JP2016169213A - ルブレン誘導体及びその製造方法 - Google Patents

ルブレン誘導体及びその製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2016169213A
JP2016169213A JP2016045378A JP2016045378A JP2016169213A JP 2016169213 A JP2016169213 A JP 2016169213A JP 2016045378 A JP2016045378 A JP 2016045378A JP 2016045378 A JP2016045378 A JP 2016045378A JP 2016169213 A JP2016169213 A JP 2016169213A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
compound
general formula
same
compound represented
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2016045378A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6708447B2 (ja
Inventor
季之 羽村
Toshiyuki Hamura
季之 羽村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kwansei Gakuin Educational Foundation
Original Assignee
Kwansei Gakuin Educational Foundation
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kwansei Gakuin Educational Foundation filed Critical Kwansei Gakuin Educational Foundation
Publication of JP2016169213A publication Critical patent/JP2016169213A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6708447B2 publication Critical patent/JP6708447B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)

Abstract

【課題】新規な有機半導体材料の提供。【解決手段】式(4)で表わされるテトラセン誘導体。(Ar1〜Ar4は芳香族炭化水素環基等;R1〜R4はC1〜12のアルキル基等;n1〜n4は各々0〜4の整数;RA1〜RA4及びRB1〜RB4は、H等)【選択図】なし

Description

本発明はルブレン誘導体及びその製造方法に関する。
近年、有機材料のエレクトロニクス分野への応用が活発に行われており、有機EL、有機半導体等への応用が研究されている。有機半導体材料には、大きく分けて、低分子材料及び高分子材料の2種類が知られている。低分子材料は比較的電界効果移動度が高いものの、真空蒸着等の乾式法で製膜されることが多い。一方、高分子材料は、比較的電界効果移動度が低いものの、スピンコート、印刷、インクジェット等の湿式法に適している。
有機半導体材料として用いられる低分子化合物として、ルブレンが知られている(非特許文献1)。ルブレン単結晶は、40cm/(Vs)を超える高い移動度を有することが報告されており、有機トランジスタとしての有用性が期待されている。しかしながら、ルブレンは溶解性が低く、真空蒸着等の乾式法で製膜する必要がある。
従って、簡易な手法である湿式法により製膜できる新規半導体材料の開発が要望されている。
岩佐 義宏、竹延 大志、 「有機トランジスタ」、応用物理、応用物理学会発行、2008年、第77巻、第4号、p.432−437
本発明は、新規な有機半導体材料を提供することを目的とする。
本発明者らは、前記目的を解決するため、鋭意検討した結果、特定の構造を有するルブレン誘導体が溶解性に優れていることを見出した。本発明はこのような知見に基づき、さらに研究を重ね完成したものである。
すなわち、本発明は、以下の構成を包含する。
項1. 下記一般式(4):
Figure 2016169213
(式中、Ar、Ar、Ar及びArは、同一又は異なって、単環式若しくは多環式の芳香族炭化水素環基又は単環式若しくは多環式の芳香族複素環基を示す。R、R、R及びRは、同一又は異なって、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数1〜12のアルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、ハロゲン基、トリアルキルシリル基、ジアルキルアミノ基、ジアリールアミノ基、アルキルチオ基、アリールチオ基を示す。n1、n2、n3及びn4は、各々、0〜4の整数を示す。R 、R 、R 及びR は、水素原子であるか、又は隣接する基と互いに結合することで芳香環を形成する基である。R 、R 、R 及びR は、水素原子であるか、又は隣接する基と互いに結合することで芳香環を形成する基である。)
で表わされる化合物。
項2. 前記R 、R 、R 、R 、R 、R 、R 及びR が、全て水素原子である、前記項1に記載の化合物。
項3. 前記Ar、Ar、Ar及びArが、同一又は異なって、フェニル基、ナフチル基、アントリル基、2−チエニル基、2−フリル基又は2−ピリジル基である、前記項1又は2に記載の化合物。
項4. 下記一般式(3):
Figure 2016169213
(式中、Ar、Ar、Ar、Ar、R、R、R、R、R 、R 、R 、R 、R 、R 、R 、R 、n1、n2、n3及びn4は前記項1に同じ。)
で表わされる化合物を酸化合物と反応させる工程を含む、前記項1〜3の何れかに記載の化合物の製造方法。
項5. 下記一般式(1):
Figure 2016169213
(式中、Ar、Ar、R、R、R 、R 、R 、R 、n1及びn2は前記項1に同じ。)
で表わされる化合物と、下記一般式(2):
Figure 2016169213
(式中、Ar、Ar、R、R、R 、R 、R 、R 、n3及びn4は前記項1に同じ。X及びXは水素原子、トリアルキルシリル基又は脱離基を示す。ただし、X及びXの少なくとも一方は脱離基である。)
で表わされる化合物とを、フッ化塩及び/又は塩基化合物の存在下に反応させる工程をさらに含む、前記項4に記載の製造方法。
項6. 下記一般式(9):
Figure 2016169213
(式中、Ar、Ar、Ar、Ar、R、R、R、R、R 、R 、R 、R 、R 、R 、R 、R 、n1、n2、n3及びn4は前記項1に同じ。)
で表わされる化合物を芳香族化する工程を含む、前記項1〜3の何れかに記載の化合物の製造方法。
項7. 下記一般式(7):
Figure 2016169213
(式中、Ar、Ar、R、R、R 、R 、R 、R 、R 、R 、R 、R 、n1及びn2は前記項1に同じ。)
で表わされる化合物に、下記一般式(8):
Figure 2016169213
(式中、Ar、R及びn3は前記項1に同じ。)
で表わされる化合物を求核付加反応させる工程をさらに含む、
前記項6に記載の製造方法。
項8. 下記一般式(7):
Figure 2016169213
(式中、Ar及びArは、同一又は異なって、単環式若しくは多環式の芳香族炭化水素環基又は単環式若しくは多環式の芳香族複素環基を示す。R及びRは、同一又は異なって、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数1〜12のアルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、ハロゲン基、トリアルキルシリル基、ジアルキルアミノ基、ジアリールアミノ基、アルキルチオ基、アリールチオ基を示す。n1及びn2は、各々、0〜4の整数を示す。R 、R 、R 及びR は、水素原子であるか、又は隣接する基と互いに結合することで芳香環を形成する基である。R 、R 、R 及びR は、水素原子であるか、又は隣接する基と互いに結合することで芳香環を形成する基である。)
で表わされる化合物。
項9. 前記R 、R 、R 、R 、R 、R 、R 及びR が、全て水素原子である、前記項8に記載の化合物。
項10. 前記Ar及びArが、同一又は異なってフェニル基、ナフチル基、アントリル基、2−チエニル基、2−フリル基又は2−ピリジル基である、前記項8又は9に記載の化合物。
項11. 下記一般式(6):
Figure 2016169213
(式中、Ar、Ar、R、R、R 、R 、R 、R 、R 、R 、R 、R 、n1及びn2は前記項8に同じ。)
で表わされる化合物を芳香族化する工程を含む、前記項8〜10の何れかに記載の化合物の製造方法。
項12. 下記一般式(1):
Figure 2016169213
(式中、Ar、Ar、R、R、R 、R 、R 、R 、n1及びn2は項8に同じ。)
で表わされる化合物と、下記一般式(5):
Figure 2016169213
(式中、R 、R 、R 及びR は項8に同じ。)
で表わされる化合物を、環付加反応させる工程をさらに含む、
前記項11に記載の製造方法。
本発明の一般式(4)で示される化合物は、溶解性に優れており、湿式法に適用可能な有機半導体材料として好適に利用され得る。
図1は、ルブレン誘導体 4aの紫外可視吸収スペクトルを示した図である。
以下、本発明について詳細に説明する。
1.一般式(4)の化合物
本発明の化合物は、下記一般式(4):
Figure 2016169213
(式中、Ar、Ar、Ar及びArは、同一又は異なって、単環式若しくは多環式の芳香族炭化水素環基又は単環式若しくは多環式の芳香族複素環基を示す。R、R、R及びRは、同一又は異なって、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数1〜12のアルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、ハロゲン基、トリアルキルシリル基、ジアルキルアミノ基、ジアリールアミノ基、アルキルチオ基、アリールチオ基を示す。n1、n2、n3及びn4は、各々、0〜4の整数を示す。R 、R 、R 及びR は、水素原子であるか、又は隣接する基と互いに結合することで芳香環を形成する基である。R 、R 、R 及びR は、水素原子であるか、又は隣接する基と互いに結合することで芳香環を形成する基である。)
で表わされる。
前記一般式(4)中、Ar、Ar、Ar及びArは、同一又は異なって、単環式若しくは多環式の芳香族炭化水素環基又は単環式若しくは多環式の芳香族複素環基を示す。
単環式の芳香族炭化水素環基とは、フェニル基を挙げることができる。
単環式の芳香族複素環基としては、酸素原子、硫黄原子又は窒素原子を少なくとも一種含む芳香族複素環基を挙げることができ、(2又は3−)チエニル基、(2又は3−)フリル基、(2、3又は4−)ピリジル基等を挙げることができる。
多環式の芳香族炭化水素基としては、例えば、炭素数9〜20の2〜4環の縮合環芳香族炭化水素基を挙げることができ、より具体的にはナフチル基、フルオレニル基、アントリル基、フェナントリル基、ピレニル基等を挙げることができる。
多環式の芳香族複素環基としては、例えば、酸素原子、硫黄原子又は窒素原子を少なくとも一種含む2〜4環の縮合環芳香族複素環基を挙げることができ、より具体的にはベンゾチエニル基、ベンゾフラニル基、インドリル基、キノリル基、イソキノリル基等を挙げることができる。
前記n1、n2、n3及びn4は、各々、0〜4の整数を示す。
前記R、R、R及びRは、同一又は異なって、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数1〜12のアルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、ハロゲン基、トリアルキルシリル基、ジアルキルアミノ基、ジアリールアミノ基、アルキルチオ基、アリールチオ基を示す。これらの置換基は互いに異なっていてもよく、例えば、n1が2以上である場合、複数個あるR同士が異なっていてもよい。
前記炭素数1〜12(より好ましくは炭素数1〜6)のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基等を挙げることができる。
前記炭素数1〜12(より好ましくは炭素数1〜6)のアルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、n−ブトキシ基等を挙げることができる。
前記アリール基としては、前記Ar、Ar、Ar及びArにおいて例示した単環式若しくは多環式の芳香族炭化水素環基又は単環式若しくは多環式の芳香族複素環基を挙げることができる。
前記アリールオキシ基としては、前記アリール基を有するアリールオキシ基を挙げることができる。
前記ハロゲン基としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子を挙げることができる。
前記トリアルキルシリル基としては、前記炭素数1〜12(より好ましくは炭素数1〜6)のアルキル基が3個置換したシリル基を挙げることができ、より具体的には、トリメチルシリル基、トリエチルシリル基等を挙げることができる。
前記ジアルキルアミノ基としては、前記炭素数1〜12(より好ましくは炭素数1〜6)のアルキル基が2個置換したアミノ基を挙げることができ、より具体的には、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基等を挙げることができる。
前記ジアリールアミノ基としては、前記アリール基が2個置換したアミノ基を挙げることができる。
前記アルキルチオ基としては、前記炭素数1〜12(より好ましくは炭素数1〜6)のアルキル基を有するアルキルチオ基を挙げることができる。
前記アリールチオ基としては、前記アリール基を有するアリールチオ基を挙げることができる。
、R 、R 及びR は、水素原子であるか、又は隣接する基と互いに結合することで芳香環を形成する基である。原料の入手が容易な点で、R 、R 、R 及びR は、全て水素原子であることが好ましい。
、R 、R 及びR は、水素原子であるか、又は隣接する基と互いに結合することで芳香環を形成する基である。原料の入手が容易な点で、R 、R 、R 及びR は、水素原子であることが好ましい。
、R 、R 及びR 並びにR 、R 、R 及びR において、隣接する基と互いに結合することで形成する芳香環としては、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、フラン環、セレノフェン環等を挙げることができる。すなわち、例えば、下記構造式:
Figure 2016169213
(式中、Ar、Ar、Ar、Ar、R、R、R、R、n1、n2、n3及びn4は前記に同じ。mは例えば、0〜2の整数を示す。)
で示される化合物は一般式(4)で表わされる化合物に包含される。
一般式(4)で表わされる化合物は、広がったπ共役構造を有しており、高い電界効果移動度を有し得る。また、一般式(4)の化合物は、アセチレン基を介してアリール基が結合した構造を有しているため、溶解性(特に有機溶媒に対する溶解性)に優れている。そのため、一般式(4)の化合物は、湿式法に適用可能な有機半導体材料として好適に使用し得る。
また、一般式(4)の化合物は、骨格のポリアセンと比較して長波長の吸収極大波長を有し、新たな有機EL材料として好適に使用し得る。
2.一般式(4)の化合物の製造(製造方法1)
2.1.一般式(3)の化合物から一般式(4)の化合物の製造
前記一般式(4)で表わされる化合物は、例えば、下記反応式1のように、下記一般式(3)で表わされる化合物と酸化合物との反応により製造することができる。
Figure 2016169213
(式中、Ar、Ar、Ar、Ar、R、R、R、R、R 、R 、R 、R 、R 、R 、R 、R 、n1、n2、n3及びn4は前記に同じ。)
当該反応に用いる酸化合物としては、特に限定されず、公知の酸化合物を広く使用できる。酸化合物としては、例えば、塩酸、硫酸、p−トルエンスルホン酸等を挙げることができる。
当該反応は無溶媒で又は適当な溶媒中で行うことができる。当該反応に用いる溶媒は、一般式(3)の化合物が溶解し、反応に悪影響を及ぼさない溶媒を広く使用でき、例えば、クロロホルム等のハロゲン系溶媒;トルエン等の芳香族炭化水素系溶媒;ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル系溶媒等を挙げることができる。
当該反応を行う際の温度は、生成物の分解を防ぐ観点より、室温程度以下(例えば、−30〜30℃)であることが好ましい。反応時間は特に限定されず、例えば、2時間〜6時間程度で反応を行うことが好ましい。
当該反応は、必要に応じて、アルゴンガス、窒素ガス等の不活性ガス雰囲気下で行われる。
2.2.一般式(3)の化合物の製造
前記一般式(3)で表わされる化合物は、例えば、下記反応式2により、下記一般式(1)で表わされる化合物と下記一般式(2)で表わされる化合物とを、フッ化塩又は塩基化合物存在下反応させることにより、製造することができる。
Figure 2016169213
(式中、Ar、Ar、Ar、Ar、R、R、R、R、R 、R 、R 、R 、R 、R 、R 、R 、n1、n2、n3及びn4は前記に同じ。X及びXは水素原子、トリアルキルシリル基又は脱離基を示す。ただし、X及びXの少なくとも一方は脱離基である。)
前記一般式(1)で表わされる化合物は公知の化合物であるか、又は公知の方法により容易に製造することができる化合物である。一般式(1)で表わされる化合物は、例えば、Organic & Biomolecular Chemistry、 2014、 12、 p.9773−9776に記載の方法により製造することができる。
前記一般式(2)で表わされる化合物は公知の化合物であるか、又は公知の方法により容易に製造することができる化合物である。一般式(2)で表わされる化合物は、例えば、New Journal of Chemistry 2005、 29、972−976頁に記載の方法により、対応するナフトキノン化合物とアリールエチニルリチウムとを反応させ、さらに芳香族化することにより製造することができる(下記反応式3)。
Figure 2016169213
当該方法において、一般式(2)の化合物は、反応条件下でベンザイン中間体を発生し、発生したベンザイン中間体が一般式(1)の化合物と反応していると考えられる。そのため、反応条件並びにX及びXの組み合わせは、ベンザイン前駆体からベンザインを発生させる方法として知られているものを適用することができる。
一般式(2)におけるX及びXは、水素原子、トリアルキルシリル基又は脱離基を示す。ただし、X及びXの少なくとも一方は脱離基である。上述のように、ベンザイン中間体を発生させることができれば、前記X及びXは特に限定されない。前記脱離基とは、ベンザイン中間体を発生させるために用いられる脱離基である。脱離基の具体例としては、例えば、臭素原子、ヨウ素原子、トリフルオロメタンスルホニルオキシ基、p−トルエンスルホニルオキシ基、メタンスルホニルオキシ基等を挙げることができる。X及びXにおけるトリアルキルシリル基としては、原子効率の観点よりトリメチルシリル基が好ましい。より具体的には、X及びXの組合せとして、水素原子及び脱離基、臭素原子及び脱離基、ヨウ素原子及び脱離基、並びにトリアルキルシリル基及び脱離基の組合せを挙げることができる。
2.2.1. 塩基化合物を用いた反応
前記X及びXが脱離基と水素原子、臭素原子又はヨウ素原子との組合せである場合、塩基化合物を用いることにより一般式(3)の化合物を製造することができる。
当該反応において使用される塩基化合物としては、例えば、フェニルリチウム、n−ブチルリチウム、tert−ブチルリチウム等の有機リチウム試薬を挙げることができる。塩基化合物の使用量は、一般式(2)の化合物 1モルに対して、0.8〜1.2モルであることが好ましい。塩基化合物の使用量を0.8モル以上とすることで、効率よくベンザイン中間体を発生させることができる。
一般式(2)の化合物の使用量は、一般式(1)の化合物 1モルに対して、1.5〜3モルであることが好ましい。
当該反応を行う際の温度は、生成物の分解を防ぐ観点より、室温程度以下(例えば、−50〜30℃)であることが好ましい。反応時間は特に限定されず、例えば、2時間〜6時間程度である。
当該反応は溶媒存在下で行ってもよく、例えば、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル等のエーテル系溶媒、トルエン等の芳香族炭化水素系溶媒等を用いることができる。
当該反応は、必要に応じて、アルゴンガス、窒素ガス等の不活性ガス雰囲気下で行われる。
2.2.2. フッ化塩を用いた反応
前記X及びXが脱離基とトリアルキルシリル基との組合せである場合、フッ化塩を用いることにより一般式(3)の化合物を製造することができる。
当該反応において使用されるフッ化塩としては、例えば、フッ化セシウム、テトラブチルアンモニウムフルオライド等を挙げることができる。
一般式(2)の化合物の使用量は、一般式(1)の化合物 1モルに対して、1.5〜3モルであることが好ましい。
当該反応を行う際の温度は、生成物の分解を防ぐ観点より、室温程度以下(例えば、−50〜30℃)であることが好ましい。反応時間は特に限定されず、例えば、2時間〜6時間程度である。
当該反応は溶媒存在下で行ってもよく、例えば、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル等のエーテル系溶媒、トルエン等の芳香族炭化水素系溶媒等を用いることができる。
当該反応は、必要に応じて、アルゴンガス、窒素ガス等の不活性ガス雰囲気下で行われる。
上記反応により得られる一般式(4)の化合物及び一般式(3)の化合物は、通常の分離手段により、反応混合物より分離され、精製される。分離及び精製手段としては、例えば、蒸留法、再結晶法、カラムクロマトグラフィー、イオン交換クロマトグラフィー、ゲルクロマトグラフィー、親和クロマトグラフィー、プレパラティブ薄層クロマトグラフィー、溶媒抽出法等を挙げることができる。
3.一般式(4)の化合物の製造(製造方法2)
3.1.一般式(9)の化合物から一般式(4)の化合物の製造
前記一般式(4)で表わされる化合物は、例えば、下記反応式4のように、一般式(9)で表わされる化合物を芳香族化することにより製造することも可能である。
Figure 2016169213
(式中、Ar、Ar、Ar、Ar、R、R、R、R、n1、n2、n3、n4、R 、R 、R 、R 、R 、R 、R 及びR は、前記に同じ。)
上記一般式(9)で表わされる化合物を一般式(4)で表わされる化合物へと芳香族化するための反応としては、公知の芳香族化反応を広く適用することが可能である。例えば、後述するように一般式(9)で表わされる化合物の分解を防ぐ観点より、室温温度以下で行うことのできる反応が好ましい。このような方法として、例えば、金属等を還元剤として用いた還元反応があげられるが、これに限定されるわけではない。
かかる芳香族化は、無溶媒で又は適当な溶媒中で行うことができる。使用する溶媒は、一般式(9)で表わされる化合物を溶解し、反応に悪影響を及ぼさない公知の溶媒を広く使用することができ、例えば、クロロホルム等のハロゲン系溶媒;トルエン等の芳香族炭化水素系溶媒;ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル系溶媒等を挙げることができるが、勿論これらに限定されるわけではない。これらの溶媒は、1種単独で又は2種以上混合して使用できる。
当該反応を行う際の温度は、生成物の分解を防ぐ観点より、室温程度以下(例えば、−30〜30℃)であることが好ましい。反応時間については、特に限定されず、例えば、2時間〜6時間程度とするのが好ましい。
3.2.一般式(7)の化合物から一般式(9)の化合物の製造
一般式(9)で表わされる化合物は、下記反応式5により、一般式(7)で表わされる化合物に一般式(8)で表わされる化合物を求核付加反応させることにより、製造することができる。
Figure 2016169213
(式中、Ar、Ar、Ar、Ar、R、R、R、R、R 、R 、R 、R 、R 、R 、R 、R 、n1、n2、n3及びn4は前記に同じ。)
当該求核付加反応に際しては、公知の求核剤を広く採用することができるが、後述する一般式(6)の化合物から一般式(7)の化合物への反応を塩基性条件下で行うのが好ましいことに鑑みれば、塩基性の求核剤を使用することが好ましい。このような求核剤としては、例えば、メチルリチウム、n-ブチルリチウム、sec-ブチルリチウム、tert-ブチルリチウム等のアルキルリチウムを挙げることができる。
かかる求核付加反応は、無溶媒で又は適当な溶媒中で行うことができる。使用する溶媒は、一般式(7)で表わされる化合物を溶解し、反応に悪影響を及ぼさない公知の溶媒を広く使用することができ、例えば、n-ヘキサン等の炭化水素系溶媒;トルエン等の芳香族炭化水素系溶媒;ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル系溶媒等を挙げることができるが、勿論これらに限定されるわけではない。これらの溶媒は1種単独で又は2種以上混合して使用することができる。
反応温度については、アルキニルリチウムの安定性を考慮し、−80〜30℃で行うことが好ましい。反応時間については、例えば、1〜5時間で行うことが挙げられるが、これに限定されない。
3.3.一般式(7)で表わされる化合物
一般式(7)で表わされる化合物は、本発明における製造方法2によって一般式(4)で表わされる化合物を製造する際の中間体となる化合物であり、本発明者らが新たに見出したものである。
一般式(7)中のAr、Ar、Ar、Ar、R、R、R、R、R 、R 、R 、R 、R 、R 、R 、R 、n1、n2、n3及びn4については上記した通りであるが、原料入手のしやすさという観点から、R 、R 、R 、R 、R 、R 、R 、R は全て水素原子であることが好ましい。また、共役系を有効に拡張するという観点から、Ar及びArは、同一又は異なって、フェニル基、ナフチル基、アントリル基、2−チエニル基、2−フリル基又は2−ピリジル基であることが好ましい。
3.4.一般式(6)の化合物から一般式(7)の化合物の製造
一般式(7)で表わされる化合物は、下記反応式6により、一般式(6)で表わされる化合物を芳香族化することで製造することができる。
Figure 2016169213
当該芳香族化は、公知の芳香族化反応を広く採用することが可能である。中でも塩基性条件下での芳香族化反応を採用することにより、効率よく反応を進めることが可能である。
このような塩基性条件下での芳香族化反応として、具体的には、ジアザビシクロウンデセン、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン、グアニジン等の塩基性の有機反応試剤を添加する反応が挙げられるが、これらに限定されるわけではない。
かかる芳香族化は、無溶媒で又は適当な溶媒中で行うことができる。使用する溶媒は、一般式(6)で表わされる化合物を溶解し、反応に悪影響を及ぼさない溶媒を広く使用することができる。このような溶媒としては、例えば、クロロホルム等のハロゲン系溶媒;トルエン等の芳香族炭化水素系溶媒;ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル系溶媒等を挙げることができるが、これらに限定されるわけではない。これらの溶媒は1種単独で又は2種以上混合して使用することができる。
反応温度は、一般式(6)で表される化合物の逆反応を抑制するために、−80〜30℃に設定することが好ましい。反応時間については、例えば、10分〜2時間とすることが挙げられるが、これに限定されるわけではない。
上記反応により得られる一般式(7)の化合物は通常の分離手段により、反応混合物より分離され、精製される。分離及び精製手段としては、例えば、蒸留法、再結晶法、カラムクロマトグラフィー、イオン交換クロマトグラフィー、ゲルクロマトグラフィー、親和クロマトグラフィー、プレパラティブ薄層クロマトグラフィー、溶媒抽出法等を挙げることができる。
3.5.一般式(1)及び(5)の化合物から一般式(6)の化合物の製造
一般式(6)で表わされる化合物は、下記反応式7により、一般式(1)及び(5)で表わされる化合物を[4+2]環付加反応させることにより、製造することができる。
Figure 2016169213
(式中、Ar、Ar、R、R、R 、R 、R 、R 、R 、R 、R 、R 、n1、n2、n3及びn4は前記に同じ。)
当該環付加反応としては、公知の環付加反応の反応条件を広く採用することができる。一般式(5)で表わされるナフトキノン誘導体は、市販品もしくは公知の方法を組み合わせることにより容易に入手することが可能であり、一般式(6)で表される化合物を大量に合成するのに適している。
使用する溶媒としては、一般式(1)及び(5)で表わされる化合物を溶解し、反応に悪影響を及ぼさない公知の溶媒を広く使用することができ、例えば、クロロホルムやジクロロメタン等のハロゲン系溶媒;トルエン等の芳香族炭化水素系溶媒;ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル系溶媒等を挙げることができるが、勿論これらに限定されるわけではない。これらの溶媒は1種単独で、又は2種以上混合して使用することができる。
反応温度は、反応を促進させるために、80〜200℃とするのが好ましい。反応時間については、例えば1〜5時間とすることができるが、これに限定されるわけではない。
上記の反応式7により生成した一般式(6)で表わされる化合物が、反応に使用した溶媒に溶解することにより逆反応が起きてしまう場合には、生成物(一般式(6)で表わされる化合物)の溶解性の低い溶媒、例えば、トルエン等の芳香族炭化水素系溶媒を用いることにより、反応に伴い生成した生成物の固体を反応系外に析出させることで、目的とする一般式(6)で表わされる化合物を得ることができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこうした例に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々なる形態で実施し得ることは勿論である。
以下に実施例を示して、本発明を具体的に説明する。ただし、本発明は実施例に限定されるものではない。
なお、以下の実施例において、各種理化学的性質の測定は以下の装置を用いて行った。
<NMR測定>
日本電子株式会社製 核磁気共鳴装置 JNM ECX−500II。
<紫外可視吸収測定>
日本分光株式会社製 紫外可視近赤外分光光度計 V−630。
<質量分析>
日本電子株式会社製 飛行時間質量分析計 JMS−T100LP。
日本電子株式会社製 飛行時間質量分析計 JMS−S3000。
参考例1
ジブロモナフタレン化合物 2aの製造
ジブロモナフタレン化合物 2aをNew Journal of Chemistry 2005、 29、972−976頁を参照し、下記方法により製造した。
Figure 2016169213
アルゴン雰囲気下、フェニルアセチレン(1.09 g、 10.7 mmol)を脱水テトラヒドロフラン 10 mLに溶解し、−78℃において、n−ブチルリチウム(1.63M ヘキサン溶液、 6.41 mL、 10.4 mmol)を滴下した。その後、1時間かけて撹拌しながら室温まで昇温させ、フェニルエチニルリチウムのテトラヒドロフラン溶液を調製した。
2,3−ジブロモ−1,4−ナフタレンジオン (1.50g、 4.75 mmol)を脱水テトラヒドロフラン 10 mLに懸濁させた。得られた懸濁溶液に、アルゴン雰囲気下、−78℃にて、フェニルエチニルリチウムのテトラヒドロフラン溶液をキャニュレーションにより滴下した。滴下完了後、反応溶液を室温まで徐々に昇温させながら7時間撹拌した。その後、飽和塩化アンモニウム水溶液を加えて反応を終了させ、反応溶液を酢酸エチルにより抽出し、分液した。得られた有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、溶媒を減圧留去し、粗生成物を得た。得られた粗生成物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(関東化学株式会社製 シリカゲル 60N 粒子径63−210μm; n−ヘキサン/酢酸エチル=8:2から7:3への勾配(容量比))により精製し、ジブロモナフタレン前駆体を得た。
ジブロモナフタレン前駆体(2.10 g、 4.04 mmol)をエタノール5 mLに溶解し、塩化スズ(II)無水物(1.53 g、 8.07 mmol)の50%酢酸溶液を加え、60℃で15分撹拌した。反応溶液を室温まで放冷し、析出した固体を吸引ろ過により回収した。得られた固体を水で洗浄した後、70℃で真空乾燥することでジブロモナフタレン 2a(1.87 g、 95.8%)を得た。
得られたジブロモナフタレン 2aの理化学的性質は下記の通りである。
H−NMR (CDCl):δ ppm
7.40−7.45 (m、6H)、7.65(dd、2H、J=6.4Hz、J=3.2Hz)、7.71(dd、4H、J=7.3Hz、J=3.4Hz)、8.44(dd、2H、J=6.5Hz、J=3.2Hz)。
13C−NMR (CDCl):δ ppm
87.4、101.2、122.7、124.6、126.96、127.04、128.2、128.5、129.2、131.8、132.5。
実施例1
テトラセン前駆体 3aの製造
Figure 2016169213
アルゴン雰囲気下、ジアルキニルイソベンゾフラン化合物 1a(46.8 mg、0.147 mmol)とジブロモナフタレン化合物 2a(168 mg、0.347 mmol)を脱水テトラヒドロフラン 8.0 mLに溶解し、−25 ℃でフェニルリチウム (1.08M シクロヘキサン/ジエチルエーテル溶液、 0.32 mL、 0.346 mmol)を加え、撹拌した。その後、3時間かけて室温まで昇温し、水を加えて反応を終了させた。得られた反応溶液を酢酸エチルにより抽出し、分液した。得られた有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムを用いて乾燥した後、溶媒を減圧留去し、粗生成物を得た。得られた粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(関東化学株式会社製 シリカゲル 60N 粒子径63−210μm; ヘキサン/ジエチルエーテル/ジクロロメタン=90:5:5(容量比))により精製し、テトラセン前駆体 3a(69.6 mg、73.7%)を得た。
得られたテトラセン前駆体 3aの理化学的性質は下記の通りである。
Mp 228 ℃ (dec)。
H−NMR (CDCl):δ ppm
7.19-7.26 (m、10H)、7.28-7.34 (m、4H)、7.48-7.53 (m、8H)、7.60-7.64 (m、2H)、7.64-7.68 (m、2H)、8.43-8.47 (m、2H)。
13C−NMR (CDCl):δ ppm
81.1、82.2、83.3、91.8、101.1、114.1、120.3、121.6、123.0、126.6、127.4、127.7、128.1、128.2、128.6、129.0、131.8、132.3、132.5、144.5、147.2。
IR (ATR) 3055、 2245、 1599、 1490、 1442、 1373、 1322、 1170、 1069、 1025、 967、 925、 898、 749 cm-1
HRMS (DART) 645.2230 (645.2218 calcd for C5029O [M+H])。
実施例2
ルブレン誘導体 4aの製造
Figure 2016169213
アルゴン雰囲気下、実施例1で得られたテトラセン前駆体 3a(11.6 mg、 0.018mmol)をクロロホルム 2mLに溶解し、0℃で濃硫酸を少量加え、室温に戻して9時間撹拌した。その後、反応溶液に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、反応を終了させた。得られた反応溶液をジクロロメタンにより抽出し、分液した。得られた有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、及び飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、溶媒を減圧留去し、粗生成物を得た。得られた粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(富士シリシア化学株式会社製 シリカゲル BW−300 平均細孔径6nm; n−ヘキサン/ジエチルエーテル=95:5(容量比))により精製し、ルブレン誘導体 4a(3.7 mg、 32.7%)を青色固体として得た。
得られたルブレン誘導体 4aの理化学的性質は下記の通りである。
mp 150 ℃ (dec)。
H−NMR (CDCl):δ ppm
7.18−7.29(m、12H)、7.55(d、8H、J=8.1Hz)、7.65(dd、4H、J=6.8Hz、J=2.8Hz)、8.87(dd、4H、J=6.9Hz、J=2.9Hz)。
13C−NMR (CDCl):δ ppm
89.5、108.4、118.9、123.9、127.6、128.1、128.3、129.9、131.5、134.1。
IR (ATR) 3033、2360、 2341、 1541、 1489、 1441、 1406、 1220、 1068、 1025、 914、 772 cm-1
HRMS(DART)m/z 629.2248(629.2269 calcd for C5029 [M+H])。
ルブレン誘導体 4aの紫外可視吸収スペクトルを測定したところ、638nmに吸収ピークが見られた(図1)。
実施例3
テトラセン前駆体 3aの製造
アルゴン雰囲気下、ジアルキニルイソベンゾフラン化合物 1a(127mg、0.399mmol)とジブロモナフタレン化合物 2a(233 mg、0.479 mmol)を脱水トルエン 8.0 mLに溶解し、−30 ℃でn−ブチルリチウム (1.60M ヘキサン溶液、 0.30 mL、 0.48 mmol)を加え、撹拌した。その後、3.5時間かけて室温まで昇温し、水を加えて反応を終了させた。得られた反応溶液を酢酸エチルにより抽出し、分液した。得られた有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムを用いて乾燥した後、溶媒を減圧留去し、粗生成物を得た。得られた粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(関東化学株式会社製 シリカゲル 60N 粒子径63−210μm; n−ヘキサン:アセトン=95:5→80:20(容量比))により精製し、テトラセン前駆体 3a(236mg、92%)を得た。
得られたテトラセン前駆体 3aの理化学的性質は、実施例1にて得られたデータと一致した。
実施例4
ルブレン誘導体 4aの製造
アルゴン雰囲気下、実施例3で得られたテトラセン前駆体 3a(130mg、 0.399mmol)を脱水トルエン2mLに溶解し、−20℃で濃硫酸を少量加えた後、反応液を室温まで昇温して24間撹拌した。その後、反応溶液に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、反応を終了させた。得られた反応溶液をジクロロメタンにより抽出し、分液した。得られた有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、及び飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、溶媒を減圧留去し、粗生成物を得た。得られた粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(関東化学株式会社製 シリカゲル 60N 粒子径63−210μm; n−ヘキサン:アセトン=90:10(容量比))により精製し、ルブレン誘導体 4a(54.3mg、 43%)を得た。
得られたルブレン誘導体 4aの理化学的性質は、実施例2にて得られたデータと一致した。
実施例5
テトラセン前駆体 3bの製造
Figure 2016169213
アルゴン雰囲気下、ジアルキニルイソベンゾフラン化合物 1b(155mg、 0.400mmol)とジブロモナフタレン化合物 2b(226 mg、 0.400 mmol)を脱水トルエン 8.0 mLに溶解し、−30 ℃でn−ブチルリチウム (1.52 M ヘキサン溶液、 0.32 mL、 0.48 mmol)を加え、撹拌した。その後、4時間かけて室温まで昇温し、水を加えて反応を終了させた。得られた反応溶液を酢酸エチルにより抽出し、分液した。得られた有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムを用いて乾燥した後、溶媒を減圧留去し、粗生成物を得た。得られた粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(関東化学株式会社製 シリカゲル 60N 粒子径63−210μm; n−ヘキサン:アセトン=95:5(容量比))により精製し、テトラセン前駆体 3b(178mg、57%)を得た。
得られたテトラセン前駆体 3bの理化学的性質は下記の通りである。
H−NMR (CDCl):δ ppm
7.13−7.28 (m、 10H)、 7.31−7.45 (m、 8H)、 7.54−7.65 (m、 4H)、 8.30−8.41 (m、 2H)。
13C−NMR (CDCl):δ ppm
81.9、 82.1、 84.1、 90.7、 99.9、 113.9、 120.3、 121.3、 126.5、 127.6、 127.9、 128.6、 132.1、 132.8、 133.6、 134.9、 135.5、 144.4、 146.8。
IR (neat) 3969、 2359、 2342、 1607、 1587、 1509、 1489、 1457、 1396、 1381、 1367、 1321、 1089、 1052、 1014、 966、 938、 894、 791、 706 cm-1
HRMS (ESI) m/z 803.0445(803.0473 calcd for C5025l4O [M+H])。
実施例6
ルブレン誘導体 4bの製造
Figure 2016169213
アルゴン雰囲気下、実施例5で得られたテトラセン前駆体 3b(52.4mg、 0.670mmol)を脱水トルエン2mLに溶解し、−20℃で濃硫酸を少量加えた後、反応液を室温まで昇温して24間撹拌した。その後、反応溶液に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え反応を終了させた。得られた反応溶液をジクロロメタンにより抽出し、分液した。得られた有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、及び飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、溶媒を減圧留去し、粗生成物を得た。得られた粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(関東化学株式会社製 シリカゲル 60N 粒子径63−210μm; n−ヘキサン:ジクロロメタン=85:15(容量比))により精製し、ルブレン誘導体 4b(32.7mg、 64%)を青色固体として得た。
得られたルブレン誘導体 4bの理化学的性質は下記の通りである。
H−NMR (CDCl):δ ppm
7.19-7.23 (m、8H)、7.43-7.47 (m、 8H)、7.65-7.68 (m、4H)、 8.78-8.81 (m、4H)。
IR (neat) 3070、2923、2176、1489、1396、1220、1092、1015、822、772cm-1
HRMS (MALDI、 TCNQ matrix) m/z 760.0614(760.0627 calcd for C5025Cl [M+H])。
実施例7
テトラセン前駆体 3cの製造
Figure 2016169213
アルゴン雰囲気下、ジアルキニルイソベンゾフラン化合物 1c(100mg、0.289mmol)とジブロモナフタレン化合物 2c(149 mg、0.289 mmol)を脱水クロロベンゼン3.0 mLに溶解し、−30 ℃でフェニルリチウム (1.09M シクロヘキサン/ジエチルエーテル溶液、 0.40 mL、 0.43 mmol)を加え、撹拌した。その後、5時間かけて室温まで昇温し、水を加えて反応を終了させた。得られた反応溶液を酢酸エチルにより抽出し、分液した。得られた有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムを用いて乾燥した後、溶媒を減圧留去し、粗生成物を得た。得られた粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(関東化学株式会社製 シリカゲル 60N 粒子径63−210μm; n−ヘキサン/アセトン=95/5(容量比))により精製し、テトラセン前駆体 3c(158mg、76%)を得た。
得られたテトラセン前駆体 3cの理化学的性質は下記の通りである。
H−NMR (CDCl):δ ppm
2.35 (s、 12H)、 7.01−7.05 (m、 8H)、 7.17−7.19 (m、 2H)、 7.38−7.42 (m、 8H)、 7.58−7.60 (m、 2H)、 7.63−7.65 (m、 2H)、 8.43−8.45 (m、 2H)。
13C−NMR (CDCl):δ ppm
21.5、 80.5、 82.2、 82.8、 91.9、 101.3、 114.1、 119.0、 120.1、 120.2、 126.6、 127.2、 127.5、 128.8、 128.9、 131.7、 132.3、 132.4、 138.7、 139.1、 144.4、 147.3。
IR (ATR) 3062、 3031、 2915、 2857、 2237、 2218、 1605、 1507、 1457、 1406、 1369、 1320、 1167、 1106、 1038、 1019、 967、 923、 890、 859、 812、 761 cm-1
HRMS (APCI) m/z 701.2832 (701.2844 calcd for C5437O[M+H]).
実施例8
ルブレン誘導体 4cの製造
Figure 2016169213
アルゴン雰囲気下、実施例7で得られたテトラセン前駆体 3c(10.7mg、 0.0150mmol)を脱水トルエン2mLに溶解し、−20℃で濃硫酸を少量加えた後、反応液を室温まで昇温して24間撹拌した。その後、反応溶液に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、反応を終了させた。得られた反応溶液をジクロロメタンにより抽出し、分液した。得られた有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、及び飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、溶媒を減圧留去し、粗生成物を得た。得られた粗生成物を薄層分取シリカゲルクロマトグラフィー(n−ヘキサン/トルエン=90/10)により精製し、ルブレン誘導体 4c(4.9mg、 48%)を得た。
得られたルブレン誘導体 4cの理化学的性質は下記の通りである。
H−NMR (CDCl):δ ppm
2.35 (s、12H)、 7.03 (d、8H、J = 8.4 Hz
)、7.44 (d、8H、J = 8.4 Hz)、7.60-7.66 (m、4H)、8.83-8.88 (m、 4H)。
IR (neat、) 3024、2919、1508、1459、1406、1260、1178、1104、1018、812、756、701cm-1
HRMS (MALDI、 TCNQ matrix) m/z 684.2804(684.2812 calcd for C5436 [M])。
実施例9
テトラセン前駆体 3dの製造
Figure 2016169213
アルゴン雰囲気下、ジアルキニルイソベンゾフラン化合物 1d(101mg、0.267mmol)とジブロモナフタレン化合物 2d(174 mg、0.328 mmol)を脱水トルエン 4.0 mLに溶解し、−30 ℃でフェニルリチウム (1.09M シクロヘキサン/ジエチルエーテル溶液、 0.30 mL、 0.32 mmol)を加え、撹拌した。その後、21時間かけて室温まで昇温し、水を加えて反応を終了させた。得られた反応溶液を酢酸エチルにより抽出し、分液した。得られた有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムを用いて乾燥した後、溶媒を減圧留去し、粗生成物を得た。得られた粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(関東化学株式会社製 シリカゲル 60N 粒子径63−210μm; n−ヘキサン:アセトン=95:5(容量比))により精製し、テトラセン前駆体 3d(155mg、76%)を得た。
得られたテトラセン前駆体 3dの理化学的性質は下記の通りである。
H−NMR (CDCl):δ ppm
2.40−2.45 (d、 24H)、 6.83−6.85 (d、 4H)、 6.88−6.89 (d、 4H)、 6.91 (dd、 4H、 J = 7.5 Hz、 J = 15.5 Hz)、 7.24−7.26 (m、 2H)、7.57−7.58 (m、 2H)、 7.66−7.67 (m、 2H)、 8.50−8.51 (m、 2H)。
13C−NMR (CDCl):δ ppm
21.0、 21.2、 82.4、 89.1、 89.9、 91.0、 99.1、 114.5、 120.2、 121.5、 122.7、 126.4、 126.5、 126.7、 127.4、 127.5、 128.0、 128.4、 132.4、 140.2、 141.1、 144.3、 147.8。
IR (ATR) 3063、 3020、 2918、 2851、 2234、1604、 1576、 1511、 1466、 1374、 1309、 1251、 1164、 1126、 1032、 957、 888、 837、 803、 753 cm-1
HRMS (APCI) m/z 757.3459 (757.3470 calcd for C5845O[M+H]).
実施例10
ルブレン誘導体 4dの製造
Figure 2016169213
アルゴン雰囲気下、実施例9で得られたテトラセン前駆体 3d(10.3mg、 0.0136mmol)を脱水トルエン2mLに溶解し、−20℃で濃硫酸を少量加えた後、反応液を室温まで昇温して24間撹拌した。その後、反応溶液に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、反応を終了させた。得られた反応溶液をジクロロメタンにより抽出し、分液した。得られた有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、及び飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、溶媒を減圧留去し、粗生成物を得た。得られた粗生成物を薄層分取シリカゲルクロマトグラフィー(n−ヘキサン/トルエン=70/30)により精製し、ルブレン誘導体 4d(1.7mg、 17%)を得た。
得られたルブレン誘導体 4dの理化学的性質は下記の通りである。
H−NMR (CDCl):δ ppm
2.46(s、24H)、6.83-6.88 (m、8H)、6.92-6.98 (m、4H)、7.55-7.61 (m、4H)、8.84-8.92 (m、4H)。
IR (neat) 3061、2918、2185、1466、1374、1260、1163、1088、1032、802、756cm-1
HRMS (MALDI、 TCNQ matrix) m/z 740.3430(740.3438 calcd for C5844 [M])。
実施例11
環付加体 6aの製造
Figure 2016169213
アルゴン雰囲気下、ジアルキニルイソベンゾフラン化合物 1a(640mg、 2.01mmol)とナフトキノン化合物 5a(1.38g、 2.40mmol)を脱水トルエン5.0mLに溶解し、90℃で3.5時間加熱した。その後、反応混合物を室温まで冷却した後、析出した固体をろ過・分取し、環付加体6a(944mg、 99%)を白色固体として得た。
得られた環付加体6aの理化学的性質は下記の通りである。
mp 127 ℃ (dec)。
H−NMR (CDCl):δ ppm
4.11 (s、 2H)、 6.93-6.98 (m、 2H)、 7.13-7.27 (m、 4H)、 7.36-7.41 (m、 4H)、 7.46-7.50 (m、 2H)、 7.64-7.68 (m、 4H)、 7.70-7.73 (m、 2H)。
13C−NMR (CDCl):δ ppm
56.3、 81.7、 83.1、 90.7、 120.8、 121.6、 126.4、 128.3、 129.2、 132.3、 134.0、 134.2、 141.4、 191.7。
IR (ATR) 3051、2239、 1676、 1585、 1490、 1443、 1362、 1319、 1275、 1147、 1120、 1063、 974、 913、 881、 804、 749 cm-1
HRMS (DART) m/z 477.1507(477.1491 calcd for C3421 [M+H])。
実施例12
テトラセンキノン化合物 7aの製造
Figure 2016169213
アルゴン雰囲気下、環付加体6a(238mg、 0.499mmol)のジクロロメタン溶液(20mL)に、0℃でヨウ化リチウム(134mg、 1.00mmol)とDBU(448μL、 3.00mmol)を順次加えた。反応液を0℃で30分間攪拌した後、1M 塩酸を加えて反応を停止した。得られた反応溶液を酢酸エチルにより抽出し、分液した。得られた有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムを用いて乾燥した後、溶媒を減圧留去し、粗生成物を得た。得られた粗生成物をジエチルエーテルを用いてトリチュレートすることにより、テトラセンキノン化合物 7a(217mg、 95%)を黄色固体として得た。
得られたテトラセンキノン化合物7aの理化学的性質は下記の通りである。
mp 205 ℃ (dec)。
H−NMR (CDCl):δ ppm
7.43-7.50 (m、 6H)、 7.78-7.84 (m、 4H)、 7.86-7.89 (m、 4H)、 8.36-8.40 (m、 2H)、 8.86-8.90 (m、 2H)。
13C−NMR (CDCl):δ ppm
88.0、 103.9、 123.0、 123.3、 127.3、 128.57、 128.63、 129.3、 130.1、 131.5、 132.3、 133.8、 134.4、 135.1、 182.2。
IR (ATR)3054、2360、 2199、 1672、 1591、 1488、 1442、 1373、 1345、 1283、 1254、 1220、 1155、 1025、 981、 917、 771、 723 cm-1
HRMS (MALDI、 TCNQ matrix) m/z 459.1398(459.1380 calcd for C3419 [M+H])。
実施例13
ジオール 9aの製造
Figure 2016169213
アルゴン雰囲気下、フェニルアセチレン(264μl、 2.40mmol)のテトラヒドロフラン溶液(5.0ml)に、−20℃でn−BuLi (1.58Mヘキサン溶液、 1.37mL、 2.16mmol)を加えた。反応液を−20℃で10分間攪拌し、続いて−78℃まで冷却した後、テトラセンキノン化合物 7a(90.5mg、 0.197mmol)を加えた。反応温度を室温までゆっくり昇温してから、さらに12時間攪拌した後、飽和塩化アンモニウム水溶液を加えて反応を停止した。得られた反応溶液を酢酸エチルにより抽出し、分液した。得られた有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムを用いて乾燥した後、溶媒を減圧留去し、粗生成物を得た。得られた粗生成物をジエチルエーテルを用いてトリチュレートすることにより、ジオール 9a(94.8mg、 73%)を白色固体として得た。
得られたジオール 9aの理化学的性質は下記の通りである。
Mp 198 ℃ (dec)。
H−NMR (CDCl):δ ppm
5.44 (s、 2H)、 7.10-7.23 (m、 6H)、 7.25-7.29 (m、 4H)、 7.40-7.45 (m、 6H)、 7.54-7.58 (m、 2H)、 7.69-7.73 (m、 2H)、 7.74-7.78 (m、 4H)、 8.18-8.23 (m、 2H)、 8.64-8.68 (m、 2H)。
13C−NMR (CDCl):δ ppm
67.0、 86.3、 86.9、 93.7、 106.5、 120.3、 122.4、 122.7、 126.7、 128.0、 128.2、 128.7、 128.8、 129.1、 129.4、 131.7、 133.6、 135.0、 137.8。
IR (ATR) 3495、 3050、2360、 1490、 1442、 1348、 1220、 1011、 968、 913、 771 cm-1
HRMS (ESI) m/z 685.2150 (685.2138 calcd for C5030Na [M+Na])。
実施例14
ルブレン誘導体 4aの製造
Figure 2016169213
アルゴン雰囲気下、ジオール 9a(13.4 mg、 20.2 μmol)、塩化スズ(38 mg、 0.20 mmol)、クロロホルム(0.8 mL)およびエタノール(0.2 mL)の混合液中に、0℃で1M塩酸を加えてから、2時間攪拌した後、反応温度を室温まで昇温した。反応液を室温にて1時間攪拌した後、水とクロロホルムを加えて反応を停止した。得られた反応溶液をクロロホルムにより抽出し、分液した。得られた有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムを用いて乾燥した後、溶媒を減圧留去し、粗生成物を得た。得られた粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(関東化学株式会社製 シリカゲル 60N 粒子径63−210μm; n−ヘキサン/アセトン=9:1(容量比)により精製し、ルブレン誘導体 4a(12.4mg、 98% yield)を青色固体として得た。
実施例15
環付加体 6bの製造
Figure 2016169213
アルゴン雰囲気下、ジアルキニルイソベンゾフラン化合物 1b(168mg、 0.416mmol)とナフトキノン化合物 5a(104mg、 0.658mmol)を脱水トルエン1.0mLに溶解し、90℃で10時間加熱した。その後、反応混合物を室温まで冷却した後、析出した固体をろ過・分取し、環付加体6b(183mg、 81%)を白色固体として得た。
得られた環付加体6bの理化学的性質は下記の通りである。
mp 160 ℃ (dec)。
H−NMR (CDCl):δ ppm
4.09 (s、 2H)、 6.96-6.98 (m、 2H)、 7.18-7.21 (m、 2H)、 7.36-7.38 (m、 4H)、 7.49-7.53 (m、 2H)、 7.58-7.60 (m、 4H)、 7.71-7.78 (m、 2H)。
13C−NMR (CDCl):δ ppm
56.2、82.6、83.1、89.6、120.8、126.5、128.4、128.8、128.9、133.5、134.1、134.2、135.5、141.2、191.6。
IR (ATR)3079、3038、2246、1680、1588、1490、1362、1322、1281、1089、1061、1014、968、926、891、826、768cm-1
HRMS (DART) m/z 545.0732(545.0711 calcd for C3419Cl [M+H])。
実施例16
テトラセンキノン化合物 7bの製造
Figure 2016169213
アルゴン雰囲気下、環付加体 6b(183mg、 0.336 mmol)のジクロロメタン溶液(17mL)に、0℃でヨウ化リチウム(90.9mg、 0.679mmol)とDBU(306μL、 2.04mmol)を順次加えた。反応液を0℃で30分間攪拌した後、1M 塩酸を加えて反応を停止した。得られた反応溶液を酢酸エチルにより抽出し、分液した。得られた有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムを用いて乾燥した後、溶媒を減圧留去し、粗生成物を得た。得られた粗生成物をジエチルエーテルを用いてトリチュレートすることにより、テトラセンキノン化合物 7b(253mg、100%)を黄色固体として得た。
得られたテトラセンキノン化合物7bの理化学的性質は下記の通りである。
mp 204 ℃ (dec)。
H−NMR (CDCl):δ ppm
7.45(d、 4H、 J = 8.0 Hz)、 7.79-7.84(m、 8H)、 8.36-8.38(m、 2H)、 8.82-8.84(m、 2H)。
13C−NMR (CDCl):δ ppm
88.8、102.6、121.7、122.8、127.3、128.5、129.0、130.3、131.6、133.5、133.9、134.3、135.0、135.5、182.1。
IR (ATR)3066、2930、2204、1676、1646、1591、1488、 1375、1347、1295、1256、1094、1015、984、821、761cm-1
HRMS (DART) m/z 527.0608(527.0606 calcd for C3417Cl [M+H])。
実施例17
ジオール 9bの製造
Figure 2016169213
アルゴン雰囲気下、フェニルアセチレン(401mg、 2.40mmol)のテトラヒドロフラン溶液(6.0ml)に、−20℃でn−BuLi(1.60Mヘキサン溶液、 1.50mL、 2.40mmol)を加えた。反応液を−20℃で10分間攪拌し、続いて−78℃まで冷却した後、テトラセンキノン化合物 7b(253mg、 0.480mmol)を加えた。反応温度を室温までゆっくり昇温してから、さらに15時間攪拌した後、飽和塩化アンモニウム水溶液を加えて反応を停止した。得られた反応溶液を酢酸エチルにより抽出し、分液した。得られた有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムを用いて乾燥した後、溶媒を減圧留去し、粗生成物を得た。得られた粗生成物をジエチルエーテルを用いてトリチュレートすることにより、ジオール 9b(161mg、 42%)を淡黄色固体として得た。
得られたジオール 9bの理化学的性質は下記の通りである。
Mp 179 ℃ (dec)。
H−NMR (CDCl):δ ppm
5.22(s、 2H)、 7.14-7.19(m、 8H)、 7.40-7.42(m、 4H)、 7.57-7.59(m、 2H)、 7.65-7.67(m、 4H)、 7.72-7.74(m、 2H)、 8.16-8.18 (m、 2H)、 8.61-8.63(m、 2H)。
13C−NMR (CDCl):δ ppm
66.9、85.2、87.7、94.4、105.5、120.2、120.7、121.0、126.6、128.5、128.7、129.2、129.3、132.7、132.8、133.5、134.5、134.7、135.8、137.6。
IR (ATR) 3518、3066、2924、2207、1537、1489、1397、1338、1282、1192、1092、1006、963、823、762、734 cm-1
HRMS (ESI) m/z 821.0612 (821.0585 calcd for C5026ClNaO [M+Na])。
実施例18
ルブレン誘導体 4bの製造
Figure 2016169213
アルゴン雰囲気下、ジオール 9b(15.7 mg、 19.6 μmol)、塩化スズ(38 mg、 0.20 mmol)、クロロホルム(0.8 mL)およびエタノール(0.2 mL)の混合液中に、0℃で1M塩酸を加えてから、2時間攪拌した後、反応温度を室温まで昇温した。反応液を室温にて1時間攪拌した後、水とクロロホルムを加えて反応を停止した。得られた反応溶液をクロロホルムにより抽出し、分液した。得られた有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムを用いて乾燥した後、溶媒を減圧留去し、粗生成物を得た。得られた粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(関東化学株式会社製 シリカゲル 60N 粒子径63−210μm; n−ヘキサン/アセトン=9:1(容量比)により精製し、ルブレン誘導体 4b(5.5mg、 37% yield)を青色固体として得た。
得られたルブレン誘導体 4bの理化学的性質は、実施例6にて得られたデータと一致した。
本発明の化合物は、広がったπ共役構造を有しているものの、溶解性に優れており、湿式法に適用可能な有機半導体材料として好適に使用し得る。

Claims (12)

  1. 下記一般式(4):
    Figure 2016169213
    (式中、Ar、Ar、Ar及びArは、同一又は異なって、単環式若しくは多環式の芳香族炭化水素環基又は単環式若しくは多環式の芳香族複素環基を示す。R、R、R及びRは、同一又は異なって、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数1〜12のアルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、ハロゲン基、トリアルキルシリル基、ジアルキルアミノ基、ジアリールアミノ基、アルキルチオ基、アリールチオ基を示す。n1、n2、n3及びn4は、各々、0〜4の整数を示す。R 、R 、R 及びR は、水素原子であるか、又は隣接する基と互いに結合することで芳香環を形成する基である。R 、R 、R 及びR は、水素原子であるか、又は隣接する基と互いに結合することで芳香環を形成する基である。)
    で表わされる化合物。
  2. 前記R 、R 、R 、R 、R 、R 、R 及びR が、全て水素原子である、請求項1に記載の化合物。
  3. 前記Ar、Ar、Ar及びArが、同一又は異なって、フェニル基、ナフチル基、アントリル基、2−チエニル基、2−フリル基又は2−ピリジル基である、請求項1又は2に記載の化合物。
  4. 下記一般式(3):
    Figure 2016169213
    (式中、Ar、Ar、Ar、Ar、R、R、R、R、R 、R 、R 、R 、R 、R 、R 、R 、n1、n2、n3及びn4は請求項1に同じ。)
    で表わされる化合物を酸化合物と反応させる工程を含む、請求項1〜3の何れか1項に記載の化合物の製造方法。
  5. 下記一般式(1):
    Figure 2016169213
    (式中、Ar、Ar、R、R、R 、R 、R 、R 、n1及びn2は請求項1に同じ。)
    で表わされる化合物と、下記一般式(2):
    Figure 2016169213
    (式中、Ar、Ar、R、R、R 、R 、R 、R 、n3及びn4は請求項1に同じ。X及びXは水素原子、トリアルキルシリル基又は脱離基を示す。ただし、X及びXの少なくとも一方は脱離基である。)
    で表わされる化合物とを、フッ化塩及び/又は塩基化合物の存在下に反応させる工程をさらに含む、請求項4に記載の製造方法。
  6. 下記一般式(9):
    Figure 2016169213
    (式中、Ar、Ar、Ar、Ar、R、R、R、R、R 、R 、R 、R 、R 、R 、R 、R 、n1、n2、n3及びn4は請求項1に同じ。)
    で表わされる化合物を芳香族化する工程を含む、請求項1〜3の何れか1項に記載の化合物の製造方法。
  7. 下記一般式(7):
    Figure 2016169213
    (式中、Ar、Ar、R、R、R 、R 、R 、R 、R 、R 、R 、R 、n1及びn2は請求項1に同じ。)
    で表わされる化合物に、下記一般式(8):
    Figure 2016169213
    (式中、Ar、R及びn3は請求項1に同じ。)
    で表わされる化合物を求核付加反応させる工程をさらに含む、
    請求項6に記載の製造方法。
  8. 下記一般式(7):
    Figure 2016169213
    (式中、Ar及びArは、同一又は異なって、単環式若しくは多環式の芳香族炭化水素環基又は単環式若しくは多環式の芳香族複素環基を示す。R及びRは、同一又は異なって、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数1〜12のアルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、ハロゲン基、トリアルキルシリル基、ジアルキルアミノ基、ジアリールアミノ基、アルキルチオ基、アリールチオ基を示す。n1及びn2は、各々、0〜4の整数を示す。R 、R 、R 及びR は、水素原子であるか、又は隣接する基と互いに結合することで芳香環を形成する基である。R 、R 、R 及びR は、水素原子であるか、又は隣接する基と互いに結合することで芳香環を形成する基である。)
    で表わされる化合物。
  9. 前記R 、R 、R 、R 、R 、R 、R 及びR が、全て水素原子である、請求項8に記載の化合物。
  10. 前記Ar及びArが、同一又は異なってフェニル基、ナフチル基、アントリル基、2−チエニル基、2−フリル基又は2−ピリジル基である、請求項8又は9に記載の化合物。
  11. 下記一般式(6):
    Figure 2016169213
    (式中、Ar、Ar、R、R、R 、R 、R 、R 、R 、R 、R 、R 、n1及びn2は請求項8に同じ。)
    で表わされる化合物を芳香族化する工程を含む、請求項8〜10の何れか1項に記載の化合物の製造方法。
  12. 下記一般式(1):
    Figure 2016169213
    (式中、Ar、Ar、R、R、R 、R 、R 、R 、n1及びn2は請求項8に同じ。)
    で表わされる化合物と、下記一般式(5):
    Figure 2016169213
    (式中、R 、R 、R 及びR は請求項8に同じ。)
    で表わされる化合物を、環付加反応させる工程をさらに含む、
    請求項11に記載の製造方法。
JP2016045378A 2015-03-10 2016-03-09 ルブレン誘導体及びその製造方法 Active JP6708447B2 (ja)

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015047616 2015-03-10
JP2015047616 2015-03-10

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2016169213A true JP2016169213A (ja) 2016-09-23
JP6708447B2 JP6708447B2 (ja) 2020-06-10

Family

ID=56983233

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016045378A Active JP6708447B2 (ja) 2015-03-10 2016-03-09 ルブレン誘導体及びその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6708447B2 (ja)

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH1187060A (ja) * 1997-09-10 1999-03-30 Asahi Glass Co Ltd 新規有機エレクトロルミネッセンス素子
WO2007068618A1 (en) * 2005-12-12 2007-06-21 Ciba Holding Inc. Organic semiconductors and their manufacture
JP2007519227A (ja) * 2003-11-28 2007-07-12 メルク パテント ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフトング 有機半導体層およびその改善
JP2008103464A (ja) * 2006-10-18 2008-05-01 Konica Minolta Holdings Inc 有機半導体材料、有機半導体膜、有機半導体デバイス及び有機薄膜トランジスタ
JP2010524865A (ja) * 2007-04-19 2010-07-22 メルク パテント ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング 置換されたペンタセン類の調製方法

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH1187060A (ja) * 1997-09-10 1999-03-30 Asahi Glass Co Ltd 新規有機エレクトロルミネッセンス素子
JP2007519227A (ja) * 2003-11-28 2007-07-12 メルク パテント ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフトング 有機半導体層およびその改善
WO2007068618A1 (en) * 2005-12-12 2007-06-21 Ciba Holding Inc. Organic semiconductors and their manufacture
JP2008103464A (ja) * 2006-10-18 2008-05-01 Konica Minolta Holdings Inc 有機半導体材料、有機半導体膜、有機半導体デバイス及び有機薄膜トランジスタ
JP2010524865A (ja) * 2007-04-19 2010-07-22 メルク パテント ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング 置換されたペンタセン類の調製方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP6708447B2 (ja) 2020-06-10

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN110225917A (zh) 新的化合物和使用其的有机发光器件
TWI620745B (zh) 芳香族化合物之製造方法
CN107382926B (zh) 化合物及其有机电子装置
TW201714869A (zh) 有機電激發光裝置及其材料
WO2013152727A1 (en) Platinum(ii) complexes for oled applications
WO2021135183A1 (zh) 有机化合物、有机电致发光器件和电子装置
CN113227082A (zh) 新型化合物及利用其的有机发光器件
CN109942637B (zh) 金属配合物、有机电致发光器件
CN115304566A (zh) 一种发光辅助材料及其制备方法和应用
CN101395160B (zh) 稠环化合物的制备方法
CN107312013B (zh) 一种通式化合物及有机电致发光的应用
CN114075231B (zh) 一种有机化合物以及使用其的有机电致发光器件和电子装置
CN113549059B (zh) 有机化合物及包含其的电子器件和电子装置
JP5481815B2 (ja) ビフェニレン誘導体、その用途、及びその製造方法
JP2024502895A (ja) 新規な化合物およびこれを利用した有機発光素子
JP5147103B2 (ja) ベンゾメタロールの合成方法および新規ジイン化合物
KR102422398B1 (ko) 축합 다환 화합물 및 그 제조방법과 용도
CN109053555B (zh) 一种含氰基结构的化合物及其有机发光器件
CN114933571B (zh) 有机化合物、电子元件和电子装置
JP6420889B2 (ja) 化合物およびそれを用いた有機電子デバイス
CN116143637A (zh) 有机化合物及包含其的有机电致发光器件和电子装置
JP6708447B2 (ja) ルブレン誘導体及びその製造方法
EP3242868A1 (en) Organic compounds and electronic device comprising organic layer comprising organic compounds
KR101424978B1 (ko) 길만시약 화합물을 이용한 헤테로 융합고리 화합물의 신규한 제조방법
JP2012236777A (ja) インドロカルバゾール含有イミド化合物及び合成中間体、これらの製造方法、有機半導体組成物、ならびに有機太陽電池素子

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20160318

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20190118

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20191010

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20191023

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20191219

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20200210

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20200210

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20200422

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20200521

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6708447

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250