JP2016169889A - 空調対象空間の温湿度制御方法 - Google Patents

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睦生 正田
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Abstract

【課題】空調対象空間を設定値に制御できる空調対象空間の温湿度制御方法を提供する。【解決手段】ファンケーシング11の吸込口に冷却器14Cと風量調整ダンパ15を設けた空調機10で、レターンエアRAの一部を冷却器14Cに導入すると共に残りを風量調整ダンパ15に導入し、冷却エアとバイパスエアとを混合してサプライエアSAとして空調対象空間に供給して空調対象空間を設定値SPに制御するに際し、設定値SPでの空調対象空間のエアとレターンエアRAとの温度偏差dTと露点偏差dDとを求め、設定値SPの露点に対して露点偏差dDを考慮して冷却器14Cのサプライエアの出口露点を決定すると共に決定した出口露点に基づいて冷水供給量を制御し、設定値SPの温度に対して温度偏差dTを考慮してサプライエアSAの吹出温度を決定すると共に決定した吹出温度を基にして風量調整ダンパ15を制御する。【選択図】図3

Description

本発明は、空調対象空間を設定の温湿度に空調するための空調対象空間の温湿度制御方法に関するものである。
近年、工場や倉庫、或いは研究施設の空間の温湿度を制御して快適空間を保つニーズが高まっている。
この理由としては、
(1)大量に水を扱う食品水産加工工場、精密機器製造ラインなどでの、カビ、結露、サビ、機器の故障や誤動作対策、
(2)薬品、食品、工業製品などの製造ラインでの装置内や粉体ラインの目詰まり対策、
(3)人(作業者、在席者等)の快適性向上、
(4)保存、保管、環境改善、
(5)品質や歩留まりの向上
につながるメリットがある。
このために、空調対象空間を、例えば、設定温度26℃、相対湿度50%に温湿度制御しようとした場合、エアコンによる空調では、空調対象空間を26℃に制御できても、湿度制御の機能を有していないため、湿度は成り行きになってしまう。
またデシカント空調機は、冷却器と除湿ロータの組み合わせで温湿度制御するものであり、空調対象空間を設定温度26℃、相対湿度50%に保つ制御は可能である。しかし、工場内の空調対象空間は膨大であり、デシカントロータによる除湿を行ったのでは、デシカントロータを大型のものにする必要があり、またそのデシカントロータの再生の熱源も必要であり、コストが大となってしまう。
特許文献1では、ファンコイルケーシングに冷却器とバイパスダンパを設置し、レターンエアを冷却器で冷却する際に、レターンエアの一部をバイパスダンパにバイパスさせて、吹出温度を制御することが示されている。
特開2004−125316号公報 実用新案登録第2506543号公報
しかし、特許文献1では、冷温水の出口温度が所定温度となるように冷却器を通過させる冷温水量を制御し、その上でレターンエアのバイパス量を制御してサプライエアの温度を制御するもので、除湿制御については考慮されていない。
空調対象空間を設定温度と設定湿度に制御するためには、サプライエアの温度と湿度の双方を制御する必要がある。しかし、サプライエアを空調対象空間に供給すると温度と湿度が共に変化するため、双方を同時に制御しながら空調対象空間を設定の温湿度に制御することは困難である。
また上述したように温湿度制御する空調対象空間は、大容積であり、空調対象空間に複数台の空調機を設置し、この各空調機に、チラーなどの冷温水発生装置から冷温水を供給して個々の空調機を制御することになる。しかし空調対象空間には、発熱体があったりして、場所によって各空調機の空調負荷が異なり、これら各空調機を制御して空調対象空間を設定の温湿度に保つのは困難である。
そこで、本発明の目的は、上記課題を解決し、空調対象空間を設定の温湿度に制御できる空調対象空間の温湿度制御方法を提供することにある。
上記目的を達成するために本発明は、ファンケーシングの吸込口に冷却器と風量調整ダンパを設けて空調機を構成し、空調対象空間からのレターンエアの一部を前記冷却器に導入して冷却すると共に残りを前記風量調整ダンパを介してバイパスし、冷却エアとバイパスエアとを混合してサプライエアとして空調対象空間に供給し、空調対象空間の温度と湿度を設定値に制御するに際して、前記設定値での空調対象空間のエアとレターンエアとの温度偏差と露点偏差とを求め、設定値の露点に対して前記露点偏差を考慮して前記冷却器のサプライエアの出口露点を決定すると共に決定した出口露点に基づいて冷水供給量を制御し、前記設定値の温度に対して前記温度偏差を考慮してサプライエアの吹出温度を決定すると共に決定した吹出温度を基にして前記風量調整ダンパを制御することを特徴とする空調対象空間の温湿度制御方法である。
前記冷却器のレターンエアの出口露点の制御は、設定値の露点から前記露点偏差を減算した値を出口露点とし、レターンエアが前記出口露点となるように前記冷却器への冷水量を制御するのが好ましい。
サプライエアの吹出温度の制御は、設定値の設定温度から前記温度偏差を減算した値を吹出温度とし、前記冷却器でサプライエアが出口露点とされた冷却エアとバイパスエアとの混合エアの温度が吹出温度となるように前記風量調整ダンパでバイパス量を制御するのが好ましい。
また本発明は、ファンケーシングの吸込口に冷却器と風量調整ダンパを設けて空調機を構成し、この空調機を空調対象空間に複数台を設置し、各空調機で、空調対象空間からのレターンエアの一部を前記冷却器に導入して冷却すると共に残りを前記風量調整ダンパを介してバイパスし、冷却エアとバイパスエアとを混合してサプライエアとして空調対象空間に供給し、空調対象空間の温度と湿度を設定値に制御するに際して、前記設定値での空調対象空間のエアと各空調機に導入されるレターンエアとの温度偏差と露点偏差とを空調機毎に求め、設定値の露点に対して前記露点偏差を考慮して各空調機の冷却器のサプライエアの出口露点を決定すると共に決定した出口露点に基づいて各冷却器の冷水供給量を制御し、前記設定値の温度に対して前記温度偏差を考慮して各空調機でのサプライエアの吹出温度を決定すると共に決定した吹出温度を基にして各空調機の風量調整ダンパを制御することを特徴とする空調対象空間の温湿度制御方法である。
各空調機の冷却器のレターンエアの出口露点の制御は、設定値の露点から前記露点偏差を減算した値を出口露点とし、レターンエアが前記出口露点となるように各空調機の冷却器への冷水量を制御するのが好ましい。
各空調機のサプライエアの吹出温度の制御は、設定値の設定温度から前記温度偏差を減算した値を吹出温度とし、各空調機の冷却器でサプライエアが出口露点とされた冷却エアとバイパスエアとの混合エアの温度が吹出温度となるように各空調機の風量調整ダンパでバイパス量を制御するのが好ましい。
空調対象空間内の各空調機の冷却器に冷水を供給・循環する冷温水供給装置を設け、前記複数台の空調機のうち1つを親機として残りを子機とすると共に親機と子機及び親機と冷温水供給装置とを通信手段を介して相互に接続し、前記親機で、各空調機で冷水供給量の総和を冷温水供給装置に送信し、これに基づいて前記冷温水供給装置での冷水供給量を制御するのが好ましい。
本発明は、空調対象空間の温度と湿度を設定値に制御するに際して、空調対象空間のエアとレターンエアとの温度偏差と露点偏差を求め、設定値とこれら偏差で冷却器での出口露点とサプライエアの吹出温度を制御することで、空調対象空間を設定の温湿度に空調できるという優れた効果を発揮する。
本発明において、空調対象空間を複数台の空調機で温湿度制御する際の概略図を示す図である。 本発明において、複数台の空調機と、その各空調機に冷温水を供給する冷温水供給装置とを示す図である。 本発明において、空調対象空間を冷房時に温湿度制御する空調機の詳細を示す図である。 本発明において、空調対象空間を暖房時に温湿度制御する空調機の詳細を示す図である。 本発明において、空調対象空間を空調機で温湿度制御して設定値にする際の制御系のパラメータの設定の例を示し、(a)は、冷暖房時のサプライエアの可変制御、(b)は、冷房時の冷却器の出口露点可変制御、(c)は、暖房時のサプライエアの露点可変制御、(d)は、冷暖房時のサプライエアの風量可変制御を説明する図である。 本発明において、空調対象空間を空調機で温湿度制御して設定値にする際の空気線図でのレターンエア、サプライエアの状態変化を示す図である。
以下、本発明の好適な一実施の形態を添付図面に基づいて詳述する。
先ず図3により、本発明における冷房時の空調機10を説明する。
ファン12を有するファンケーシング11の吸込口13A、13Bに、冷却器14Cと風量調整ダンパ15が、それぞれ設けられて空調機10が構成される。
冷却器14Cには、冷温水供給ライン17と冷温水排出ライン18が接続され、冷温水排水ライン18に接続した流量制御弁19にて冷水量が制御される。冷温水供給ライン17と流量制御弁19の下流側の冷温水排水ライン18には、冷温水の温度を検出する温度センサT1、T2が設けられ、これら検出値がモニタ20に入力される。また冷温水供給ライン17には、流量計Fが設けられ、その検出値もモニタ20に入力される。
冷却器14Cの出口側には、冷却器14Cで冷却された冷却エアの温度と相対湿度を検出する温湿度センサTH(C)が設けられ、また風量調整ダンパ15には、レターンエアRAの温度と相対湿度を検出する温湿度センサTH(R)が設けられ、これら温湿度センサTH(C)、TH(R)の検出値が、露点制御装置21Cに入力され、これに基づいて露点制御装置21Cが流量制御弁19の開度を制御する。
冷温水供給ライン17には、後述する冷温水供給装置40(図2参照)からの冷水が供給され、その冷水で、例えば冷温水供給装置40が、7℃の冷水を供給するチラーであれば、露点制御装置21Cは、7℃の冷水にて冷却器14Cでの出口露点の下限値を12℃まで冷却するように流量制御弁19を制御し、冷温水供給装置40が直膨冷凍機であれば、露点の下限値を5℃まで冷却するように流量制御弁19を制御するようになっている。
吹出口16には、サプライエアSAの温度と相対湿度を検出する温湿度センサTH(S)が設けられ、その温湿度センサTH(S)の検出値が、温度制御装置22Cに入力され、これに基づいて温度制御装置22Cが、ダンパ開度調整器23を介して風量調整ダンパ15の開度を制御してバイパスエアと冷却器14Cに導入されるレターンエアRA(A)の混合比を制御する。この風量調整ダンパ15の開度は、冷却器14Cに導入されるレターンエアRA(A)と風量調整ダンパ15に導入されるレターンエアRA(B)を10とすると、A:B=(1〜5):(9〜5)で、混合比が制御される。
ファン12は、インバータ装置24で能力可変に制御され、吹出口16に設けた風量計Qの検出値を基に風量制御装置25が、インバータ装置24を介してファン12の風量を制御する。このファン12によるサプライエアSAの風量は、例えば20〜10m3/minの範囲で、二段階或いは段階的に制御される。
この空調機10での冷房時には、空調対象空間からのレターンエアRAの一部が冷却器14Cに導入され、残りが風量調整ダンパ15に導入され、冷却器14Cで冷却された冷却エアと、風量調整ダンパ15で風量調整されたバイパスエアとが、ファン12で混合されてサプライエアSAとして空調対象空間に供給・循環されて、空調対象空間の温湿度を設定値SPに空調する。
図4は、空調機10の暖房時の構成を示したもので、基本的には図3の冷房時の空調機10の構成と同じであるが、暖房時の空調機10は、冷却器14Cを加熱器14Hとし、その加熱器14Hの出口側に気化式加湿器26を設けて構成される。なお、気化式加湿器26は、図3の冷房用の空調機10にも設けられているが、冷房時は不要なため図3では省略している。
加熱器14Hには、冷温水供給ライン17から40〜50℃の温水が流量制御弁19を介して供給され、気化式加湿器26には、市水供給ライン27が接続されると共に加湿用弁28が接続される。
この空調機10での暖房時には、空調対象空間からのレターンエアRAの50%が加熱器14Hに導入され、残りの50%が風量調整ダンパ15に導入され、加熱器14Hで加熱された加熱エアが加湿器26を通って加湿され、その加湿エアと、風量調整ダンパ15で風量調整されたバイパスエアとが、ファン12で混合されてサプライエアSAとして空調対象空間に供給・循環されて、空調対象空間の温湿度を設定値SPに空調する。
図1は、工場内などの建屋30内の空調対象空間31に空調機10を設置し、空調機10で空調対象空間31を設定値(設定温度と設定湿度)に制御するためのイメージ図を示したものである。
この図では、2台の空調機10a、10bを設置しているが、空調機10は、1台でも3台以上でもよく空調対象空間31の容積に合わせて設置される。
図2は、空調機10と、空調機10に冷温水を供給する冷温水供給装置40との接続状態を示したものである。
図2に示すように空調機10−1〜10−nは、その冷却器又は加熱器が、冷温水を供給・循環する冷温水供給装置40に冷温水供給ライン17と冷温水排出ライン18を介して接続され、冷温水供給ライン17に冷温水の循環量を可変に制御する循環ポンプ41が接続される。
この複数台の空調機10−1〜10−nに、冷温水供給装置40から循環ポンプ41にて、冷温水を供給する場合、その冷温水の総量を最適に制御するため、空調機10−1〜10−nのうち1つ空調機10−1を親機とし、残りの空調機10−2〜10−nを子機とすると共に、親機と子機及び親機と冷温水供給装置40とを、イーサネット(登録商標)などの通信手段42にて相互に接続し、冷温水供給装置40と空調機10−1〜10−n間で、運転、冷暖房切替、各種設定運転情報などの指令に基づいて全体の制御がなされる。
この際、循環ポンプ41による冷温水の循環量の制御は、親機の空調機10−1で、全空調機101−10nでの冷水供給量の総和(流量制御弁19の開度から求まる流量)を冷温水供給装置40に送信し、これに基づいて、冷温水供給装置40が循環ポンプ41の回転数を制御する。
各空調機10に供給する冷水量は、例えば0〜40L/minで可変制御され、循環ポンプ41は、運転開始時には、最大負荷で運転され、その後、各空調機10での冷温水要求量が少なくなるにつれて循環量を少なくするよう循環ポンプ41の回転数を低下させていくが、空調機10−1〜10−nのうち冷水要求量が最大の空調機10の流量制御弁19の開度が90%にされた状態でも、その90%開度に見合った冷温水を供給できるように循環ポンプ41の回転数を制御する。
これら空調機10で図1に示した空調対象空間31を設定値(例えば設定温度26℃と設定相対湿度50%RH)に空調する場合について説明する。
冷房時、空調機10による温湿度を設定値SPに制御する際に、例えば空調対象空間31に発熱体32がある場合、発熱体32に近い側の空調機10aでは、空調負荷が高く、サプライエアSAが低温で吹き出されても、発熱体32でレターンエアRAは、より高温になって空調機10aに戻り、他の空調機10bでは、空調負荷が比較的少ないため、サプライエアSAを中温で吹き出しても、レターンエアRAは中温で戻ってくることになる。また暖房時では、冷房時と逆に空調機10aの空調負荷が低く、空調機10bの空調負荷が高くなる。
そこで本発明においては、冷房時には、温度制御装置22C及び露点制御装置21Cは、レターンエアRAと設定値SPの温度偏差dTと露点偏差dDを求める。この温度偏差dTは、レターンエアRAと設定値SPの顕熱負荷であり、また露点偏差dDはレターンエアRAと設定値SPの潜熱負荷となる。
そこで、露点制御装置21Cは、設定値SPに対して露点偏差dD(潜熱負荷)を考慮して冷却器14Cの出口露点とサプライエアSAの吹出温度を決定し、その決定した出口露点を基に流量制御弁19を制御して冷却器14Cでの冷却量(除湿量)を制御すると共に、温度制御装置22Cは、設定値SPに対して温度偏差dT(顕熱負荷)を考慮してサプライエアSAの吹出温度を決定し、その決定した吹出温度を基に風量調整ダンパ15の開度を制御するものである。
また、暖房時には、風量調整ダンパ15のバイパス比率が、RA(A):RA(B)=5:5となるように開度を固定したまま運転を行い、温度制御装置22H及び露点制御装置21Hは、レターンエアRAと設定値SPの温度偏差dTと露点偏差dDを求め、露点制御装置21Hが、設定値SPに対して露点偏差dDを考慮して加湿用弁28を開閉制御して加湿量を制御し、温度制御装置22Hが、設定値SPに対して温度偏差dTを考慮してサプライエアSAの吹出温度を決定し、その決定した吹出温度となるように流量制御弁19を制御して加熱器14Hでの加熱量を制御する。
この冷暖房時の偏差をパラメータとしたときの温湿度制御を図5によりさらに説明する。
図5(a)は、冷暖房時のサプライエアSAの吹出温度の可変制御を示したもので、横軸はレターンエアRAと設定値SP温度の偏差(|RA−SP|温度)、縦軸は設定値SPとサプライエアSA温度の偏差(|SP−SA|温度)で、両偏差は同じ温度偏差dTとして、サプライエアSAの温度を求めるものである。
図5(a)において、先ず、|RA−SP|温度の偏差を求め、その温度偏差をdTとして、dT=|SP−SA|温度から、すなわち設定値ST(設定温度)から温度偏差dTを減算してSA温度(吹出温度)を決定する。
図5(b)は、冷房時の冷却器の出口露点可変制御を示したもので、横軸はレターンエアRAと設定値SP露点の偏差(|RA−SP|露点)、縦軸は設定値SPと冷却器出口(C/C出口)露点の偏差(|SP−C/C出口|露点)で、両偏差は同じ露点偏差dTとして、出口露点を求めるものである。
図5(b)において、先ず、|RA−SP|露点の偏差を求め、その露点偏差dDとして、dD=|SP−C/C出口|露点から、すなわち設定値ST(設定露点)から露点偏差dDを減算して出口露点を決定する。
図5(c)は、暖房時のサプライエアSA露点可変制御を示したもので、横軸はレターンエアRAと設定値SP露点の偏差(|RA−SP|露点)、縦軸は設定値SPとサプライエアSA露点の偏差(|SP−SA|露点)で、両偏差は同じ露点偏差dTとして、サプライエアSAの露点を求めるものである。
この図5(c)では、図5(a)の偏差温度dTでサプライ温度SPが決定され、図4で示した加熱器14Hで、設定値SPに偏差温度dTを加算した温度になるように制御するが、この加熱器14Hでの加熱は顕熱分であるため、気化式加湿器26での加湿による潜熱でサプライエアSAの温度が下がる。
そこで、先ず|RA−SP|露点の偏差を求め、その露点偏差dDとして、dD=|SP−SA|露点となるように加湿量を制御すると共に加熱器14Hで加熱量を制御することで、サプライエアSAの温度制御と湿度制御が可能となる。
図5(d)は、冷暖房時のファンの風量制御を示したものである。
この風量制御は、運転開始時から、露点偏差dD(=|RA−SP|露点)が、一定時間任意の値dになるまでは、風量大(SP−H)で制御し、値d以下(暖房時は値d以上)になったときに、風量小(SP−L)に、インバータにて任意の勾配で下げて切り替える。
次に本発明の空調対象空間の温湿度制御方法における冷房時のレターンエアRA、サプライエアSAと空調対象空間の空間PVの状態変化を図6の空気線図で説明する。
先ず、設定値SPは、設定温度26℃、相対湿度50%RHで、設定値SPでの露点は15℃、運転開始時の室内(空調対象空間)の温度33℃、相対湿度60%RHとする。
運転開始時の空調機に導入されるレターンエアRAは、33℃(露点24℃)であり、温度偏差dTが、7℃(=33℃−26℃)となり、サプライエアSAの吹出温度は、19℃(=26℃−7℃)に決定される。また冷却器の出口温度は、露点偏差dDが、9℃(=33℃−24℃)となり、6℃(=15℃−9℃)となる。
この場合、冷温水供給装置の冷水温度は7℃であり、上述したように冷却器の出口露点下限値は12℃までしか下げられないため、空調機の最大能力である流量制御弁開度90%で冷水を流して、冷却器で冷却されるレターンエアの出口温度13℃にし、この状態で、風量調整ダンパでバイパス比率を最大の50%に調整することで、サプライエアSAの吹出温度23℃で空調対象空間に供給されることで、空間PVのエアは、28℃、相対湿度70%RHとなる。
次に、空間PVの温度が下がり、レターンエアRAが30℃(露点20℃)では、温度偏差dTが4℃、露点偏差dDが5.5℃、出口露点9.5℃、サプライエアSAの吹出温度が22℃となり、空間PVのエアは、26℃、相対湿度65%RHとなる。
さらに、レターンエアRAが28.5℃(露点18℃)では、温度偏差dTが2.5℃、露点偏差dDが3℃、出口露点12℃、サプライエアSAの吹出温度が23.5℃となり、空間PVのエアは、26℃、相対湿度60%RHとなり、この時点で、冷却器14Cでの出口露点の温度制御の下限値(12℃)に達するため、以後は出口露点の制御が正確に行えることになる。
その後、レターンエアRAが27℃(露点15.5℃)では、温度偏差dTが1℃、露点偏差dDが0.5℃、出口露点14.5℃、サプライエアSAの吹出温度が25℃となり、空間PVのエアは、26℃、相対湿度53%RHとなり、空間PVを設定値SPに徐々に収束させることが可能となる。
この空間PVの温湿度が設定値SPに収束して行く間に、ファン12の風量を大から小に徐々に切り替え、また出口露点も設定値SPの露点(15℃)に近づくため、各空調機10の流量制御弁19で制御する冷水量も徐々に少なくなるため、循環ポンプ41で循環量も下がって行く。この際、モニタ20は、各流量計Fで検出した流量の総和から循環ポンプ41での冷水循環量を最適に制御する。また冷温水供給装置40は、モニタ20からの温度センサT1、T2の検出値から冷水負荷がわかるため、その冷却能力や送水する冷水温度を最適に制御することが可能となる。
以上、本発明では、冷却器14Cと風量調整ダンパ15で、レターンエアRAと設定値SPの温度偏差dTと露点偏差dDを求め、設定値SPに対して温度偏差dTと露点偏差dDとを考慮して冷却器の出口露点とサプライエアSAの吹出温度を決定して制御することで、空調対象空間を設定値SPの温湿度に制御することが可能となる。
空調対象空間に複数台の空調機10を設置して温湿度制御する際に、各空調機10に導入されるレターンエアRAの温度が相違しても、各空調機10で個々にサプライエアSAの吹出温度を制御できるため、空調対象空間の温度分布にムラがあってもその温度分布に応じて温湿度制御が可能である。また、冷水量は、全体負荷に対して、親機空調機10−1と冷温水供給装置40とで通信を行って、各空調機10が要求する冷水量の総和を制御すればよい。
なお、暖房運転時は、冷房運転の温度制御と除湿制御の双方を制御するのと違って、加熱器14Hによる温度制御と気化式加湿器26での加湿制御であり、これらは独立して制御可能であるため、図5(a)と図5(c)のパラメータ制御で容易に設定値SPに温湿度制御できる。
10 空調機
11 ファンケーシング
14C 冷却器
15 風量調整ダンパ
31 空調対象空間
RA レターンエア
SA サプライエア
SP 設定値
dT 温度偏差
dD 露点偏差

Claims (7)

  1. ファンケーシングの吸込口に冷却器と風量調整ダンパを設けて空調機を構成し、空調対象空間からのレターンエアの一部を前記冷却器に導入して冷却すると共に残りを前記風量調整ダンパを介してバイパスし、冷却エアとバイパスエアとを混合してサプライエアとして空調対象空間に供給し、空調対象空間の温度と湿度を設定値に制御するに際して、
    前記設定値での空調対象空間のエアとレターンエアとの温度偏差と露点偏差とを求め、設定値の露点に対して前記露点偏差を考慮して前記冷却器のサプライエアの出口露点を決定すると共に決定した出口露点に基づいて冷水供給量を制御し、前記設定値の温度に対して前記温度偏差を考慮してサプライエアの吹出温度を決定すると共に決定した吹出温度を基にして前記風量調整ダンパを制御することを特徴とする空調対象空間の温湿度制御方法。
  2. 前記冷却器のレターンエアの出口露点の制御は、設定値の露点から前記露点偏差を減算した値を出口露点とし、レターンエアが前記出口露点となるように前記冷却器への冷水量を制御する請求項1記載の空調対象空間の温湿度制御方法。
  3. サプライエアの吹出温度の制御は、設定値の設定温度から前記温度偏差を減算した値を吹出温度とし、前記冷却器でサプライエアが出口露点とされた冷却エアとバイパスエアとの混合エアの温度が吹出温度となるように前記風量調整ダンパでバイパス量を制御する請求項1又は2記載の空調対象空間の温湿度制御方法。
  4. ファンケーシングの吸込口に冷却器と風量調整ダンパを設けて空調機を構成し、この空調機を空調対象空間に複数台を設置し、各空調機で、空調対象空間からのレターンエアの一部を前記冷却器に導入して冷却すると共に残りを前記風量調整ダンパを介してバイパスし、冷却エアとバイパスエアとを混合してサプライエアとして空調対象空間に供給し、空調対象空間の温度と湿度を設定値に制御するに際して、
    前記設定値での空調対象空間のエアと各空調機に導入されるレターンエアとの温度偏差と露点偏差とを空調機毎に求め、設定値の露点に対して前記露点偏差を考慮して各空調機の冷却器のサプライエアの出口露点を決定すると共に決定した出口露点に基づいて各冷却器の冷水供給量を制御し、前記設定値の温度に対して前記温度偏差を考慮して各空調機でのサプライエアの吹出温度を決定すると共に決定した吹出温度を基にして各空調機の風量調整ダンパを制御することを特徴とする空調対象空間の温湿度制御方法。
  5. 各空調機の冷却器のレターンエアの出口露点の制御は、設定値の露点から前記露点偏差を減算した値を出口露点とし、レターンエアが前記出口露点となるように各空調機の冷却器への冷水量を制御する請求項4記載の空調対象空間の温湿度制御方法。
  6. 各空調機のサプライエアの吹出温度の制御は、設定値の設定温度から前記温度偏差を減算した値を吹出温度とし、各空調機の冷却器でサプライエアが出口露点とされた冷却エアとバイパスエアとの混合エアの温度が吹出温度となるように各空調機の風量調整ダンパでバイパス量を制御する請求項4又は5記載の空調対象空間の温湿度制御方法。
  7. 空調対象空間内の各空調機の冷却器に冷水を供給・循環する冷温水供給装置を設け、前記複数台の空調機のうち1つを親機として残りを子機とすると共に親機と子機及び親機と冷温水供給装置とを通信手段を介して相互に接続し、前記親機で、各空調機で冷水供給量の総和を冷温水供給装置に送信し、これに基づいて前記冷温水供給装置での冷水供給量を制御する請求項4〜6記載の空調対象空間の温湿度制御方法。
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