JP2016169141A - 支持ガラス基板及びこれを用いた積層体 - Google Patents

支持ガラス基板及びこれを用いた積層体 Download PDF

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Abstract

【課題】加工基板の寸法変化を生じさせ難く、再利用回数の増加に資して、半導体パッケージの高密度実装と低コスト化に寄与する支持基板及びこれを用いた積層体の提供。【解決手段】80℃、5質量%のHCl水溶液に24時間浸漬した後の表面の算術平均粗さRaが5nm以下であり、全体板厚偏差が3.0μm以下であって、ガラス組成として、質量%で、SiO2:55〜75%、Al2O3:3〜15%、B2O3:5〜20%、MgO:0〜5%、CaO:0〜10%、SrO:0〜5%、BaO:0〜5%、ZnO:0〜5%、Na2O:5〜15%、K2O:0〜10%を含有し、[SiO2−Al2O3—B2O3−Na2O]の値が25.6質量%以上であり、板厚が2.0mm未満で反り量が60μm以下である支持ガラス基板1。【選択図】図1

Description

本発明は、支持ガラス基板及びこれを用いた積層体に関し、具体的には、半導体パッケージの製造工程で加工基板の支持に用いる支持ガラス基板及びこれを用いた積層体に関する。
携帯電話、ノート型パーソナルコンピュータ、PDA(Personal Data Assistance)等の携帯型電子機器には、小型化及び軽量化が要求されている。これに伴い、これらの電子機器に用いられる半導体チップの実装スペースも厳しく制限されており、半導体チップの高密度な実装が課題になっている。そこで、近年では、三次元実装技術、すなわち半導体チップ同士を積層し、各半導体チップ間を配線接続することにより、半導体パッケージの高密度実装を図っている。
また、従来のウェハレベルパッケージ(WLP)は、バンプをウェハの状態で形成した後、ダイシングで個片化することにより作製されている。しかし、従来のWLPは、ピン数を増加させ難いことに加えて、半導体チップの裏面が露出した状態で実装されるため、半導体チップの欠け等が発生し易いという問題があった。
そこで、新たなWLPとして、fan out型のWLPが提案されている。fan out型のWLPは、ピン数を増加させることが可能であり、また半導体チップの端部を保護することにより、半導体チップの欠け等を防止することができる。
fan out型のWLPでは、複数の半導体チップを樹脂の封止材でモールドして、加工基板を形成した後に、加工基板の一方の表面に配線する工程、半田バンプを形成する工程等を有する。
これらの工程は、約200℃の熱処理を伴うため、封止材が変形して、加工基板が寸法変化する虞がある。加工基板が寸法変化すると、加工基板の一方の表面に対して、高密度に配線することが困難になり、また半田バンプを正確に形成することも困難になる。
加工基板の寸法変化を抑制するために、加工基板を支持するための支持基板を用いることが有効である。しかし、支持基板を用いた場合であっても、加工基板の寸法変化が生じる場合があった。特に、加工基板内で半導体チップの割合が少なく、封止材の割合が多い場合に、加工基板の寸法変化が生じ易かった。
また、加工基板と支持基板は、接着層、剥離層等を介して一体化されている。そして、加工基板と支持基板は、加工基板の加工処理後に分離される。
現在、支持基板は、加工基板から分離された後に廃棄されているが、これを再利用できれば、半導体パッケージの低コスト化を図ることができる。
支持基板を再利用する場合、酸処理により、支持基板に残存する接着層、剥離層を可及的に除去しなければならない。しかし、現状の支持基板を酸処理すると、支持基板の表面が荒れてしまい、加工基板を正確に支持することが困難になる。
本発明は、上記事情に鑑みなされたものであり、その技術的課題は、加工基板の寸法変化を生じさせ難く、再利用回数の増加に資する支持基板及びこれを用いた積層体を創案することにより、半導体パッケージの高密度実装と低コスト化に寄与することである。
本発明者は、種々の実験を繰り返した結果、支持基板としてガラス基板を採択すると共に、このガラス基板の耐酸性を高めることにより、上記技術的課題を解決し得ることを見出し、本発明として、提案するものである。すなわち、本発明の支持ガラス基板は、80℃、5質量%のHCl水溶液に24時間浸漬した後の表面の算術平均粗さRaが5nm以下になることを特徴とする。ここで、「表面の算術平均粗さRa」は、例えば、原子間力顕微鏡(Bruker Nano社製、Dimension Icon SPM System)を用いて、試料表面について、スキャンサイズ5μm×5μm(取り込み間隔:512ポイント×512ポイント)、スキャンレート1Hzで凹凸形状を測定し、得られた表面粗さ曲線から算出可能である。なお、算術平均粗さRaは、基準範囲Nにおける粗さ曲線Zの絶対値の平均であり、数式1により算出される。
ガラス基板は、表面を平滑化し易く、且つ剛性を有する。よって、ガラス基板を用いると、積層体全体の剛性を高めることができ、加工基板の加工処理時に加工基板の寸法変化(特に反り変形)を抑制し易くなる。またガラス基板は、紫外光等の光を透過し易い。よって、ガラス基板を用いると、接着層等を設けることにより加工基板とガラス基板を容易に固定することができる。また剥離層等を設けることにより加工基板とガラス基板を容易に分離することもできる。
本発明の支持ガラス基板は、80℃、5質量%のHCl水溶液に24時間浸漬した後の表面の算術平均粗さRaが5nm以下になる。これにより、表面を粗面化させずに、酸処理により、支持基板に残存する接着層、剥離層を効果的に除去することができる。結果として、支持ガラス基板の再利用回数(耐用数)を増加させることが可能になる。
第二に、本発明の支持ガラス基板は、全体板厚偏差が3.0μm以下であることが好ましい。ここで、「全体板厚偏差」は、支持ガラス基板全体の最大板厚と最小板厚の差であり、例えばコベルコ科研社製のBow/Warp測定装置 SBW−331ML/dにより測定可能である。
第三に、本発明の支持ガラス基板は、半導体パッケージの製造工程で加工基板の支持に用いることが好ましい。
第四に、本発明の支持ガラス基板は、ガラス内部に合わせ面を有すること、つまりオーバーフローダウンドロー法で成形されてなることが好ましい。
第五に、本発明の支持ガラス基板は、ガラス組成中の[SiO−Al―B−NaO]の含有量が25.6質量%以上であることが好ましい。これにより、耐酸性が向上し、支持ガラス基板の再利用回数を増加させることが可能になる。ここで、「SiO−Al―B−NaO」は、ガラス組成中のSiOの含有量から、Al、B及びNaOの含有量を減じた値を指す。
第六に、本発明の支持ガラス基板は、ガラス組成として、質量%で、SiO 55〜75%、Al 3〜15%、B 5〜20%、MgO 0〜5%、CaO 0〜10%、SrO 0〜5%、BaO 0〜5%、ZnO 0〜5%、NaO 5〜15%、KO 0〜10%を含有し、[SiO−Al―B−NaO]の値が25.6質量%以上であることを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載の支持ガラス基板。
第七に、本発明の支持ガラス基板は、ガラス組成として、質量%で、SiO 60〜75%、Al 5〜15%、B 5〜20%、MgO 0〜5%、CaO 0〜10%、SrO 0〜5%、BaO 0〜5%、ZnO 0〜5%、NaO 7〜16%、KO 0〜8%を含有し、[SiO−Al―B−NaO]の値が25.6質量%以上であることが好ましい。
第八に、本発明の支持ガラス基板は、板厚が2.0mm未満であり、且つ反り量が60μm以下であることが好ましい。ここで、「反り量」は、支持ガラス基板全体における最高位点と最小二乗焦点面との間の最大距離の絶対値と、最低位点と最小二乗焦点面との絶対値との合計を指し、例えばコベルコ科研社製のBow/Warp測定装置 SBW−331ML/dにより測定可能である。
第九に、本発明の積層体は、少なくとも加工基板と加工基板を支持するための支持ガラス基板とを備える積層体であって、支持ガラス基板が上記の支持ガラス基板であることが好ましい。
第十に、本発明の積層体は、加工基板が、少なくとも封止材でモールドされた半導体チップを備えることが好ましい。
第十一に、本発明の半導体パッケージの製造方法は、少なくとも加工基板と加工基板を支持するための支持ガラス基板とを備える積層体を用意する工程と、加工基板に対して、加工処理を行う工程と、を有すると共に、支持ガラス基板が上記の支持ガラス基板であることが好ましい。
第十二に、本発明の半導体パッケージの製造方法は、加工処理が、加工基板の一方の表面に配線する工程を含むことが好ましい。
第十三に、本発明の半導体パッケージの製造方法は、加工処理が、加工基板の一方の表面に半田バンプを形成する工程を含むことが好ましい。
第十四に、本発明の半導体パッケージは、上記の半導体パッケージの製造方法により作製されたことが好ましい。
第十五に、本発明の電子機器は、半導体パッケージを備える電子機器であって、半導体パッケージが、上記の半導体パッケージであることが好ましい。
本発明の積層体の一例を示す概念斜視図である。 fan out型のWLPの製造工程を示す概念断面図である。 [実施例1]に係る試料No.4をHCl処理する前の表面の原子間力顕微鏡像である。 [実施例1]に係る試料No.4をHCl処理した後の表面の原子間力顕微鏡像である。 [実施例1]に係る試料No.25をHCl処理する前の表面の原子間力顕微鏡像である。 [実施例1]に係る試料No.25をHCl処理した後の表面の原子間力顕微鏡像である。
本発明の支持ガラス基板において、80℃、5質量%のHCl水溶液に24時間浸漬した後の表面の算術平均粗さRaは、好ましくは5nm以下、4nm以下、3nm以下、2nm以下、1nm以下、0.7nm以下、特に0.5nm以下である。表面の算術平均粗さRaが大きくなり過ぎると、酸処理により表面が荒れ過ぎて、支持ガラス基板の再利用回数を増加させることが困難になる。
本発明の支持ガラス基板において、ガラス組成中の[SiO−Al―B−NaO]の含有量は、好ましくは25.6質量%以上、30質量%以上、35質量%以上、40質量%以上、特に42〜50質量%である。ガラス組成中の[SiO−Al―B−NaO]の含有量が少な過ぎると、耐酸性が低下し易くなり、支持ガラス基板の再利用回数を増加させることが困難になる。
各成分の効果は、以下の通りである。
SiOは、ガラスのネットワークを形成する成分であり、また耐酸性を高める成分である。SiOの含有量が少な過ぎると、耐失透性や耐酸性が低下し易くなる。一方、SiOの含有量が多過ぎると、溶融性や成形性が低下し易くなる。
Alは、歪点やヤング率を高める成分である。一方、Alの含有量が多過ぎると、ガラスに失透結晶が析出し易くなって、フロート法、オーバーフローダウンドロー法等でガラス基板を成形し難くなる。また耐酸性が低下し易くなる。
は、高温粘度や密度を低下させると共に、ガラスを安定化させて結晶を析出させ難くし、また液相温度を低下させる成分である。しかし、Bの含有量が多過ぎると、耐酸性が低下し易くなる。
NaOは、高温粘度を低下させて、溶融性や成形性を高める成分であり、また耐失透性を改善する成分でもある。NaOの含有量が少な過ぎると、溶融性が低下し易くなる。一方、NaOの含有量が多過ぎると、耐酸性が低下し易くなる。
本発明の支持ガラス基板において、30〜380℃の温度範囲における平均熱膨張係数は0×10−7/℃以上、且つ165×10−7/℃以下が好ましい。これにより、加工基板と支持ガラス基板の熱膨張係数を整合させ易くなる。そして、両者の熱膨張係数が整合すると、加工処理時に加工基板の寸法変化(特に、反り変形)を抑制し易くなる。結果として、加工基板の一方の表面に対して、高密度に配線することが可能になり、また半田バンプを正確に形成することも可能になる。なお、「30〜380℃の温度範囲における平均熱膨張係数」は、ディラトメーターで測定可能である。
30〜380℃の温度範囲における平均熱膨張係数は、加工基板内で半導体チップの割合が少なく、封止材の割合が多い場合は、上昇させることが好ましく、逆に、加工基板内で半導体チップの割合が多く、封止材の割合が少ない場合は、低下させることが好ましい。
30〜380℃の温度範囲における平均熱膨張係数を0×10−7/℃以上、且つ50×10−7/℃未満に規制したい場合、支持ガラス基板は、ガラス組成として、質量%で、SiO 55〜75%、Al 15〜30%、LiO 0.1〜6%、NaO+KO 0〜8%、MgO+CaO+SrO+BaO 0〜10%を含有することが好ましく、或いはSiO 55〜75%、Al 10〜30%、LiO+NaO+KO 0〜0.3%、MgO+CaO+SrO+BaO 5〜20%を含有することも好ましい。
他の組成として、本発明の支持ガラス基板は、ガラス組成として、質量%で、SiO 55〜68%、Al 12〜25%、B 0〜15%、MgO+CaO+SrO+BaO 5〜30%を含有することが好ましい。ここで、「MgO+CaO+SrO+BaO」は、MgO、CaO、SrO及びBaOの合量である。
30〜380℃の温度範囲における平均熱膨張係数を50×10−7/℃以上、且つ70×10−7/℃未満に規制したい場合、支持ガラス基板は、ガラス組成として、質量%で、SiO 55〜75%、Al 3〜15%、B 5〜20%、MgO 0〜5%、CaO 0〜10%、SrO 0〜5%、BaO 0〜5%、ZnO 0〜5%、NaO 5〜15%、KO 0〜10%を含有することが好ましく、SiO 64〜71%、Al 5〜10%、B 8〜15%、MgO 0〜5%、CaO 0〜6%、SrO 0〜3%、BaO 0〜3%、ZnO 0〜3%、NaO 5〜15%、KO 0〜5%を含有することがより好ましい。30〜380℃の温度範囲における平均熱膨張係数を70×10−7/℃以上、且つ85×10−7/℃以下に規制したい場合、支持ガラス基板は、ガラス組成として、質量%で、SiO 60〜75%、Al 5〜15%、B 5〜20%、MgO 0〜5%、CaO 0〜10%、SrO 0〜5%、BaO 0〜5%、ZnO 0〜5%、NaO 7〜16%、KO 0〜8%を含有することが好ましく、SiO 60〜68%、Al 5〜15%、B 5〜20%、MgO 0〜5%、CaO 0〜10%、SrO 0〜3%、BaO 0〜3%、ZnO 0〜3%、NaO 8〜16%、KO 0〜3%を含有することが好ましい。30〜380℃の温度範囲における平均熱膨張係数を85×10−7/℃超、且つ120×10−7/℃以下に規制したい場合、支持ガラス基板は、ガラス組成として、質量%で、SiO 55〜70%、Al 3〜13%、B 2〜8%、MgO 0〜5%、CaO 0〜10%、SrO 0〜5%、BaO 0〜5%、ZnO 0〜5%、NaO 10〜21%、KO 0〜5%を含有することが好ましい。30〜380℃の温度範囲における平均熱膨張係数を120×10−7/℃超、且つ165×10−7/℃以下に規制したい場合、支持ガラス基板は、ガラス組成として、質量%で、SiO 53〜65%、Al 3〜13%、B 0〜5%、MgO 0.1〜6%、CaO 0〜10%、SrO 0〜5%、BaO 0〜5%、ZnO 0〜5%、NaO+KO 20〜40%、NaO 12〜21%、KO 7〜21%を含有することが好ましい。このようにすれば、熱膨張係数を所望の範囲に規制し易くなると共に、耐失透性が向上するため、全体板厚偏差が小さい支持ガラス基板を成形し易くなる。なお、「NaO+KO」は、NaOとKOの合量を指す。「MgO+CaO+SrO+BaO」は、MgO、CaO、SrO及びBaOの合量を指す。
ガラス組成中に、清澄剤としてAs、Sb、CeO、SnO、F、Cl、SOの群(好ましくはSnO、Cl、SOの群)から選択された一種又は二種以上を0〜3%添加してもよい。SnO+SO+Clの含有量は、好ましくは0〜1%、100〜3000ppm、300〜2500ppm、特に500〜2500ppmである。なお、SnO+SO+Clの含有量が100ppmより少ないと、清澄効果を享受し難くなる。ここで、「SnO+SO+Cl」は、SnO、SO、及びClの合量を指す。
環境的観点から、As、Sb、Fの使用は極力控えることが好ましく、実質的に含有しないことが好ましい。ここで、「実質的にAsを含有しない」とは、具体的には、Asの含有量が500ppm(質量)未満であることを指す。「実質的にSbを含有しない」とは、具体的には、Sbの含有量が500ppm(質量)未満であることを指す。「実質的にFを含有しない」とは、具体的には、Fの含有量が500ppm(質量)未満であることを指す。
環境面の配慮から、ガラス組成中に実質的にPbO、Biを含有しないことが好ましい。ここで、「実質的にPbOを含有しない」とは、ガラス成分として積極的にPbOを添加しないものの、不純物として混入する場合を許容する趣旨であり、具体的には、PbOの含有量が500ppm(質量)未満であることを指す。「実質的にBiを含有しない」とは、ガラス成分として積極的にBiを添加しないものの、不純物として混入する場合を許容する趣旨であり、具体的には、Biの含有量が500ppm(質量)未満であることを指す。
本発明の支持ガラス基板は、以下の特性を有することが好ましい。
液相温度は、好ましくは1150℃未満、1120℃以下、1100℃以下、1080℃以下、1050℃以下、1010℃以下、980℃以下、960℃以下、950℃以下、特に940℃以下である。このようにすれば、ダウンドロー法、特にオーバーフローダウンドロー法でガラス基板を成形し易くなるため、板厚が小さいガラス基板を作製し易くなると共に、表面を研磨しなくても、全体板厚偏差を低減することができる。或いは、少量の研磨によって、全体板厚偏差を2.0μm未満、特に1.0μm未満まで低減することができる。結果として、ガラス基板の製造コストを低廉化することもできる。更に、ガラス基板の製造工程時に、失透結晶が発生して、ガラス基板の生産性が低下する事態を防止し易くなる。ここで、「液相温度」は、標準篩30メッシュ(500μm)を通過し、50メッシュ(300μm)に残るガラス粉末を白金ボートに入れた後、温度勾配炉中に24時間保持して、結晶が析出する温度を測定することにより算出可能である。
液相温度における粘度は、好ましくは104.8dPa・s以上、105.0dPa・s以上、105.2dPa・s以上、105.4dPa・s以上、特に105.6dPa・s以上である。このようにすれば、ダウンドロー法、特にオーバーフローダウンドロー法でガラス基板を成形し易くなるため、板厚が小さいガラス基板を作製し易くなると共に、表面を研磨しなくても、全体板厚偏差を高めることができる。或いは、少量の研磨によって、全体板厚偏差を2.0μm未満、特に1.0μm未満まで低減することができる。結果として、ガラス基板の製造コストを低廉化することができる。更に、ガラス基板の製造工程時に、失透結晶が発生して、ガラス基板の生産性が低下する事態を防止し易くなる。ここで、「液相温度における粘度」は、白金球引き上げ法で測定可能である。なお、液相温度における粘度は、成形性の指標であり、液相温度における粘度が高い程、成形性が向上する。
102.5dPa・sにおける温度は、好ましくは1650℃以下、1600℃以下、1550℃以下、特に1350〜1500℃である。102.5dPa・sにおける温度が高くなると、溶融性が低下して、ガラス基板の製造コストが高騰する。ここで、「102.5dPa・sにおける温度」は、白金球引き上げ法で測定可能である。なお、102.5dPa・sにおける温度は、溶融温度に相当し、この温度が低い程、溶融性が向上する。
本発明の支持ガラス基板において、ヤング率は、好ましくは60GPa以上、65GPa以上、70GPa以上、特に75〜130GPaである。加工基板内で半導体チップの割合が少なく、封止材の割合が多い場合、積層体全体の剛性が低下して、加工処理時に加工基板が反り易くなる。そこで、支持ガラス基板のヤング率を高めると、加工基板の反り変形を抑制し易くなり、加工基板を強固、且つ正確に支持することが可能になる。ここで、「ヤング率」は、曲げ共振法により測定した値を指す。
板厚方向、波長300nmにおける紫外線透過率は、好ましくは40%以上、50%以上、60%以上、70%以上、特に80%以上である。紫外線透過率が低過ぎると、紫外光の照射により、接着層により加工基板と支持ガラス基板を接着し難くなる紫外線透過率が低過ぎると、紫外光の照射により、接着層により加工基板と支持基板を接着し難くなる。また、紫外線硬化型テープ等で接着層等を設けた場合は、加工基板と支持ガラス基板を容易に分離し難くなる。なお、「板厚方向、波長300nmにおける紫外線透過率」は、例えば、ダブルビーム型分光光度計を用いて、波長300nmの分光透過率を測定することで評価可能である。
本発明の支持ガラス基板は、ダウンドロー法、特にオーバーフローダウンドロー法で成形されてなることが好ましい。オーバーフローダウンドロー法は、耐熱性の樋状構造物の両側から溶融ガラスを溢れさせて、溢れた溶融ガラスを樋状構造物の下頂端で合流させて、ガラス内部に合わせ面を形成しながら、下方に延伸成形してガラス基板を製造する方法である。オーバーフローダウンドロー法では、ガラス基板の表面となるべき面は樋状耐火物に接触せず、自由表面の状態で成形される。このため、板厚が小さいガラス基板を作製し易くなると共に、表面を研磨しなくても、全体板厚偏差を低減することができる。或いは、少量の研磨によって、全体板厚偏差を2.0μm未満、特に1.0μm未満まで低減することができる。結果として、ガラス基板の製造コストを低廉化することができる。
ガラス基板の成形方法として、オーバーフローダウンドロー法以外にも、例えば、スロットダウン法、リドロー法、フロート法等を採択することもできる。
本発明の支持ガラス基板は、略円板状又はウェハ状が好ましく、その直径は100mm以上500mm以下、特に150mm以上450mm以下が好ましい。このようにすれば、半導体パッケージの製造工程に適用し易くなる。必要に応じて、それ以外の形状、例えば矩形等の形状に加工してもよい。真円度は、1mm以下、0.1mm以下、0.05mm以下、特に0.03mm以下が好ましい。真円度が小さい程、半導体パッケージの製造工程に適用し易くなる。なお、真円度の定義は、ウェハの外形の最大値から最小値を減じた値である。
本発明の支持ガラス基板において、全体板厚偏差は、好ましくは3μm以下、2μm以下、2μm未満、1μm以下、特に0.1〜1μm未満である。また表面の算術平均粗さRa(但し、HCl水溶液に浸漬前)は、好ましくは5nm以下、2nm以下、1.5nm以下、1nm以下、0.8nm以下、特に0.5nm以下である。表面精度が高い程、加工処理の精度を高め易くなる。特に配線精度を高めることができるため、高密度の配線が可能になる。また支持ガラス基板の強度が向上して、支持ガラス基板及び積層体が破損し難くなる。なお、「算術平均粗さRa」は、原子間力顕微鏡(AFM)により測定可能である。
本発明の支持ガラス基板は、オーバーフローダウンドロー法で成形した後に、表面を研磨されてなることが好ましい。このようにすれば、全体板厚偏差を2.0μm未満、特に1.0μm未満に規制し易くなる。
板厚は、好ましくは2.0mm未満、1.5mm以下、1.2mm以下、1.1mm以下、1.0mm以下、特に0.9mm以下である。板厚が薄くなる程、積層体の質量が軽くなるため、ハンドリング性が向上する。一方、板厚が薄過ぎると、支持ガラス基板自体の強度が低下して、支持基板としての機能を果たし難くなる。よって、板厚は、好ましくは0.1mm以上、0.2mm以上、0.3mm以上、0.4mm以上、0.5mm以上、0.6mm以上、特に0.7mm超である。
反り量は、好ましくは60μm以下、55μm以下、50μm以下、1〜45μm、特に5〜40μmである。反り量が小さい程、加工処理の精度を高め易くなる。特に配線精度を高めることができるため、高密度の配線が可能になる。
本発明の支持ガラス基板は、イオン交換処理が行われていないことが好ましく、表面に圧縮応力層を有しないことが好ましい。イオン交換処理を行うと、支持ガラス基板の製造コストが高騰する。更に、イオン交換処理を行うと、支持ガラス基板の全体板厚偏差を低減し難くなる。なお、本発明の支持ガラス基板は、イオン交換処理を行い、表面に圧縮応力層を形成する態様を排除するものではない。機械的強度を高める観点から言えば、イオン交換処理を行い、表面に圧縮応力層を形成することが好ましい。
本発明の積層体は、少なくとも加工基板と加工基板を支持するための支持ガラス基板とを備える積層体であって、支持ガラス基板が上記の支持ガラス基板であることを特徴とする。ここで、本発明の積層体の技術的特徴(好適な構成、効果)は、本発明の支持ガラス基板の技術的特徴と重複する。よって、本明細書では、その重複部分について、詳細な記載を省略する。
本発明の積層体は、加工基板と支持ガラス基板の間に、接着層を有することが好ましい。接着層は、樹脂であることが好ましく、例えば、熱硬化性樹脂、光硬化性樹脂(特に紫外線硬化樹脂)等が好ましい。また半導体パッケージの製造工程における熱処理に耐える耐熱性を有するものが好ましい。これにより、半導体パッケージの製造工程で接着層が融解し難くなり、加工処理の精度を高めることができる。なお、加工基板と支持ガラス基板を容易に固定するため、紫外線硬化型テープを接着層として使用することもできる。
本発明の積層体は、更に加工基板と支持ガラス基板の間に、より具体的には加工基板と接着層の間に、剥離層を有することが好ましい。このようにすれば、加工基板に対して、所定の加工処理を行った後に、加工基板を支持ガラス基板から剥離し易くなる。加工基板の剥離は、生産性の観点から、レーザー光等の照射光により行うことが好ましい。レーザー光源として、YAGレーザー(波長1064nm)、半導体レーザー(波長780〜1300nm)等の赤外光レーザー光源を用いることができる。また、剥離層には赤外線レーザーを照射することで分解する樹脂を使用することができる。また、赤外線を効率よく吸収し、熱に変換する物質を樹脂に添加することもできる。例えば、カーボンブラック、グラファイト粉、微粒子金属粉末、染料、顔料等を樹脂に添加することもできる。
剥離層は、レーザー光等の照射光により「層内剥離」又は「界面剥離」が生じる材料で構成される。つまり一定の強度の光を照射すると、原子又は分子における原子間又は分子間の結合力が消失又は減少して、アブレーション(ablation)等を生じ、剥離を生じさせる材料で構成される。なお、照射光の照射により、剥離層に含まれる成分が気体となって放出されて分離に至る場合と、剥離層が光を吸収して気体になり、その蒸気が放出されて分離に至る場合とがある。
本発明の積層体において、支持ガラス基板は、加工基板よりも大きいことが好ましい。これにより、加工基板と支持ガラス基板を支持する際に、両者の中心位置が僅かに離間した場合でも、支持ガラス基板から加工基板の縁部が食み出し難くなる。
本発明の半導体パッケージの製造方法は、少なくとも加工基板と加工基板を支持するための支持ガラス基板とを備える積層体を用意する工程を有する。少なくとも加工基板と加工基板を支持するための支持ガラス基板とを備える積層体は、上記の材料構成を有している。なお、ガラス基板の成形方法として、上記成形方法を採択することができる。
本発明の半導体パッケージの製造方法は、更に積層体を搬送する工程を有することが好ましい。これにより、加工処理の処理効率を高めることができる。なお、「積層体を搬送する工程」と「加工基板に対して、加工処理を行う工程」とは、必ずしも別途に行う必要はなく、同時であってもよい。
本発明の半導体パッケージの製造方法において、加工処理は、加工基板の一方の表面に配線する処理、或いは加工基板の一方の表面に半田バンプを形成する処理が好ましい。本発明の半導体パッケージの製造方法では、これらの処理時に加工基板が寸法変化し難いため、これらの工程を適正に行うことができる。
加工処理として、上記以外にも、加工基板の一方の表面(通常、支持ガラス基板とは反対側の表面)を機械的に研磨する処理、加工基板の一方の表面(通常、支持ガラス基板とは反対側の表面)をドライエッチングする処理、加工基板の一方の表面(通常、支持ガラス基板とは反対側の表面)をウェットエッチングする処理の何れかであってもよい。なお、本発明の半導体パッケージの製造方法では、加工基板に反りが発生し難いと共に、積層体の剛性を維持することができる。結果として、上記加工処理を適正に行うことができる。
本発明の半導体パッケージは、上記の半導体パッケージの製造方法により作製されたことを特徴とする。ここで、本発明の半導体パッケージの技術的特徴(好適な構成、効果)は、本発明の支持ガラス基板、積層体及び半導体パッケージの製造方法の技術的特徴と重複する。よって、本明細書では、その重複部分について、詳細な記載を省略する。
本発明の電子機器は、半導体パッケージを備える電子機器であって、半導体パッケージが、上記の半導体パッケージであることを特徴とする。ここで、本発明の電子機器の技術的特徴(好適な構成、効果)は、本発明の支持ガラス基板、積層体、半導体パッケージの製造方法、半導体パッケージの技術的特徴と重複する。よって、本明細書では、その重複部分について、詳細な記載を省略する。
図面を参酌しながら、本発明を更に説明する。
図1は、本発明の積層体1の一例を示す概念斜視図である。図1では、積層体1は、支持ガラス基板10と加工基板11とを備えている。支持ガラス基板10は、加工基板11の寸法変化を防止するために、加工基板11に貼着されている。支持ガラス基板10と加工基板11との間には、剥離層12と接着層13が配置されている。剥離層12は、支持ガラス基板10と接触しており、接着層13は、加工基板11と接触している。
図1から分かるように、積層体1は、支持ガラス基板10、剥離層12、接着層13、加工基板11の順に積層配置されている。支持ガラス基板10の形状は、加工基板11に応じて決定されるが、図1では、支持ガラス基板10及び加工基板11の形状は、何れも略円板形状である。剥離層12は、例えばレーザーを照射することで分解する樹脂を使用することができる。また、レーザー光を効率よく吸収し、熱に変換する物質を樹脂に添加することもできる。たとえば、カーボンブラック、グラファイト粉、微粒子金属粉末、染料、顔料などである。剥離層12は、プラズマCVDや、ゾル−ゲル法によるスピンコート等により形成される。接着層13は、樹脂で構成されており、例えば、各種印刷法、インクジェット法、スピンコート法、ロールコート法等により塗布形成される。また、紫外線硬化型テープも使用可能である。接着層13は、剥離層12により加工基板11から支持ガラス基板10が剥離された後、溶剤等により溶解除去される。紫外線硬化型テープは、紫外線を照射した後、剥離用テープにより除去可能である。
図2は、fan out型のWLPの製造工程を示す概念断面図である。図2(a)は、支持部材20の一方の表面上に接着層21を形成した状態を示している。必要に応じて、支持部材20と接着層21の間に剥離層を形成してもよい。次に、図2(b)に示すように、接着層21の上に複数の半導体チップ22を貼付する。その際、半導体チップ22のアクティブ側の面を接着層21に接触させる。次に、図2(c)に示すように、半導体チップ22を樹脂の封止材23でモールドする。封止材23は、圧縮成形後の寸法変化、配線を成形する際の寸法変化が少ない材料が使用される。続いて、図2(d)、(e)に示すように、支持部材20から半導体チップ22がモールドされた加工基板24を分離した後、接着層25を介して、支持ガラス基板26と接着固定させる。その際、加工基板24の表面の内、半導体チップ22が埋め込まれた側の表面とは反対側の表面が支持ガラス基板26側に配置される。このようにして、積層体27を得ることができる。なお、必要に応じて、接着層25と支持ガラス基板26の間に剥離層を形成してもよい。更に、得られた積層体27を搬送した後に、図2(f)に示すように、加工基板24の半導体チップ22が埋め込まれた側の表面に配線28を形成した後、複数の半田バンプ29を形成する。最後に、支持ガラス基板26から加工基板24を分離した後に、加工基板24を半導体チップ22毎に切断し、後のパッケージング工程に供される。また、支持ガラス基板26は、HCl等による酸処理を経た後に再利用に供される。
以下、本発明を実施例に基づいて説明する。なお、以下の実施例は単なる例示である。本発明は、以下の実施例に何ら限定されない。
表1、2は、本発明の実施例(試料No.1〜24)及び比較例(試料No.25)を示している。
まず表中のガラス組成になるように、ガラス原料を調合したガラスバッチを白金坩堝に入れ、1500〜1700℃で8時間溶融した。ガラスバッチの溶解に際しては、白金スターラーを用いて攪拌し、均質化を行った。次いで、溶融ガラスをカーボン板上に流し出し、板状に成形した後、徐冷点より20℃程度高い温度から、3℃/分で常温まで徐冷した。得られた各試料について、30〜380℃の温度範囲における平均線熱膨張係数α30〜380、密度ρ、歪点Ps、徐冷点Ta、軟化点Ts、高温粘度104.0dPa・sにおける温度、高温粘度103.0dPa・sにおける温度、高温粘度102.5dPa・sにおける温度、高温粘度102.0dPa・sにおける温度、液相温度TL、液相温度TLにおける粘度η、ヤング率E及び耐酸性を評価した。
30〜380℃の温度範囲における平均線熱膨張係数α30〜380は、ディラトメーターで測定した値である。
密度ρは、周知のアルキメデス法によって測定した値である。
歪点Ps、徐冷点Ta、軟化点Tsは、ASTM C336の方法に基づいて測定した値である。
高温粘度104.0dPa・s、103.0dPa・s、102.5dPa・sにおける温度は、白金球引き上げ法で測定した値である。
液相温度TLは、標準篩30メッシュ(500μm)を通過し、50メッシュ(300μm)に残るガラス粉末を白金ボートに入れて、温度勾配炉中に24時間保持した後、結晶が析出する温度を顕微鏡観察にて測定した値である。液相温度TLにおける粘度ηは、液相温度TLにおけるガラスの粘度を白金球引き上げ法で測定した値である。
ヤング率Eは、共振法により測定した値を指す。
次のようにして耐酸性を評価した。まず各試料を10mm×50mm×1mm厚に加工した後、イソプロピルアルコールで十分に洗浄した。次に、得られた各試料を乾燥した後、表面の算術平均粗さRaを測定した。更に、5質量%のHCl水溶液を100ml調製し、テフロン(登録商標)ボトル内に入れた後、温度を80℃に調整した。続いて、乾燥後の各試料を5質量%のHCl水溶液中に24時間浸漬した後、各試料の表面を洗浄し、その表面の算術平均粗さRaを測定した。なお、図3は、試料No.4をHCl処理する前の表面の原子間力顕微鏡像であり、図4は、試料No.4をHCl処理した後の表面の原子間力顕微鏡像である。図5は、試料No.25をHCl処理する前の表面の原子間力顕微鏡像であり、図6は、試料No.25をHCl処理した後の表面の原子間力顕微鏡像である。
表1、2から明らかなように、試料No.1〜24は、耐酸性が高いため、支持ガラス基板の再利用回数の増加に資するものであると考えられる。一方、試料No.25は、耐酸性が低いため、支持ガラス基板の再利用回数の増加に資するものではないと考えられる。
次のようにして、[実施例2]の各試料を作製した。まず、表1、2に記載の試料No.1〜24のガラス組成になるように、ガラス原料を調合した後、ガラス溶融炉に供給して1400〜1700℃で溶融し、次いで溶融ガラスをオーバーフローダウンドロー成形装置に供給し、板厚が0.7mmになるようにそれぞれ成形した。得られたガラス基板(全体板厚偏差約4.0μm)をφ300mm×0.7mm厚に加工した後、その両表面を研磨装置により研磨処理した。具体的には、ガラス基板の両表面を外径が相違する一対の研磨パットで挟み込み、ガラス基板と一対の研磨パッドを共に回転させながらガラス基板の両表面を研磨処理した。研磨処理の際、時折、ガラス基板の一部が研磨パッドから食み出すように制御した。なお、研磨パッドはウレタン製、研磨処理の際に使用した研磨スラリーの平均粒径は2.5μm、研磨速度は15m/分であった。得られた各研磨処理済みガラス基板について、コベルコ科研社製のBow/Warp測定装置 SBW−331ML/dにより全体板厚偏差と反り量を測定した。その結果、全体板厚偏差がそれぞれ1.0μm未満であり、反り量がそれぞれ35μm以下であった。
1、27 積層体
10、26 支持ガラス基板
11、24 加工基板
12 剥離層
13、21、25 接着層
20 支持部材
22 半導体チップ
23 封止材
28 配線
29 半田バンプ

Claims (15)

  1. 80℃、5質量%のHCl水溶液に24時間浸漬した後の表面の算術平均粗さRaが5nm以下になることを特徴とする支持ガラス基板。
  2. 全体板厚偏差が3.0μm以下であることを特徴とする請求項1に記載の支持ガラス基板。
  3. 半導体パッケージの製造工程で加工基板の支持に用いることを特徴とする請求項1又は2に記載の支持ガラス基板。
  4. ガラス内部に合わせ面を有することを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の支持ガラス基板。
  5. ガラス組成中の[SiO−Al―B−NaO]の含有量が25.6質量%以上であることを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の支持ガラス基板。
  6. ガラス組成として、質量%で、SiO 55〜75%、Al 3〜15%、B 5〜20%、MgO 0〜5%、CaO 0〜10%、SrO 0〜5%、BaO 0〜5%、ZnO 0〜5%、NaO 5〜15%、KO 0〜10%を含有し、[SiO−Al―B−NaO]の値が25.6質量%以上であることを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載の支持ガラス基板。
  7. ガラス組成として、質量%で、SiO 60〜75%、Al 5〜15%、B 5〜20%、MgO 0〜5%、CaO 0〜10%、SrO 0〜5%、BaO 0〜5%、ZnO 0〜5%、NaO 7〜16%、KO 0〜8%を含有し、[SiO−Al―B−NaO]の値が25.6質量%以上であることを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載の支持ガラス基板。
  8. 板厚が2.0mm未満であり、且つ反り量が60μm以下であることを特徴とする請求項1〜7の何れかに記載の支持ガラス基板。
  9. 少なくとも加工基板と加工基板を支持するための支持ガラス基板とを備える積層体であって、支持ガラス基板が請求項1〜8の何れかに記載の支持ガラス基板であることを特徴とする積層体。
  10. 加工基板が、少なくとも封止材でモールドされた半導体チップを備えることを特徴とする請求項9に記載の積層体。
  11. 少なくとも加工基板と加工基板を支持するための支持ガラス基板とを備える積層体を用意する工程と、
    加工基板に対して、加工処理を行う工程と、を有すると共に、支持ガラス基板が請求項1〜8の何れかに記載の支持ガラス基板であることを特徴とする半導体パッケージの製造方法。
  12. 加工処理が、加工基板の一方の表面に配線する工程を含むことを特徴とする請求項11に記載の半導体パッケージの製造方法。
  13. 加工処理が、加工基板の一方の表面に半田バンプを形成する工程を含むことを特徴とする請求項11又は12に記載の半導体パッケージの製造方法。
  14. 請求項11〜13の何れかに記載の半導体パッケージの製造方法により作製されたことを特徴とする半導体パッケージ。
  15. 半導体パッケージを備える電子機器であって、
    半導体パッケージが、請求項14に記載の半導体パッケージであることを特徴とする電子機器。
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