JP2016170112A - スートマスリミット試験方法及びスートマスリミット試験機 - Google Patents

スートマスリミット試験方法及びスートマスリミット試験機 Download PDF

Info

Publication number
JP2016170112A
JP2016170112A JP2015051154A JP2015051154A JP2016170112A JP 2016170112 A JP2016170112 A JP 2016170112A JP 2015051154 A JP2015051154 A JP 2015051154A JP 2015051154 A JP2015051154 A JP 2015051154A JP 2016170112 A JP2016170112 A JP 2016170112A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
soot
gasoline engine
honeycomb filter
mass limit
soot mass
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2015051154A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6407774B2 (ja
Inventor
幸男 伊原
Yukio Ihara
幸男 伊原
一 太田
Hajime Ota
一 太田
俊彦 中尾
Toshihiko Nakao
俊彦 中尾
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NGK Insulators Ltd
Original Assignee
NGK Insulators Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NGK Insulators Ltd filed Critical NGK Insulators Ltd
Priority to JP2015051154A priority Critical patent/JP6407774B2/ja
Publication of JP2016170112A publication Critical patent/JP2016170112A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6407774B2 publication Critical patent/JP6407774B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Testing Of Engines (AREA)

Abstract

【課題】ガソリンエンジン車に使用されているハニカムフィルタおけるスートマスリミットを正確に測定可能なスートマスリミット試験方法を提供する。
【解決手段】内部にススが堆積した状態でガソリンエンジンの排気管に配置されたハニカムフィルタを、ガソリンエンジンからの排ガスによって600℃以上に昇温するようにガソリンエンジンを運転した状態から、10秒〜5分の時間をかけてアイドル状態まで減速運転することにより、ハニカムフィルタ内のススを燃焼させて、ハニカムフィルタ内を高温にするスートマスリミット試験方法。好ましくは、ハニカムフィルタには、減速運転する前の状態においてススが3g/L以上堆積しているスートマスリミット試験方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、スートマスリミット試験方法及びスートマスリミット試験機に関する。更に詳しくは、ガソリンエンジンにおけるスートマスリミットを正確に測定可能なスートマスリミット試験方法及びスートマスリミット試験機に関する。
自動車エンジン等の排ガス中には、ススが含まれている。そして、このススが、大気中に放出されるのを防止する必要がある。そこで、自動車エンジン等の排気管にフィルタを設置することが行われている。
このようなフィルタは、排ガス中のススを除去するものである。このフィルタは、長期間使用されると、除去されたススが内部に堆積することになる。そして、ススの堆積量が多くなると、ススが燃焼する際の熱応力が大きくなる。そのため、フィルタが破損するおそれがある。ここで、フィルタがどの程度のススを堆積できるかを評価することは重要である。そして、フィルタに堆積可能なススの量の限界を確認する試験(スートマスリミット(Soot Mass Limit(SML))試験)が行われている(例えば、特許文献1参照)。ディーゼルエンジン車で使用しているフィルタ(DPF)におけるスートマスリミットを確認する試験としては、Drop To Idle(DTI)試験がある。
特開2011−177612号公報
しかし、ガソリンエンジンが搭載されたガソリンエンジン車の場合、ディーゼルエンジン車で使用しているフィルタ(DPF)の試験として採用されるDTI試験が適用できないという問題があった。具体的には、ガソリンエンジン車は、排ガス中の酸素濃度が低く、DTI試験ではススの燃焼が起こらない。そのため、ディーゼルエンジン車で使用しているDPFと同じ条件で試験をしても、フィルタの内部温度が高温にならない。従って、ディーゼルエンジン車のように、ススが燃焼するために必要な酸素濃度条件を作り出せない。このようなことから、ガソリンエンジン車に使用されるフィルタについては、DTI試験が適用できないという問題がある。
そこで、ガソリンエンジン車に使用されるフィルタのスートマスリミットを正確に測定可能な試験方法の開発が切望されている。
本発明は、このような従来技術の有する問題点に鑑みてなされたものである。本発明の課題とするところは、ガソリンエンジン車に使用されているフィルタのスートマスリミットを正確に測定可能なスートマスリミット試験方法及びスートマスリミット試験機を提供することにある。
本発明によれば、以下に示す、スートマスリミット試験方法及びスートマスリミット試験機が提供される。
[1] 内部にススが堆積した状態でガソリンエンジンの排気管に配置されたハニカムフィルタを、前記ガソリンエンジンからの排ガスによって600℃以上に昇温するように前記ガソリンエンジンを運転した状態から、10秒〜5分の時間をかけて前記ガソリンエンジン内への燃料の供給を遮断する制御状態(遮断制御)を維持しながらアイドル状態まで減速運転することにより、前記ハニカムフィルタ内の前記ススを燃焼させて、前記ハニカムフィルタ内を高温にするスートマスリミット試験方法。
[2] 前記ハニカムフィルタには、減速運転する前の状態において前記ススが3g/L以上堆積している前記[1]に記載のスートマスリミット試験方法。
[3] ガソリンエンジンと、前記ガソリンエンジンの出力軸にシャフトを介して接続されたダイナモメータと、前記ダイナモメータに接続されたモーターと、前記ガソリンエンジンに接続された排気管と、を備え、前記モーターは、内部にススが堆積したハニカムフィルタを前記ガソリンエンジンからの排ガスによって600℃以上に昇温するように前記ガソリンエンジンを稼働した状態から、10秒〜5分の時間をかけて前記ガソリンエンジン内への燃料の供給を遮断する制御状態(遮断制御)を維持しながらアイドル状態まで前記ガソリンエンジンの回転数を低下させるように、前記ダイナモメータを駆動させるものであるスートマスリミット試験機。
本発明のスートマスリミット試験方法は、ガソリンエンジンを用いて、所定の状態から、10秒〜5分の時間をかけてアイドル状態まで減速運転する方法を採用する。このような方法を採用することで、本発明のスートマスリミット試験方法は、ガソリンエンジン車に使用されるフィルタのスートマスリミットを正確に測定可能である。
本発明のスートマスリミット試験機は、ダイナモメータを介してガソリンエンジンに接続されたモーターを備えている。そして、本発明のスートマスリミット試験機は、上記モーターによって、所定の状態から、10秒〜5分の時間をかけてアイドル状態までガソリンエンジンの回転数を低下させることができる。そのため、本発明のスートマスリミット試験機は、ガソリンエンジン車に使用されるフィルタのスートマスリミットを正確に測定可能である。
本発明のスートマスリミット試験機の一の実施形態を模式的に示す模式図である。 本発明のスートマスリミット試験機の一の実施形態におけるグラフである。 本発明のスートマスリミット試験機の一の実施形態における、時間と酸素濃度のグラフである。 従来のスートマスリミット試験機でDrop To Idle試験を行ったときのグラフである。 従来のスートマスリミット試験機でDrop To Idle試験を行ったときの時間と酸素濃度のグラフである。
以下、本発明の実施の形態について説明する。本発明は以下の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、当業者の通常の知識に基づいて、以下の実施の形態に対し適宜変更、改良等が加えられたものも本発明の範囲に入ることが理解されるべきである。
[1]スートマスリミット試験方法:
本発明のスートマスリミット試験方法の一実施形態は、以下の通りである。所定の条件でガソリンエンジンを運転した状態(前提状態)から、10秒〜5分の時間T(図2参照)をかけて遮断制御を維持しながらアイドル状態まで減速運転する。上記所定の条件は、「内部にススが堆積した状態でガソリンエンジンの排気管に配置されたハニカムフィルタ」を、ガソリンエンジンからの排ガスによって600℃以上に昇温させるという条件である。これにより、ハニカムフィルタ内のススを燃焼させて、ハニカムフィルタ内を高温(800℃以上)にすることができる。その結果、ガソリンエンジン車に使用されているフィルタのスートマスリミットを正確に測定することができる。なお、「ハニカムフィルタ内のススを燃焼」させて、スートマスリミットを更に正確に測定するには、ハニカムフィルタ内を900℃以上の高温にすることが必要である。図2は、本発明のスートマスリミット試験機の一の実施形態におけるグラフである。
ハニカムフィルタには、減速運転する前の状態においてススが3g/L以上(L:ハニカムフィルタの体積)堆積していることが好ましい。このようにススが堆積していると、より正確にフィルタのスートマスリミットを測定することができる。
従来、ディーゼルエンジン車で使用しているフィルタ(DPF)におけるスートマスリミットを確認する試験としては、Drop To Idle(DTI)試験が採用されている。しかし、ガソリンエンジン車の場合、ディーゼルエンジン車で使用しているフィルタ(DPF)の試験として採用されるDTI試験が適用できないという問題があった。具体的には、ガソリンエンジンは、排ガス中の酸素濃度が低く、DTI試験ではススの燃焼が起こらない(図4、図5参照)。従って、DTI試験では、ガソリンエンジン車におけるハニカムフィルタのスートマスリミットを正確に測定することが困難である。
図4は、従来のスートマスリミット試験機でDrop To Idle試験を行ったときのグラフである。図5は、従来のスートマスリミット試験機でDrop To Idle試験を行ったときの時間と酸素濃度のグラフである。
ここで、実車両(ガソリンエンジン車)には、減速運転時または惰性運転時に気筒内への燃料供給を遮断する制御(遮断制御)がある。そして、この遮断制御が生じると、排ガスは酸素過多状態になる。そこで、このような制御を利用して、ガソリンエンジン内に十分な濃度の酸素を一定時間存在させることができる。
つまり、本発明のスートマスリミット試験方法は、上記前提状態から、10秒〜5分の時間をかけて遮断制御を維持しながらアイドル状態まで減速運転をすることにより、上記遮断制御の時間を調節する。これにより、ガソリンエンジン内に十分な濃度の酸素が一定時間存在することになる(図3参照)。このようにすることで、ハニカムフィルタ内のススを燃焼させることができ、ハニカムフィルタ内を800℃以上の高温にすることができる。その結果、ガソリンエンジン車に使用されているハニカムフィルタであってもスートマスリミットを正確に測定することができる。図3は、本発明のスートマスリミット試験機の一の実施形態における、時間と酸素濃度のグラフである。
本発明のスートマスリミット試験方法において、減速運転時間は、上記のように10秒〜5分であることが必要である。そして、上記減速運転時間は、10〜120秒であることが好ましく、10〜50秒であることが更に好ましい。なお、「減速運転時間」は、所定の条件でガソリンエンジン12を稼働した状態(前提状態)からアイドル状態に至るまでの時間のことである。上記減速運転時間を上記範囲内とすることにより、ガソリンエンジン12内における酸素が十分に存在する時間が確保される。そのため、ハニカムフィルタ10内に堆積されているススが十分に燃焼することになる。その結果、ハニカムフィルタ10内が高温になる。従って、ハニカムフィルタ10のスートマスリミットを正確に測定することができる。上記減速運転時間が10秒未満であると、ガソリンエンジン12内における酸素が十分に存在せずにハニカムフィルタ10内が高温にならない。また、上記減速運転時間が5分超であると、ハニカムフィルタが高温にならない。その結果、スートマスリミットを正確に測定することができない。
「内部にススが堆積したハニカムフィルタ」は、内部に所定量のススをあらかじめ堆積させたものを用いることができる。また、ススを堆積させる前のハニカムフィルタをガソリンエンジンの排気管に配置し、このハニカムフィルタに排ガスを一定時間通過させることで、排ガス中のススを堆積させたハニカムフィルタをそのまま用いることもできる。
ハニカムフィルタを昇温させる温度は、600℃以上であり、650〜900℃であることが好ましく、800〜900℃であることが更に好ましい。このようにすることで、ハニカムフィルタのスートマスリミットを正確に測定することができる。上記温度が600℃未満であると、ススの燃焼に必要な温度より低温であるため、ススが十分に燃焼しないことになる。そのため、ハニカムフィルタが高温にならず、スートマスリミットを正確に測定することができない。
そして、上記「所定の条件」でガソリンエンジン車を運転した状態におけるエンジンの回転数は、2500〜5500rpm程度である。
[2]スートマスリミット試験機:
本発明のスートマスリミット試験機は、ガソリンエンジンの性能を評価するための台上試験機(いわゆるエンジンベンチ)を用いることができる。
本発明のスートマスリミット試験機の一実施形態は、図1に示すスートマスリミット試験機100である。このスートマスリミット試験機100は、ガソリンエンジン12と、このガソリンエンジン12に接続されたダイナモメータ14と、このダイナモメータ14に接続されたモーター16と、ガソリンエンジン12に接続された排気管18と、備えている。そして、モーター16によって、所定の条件でガソリンエンジン12を稼働した状態(前提状態)から、10秒〜5分の時間をかけて遮断制御を維持しながらアイドル状態までガソリンエンジン12の回転数を低下させるようにダイナモメータ14を駆動させる。上記所定の条件は、ガソリンエンジン12からの排ガスによってハニカムフィルタ10を600℃以上に昇温させるという条件である。なお、ハニカムフィルタ10は、上記前提状態において内部にススが堆積している。このように、モーター16によって、上記前提状態から10秒〜5分の時間をかけて遮断制御を維持しながらアイドル状態までガソリンエンジン12の回転数を低下させると、ハニカムフィルタ10内のススを燃焼させて、ハニカムフィルタ10内を高温にすることができる。その結果、ガソリンエンジン12に使用されているハニカムフィルタ10のスートマスリミットを正確に測定することができる。図1は、本発明のスートマスリミット試験機の一の実施形態を模式的に示す模式図である。
従来、ディーゼルエンジン車で使用しているフィルタ(DPF)におけるスートマスリミットを確認する試験としては、Drop To Idle(DTI)試験が採用されている。しかし、ガソリンエンジン車の場合、ディーゼルエンジン車で使用しているフィルタ(DPF)の試験として採用されるDTI試験が適用できないという問題があった。具体的には、ガソリンエンジンは、排ガス中の酸素濃度が低く、DTI試験ではススの燃焼が起こらない(図4、図5参照)。従って、DTI試験では、ハニカムフィルタのスートマスリミットを正確に測定することが困難である。
ここで、実車両には、減速運転時または惰性運転時に気筒内への燃料供給を遮断する制御(遮断制御)がある。そして、この遮断制御が発生すると、排ガスは酸素過多状態になる。そこで、このような制御を利用して、ガソリンエンジン内に十分な濃度の酸素を一定時間存在させることができる。
つまり、本発明のスートマスリミット試験機は、上記モーターを備えることにより、上記遮断制御の時間を調節する。これにより、ガソリンエンジン内に十分な濃度の酸素が一定時間存在することになる(図3参照)。このようにすることで、ハニカムフィルタ内のススを燃焼させることができ、ハニカムフィルタ内を800℃以上の高温にすることができる。その結果、ガソリンエンジンに使用されているハニカムフィルタであってもスートマスリミットを正確に測定することができる。
本発明のスートマスリミット試験機において、減速運転時間は、上記のように10秒〜5分であることが必要である。そして、上記減速運転時間は、10〜120秒であることが好ましく、10〜50秒であることが更に好ましい。上記減速運転時間とすることにより、ガソリンエンジン12内における酸素が十分に存在する時間が確保される。そのため、ハニカムフィルタ内に堆積されているススが十分に燃焼することになる。その結果、ハニカムフィルタ10内が高温になる。従って、ハニカムフィルタ10のスートマスリミットを正確に測定することができる。上記減速運転時間が10秒未満であると、ガソリンエンジン12内における酸素が十分に存在せずにハニカムフィルタ10内が高温にならない。また、上記減速運転時間が5分超であると、ハニカムフィルタが高温にならない。その結果、スートマスリミットを正確に測定することができない。
ダイナモメータ14は、ガソリンエンジン12の出力軸(不図示)にシャフト13を介して接続されている。そして、ダイナモメータ14は、ガソリンエンジン12の出力を吸収し、反力からトルクを計測する機器である。
モーターが「ダイナモメータを駆動させる」とは、モーターによってダイナモメータに対して回転力を与えることを意味する。即ち、モーターが、ダイナモメータに対して回転力を与えるので、エンジンの減速運転時間を調節することができる。別言すれば、モーターを備えない場合、減速運転を開始すると、ガソリンエンジンは、上記前提状態から10秒未満でアイドル状態まで回転数が低下してしまう。本発明のスートマスリミット試験機によれば、モーターによってダイナモメータに回転力を与えることで、ダイナモメータを介して、上記前提状態から遮断制御を維持しながら10秒〜5分の時間をかけてアイドル状態まで徐々にガソリンエンジンの回転数を低下させることができる。
モーターとしては、モーター出力がインバーター制御するものを好適に使用することができる。インバーターがモーターの回転を滑らかにするため、減速運転時間の精度が向上する。
排気管18には、試験対象であるハニカムフィルタ10を配置する。ハニカムフィルタ10は、その構造に特に制限はなく、従来公知のハニカムフィルタを採用することができる。例えば、ハニカムフィルタは、一方の端面である流入端面から他方の端面である流出端面まで延びる排ガスの流路となる複数のセルを区画形成する隔壁、及び目封止部を備える柱状のものを挙げることができる。目封止部は、セルの流入端面側または流出端面側に交互に配置されるものである。
以下、本発明を実施例に基づいて具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
まず、ハニカムフィルタをガソリンエンジンの排気管に配置した。次に、ハニカムフィルタの内部にススを堆積させた。具体的には、ハニカムフィルタをガソリンエンジンの排気管に配置した状態で、180分間、運転することでハニカムフィルタの内部にススを堆積させた。ガソリンエンジンとしては、具体的には、電子燃料噴射式の乗用車用のエンジン(排気量1.4L)を採用した。
なお、ハニカムフィルタは、流入端面から流出端面まで延びる流体の流路となる複数のセルを区画形成する多孔質の隔壁を備える円柱状のものであった。ハニカムフィルタは、端面の直径が118.4mmであり、セルの延びる方向の長さが127mmであった。ハニカムフィルタは、隔壁の厚さが0.152mmであり、セル密度が34.1セル/cmであった。複数のセルには、隣合うセルの流入端面側と流出端面側とに交互に目封止部が配置されていた。ススの堆積量は、3.0g/Lであった。
次に、ガソリンエンジン車からの排ガスによってハニカムフィルタを600℃以上(具体的には、650℃)に昇温させた(昇温温度)。そして、このようにハニカムフィルタを昇温させた回転数(エンジン回転数)を維持した状態から、30秒をかけてアイドル状態まで減速運転した。
このようにすることで、ハニカムフィルタ内のススを燃焼させて、ハニカムフィルタ内を高温にした。なお、ハニカムフィルタ内の最高温度は、917℃であった。
そして、「ハニカムフィルタ内のススを堆積させ、このススを燃焼させる」という上記操作を繰り返して、ハニカムフィルタが破損してしまう限界(スートマスリミット)を試験した。この試験の結果を表1の「スートマスリミット試験の可否」の欄に示す。なお、この試験の評価基準は、以下の通りとした。即ち、遮断制御中のハニカムフィルタ内部温度が900℃以上となるときを「A」とした。遮断制御中のハニカムフィルタ内部温度が800℃以上900℃未満となるときを「B」とした。遮断制御中のハニカムフィルタ内部温度が800℃未満となるときを「C」とした。
本実施例の試験方法により、ガソリンエンジン車に使用されているハニカムフィルタであってもスートマスリミットを良好に試験することができた(表1参照)。
(実施例2)
まず、スートマスリミット試験機として、ガソリンエンジンと、このガソリンエンジンに接続されたダイナモメータと、このダイナモメータに接続されたモーターと、ガソリンエンジンに接続された排気管と、備えるものを用意した(図1参照)。ダイナモメータは、ガソリンエンジンの出力軸にシャフトを介して接続されていた。
次に、ガソリンエンジンからの排ガスによってハニカムフィルタを600℃以上(具体的には、680℃)に昇温するようにガソリンエンジンを駆動させた。ハニカムフィルタは、内部にススが堆積したものを用いた。そして、この状態から、モーターでダイナモメータに回転力を付与しながら、50秒かけてアイドル状態までガソリンエンジンの回転数を低下させた。つまり、モーターを用いて、ガソリンエンジンがアイドル状態に至るまでの時間を調節した。なお、ハニカムフィルタは、実施例1で使用したものと同じ構造のものを用いた。
このようにすることで、ハニカムフィルタ内のススを燃焼させて、ハニカムフィルタ内を高温にすることができた(図2参照)。なお、ハニカムフィルタ内の最高温度は、1011℃であった。このようにハニカムフィルタ内を高温にすることができたのは、図3に示すように、アイドル状態までガソリンエンジンの回転数を低下させたときに高い酸素濃度が維持される時間が確保されたためであった。
そして、実施例1と同様に「ハニカムフィルタ内のススを堆積させ、このススを燃焼させる」という上記操作を繰り返して、ハニカムフィルタが破損してしまう限界(スートマスリミット)を試験した。この試験の結果を表1に示す。評価基準は、上記実施例1と同様にした。
本実施例の試験機により、ガソリンエンジンに使用されているハニカムフィルタであってもスートマスリミットを良好に試験することができた(表1参照)。
(比較例1)
実施例2においてモーターを備えていない装置(エンジンベンチ)と同じ装置を用いた。具体的には、本比較例のスートマスリミット試験機は、ガソリンエンジンと、このガソリンエンジンに接続されたダイナモメータと、ガソリンエンジンに接続された排気管と、備えていた。
このスートマスリミット試験機を用いて、ハニカムフィルタのスートマスリミットの測定を試みた。具体的には、ディーゼルエンジン車で使用しているフィルタ(DPF)におけるスートマスリミットを確認する試験である「Drop To Idle(DTI)試験」を行った(図4参照)。なお、本比較例では、ガソリンエンジンからの排ガスによってハニカムフィルタを600℃以上(具体的には、615℃)に昇温するようにガソリンエンジンを駆動させた状態から、アイドル状態までの時間は、5秒であった。
本比較例では、ハニカムフィルタ内のススが燃焼しないため、ハニカムフィルタ内の温度が高温(800℃以上)に到達しなかった。即ち、本比較例では、「スートマスリミット試験の可否」の評価結果は、Cであった。そのため、本比較例では、スートマスリミットを測定することはできなかった。
(実施例3〜5、比較例2,3)
表1に示す条件としたこと以外は、実施例3〜5については実施例1と同様にし、比較例2,3については比較例1と同様に、「スートマスリミット試験の可否」の評価を行った。
実施例1,2においては、ハニカムフィルタ内のススが燃焼してハニカムフィルタ内部が高温(800℃以上)になっているため、ガソリンエンジン車におけるスートマスリミットを正確に測定可能できることが分かる。
本発明のスートマスリミット試験方法は、自動車等から排出される排ガスを浄化するフィルタのスートマスリミットを測定するための試験方法として採用することができる。本発明のスートマスリミット試験機は、自動車等から排出される排ガスを浄化するフィルタのスートマスリミットを測定するための試験機として採用することができる。
10:ハニカムフィルタ、12:ガソリンエンジン、13:シャフト、14:ダイナモメータ、16:モーター、18:排気管、100:スートマスリミット試験機、T:時間。

Claims (3)

  1. 内部にススが堆積してガソリンエンジンの排気管に配置されたハニカムフィルタを、前記ガソリンエンジンからの排ガスによって600℃以上に昇温するように前記ガソリンエンジンを運転した状態から、10秒〜5分の時間をかけて前記ガソリンエンジン内への燃料の供給を遮断する制御状態を維持しながら減速運転することにより、前記ハニカムフィルタ内の前記ススを燃焼させて、前記ハニカムフィルタ内を高温にするスートマスリミット試験方法。
  2. 前記ハニカムフィルタには、減速運転する前の状態において前記ススが3g/L以上堆積している請求項1に記載のスートマスリミット試験方法。
  3. ガソリンエンジンと、前記ガソリンエンジンの出力軸にシャフトを介して接続されたダイナモメータと、前記ダイナモメータに接続されたモーターと、前記ガソリンエンジンに接続された排気管と、を備え、
    前記モーターは、内部にススが堆積したハニカムフィルタを前記ガソリンエンジンからの排ガスによって600℃以上に昇温するように前記ガソリンエンジンを稼働した状態から、10秒〜5分の時間をかけて前記ガソリンエンジン内への燃料の供給を遮断する制御状態を維持しながらアイドル状態まで前記ガソリンエンジンの回転数を低下させるように、前記ダイナモメータを駆動させるものであるスートマスリミット試験機。
JP2015051154A 2015-03-13 2015-03-13 スートマスリミット試験方法及びスートマスリミット試験機 Active JP6407774B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015051154A JP6407774B2 (ja) 2015-03-13 2015-03-13 スートマスリミット試験方法及びスートマスリミット試験機

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015051154A JP6407774B2 (ja) 2015-03-13 2015-03-13 スートマスリミット試験方法及びスートマスリミット試験機

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2016170112A true JP2016170112A (ja) 2016-09-23
JP6407774B2 JP6407774B2 (ja) 2018-10-17

Family

ID=56983570

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015051154A Active JP6407774B2 (ja) 2015-03-13 2015-03-13 スートマスリミット試験方法及びスートマスリミット試験機

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6407774B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN106706327A (zh) * 2017-01-19 2017-05-24 浙江大学 一种发动机燃烧过程实验研究装置

Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH1089048A (ja) * 1996-09-12 1998-04-07 Denso Corp 排気微粒子浄化装置
JP2005220880A (ja) * 2004-02-09 2005-08-18 Toyota Motor Corp 多気筒内燃機関の制御装置
US20110123421A1 (en) * 2009-11-20 2011-05-26 BASF Catalysts Germany GmbH Zoned catalyzed soot filter
JP2011177612A (ja) * 2010-02-26 2011-09-15 Denso Corp 排ガス浄化フィルタ
JP2012254443A (ja) * 2011-05-17 2012-12-27 Sumitomo Chemical Co Ltd ハニカムフィルタの再生方法
JP2013057308A (ja) * 2011-09-09 2013-03-28 Hyundai Motor Co Ltd 排気ガス浄化装置およびこれを制御する方法
JP2014188466A (ja) * 2013-03-27 2014-10-06 Ngk Insulators Ltd 排ガス浄化フィルタ及び排ガス浄化フィルタの製造方法

Patent Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH1089048A (ja) * 1996-09-12 1998-04-07 Denso Corp 排気微粒子浄化装置
JP2005220880A (ja) * 2004-02-09 2005-08-18 Toyota Motor Corp 多気筒内燃機関の制御装置
US20110123421A1 (en) * 2009-11-20 2011-05-26 BASF Catalysts Germany GmbH Zoned catalyzed soot filter
JP2011177612A (ja) * 2010-02-26 2011-09-15 Denso Corp 排ガス浄化フィルタ
JP2012254443A (ja) * 2011-05-17 2012-12-27 Sumitomo Chemical Co Ltd ハニカムフィルタの再生方法
JP2013057308A (ja) * 2011-09-09 2013-03-28 Hyundai Motor Co Ltd 排気ガス浄化装置およびこれを制御する方法
JP2014188466A (ja) * 2013-03-27 2014-10-06 Ngk Insulators Ltd 排ガス浄化フィルタ及び排ガス浄化フィルタの製造方法

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN106706327A (zh) * 2017-01-19 2017-05-24 浙江大学 一种发动机燃烧过程实验研究装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP6407774B2 (ja) 2018-10-17

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Lambert et al. Gasoline particle filter development
CN109404107B (zh) 柴油机颗粒捕集器碳载量估算方法
US8966882B2 (en) Differential pressure-based enablement of a particulate filter diagnostic
US8069658B2 (en) Methods for estimating particulate load in a particulate filter, and related systems
US8413429B2 (en) Method for determining the amount of particulate accumulated in a particulate filter
CN108138638B (zh) 用于内燃机的废气处理
JP2010510427A (ja) パティキュレートフィルタを具備する排気ラインを較正及び管理する方法
JP2016017496A (ja) パティキュレートフィルタの故障診断方法及び装置
JP2010281239A (ja) 排気センサ管理装置および排気センサ管理方法
EA011875B1 (ru) Способ контроля и изготовления устройства для фильтрации частиц
JP6407774B2 (ja) スートマスリミット試験方法及びスートマスリミット試験機
EP1834074B1 (fr) Protection d'un catalyseur d'oxydation place en amont de filtre à particules pour moteur diesel par limitation de carburant injecte
WO2015129463A1 (ja) 内燃機関の排気浄化装置
EP3387230B1 (fr) Procede de diagnostic d'un catalyseur de reduction selective des oxydes d'azote d'un moteur et dispositif associe
CN107407218A (zh) 用于dpf再生的扭矩控制系统
KR101272944B1 (ko) 가솔린 엔진의 수트 재생 시스템 및 방법
WO2015082805A1 (fr) Procédé d'optimisation de la détection d'un catalyseur défaillant
JP2008014225A (ja) 排気温度センサ点検装置
EP3685031B1 (fr) Procede de regeneration d'un filtre a particules de moteur thermique
JP6992702B2 (ja) 内燃機関の制御装置
Ogyu et al. Soot loading estimation accuracy improvement by filtration layer forming on DPF and new algorithm of pressure loss measurement
JP2006316722A (ja) 排気温度センサ点検装置
EP2935814B1 (fr) Procede de diagnostic d'un piege a oxydes d'azote et moteur associe
US11982245B2 (en) Control apparatus for internal combustion engine, residue removal method, and computer-readable recording medium
US11448112B2 (en) Method, processing unit, and computer program for ascertaining a fill level of soot particles in a soot particulate filter

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20171020

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20180824

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20180911

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20180919

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6407774

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150