JP2016169631A - 回転機械並びに回転機械のクリアランス制御装置及び方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】回転機械のクリアランス制御装置は、回転機械の静止部と回転部との間のクリアランスの大きさを示す信号を検出するための信号検出部と、前記回転機械の軸受が載置される軸受設置領域、および、該軸受設置領域から離れて位置する温調領域を含む架台のうち前記温調領域の両面側における温度差を調節するための温度差調節部と、少なくとも前記信号検出部によって検出された前記信号に基づいて前記クリアランスの大きさが調節されるよう前記温度差調節部を制御するように構成された制御部と、を備える。
【選択図】 図1
Description
特許文献2には、タービン軸と車室とのタービン軸に沿った方向の熱膨張差を検出し、この検出結果に基づいて、軸受台を移動させるようにした蒸気タービンの軸受装置が開示されている。
特許文献3には、タービンロータ及びタービンシェルを支持する台座部の軸受ブロック及びタービンシェルアーム支持体を同時に冷却又は加熱し、これによりタービンロータとタービンシェルの熱膨張特性の差違を低減するようにした回転機械が開示されている。
特許文献4には、タービンと車室との伸び差の検出結果に基づいて車室を移動させるようにした低圧タービンが開示されている。
特許文献5には、上半ケーシング及び下半ケーシングの温度検出結果に基づいて、上半ケーシングと軸受台との間に設けた高さ調節装置により上半ケーシングの高さを調節するようにした蒸気タービンが開示されている。
特許文献6には、蒸気タービンの運転状態に応じて車室を移動させて最適ロータ間隙を得るようにした蒸気タービンが開示されている。
特許文献7には、複数のタービンの内部車室に接続された複数のアームと、該アームの螺子穴に螺合するシャフトと、備えた車室位置調節機構が開示されている。この車室位置調節機構では、シャフトを回転させることでアーム及び内部車室を軸方向に移動させるようになっている。
特許文献8には、季節的要因に起因して生じる架台の温度分布変化を考慮して軸系アライメントを監視するようにした回転機械のアライメント監視装置が開示されている。
特許文献9には、高圧室の軸方向位置を調節するようにした単車室型蒸気タービンが開示されている。
特許文献10には、ピストン及びロッドを備えたアクチュエータを用いて内車室の軸方向位置を調節するようにした蒸気タービンが開示されている。
特許文献11には、車室とロータとの間の隙間検出結果に基づいてサーボモータを制御し、該サーボモータによって軸受台を移動させるようにした回転機械が開示されている。
この点、特許文献1〜11には、簡素な装置構成によって、静止部と回転部との間のクリアランスを調節可能とする具体的手法について記載されていない。
回転機械の静止部と回転部との間のクリアランスの大きさを示す信号を検出するための信号検出部と、
前記回転機械の軸受が載置される軸受設置領域、および、該軸受設置領域から離れて位置する温調領域を含む架台のうち前記温調領域の両面側における温度差を調節するための温度差調節部と、
少なくとも前記信号検出部によって検出された前記信号に基づいて前記クリアランスの大きさが調節されるよう前記温度差調節部を制御するように構成された制御部と、を備える。
前記架台は、
前記軸受設置領域を形成する第1直線部と、
前記温調領域を形成する第2直線部と、
を含み、
前記架台は、前記温度差に基づく前記第2直線部の曲げ変形に起因した前記第1直線部の回動角と、前記第1直線部の長さとに応じて定まる距離だけ前記軸受が動くように構成されている。
前記第1直線部と前記第2直線部とが直交するように設けられる。
(4)幾つかの他の実施形態では、上記(2)の構成において、
前記第1直線部と前記第2直線部とが同一方向に延在するとともに、
前記第1直線部は自由端を有し、且つ、前記第2直線部は固定端を有する。
前記温度差調節部は、前記架台の前記温調領域の一方の面側に設けられた加熱部又は冷却部を含み、
前記制御部は、少なくとも前記信号に基づいて前記加熱部又は前記冷却部を制御するように構成される。
前記温度差調節部は、前記加熱部としてのヒータを含み、
前記制御部は、少なくとも前記信号に基づいて前記ヒータの出力を制御するように構成される。
前記加熱部は、
前記架台の前記温調領域の前記一方の面側に設けられた高温媒体流路部と、
前記高温媒体流路部における高温媒体の流量を調節するための第1流量調節部と、
を含み、
前記制御部は、少なくとも前記信号に基づいて前記第1流量調節部を制御するように構成される。
この点、上記(7)の構成によれば、クリアランス調節を目的として架台の温調領域に温度分布を形成する際、プラント内に存在する高温媒体を有効活用することができる。
前記冷却部は、
前記架台の前記温調領域の前記一方の面側に設けられた低温媒体流路部と、
前記低温媒体流路部における低温媒体の流量を調節するための第2流量調節部と、
を含み、
前記制御部は、少なくとも前記信号に基づいて前記第2流量調節部を制御するように構成される。
この点、上記(7)の構成によれば、クリアランス調節を目的として架台の温調領域に温度分布を形成する際、プラント内に存在する低温媒体を有効活用することができる。
前記温調領域における前記架台の温度を検出するための温度センサをさらに備え、
前記制御部は、少なくとも前記信号および前記温度センサの検出結果に基づいて、前記温度差調節部を制御するように構成される。
前記温調領域における前記架台は、前記一方の面が断熱材によって覆われている。
前記温度差調節部は、
前記架台の前記温調領域の第1面側に設けられた加熱部と、
前記架台の前記温調領域の第2面側に設けられた冷却部と、
を含み、
前記制御部は、少なくとも前記信号に基づいて前記加熱部および前記冷却部の両方を制御するように構成される。
前記回転機械は、ガスタービンを含み、
前記架台の前記温調領域は、前記ガスタービンの下方、且つ、前記ガスタービンの圧縮機に接続される吸気ダクトの上方において、前記軸受設置領域から遠ざかるように水平方向に沿って延在しており、
前記温度差調節部は、前記架台の前記温調領域の下面側に位置する加熱部、または、前記架台の前記温調領域の上面側に位置する冷却部の少なくとも一方を含み、
前記制御部は、少なくとも前記信号に基づいて前記加熱部又は前記加熱部の少なくとも一方を制御するように構成される。
前記回転機械は、前記軸受を挟んで前記ガスタービン及び前記架台とは反対側に位置する蒸気タービンを含み、
前記蒸気タービン及び前記ガスタービンのそれぞれの回転軸は互いに連結されて前記軸受によって支持されており、 前記信号検出部は、前記蒸気タービンにおける前記クリアランスの大きさを示す前記信号を検出するように構成される。
なお、上記(13)で述べた蒸気タービン及びガスタービンが一軸上に配列された回転機械では、ガスタービン車室と軸受が同じ位置で固定されている場合、架台を変形させると、軸受とガスタービンの静止部とが同時に動くことになる。この場合、ガスタービン側の伸び差には影響を及ぼさずに、主として蒸気タービンの伸び差のみを改善することができる。
静止部と、
前記静止部に対して対向して回転可能に設けられた回転部と、
上記(1)乃至(13)の何れかのクリアランス制御装置と、
を備える。
回転機械の静止部と回転部との間のクリアランスの大きさを示す信号を検出する信号検出ステップと、
前記回転機械の軸受が載置される軸受設置領域、および、該軸受設置領域から離れて位置する温調領域を含む架台のうち前記温調領域の両面側における温度差を調節する温度差調節ステップと、を備え、
前記温度差調節ステップでは、少なくとも前記信号検出ステップによって検出された前記信号に基づいて前記クリアランスの大きさが調節されるよう前記温度差を調節する。
例えば、静止部2はケーシングや不図示の静翼等を含む。回転部3は、軸線Oを中心として回転可能に構成されたロータ(回転軸)4と、ロータ4と一体的に回転するように構成された回転体(例えば動翼)5と、を含む。ロータ4は、ケーシングを貫通するように設けられており、回転体5はケーシング内に収容されている。軸受6は、回転部3のロータ4を回転可能に支持している。なお、図1では一例として、軸受6がスラスト軸受である場合を示している。
架台10は、回転機械1の軸受6が載置される軸受設置領域11と、この軸受設置領域11から離れて位置する温調領域12と、を含む。例えば、架台10は、コンクリートによって形成される。また、架台10は、後述する曲げ変形の影響の少ない部位において、静止部2を支持していてもよい。さらに、架台10は、何れかの部位において基部(例えば建屋)に固定されていてもよい。
なお、図1及び図3では一例として、ロータ4の軸線Oに沿った鉛直方向断面がL字形状をなすL字架台を示している。
信号検出部21は、ロータ4の伸び差を検出する構成であってもよい。この場合、例えばポテンショメータ等を用いることができる。あるいは、信号検出部21は、静止部2側に取り付けられ、回転部3が信号検出部21に接触したとき又は近づいたときの振動を検出する構成であってもよい。この場合、例えば振動検知センサを用いることができる。あるいは、信号検出部21は、静止部2側に取り付けられ、回転部3が信号検出部21に接触したことを感知する構成であってもよい。この場合、例えば圧電効果や電気抵抗等を利用した接触感知センサを用いることができる。
この場合、架台10は、温度差に基づく第2直線部14の曲げ変形に起因した第1直線部13の回動角と、第1直線部の長さとに応じて定まる距離だけ軸受が動くように構成される。
同図では例示的に図1及び図4に示すL字架台を用いているが、図5に示すL字架台、図6及び図7に示すT字架台、図8及び図9に示すI字架台においても同様の効果が得られる。
この距離Lが回転部3の移動距離となるので、制御部40は、静止部2と回転部3のクリアランス調節において回転部3が適切な位置まで移動するように、温度差調節部22を制御する。
したがって、上記構成によれば、所謂アーム効果(レバー効果)によって、架台10の第2直線部14の曲げ変形に起因した第1直線部13の大きな変位量を得ることができる。
制御部40は、少なくとも信号検出部21で検出された信号が入力され、この信号に基づいてヒータ23の出力を制御するように構成される。
この構成によれば、回転機械1が納入された既設プラントに対して大幅変更を加えることなく、クリアランス制御装置20の追加設置工事を行うことができる。
この場合、制御部40は、少なくとも信号検出部21で検出された信号に基づいて、ヒータ23の出力および低温媒体流路部26における低温媒体の流量の両方を制御するように構成される。このように、架台10の温調領域12の両方の面(第1面12a及び第2面12b)をそれぞれ加熱又は冷却することで、架台10の温調領域12の温度分布を効果的に形成し、架台10の軸受設置領域11の変位量を十分に確保できる。
また、回転機械1が納入されるプラントによっては、利用可能な低温媒体(例えば冷却水や外気)が存在する。この点、冷却部として低温媒体流路部26を採用すれば、クリアランス調節を目的として架台10の温調領域12に温度分布を形成する際、プラント内に存在する低温媒体を有効活用することができる。
この場合、制御部40は、少なくとも信号検出部21で検出された信号および温度センサ28(28a,28b)の検出結果に基づいて、温度差調節部22を制御するように構成される。
この構成によれば、ヒータ23又は低温媒体流路部26による温度調節の対象である架台10の温調領域12の少なくとも一方の面を断熱材42で覆うことで、少なくとも一方の面における架台周囲からの入熱量又は架台周囲への放熱量を抑制することができる。よって、架台10の温調領域12の温度分布を形成するために加熱部又は冷却部で費やすエネルギー(例えば高温媒体の熱源エネルギー又は低温媒体を流すためのエネルギー)を低減することができる。
制御部40は、少なくとも信号検出部21で検出された信号が入力され、この信号に基づいて、高温媒体流路部24における高温媒体の流量を調節するために、第1流量調節部25を制御するようになっている。
この場合、制御部40は、少なくとも信号検出部21で検出された信号および温度センサ28(28a,28b)の検出結果に基づいて、温度差調節部22を制御するように構成される。
この構成によれば、高温媒体流路部24又は低温媒体流路部26による温度調節の対象である架台10の温調領域12の少なくとも一方の面を断熱材42で覆うことで、少なくとも一方の面における架台周囲からの入熱量又は架台周囲への放熱量を抑制することができる。よって、架台10の温調領域12の温度分布を形成するために加熱部又は冷却部で費やすエネルギー(例えば高温媒体や低温媒体を流すためのエネルギー)を低減することができる。
この場合、制御部40には、信号検出部21で検出された信号と、温度センサ28(28a,28b)で検出された架台10の温度と、第1温度センサ28aで検出された高温媒体の温度と、第2温度センサ28bで検出された低温媒体の温度と、が入力される。そして、制御部40は、これらの入力信号に基づいて、クリアランスCを適切に調節するために、第1流量調節部25及び第2流量調節部27を制御する。
なお、図1乃至図3に示す実施形態では、上面の第1面12a側に冷却部を設け、下面の第2面12b側に加熱部を設けた構成について例示したが、上面の第1面12a側に加熱部を設け、下面の第2面12b側に冷却部を設けた構成としてもよい。
図4に示す構成例では、架台10は、鉛直方向に延在した第1直線部13及び水平方向に延在した第2直線部14を有するL字架台である。第1直線部13と第2直線部14とは互いに直交するように端部同士が連結されている。第1直線部13の端部には、回転機械1の軸受6が載置されている。軸受6は、回転部3(図1及び図3参照)のスラスト方向(水平方向)における変位が許容されるスラスト軸受である。また、第2直線部14の温調領域12における上面の第1面12a側には、温度差調節部22の加熱部(不図示)が設けられ、下面の第2面12b側には温度差調節部22の冷却部(不図示)が設けられている。
この構成例においては、架台10の第1面12a側が膨張し、第2面12b側が収縮するので、第1直線部13の回動によって、軸受6は図中矢印に示すように第1直線部13に直交する方向(水平方向)の変位成分を含む。そのため、静止部2と回転部3(図1及び図3参照)との間の水平方向(例えばスラスト方向)におけるクリアランスCの調節に適している。
図5に示す構成例では、架台10は、水平方向に延在した第1直線部13及び鉛直方向に延在した第2直線部14を有するL字架台である。第1直線部13と第2直線部14とは互いに直交するように端部同士が連結されている。第1直線部13の端部には、回転機械1の軸受6が載置されている。軸受6は、回転部3(図1及び図3参照)のラジアル方向(水平方向)における変位が許容されるジャーナル軸受である。また、第2直線部14の温調領域12における一方の側面の第1面12a側には、温度差調節部22の加熱部(不図示)が設けられ、他方の側面の第2面12b側には温度差調節部22の冷却部(不図示)が設けられている。
この構成例においては、架台10の第1面12a側が膨張し、第2面12b側が収縮するので、第1直線部13の回動によって、軸受6は図中矢印に示すように第1直線部13に直交する方向(鉛直方向)の変位成分を含む。そのため、静止部2と回転部3(図1及び図3参照)との間の鉛直方向(例えばラジアル方向)におけるクリアランスCの調節に適している。
図6に示す構成例では、架台10は、鉛直方向に延在した第1直線部13及び水平方向に延在した第2直線部14を有するT字架台である。第1直線部13と第2直線部14とは、互いに直交するように、第1直線部13の中央部と第2直線部14の端部とが連結されている。第1直線部13のうち上方に位置する側の端部には、回転機械1の軸受6が載置されている。軸受6は、回転部3(図1及び図3参照)のスラスト方向(水平方向)における変位が許容されるスラスト軸受である。また、第2直線部14の温調領域12における上面の第1面12a側には、温度差調節部22の加熱部(不図示)が設けられ、下面の第2面12b側には温度差調節部22の冷却部(不図示)が設けられている。
この構成例においては、架台10の第1面12a側が膨張し、第2面12b側が収縮するので、第1直線部13の回動によって、軸受6は図中矢印に示すように第1直線部13に直交する方向(水平方向)の変位成分を含む。そのため、静止部2と回転部3(図1及び図3参照)との間の水平方向(例えばスラスト方向)におけるクリアランスCの調節に適している。
図7に示す構成例では、架台10は、水平方向に延在した第1直線部13及び鉛直方向に延在した第2直線部14を有するT字架台である。第1直線部13と第2直線部14とは、互いに直交するように、第1直線部13の中央部と第2直線部14の端部とが連結されている。第1直線部13の一方の端部には、回転機械1の軸受6が載置されている。軸受6は、回転部3(図1及び図3参照)のラジアル方向(水平方向)における変位が許容されるジャーナル軸受である。また、第2直線部14の温調領域12における一方の側面の第1面12a側には、温度差調節部22の加熱部(不図示)が設けられ、他方の側面の第2面12b側には温度差調節部22の冷却部(不図示)が設けられている。
この構成例においては、架台10の第1面12a側が膨張し、第2面12b側が収縮するので、第1直線部13の回動によって、軸受6は図中矢印に示すように第1直線部13に直交する方向(鉛直方向)の変位成分を含む。そのため、静止部2と回転部3(図1及び図3参照)との間の鉛直方向(例えばラジアル方向)におけるクリアランスCの調節に適している。
図8に示す構成例では、架台10は、鉛直方向に延在した第1直線部13及び鉛直方向に延在した第2直線部14を有するI字架台である。第1直線部13と第2直線部14とは、同一方向に延在するように連結されている。第1直線部13の端部には、回転機械1の軸受6が載置されている。軸受6は、回転部3(図1及び図3参照)のスラスト方向(水平方向)における変位が許容されるスラスト軸受である。また、第2直線部14の温調領域12における一方の側面の第1面12a側には、温度差調節部22の加熱部(不図示)が設けられ、他方の側面の第2面12b側には温度差調節部22の冷却部(不図示)が設けられている。
この構成例においては、架台10の第1面12a側が膨張し、第2面12b側が収縮するので、第1直線部13の回動によって、軸受6は図中矢印に示すように第1直線部13に直交する方向(水平方向)の変位成分を含む。そのため、静止部2と回転部3(図1及び図3参照)との間の水平方向(例えばスラスト方向)におけるクリアランスCの調節に適している。
図9に示す構成例では、架台10は、水平方向に延在した第1直線部13及び水平方向に延在した第2直線部14を有するI字架台である。第1直線部13と第2直線部14とは、同一方向に延在するように連結されている。第1直線部13の端部には、回転機械1の軸受6が載置されている。軸受6は、回転部3(図1及び図3参照)のラジアル方向(水平方向)における変位が許容されるジャーナル軸受である。また、第2直線部14の温調領域12における一方の側面の第1面12a側には、温度差調節部22の加熱部(不図示)が設けられ、他方の側面の第2面12b側には温度差調節部22の冷却部(不図示)が設けられている。
この構成例においては、架台10の第1面12a側が膨張し、第2面12b側が収縮するので、第1直線部13の回動によって、軸受6は図中矢印に示すように第1直線部13に直交する方向(鉛直方向)の変位成分を含む。そのため、静止部2と回転部3(図1及び図3参照)との間の鉛直方向(例えばラジアル方向)におけるクリアランスCの調節に適している。
上述した図4〜図9に示す構成例によれば、回転機械1(図1及び図3参照)が納入されるプラントのレイアウトに応じて、架台10の形状を選択するようにすれば、上述したクリアランス制御装置20(図1及び図3参照)を幅広いプラントに適用可能となる。
この構成によれば、蒸気タービン60の回転部3と静止部2との間のクリアランスの大きさを示す信号の検出結果に基づいて温度差調節部22を制御することで、架台10の変形を利用して、蒸気タービン60のクリアランスを調節することができる。
なお、上記した蒸気タービン60及びガスタービン50が一軸上に配列された一軸型コンバインドサイクル発電装置では、ガスタービン50の車室と軸受6が同じ位置で固定されている場合、架台10を変形させると、軸受6とガスタービン50の静止部2とが同時に動くことになる。この場合、ガスタービン50側の伸び差には影響を及ぼさずに、主として蒸気タービン60の伸び差のみを改善することができる。
一実施形態において、回転機械1のクリアランス制御方法は、信号検出ステップと、温度差調節ステップと、を備える。
温度差調節ステップでは、回転機械1の軸受6が載置される軸受設置領域11、および、該軸受設置領域11から離れて位置する温調領域12を含む架台10のうち温調領域12の両面(第1面12a,第2面12b)側における温度差を調節する。また、温度差調節ステップでは、少なくとも信号検出ステップによって検出された信号に基づいてクリアランスCの大きさが調節されるよう温度差を調節する。
すなわち、クリアランス制御装置20は、上述のとおり、架台10の温調領域12の両面側における温度差を調節するための温度差調節部22を設け、クリアランスCの大きさを示す信号の検出結果に基づいて温度差調節部22を制御するようになっている。このため、上記回転機械1は、温調領域12の両面側における温度差に起因した架台10の大きな変形力を利用することで、簡素な装置構成でクリアランスCを調節することができる。
例えば、各実施形態において、加熱部と冷却部は位置を入れ替えてもよい。また、加熱部又は冷却部の一方のみを設ける構成としてもよい。
また、図1及び図3に示す実施形態では、軸方向におけるクリアランスCを調整する場合について例示したが、径方向におけるクリアランスを調整するようにしてもよい。この場合、径方向において回転部3と対向する静止部2に信号検出部21を設けて、信号検出部21にて静止部2と回転部3との径方向距離を検出する。
例えば、「同一」、「等しい」及び「均質」等の物事が等しい状態であることを表す表現は、厳密に等しい状態を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の差が存在している状態も表すものとする。
例えば、四角形状や円筒形状等の形状を表す表現は、幾何学的に厳密な意味での四角形状や円筒形状等の形状を表すのみならず、同じ効果が得られる範囲で、凹凸部や面取り部等を含む形状も表すものとする。
一方、一の構成要素を「備える」、「含む」、又は、「有する」という表現は、他の構成要素の存在を除外する排他的な表現ではない。
2 静止部
3 回転部
4 ロータ
5 回転体
6 軸受
10 架台
10a 第1面
10b 第2面
11 軸受設置領域
12 温調領域
12a 第1面
12b 第2面
13 第1直線部
14 第2直線部
20 クリアランス制御装置
21 信号検出部
22 温度差調節部
23 ヒータ
24 高温媒体流路部
25 第1流量調節部
26 低温媒体流路部
27 第2流量調節部
28 温度センサ
28a 第1温度センサ
28b 第2温度センサ
40 制御部
42 断熱材
50 ガスタービン
51 圧縮機
52 燃焼器
53 タービン
55 吸気ダクト
60 蒸気タービン
61 高中圧室
62 低圧室
63 排気室
Claims (15)
- 回転機械の静止部と回転部との間のクリアランスの大きさを示す信号を検出するための信号検出部と、
前記回転機械の軸受が載置される軸受設置領域、および、該軸受設置領域から離れて位置する温調領域を含む架台のうち前記温調領域の両面側における温度差を調節するための温度差調節部と、
少なくとも前記信号検出部によって検出された前記信号に基づいて前記クリアランスの大きさが調節されるよう前記温度差調節部を制御するように構成された制御部と、を備えることを特徴とする回転機械のクリアランス制御装置。 - 前記架台は、
前記軸受設置領域を形成する第1直線部と、
前記温調領域を形成する第2直線部と、
を含み、
前記架台は、前記温度差に基づく前記第2直線部の曲げ変形に起因した前記第1直線部の回動角と、前記第1直線部の長さとに応じて定まる距離だけ前記軸受が動くように構成されたことを特徴とする請求項1に記載の回転機械のクリアランス制御装置。 - 前記第1直線部と前記第2直線部とが直交するように設けられたことを特徴とする請求項2に記載の回転機械のクリアランス制御装置。
- 前記第1直線部と前記第2直線部とが同一方向に延在するとともに、
前記第1直線部は自由端を有し、且つ、前記第2直線部は固定端を有することを特徴とする請求項2に記載の回転機械のクリアランス制御装置。 - 前記温度差調節部は、前記架台の前記温調領域の一方の面側に設けられた加熱部又は冷却部を含み、
前記制御部は、少なくとも前記信号に基づいて前記加熱部又は前記冷却部を制御するように構成されたことを特徴とする請求項1乃至4の何れか一項に記載の回転機械のクリアランス制御装置。 - 前記温度差調節部は、前記加熱部としてのヒータを含み、
前記制御部は、少なくとも前記信号に基づいて前記ヒータの出力を制御するように構成されたことを特徴とする請求項5に記載の回転機械のクリアランス制御装置。 - 前記加熱部は、
前記架台の前記温調領域の前記一方の面側に設けられた高温媒体流路部と、
前記高温媒体流路部における高温媒体の流量を調節するための第1流量調節部と、
を含み、
前記制御部は、少なくとも前記信号に基づいて前記第1流量調節部を制御するように構成されたことを特徴とする請求項5に記載の回転機械のクリアランス制御装置。 - 前記冷却部は、
前記架台の前記温調領域の前記一方の面側に設けられた低温媒体流路部と、
前記低温媒体流路部における低温媒体の流量を調節するための第2流量調節部と、
を含み、
前記制御部は、少なくとも前記信号に基づいて前記第2流量調節部を制御するように構成されたことを特徴とする請求項5乃至7の何れか一項に記載の回転機械のクリアランス制御装置。 - 前記温調領域における前記架台の温度を検出するための温度センサをさらに備え、
前記制御部は、少なくとも前記信号および前記温度センサの検出結果に基づいて、前記温度差調節部を制御するように構成されたことを特徴とする請求項1乃至8の何れか一項に記載の回転機械のクリアランス制御装置。 - 前記温調領域における前記架台は、前記一方の面が断熱材によって覆われていることを特徴とする請求項1乃至9の何れか一項に記載の回転機械のクリアランス制御装置。
- 前記温度差調節部は、
前記架台の前記温調領域の第1面側に設けられた加熱部と、
前記架台の前記温調領域の第2面側に設けられた冷却部と、
を含み、
前記制御部は、少なくとも前記信号に基づいて前記加熱部および前記冷却部の両方を制御するように構成されたことを特徴とする請求項5乃至8の何れか一項に記載の回転機械のクリアランス制御装置。 - 前記回転機械は、ガスタービンを含み、
前記架台の前記温調領域は、前記ガスタービンの下方、且つ、前記ガスタービンの圧縮機に接続される吸気ダクトの上方において、前記軸受設置領域から遠ざかるように水平方向に沿って延在しており、
前記温度差調節部は、前記架台の前記温調領域の下面側に位置する加熱部、または、前記架台の前記温調領域の上面側に位置する冷却部の少なくとも一方を含み、
前記制御部は、少なくとも前記信号に基づいて前記加熱部又は前記冷却部の少なくとも一方を制御するように構成されたことを特徴とする請求項1乃至11の何れか一項に記載の回転機械のクリアランス制御装置。 - 前記回転機械は、前記軸受を挟んで前記ガスタービン及び前記架台とは反対側に位置する蒸気タービンを含み、
前記蒸気タービン及び前記ガスタービンのそれぞれの回転軸は互いに連結されて前記軸受によって支持されており、
前記信号検出部は、前記蒸気タービンにおける前記クリアランスの大きさを示す前記信号を検出するように構成されたことを特徴とする請求項12に記載の回転機械のクリアランス制御装置。 - 静止部と、
前記静止部に対して対向して回転可能に設けられた回転部と、
請求項1乃至13の何れか一項に記載の回転機械のクリアランス制御装置と、
を備えることを特徴とする回転機械。 - 回転機械の静止部と回転部との間のクリアランスの大きさを示す信号を検出する信号検出ステップと、
前記回転機械の軸受が載置される軸受設置領域、および、該軸受設置領域から離れて位置する温調領域を含む架台のうち前記温調領域の両面側における温度差を調節する温度差調節ステップと、を備え、
前記温度差調節ステップでは、少なくとも前記信号検出ステップによって検出された前記信号に基づいて前記クリアランスの大きさが調節されるよう前記温度差を調節することを特徴とする回転機械のクリアランス制御方法。
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