JP2016169701A - 可変容量型圧縮機 - Google Patents

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久弥 近藤
山本 真也
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【課題】低流量時での逆止弁におけるハンチング現象を抑制でき、逆止弁の弁体の動作を安定させることが可能な可変容量型圧縮機の提供にある。【解決手段】ハウジングと、前記ハウジング内に形成される吐出室37と、吐出室37から外部冷媒回路まで形成される吐出冷媒流路と、吐出冷媒通路に配置される逆止弁54を備え、逆止弁54は、冷媒が通過する弁孔64を有する弁座65と、弁座65と接離する弁体72と、弁体72を弁座65へ向けて付勢する付勢部材と、弁孔64に連通する弁室を内部に形成し、弁体72と付勢部材とを収容する弁ハウジング57と、弁ハウジング57に形成され、吐出冷媒流路の一部をなす連通窓70と、を備えた可変容量型圧縮機において、弁体72の周面と弁ハウジング57との間に環状部材81が装着されている。【選択図】 図2

Description

この発明は、可変容量型圧縮機に関し、特に、吐出圧の冷媒の逆流を防止する逆止弁を備えた可変容量型圧縮機に関する。
可変容量型圧縮機の従来技術としては、例えば、特許文献1を挙げることができ、特許文献1には逆止弁を備えた容量可変型圧縮機が開示されている。特許文献1に開示された容量可変型圧縮機のリヤハウジングには、吐出室が形成されている。吐出室の後方には収納室が形成され、収納室とマフラ室は吐出通路により連通されている。収納室には逆止弁が収容されている。
この逆止弁は、連通口が形成された弁ハウジングを備えている。連通口は、その開口面積が弁座から離れる方向に向かう弁体のリフト長に対して比例関係未満になるように形成されている。この逆止弁によれば、リフト長が小さい時点では流路内の流体が従来ほど大量に流れ出ない。このため、流路口とシール面との間の圧力は極端に低くならず、弁体が開閉を繰り返すことによる振動であるハンチング現象が抑制され、異音や振動を生じ難く、圧力損失も小さいとしている。
特開2000−346217号公報
しかしながら、特許文献1に開示された容量可変型圧縮機では、弁ハウジングと弁体とのクリアランスが大きいと、吐出圧の冷媒の一部がクリアランスを通り、弁ハウジングにおける弁体の背面側の空間に入り込む。その結果、弁体は閉じる方向へ付勢され、特に吐出冷媒の流量の少ない低流量時には、弁体の動作が不安定となり、ハンチング現象が生じてしまうという問題がある。
本発明は上記の問題点に鑑みてなされたもので、本発明の目的は、低流量時での逆止弁におけるハンチング現象を抑制でき、逆止弁の弁体の動作を安定させることが可能な可変容量型圧縮機の提供にある。
上記の課題を解決するために、本発明は、ハウジングと、前記ハウジング内に形成される吐出室と、前記ハウジングにて吐出室を機外に接続するように形成される吐出冷媒流路と、前記吐出冷媒流路に配置される逆止弁を備え、前記逆止弁は、冷媒が通過する弁孔を有する弁座と、前記弁座と接離する弁体と、前記弁体を前記弁座へ向けて付勢する付勢部材と、前記弁孔に連通する弁室を内部に形成し、前記弁体と前記付勢部材とを収容する弁ハウジングと、前記弁ハウジングに形成され、前記吐出冷媒流路の一部をなす連通窓と、を備えた可変容量型圧縮機において、前記弁体の周面と前記弁ハウジングの周面との間に環状部材が装着されていることを特徴とする。
本発明では、環状部材が弁体と弁ハウジングとの間のクリアランスを埋めるようにシールする。このため、弁体の作動時において弁体と弁ハウジングとの間のクリアランスへの吐出圧の冷媒の進入が抑制され、吐出圧の冷媒は弁ハウジングにおける弁体の背面側の空間に入り込み難くなる。また、環状部材が装着されることにより弁体の弁ハウジングに対する姿勢が安定する。その結果、特に、低流量時におけるハンチング現象が抑制でき、弁体の動作を安定させることができる。
また、上記の可変容量型圧縮機において、前記環状部材は、前記弁体の周面に装着され、前記弁ハウジングと摺動可能である構成としてもよい。
この場合、環状部材を弁ハウジングに装着する場合と比較すると、逆止弁への環状部材の装着が容易である。
また、上記の可変容量型圧縮機において、前記環状部材は、前記連通窓に干渉しない位置に装着されている構成としてもよい。
この場合、環状部材が連通窓に干渉しないので、円滑な弁体の動作を実現することができる。
また、上記の可変容量型圧縮機において、前記弁体は、前記弁座と対向する一端部と、前記一端部と反対側の端部である他端部とを有し、前記弁体の周面には周方向にわたって窪む環状凹部が設けられ、前記環状部材は、前記弁体にて前記環状凹部と前記他端部との間に装着されている構成としてもよい。
この場合、低流量時には、環状凹部が連通窓と弁ハウジングの内周面を臨む位置に変位する。このため、低流量時には、連通窓を通らずに弁体の背面側の空間に入り込もうとする冷媒を環状凹部が捕獲して、連通窓から吐出されるように冷媒を案内するとともに、環状部材が弁ハウジングと弁体とのクリアランスを埋めるようにシールするため、弁体の背面側の空間への冷媒の進入を一層抑制することができる。
本発明によれば、低流量時での逆止弁におけるハンチング現象を抑制でき、逆止弁の弁体の動作を安定させることが可能な可変容量型圧縮機を提供することができる。
本発明の第1の実施形態に係る可変容量型圧縮機を示す縦断面図である。 第1の実施形態に係る可変容量型圧縮機の要部を示す要部拡大図である。 可変容量型圧縮機が低流量時における逆止弁の状態を示す要部拡大図である。 第2の実施形態に係る可変容量型圧縮機の要部を示す要部拡大図である。
(第1の実施形態)
以下、第1の実施形態に係る可変容量型圧縮機について図面を参照して説明する。
本実施形態に係る可変容量型圧縮機(以下「圧縮機」と表記する)は車両に搭載される車両空調用の圧縮機であり、斜板式の圧縮機である。説明の便宜上、図1において圧縮機の左側を前方とし、右側を後方とする。
図1に示す圧縮機では、シリンダブロック11の前端にはフロントハウジング12が接合され、シリンダブロック11の後端にはリヤハウジング13が結合されている。シリンダブロック11、フロントハウジング12およびリヤハウジング13は、複数の通しボルト(図1においては1つのみ示す)14により相互に接続されている。シリンダブロック11には、通しボルト14を挿通するボルト通孔(図示せず)が形成されているほか、フロントハウジング12にはボルト通孔15が形成されている。また、リヤハウジング13には、雌ねじを有するボルト孔(図示せず)が形成され、ボルト孔には通しボルト14の雄ねじ部が螺入される。シリンダブロック11、フロントハウジング12およびリヤハウジング13は、圧縮機のハウジングの全体を構成する要素である。
フロントハウジング12とシリンダブロック11との接合により、フロントハウジング12内に制御圧室16が形成される。シリンダブロック11には軸孔17が形成されている。軸孔17には駆動軸18が挿通され、駆動軸18はシリンダブロック11にラジアル軸受19を介して回転自在に支持されている。また、フロントハウジング12には、軸孔20が形成されており、軸孔20に駆動軸18が挿通され、駆動軸18はラジアル軸受21を介して回転自在に支持されている。軸孔20には軸封装置22が設けられている。軸封装置22には主にゴム材料により形成されたリップシールが用いられている。制御圧室16から外部へ突出する駆動軸18は、エンジン等の外部駆動源(図示せず)から回転駆動力を得る。
駆動軸18には回転支持体23が固定されている。回転支持体23は駆動軸18と一体回転可能である。回転支持体23とフロントハウジング12の内壁面との間には、駆動軸18の軸心方向への荷重を受けるスラスト軸受24が介在されている。回転支持体23には、斜板25が駆動軸18の軸心方向へスライド可能かつ傾動可能に支持されている。斜板25は、斜板25の中心部に形成された貫通孔26に駆動軸18が貫通した状態にある。回転支持体23と斜板25との間にヒンジ機構27が介在されている。ヒンジ機構27は、回転支持体23に形成されたガイド孔28と、斜板25に突出して形成され、ガイド孔28においてスライド可能なガイドピン29とにより構成されている。ヒンジ機構27は、回転支持体23に対して斜板25を傾動可能とし、かつ、駆動軸18から斜板25へトルク伝達可能に連結する。
駆動軸18にはコイルスプリング30が嵌挿されており、コイルスプリング30は回転支持体23と斜板25との間に位置する。コイルスプリング30は斜板25を回転支持体23から離す付勢力を斜板25に付与する。斜板25の径中心部が回転支持体23側へ移動すると、駆動軸18の径方向に対する斜板25の傾斜角度が増大する。斜板25の最大傾斜角度は、回転支持体23と斜板25との当接により規定される。因みに、図1に実線にて示す斜板25は最小傾斜角度の状態にある。
図1に示すように、シリンダブロック11に形成された複数のシリンダボア31内には、片頭式のピストン32が往復動自在となるように収容されている。シリンダボア31とピストン32の端面とにより圧縮室33が区画される。斜板25の回転運動は、シュー34を介してピストン32の前後往復運動に変換され、ピストン32がシリンダボア31内を往復動する。
リヤハウジング13内には隔壁35が形成されており、隔壁35により吸入室36と吐出室37が区画形成されている。シリンダブロック11とリヤハウジング13との間には、バルブプレート38、弁形成プレート39、40およびリテーナ形成プレート41が介在されている。バルブプレート38、弁形成プレート40およびリテーナ形成プレート41には吸入ポート42が形成されている。バルブプレート38および弁形成プレート39には吐出ポート43が形成されている。弁形成プレート39には吸入弁44が形成されており、弁形成プレート40には吐出弁45が形成されている。リテーナ形成プレート41には、吐出弁45の開度を規制するリテーナ46が形成されている。
吸入室36内の冷媒は、ピストン32の復動動作(図1において右側から左側への移動)により吸入ポート42から吸入弁44を開弁してシリンダボア31内へ流入する。シリンダボア31内へ流入したガス状の冷媒は、ピストン32の往動動作(図1において左側から右側への移動)により吐出ポート43から吐出弁45を開弁して吐出室37へ吐出される。吐出弁45は、リテーナ形成プレート41上のリテーナ46に当接して開度規制される。
リヤハウジング13には、外部に露出する吸入口47および吐出口48が形成されている。リヤハウジング13には、吸入口47と吸入室36とを連通する吸入通路49が形成されるとともに、吐出口48と吐出室37とを連通する吐出通路50が形成されている。吐出室37および吐出通路50はリヤハウジング13にて吐出室37を機外の外部冷媒回路に接続されるように形成される吐出冷媒流路に相当する。吸入室36へ冷媒を導入する吸入口47と、吐出室37から冷媒を吐出する吐出口48とは、外部冷媒回路(図示せず)で接続されている。外部冷媒回路上には、冷媒から熱を奪うための蒸発器、膨張弁および周囲の熱を冷媒に移すための凝縮器が介在されている。膨張弁は、熱交換器の出口側における冷媒ガスの温度の変動に応じて冷媒流量を制御する。
吐出室37へ吐出された冷媒ガスは吐出通路50を通って外部冷媒回路へ流出する。外部冷媒回路へ流出した冷媒ガスは、吸入通路49を通り吸入室36へ還流する。吐出室37と制御圧室16は給気通路51により連通している。本実施形態では、吐出室37と制御圧室16を連通する給気通路51がシリンダブロック11およびリヤハウジング13にわたって形成されている。リヤハウジング13には容量制御弁52が設けられており、容量制御弁52は給気通路51を通る冷媒ガスの流量を制御する。制御圧室16と吸入室36とを連通する抽気通路53がシリンダブロック11に形成されている。抽気通路53は制御圧室16の冷媒ガスを吸入室36へ放出するための通路である。
容量制御弁52の弁開度の増大により、給気通路51を通る冷媒ガスの流量が増大すると、制御圧室16内の圧力が高くなる。これにより、斜板25の傾斜角度が減少する。容量制御弁52の弁開度の減少により給気通路51を通る冷媒ガスの流量が減少すると、制御圧室16内の圧力が低くなる。これにより、斜板25の傾斜角度が増大する。つまり、制御圧室16の圧力の調整により斜板25の傾斜角度が変化し、斜板25の傾斜角度に応じて吐出容量が可変制御される。
本実施形態の圧縮機では、リヤハウジング13における吐出通路50には、逆止弁54が配置されている。逆止弁54は吐出通路50の開度を調節する。図1および図2に示すように、吐出通路50には、弁収容部55が形成されており、弁収容部55は吐出通路50の通路内径の一部を拡大して形成されている。逆止弁54は弁収容部55に収容されている。
以下、逆止弁54について詳細に説明する。図2に示すように、弁収容部55において、吐出室37に連通する位置には逆止弁54の円筒状をなす弁座形成体56が圧入されている。弁収容部55における吐出口48側には、有底円筒状をなす弁ハウジング57が収容されている。弁ハウジング57は、樹脂により形成された有底の筒状部材である。弁収容部55におけるリヤハウジング13の内周面に環状溝58が形成されている。環状溝58に嵌着された止め輪59により、弁座形成体56の弁収容部55からの抜け出しが規制されている。
弁座形成体56は、弁収容部55においてリヤハウジング13と当接する大径部60と、吐出口48側において大径部60と同心状に形成される小径部61とを備えている。大径部60の外周にはOリング63を装着するための環状溝62が形成されている。Oリング63は吐出室37と弁収容部55との間をシールして気密性を保つために設けられている。小径部61の外周径は大径部60の外周径よりも小さく設定されている。弁座形成体56は、大径部60および小径部61の中心を貫通して形成された弁孔64を有する。小径部61に形成される環状の端面は弁座65である。小径部61の外周面には係止溝66が凹設されている。
弁ハウジング57は円筒状の周壁部67と周壁部67の端部を覆う底壁部68を備えており、弁ハウジング57は内部に弁孔64に連通する弁室を有している。底壁部68の中央に小径の通孔68Aが形成されている。弁収容部55において弁ハウジング57の周壁部67とリヤハウジング13との間に隙間が形成されている。また、底壁部68とリヤハウジング13との間にも隙間が形成されている。従って、弁収容部55においてリヤハウジング13の内壁と弁ハウジング57の外周面との間に空間部Sが形成される。空間部Sは吐出冷媒流路の一部に相当する。
周壁部67の開口側(弁座形成体56側)の内周面には、係止突部69が全周に亘って形成されている。係止突部69は弁座形成体56の係止溝66に係止されている。弁ハウジング57は、係止溝66への係止突部69の係止により弁座形成体56に一体的に組み付けられる。周壁部67の開口側(弁座形成体56側)には、4つの連通窓70が周壁部67の径方向の対向する位置に形成されている。連通窓70は、空間部Sと対向して位置し、吐出冷媒流路の一部をなす。
弁ハウジング57内には、有蓋円筒状をなす弁体72が収容されている。弁体72は、円板状の蓋部73と、蓋部73の周縁から、弁ハウジング57の底壁部68に向けて延設された円筒部74を備えている。弁体72は、円筒部74の外周面が、弁ハウジング57の周壁部67の内周面に摺接可能な状態で弁ハウジング57に収容されている。弁体72は、弁ハウジング57の周壁部67によってガイドされて弁座65に対し接離するように移動可能である。蓋部73において、弁孔64及び弁座65に対向する一端は当接部75を構成し、当接部75は弁体72の一端部に相当する。弁体72における当接部75の反対側となる他端は弁体72の他端部に相当する。蓋部73の底壁部68側は受圧部76を構成する。弁体72が最も底壁部68側へ移動するとき、円筒部74の端部が底壁部68と当接する。
弁ハウジング57の底壁部68には、付勢部材としてのコイルスプリング77の一端が支持されている。コイルスプリング77の他端は弁体72の蓋部73(受圧部76)に当接されている。弁体72は、コイルスプリング77のばね荷重(付勢荷重)による付勢力受ける。コイルスプリング77の付勢力は、弁体72に対して当接部75を弁座65に着座させる方向(閉弁方向)へ作用する。コイルスプリング77のばね荷重による付勢力は、最小吐出容量での圧縮が行われているときに弁体72に作用する開弁方向の付勢力より僅かに小さく設定されている。なお、弁ハウジング57の周壁部67、底壁部68および弁体72により区画される空間は、背圧室78を構成する。
本実施形態の逆止弁54では、弁体72の円筒部74の外周面には周方向にわたって窪む環状凹部79が形成されている。環状凹部79は冷媒の吐出量が少ない低流量時に、環状凹部79が連通窓70と周壁部67において連通窓70よりも底壁部68側となる内周面とを臨むように設定されている(図3を参照。)。環状凹部79が連通窓70と周壁部67において連通窓70よりも底壁部68側となる内周面とを臨む状態では、連通窓70から空間部Sへ流れる冷媒の一部が、背圧室78へ入り込もうとするが、環状凹部79が冷媒を捕獲し、連通窓70へ冷媒を案内する。このため、環状凹部79が緩衝のための空間を形成し、周壁部67と円筒部74との間のクリアランスへの冷媒を通り難くする。
弁体72の円筒部74には、外周面の周方向にわたって環状溝80が形成されている。環状溝80は、環状凹部79と円筒部74の端部との間に位置する。環状溝80には、環状部材81が装着されている。つまり、環状部材81は、弁体72の外周面にわたって装着されている。本実施形態の環状部材81は、樹脂材料に形成されており、断面は矩形であり、環状部材81の厚さTは、環状部材81が環状溝80内を移動可能な程度に環状溝80の溝幅Hよりも小さく設定されている。本実施形態では、弁体72が弁孔64を閉じた状態から最大に変位して弁孔64を開く範囲において、環状部材81が連通窓70と干渉しないように、円筒部74における環状溝80の位置が設定されている。環状部材81は、周壁部67と円筒部74との間のクリアランスへの冷媒ガスの通過を妨げる。圧力が低い状態では、環状部材81と周壁部67との間には僅かなクリアランスが生じるか、環状部材81が周壁部67に弱く押し付けられて僅かに接しているが、空間部Sの圧力が高くなるに従って、環状部材81は周壁部67と円筒部74との間のクリアランスを埋めるように環状溝80内を移動しつつ径方向に拡大して変形し、周壁部67に対して強く押し付けられる。これにより、環状部材81の外周面と周壁部67の内周面との間をシールするシール力が強くなる。
本実施形態の逆止弁54は、弁座形成体56と、弁ハウジング57と、弁体72と、コイルスプリング77から構成されている。逆止弁54は、圧縮機が停止した状態では、弁体72はコイルスプリング77の付勢力によって弁座65に向けて(閉弁方向へ)付勢されている。従って、圧縮機の停止時は、弁体72は、コイルスプリング77のバネ荷重による閉弁方向への付勢力によって弁座65に着座されて弁孔64を閉じるとともに、連通窓70を閉じる(閉弁状態)。
次に、本実施形態の圧縮機の作用について説明する。圧縮機が運転されると、冷媒ガスが外部冷媒回路より吸入通路49を通じて吸入室36に導入される。シリンダボア31内を往復動するピストン32が上死点位置から下死点位置へ移動する吸入行程では、吸入弁44が開弁され、このとき、吸入室36内の冷媒ガスは、吸入弁44の開弁時に吸入ポート42を通じて圧縮室33へ導入される。なお、吸入行程では、圧縮室33の圧力低下および吐出室37の圧力が高いことと相まって、吐出弁45は湾曲することなくバルブプレート38に密着して吐出ポート43を閉じる。この後、ピストン32が下死点位置から上死点位置へ移動する圧縮行程では、圧縮室33の圧力が増大し、圧縮室33の冷媒ガスは圧縮される。
圧縮行程では、圧縮室33の圧力が上昇する。吐出行程では吐出弁45が湾曲して吐出ポート43を開き、圧縮室33の冷媒ガスは吐出ポート43を通じて吐出室37へ吐出される。同時に、圧縮室33の圧力上昇と吸入室36の圧力が低いことと相まって、吸入弁44はバルブプレート38に密着して吸入ポート42を閉じる。ピストン32が上死点位置に達し、冷媒ガスが圧縮室33から吐出室37に吐出されて冷媒ガスの吐出が終了すると、吐出弁45はリテーナ46から離れて吐出ポート43を閉じる。そして、圧縮室33から吐出室37に吐出された冷媒ガスは吐出通路50を通じて外部冷媒回路へ吐出される。
弁体72は、コイルスプリング77の付勢力に勝る吐出圧を受けて変位し、図3に示すように、弁孔64を開くとともに連通窓70の一部を開く。弁体72が変位するとき、環状部材81は、弁ハウジング57の周壁部67の内周面に対して摺動する。因みに、冷媒には潤滑油が含まれているため、環状部材81の周壁部67に対する摺動は円滑である。弁孔64の圧力を圧力Pd1とし、背圧室78における圧力をPd2とすると、弁孔64から背圧室78へ至る間に絞り作用を受けるため、圧力Pd2は圧力Pd1より小さい(Pd1>Pd2)。このとき、環状部材81は、環状溝80において円筒部74の端部側へ押し付けられるとともに、周壁部67の内周面へ向けて押し付けられる。このため、環状部材81の外周面と周壁部67の内周面との間(クリアランス)をシールするシール力が強くなり、周壁部67の内周面と弁体72の円筒部74の外周面とのクリアランスへの冷媒の進入が抑制される。また、周壁部67の内周面と弁体72の円筒部74の外周面とのクリアランスを埋めるよう環状部材81が設けられていることにより、弁体72は弁ハウジング57に対して傾斜し難くなり、常に安定した姿勢となる。冷媒の吐出量の少ない低流量時では、弁体72を開く方向に作用する逆止弁54上流側の弁孔64の圧力Pd1と、弁体72を閉じる方向に作用する背圧室78の圧力Pd2との圧力差が小さいため、背圧室78への冷媒の漏れによる圧力の変動等によって弁体72が開閉を繰り返す(ハンチング現象)を誘発しうる。しかしながら、弁体72の外周面と周壁部67の内周面との間に環状部材81が設けられているため、円筒部74と周壁部67との間のクリアランスへの冷媒の進入が抑制されており、連通窓70へ向かう冷媒の背圧室78への進入が抑制される。
低流量時では、環状凹部79が連通窓70と周壁部67において連通窓70よりも底壁部68側となる内周面とを臨む。環状凹部79が連通窓70と周壁部67において連通窓70よりも底壁部68側となる内周面とを臨む状態では、連通窓70を通らずに弁体72の背圧室78に入り込もうとする冷媒を環状凹部79が捕獲して、連通窓70から吐出されるように冷媒を案内する。このため、環状部材81のシール機能と相まって、周壁部67と円筒部74との間のクリアランスへの冷媒の進入がより抑制される。
一方、圧縮機の冷媒の吐出量が増大し、最大吐出容量にて圧縮機が駆動される状態では、弁体はコイルスプリング77の付勢力を上回って最大に変位する。最大吐出容量時には、連通窓70は全開となる。環状凹部79の位置は連通窓70と干渉しない位置となる。他方、圧縮機の駆動を停止すると圧力Pd1と圧力Pd2との差が小さくなる。圧力Pd1と圧力Pd2がほぼ同じとなる状態では、コイルスプリング77の付勢力が弁体72を開く力に勝り、弁孔64および連通窓70は閉じられる。なお、圧力Pd2が圧力Pd1よりも大きくなっても弁体72は弁孔64および連通窓70を閉じているので、冷媒は吐出口48から吐出室37へ逆流することはない。
第1の実施形態に係る圧縮機によれば以下の効果を奏する。
(1)環状部材81が弁体72の円筒部74と弁ハウジング57の周壁部67との間をシールする。このため、弁体72の作動時において弁体72と弁ハウジング57とのクリアランスへの吐出圧の冷媒の進入が抑制され、吐出圧の冷媒は弁体72の背面側の空間である背圧室78に入り込み難くなる。また、環状部材81が弁体72に装着されることにより、弁体72が弁ハウジング57に対して傾斜し難くなり、弁体72の弁ハウジング57に対する姿勢が常に安定する。その結果、特に、低流量時におけるハンチング現象が抑制でき、弁体72の動作を常に安定させることができる。その結果、低流量時における連通窓70の開度が一定に保たれ、低流量時における圧縮性能を向上することができる。
(2)環状部材81は、弁体72の円筒部74の外周面に装着され、周壁部67の内周面と摺動可能であり、環状部材81を弁ハウジング57に装着する場合と比較すると、環状部材81の逆止弁54への装着は容易である。
(3)低流量時には、環状凹部79が連通窓70と周壁部67において連通窓70よりも底壁部68側となる内周面とを臨む。このため、環状凹部79は、連通窓70を通らずに弁体72の背圧室78に入り込もうとする冷媒を捕獲して、連通窓70から吐出されるように冷媒を案内する。このため、環状部材81のシール機能と相まって周壁部67と円筒部74との間のクリアランスへの冷媒の進入をさらに抑制することができる。
(第2の実施形態)
次に、第2の実施形態に係る圧縮機について説明する。本実施形態の圧縮機も、車両に搭載される車両空調用の圧縮機であるが、逆止弁において弁ハウジングに環状部材を設ける点で、第1の実施形態と異なる。本実施形態において、第1の実施形態と共通の構成については、第1の実施形態の説明を援用して共通の符号を用いる。
図4に示すように、本実施形態の圧縮機が備える逆止弁90は、弁ハウジング57の周壁部67の内周面に環状溝91が形成されている。本実施形態の環状溝91は連通窓70に接近した位置に形成されている。環状溝91には環状部材としての環状部材92が装着されている。本実施形態の環状部材92は、樹脂材料により形成されており、断面は矩形であり、環状部材92の厚さTは環状溝91の溝幅Hよりも小さく設定されている。
環状部材92は弁体72と弁ハウジング57との間を周方向にわたってシールする。環状部材92は、周壁部67と円筒部74との間のクリアランスへの冷媒ガスの通過を妨げる。空間部Sの圧力が高くなるほど、環状部材92は周壁部67と円筒部74との間のクリアランスを埋めるように径方向に縮小して変形し、環状部材92の外周面と周壁部67の内周面とのシール力が強くなる。本実施形態の弁体72は、第1の実施形態では形成された環状凹部79を備えない。弁体72が環状凹部79を備えないことにより環状部材92に対する弁体72の円筒部74の円滑な摺動を可能としている。
本実施形態によれば、第1の実施形態の作用効果(1)と同等の作用効果を奏する。また、本実施形態によれば、弁体72に環状部材81を設けることができない場合に、環状部材92を、弁ハウジング57の周壁部67の内周面に装着することができる。環状部材92は円筒部74の内周面と摺動可能である。
なお、上記の実施形態は、本発明の一実施形態を示すものであり、本発明は、上記の実施形態に限定されるものではなく、下記のように発明の趣旨の範囲内で種々の変更が可能である。
○ 上記の実施形態では、環状部材および弁体は樹脂材料により形成されるとしたが、その限りではなく、例えば、アルミニウム系金属材料により環状部材を形成してもよい。この場合、樹脂材料よりも加工精度が高く熱膨張率の低いアルミニウム系金属材料により弁体を形成することにより、環状部材および弁体が樹脂材料により形成される場合と比較すると、弁体と弁ハウジングとのクリアランスをより小さくすることが可能である。その結果、環状部材を弁体に装着することと相まって、弁体と弁ハウジングとのクリアランスの冷媒の通過をさらに妨げることができるほか、弁体の姿勢を常に安定させることができる。
○ 上記の実施形態では、環状部材は樹脂材料により形成されたが、環状部材の材料は樹脂材料に限定されない。環状部材の材料は、例えば、樹脂に代えてゴム系材料により形成してもよい。また、環状部材の断面形状は四角形としたが、環状部材の断面形状は限らず、例えば、円形であってもよい。従って、環状部材としてゴム系材料により形成され、断面形状が円形に形成されているOリングを用いてもよい。また、環状部材は完全な環状でなくてもよく、切り込みにより両端を有する環状部材としてもよい。この場合、切り込みからの両端に段差を設けて両端同士が重なる構造を採用し、切り込みからの冷媒の漏れを少なくすることが好ましい。
○ 上記の実施形態では、背圧室と弁収容部の空間部とは連通されない逆止弁としたが、この限りではない。例えば、逆止弁の弁ハウジングの底壁部に通孔を設け、背圧室と弁収容部の空間部とを連通してもよい。この場合、弁体が変位しても通孔を通じて背圧室の流体を弁収容部の空間部へ逃がすことができる。
○ 第1の実施形態では、環状部材が弁体の位置に関わらず、弁体において連通窓と干渉しない位置に装着されたがこの限りではない。例えば、圧力Pd1が圧力Pd2よりも大きい(Pd1>Pd2)条件のときに連通窓に環状部材を干渉させないように、環状部材を装着する位置を設定してもよい。この場合、例えば、Pd1≦Pd2のとき(圧縮機の駆動停止時等)には、弁体が連通窓と干渉してもよい。
○ 第1の実施形態では、弁体に環状凹部を設けたが、環状凹部は必須の条件ではない。例えば、弁体に環状部材を装着させる場合でも、第2の実施形態の弁体のように環状凹部を設けない弁体としてもよい。
11 シリンダブロック
12 フロントハウジング
13 リヤハウジング
18 駆動軸
25 斜板
27 ヒンジ機構
32 ピストン
36 吸入室
37 吐出室
48 吐出口
50 吐出通路
54、90 逆止弁
55 弁収容部
56 弁座形成体
57 弁ハウジング
64 弁孔
65 弁座
67 周壁部
68 底壁部
70 連通窓
72 弁体
73 蓋部
74 円筒部
75 当接部
77 コイルスプリング
78 背圧室
79 環状凹部
80、91 環状溝
81、92 環状部材
S 空間部
T 厚さ
H 溝幅

Claims (4)

  1. ハウジングと、前記ハウジング内に形成される吐出室と、
    前記ハウジングにて吐出室を機外に接続するように形成される吐出冷媒流路と、前記吐出冷媒流路に配置される逆止弁を備え、
    前記逆止弁は、
    冷媒が通過する弁孔を有する弁座と、
    前記弁座と接離する弁体と、
    前記弁体を前記弁座へ向けて付勢する付勢部材と、
    前記弁孔に連通する弁室を内部に形成し、前記弁体と前記付勢部材とを収容する弁ハウジングと、
    前記弁ハウジングに形成され、前記吐出冷媒流路の一部をなす連通窓と、を備えた可変容量型圧縮機において、
    前記弁体の周面と前記弁ハウジングの周面との間に環状部材が装着されていることを特徴とする可変容量型圧縮機。
  2. 前記環状部材は、前記弁体の周面に装着され、前記弁ハウジングと摺動可能であることを特徴とする請求項1記載の可変容量型圧縮機。
  3. 前記環状部材は、前記連通窓に干渉しない位置に装着されていることを特徴とする請求項2記載の可変容量型圧縮機。
  4. 前記弁体は、前記弁座と対向する一端部と、前記一端部と反対側の端部である他端部とを有し、
    前記弁体の周面には周方向にわたって窪む環状凹部が設けられ、
    前記環状部材は、前記弁体にて前記環状凹部と前記他端部との間に装着されていることを特徴とする請求項2又は3記載の可変容量型圧縮機。
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