JP2016169765A - 内燃機関のバランサ装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 滑り軸受7は、軸受収容室19のx軸正方向端32から離間した位置に配置され、滑り軸受7の油孔7aに供給されたオイルがウエイト収容室27へ流入するまでの経路間からハウジング4の外部と連通する連通孔29bが設けられている。
【選択図】 図6
Description
本発明の目的は、ウエイト収容室内の撹拌抵抗を低減できる内燃機関のバランサ装置を提供することにある。
図1は実施例1のバランサ装置1の分解斜視図、図2は実施例1のバランサ装置1の平面図、図3は図2のS3-S3断面図、図4は図2のS4-S4断面図、図5は図2のS5-S5断面図である。
実施例1のバランサ装置1は、エンジン(内燃機関)のシリンダブロック下部に取り付けられた図外のオイルパン内に収容されている。エンジンは、例えば直列4気筒のレシプロエンジンである。バランサ装置1は、駆動側バランサシャフト2、従動側バランサシャフト3およびハウジング4を有する。駆動側バランサシャフト2および従動側バランサシャフト3は、ハウジング4の内部に収容されている。駆動側バランサシャフト2および従動側バランサシャフト3は、その軸方向をエンジン前後方向に沿って互いに平行に配置されている。以下、エンジンの前後方向にx軸、上下方向にy軸、エンジンの左右方向にz軸を設定し、エンジン後方側から前方側へ向かう方向をx軸正方向、エンジン下方から上方へ向かう方向をy軸正方向、エンジンの正面側から見て左から右へ向かう方向をz軸正方向として説明する。
ハウジング4の内部であって、外周を各軸受用溝17a,18a,19a,20a,21aおよび各軸受用溝17b,18b,19b,20b,21bにより囲まれた空間は、軸受収容室17,18,19,20,21であり、各滑り軸受5,6,7,10,11が収容されている。軸受収容室18,20のx軸正方向側には、ギア収容室26が設けられている。ギア収容室26には、バランサ駆動ギア9およびバランサ従動ギア13がx軸周り回転可能に収容されている。ロアハウジング15において、ギア収容室26のx軸正方向側はハウジング4の外部と連通している。なお、エンジン動作時、ロアハウジング15の下部はオイルパン内のオイルに浸かるものの、オイルパン内の油面は、ギア収容室26にオイルが流入しない高さに設定されている。
ハウジング4の内部であって、軸受収容室18,20と軸受収容室19,21との間には、ウエイト収容室27が設けられている。ウエイト収容室27には、駆動側バランサウエイト8および従動側バランサウエイト12がx軸周り回転可能に収容されている。アッパハウジング14において、ウエイト収容室27のx軸方向両側には、ウエイト収容室27とアッパハウジング14の外部とを連通する排出孔28が形成されている。排出孔28は、x軸方向に延びるスリット状に形成されている。アッパハウジング14の外側における排出孔28の開口位置は、オイルパン内の油面よりも高い位置に設けられているため、オイルパン内のオイルが排出孔28を介してウエイト収容室27に流入するのを防止できる。
次に、図4に示すように、従動側バランサシャフト3の拡径部3eの外周は、軸受収容室20のx軸負方向端、すなわち軸受収容室20におけるウエイト収容室側開口端において軸受収容室20と径方向に対向している。滑り軸受10は、拡径部3eに対しx軸正方向側に離間した位置に配置されている。また、従動側バランサシャフト3の拡径部3fの外周は、軸受収容室21のx軸正方向端、すなわち軸受収容室21におけるウエイト収容室側開口端において軸受収容室21と径方向に対向している。滑り軸受11は、拡径部3fに対しx軸負方向側に離間した位置に配置されている。
アッパハウジング14には、連通孔(連通部)29a,29b,29c,29dが設けられている。各連通孔29a,29b,29c,29dの内周は単一径である。各連通孔29a,29b,29c,29dは、各軸受収容室18,19,20,21の内部であって、各拡径部2f,2g,3e,3fと各滑り軸受6,7,10,11との間の部位に開口している。各連通孔29a,29b,29c,29dは、各軸受収容室18,19,20,21からy軸正方向へ延び、アッパハウジング14の上面に開口している。
図5に示すように、連通孔29bは、駆動側バランサシャフト2の回転軸心O1に対し、z軸正方向側、すなわち、矢印で示す駆動側バランサシャフト2の回転方向側にオフセットして配置されている。連通孔29aも同様である。また、連通孔29dは、従動側バランサシャフト3の回転軸心O2に対し、z軸負方向側、すなわち、矢印で示す従動側バランサシャフト3の回転方向側にオフセットして配置されている。連通孔29cについても同様である。アッパハウジング14における各連通孔29a,29b,29c,29dの開口部位には、凸部30a,30b,30c,30dが形成されている。凸部30a,30b,30c,30dは、アッパハウジング14の上面において、凸部30a,30b,30c,30dの周囲よりもy軸正方向に突出している。アッパハウジング14の外側における各連通孔29a,29b,29c,29dの開口位置は、オイルパン内の油面よりも高い位置に設けられているため、オイルパン内のオイルが各連通孔29a,29b,29c,29dを介してウエイト収容室27に流入するのを防止できる。
実施例1のバランサ装置1は、エンジンが始動されてクランクシャフトが回転駆動すると、バランサスプロケットを介して駆動側バランサシャフト2がクランクシャフトの2倍の速度で回転する。従動側バランサシャフト3はバランサ駆動ギア9とバランサ従動ギア13の噛み合い回転伝達を経て駆動側バランサシャフト2と反対方向へ同速度で回転する。これにより、駆動側バランサウエイト8および従動側バランサウエイト12も互いに反対方向へ回転しながら駆動側バランサシャフト2および従動側バランサシャフト3自身の左右の遠心力をキャンセルする。このように、駆動側バランサシャフト2および従動側バランサシャフト3の回転に伴い駆動側バランサウエイト8および従動側バランサウエイト12が回転して起振力をエンジンに伝達することにより、エンジンの二次振動を抑制できる。
エンジンが始動されると、エンジンの補機であるオイルポンプが駆動される。オイルポンプは、オイルパン内のオイルを吸入、加圧して吐出する。オイルポンプから吐出されたオイルの一部は、バランサ装置1の各摺動部を潤滑する潤滑油としてアッパハウジング14の潤滑油導入油路24に供給される。潤滑油導入油路24に供給されたオイルは、ロアハウジング15の潤滑油供給溝25から各油溝22a,22b,22c,22d,22e,23a,23b,23c,23d,23eに分配され、各滑り軸受5,6,7,10,11の各油孔5a,6a,7a,10a,11aを介して各滑り軸受5,6,7,10,11の内周と各ジャーナル部2c,2d,2e,3c,3dの外周との間のクリアランスに流入する。これにより、各滑り軸受5,6,7,10,11と各ジャーナル部2c,2d,2e,3c,3dとの潤滑が行われる。各クリアランスに流入したオイルは、x軸正方向およびx軸負方向の2方向に分岐して流れる。ここで、滑り軸受6,10からx軸正方向側へ流出したオイルはギア収容室26に流入してバランサ駆動ギア9とバランサ従動ギア13との潤滑に供された後、掻き上げられて飛散し、ギア収容室26のx軸正方向側からハウジング4の外部へ排出される。排出されたオイルは、オイルパンへ戻される。滑り軸受5から流出したオイル、および滑り軸受7,11からx軸負方向側へ流出したオイルについても同様である。
図6は、図3の要部拡大図であり、軸受収容室19およびその周辺を示している。滑り軸受7からx軸正方向側へ流出したオイルは、滑り軸受7のx軸正方向端31から軸受収容室19のx軸正方向端32に流れ、ウエイト収容室27へ流入する。実施例1では、アッパハウジング14に、滑り軸受7のx軸正方向端31と軸受収容室19のx軸正方向端32との間の部位とハウジング4の外部とを連通する連通孔29bが設けられている。換言すると、滑り軸受7の油孔7aに供給されたオイルがウエイト収容室27へ流入するまでの経路間からハウジング4の外部と連通する連通孔29bが設けられている。よって、滑り軸受7からx軸正方向側に流出したオイルの一部は、連通孔29bによりウエイト収容室27を迂回してハウジング4の外部へ排出される。
ここで、軸受収容室19のx軸正方向端32には拡径部2gによる絞りが設けられ、軸受収容室19のx軸正方向端32におけるウエイト収容室27に対する開口面積(環状隙間)は、軸受収容室19における連通孔29bの開口面積よりも小さく設定されている。加えて、連通孔29bは大気開放されているため、滑り軸受7のx軸正方向端31から流出したオイルの大部分は流路抵抗の低い連通孔29b側へと流れ、ウエイト収容室27側へ流れるオイルは微少量となる。なお、滑り軸受6,10からx軸負方向側へ流出したオイル、および滑り軸受11からx軸正方向側へ流出したオイルについても上記と同様である。ウエイト収容室27に流入したオイルは、駆動側バランサウエイト8および従動側バランサウエイト12により掻き上げられて上方へ飛散し、排出孔28からハウジング4の外部へ排出される。軸受収容室18,20,21についても同様である。
ウエイト収容室27へ流入したオイルが駆動側バランサウエイト8および従動側バランサウエイト12により撹拌されると、オイルへの気泡の混入が助長される。オイルのエア混入率は、ウエイト収容室27へのオイル流入量が多いほど高くなる。実施例1のバランサ装置1では、ウエイト収容室27へのオイル流入量が微少量に抑えられるため、従来のバランサ装置と比較して、オイルへのエア混入率を低減できる。
[オイル排出効率の向上]
実施例1において、各連通孔29a,29b,29c,29dは、対応するシャフト(駆動側バランサシャフト2または従動側バランサシャフト3)の回転軸心O1,O2に対しシャフトの回転方向側にオフセットして配置されている。各滑り軸受6,7,10,11から流出し、各連通孔29a,29b,29c,29dに流入したオイルは、シャフトの回転により旋回流化されるため、シャフトの回転接線方向に各連通孔29a,29b,29c,29dを配置することで、オイルの排出効率を向上できる。
(1) バランサウエイト(駆動側バランサウエイト8,従動側バランサウエイト12)を有するバランサシャフト(駆動側バランサシャフト2,従動側バランサシャフト3)と、バランサシャフトを回転可能に軸支する滑り軸受6,7,10,11と、エンジンに取付けられ、内部にバランサウエイトが収容されたウエイト収容室27と、このウエイト収容室27に開口し滑り軸受6,7,10,11が収容された軸受収容室18,19,20,21とを有するハウジング4と、ウエイト収容室27の内部とハウジング4の外部とを連通し、ウエイト収容室27の内部のオイルを排出する排出孔28と、を備え、滑り軸受6,7,10,11は、軸受収容室18,19,20,21のウエイト収容室側開口端から離間した位置に配置され、軸受収容室18,19,20,21の内部における滑り軸受6,7,10,11のウエイト収容室側端縁と軸受収容室18,19,20,21のウエイト収容室側開口端との間の部位と、ハウジング4の外部とを連通する連通部(連通孔29a,29b,29c,29d)が設けられている。
よって、滑り軸受6,7,10,11から流出したオイルの一部が連通部によりウエイト収容室27を迂回してハウジング4の外部へ排出されるため、ウエイト収容室27に流入するオイル量を抑制でき、ウエイト収容室27内の撹拌抵抗を低減できる。
よって、連通孔29a,29b,29c,29dのハウジング上部の開口が、オイルパン内の油面よりも高い位置となるため、オイルパン内のオイルが連通孔29a,29b,29c,29dから軸受収容室18,19,20,21へ逆流するのを抑制できる。
(3) (2)に記載の内燃機関のバランサ装置において、軸受収容室18,19,20,21の内部における滑り軸受6,7,10,11のウエイト収容室側端縁と軸受収容室18,19,20,21のウエイト収容室側開口端との間の部位が連通孔29a,29b,29c,29dと連通する部位の開口面積は、軸受収容室18,19,20,21のウエイト収容室側開口端がウエイト収容室27と連通する部位の開口面積よりも大きい。
よって、ウエイト収容室27へ流出するオイル量を、連通孔29a,29b,29c,29dから外部へ排出されるオイル量よりも少なくできるため、ウエイト収容室27内の撹拌抵抗を効果的に低減できる。
(4) (3)に記載の内燃機関のバランサ装置において、連通孔29a,29b,29c,29dのハウジング4上部に開口する部位は、ハウジング4上部に設けられた凸部30a,30b,30c,30dに形成されている。
ハウジング上部には、連通孔29a,29b,29c,29dから排出されたオイル、シリンダブロックから落下したオイルが残留する。連通孔29a,29b,29c,29dの外部開口位置をハウジング上部よりも高い位置に配置することにより、ハウジング上部に滞留するオイルが連通孔29a,29b,29c,29dから軸受収容室18,19,20,21へ逆流するのを抑制できる。
よって、滑り軸受6,7,10,11から流出したオイルの一部が連通部によりウエイト収容室27を迂回してハウジング4の外部へ排出されるため、ウエイト収容室27に流入するオイル量を抑制でき、ウエイト収容室27内の撹拌抵抗を低減できる。
よって、滑り軸受6,7,10,11から流出したオイルの一部が連通部によりウエイト収容室27を迂回してハウジング4の外部へ排出されるため、ウエイト収容室27に流入するオイル量を抑制でき、ウエイト収容室27内の撹拌抵抗を低減できる。
次に、実施例2について説明する。基本的な構成は実施例1と同じであるため、異なる点についてのみ説明する。図8は、実施例2における図3の要部拡大図であり、軸受収容室19およびその周辺を示している。駆動側バランサシャフト2の拡径部2gには、x軸周りに延びる環状溝33が形成されている。環状溝33には、樹脂製のシール部材であるシールリング34が嵌め込まれている。シールリング34は、環状溝33への装着のため、外周の一ヶ所に合い口部が設けられている。シールリング34の外周面は、軸受収容室19の内周面と当接する。つまり、実施例2では、軸受収容室19のx軸正方向端32は、軸受収容室19の内周面に摺接するシールリング34にて画成されている。なお、図示は省略したが、駆動側バランサシャフト2の拡径部2fおよび従動側バランサシャフト3の拡径部3e,3fにも同様の環状溝33が形成され、環状溝33にシールリング34が嵌め込まれている。
図8において、駆動側バランサシャフト2が回転すると、シールリング34は駆動側バランサシャフト2と一体に回転し、軸受収容室19の内周面と摺接する。このとき、シールリング34には回転に伴う遠心力が作用するため、シールリング34と軸受収容室19との当接部には適度な接触力が作用する。これにより、実施例1の場合と比較して、軸受収容室19のx軸正方向端32におけるウエイト収容室27に対する開口面積(環状隙間)をより小さくできる。なお、滑り軸受7からx軸正方向側へ流出したオイルは大気開放された連通孔29bによって圧力が低下しているため、シールリング34に高圧は作用しない。つまり、シールリング34と軸受収容室19との当接部には過大なフリクションが生じないため、シールリング34の耐久性を確保できる。
なお、シールリング34の代わりにOリングを用いても良い。
実施例2にあっては、以下の作用効果を奏する。
(7) (2)に記載の内燃機関のバランサ装置において、軸受収容室18,19,20,21のウエイト収容室側開口端は、軸受収容室18,19,20,21の内周面に摺接するシール部材(シールリング34)にて画成されている。
よって、ウエイト収容室27へ流出するオイル量を抑制でき、ウエイト収容室27内の撹拌抵抗を低減できる。
次に、実施例3について説明する。基本的な構成は実施例1と同じであるため、異なる点についてのみ説明する。図9は、実施例3における図2のS4-S4断面図である。実施例3では、連通路(連通部)として、従動側バランサシャフト3に径方向油路35と軸心油路36とが設けられている。径方向油路35は、軸受収容室20の内部であって、拡径部3eと滑り軸受10との間の部位に開口している。径方向油路35は、従動側バランサシャフト3の外周から中心方向へ向かって延び、軸心油路36と接続されている。径方向油路35は、従動側バランサシャフト3の回転方向に1ヶ所または複数設けられている。径方向油路35の内周は単一径である。軸受収容室20の内部における滑り軸受10のウエイト収容室側端縁と軸受収容室20のウエイト収容室側開口端との間の部位が径方向油路35と連通する部位の開口面積(≒径方向油路35の内径)は、軸受収容室20のウエイト収容室側開口端がウエイト収容室27と連通する部位(=軸受収容室20内周と拡径部3e外周間の環状隙間)の開口面積よりも大きく設定されている。
軸心油路36は、従動側バランサシャフト3のx軸負方向端3bまで延設され、ハウジング4の外部と連通している。軸受収容室21側についても同様であり、従動側バランサシャフト3には2つの径方向油路35が形成され、軸心油路36と連通している。なお、図示は省略したが、軸受収容室18,19についても同様であり、駆動側バランサシャフト2には、連通部として2の径方向油路35と軸心油路36が設けられている。
ここで、軸受収容室20のウエイト収容室側開口端には拡径部3eによる絞りが設けられ、軸受収容室20のウエイト収容室側開口端におけるウエイト収容室27に対する開口面積(環状隙間)は、軸受収容室20における径方向油路35の開口面積よりも小さく設定されている。加えて、径方向油路35および軸心油路36は大気開放されているため、滑り軸受10のx軸正方向端から流出したオイルの大部分は流路抵抗の低い径方向油路35側へと流れ、ウエイト収容室27側へ流れるオイルは微少量となる。なお、従動側バランサシャフト3の回転に伴い、オイルには遠心力が作用するものの、滑り軸受10に供給されるオイルはオイルポンプにより加圧されているが、拡径部3e,3fによる絞りが設けられているため、遠心力に抗して径方向油路35に圧送され、軸心油路36からハウジング4の外部へ排出される。軸受収容室18,19,21についても同様である。
実施例3にあっては、以下の作用効果を奏する。
(8) (1)に記載の内燃機関のバランサ装置において、連通部は、バランサシャフト(駆動側バランサシャフト2,従動側バランサシャフト3)の内部に設けられた連通路(径方向油路35,軸心油路36)である。
よって、オイルの一部が連通路によりウエイト収容室27を迂回してハウジング4の外部へ排出されるため、ウエイト収容室27に流入するオイル量を抑制でき、ウエイト収容室27内の撹拌抵抗を低減できる。
以上、本発明を実施するための形態を実施例に基づいて説明したが、本発明の具体的な構成は実施例に示した構成に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等があっても本発明に含まれる。
例えば、シールリングのみでバランサウエイトの端部を画成してもよい。これにより、ハウジングの内面とバランサウエイトの端部との間が完全にシールされるため、ウエイト収容室へのオイルの流入量をゼロにできる。この場合、バランサシャフトにおけるシール部材の嵌合溝の深さを適宜調整することでフリクション増大を抑制できる。
また、拡径部をフランジ面形状としてハウジングの軸受用溝との径方向隙間を微小に設定し、当該隙間に面シールを介装してもよい。軸受の両側に設けた場合、軸受のスラスト位置を規制する効果を奏する。
(9) (7)に記載の内燃機関のバランサ装置において、
前記シール部材は、シールリングであることを特徴とする内燃機関のバランサ装置。
よって、シール部材を比較的安価に構成できる。
(10) (1)に記載の内燃機関のバランサ装置において、
前記ハウジングは、前記内燃機関の内部に循環させる油を貯留するオイルパン内に収容されていることを特徴とする内燃機関のバランサ装置。
よって、連通部および排出孔からハウジングの外部へ排出した油をオイルパン内に戻すための機構を別途設ける必要がない。
(11) (10)に記載の内燃機関のバランサ装置において、
前記ハウジングの外側における前記排出孔および連通部の開口位置を、オイルパン内の油面よりも高い位置に設けたことを特徴とする内燃機関のバランサ装置。
よって、オイルパン内の油が排出孔および連通部を介してウエイト収容室に流入するのを防止できる。
2 駆動側バランサシャフト
3 従動側バランサシャフト
4 ハウジング
6,7,10,11 滑り軸受
6a,7a,10a,11a 油孔(潤滑油供給部)
8 駆動側バランサウエイト
12 従動側バランサウエイト
14 アッパハウジング
15 ロアハウジング
18,19,20,21 軸受収容室
27 ウエイト収容室
28 排出孔
29a,29b,29c,20d 連通孔(連通部)
35 径方向油路(連通部)
36 軸心油路(連通部)
Claims (8)
- バランサウエイトを有するバランサシャフトと、
前記バランサシャフトを回転可能に軸支する軸受と、
内燃機関に取付けられ、内部に前記バランサウエイトが収容されたウエイト収容室と、このウエイト収容室に開口し前記軸受が収容された軸受収容室とを有するハウジングと、
前記ウエイト収容室の内部と前記ハウジングの外部とを連通し、前記ウエイト収容室の内部の潤滑油を排出する排出孔と、
を備え、
前記軸受は、前記軸受収容室のウエイト収容室側開口端から離間した位置に配置され、
前記軸受収容室の内部における前記軸受のウエイト収容室側端縁と前記軸受収容室のウエイト収容室側開口端との間の部位と、前記ハウジングの外部とを連通する連通部が設けられていることを特徴とする内燃機関のバランサ装置。 - 請求項1に記載の内燃機関のバランサ装置において、
前記連通部は、前記バランサシャフトの径方向へ延出し、前記ハウジング上部に開口する前記ハウジングに設けられた連通孔であることを特徴とする内燃機関のバランサ装置。 - 請求項2に記載の内燃機関のバランサ装置において、
前記軸受収容室の内部における前記軸受のウエイト収容室側端縁と前記軸受収容室のウエイト収容室側開口端との間の部位が前記連通孔と連通する部位の開口面積は、前記軸受収容室のウエイト収容室側開口端が前記ウエイト収容室と連通する部位の開口面積よりも大きいことを特徴とする内燃機関のバランサ装置。 - 請求項3に記載の内燃機関のバランサ装置において、
前記連通孔の前記ハウジング上部に開口する部位は、前記ハウジング上部に設けられた凸部に形成されていることを特徴とする内燃機関のバランサ装置。 - 請求項2に記載の内燃機関のバランサ装置において、
前記軸受収容室のウエイト収容室側開口端は、前記軸受収容室の内周面に摺接するシール部材にて画成されていることを特徴とする内燃機関のバランサ装置。 - 請求項1に記載の内燃機関のバランサ装置において、
前記連通部は、前記バランサシャフトの内部に設けられた連通路であることを特徴とする内燃機関のバランサ装置。 - クランクシャフトから伝達される回転力に基づいて回転する、駆動側バランサウエイトを有する駆動側バランサシャフトと、
前記駆動側バランサシャフトから伝達される回転力に基づいて回転する、従動側バランサウエイトを有する従動側バランサシャフトと、
前記駆動側および従動側バランサシャフトをそれぞれ回転可能に軸支する軸受と、
内燃機関に取り付けられ、内部に前記駆動側および従動側バランサウエイトがそれぞれ収容されたウエイト収容室と、このウエイト収容室に開口し前記軸受がそれぞれ収容された軸受収容室とを有するハウジングと、
前記ウエイト収容室の内部と前記ハウジングの外部とを連通し、前記ウエイト収容室の内部の潤滑油を排出する排出孔と、
を備え、
前記軸受は、前記軸受収容室のウエイト収容室側開口端から離間した位置に配置され、
前記軸受収容室の内部における前記軸受のウエイト収容室側端縁と前記軸受収容室のウエイト収容室側開口端との間の部位と、前記ハウジングの外部とを連通する連通部が設けられていることを特徴とする内燃機関のバランサ装置。 - バランサウエイトを有するバランサシャフトと、
前記バランサシャフトを回転可能に軸支する軸受と、
内燃機関に取付けられ、内部に前記バランサウエイトが収容されたウエイト収容室と、このウエイト収容室に開口し前記軸受が収容された軸受収容室とを有するハウジングと、
前記ウエイト収容室の内部と前記ハウジングの外部とを連通し、前記ウエイト収容室の内部の潤滑油を排出する排出孔と、
を備え、
前記軸受は、前記軸受収容室のウエイト収容室側開口端から離間した位置に配置され、
前記軸受の潤滑油供給部に供給された前記潤滑油が前記ウエイト収容室へ流入するまでの経路間から前記ハウジングの外部と連通する連通部が設けられていることを特徴とする内燃機関のバランサ装置。
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