JP2016169740A - キャニスタベントソレノイドバルブ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】キャニスタベントソレノイドバルブ6は、エンジン側と燃料タンク側とに連通して蒸発燃料を溜める室を有するキャニスタ2aの、室に連通する差込口へ差し込まれて、大気側と室との間の連通を維持及び遮断する主流路(開口部116から開口部115へつながる流路)と、主流路を迂回して大気側と室との間を連通する迂回流路(開口部117から開口部115へつながる流路)と、迂回流路に形成されて、室を加圧又は減圧するエアポンプ7が接続される第1のニップル118とを備える。
【選択図】図11
Description
エンジン負圧方式及びEONV方式を採用したキャニスタには、配管を介してキャニスタベントソレノイドバルブが接続されたもの(例えば特許文献1参照)、または、キャニスタベントソレノイドバルブが差し込まれて一体化したものがある。
しかしながら、これらの方式はエンジン駆動が前提のため、ハイブリッド化、燃費向上のために走行中でもエンジンを停止させるような車両には適さない。
エアポンプ方式を採用したキャニスタには、キャニスタベントソレノイドバルブとエアポンプをモジュールとして一体化したものが、差し込まれたものがある。
また、キャニスタベントソレノイドバルブが差し込まれて一体化したキャニスタを用いてエアポンプ方式での診断を行うために追加的にエアポンプを接続する場合、配管を介してキャニスタと接続させることになるが、この場合、この配管をキャニスタに接続するためのニップルをキャニスタに設ける必要がある。ニップルをキャニスタに設けるにあたり、設置可能な位置は限られる。従って、ニップルとキャニスタを合わせた全体が大型化しない位置で、ニップルを設置することは難しく、このため、蒸発燃料処理配管系統の漏れを診断するためのシステムを、省スペースで搭載することが困難となっていた。
実施の形態1.
図1に示す蒸発燃料処理システムは、燃料タンク1と、燃料タンク1内で発生する蒸発燃料を吸着し一時的に溜めるキャニスタ2と、キャニスタ2で回収した蒸発燃料をエンジンへ導入するインテークマニホールド3と、蒸発燃料の量を制御するパージソレノイドバルブ4とから構成される。図1に太線で示す蒸発燃料処理配管系統5が、漏れ診断の対象となる配管系統である。蒸発燃料処理配管系統5の漏れ診断は、キャニスタ2に差し込まれてキャニスタ2と大気側との間を開閉するキャニスタベントソレノイドバルブ6と、同じくキャニスタ2に差し込まれて大気側からキャニスタ2へ大気を導入して蒸発燃料処理配管系統5内を加圧するエアポンプ7と、蒸発燃料処理配管系統5内の圧力を検出する圧力センサ8とを備える漏れ診断システムで行う。
キャニスタベントソレノイドバルブ6は、ハウジング101と、ハウジング101内に巻線されたコイル102と、コイル102に端子103を介して通電したときに励磁されるコア104と、コア104の磁気吸引力により往復移動可能なプランジャ105と、コア104内に支持されプランジャ105に連動するロッド106と、大気側に通じる開口部107とキャニスタ2内部側に通じる開口部108と同じくキャニスタ2内部側に通じる開口部109とを有するバルブシート110と、ロッド106の先端に固定された弁体111と、弁体111を、常にバルブシート110が有する開口部107,108間が連通する方向に付勢するスプリング112等とから構成される。
バルブシート110の外周面には、キャニスタ2側との隙間を塞ぐOリング113,114が設置される。
なお、閉弁時であっても、開口部107,109間は、スプリング112が設置された空間を介して連通している。
エアポンプ7は、複数の羽根201を回転させるロータ202と、羽根201とロータ202を収容する樹脂製の第1ハウジング203と、金属板204を間に挟んで第1ハウジング203に固定されロータ202を回転駆動するモータ205とを備える。また、第1ハウジング203には、大気側に連通して大気を取り入れる吸気口206が開設され、第1フィルタ207が取り付けられている。
モータ205の周りには、カバー217が備えられ、カバー217は、金属板204に固定される。カバー217の外周面には、キャニスタ2側との隙間を塞ぐOリング218が設置されている。モータ205は、端子219を介して通電する。
図4は、キャニスタベントソレノイドバルブ6とエアポンプ7が、互いの軸が平行になるように差し込まれるキャニスタ2の外観図である。図5は、図4に示すキャニスタ2にキャニスタベントソレノイドバルブ6とエアポンプ7を差し込み、A−A線に沿って切断した際の断面図である。なお、キャニスタベントソレノイドバルブ6とエアポンプ7の互いの軸は、厳密な平行ではなく、略平行であってもよい。
フィルタ室302内には、支持材309によりフィルタ310が支持されている。
第1の室308内は、蒸発燃料ポート318を介して燃料タンク1から導入される蒸発燃料を吸着する吸着剤(活性炭等)311が封入されるとともに、吸着剤311が第1の室308外に流出しないように適宜フィルタ312により仕切られている。
キャニスタベントソレノイドバルブ6の開弁時は、第1の室308と連結部313がキャニスタベントソレノイドバルブ6を介してつながり、大気ポート301とフィルタ310と連結部313とを通った大気が、キャニスタベントソレノイドバルブ6を介して開口部315から第1の室308に導入可能となる。
当然、キャニスタベントソレノイドバルブ6の閉弁時は、連結部313を通った大気がキャニスタベントソレノイドバルブ6を介して開口部315から第1の室308に流れることはない。ただ、前述の通りキャニスタベントソレノイドバルブ6は、閉弁時であっても、開口部107,109間がスプリング112が設置された空間を介して連通しているため、連結部313を通った大気は、キャニスタベントソレノイドバルブ6を介して連結部314へと導出される。
エアポンプ7は、その動作時に、大気ポート301とフィルタ310と連結部313とを通りキャニスタベントソレノイドバルブ6を介して連結部314へと導出された大気を第1の室308へと送り出す。また、停止時は、逆止弁216の働きにより、エアポンプ7の排気口213内(第1の室308内)の大気が第3の室306側へ逆流することを防ぐ。
この状態でエアポンプ7を動作させ、蒸発燃料処理配管系統5内を加圧する。エアポンプ7の停止後の加圧状態を保持中に、蒸発燃料処理配管系統5の内部圧力が所定の閾値以下に低下した場合、漏れが発生していると診断する。なお、漏れ診断時にエアポンプ7で加圧する際の大気の流れを、大気通路Fで図中に示す。
また、差込口303,305は、キャニスタベントソレノイドバルブ6とエアポンプ7の差込方向が互いに平行であり、互いの軸が平行な状態でキャニスタ2に差込可能となるように形成される。キャニスタ2は金型を用いて製造されるため、このような差込口303,305とすることで、キャニスタ2製造後の金型の取り外しが容易となる。
キャニスタ2の内部には、係止部317が設けられている。係止部317は、エアポンプ7を差し込む際に、当て止めとして機能し、差し込まれたエアポンプ7を保持する。また、係止部317には、キャニスタベントソレノイドバルブ6のOリング114及びエアポンプ7のOリング215が密着する。
つまり、キャニスタベントソレノイドバルブ6を閉弁することで、大気ポート301からフィルタ室302に入り連結部313を通った大気がキャニスタベントソレノイドバルブ6を介して直接第1の室308に流れるのを防ぐ。また、パージソレノイドバルブ4も閉じることで、エアポンプ7により加圧された第1の室308内の大気が、エンジン側に漏れるのを防ぐ。これらにより蒸発燃料処理配管系統5が密閉される。
エアポンプ7は、キャニスタベントソレノイドバルブ6を介して連結部314へと導出されたこの大気を第1の室308へと送り出す。
また、差込口303,305は、キャニスタベントソレノイドバルブ6とエアポンプ7の差込方向が互いに垂直であり、互いの軸が垂直な状態でキャニスタ2に差込可能となるように形成される。キャニスタ2は金型を用いて製造されるため、このような差込口303,305とすることで、キャニスタ2製造後の金型の取り外しが容易となる。
このように、キャニスタベントソレノイドバルブ6を可能な限り深く差し込むことで、キャニスタ2外部側に突出するキャニスタベントソレノイドバルブ6の部位を減らすことができ、蒸発燃料処理配管系統5の漏れを診断するためのシステムを更に省スペースで搭載できる。なお、差込口303に差し込まれたキャニスタベントソレノイドバルブ6を差込方向から投影したときに得られる投影面と、差込口305に差し込まれたエアポンプ7の差込側端部とが交差する程度にエアポンプ7の差込量を確保してもよい。
図8に示すキャニスタ2では、連結部313aを介してフィルタ室302と第2の室304が連通し、連結部313bを介してフィルタ室302と第3の室306が連通している。また、エアポンプ7の差込口305と対向する開口部316を介して第3の室306と第2の室304が連通し、連結部313cを介して第2の室304と第1の室308が連通している。
キャニスタベントソレノイドバルブ6を閉弁することで、大気ポート301からフィルタ室302に入り連結部313aを通った大気がキャニスタベントソレノイドバルブ6を介して第1の室308及び第2の室304に流れるのを防ぐ。なお、キャニスタベントソレノイドバルブ6は、開口部107,109間がスプリング112が設置された空間を介して連通しているものの、Oリング113,114が差込口303に密着している。このため、大気が開口部107,109間を通って第1の室308及び第2の室304へ流れ込むことはない。
この状態で、エアポンプ7は、連結部313bを通る大気を第1の室308及び第2の室304へと送り出す。
従来は、エンジンの負圧を利用することで、キャニスタ2内に溜めた蒸発燃料をインテークマニホールド3側へ送っていた。しかし近年、車両のハイブリッド化、燃費向上のため、走行中でもエンジンを停止する車両が多くなっており、エンジンの負圧が利用困難となっている。
図9には、図7においてエアポンプ7を差し込んでいた差込口305を蓋9で塞いだものを示す。蓋9にはOリング10が設けられており、差込口305の内周面に密着して隙間を塞ぐ。つまり、蓋9の設置だけで、エアポンプ方式に適用したキャニスタ2を、EONV方式に適用することができる。
このように、キャニスタ2は、エアポンプ方式、EONV方式双方において適用可能である。
図10に、キャニスタ2aの外観図を示す。キャニスタ2aは、キャニスタ2からフィルタ室302と第3の室306とを削除したものに相当し、エンジン負圧方式及びEONV方式に対応した従来のキャニスタベントソレノイドバルブ一体型のキャニスタと同等のものである。パージソレノイドバルブ4に通じる配管が接続するパージポート307と燃料タンク1に通じる配管が接続する蒸発燃料ポート318とが形成された第1の室308と、キャニスタベントソレノイドバルブ6の差込口303が形成された第2の室304とが、キャニスタ2a内部で連通している。
エアポンプ7は、カバー220を外側に有しており、カバー220は、大気側につながる配管402と接続する開口部221と、ニップル118側につながる配管402と接続する開口部222とを有する。
開口部221は吸気口206に連通し、開口部222は排気口213に連通する。
この状態で、エアポンプ7は、配管402と開口部221を介して導入される大気を、吸気口206と排気口213を介して、開口部222そして配管402へと送り出す。開口部222に接続された配管402の他端は、ニップル118に接続しており、エアポンプ7から送り出された大気は、ニップル118を設けた開口部117からスプリング112が設置された空間を介して開口部115へと抜ける。エアポンプ7から送り出されたこの大気が、開口部115を通りキャニスタ2a内に入る。
図12(a)に示すキャニスタベントソレノイドバルブ6は、バルブシート110aに、キャニスタベントソレノイドバルブ6の開弁、閉弁に関わらず開口部116と連通する開口部119を主流路に設けて、この開口部119にニップル120を設けた点で、図11(a)に示すものと異なる。
また、ニップル118,120には、配管403の一端がそれぞれ接続され、配管403の途中には、エアポンプ7が設けられている。
それ以外の構成は、図11に示すものと同様である。
この状態で、エアポンプ7は、配管401を通り開口部116へ入り込んだ大気を、ニップル120が設けられた開口部119と配管403と開口部221を介して吸気口206へ取り入れて、排気口213を介し開口部222そして配管403へと送り出す。開口部222に接続された配管403の他端は、ニップル118に接続しており、配管403へと送り出された大気は、ニップル118が設けられた開口部117からスプリング112が設置された空間を介して開口部115へと抜ける。こうしてエアポンプ7から送り出されたこの大気が、開口部115を通りキャニスタ2a内に入る。
また、キャニスタ2aにはエアポンプ7接続用の構造を追加する必要がないので、エンジン負圧方式及びEONV方式に対応した従来のキャニスタベントソレノイドバルブ一体型のキャニスタ2aを、エアポンプ方式用のキャニスタ2aとして流用できる。
Claims (2)
- エンジン側と燃料タンク側とに連通して蒸発燃料を溜める室を有するキャニスタの、前記室に連通する差込口へ差し込まれて、大気側と前記室との間の連通を維持及び遮断する主流路と、
前記主流路を迂回して前記大気側と前記室との間を連通する迂回流路と、
前記迂回流路に形成されて、前記室を加圧又は減圧するエアポンプが接続される第1のニップルとを備えることを特徴とするキャニスタベントソレノイドバルブ。 - 前記主流路に形成された第2のニップルを備え、
前記第1のニップルは、前記エアポンプを介して前記第2のニップルに接続されて、前記主流路を通じて前記大気側に連通することを特徴とする請求項1記載のキャニスタベントソレノイドバルブ。
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