析することで、測定範囲200内の元素マッピングを行う。これにより、測定範囲200内を測定走査することで、測定範囲200内の元素マッピングが可能になる。なお、例えば、1つのスポット201につき、複数回の測定を施しても良い。例えば、0.1秒間の測定を20回施しても良い。
測定範囲200の測定走査は、例えば、測定範囲200の左上のスポット201aから左下のスポット201eにかけてY方向に連続して配置されているスポット201を順に分析する。すなわち、スポット201a、スポット201b、スポット201c・・・という順で実施する。次に、Y方向において連続して配置されたスポット201f〜スポット201kを順に分析する。このように、図5の矢印Eに示す流れでスポットを分析していき、測定範囲200内の左上のスポット201aから右下のスポット201yを順に測定することで、測定範囲200内の元素マッピングを行う。
次に、本実施形態に係る質量分析装置のレーザービームの走査について説明する。
図6(a)、図7(a)、図8(a)、及び図9(a)は、レーザー光源、レーザービーム偏向部及び測定範囲の位置関係を例示する図であり、図6(b)、図7(b)、図8(b)及び図9(b)は、測定範囲上におけるレーザービーム152の位置を例示する模式図である。
図6(b)に示すレーザービーム152の位置は、レーザー光源105、レーザービーム偏向部106及び測定範囲200の位置関係が図6(a)に示すときの位置である。
図6(a)及び図6(b)に示す各部材の配置は、測定範囲200内における最も左上のスポットを分析するときの配置である。
図6(a)及び(b)に示すように、レーザー光源105からX方向に向けて照射されたレーザービーム152は、反射ミラー106bに反射されてY方向に向かい、可動式凸レンズ106cに入射する。可動式凸レンズ106cに入射したレーザービーム152は、可動式凸レンズ106cの凸レンズ部106dを通過することで集束され、試料の測定範囲200上をY方向に通過する。このとき、レーザービーム152が集束され、最も光子密度が高い部分を含むイオン化領域152aは、測定範囲200内の最も左上のスポット201aの直上を通過する。一次イオンビーム151によってスポット201aから飛散した中性粒子150aは、このイオン化領域152aに入ってレーザービーム152と相互作用することにより、イオン化粒子150bになり、質量分析計110によって分析される。
図7(a)及び図7(b)に示す各部材の配置は、測定範囲200内における最も左下のスポットを分析するときの配置である。
図7(a)及び図7(b)に示すように、図6(a)に示す可動式凸レンズ106cの位置からY方向に移動させることで、レーザービーム152のイオン化領域152aをスポット201aの直上域からスポット201eの直上域に移動させる。一次イオンビーム151によって試料150から飛散された中性粒子150aがこのイオン化領域152aに入り、レーザービーム152と相互作用することにより、イオン化粒子150bになり、質量分析計110によって分析される。
図8(a)及び(b)に示す各部材の配置は、測定範囲200内における最も右上のスポット201uを分析するときの配置である。
図8(a)及び(b)に示すように、図6(a)に示す移動台106aの位置をX方向に移動させることで、測定範囲200を通過するレーザービーム152の位置をX方向に移動する。これにより、スポット201uの直上域にイオン化領域152aが配置される。一次イオンビーム151によってスポット201uにおける試料150から飛散された中性粒子150aがこのイオン化領域152aに入り、レーザービーム152と相互作用することにより、イオン化粒子150bになり、質量分析計110によって分析される。
図9(a)及び(b)に示す各部材の配置は、測定範囲200内における最も右下のスポット201yを分析するときの配置である。
図9(a)及び(b)に示すように、図6(a)に示す移動台106aの位置をX方向に移動させることで、測定範囲200を通過するレーザービーム152の位置をX方向に移動するとともに、可動式凸レンズ106cをY方向に移動させることでイオン化領域152aの位置を201yの直上域に移動させる。これにより、一次イオンビーム151によってスポット201uにおける試料150から飛散された中性粒子150aがこのイオン化領域152aに入り、レーザービーム152と相互作用することにより、イオン化粒子150bになり、質量分析計110によって分析される。
したがって、第1イオンビーム偏向部103及び移動台106aを制御部107によって制御することによって、X方向の走査をすることができ、第2イオンビーム偏向部104及び可動式凸レンズ106cを制御部107によって制御することによって、Y方向の走査をすることができる。これにより、測定範囲200内のすべてのスポット201を分析することで、測定範囲200の元素マッピングが可能になる。
次に、本実施形態の効果について説明する。
本実施形態においては、一次イオンビーム151を第1イオンビーム偏向部103、第2イオンビーム偏向部104によって偏向させつつ、移動台106aによってレーザービーム152が通過する位置及びイオン化領域152aの位置を調節することで、試料台101を動かすことなく元素マッピングすることが可能になる。これにより、検出感度を一定に保ったまま試料を一次イオンビーム151により走査できるため、広範囲にわたって定量性の高い分析が可能になる。また、検出感度を一定に保ったまま異なる領域を測定できるため、例えば、半導体装置のセル構造ごとの分析結果を比較することができる。
なお、本実施形態に係る質量分析装置100においては、レーザービーム152のビーム径が広く、レーザービーム152の光路が複数のスポットが設定された所定の広さの測定範囲よりも広いときは、レーザービーム152を移動させなくともよい。また、反射ミラー106bの代わりにプリズムを用いても良い。更に可動式凸レンズ106cの替わりに可動式の凹面鏡によってレーザービーム152を所定の位置に反射させることで集束させても良い。なお、上述の如く一次イオンビーム151の照射位置とレーザービーム152の光路及び焦点位置を連動させる替わりに、これらを固定したまま試料台101を移動させることにより、分析対象とするスポット201を切り替えていくことも考えられる。しかしながら、試料台101を動かすと、試料台101上の電界条件等が変化するため広範囲の元素マッピングを行う際には定量性が著しく損なわれる。また、試料台101を動かすと、試料台101の移動の前後で試料150のドリフトが発生し、サブμm以下のレベルで正確な位置を測定することができなくなる。
次に実施形態の比較例について説明する。
本比較例に係る質量分析装置は、レーザービームの光路が固定されている。
図10(a)は、レーザー光源から照射された試料上を通過するレーザービームによってイオン化した粒子の強度を例示する写真であり、(b)は、横軸に位置をとり、縦軸に粒子強度をとって図10(a)に示す領域Aにおけるイオン化された粒子の分布を例示するグラフ図である。
図10(a)に示すように、レーザービームの光路Bから離れるほどレーザービームと相互作用しイオン化する中性粒子150aの割合は低くなっていく。このためレーザービームの光路Bから離れるほどイオン化した粒子の強度は弱くなっていく。
図10(b)に示すように、図10(a)に示す領域A内における試料をF側からR側の粒子強度の分布を計測すると、光路Bから離れるほど粒子強度が弱くなる。通常、粒子強度が一定以上得られない場合、元素マッピングができない。本比較例の場合、光路Bの中心軸から80μm以上はなれた領域であると、粒子強度が弱いため、元素マッピングが困難になる。
図11は、本比較例における一次イオンビームとレーザービームの位置を例示する模式図である。
図11に示すように、試料301上の直上域にレーザービーム302を通過させる。このときのレーザービーム302の直径Mは、100μmである。本比較例の場合、レーザービーム302の直下域の以外の試料の上面に一次イオンビーム303を照射することで、中性粒子301aを飛散させても、レーザービーム302からの距離が遠いため中性粒子301がレーザービーム302と相互作用しにくくなる。このため、一次イオンビーム303によってレーザービームの302の直下域以外を走査した場合、試料の分析データを得ることは困難である。
レーザービーム302の光路が固定されている質量分析装置の場合、レーザービーム302の位置と一次イオンビーム303を照射する位置との位置関係によって中性粒子のイオン化率が異なってしまう。加えて、正確な中性粒子301aの分布やレーザービーム302の位置に対するイオン化率を決定することは困難であるため、試料を広範囲にわたって測定した場合、著しく定量性が損なわれたり、イオン化した粒子の強度が小さいため検出できない場合がある。従って、例えば半導体装置のチップ全体における元素分布の測定やセル構造ごとの比較分析ができない。
以上説明した実施形態によれば、元素マッピング測定の範囲が広い質量分析装置を実現することができる。
以上、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明及びその等価物の範囲に含まれる。また、前述の各実施形態は、相互に組み合わせて実施することができる。
101:試料台、102:イオンビーム照射部、103:第1イオンビーム偏向部、104:第2イオンビーム偏向部、103a、103b、104a、104b:電極板、105:レーザー光源、106:レーザービーム偏向部、106a:移動台、106b:反射ミラー、106c:可動式凸レンズ、107:制御部、108:アンプ、109:イオン引出電極、110:質量分析計、150、301:試料、150a、301a:中性粒子、150b:イオン化粒子、151、303:一次イオンビーム、152、302:レーザービーム、200:測定範囲、201、201a、201b、201c、201d、201e、201f、201k、201u、201y:スポット

Claims (5)

  1. 試料に照射されると前記試料から中性粒子を発生させるイオンビームを出射するイオンビーム照射部と、
    前記イオンビームを偏向させることにより、前記イオンビームを前記試料における任意の部分に到達させるイオンビーム偏向部と、
    レーザービームを出射するレーザー光源と、
    前記レーザービームを前記試料上に誘導すると共に前記レーザービームを集束させて、前記中性粒子をイオン化させることが可能なイオン化領域を形成するレーザービーム偏向部と、
    前記イオンビーム偏向部及び前記レーザービーム偏向部を制御することにより、前記部分の直上域に前記イオン化領域を位置させる制御部と、
    を備えた質量分析装置。
  2. 前記イオンビーム偏向部は、
    前記イオンビームを第1方向に偏向させる第1偏向部と、
    前記イオンビームを前記第1方向に対して交差する第2方向に偏向させる第2偏向部と、
    を有する請求項1記載の質量分析装置。
  3. 前記レーザービーム偏向部は、
    前記レーザービームの光路を前記第2方向に変更する第1光学素子と、
    前記レーザー光源から出射した前記レーザービームの光路に沿って前記第1光学素子を移動させる第1移動手段と、
    前記第1光学素子から出射した前記レーザービームを集束させる第2光学素子と、
    前記第2光学素子を前記第2方向に沿って移動させる第2移動手段と、
    を有する請求項2記載の質量分析装置。
  4. 前記レーザー光源は前記レーザービームを前記第1方向に向けて出射する請求項3記載の質量分析装置。
  5. 前記第1光学素子はミラーであり、
    前記第2光学素子は凸レンズである請求項3または4に記載の質量分析装置。
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