JP2016169087A - 移動段の固定装置、コンベア、移動段の固定方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】エスカレーターの踏段などの固定方法として、口金部が分割タイプのものと、口金部が一体構造であるものとがある。前者は、メンテナンス時にピンが外れてステップを取り付けられないことがある。後者は、エスカレーターの傾斜部において取付けを行うことができない。【解決手段】軸への固定方法は、口金部は一体構造とし、軸と摺動する樹脂製のカラーの形状を円形に一部突起を持たせた卵型とする。移動段には樹脂製のカラーと同一形状の卵型の口金部を持たせ、このカラーを挿入後、ねじで固定する。樹脂製のカラーは移動段を挿入する際に、移動段に設けられた樹脂製のカラーと同形状の卵型の傾斜部に沿って樹脂製のカラーを誘導し、卵型の口金部に樹脂製のカラーを嵌め込む。【選択図】 図1
Description
この発明は、踏段軸を固定する口金部を一体型とするエスカレーターの踏段に代表される移動段を、容易に、かつ、安全に、どの位置においても着脱できるコンベアの移動段固定装置、この移動段固定装置を持つコンベア及びコンベアの移動段固定方法を得ることを目的とする。
エスカレーターの踏段の固定方法として、踏段軸を固定する口金部が分割式で、装着子が回転し、踏段軸を挟み込んだ状態でボルトにて締め付けることで、踏段軸と踏段を固定するものがある(例えば、特許文献1参照)。この例では、エスカレーターの駆動系がある上部反転部を除いた任意の位置、言い換えると、傾斜部(昇降部とも呼ぶ。以下同様)、乗り降りする部分である水平部、あるいは下部反転部において、踏段を固定することが可能となる。
また、踏段軸を固定する口金部が一体型のものがある(例えば、特許文献2参照)。この特許文献2の発明では、ステップ(踏段とも呼ぶ。以下同様)をセットしてから樹脂製のカラー(特許文献2ではスリーブに相当)を横から差し込む必要があるため、昇降経路のなかで下部反転部でのみ、踏段の取り付けが可能となる。
先行例1(特許文献1)では、踏段軸を固定する口金部が分割タイプであり、フレームに別部品である装着子をピンにて固定し装着子が回転可能である。この装着子を回転させ踏段軸に取り付けられた樹脂製のカラーを挟み込むことで踏段を踏段軸に固定する。口金の取り付け位置は踏段を昇降させる駆動用チェーンとの位置関係を基準としているため、この方式では、事前にチェーンと一体となった踏段軸に口金が取り付く樹脂製のカラーを位置決めし組み立ててから、エスカレーター枠体内部に取り付けており、この位置決めされた樹脂製のカラーを基準に踏段の口金部を取り付けるため、エスカレーターの駆動系がある上部反転部を除いた任意の位置、つまり傾斜部、水平部、あるいは下部反転部においても、チェーンとの位置関係がずれることなく踏段を取付けることができる。しかし、据え付け場所でメンテナンス時にピンが外れて装着子が落下したり、運転時に装着子または、ピンが破損し、踏段が外れたりすることがあり得る。また、口金部が分割タイプ(別部品)であるため、踏段が高価となる。
一方、先行例2(特許文献2)では、踏段軸を固定する口金部が一体構造となっている。この方式では、口金部の開口部の幅が円形の樹脂製のカラー(特許文献2ではスリーブに相当)よりも小さいため、踏段軸の軸長手方向に樹脂製のカラーを一旦退避させ、口金部の開口部の幅よりも軸径の小さい踏段軸を口金部に嵌め込んでから樹脂製のカラーを踏段軸の軸長手方向から口金部に挿入する必要がある。しかし、エスカレーターの傾斜部(昇降部)においては、踏段の左右に配置されたカバー等によりチェーンからの位置が確認できないため、チェーンとの位置関係が確認できる下部(上部反転部は駆動系があるため、装着不可)の踏段反転部でのみ位置決め、取り付けが可能となる。
つまり、従来の口金部一体方式では、踏段と踏段軸の位置合わせを、例えば、踏段を昇降するためのチェーンなどを基準として行い、その位置決めされた踏段に踏段軸の軸長手方向から樹脂製のカラーを挿入し、樹脂製のカラーの位置決めを行う位置決め用金具を沿わせて、その金具を固定している。
そのため、従来の口金部一体方式のエスカレーターでは、エスカレーターの傾斜部では、昇降する踏段と固定部との隙間を無くす目的で取り付けられているスカートガードが配置されていることと相まって、その外側に配置されたチェーンを基準とした位置決めができず、取付けを行うことが出来ない。
したがって、従来の口金部一体方式のステップを持つコンベアでは、コンベアの下部の移動段の反転部においてのみ、移動段を支持する軸の軸線方向つまり、軸の軸長手方向からカラーの挿入と位置決めができ、移動段の位置決めを含めた取り付けが可能となっている。言い換えると、コンベアの傾斜部では移動段の取り付け、取り外しが出来なかった。
この発明に係る移動段の固定装置は、
軸に支持されるとともに、ねじを押し込むための貫通孔を有し、水平面を保持して移動する移動段の固定装置であって、
前記軸に回転自在に支持され、かつ軸方向に摺動可能に設置されたカラーと、
前記移動段を載設して前記貫通孔に対向するように挿通孔を形成するとともに、前記カラーを収納する口金部を一体で形成したフレームと、
このフレームに設けられた前記挿通孔に取付けられ、この挿通孔の軸方向に移動可能に設置されたねじと、
を有し、
前記カラーを前記口金部に収納し、前記ねじを移動することにより、このねじを当該収納したカラーに押し込んで、当該カラーを前記フレームに固定することで移動段を固定するものである。
軸に支持されるとともに、ねじを押し込むための貫通孔を有し、水平面を保持して移動する移動段の固定装置であって、
前記軸に回転自在に支持され、かつ軸方向に摺動可能に設置されたカラーと、
前記移動段を載設して前記貫通孔に対向するように挿通孔を形成するとともに、前記カラーを収納する口金部を一体で形成したフレームと、
このフレームに設けられた前記挿通孔に取付けられ、この挿通孔の軸方向に移動可能に設置されたねじと、
を有し、
前記カラーを前記口金部に収納し、前記ねじを移動することにより、このねじを当該収納したカラーに押し込んで、当該カラーを前記フレームに固定することで移動段を固定するものである。
また、この発明に係る移動段の固定方法は、
水平面を保持して移動するとともに、ねじを押し込むための治具を通す貫通孔を持つ移動段の固定方法であって、
この移動段を支持する軸、
この軸に回転自在に支持され、軸方向に摺動可能に設置されたカラー、
前記移動段を載設して前記貫通孔に対向するように挿通孔を形成するとともに、前記カラーを収納する口金部を一体で形成したフレーム、
このフレームに設けられた前記挿通孔に取付けられ、この挿通孔の軸方向に移動可能に設置されたねじ、
を用いて、
前記フレームを前記カラーの設置位置まで移動することにより、前記カラーを前記口金部に収容した後、前記治具により、前記カラーに前記ねじを押し込んで、当該カラーを前記フレームに固定することで移動段を固定するものである。
水平面を保持して移動するとともに、ねじを押し込むための治具を通す貫通孔を持つ移動段の固定方法であって、
この移動段を支持する軸、
この軸に回転自在に支持され、軸方向に摺動可能に設置されたカラー、
前記移動段を載設して前記貫通孔に対向するように挿通孔を形成するとともに、前記カラーを収納する口金部を一体で形成したフレーム、
このフレームに設けられた前記挿通孔に取付けられ、この挿通孔の軸方向に移動可能に設置されたねじ、
を用いて、
前記フレームを前記カラーの設置位置まで移動することにより、前記カラーを前記口金部に収容した後、前記治具により、前記カラーに前記ねじを押し込んで、当該カラーを前記フレームに固定することで移動段を固定するものである。
この発明によれば、移動段と軸の連結を、その間に介在するカラーを用いて行うことにより、位置合わせ、位置固定、嵌め合わせを行うため、口金部一体方式でも、軸と移動段を位置決めすることが可能であり、隙間の防止と部品の離脱あるいは紛失を防止でき、これにより、隙間により発生する異音または、がたつきを無くすことができる。 また、口金部一体方式の課題とされている傾斜部での踏段の取り付けも可能であり、踏段の取付け作業が容易となる。
実施の形態1.
以下、この発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
図1(a)は、この発明の実施の形態1に係るエスカレーターの全体構成図、図1(b)は、図1(a)のAで示す円形の点線で囲んだ部分の踏段本体1個分を拡大し、この踏段本体の主要部品の構成を示した図である。図1(a)に示したように、エスカレーターには、踏段本体1と、この踏段本体1を昇降させるチェーン21と、このチェーン21を駆動するためにエスカレーターの枠本体19の上部に設置された駆動機20と、踏段昇降時に、昇降部と固定部との間を仕切るスカートガード22と、手すり23が備えられている。上記踏段本体1には、図1(b)に示すように、主な構成要素として、踏段本体1を移動用のチェーンを介して個別に固定支持するための踏段軸8、踏段2、ライザー3、踏段2とライザー3を取り付けるためのフレーム4、後輪である追従ローラー5が備えられている。また、フレーム4には、カラー取り付け部6、踏段軸8に回転自由に取り付けられており、踏段軸8の軸方向(軸長手方向に同じ。以下同様)に摺動可能な樹脂製のカラー7、この樹脂製のカラー7を収納する凹形状の収納部を有する口金部10、樹脂製のカラー7を固定するねじ9が口金部10のねじの挿通孔26に備えられている。ここで、樹脂製のカラー7の踏段軸8に対する軸方向の位置決めは、位置決め用金具にて行われる。
以下、この発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
図1(a)は、この発明の実施の形態1に係るエスカレーターの全体構成図、図1(b)は、図1(a)のAで示す円形の点線で囲んだ部分の踏段本体1個分を拡大し、この踏段本体の主要部品の構成を示した図である。図1(a)に示したように、エスカレーターには、踏段本体1と、この踏段本体1を昇降させるチェーン21と、このチェーン21を駆動するためにエスカレーターの枠本体19の上部に設置された駆動機20と、踏段昇降時に、昇降部と固定部との間を仕切るスカートガード22と、手すり23が備えられている。上記踏段本体1には、図1(b)に示すように、主な構成要素として、踏段本体1を移動用のチェーンを介して個別に固定支持するための踏段軸8、踏段2、ライザー3、踏段2とライザー3を取り付けるためのフレーム4、後輪である追従ローラー5が備えられている。また、フレーム4には、カラー取り付け部6、踏段軸8に回転自由に取り付けられており、踏段軸8の軸方向(軸長手方向に同じ。以下同様)に摺動可能な樹脂製のカラー7、この樹脂製のカラー7を収納する凹形状の収納部を有する口金部10、樹脂製のカラー7を固定するねじ9が口金部10のねじの挿通孔26に備えられている。ここで、樹脂製のカラー7の踏段軸8に対する軸方向の位置決めは、位置決め用金具にて行われる。
図2は、この発明の実施の形態1に係るエスカレーターの踏段の要部側面図であり、踏段と樹脂製のカラーが離れている状態を示す図である。図2において、樹脂製のカラー7は、形状が卵型で、踏段2と踏段軸8の間に介在し、エスカレーター運転時において、踏段2がチェーンに固定されている踏段軸を中心にして回転する際に、摩耗を極力減らすために取り付けられている。また、樹脂製のカラー7が踏段に挿入されたのちに、樹脂製のカラー7の位置を固定するとともに、樹脂製のカラー7の離脱を防ぐために、この樹脂製のカラー7を固定する固定ねじ9が、ねじの挿通孔26に取り付けられる。このねじの挿通孔26は、その孔の位置が、踏段に設けられた貫通孔25と互いに対向するように設けられている。
また、図2は、踏段2が樹脂製のカラー7に取り付けられる前の状態を示しており、踏段2を下側の矢印の方向に移動することにより、樹脂製のカラー7の外周形状と樹脂製のカラー7が接する。この場合、樹脂製のカラー7の卵型の外周形状と、輪郭が同形状の卵型である凹部を形成した口金部10の前記カラーの収納部を有するフレーム4の突起部分であって、踏段の移動方向である右上の矢印の方向に対して90度に近い方向の位置に、樹脂製のカラー7の、卵型をした外形の長軸方向の先端部分が接する。
また、図3は、この発明の実施の形態1に係るエスカレーターの踏段と樹脂製のカラーの接触初期の状態を示す図であって、踏段2の口金部10が樹脂製のカラー7に接触した直後の状態を示す図である。
さらに、図4は、この発明の実施の形態1に係るエスカレーターの踏段と樹脂製のカラーが完全に組み立てられた状態を示す図であって、樹脂製のカラー7が踏段2の口金部10に完全に収納された状態を示す図である。
本実施の形態1では、踏段2をエスカレーター本体、つまり踏段を昇降させるチェーン21に取り付けられた踏段軸8に固定する際、踏段軸8に回転自由に固定された樹脂製のカラー7を、踏段2の口金部10に挿入し、口金部10の挿入面に樹脂製のカラー7が当たった後に樹脂製のカラー7の突起部の方向を変えることで、踏段2の口金部10に樹脂製のカラー7が挿入される。この時、樹脂製のカラー7を踏段軸8に対して回転するだけで、踏段2の口金部10に挿入することが出来る。
また、本実施の形態1では、特許文献1に示したような口金分離型と同様、図1(a)に示すように、エスカレーターの傾斜部B(四角形の破線で囲んだ部分)においても踏段を取り付け、位置決め、固定することが可能となる。この要因の1つとして、本実施の形態において、踏段2の口金部10の凹状部分の形状と、樹脂製のカラー7の外周形状とが、その大半部分において同一輪郭である卵型形状であって、踏段に設けられた口金部10の突起の方向が、踏段2が踏段軸8に挿入されていく方向に対して90度の方向、つまり直角方向を向いていることが挙げられる。
これにより、樹脂製のカラー7を踏段2に挿入していく際、樹脂製のカラー7が踏段2の口金部10の一部に接触した直後に、この口金部の樹脂製のカラー7との接触部分である挿入部に、樹脂製のカラーは、その突起部から順にカラーの全体が挿入されるが、この場合、樹脂製のカラー全体としての挿入方向は、踏段2への接触直後の挿入方向とは90度の方向、つまり直角方向に次第に向きを変えつつ、口金部10に挿入される。
すなわち、踏段2に設けられた、樹脂製のカラー7の外形と同一の輪郭形状である卵型の凹部を有する口金部10に、樹脂製のカラー7を挿入することで、樹脂製のカラー7の突起の先端が口金部10に挿入されたのち、踏段2に設けられた卵型の口金部10の凹部の傾斜に導かれるように、樹脂製のカラー7が挿入される。この場合、樹脂製のカラー7の突起の方向は、挿入時の角度とは異なり、挿入時の角度に対して60〜90度の変化を与えられながら、口金部10に挿入されていき、樹脂製のカラー7全体が、口金部10の凹部である収納部の同一の輪郭形状部分に合わさるまで入り込み、この口金部10の収納部に静止する。
しかし、踏段の口金部10に挿入された樹脂製のカラー7は、静止した状態のままでは口金部10に対して回転する恐れ、つまり卵型の突起の方向が変化し、口金部10の収納部から離脱するように動くことが可能である。従って、この動きを停止させ、樹脂製のカラー7の突起方向の変化、および口金部10からの離脱を防止するため、離脱しようとする方向に対して直角方向、または反対の方向から、樹脂または金属製のねじを用いて、樹脂製のカラー7の表面、または樹脂または金属製のねじが埋設できるよう樹脂製のカラー7に形作られた穴または凹みに、樹脂または金属製のねじを押し付ける。このようにすることで、踏段軸8に対して口金部10から離脱する動きを停止させることができる。このようにすることで、口金部10からの離脱を防止するとともに、樹脂製のカラー7の回転を停止させて、樹脂製のカラー7を固定する。
そこで以下では、樹脂または金属製のねじの固定を行う方式について説明する。この場合、樹脂または金属製のねじ先端部は、図5のように樹脂製のカラー7のねじ接触部分を金属製のねじの外形に合わせて凹ませ、その底形状を金属製のねじの先端部と同じ、平面、傾斜面、または凹凸面を有するものとする。そして、この凹ませた穴に樹脂または金属製のねじをねじ込んでいき、ねじ先端部の平面、傾斜面、あるいは凹凸面を、樹脂製のカラー7の凹面の底面に接触させることで樹脂製のカラー7の移動防止と位置の固定を行う。
以上をまとめると、本実施の形態のマンコンベアの踏段固定装置では、踏段軸への固定方法は、口金部は一体構造とし、踏段軸と摺動する樹脂製のカラーは、その外形を、円形に一部突起を持たせた卵型とすることを特徴とする。踏段には踏段軸と摺動する樹脂製のカラーと同一輪郭である卵型輪郭を一部に有する口金部を備え、樹脂製のカラーを挿入後、樹脂製のカラーの回転を防止するようにねじにて固定する。樹脂製のカラーは、踏段を挿入する際に、踏段に設けられた樹脂製のカラーと同一輪郭の卵型輪郭の部分に沿って誘導され、踏段から踏段軸が抜ける方向と90度の方向、つまり直角方向を向いた卵型輪郭を一部に持つ口金部に嵌め込まれる。外形が卵型の樹脂製のカラーが嵌め込まれた状態から、樹脂製カラーの突起部の方向が、卵型輪郭の口金部から抜け出る方向に変化しないように、また、踏段の口金部と卵型の樹脂製のカラーとの隙間を無くす目的で、この樹脂製のカラーの突起の先端に近い部分を、この突起の先端の向いている方向に対して90°方向から、ねじによる固定または口金部の突起の対向面への押し付けを行う。
以上説明したように、従来の口金部一体方式では、エスカレーターの下部の踏段反転部においてのみ、踏段軸の軸線方向、つまり踏段軸の軸長手方向からだけ、樹脂製のカラーの挿入と位置決めができ、踏段の位置決めを含めた取り付けが可能となっていたのに対して、本実施の形態に係るエスカレーターの踏段の固定方式においては、エスカレーターの下部の踏段反転部だけでなく、エスカレーターの傾斜部でも踏段の取り付け、取り外しが可能となるという効果がある。
実施の形態2
図6に、この発明の実施の形態2に係る樹脂製のカラーと踏段の固定方式の説明図を示す。樹脂製のカラー7を固定するための樹脂または金属製のセットねじ14の先端部(踏段が固定された状態において、セットねじのうち、樹脂製のカラー7の外形線より内側のカラーの領域に入り込んだ部分を意味する。以下同様)を円錐または半円球形状の突型とし、この樹脂または金属製のセットねじ14を樹脂製のカラー7に接触するまで回転させながらねじ込み、その後、樹脂または金属製のセットねじ14の先端部を、さらにねじのトルクを利用し、樹脂製のカラー7に食い込むまでねじ込むことで、その形状を樹脂製のカラー7に転写、または埋設させることが可能となる。
図6に、この発明の実施の形態2に係る樹脂製のカラーと踏段の固定方式の説明図を示す。樹脂製のカラー7を固定するための樹脂または金属製のセットねじ14の先端部(踏段が固定された状態において、セットねじのうち、樹脂製のカラー7の外形線より内側のカラーの領域に入り込んだ部分を意味する。以下同様)を円錐または半円球形状の突型とし、この樹脂または金属製のセットねじ14を樹脂製のカラー7に接触するまで回転させながらねじ込み、その後、樹脂または金属製のセットねじ14の先端部を、さらにねじのトルクを利用し、樹脂製のカラー7に食い込むまでねじ込むことで、その形状を樹脂製のカラー7に転写、または埋設させることが可能となる。
これにより実施の形態1に示した如く、踏段2からの離脱を防止するとともに、樹脂製のカラー7の回転を防止し、その回転を停止させることで、樹脂製のカラー7を固定する。上述の、セットねじ14のトルクを利用し、樹脂製のカラー7に食い込むまでセットねじ14をねじ込むことにより、その形状を樹脂製のカラー7に転写、または埋設させることで、固定される樹脂製のカラー7に設けられた樹脂または金属製のセットねじ14の埋設痕とねじ込まれたセットねじ14のねじの形状が同一形状となることから、セットねじ14を締め付けることで、樹脂製のカラー7とセットねじ14の先端部の形状には隙間、あるいはガタが無くなり、樹脂製のカラー7の移動防止と位置の固定を行うことができる。
また、図7に示すように、樹脂製のカラー7に挿入される樹脂または金属製のセットねじ15の先端部を円筒形のピン形状とし、樹脂製のカラー7には先端部分がピン形状のねじの先端部と同一形状の円筒形のピン穴を設け、樹脂製のカラー7を口金部10に挿入した後、口金部10に取り付けている先端部が円形のピン形状となった樹脂または金属製のねじを樹脂製のカラー7の穴にねじ込みながら挿入していくことで、樹脂製のカラー7の移動防止と位置固定を行うことができる固定方式がある。
また、図8に示すように、樹脂製のカラー7に挿入される樹脂または金属製のセットねじ16の先端部を円錐形のピン形状とし、樹脂製のカラー7には先端がピン形状のねじの先端部と同一形状の円錐形のピン穴を設けた固定方式がある。この樹脂製のカラー7を口金部10に挿入した後、口金部10に取り付けている先端部が円錐形のピン形状となった樹脂または金属製のセットねじ16を、樹脂製のカラー7の穴にねじ込みながら挿入していくことで、樹脂または金属製のセットねじ16の先端部の円錐形状の部分と、樹脂製のカラー7に設けられた先端部をピン形状のセットねじ16の先端部と同一形状の円錐形としたピン穴が、このピンと密着し、樹脂製のカラー7に設けられた円錐形のピン穴とセットねじ16に設けた円錐形の先端部分には一切の隙間、ガタが無くなり、樹脂製のカラー7の移動防止と位置の固定を行うことができる。
さらに、樹脂製のカラー7の固定を行う際に発生する可能性のある、先端部がピン形状の樹脂または金属製のセットねじと樹脂製のカラー7の間における、踏段の取り付け、取り外しによる樹脂製のカラー7の摩耗または欠けを防止する方策として、図9に示すように、外形が卵型の樹脂製のカラー7の外観は樹脂製のままとし、樹脂または金属製のねじ先端部のピンが挿入される穴のみ、金属製の円筒形、または円錐形のある一定以上の厚みを持ったパイプ状のピン挿入穴(摩耗抑制カラー)17とする固定方式がある。これにより、踏段の取り付け、取り外しによる卵型の樹脂製のカラー7の摺動部の耐摩耗性を向上させ、セットねじの先端部を円形のピン形状として、樹脂または金属製のピンが挿入される穴に発生する摩耗を減らすことができる。
なお、踏段側に取り付けられた、樹脂製のカラー7に挿入されるセットねじの材質を樹脂とした場合は、セットねじの方が摩耗して取り換えの必要性が発生するが、セットねじの場合には容易に取り換えが可能となる。また、卵型の樹脂製のカラー7の材質は樹脂製のままとし、樹脂または金属製のセットねじ先端部のピンが挿入される穴の、材質、形状を、金属製の円筒形、または円錐形のある一定以上の厚みを持ったパイプ状とすることで、踏段軸8との接触部も樹脂のまま使用可能となり、踏段軸8との摩耗も回避できる。このことは、本実施の形態に関わらず、実施の形態1あるいは以下で説明する実施の形態3でも同様に適用可能である。
実施の形態3
図10に、この発明の実施の形態3に係る樹脂製のカラーと踏段とを固定する方式の説明図を示す。踏段には、樹脂製のカラー7が挿入される口金部10の卵形の収納部の先端付近にばね18によって支持されたストッパーピン11が設置されている。卵型の樹脂製のカラー7が挿入されていく際には、卵型の樹脂製のカラー7に押されて、口金部10に収納されるため、口金部の最終固定位置まで挿入された樹脂製のカラー7に設けられた穴を、収納されたばね18によって支持されたストッパーピン11の設置位置と同位置まで挿入し、その位置で樹脂製のカラー7に押し込まれたストッパーピン11が、ばね18の力によって押し出され、樹脂製のカラー7に設けられた穴に嵌まり込む。これにより、踏段2を樹脂製のカラー7に挿入していくだけで、踏段2の口金部10と踏段軸8の固定が
可能となり、踏段2と樹脂製のカラー7が離脱することもない。
図10に、この発明の実施の形態3に係る樹脂製のカラーと踏段とを固定する方式の説明図を示す。踏段には、樹脂製のカラー7が挿入される口金部10の卵形の収納部の先端付近にばね18によって支持されたストッパーピン11が設置されている。卵型の樹脂製のカラー7が挿入されていく際には、卵型の樹脂製のカラー7に押されて、口金部10に収納されるため、口金部の最終固定位置まで挿入された樹脂製のカラー7に設けられた穴を、収納されたばね18によって支持されたストッパーピン11の設置位置と同位置まで挿入し、その位置で樹脂製のカラー7に押し込まれたストッパーピン11が、ばね18の力によって押し出され、樹脂製のカラー7に設けられた穴に嵌まり込む。これにより、踏段2を樹脂製のカラー7に挿入していくだけで、踏段2の口金部10と踏段軸8の固定が
可能となり、踏段2と樹脂製のカラー7が離脱することもない。
この場合、踏段2の口金部10に、樹脂製のカラー7に対して押付け力を持たせたセットばねによって支持されたストッパーピン11は、樹脂製のカラー7を挿入した際に、樹脂製のカラー7に押されて口金部10内に収納され、樹脂製のカラーが踏段の口金部の収納部に完全に挿入された時点、つまり樹脂製のカラー7に挿入されるストッパーピンの位置と、樹脂製のカラー7に設けられた穴の位置がぴったり合った時に、セットばねがストッパーピンを押し出す作用が働き、セットばねの押付け力によって樹脂製のカラー7に設けられた穴にストッパーピン11が嵌まり込む。
また、踏段2を樹脂製のカラー7から取り外す場合は、踏段の踏み面に設けられた貫通孔25から専用の治具を挿入し、ストッパーピン11と一体となったフック24の先端の穴に治具を差し込み、ストッパーピン11を引きあげることで、ストッパーピン11が踏段に固定された樹脂製のカラー7から引き抜かれ、樹脂製のカラー7が回転することが可能となり、踏段2と樹脂製のカラー7を分離することが可能となる。
さらに、踏段を樹脂製のカラー7から取り外すために、踏み面に設けられた貫通孔25から専用の治具を挿入し、この治具をストッパーピン11と一体となったフック先端の穴に差し込み、ストッパーピン11を引きあげることで樹脂製のカラー7にストッパーピン11を押し付けているばねを圧縮し、踏段側のばね当たり面と密着するまで引き上げる。これにより、踏段2の口金部10樹脂製のカラー7は分離することが可能であるが、それ以上にストッパーピン11に引っ掛けている治具を引き上げることで踏段2を持ち上げることが可能となり、踏段2の取り付け、取り外し時に隣り合う踏段に指等を挟み込まれることもなく作業を行うことが可能となる。
なお、以上においては、マンコンベアとしてエスカレーターを例にして説明したが、これに限らず、動く歩道等、いわゆるエスカレーター以外の移動装置においても同様に適用可能である。また、以上において、マンコンベアは人の移動に限らず、荷物などを移動するものであっても良く、これらの事情を考慮すれば、踏段は移動段とも称することができる。この場合、踏段軸は移動段軸と呼んでもよく、両方を併せて単に軸と呼んでもよい。また、カラーは樹脂製のものを例にして説明したが、踏段の取り付け、取り外しによる耐摩耗性を有するものであって、踏段軸の軸方向に摺動可能なものであれば、樹脂製以外のカラーであっても適用可能である。なお、本発明は、その発明の範囲内において、各実施の形態を自由に組み合わせたり、各実施の形態を適宜、変形、省略することが可能である。
1 踏段本体、2 踏段、3 ライザー、4 フレーム、5 追従ローラー、6 カラー取り付け部、7 樹脂製のカラー、8 踏段軸、9 固定(セット)ねじ、10 口金部、11 ストッパーピン、12 ばね、13 ピン、14 セットねじ(先端部鋭角)、15 セットねじ(先端部ピン形状)、16 セットねじ(先端部円錐形状)、17 ピン挿入穴(摩耗抑制カラー)、18 押し付けばね、 19 枠本体、20 駆動機、21 チェーン、22 スカートガード、23 手すり、24 フック、25 貫通孔、26 挿通孔
Claims (9)
- 軸に支持されるとともに、ねじを押し込むための貫通孔を有し、水平面を保持して移動する移動段の固定装置であって、
前記軸に回転自在に支持され、かつ軸方向に摺動可能に設置されたカラーと、
前記移動段を載設して前記貫通孔に対向するように挿通孔を形成するとともに、前記カラーを収納する口金部を一体で形成したフレームと、
このフレームに設けられた前記挿通孔に取付けられ、この挿通孔の軸方向に移動可能に設置されたねじと、
を有し、
前記カラーを前記口金部に収納し、前記ねじを移動することにより、このねじを当該収納したカラーに押し込んで、当該カラーを前記フレームに固定することで移動段を固定することを特徴とする移動段の固定装置。 - 前記移動段は踏段であり、
前記カラーは、前記軸に垂直な断面の形状が卵型の樹脂製であって、
前記口金部は、前記軸に垂直な断面における輪郭形状の一部分が、前記カラーの外周形状と同一形状である凹部を形成していることを特徴とする請求項1に記載の移動段の固定装置。 - 前記ねじは、先端部が円錐形状の樹脂または金属製であって、このねじを前記挿通孔の軸方向に移動させ前記カラーに当該先端部を埋設することにより、前記カラーを固定したことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の移動段の固定装置。
- 前記ねじは、先端部が胴部より細い円柱の樹脂または金属製のピン形状であって、前記カラーに前記ねじの先端部と同形状の穴を設け、前記ねじの先端部を前記カラーの穴に挿入することにより、前記カラーを固定したことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の移動段の固定装置。
- 前記ねじは、先端部が円錐形の樹脂または金属製のピン形状であって、前記カラーに前記ねじの先端部と同形状の穴を設け、前記ねじの先端部を前記カラーの穴に挿入することにより、前記カラーを固定したことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の移動段の固定装置。
- 前記カラーは、ねじ先端部のピンが挿入される穴の部分のみ金属製とし、その他の部分は樹脂としたことを特徴とする請求項4または請求項5に記載の移動段の固定装置。
- 前記ねじは、ばねにより支持された、先端部が円柱形状の樹脂または金属製のピンであって、前記カラーが踏段の口金部に収納される際に、前記ねじを支持するばねにより、前記ねじの先端部を押し出し、前記カラーに設けた穴に挿入することにより、前記カラーを固定したことを特徴とする請求項4に記載の移動段の固定装置。
- 請求項1から7のいずれか1項に記載の移動段の固定装置を備えたコンベア。
- 水平面を保持して移動するとともに、ねじを押し込むための治具を通す貫通孔を持つ移動段の固定方法であって、
この移動段を支持する軸、
この軸に回転自在に支持され、軸方向に摺動可能に設置されたカラー、
前記移動段を載設して前記貫通孔に対向するように挿通孔を形成するとともに、前記カラ
ーを収納する口金部を一体で形成したフレーム、
このフレームに設けられた前記挿通孔に取付けられ、この挿通孔の軸方向に移動可能に設置されたねじ、
を用いて、
前記フレームを前記カラーの設置位置まで移動することにより、前記カラーを前記口金部に収容した後、前記治具により、前記カラーに前記ねじを押し込んで、当該カラーを前記フレームに固定することで移動段を固定することを特徴とする移動段の固定方法。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2015050220A JP2016169087A (ja) | 2015-03-13 | 2015-03-13 | 移動段の固定装置、コンベア、移動段の固定方法 |
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JP (1) | JP2016169087A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN108439165A (zh) * | 2018-05-07 | 2018-08-24 | 西尼机电(杭州)有限公司 | 一种无梯级轴自动扶梯 |
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2015
- 2015-03-13 JP JP2015050220A patent/JP2016169087A/ja active Pending
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