JP2016169635A - 吸気装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】バルブによる圧力損失を低減できるとともに、バルブの下流側での空気の流速を高めることができ、更に容易に組み付けることができる吸気装置を提供する。
【解決手段】本吸気装置1では、吸気管7は、バルブ9が配置されるバルブ配置部15と、バルブ配置部の上流側に連なる上流側部16と、バルブ配置部の下流側に連なる下流側部17と、を一体形成してなされている。また、吸気管のバルブ配置部及び下流側部にわたる内壁7aには、吸気管の外周側に向かって凹む段差部19が形成され、段差部には、吸気通路8を形成する吸気通路形成部材21が配されている。さらに、吸気通路形成部材は、バルブ配置部の最大通路面積S1(Sa−Sb)が上流側部の通路面積S2と略同じとなるとともに、下流側部の最小通路面積S3がバルブ配置部の最大通路面積S1より小さくなるように吸気通路を形成する吸気通路形成面21aを備える。
【選択図】図3

Description

本発明は、吸気装置に関し、さらに詳しくは、吸気管内の吸気通路を流れる空気の通路面積を変更可能な吸気装置に関する。
従来の吸気装置として、例えば、図8に示すように、吸気管107と、吸気管107内の吸気通路108を流れる空気の通路面積を変更するためのバルブ109と、を備え、バルブ109は、吸気管107内で吸気通路108を開放する開放位置Aと吸気通路108を閉鎖する閉鎖位置Bとの間で回動可能に配される吸気装置101が一般に知られている(例えば、特許文献1参照)。この吸気装置101では、吸気管107においてバルブ109が配置される部分の内壁107aに凹部110を設け、閉鎖位置Bに位置するバルブ109と凹部110の内壁とのすき間120(即ち、空気の洩れ量)を一定に保つようにしている。このように吸気管107の内壁107a側に凹部110を設ける理由は、バルブ109による圧力損失を低減するためにバルブ109近傍の通路面積を広げるとともに、バルブ109の下流側での空気の流速を高めるためにバルブ109の下流側の通路面積を狭める要望があるためである。
特開2005−256779号公報
しかし、上記従来の吸気装置101では、吸気管107の内壁107aに凹部110を設けているため、吸気管107を軸方向に抜く射出成形等の金型では、アンダーカットとなり一部品で成形することができない。すなわち、吸気管107を、凹部110の中間部を境として軸方向に分割して成形し、それら分割部品を振動溶着等で接合する必要がある。そのため、組み付け工数が増大してコストも高まってしまう。
本発明は、上記現状に鑑みてなされたものであり、バルブによる圧力損失を低減できるとともに、バルブの下流側での空気の流速を高めることができ、更に容易に組み付けることができる吸気装置を提供することを目的とする。
上記問題を解決するために、請求項1に記載の発明は、吸気管と、前記吸気管内の吸気通路を流れる空気の通路面積を変更するためのバルブと、を備え、前記バルブは、前記吸気管内で前記吸気通路を開放する開放位置と前記吸気通路を閉鎖する閉鎖位置との間で回動可能に配される吸気装置であって、前記吸気管は、前記バルブが配置されるバルブ配置部と、前記バルブ配置部の上流側に連なる上流側部と、前記バルブ配置部の下流側に連なる下流側部と、を一体形成してなされており、前記吸気管の前記バルブ配置部及び前記下流側部にわたる内壁には、前記吸気管の外周側に向かって凹む段差部が形成され、前記段差部には、前記吸気通路を形成する吸気通路形成部材が配されており、前記吸気通路形成部材は、前記バルブ配置部の最大通路面積が前記上流側部の通路面積と略同じとなるとともに、前記下流側部の最小通路面積が前記バルブ配置部の最大通路面積より小さくなるように前記吸気通路を形成する吸気通路形成面を備えることを要旨とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記閉鎖位置に位置する前記バルブの一端側と前記吸気管の内壁との間には、前記吸気管が接続される内燃機関の燃焼室内でタンブル流を生成させるための絞り通路が形成され、前記段差部は、前記閉鎖位置に位置する前記バルブの他端側と対向する前記吸気管の内壁側に配され、前記吸気通路形成部材は、前記閉鎖位置に位置する前記バルブの他端側が当接する弾性体を備えることを要旨とする。
請求項3に記載の発明は、請求項2記載の発明において、前記弾性体は、前記吸気通路形成部材と前記段差部との間をシールするように配されていることを要旨とする。
請求項4に記載の発明は、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の発明において、前記吸気通路形成部材は、前記吸気管が接続される内燃機関のシリンダヘッドと前記段差部の立壁との間で挟持されることを要旨とする。
本発明の吸気装置によると、吸気管は、バルブが配置されるバルブ配置部と、バルブ配置部の上流側に連なる上流側部と、バルブ配置部の下流側に連なる下流側部と、を一体形成してなされている。そして、吸気管のバルブ配置部及び下流側部にわたる内壁には、吸気管の外周側に向かって凹む段差部が形成され、段差部には、吸気通路を形成する吸気通路形成部材が配されている。さらに、吸気通路形成部材は、バルブ配置部の最大通路面積が上流側部の通路面積と略同じとなるとともに、下流側部の最小通路面積がバルブ配置部の最大通路面積より小さくなるように吸気通路を形成する吸気通路形成面を備える。このように、バルブ配置部の最大通路面積が上流側部の通路面積と略同じとなるので、バルブによる圧力損失が低減される。また、下流側部の最小通路面積がバルブ配置部の最大通路面積より小さくなるので、バルブの下流側での空気の流速が高められる。さらに、一部品として形成された吸気管の段差部に吸気通路形成部材を配することで、バルブ配置部、上流側部及び下流側部における各通路面積が上述の特定関係とされるので、従来のように吸気管を軸方向に分割して成形して振動溶着等で接合するものに比べて、容易に組み付けることができる。
また、前記閉鎖位置に位置する前記バルブの一端側と前記吸気管の内壁との間に、絞り通路が形成され、前記段差部が、前記閉鎖位置に位置する前記バルブの他端側と対向する前記吸気管の内壁側に配され、前記吸気通路形成部材が、前記閉鎖位置に位置する前記バルブの他端側が当接する弾性体を備える場合は、バルブが閉鎖位置に位置すると、絞り通路を介して内燃機関の燃焼室内に空気が供給されて燃焼室内でタンブル流が生成される。このとき、バルブの他端側が弾性体に当接するので、バルブの他端側と吸気管の内壁との間のすき間がなくなり空気の洩れ量が低減されて強いタンブル流が生成される。また、弾性体を採用しているので、寸法・組付精度や熱変形に関わらずバルブの他端側が弾性体に確実に当接される。さらに、バルブの他端側が当接する際の衝撃が吸収される。
また、前記弾性体が、前記吸気通路形成部材と前記段差部との間をシールするように配されている場合は、弾性体のシール機能により、吸気通路形成部材と段差部とのすき間を介して吸気通路内に外気が吸気されることが防止される。
さらに、前記吸気通路形成部材が、前記吸気管が接続される内燃機関のシリンダヘッドと前記段差部の立壁との間で挟持される場合は、段差部に対して吸気通路形成部材を溶着、接着等で接合する必要がなく、更に容易に組み付けることができる。
本発明について、本発明による典型的な実施形態の非限定的な例を挙げ、言及された複数の図面を参照しつつ以下の詳細な記述にて更に説明するが、同様の参照符号は図面のいくつかの図を通して同様の部品を示す。
実施例に係る吸気装置を備えるインテークマニホールドの模式図である。 上記吸気装置の平面図である。 図2のIII−III線断面図であり、(a)はバルブが閉鎖位置に位置する状態を示し、(b)はバルブが開放位置に位置する状態を示す。 上記吸気装置の一部を破断した斜視図であり、(a)は吸気通路形成部材を配した状態を示し、(b)は吸気通路形成部材を取り外した状態を示す。 実施例に係る吸気通路形成部材を説明するための説明図であり、(a)は分解斜視図を示し、(b)は組付斜視図を示す。 他の形態に係る吸気装置の縦断面図である。 他の形態に係る吸気通路形成部材の縦断面図であり、(a)は湾曲状の吸気通路形成面を備える形態を示し、(b)は段差状の吸気通路形成面を備える形態を示す。 従来の吸気装置を説明するための説明図である。
ここで示される事項は例示的なものおよび本発明の実施形態を例示的に説明するためのものであり、本発明の原理と概念的な特徴とを最も有効に且つ難なく理解できる説明であると思われるものを提供する目的で述べたものである。この点で、本発明の根本的な理解のために必要である程度以上に本発明の構造的な詳細を示すことを意図してはおらず、図面と合わせた説明によって本発明の幾つかの形態が実際にどのように具現化されるかを当業者に明らかにするものである。
<吸気装置>
本実施形態に係る吸気装置は、吸気管(7)と、吸気管内の吸気通路(8)を流れる空気の通路面積を変更するためのバルブ(9)と、を備え、バルブは、吸気管内で吸気通路を開放する開放位置(A)と吸気通路を閉鎖する閉鎖位置(B)との間で回動可能に配される(例えば、図3等参照)。そして、吸気管(7)は、バルブが配置されるバルブ配置部(15)と、バルブ配置部の上流側に連なる上流側部(16)と、バルブ配置部の下流側に連なる下流側部(17)と、を一体形成してなされている。また、吸気管(7)のバルブ配置部(15)及び下流側部(17)にわたる内壁(7a)には、吸気管の外周側に向かって凹む段差部(19)が形成され、段差部には、吸気通路(8)を形成する吸気通路形成部材(21、21’、21")が配されている。さらに、吸気通路形成部材(21、21’、21")は、バルブ配置部の最大通路面積(S1;Sa−Sb)が上流側部の通路面積(S2)と略同じとなるとともに、下流側部の最小通路面積(S3)がバルブ配置部の最大通路面積(S1)より小さくなるように吸気通路(8)を形成する吸気通路形成面(21a、21a’、21a")を備える。
なお、上記「閉鎖位置」とは、吸気通路(8)を完全に閉鎖する位置の他に、所定の隙間をもって吸気通路(8)を閉鎖する位置を含むものとする。また、上記上流側部(16)は、通常、軸方向に沿って略同じ通路面積(S2)を有している。
本実施形態に係る吸気装置としては、例えば、上記閉鎖位置(B)に位置するバルブ(9)の一端側(9a)と吸気管(7)の内壁(7a)との間には、吸気管が接続される内燃機関(2)の燃焼室内でタンブル流を生成させるための絞り通路(14)が形成され、段差部(19)は、閉鎖位置(B)に位置するバルブ(9)の他端側(9b)と対向する吸気管(7)の内壁(7a)側に配され、吸気通路形成部材(21、21’、21")は、閉鎖位置(B)に位置するバルブ(9)の他端側(9b)が当接する弾性体(25)を備える形態(例えば、図3及び図4等参照)を挙げることができる。
上述の形態の場合、例えば、上記弾性体(25)は、吸気通路形成部材(21、21’、21")と段差部(19)との間をシールするように配されていることができる(例えば、図3及び図4等参照)。
本実施形態に係る吸気装置としては、例えば、上記吸気通路形成部材(21、21’、21")は、吸気管(7)が接続される内燃機関(2)のシリンダヘッド(2a)と段差部(19)の立壁(19a)との間で挟持される形態(例えば、図3等参照)を挙げることができる。
上述の形態の場合、例えば、上記吸気通路形成部材(21、21’、21")の一端側には、段差部(19)の立壁(19a)に形成された凹部(23)に嵌挿する凸部(24)が立設され、凸部には、環状の上記弾性体(25)が挿着されている形態(例えば、図5等参照)を挙げることができる。これにより、段差部に対して吸気通路形成部材とともに弾性体を容易に組み付け得るとともに、吸気通路形成部材と段差部との間をより確実にシールできる。
本実施形態に係る吸気装置としては、例えば、上記吸気通路形成面(21a、21a’)は、吸気管(7)の下流側に向かうに連れて吸気管の中心側に近づく傾斜面状又は湾曲面状に形成されている形態(例えば、図3及び図7(a)等参照)を挙げることができる。これにより、吸気通路内での空気のより円滑な流れを実現できる。
なお、上記実施形態で記載した各構成の括弧内の符号は、後述する実施例に記載の具体的構成との対応関係を示すものである。
以下、図面を用いて実施例により本発明を具体的に説明する。
(1)吸気装置造の構成
本実施例に係る吸気装置1は、図1に示すように、内燃機関2のシリンダヘッド2aに接続されるインテークマニホールド3の一部を構成している。この吸気装置1は、内燃機関2の燃焼室内でタンブル流(渦流)を生成させて燃費性能を向上させるためのものである。なお、上記インテークマニホールド3は、スロットルバルブ4を備えるとともに、その一端側にエアクリーナ5が接続されている。
上記吸気装置1は、図2に示すように、樹脂製の吸気管7と、吸気管7内の吸気通路8を流れる空気の通路面積を変更するための金属製のバルブ9と、を備えている。この吸気管7内には、縦断面略矩形状の複数(図中に2個)の吸気通路8が形成されている。また、バルブ9は、複数の吸気通路8の個数に対応して複数設けられている。また、バルブ9は、吸気通路8の外周縁に応じた矩形板状に形成されている。このバルブ9には、吸気管7に設けられた軸受部11に軸支される支持軸12が設けられている。この支持軸12の一端側には、所定のタイミングで支持軸を回動させる駆動モータ等の駆動手段13が連結されている。そして、バルブ9は、図3に示すように、吸気管7内で吸気通路8を開放する開放位置Aと吸気通路8を閉鎖する閉鎖位置Bとの間で回動可能に配されている。この閉鎖位置Bに位置するバルブ9の一端側9aと吸気管7の内壁7aとの間には、内燃機関2の燃焼室内でタンブル流を生成させるための絞り通路14が形成される。
上記吸気管7は、図3に示すように、バルブ9が配置されるバルブ配置部15と、バルブ配置部15の上流側に連なる上流側部16と、バルブ配置部15の下流側に連なる下流側部17と、を備え、これら各部15、16、17を一体形成してなされている。このバルブ配置部15は、吸気管7において開放位置Aに位置するバルブ9に対向する領域である。また、バルブ配置部15には、吸気管7の軸方向で下流側に向かうに連れて拡径する拡径部15aが形成されている。また、上流側部16は、軸方向に沿って略同じ通路面積S2を有している。
上記吸気管7のバルブ配置部15及び下流側部17にわたる内壁7aには、図3及び図4に示すように、吸気管7の外周側(即ち、吸気管7の中心軸から離れる遠心側)に凹む段差部19が形成されている。この段差部19には、吸気通路8を形成する樹脂製の吸気通路形成部材21が配されている。また、段差部19は、閉鎖位置Bに位置するバルブ9の他端側9bと対向する吸気管7の内壁7a側に配されている。また、段差部19は、吸気管7の軸方向の一端側を開口した箱状に形成されている。また、段差部19を形成する立壁19a(即ち、段差部19の開口と対向する立壁19a)には、吸気通路形成部材21の後述する凸部24が嵌合される凹部23が形成されている。この凹部23は、奥側に向かって狭まる溝状に形成されている。
上記吸気通路形成部材21は、図5に示すように、縦断面略U字の板状に形成されている。この吸気通路形成部材21の一端側には、段差部19の立壁19aの凹部23に嵌合する凸部24が立設されている。この凸部24は、先端側に向かって狭まる板状に形成されている。また、凸部24には、ゴム、樹脂等からなる環状の弾性体25が挿着されている。そして、吸気通路形成部材21は、図3に示すように、凸部24が段差部19の凹部23に嵌合された状態で、内燃機関2のシリンダヘッド2aと段差部19の立壁19aとの間で挟持される。このとき、弾性体25は、段差部19の立壁19aと吸気通路形成部材21の一端側との間で押圧され、吸気通路形成部材21と段差部19との間を気密にシールする。また、弾性体25は、吸気通路形成部材21とともに吸気通路8を形成している。さらに、弾性体25は、閉鎖位置Bに位置するバルブ9の他端側9bが当接する位置に配されている。
上記吸気通路形成部材21は、図3に示すように、吸気通路8を形成する吸気通路形成面21aを備えている。この吸気通路形成面21aは、吸気管7の下流側に向かうに連れて吸気管7の中心側に近づくような傾斜面状に形成されている。そして、吸気通路形成面21aは、バルブ配置部15の最大通路面積S1(Sa−Sb)が上流側部16の通路面積S2と略同じとなるとともに、下流側部17の最小通路面積S3がバルブ配置部15の最大通路面積S1より小さくなるように吸気通路8を形成している。ここで、上記バルブ配置部15の最大通路面積S1は、バルブ9が開放位置Aに位置した状態において、バルブ配置部15の最大縦断面積Saからバルブ9の縦断面積Sbを引いた値である。
(2)吸気装置の作用
次に、上記構成の吸気装置1の作用について説明する。図3(a)に示すように、バルブ9が閉鎖位置Bに位置すると、絞り通路14を介して内燃機関2の燃焼室内に空気が供給されて燃焼室内でタンブル流が生成される。このとき、バルブ9の他端側9bが弾性体25に当接してバルブ9の他端側9bと吸気管7の内壁7aとの間にすき間が存在していない。一方、図3(b)に示すように、バルブ9が開放位置Aに位置すると、バルブ配置部15の最大通路面積S1が上流側部16の通路面積S2と略同じとなるので、バルブ9による圧力損失が低減される。さらに、下流側部17の最小通路面積S3がバルブ配置部15の最大通路面積S1より小さくなるので、バルブ9の下流側での空気の流速が高められる。
(3)実施例の効果
本実施例の吸気装置1によると、吸気管7は、バルブ9が配置されるバルブ配置部15と、バルブ配置部15の上流側に連なる上流側部16と、バルブ配置部15の下流側に連なる下流側部17と、を一体形成してなされている。そして、吸気管7のバルブ配置部15及び下流側部17にわたる内壁7aには、吸気管7の外周側に向かって凹む段差部19が形成され、段差部19には、吸気通路8を形成する吸気通路形成部材21が配されている。さらに、吸気通路形成部材21は、バルブ配置部15の最大通路面積S1(Sa−Sb)が上流側部16の通路面積S2と略同じとなるとともに、下流側部17の最小通路面積S3がバルブ配置部15の最大通路面積S1より小さくなるように吸気通路8を形成する吸気通路形成面21aを備える。このように、バルブ配置部15の最大通路面積S1が上流側部16の通路面積S2と略同じとなるので、バルブ9による圧力損失が低減される。また、下流側部17の最小通路面積S3がバルブ配置部15の最大通路面積S1より小さくなるので、バルブ9の下流側での空気の流速が高められる。さらに、一部品として形成された吸気管7の段差部19に吸気通路形成部材21を配することで、バルブ配置部15、上流側部16及び下流側部17における各通路面積S1、S2、S3が上述の特定関係とされるので、従来のように吸気管を軸方向に分割して成形して振動溶着等で接合するものに比べて、容易に組み付けることができる。
また、本実施例では、閉鎖位置Bに位置するバルブ9の一端側9aと吸気管7の内壁7aとの間には、絞り通路14が形成され、段差部19は、閉鎖位置Bに位置するバルブ9の他端側9bと対向する吸気管7の内壁7a側に配され、吸気通路形成部材21は、閉鎖位置Bに位置するバルブ9の他端側9bが当接する弾性体25を備える。これにより、バルブ9が閉鎖位置Bに位置すると、絞り通路14を介して内燃機関2の燃焼室内に空気が供給されて燃焼室内でタンブル流が生成される。このとき、バルブ9の他端側9bが弾性体25に当接するので、バルブ9の他端側9bと吸気管7の内壁7aとの間のすき間がなくなり空気の洩れ量が低減されて強いタンブル流が生成される。また、弾性体25を採用しているので、寸法・組付精度や熱変形に関わらずバルブ9の他端側9bが弾性体25に確実に当接される。さらに、バルブ9の他端側9bが当接する際の衝撃が吸収される。これに対して、従来の吸気装置101(図8参照)では、部品の寸法・組付精度や高負荷環境下の熱変形を考慮して、バルブ109と吸気管107の内壁107aとの間に所定のすき間120を設定する必要があるので、空気漏れ量が増大して強いタンブル流を生成し難い。
また、本実施例では、弾性体25は、吸気通路形成部材21と段差部19との間をシールするように配されている。この弾性体25のシール機能により、吸気通路形成部材21と段差部19とのすき間を介して吸気通路8内に外気が吸気されることが防止される。
また、本実施例では、吸気通路形成部材21は、吸気管7が接続される内燃機関2のシリンダヘッド2aと段差部19の立壁19aとの間で挟持される。これにより、段差部19に対して吸気通路形成部材21を溶着、接着等で接合する必要がなく、更に容易に組み付けることができる。
また、本実施例では、吸気通路形成部材21の一端側には、段差部19の立壁19aに形成された凹部23に嵌挿する凸部24が立設され、凸部24には、環状の弾性体25が挿着されている。これにより、段差部19に対して吸気通路形成部材21とともに弾性体25を容易に組み付け得るとともに、吸気通路形成部材21と段差部19との間をより確実にシールできる。
さらに、本実施例では、吸気通路形成面21aは、吸気管7の下流側に向かうに連れて吸気管7の中心側に近づく傾斜面状に形成されている。これにより、吸気通路8内での空気のより円滑な流れを実現できる。
尚、本発明においては、上記実施例に限られず、目的、用途に応じて本発明の範囲内で種々変更した実施例とすることができる。すなわち、上記実施例では、閉鎖位置Bに位置するバルブ9の他端側9bと対向する吸気管7の内壁7a側に段差部19を形成するようにしたが、これに限定されず、例えば、図6に示すように、閉鎖位置Bに位置するバルブ9の一端側9a(即ち、バルブ9の絞り通路14を形成する一端側9a)と対向する吸気管7の内壁7a側に段差部19を形成するようにしてもよい。この場合、通常、段差部19には弾性体25を備えない吸気通路形成部材21が配される。
また、上記実施例では、傾斜面状の吸気通路形成面21aを備える吸気通路形成部材21を例示したが、これに限定されず、例えば、図7に示すように、吸気管7の下流側に向かうに連れて吸気管7の中心側に近づくような湾曲面状や段差状に形成された吸気通路形成面21a’、21a"を備える吸気通路形成部材21’、21"としてもよい。
また、上記実施例では、吸気通路形成部材21の凸部24に挿着される弾性体25を例示したが、これに限定されず、例えば、吸気通路形成部材21の吸気通路形成面21a側に露出するように埋設される弾性体としてもよい。
また、上記実施例では、内燃機関2のシリンダヘッド2aと段差部19の立壁19aとの間で挟持される吸気通路形成部材21を例示したが、これに限定されず、例えば、接着、溶着、係止フック、ボルト止め等により段差部19に取り付けられる吸気通路形成部材としてもよい。さらに、上記実施例では、樹脂製の吸気管7及び金属製のバルブ9を例示したが、これに限定されず、例えば、金属製の吸気管としたり、樹脂製のバルブとしたりしてもよい。
さらに、上記実施例では、吸気管7内にタンブル流生成のためのバルブ9を備えてなる吸気装置を例示したが、これに限定されず、例えば、吸気管内にスロットルバルブを備えてなる吸気装置としたり、吸気管内にエアクリーナへの吸気流量を調整するバルブを備えてなる吸気装置としたりしてもよい。
前述の例は単に説明を目的とするものでしかなく、本発明を限定するものと解釈されるものではない。本発明を典型的な実施形態の例を挙げて説明したが、本発明の記述および図示において使用された文言は、限定的な文言ではなく説明的および例示的なものであると理解される。ここで詳述したように、その形態において本発明の範囲または精神から逸脱することなく、添付の特許請求の範囲内で変更が可能である。ここでは、本発明の詳述に特定の構造、材料および実施例を参照したが、本発明をここにおける開示事項に限定することを意図するものではなく、むしろ、本発明は添付の特許請求の範囲内における、機能的に同等の構造、方法、使用の全てに及ぶものとする。
本発明は上記で詳述した実施形態に限定されず、本発明の請求項に示した範囲で様々な変形または変更が可能である。
吸気管内の吸気通路の空気の通路面積を変更させる吸気装置に関する技術として広く利用される。特に、乗用車、バス、トラック等の車両の内燃機関に接続される吸気管を備える吸気装置に関する技術として好適に利用される。
1;吸気装置、2;内燃機関、2a;シリンダヘッド、7;吸気管、7a;内壁、8;吸気通路、9;バルブ、9a;一端側、9b;他端側、14;絞り通路、15;バルブ配置部、16;上流側部、17;下流側部、19;段差部、19a;立壁、21,21’,21";吸気通路形成部材、21a,21a’,21a";吸気通路形成面、25;弾性体、A;開放位置、B;閉鎖位置、S1(Sa−Sb);バルブ配置部の最大通路面積、S2;上流側部の通路面積、S3;下流側部の最小通路面積。

Claims (4)

  1. 吸気管と、前記吸気管内の吸気通路を流れる空気の通路面積を変更するためのバルブと、を備え、前記バルブは、前記吸気管内で前記吸気通路を開放する開放位置と前記吸気通路を閉鎖する閉鎖位置との間で回動可能に配される吸気装置であって、
    前記吸気管は、前記バルブが配置されるバルブ配置部と、前記バルブ配置部の上流側に連なる上流側部と、前記バルブ配置部の下流側に連なる下流側部と、を一体形成してなされており、
    前記吸気管の前記バルブ配置部及び前記下流側部にわたる内壁には、前記吸気管の外周側に向かって凹む段差部が形成され、前記段差部には、前記吸気通路を形成する吸気通路形成部材が配されており、
    前記吸気通路形成部材は、前記バルブ配置部の最大通路面積が前記上流側部の通路面積と略同じとなるとともに、前記下流側部の最小通路面積が前記バルブ配置部の最大通路面積より小さくなるように前記吸気通路を形成する吸気通路形成面を備えることを特徴とする吸気装置。
  2. 前記閉鎖位置に位置する前記バルブの一端側と前記吸気管の内壁との間には、前記吸気管が接続される内燃機関の燃焼室内でタンブル流を生成させるための絞り通路が形成され、前記段差部は、前記閉鎖位置に位置する前記バルブの他端側と対向する前記吸気管の内壁側に配され、前記吸気通路形成部材は、前記閉鎖位置に位置する前記バルブの他端側が当接する弾性体を備える請求項1記載の吸気装置。
  3. 前記弾性体は、前記吸気通路形成部材と前記段差部との間をシールするように配されている請求項2記載の吸気装置。
  4. 前記吸気通路形成部材は、前記吸気管が接続される内燃機関のシリンダヘッドと前記段差部の立壁との間で挟持される請求項1乃至3のいずれか一項に記載の吸気装置。
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