JP6276210B2 - 回転機械並びに回転機械のクリアランス制御装置及び方法 - Google Patents

回転機械並びに回転機械のクリアランス制御装置及び方法 Download PDF

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Description

本開示は、回転機械並びに回転機械のクリアランス制御装置及び方法に関する。
回転機械では、回転機械の性能向上や破損防止の観点から、静止部と回転部との間のクリアランスを適切な範囲内に管理することが重要である。従来から、静止部とロータのクリアランスを調節するための様々な手法が提案されている。
例えば、特許文献1には、鉛直方向と横方向に軸受外輪の支持位置を逐次変更し、ロータのアライメントを修正するようにした蒸気タービンの軸受支持装置が開示されている。
特許文献2には、タービン軸と車室とのタービン軸に沿った方向の熱膨張差を検出し、この検出結果に基づいて、軸受台を移動させるようにした蒸気タービンの軸受装置が開示されている。
特許文献3には、タービンロータ及びタービンシェルを支持する台座部の軸受ブロック及びタービンシェルアーム支持体を同時に冷却又は加熱し、これによりタービンロータとタービンシェルの熱膨張特性の差違を低減するようにした回転機械が開示されている。
特許文献4には、タービンと車室との伸び差の検出結果に基づいて車室を移動させるようにした低圧タービンが開示されている。
特許文献5には、上半ケーシング及び下半ケーシングの温度検出結果に基づいて、上半ケーシングと軸受台との間に設けた高さ調節装置により上半ケーシングの高さを調節するようにした蒸気タービンが開示されている。
特許文献6には、蒸気タービンの運転状態に応じて車室を移動させて最適ロータ間隙を得るようにした蒸気タービンが開示されている。
特許文献7には、複数のタービンの内部車室に接続された複数のアームと、該アームの螺子穴に螺合するシャフトと、備えた車室位置調節機構が開示されている。この車室位置調節機構では、シャフトを回転させることでアーム及び内部車室を軸方向に移動させるようになっている。
特許文献8には、季節的要因に起因して生じる架台の温度分布変化を考慮して軸系アライメントを監視するようにした回転機械のアライメント監視装置が開示されている。
特許文献9には、高圧室の軸方向位置を調節するようにした単車室型蒸気タービンが開示されている。
特許文献10には、ピストン及びロッドを備えたアクチュエータを用いて内車室の軸方向位置を調節するようにした蒸気タービンが開示されている。
特許文献11には、車室とロータとの間の隙間検出結果に基づいてサーボモータを制御し、該サーボモータによって軸受台を移動させるようにした回転機械が開示されている。
特許第2619132号公報 特許第4175859号公報 特開2014−43857号公報 特開平4−132805号公報 特許第5159702号公報 特開昭60−11604号公報 特開2014−141922号公報 特開2004−19841号公報 特開2013−170468号公報 特許第5524411号公報 特開平5−133201号公報
しかしながら、静止部と回転部との間のクリアランス調節を目的として、回転機械の静止部又は回転部を機械的手段により移動させようとすれば、大掛かりなアクチュエータが必要になる。
この点、特許文献1〜11には、簡素な装置構成によって、静止部と回転部との間のクリアランスを調節可能とする具体的手法について記載されていない。
本発明の少なくとも幾つかの実施形態の目的は、簡素な装置構成によって、静止部と回転部との間のクリアランスを調節可能とする回転機械並びに回転機械のクリアランス制御装置及び方法を提供することである。
(1)本発明の少なくとも幾つかの実施形態に係る回転機械のクリアランス制御装置は、
回転機械の静止部と回転部との間のクリアランスの大きさを示す信号を検出するための信号検出部と、
前記回転機械の軸受が載置される軸受設置領域、および、該軸受設置領域から離れて位置する温調領域を含む架台のうち前記温調領域の両面側における温度差を調節するための温度差調節部と、
少なくとも前記信号検出部によって検出された前記信号に基づいて前記クリアランスの大きさが調節されるよう前記温度差調節部を制御するように構成された制御部と、を備える。
上記(1)の構成では、架台の温調領域の両面側における温度差を調節するための温度差調節部を設け、クリアランスの大きさを示す信号の検出結果に基づいて温度差調節部を制御するようになっている。このため、温調領域の両面側における温度差に起因した架台の大きな変形力を利用することで、大型の回転機械であっても、簡素な装置構成でクリアランスを調節することができる。
(2)幾つかの実施形態では、上記(1)の構成において、
前記架台は、
前記軸受設置領域を形成する第1直線部と、
前記温調領域を形成する第2直線部と、
を含み、
前記架台は、前記温度差に基づく前記第2直線部の曲げ変形に起因した前記第1直線部の回動角と、前記第1直線部の長さとに応じて定まる距離だけ前記軸受が動くように構成されている。
上記(2)の構成によれば、所謂アーム効果(レバー効果)によって、架台の第2直線部の曲げ変形に起因した第1直線部の大きな変位量を得ることができる。これにより、温調領域(第2直線部)の両面側の温度差が小さくても、軸受設置領域(第1直線部)の十分な変位量を実現することができる。
(3)幾つかの実施形態では、上記(2)の構成において、
前記第1直線部と前記第2直線部とが直交するように設けられる。
(4)幾つかの他の実施形態では、上記(2)の構成において、
前記第1直線部と前記第2直線部とが同一方向に延在するとともに、
前記第1直線部は自由端を有し、且つ、前記第2直線部は固定端を有する。
なお、回転機械が納入されるプラントのレイアウトに応じて、上記(3)又は(4)で述べた架台の形状のうち何れかを選択するようにすれば、上記(1)及び(2)で述べたクリアランス制御装置を幅広いプラントに適用可能となる。
(5)幾つかの実施形態では、上記(1)乃至(4)の何れかの構成において、
前記温度差調節部は、前記架台の前記温調領域の一方の面側に設けられた加熱部又は冷却部を含み、
前記制御部は、少なくとも前記信号に基づいて前記加熱部又は前記冷却部を制御するように構成される。
上記(5)の構成によれば、架台の温調領域の一方の面側に設けられた加熱部又は冷却部を制御することで、架台の温度分布に起因した曲げ変形を利用して、簡素な装置構成でクリアランスを調節することができる。
(6)一実施形態では、上記(5)の構成において、
前記温度差調節部は、前記加熱部としてのヒータを含み、
前記制御部は、少なくとも前記信号に基づいて前記ヒータの出力を制御するように構成される。
上記(6)の構成によれば、回転機械が納入された既設プラントに対して大幅変更を加えることなく、上記(1)〜(5)で述べたクリアランス制御装置の追加設置工事を行うことができる。
(7)他の実施形態では、上記(5)の構成において、
前記加熱部は、
前記架台の前記温調領域の前記一方の面側に設けられた高温媒体流路部と、
前記高温媒体流路部における高温媒体の流量を調節するための第1流量調節部と、
を含み、
前記制御部は、少なくとも前記信号に基づいて前記第1流量調節部を制御するように構成される。
回転機械が納入されるプラントによっては、利用可能な高温媒体(例えば蒸気や排ガス)が存在する。
この点、上記(7)の構成によれば、クリアランス調節を目的として架台の温調領域に温度分布を形成する際、プラント内に存在する高温媒体を有効活用することができる。
(8)幾つかの実施形態では、上記(5)乃至(7)の何れかの構成において、
前記冷却部は、
前記架台の前記温調領域の前記一方の面側に設けられた低温媒体流路部と、
前記低温媒体流路部における低温媒体の流量を調節するための第2流量調節部と、
を含み、
前記制御部は、少なくとも前記信号に基づいて前記第2流量調節部を制御するように構成される。
回転機械が納入されるプラントによっては、利用可能な低温媒体(例えば冷却水や外気)が存在する。
この点、上記(7)の構成によれば、クリアランス調節を目的として架台の温調領域に温度分布を形成する際、プラント内に存在する低温媒体を有効活用することができる。
(9)幾つかの実施形態では、上記(1)乃至(8)の何れかの構成において、
前記温調領域における前記架台の温度を検出するための温度センサをさらに備え、
前記制御部は、少なくとも前記信号および前記温度センサの検出結果に基づいて、前記温度差調節部を制御するように構成される。
上記(9)の構成によれば、クリアランスの大きさを示す信号の検出結果だけでなく、架台(温調領域)の温度の検出結果も考慮して温度差調節部を制御することで、クリアランスを適切に調節するために必要な架台の変形を精度良く実現できる。
(10)幾つかの実施形態では、上記(5)乃至(8)の何れかの構成において、
前記温調領域における前記架台は、前記一方の面が断熱材によって覆われている。
上記(10)の構成によれば、加熱部又は冷却部による温度調節の対象である架台の温調領域の一方の面を断熱材で覆うことで、前記一方の面における架台周囲からの入熱量又は架台周囲への放熱量を抑制することができる。よって、架台の温調領域の温度分布を形成するために加熱部又は冷却部で費やすエネルギーを低減することができる。
(11)幾つかの実施形態では、上記(1)乃至(10)の何れかの構成において、
前記温度差調節部は、
前記架台の前記温調領域の第1面側に設けられた加熱部と、
前記架台の前記温調領域の第2面側に設けられた冷却部と、
を含み、
前記制御部は、少なくとも前記信号に基づいて前記加熱部および前記冷却部の両方を制御するように構成される。
上記(11)の構成によれば、架台の温調領域の両方の面(第1面及び第2面)をそれぞれ加熱又は冷却することで、架台の温調領域の温度分布を効果的に形成し、架台の軸受設置領域の変位量を十分に確保できる。
(12)幾つかの実施形態では、上記(1)乃至(11)の何れかの構成において、
前記回転機械は、ガスタービンを含み、
前記架台の前記温調領域は、前記ガスタービンの下方、且つ、前記ガスタービンの圧縮機に接続される吸気ダクトの上方において、前記軸受設置領域から遠ざかるように水平方向に沿って延在しており、
前記温度差調節部は、前記架台の前記温調領域の下面側に位置する加熱部、または、前記架台の前記温調領域の上面側に位置する冷却部の少なくとも一方を含み、
前記制御部は、少なくとも前記信号に基づいて前記加熱部又は前記加熱部の少なくとも一方を制御するように構成される。
上記(12)の構成によれば、架台の温調領域の下面側に位置する加熱部、または、架台の温調領域の上面側に位置する冷却部の少なくとも一方を設け、これらをクリアランスの大きさを示す信号の検出結果に基づいて制御することで、架台の温調領域における温度分布を積極的に制御し、クリアランスを適切に調節することができる。
(13)一実施形態では、上記(12)の構成において、
前記回転機械は、前記軸受を挟んで前記ガスタービン及び前記架台とは反対側に位置する蒸気タービンを含み、
前記蒸気タービン及び前記ガスタービンのそれぞれの回転軸は互いに連結されて前記軸受によって支持されており、 前記信号検出部は、前記蒸気タービンにおける前記クリアランスの大きさを示す前記信号を検出するように構成される。
上記(13)の構成によれば、蒸気タービンの回転部と静止部との間のクリアランスの大きさを示す信号の検出結果に基づいて温度差調節部を制御することで、架台の変形を利用して、蒸気タービンのクリアランスを調節することができる。
なお、上記(13)で述べた蒸気タービン及びガスタービンが一軸上に配列された回転機械では、ガスタービン車室と軸受が同じ位置で固定されている場合、架台を変形させると、軸受とガスタービンの静止部とが同時に動くことになる。この場合、ガスタービン側の伸び差には影響を及ぼさずに、主として蒸気タービンの伸び差のみを改善することができる。
(14)本発明の少なくとも幾つかの実施形態に係る回転機械は、
静止部と、
前記静止部に対して対向して回転可能に設けられた回転部と、
上記(1)乃至(13)の何れかのクリアランス制御装置と、
を備える。
上記(1)乃至(13)のクリアランス制御装置は、上述のとおり、架台の温調領域の両面側における温度差を調節するための温度差調節部を設け、クリアランスの大きさを示す信号の検出結果に基づいて温度差調節部を制御するようになっている。このため、上記(14)の回転機械は、上記(1)乃至(13)のクリアランス制御装置を備えていることから、温調領域の両面側における温度差に起因した架台の大きな変形力を利用することで、簡素な装置構成でクリアランスを調節することができる。
(15)本発明の少なくとも幾つかの実施形態に係る回転機械のクリアランス制御方法は、
回転機械の静止部と回転部との間のクリアランスの大きさを示す信号を検出する信号検出ステップと、
前記回転機械の軸受が載置される軸受設置領域、および、該軸受設置領域から離れて位置する温調領域を含む架台のうち前記温調領域の両面側における温度差を調節する温度差調節ステップと、を備え、
前記温度差調節ステップでは、少なくとも前記信号検出ステップによって検出された前記信号に基づいて前記クリアランスの大きさが調節されるよう前記温度差を調節する。
上記(15)の方法では、クリアランスの大きさを示す信号の検出結果に基づいて、架台の温調領域の両面側における温度差を調節するようになっている。このため、温調領域の両面側における温度差に起因した架台の大きな変形力を利用することで、大型の回転機械であっても、簡素な手法によりクリアランスを調節することができる。
本発明の少なくとも一実施形態によれば、アーム効果(レバー効果)によって、架台の第2直線部の曲げ変形に起因した第1直線部の大きな変位量を得ることができる。これにより、温調領域(第2直線部)の両面側の温度差が小さくても、軸受設置領域(第1直線部)の十分な変位量を実現することができる。
一実施形態に係る回転機械および架台、並びにクリアランス制御装置を示す概略構成図である。 架台におけるアーム効果を説明するための図である。 他の実施形態に係る回転機械及び架台、並びにクリアランス制御装置を示す概略構成図である。 L字架台および温度差調整部の一構成例を示す図である。 L字架台および温度差調整部の他の構成例を示す図である。 T字架台および温度差調整部の一構成例を示す図である。 T字架台および温度差調整部の他の構成例を示す図である。 I字架台および温度差調整部の一構成例を示す図である。 I字架台および温度差調整部の他の構成例を示す図である。 一実施形態に係る一軸型コンバインドサイクル発電装置を示す構成図である。
以下、添付図面を参照して本発明の幾つかの実施形態について説明する。ただし、実施形態として記載されている又は図面に示されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は、本発明の範囲をこれに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。
最初に、図1及び図3を参照して、各実施形態において共通の構成について説明する。なお、図1は、一実施形態に係る回転機械1および架台10、並びにクリアランス制御装置20を示す概略構成図である。図3は、他の実施形態に係る回転機械1および架台10、並びにクリアランス制御装置20を示す概略構成図である。
図1及び図3に示すように、幾つかの実施形態に係る回転機械1は、静止部2と、回転部3と、回転部3の軸受6と、を備える。
例えば、静止部2はケーシングや不図示の静翼等を含む。回転部3は、軸線Oを中心として回転可能に構成されたロータ(回転軸)4と、ロータ4と一体的に回転するように構成された回転体(例えば動翼)5と、を含む。ロータ4は、ケーシングを貫通するように設けられており、回転体5はケーシング内に収容されている。軸受6は、回転部3のロータ4を回転可能に支持している。なお、図1では一例として、軸受6がスラスト軸受である場合を示している。
回転機械1の軸受6は、架台10に載置されている。
架台10は、回転機械1の軸受6が載置される軸受設置領域11と、この軸受設置領域11から離れて位置する温調領域12と、を含む。例えば、架台10は、コンクリートによって形成される。また、架台10は、後述する曲げ変形の影響の少ない部位において、静止部2を支持していてもよい。さらに、架台10は、何れかの部位において基部(例えば建屋)に固定されていてもよい。
なお、図1及び図3では一例として、ロータ4の軸線Oに沿った鉛直方向断面がL字形状をなすL字架台を示している。
一実施形態に係るクリアランス制御装置20は、信号検出部21と、温度差調節部22と、制御部40と、を備える。
信号検出部21は、静止部2と回転部3との間のクリアランスの大きさを示す信号を検出するように構成される。具体的には、信号検出部21は、静止部2に取り付けられ、静止部2と回転部3との軸方向又は径方向(図1及び図3では軸方向)におけるずれ量を検出するようになっている。
信号検出部21は、ロータ4の伸び差を検出する構成であってもよい。この場合、例えばポテンショメータ等を用いることができる。あるいは、信号検出部21は、静止部2側に取り付けられ、回転部3が信号検出部21に接触したとき又は近づいたときの振動を検出する構成であってもよい。この場合、例えば振動検知センサを用いることができる。あるいは、信号検出部21は、静止部2側に取り付けられ、回転部3が信号検出部21に接触したことを感知する構成であってもよい。この場合、例えば圧電効果や電気抵抗等を利用した接触感知センサを用いることができる。
温度差調節部22は、架台10のうち温調領域12の両面側における温度差を調節するように構成される。すなわち、温度差調節部22は、架台10の温調領域12の第1面12a又は第2面12bの少なくとも一方の側に設けられ、温調領域12の第1面12aと第2面12bとの温度差を調節するようになっている。また、温度差調節部22は、架台の温調領域12の第1面12a側又は第2面12b側に設けられた加熱部(例えば図1に示すヒータ23又は図3に示す高温媒体流路部24)、又は、冷却部(例えば図1及び図3に示す低温媒体流路部26)を含む。
制御部40は、少なくとも信号検出部21によって検出された信号に基づいて、静止部2と回転部3との間のクリアランスの大きさが調節されるように、温度差調節部22の加熱部又は冷却部を制御するように構成される。
上記構成によれば、架台10の温調領域12の両面(第1面12a及び第2面12b)側における温度差を調節するための温度差調節部22を設け、静止部2と回転部3との間のクリアランスの大きさを示す信号の検出結果に基づいて温度差調節部22を制御するようになっている。このため、温調領域12の両面側における温度差に起因した架台10の大きな変形力を利用することで、大型の回転機械1であっても、簡素な装置構成でクリアランスを調節することができる。また、架台10の温調領域12の一方の面(第1面12a又は第2面12b)側に設けられた加熱部又は冷却部を制御することで、架台10の温度分布に起因した曲げ変形を利用して、簡素な装置構成でクリアランスを調節することができる。
上記構成において、図1、図3、及び図4〜図9に示すように、架台10は、軸受設置領域11を形成する第1直線部13と、温調領域12を形成する第2直線部14と、を含んでいてもよい。なお、図4乃至図9は、架台10および温度差調節部22の各構成例を示す図である。
この場合、架台10は、温度差に基づく第2直線部14の曲げ変形に起因した第1直線部13の回動角と、第1直線部の長さとに応じて定まる距離だけ軸受が動くように構成される。
ここで、図2を参照して、架台10の曲げ変形について説明する。なお、図2は、架台10におけるアーム効果を説明するための図である。図2(a)は変形前の架台10を示しており、図2(b)は変形前の架台10を点線で示し、変形後の架台10を実線で示している。また、図2(b)では、軸受6を省略している。
同図では例示的に図1及び図4に示すL字架台を用いているが、図5に示すL字架台、図6及び図7に示すT字架台、図8及び図9に示すI字架台においても同様の効果が得られる。
図2(a)に示すように、温度差調節部22による温度調節を行っていないとき、第1直線部13及び第2直線部14は、直線状に延在した形状をなしている。図2(b)に示すように、温度差調節部22による温度調節を行ったとき、第1面12aと第2面12bとの温度差によって、架台10の第2直線部14が曲げ変形する。図2(b)に示す例では、架台10の第1面12a側が冷却部によって低温化し、第2面12b側が加熱部によって高温化する。これにより、架台10は、第1面12a側が収縮し、第2面12b側が膨張する。この熱膨張差によって、第2直線部14は第2面12b側に突出するように湾曲する。そのため、第2直線部14に連結された第1直線部13は図中矢印A方向に回動する。この回動による回動角をαとする。このとき、第1直線部13の端部、すなわち軸受6が載置される部位は、第1直線部13の回動角αと、第1直線部13の長さとに応じて定まる距離Lだけ動く。すなわち、回動角αが大きい程、距離Lは大きくなり、また第1直線部13の長さが長い程、距離Lは大きくなる。
この距離Lが回転部3の移動距離となるので、制御部40は、静止部2と回転部3のクリアランス調節において回転部3が適切な位置まで移動するように、温度差調節部22を制御する。
したがって、上記構成によれば、所謂アーム効果(レバー効果)によって、架台10の第2直線部14の曲げ変形に起因した第1直線部13の大きな変位量を得ることができる。
次に、各実施形態の具体的な構成について詳細に説明する。
図1に示すように、一実施形態において、架台10は、鉛直方向に延在した第1直線部13及び水平方向に延在した第2直線部14を有するL字架台である。第1直線部13のうち第2直線部14との連結部とは反対側の端部には、回転機械1の軸受6が載置されている。第2直線部14の上方には静止部2が配置されている。第2直線部14の温調領域12における下面の第2面12b側には、温度差調節部22の加熱部としてのヒータ23が設けられている。ヒータ23は、例えば電気やガス等のエネルギーを用いて発熱し、対象を加熱するように構成される。
静止部2には、回転部3との間のクリアランスCを検出するための信号検出部21が取り付けられている。
制御部40は、少なくとも信号検出部21で検出された信号が入力され、この信号に基づいてヒータ23の出力を制御するように構成される。
この構成によれば、回転機械1が納入された既設プラントに対して大幅変更を加えることなく、クリアランス制御装置20の追加設置工事を行うことができる。
また、第2直線部14の温調領域12における上面の第1面12a側には、冷却部としての低温媒体流路部26が設けられていてもよい。低温媒体流路部26は、ダクト又はパイプ内を低温媒体が流れることによって、第1面12aを冷却するように構成される。例えば低温媒体としては、外気や水を用いることができる。
この場合、制御部40は、少なくとも信号検出部21で検出された信号に基づいて、ヒータ23の出力および低温媒体流路部26における低温媒体の流量の両方を制御するように構成される。このように、架台10の温調領域12の両方の面(第1面12a及び第2面12b)をそれぞれ加熱又は冷却することで、架台10の温調領域12の温度分布を効果的に形成し、架台10の軸受設置領域11の変位量を十分に確保できる。
また、回転機械1が納入されるプラントによっては、利用可能な低温媒体(例えば冷却水や外気)が存在する。この点、冷却部として低温媒体流路部26を採用すれば、クリアランス調節を目的として架台10の温調領域12に温度分布を形成する際、プラント内に存在する低温媒体を有効活用することができる。
一実施形態では、温調領域12における架台10の温度を検出するための温度センサ28をさらに備えている。温度センサ28は、冷却部側の第1面12aに設けられた第1温度センサ28aと、加熱部側の第2面12bに設けられた第2温度センサ28bと、を含んでいてもよい。
この場合、制御部40は、少なくとも信号検出部21で検出された信号および温度センサ28(28a,28b)の検出結果に基づいて、温度差調節部22を制御するように構成される。
この構成によれば、静止部2と回転部3との間のクリアランスCの大きさを示す信号の検出結果だけでなく、架台(温調領域12)10の温度の検出結果も考慮して温度差調節部22を制御することで、クリアランスCを適切に調節するために必要な架台10の変形を精度良く実現できる。
温調領域12における架台10は、少なくとも一方の面が断熱材42によって覆われている。図示される例では、断熱材42は、ヒータ23と共に第2面12bを覆うように設けられている。
この構成によれば、ヒータ23又は低温媒体流路部26による温度調節の対象である架台10の温調領域12の少なくとも一方の面を断熱材42で覆うことで、少なくとも一方の面における架台周囲からの入熱量又は架台周囲への放熱量を抑制することができる。よって、架台10の温調領域12の温度分布を形成するために加熱部又は冷却部で費やすエネルギー(例えば高温媒体の熱源エネルギー又は低温媒体を流すためのエネルギー)を低減することができる。
図3に示すように、他の実施形態において、架台10は、鉛直方向に延在した第1直線部13及び水平方向に延在した第2直線部14を有するL字架台である。第1直線部13の端部には、回転機械1の軸受6が載置されている。第2直線部14の上方には静止部2が配置されている。第2直線部14の温調領域12における下面の第2面12b側には、温度差調節部22の加熱部としての高温媒体流路部24が設けられている。高温媒体流路部24は、ダクト又はパイプ内を高温媒体が流れることによって、第2面12bを加熱するように構成される。例えば高温媒体としては、蒸気や排ガス等が用いられる。高温媒体流路部24には、高温媒体の流量を調節するための第1流量調節部25が設けられている。
静止部2には、回転部3との間のクリアランスCを検出するための信号検出部21が取り付けられている。
制御部40は、少なくとも信号検出部21で検出された信号が入力され、この信号に基づいて、高温媒体流路部24における高温媒体の流量を調節するために、第1流量調節部25を制御するようになっている。
また、第2直線部14の温調領域12における上面の第1面12a側には、冷却部としての低温媒体流路部26が設けられていてもよい。低温媒体流路部26は、ダクト又はパイプ内を低温媒体が流れることによって、第1面12aを冷却するように構成される。例えば低温媒体としては、外気や水を用いることができる。低温媒体流路部26には、低温媒体の流量を調節するための第2流量調節部27が設けられている。
この場合、制御部40は、少なくとも信号検出部21で検出された信号に基づいて、第1流量調節部25および第2流量調節部27の両方を制御するように構成される。このように、架台10の温調領域12の両方の面(第1面12a及び第2面12b)をそれぞれ加熱又は冷却することで、架台10の温調領域12の温度分布を効果的に形成し、架台10の軸受設置領域11の変位量を十分に確保できる。
また、回転機械1が納入されるプラントによっては、利用可能な高温媒体(例えば蒸気や排ガス)や低温媒体(例えば冷却水や外気)が存在する。この点、加熱部として高温媒体流路部24を採用すれば、クリアランス調節を目的として架台10の温調領域12に温度分布を形成する際、プラント内に存在する高温媒体(廃熱)を有効利用することができる。同様に、冷却部として低温媒体流路部26を採用すれば、プラント内に存在する低温媒体を有効活用することができる。
一実施形態では、温調領域12における架台10の温度を検出するための温度センサ28をさらに備えている。温度センサ28は、冷却部側の第1面12aに設けられた第1温度センサ28aと、加熱部側の第2面12bに設けられた第2温度センサ28bと、を含んでいてもよい。
この場合、制御部40は、少なくとも信号検出部21で検出された信号および温度センサ28(28a,28b)の検出結果に基づいて、温度差調節部22を制御するように構成される。
この構成によれば、静止部2と回転部3との間のクリアランスCの大きさを示す信号の検出結果だけでなく、架台(温調領域12)10の温度の検出結果も考慮して温度差調節部22を制御することで、クリアランスCを適切に調節するために必要な架台10の変形を精度良く実現できる。
温調領域12における架台10は、少なくとも一方の面が断熱材42によって覆われている。図示される例では、断熱材42は、高温媒体流路部24と共に第2面12bを覆うように設けられているとともに、低温媒体流路部26と共に第1面12aを覆うように設けられている。
この構成によれば、高温媒体流路部24又は低温媒体流路部26による温度調節の対象である架台10の温調領域12の少なくとも一方の面を断熱材42で覆うことで、少なくとも一方の面における架台周囲からの入熱量又は架台周囲への放熱量を抑制することができる。よって、架台10の温調領域12の温度分布を形成するために加熱部又は冷却部で費やすエネルギー(例えば高温媒体や低温媒体を流すためのエネルギー)を低減することができる。
また、クリアランス制御装置20は、高温媒体流路部24における高温媒体の温度を検出するための第1温度センサ28aと、低温媒体流路部26における低温媒体の温度を検出するための第2温度センサ28bと、をさらに備えていてもよい。
この場合、制御部40には、信号検出部21で検出された信号と、温度センサ28(28a,28b)で検出された架台10の温度と、第1温度センサ28aで検出された高温媒体の温度と、第2温度センサ28bで検出された低温媒体の温度と、が入力される。そして、制御部40は、これらの入力信号に基づいて、クリアランスCを適切に調節するために、第1流量調節部25及び第2流量調節部27を制御する。
なお、図1乃至図3に示す実施形態では、上面の第1面12a側に冷却部を設け、下面の第2面12b側に加熱部を設けた構成について例示したが、上面の第1面12a側に加熱部を設け、下面の第2面12b側に冷却部を設けた構成としてもよい。
次に、図4〜図9を参照して、各架台タイプごとの構成例について説明する。なお、図4〜図9において、(a)は変形前の架台10を示す図であり、(b)は変形後の架台10を示す図である。
図4は、L字架台10および温度差調節部22の一構成例を示す図である。
図4に示す構成例では、架台10は、鉛直方向に延在した第1直線部13及び水平方向に延在した第2直線部14を有するL字架台である。第1直線部13と第2直線部14とは互いに直交するように端部同士が連結されている。第1直線部13の端部には、回転機械1の軸受6が載置されている。軸受6は、回転部3(図1及び図3参照)のスラスト方向(水平方向)における変位が許容されるスラスト軸受である。また、第2直線部14の温調領域12における上面の第1面12a側には、温度差調節部22の加熱部(不図示)が設けられ、下面の第2面12b側には温度差調節部22の冷却部(不図示)が設けられている。
この構成例においては、架台10の第1面12a側が膨張し、第2面12b側が収縮するので、第1直線部13の回動によって、軸受6は図中矢印に示すように第1直線部13に直交する方向(水平方向)の変位成分を含む。そのため、静止部2と回転部3(図1及び図3参照)との間の水平方向(例えばスラスト方向)におけるクリアランスCの調節に適している。
図5は、L字架台10および温度差調節部22の他の構成例を示す図である。
図5に示す構成例では、架台10は、水平方向に延在した第1直線部13及び鉛直方向に延在した第2直線部14を有するL字架台である。第1直線部13と第2直線部14とは互いに直交するように端部同士が連結されている。第1直線部13の端部には、回転機械1の軸受6が載置されている。軸受6は、回転部3(図1及び図3参照)のラジアル方向(水平方向)における変位が許容されるジャーナル軸受である。また、第2直線部14の温調領域12における一方の側面の第1面12a側には、温度差調節部22の加熱部(不図示)が設けられ、他方の側面の第2面12b側には温度差調節部22の冷却部(不図示)が設けられている。
この構成例においては、架台10の第1面12a側が膨張し、第2面12b側が収縮するので、第1直線部13の回動によって、軸受6は図中矢印に示すように第1直線部13に直交する方向(鉛直方向)の変位成分を含む。そのため、静止部2と回転部3(図1及び図3参照)との間の鉛直方向(例えばラジアル方向)におけるクリアランスCの調節に適している。
図6は、T字架台10および温度差調節部22の一構成例を示す図である。
図6に示す構成例では、架台10は、鉛直方向に延在した第1直線部13及び水平方向に延在した第2直線部14を有するT字架台である。第1直線部13と第2直線部14とは、互いに直交するように、第1直線部13の中央部と第2直線部14の端部とが連結されている。第1直線部13のうち上方に位置する側の端部には、回転機械1の軸受6が載置されている。軸受6は、回転部3(図1及び図3参照)のスラスト方向(水平方向)における変位が許容されるスラスト軸受である。また、第2直線部14の温調領域12における上面の第1面12a側には、温度差調節部22の加熱部(不図示)が設けられ、下面の第2面12b側には温度差調節部22の冷却部(不図示)が設けられている。
この構成例においては、架台10の第1面12a側が膨張し、第2面12b側が収縮するので、第1直線部13の回動によって、軸受6は図中矢印に示すように第1直線部13に直交する方向(水平方向)の変位成分を含む。そのため、静止部2と回転部3(図1及び図3参照)との間の水平方向(例えばスラスト方向)におけるクリアランスCの調節に適している。
図7は、T字架台10および温度差調節部22の他の構成例を示す図である。
図7に示す構成例では、架台10は、水平方向に延在した第1直線部13及び鉛直方向に延在した第2直線部14を有するT字架台である。第1直線部13と第2直線部14とは、互いに直交するように、第1直線部13の中央部と第2直線部14の端部とが連結されている。第1直線部13の一方の端部には、回転機械1の軸受6が載置されている。軸受6は、回転部3(図1及び図3参照)のラジアル方向(水平方向)における変位が許容されるジャーナル軸受である。また、第2直線部14の温調領域12における一方の側面の第1面12a側には、温度差調節部22の加熱部(不図示)が設けられ、他方の側面の第2面12b側には温度差調節部22の冷却部(不図示)が設けられている。
この構成例においては、架台10の第1面12a側が膨張し、第2面12b側が収縮するので、第1直線部13の回動によって、軸受6は図中矢印に示すように第1直線部13に直交する方向(鉛直方向)の変位成分を含む。そのため、静止部2と回転部3(図1及び図3参照)との間の鉛直方向(例えばラジアル方向)におけるクリアランスCの調節に適している。
図8は、I字架台10および温度差調節部22の一構成例を示す図である。
図8に示す構成例では、架台10は、鉛直方向に延在した第1直線部13及び鉛直方向に延在した第2直線部14を有するI字架台である。第1直線部13と第2直線部14とは、同一方向に延在するように連結されている。第1直線部13の端部には、回転機械1の軸受6が載置されている。軸受6は、回転部3(図1及び図3参照)のスラスト方向(水平方向)における変位が許容されるスラスト軸受である。また、第2直線部14の温調領域12における一方の側面の第1面12a側には、温度差調節部22の加熱部(不図示)が設けられ、他方の側面の第2面12b側には温度差調節部22の冷却部(不図示)が設けられている。
この構成例においては、架台10の第1面12a側が膨張し、第2面12b側が収縮するので、第1直線部13の回動によって、軸受6は図中矢印に示すように第1直線部13に直交する方向(水平方向)の変位成分を含む。そのため、静止部2と回転部3(図1及び図3参照)との間の水平方向(例えばスラスト方向)におけるクリアランスCの調節に適している。
図9は、I字架台10および温度差調節部22の他の構成例を示す図である。
図9に示す構成例では、架台10は、水平方向に延在した第1直線部13及び水平方向に延在した第2直線部14を有するI字架台である。第1直線部13と第2直線部14とは、同一方向に延在するように連結されている。第1直線部13の端部には、回転機械1の軸受6が載置されている。軸受6は、回転部3(図1及び図3参照)のラジアル方向(水平方向)における変位が許容されるジャーナル軸受である。また、第2直線部14の温調領域12における一方の側面の第1面12a側には、温度差調節部22の加熱部(不図示)が設けられ、他方の側面の第2面12b側には温度差調節部22の冷却部(不図示)が設けられている。
この構成例においては、架台10の第1面12a側が膨張し、第2面12b側が収縮するので、第1直線部13の回動によって、軸受6は図中矢印に示すように第1直線部13に直交する方向(鉛直方向)の変位成分を含む。そのため、静止部2と回転部3(図1及び図3参照)との間の鉛直方向(例えばラジアル方向)におけるクリアランスCの調節に適している。
また、上述した図4〜図9に示す構成例において、第1直線部13は自由端を有し、且つ、第2直線部14は固定端を有してもよい。
上述した図4〜図9に示す構成例によれば、回転機械1(図1及び図3参照)が納入されるプラントのレイアウトに応じて、架台10の形状を選択するようにすれば、上述したクリアランス制御装置20(図1及び図3参照)を幅広いプラントに適用可能となる。
続いて、図10を参照して、上述した実施形態を回転機械1としての一軸型コンバインドサイクル発電装置に、適用した場合について説明する。なお、図10は、一実施形態に係る一軸型コンバインドサイクル発電装置を示す構成図である。
一実施形態において、回転機械(一軸型コンバインドサイクル発電装置)1は、ガスタービン50を備えている。ガスタービン50は、吸気ダクト55、圧縮機51、燃焼器52、タービン53、排気室54を含む。圧縮機51及びタービン53の動翼は、ロータ4周りに複数設けられている。ロータ4は、吸気ダクト55側に設けられたスラスト軸受6及びジャーナル軸受(不図示)と、排気室54側に設けられたジャーナル軸受57とによって、回転自在に支持されている。このガスタービン50において、静止部2は、排気室54、圧縮機51のケーシング、タービン53の車室、排気室54、圧縮機51及びタービン53の静翼を含む。一方、回転部3は、ロータ4、圧縮機51及びタービン53の動翼を含む。
架台10の温調領域12は、ガスタービン50の下方、且つ、ガスタービン50の圧縮機51に接続される吸気ダクト55の上方において、軸受設置領域11から遠ざかるように水平方向に沿って延在している。温度差調節部22は、架台10の温調領域12の下面側に位置する加熱部、または、架台10の温調領域12の上面側に位置する冷却部の少なくとも一方を含む。制御部40は、少なくとも信号検出部21で検出された信号に基づいて加熱部又は冷却部の少なくとも一方を制御するように構成される。
上記構成によれば、架台10の温調領域12の下面側に位置する加熱部、または、架台10の温調領域12の上面側に位置する冷却部の少なくとも一方を設け、これらをクリアランスの大きさを示す信号の検出結果に基づいて制御することで、架台10の温調領域12における温度分布を積極的に制御し、クリアランスを適切に調節することができる。
また、回転機械1は、軸受6を挟んでガスタービン50及び架台10とは反対側に位置する蒸気タービン60を含んでいる。この蒸気タービン60は、上記ガスタービン50と同軸上に配置される。すなわち、蒸気タービン60及びガスタービン50のそれぞれのロータ(回転軸)4は互いに連結されて軸受6によって支持されている。また、蒸気タービン60は、高中圧室61、低圧室62、排気室63を有している。低圧室62は、アンカー68により固定されている。一方、高中圧室61は、基礎69によって支持されている。なお、ロータ4の端部には発電機70が連結されている。
この場合、信号検出部21は、蒸気タービン60におけるクリアランスの大きさを示す信号を検出するように構成されてもよい。
この構成によれば、蒸気タービン60の回転部3と静止部2との間のクリアランスの大きさを示す信号の検出結果に基づいて温度差調節部22を制御することで、架台10の変形を利用して、蒸気タービン60のクリアランスを調節することができる。
なお、上記した蒸気タービン60及びガスタービン50が一軸上に配列された一軸型コンバインドサイクル発電装置では、ガスタービン50の車室と軸受6が同じ位置で固定されている場合、架台10を変形させると、軸受6とガスタービン50の静止部2とが同時に動くことになる。この場合、ガスタービン50側の伸び差には影響を及ぼさずに、主として蒸気タービン60の伸び差のみを改善することができる。
ここで、図1及び図3を参照して、回転機械1のクリアランス制御方法について説明する。
一実施形態において、回転機械1のクリアランス制御方法は、信号検出ステップと、温度差調節ステップと、を備える。
信号検出ステップでは、回転機械1の静止部2と回転部3との間のクリアランスCの大きさを示す信号を検出する。
温度差調節ステップでは、回転機械1の軸受6が載置される軸受設置領域11、および、該軸受設置領域11から離れて位置する温調領域12を含む架台10のうち温調領域12の両面(第1面12a,第2面12b)側における温度差を調節する。また、温度差調節ステップでは、少なくとも信号検出ステップによって検出された信号に基づいてクリアランスCの大きさが調節されるよう温度差を調節する。
この方法では、クリアランスCの大きさを示す信号の検出結果に基づいて、架台10の温調領域12の両面(第1面12a,第2面12b)側における温度差を調節するようになっている。このため、温調領域12の両面側における温度差に起因した架台10の大きな変形力を利用することで、大型の回転機械1であっても、簡素な手法によりクリアランスCを調節することができる。
上述したように、本発明の実施形態によれば、所謂アーム効果(レバー効果)によって、架台の第2直線部の曲げ変形に起因した第1直線部の大きな変位量を得ることができる。これにより、温調領域(第2直線部)の両面側の温度差が小さくても、軸受設置領域(第1直線部)の十分な変位量を実現することができる。
また、図1及び図3に示すように、回転機械1が、静止部2と、静止部2に対して対向して回転可能に設けられた回転部3と、上述した実施形態に記載されるクリアランス制御装置20と、を備える構成とすることによって、次の効果が得られる。
すなわち、クリアランス制御装置20は、上述のとおり、架台10の温調領域12の両面側における温度差を調節するための温度差調節部22を設け、クリアランスCの大きさを示す信号の検出結果に基づいて温度差調節部22を制御するようになっている。このため、上記回転機械1は、温調領域12の両面側における温度差に起因した架台10の大きな変形力を利用することで、簡素な装置構成でクリアランスCを調節することができる。
本発明は上述した実施形態に限定されることはなく、上述した実施形態に変形を加えた形態や、これらの形態を適宜組み合わせた形態も含む。
例えば、各実施形態において、加熱部と冷却部は位置を入れ替えてもよい。また、加熱部又は冷却部の一方のみを設ける構成としてもよい。
また、図1及び図3に示す実施形態では、軸方向におけるクリアランスCを調整する場合について例示したが、径方向におけるクリアランスを調整するようにしてもよい。この場合、径方向において回転部3と対向する静止部2に信号検出部21を設けて、信号検出部21にて静止部2と回転部3との径方向距離を検出する。
例えば、「ある方向に」、「ある方向に沿って」、「平行」、「直交」、「中心」、「同心」或いは「同軸」等の相対的或いは絶対的な配置を表す表現は、厳密にそのような配置を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の角度や距離をもって相対的に変位している状態も表すものとする。
例えば、「同一」、「等しい」及び「均質」等の物事が等しい状態であることを表す表現は、厳密に等しい状態を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の差が存在している状態も表すものとする。
例えば、四角形状や円筒形状等の形状を表す表現は、幾何学的に厳密な意味での四角形状や円筒形状等の形状を表すのみならず、同じ効果が得られる範囲で、凹凸部や面取り部等を含む形状も表すものとする。
一方、一の構成要素を「備える」、「含む」、又は、「有する」という表現は、他の構成要素の存在を除外する排他的な表現ではない。
1 回転機械
2 静止部
3 回転部
4 ロータ
5 回転体
6 軸受
10 架台
10a 第1面
10b 第2面
11 軸受設置領域
12 温調領域
12a 第1面
12b 第2面
13 第1直線部
14 第2直線部
20 クリアランス制御装置
21 信号検出部
22 温度差調節部
23 ヒータ
24 高温媒体流路部
25 第1流量調節部
26 低温媒体流路部
27 第2流量調節部
28 温度センサ
28a 第1温度センサ
28b 第2温度センサ
40 制御部
42 断熱材
50 ガスタービン
51 圧縮機
52 燃焼器
53 タービン
55 吸気ダクト
60 蒸気タービン
61 高中圧室
62 低圧室
63 排気室

Claims (15)

  1. 回転機械の静止部と回転部との間のクリアランスの大きさを示す信号を検出するための信号検出部と、
    前記回転機械の軸受が載置される軸受設置領域を含む架台のうち、前記軸受設置領域から離れて位置する温調領域の両側の面間の温度差を調節するための温度差調節部と、
    少なくとも前記信号検出部によって検出された前記信号に基づいて前記クリアランスの大きさが調節されるよう前記温度差調節部を制御するように構成された制御部と、を備えることを特徴とする回転機械のクリアランス制御装置。
  2. 前記温度差調節部は、前記架台の前記温調領域の一方の面側に設けられた加熱部又は冷却部を含み、
    前記制御部は、少なくとも前記信号に基づいて前記加熱部又は前記冷却部を制御するように構成されたことを特徴とする請求項1に記載の回転機械のクリアランス制御装置。
  3. 前記温度差調節部は、前記加熱部としてのヒータを含み、
    前記制御部は、少なくとも前記信号に基づいて前記ヒータの出力を制御するように構成されたことを特徴とする請求項に記載の回転機械のクリアランス制御装置。
  4. 前記加熱部は、
    前記架台の前記温調領域の前記一方の面側に設けられた高温媒体流路部と、
    前記高温媒体流路部における高温媒体の流量を調節するための第1流量調節部と、
    を含み、
    前記制御部は、少なくとも前記信号に基づいて前記第1流量調節部を制御するように構成されたことを特徴とする請求項に記載の回転機械のクリアランス制御装置。
  5. 前記冷却部は、
    前記架台の前記温調領域の前記一方の面側に設けられた低温媒体流路部と、
    前記低温媒体流路部における低温媒体の流量を調節するための第2流量調節部と、
    を含み、
    前記制御部は、少なくとも前記信号に基づいて前記第2流量調節部を制御するように構成されたことを特徴とする請求項2乃至4の何れか一項に記載の回転機械のクリアランス制御装置。
  6. 前記温調領域における前記架台の温度を検出するための温度センサをさらに備え、
    前記制御部は、少なくとも前記信号および前記温度センサの検出結果に基づいて、前記温度差調節部を制御するように構成されたことを特徴とする請求項1乃至の何れか一項に記載の回転機械のクリアランス制御装置。
  7. 前記温度差調節部は、
    前記架台の前記温調領域の第1面側に設けられた加熱部と、
    前記架台の前記温調領域の第2面側に設けられた冷却部と、
    を含み、
    前記制御部は、少なくとも前記信号に基づいて前記加熱部および前記冷却部の両方を制御するように構成されたことを特徴とする請求項2乃至5の何れか一項に記載の回転機械のクリアランス制御装置。
  8. 静止部と、
    前記静止部に対して対向して回転可能に設けられた回転部と、
    請求項1乃至の何れか一項に記載の回転機械のクリアランス制御装置と、
    を備えることを特徴とする回転機械。
  9. 前記軸受設置領域を形成する第1直線部、および、前記温調領域を形成する第2直線部を含む前記架台を備え、
    前記架台は、前記温度差に基づく前記第2直線部の曲げ変形に起因した前記第1直線部の回動角と、前記第1直線部の長さとに応じて定まる距離だけ前記軸受が動くように構成されたことを特徴とする請求項8に記載の回転機械。
  10. 前記第1直線部と前記第2直線部とが直交するように設けられたことを特徴とする請求項9に記載の回転機械。
  11. 前記第1直線部と前記第2直線部とが同一方向に延在するとともに、
    前記第1直線部は自由端を有し、且つ、前記第2直線部は固定端を有することを特徴とする請求項9に記載の回転機械。
  12. 前記温度差調節部は、前記架台の前記温調領域の一方の面側に設けられた加熱部又は冷却部を含み、
    前記温調領域における前記架台は、前記一方の面が断熱材によって覆われていることを特徴とする請求項8乃至11の何れか一項に記載の回転機械。
  13. 前記回転機械は、ガスタービンを含み、
    前記架台の前記温調領域は、前記ガスタービンの下方、且つ、前記ガスタービンの圧縮機に接続される吸気ダクトの上方において、前記軸受設置領域から遠ざかるように水平方向に沿って延在しており、
    前記温度差調節部は、前記架台の前記温調領域の下面側に位置する加熱部、または、前記架台の前記温調領域の上面側に位置する冷却部の少なくとも一方を含み、
    前記制御部は、少なくとも前記信号に基づいて前記加熱部又は前記冷却部の少なくとも一方を制御するように構成されたことを特徴とする請求項8に記載の回転機械。
  14. 前記回転機械は、前記軸受を挟んで前記ガスタービン及び前記架台とは反対側に位置する蒸気タービンを含み、
    前記蒸気タービン及び前記ガスタービンのそれぞれの回転軸は互いに連結されて前記軸受によって支持されており、
    前記信号検出部は、前記蒸気タービンにおける前記クリアランスの大きさを示す前記信号を検出するように構成されたことを特徴とする請求項13に記載の回転機械。
  15. 回転機械の静止部と回転部との間のクリアランスの大きさを示す信号を検出する信号検出ステップと、
    前記回転機械の軸受が載置される軸受設置領域を含む架台のうち、前記軸受設置領域から離れて位置する温調領域の両側の面間の温度差を調節する温度差調節ステップと、を備え、
    前記温度差調節ステップでは、少なくとも前記信号検出ステップによって検出された前記信号に基づいて前記クリアランスの大きさが調節されるよう前記温度差を調節することを特徴とする回転機械のクリアランス制御方法。
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