JP2016168511A - 湿式排煙脱硫装置と方法 - Google Patents

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【課題】低品位石灰石利用を可能とし、脱硫性能や石膏品質の低下、循環ポンプなどの摩耗を防止した湿式石灰石−石膏法脱硫装置と方法を提供すること。
【解決手段】燃焼装置から排出される排ガスに石灰石スラリタンクから供給される石灰石を接触させて排ガス中の硫黄酸化物を除去する吸収塔1を備えた湿式石灰石−石膏法排煙脱硫装置において、石灰石スラリタンク7に供給する石灰石を溶解させる石灰石溶解剤としてギ酸、酢酸、アジピン酸、クエン酸、コハク酸又は酒石酸を含む弱酸性物質8を添加する弱酸性物質添加手段と前記弱酸性物質8により溶解した溶解石灰石含有液とその他の溶解残差を分離するサイクロン6を備えた石灰石供給設備3を設置した湿式排煙脱硫装置である。
【選択図】図1

Description

この発明は、ボイラなどの燃焼装置から排出される排ガス中の硫黄酸化物を除去する湿式排煙脱硫装置と方法に関わり、特に脱硫剤として純度が低い石灰石を用いた場合でも脱硫性能低下や石膏品質の低下、不純物による循環ポンプなどの摩耗を防止する技術に関するものである。
火力発電所等において、化石燃料の燃焼に伴い発生する排煙中の硫黄酸化物を取り除く排煙脱硫システムは、さまざまなプロセスが提案されているが、湿式の石灰石−石膏法が主流を占めている。
この湿式石灰石−石膏法脱硫システムは、スプレ方式、濡れ壁方式およびバブリング方式など、気液接触方法の違いがあるが、従来の石灰石−石膏法湿式排煙脱硫システムの公知例として、世界的にも実績が多く、信頼性の高いスプレ方式の脱硫システム構成の概要図を図5に示す。この脱硫システムは、主に脱硫吸収塔1、ミストエリミネータ2、石灰石スラリ供給設備3、石膏脱水機9、排水処理装置10等から構成される。
ボイラから排出される排ガスは、除塵装置(図示せず)を通過して除塵された後、脱硫吸収塔1に導入され、煙突11から排出される。脱硫吸収塔1内では、吸収液循環ポンプ12から送られる炭酸カルシウムを含んだ吸収液が複数のスプレノズル13から導入された排ガスに向けて噴射され、吸収液と排ガスの気液接触が行われ、排ガス中のSOを吸収する。SOを吸収した吸収液は、一旦、脱硫吸収塔1下部にある循環タンク14に溜まり、酸化用撹拌機15によって撹拌されながら酸化空気供給管から供給される酸化空気16中の酸素により酸化され、硫酸カルシウム(石膏)11を生成する。生成した石膏11は吸収液抜出し管から石膏脱水機9に送られ、脱水して石膏17とろ液に分離する。ろ液はろ過水槽18に一旦溜められ、一部は排水処理装置10で処理されて排水される。残りの石膏脱水ろ液は石灰石スラリ供給設備3で再利用されたり、脱硫吸収塔1に戻される。石灰石スラリ供給設備13において、石灰石サイロ4に蓄えられた脱硫剤として使用する石灰石は湿式ボールミル5で粉砕され、ハイドロサイクロン6で分級された粒子径が小さい石灰石がスラリとして石灰石スラリタンク7に送られる。脱硫吸収塔1への脱硫剤供給は石灰石スラリタンク7から行われる。
この従来の石灰石供給システムでは石灰石中の不純物も脱硫に有効な石灰石成分とともに脱硫吸収塔1へ供給されることになり、石灰石の品質が石膏純度に影響する。特に、石灰石中のカルシウム濃度が高い場合でも、含有するマグネシウムとドロマイトを形成している場合には、脱硫吸収液中での石灰石溶解性が悪くなり、所定の脱硫性能を得るために、石灰石を過剰に供給する必要があり、副生石膏の純度が低下することになる。また、シリカなどの難溶性物質の濃度が高い場合は、石膏純度が低下するだけでなく、循環ポンプ12やスプレノズル13の摩耗が問題になる場合がある。
湿式排煙脱硫装置での石灰石溶解性を向上させる公知の技術として以下の先行技術文献が挙げられる(特表平10‐504238号公報)。前記特表平10‐504238号公報には、脱硫吸収塔にアンモニウムイオンを添加し、石灰石の溶解性を向上させることで、より粗大な石灰石の使用が可能となるほか、石灰石消費量、循環液量が低減できる湿式排煙脱硫プロセスが開示されている。
また、WO95−31272号公報には、吸収塔循環タンク内に粒径の大きい石灰石を選択的にとどめ、流動層を形成させることで、石灰石の周りに生じる石膏粒子のスケーリングを防止し、さらに、アルミニウムとフッ素成分が共存しても石灰石の反応性を維持する方法について開示されている。
特表平10‐504238号公報 WO95−31272号公報
上記特許文献1、2などに示す従来の石灰石−石膏法湿式排煙脱硫システムでは、品質の悪い石灰石を脱硫剤として用いた場合、その溶解性の低さから脱硫性能の低下が問題となり、また石灰石の不純物濃度が高いことから石膏品質の低下が問題となる。さらに、石灰石中の不純物として、シリカなどの難溶性物質の量が多い場合、循環ポンプやスプレノズルの摩耗も問題となる。そのため、従来の湿式石灰石−石膏法脱硫では、高品質の石灰石を脱硫剤として用いており、低品位石灰石は利用に適さないとされている。
特に上記特許文献2では、アルミニウムとフッ素成分の共存による石灰石溶解性低下を防止するため、循環タンク内に粒径の大きい石灰石を選択的にとどめて流動層を形成させているが、難溶性不純物は循環ポンプを介して脱硫吸収塔内を循環することとなり、本発明で取り扱う石膏純度の低下、シリカなどの難溶性物質による循環ポンプやスプレノズルの摩耗については対応することができない。
本発明の課題は低品位石灰石利用を可能とし、脱硫性能や石膏品質の低下、循環ポンプなどの摩耗を防止した湿式石灰石−石膏法脱硫装置と方法を提供することである。
本発明の上記課題は次の解決手段により解決される。
すなわち、請求項1記載の発明は、ボイラを含む燃焼装置から排出される排ガスに石灰石スラリタンクから供給される石灰石を接触させて排ガス中の硫黄酸化物を除去する吸収塔を備えた湿式石灰石−石膏法排煙脱硫装置において、石灰石スラリタンクに供給する石灰石を溶解させる石灰石溶解剤としてギ酸、酢酸、アジピン酸、クエン酸、コハク酸又は酒石酸を含む弱酸性物質を添加する弱酸性物質添加手段を備えた石灰石供給設備を設置することを特徴とする湿式排煙脱硫装置である。
請求項2記載の発明は、石灰石スラリタンクには前記弱酸性物質添加手段から添加された前記弱酸性物質により溶解した溶解石灰石含有液とその他の溶解残差を分離する手段を設けたことを特徴とする請求項1記載の湿式排煙脱硫装置である。
請求項3記載の発明は、排ガス中の硫黄酸化物の除去に使用した吸収塔から排出した石膏を含む液を脱水する脱水機と該脱水機から分離した液を石灰石スラリタンクに供給する分離液供給流路を設けたことを特徴とする請求項1又は2記載の湿式排煙脱硫装置である。
請求項4記載の発明は、ボイラを含む燃焼装置から排出される排ガスに石灰石スラリタンクから供給される石灰石を接触させて排ガス中の硫黄酸化物を除去する湿式石灰石−石膏法排煙脱硫方法において、石灰石スラリタンクに供給する石灰石を溶解させる石灰石溶解剤としてギ酸、酢酸、アジピン酸、クエン酸、コハク酸又は酒石酸を含む弱酸性物質を添加することを特徴とする湿式排煙脱硫方法である。
請求項5記載の発明は、石灰石スラリタンクに添加された前記弱酸性物質により溶解した溶解石灰石含有液とその他の溶解残差を分離した後に溶解石灰石含有液を燃焼装置から排出される排ガスと接触させることを特徴とする請求項4記載の湿式排煙脱硫方法である。
請求項6記載の発明は、石灰石スラリタンクに添加された前記弱酸性物質により溶解した溶解石灰石含有液とその他の溶解残差を分離した後の溶解石灰石含有液を石灰石スラリタンクに供給して石灰石溶解に再利用することを特徴とする請求項4又は5記載の湿式排煙脱硫方法である。
(作用)
石灰石スラリタンク(石灰石供給設備)内で、石灰石スラリに弱酸性物質を添加することで石灰石を溶解させ、排ガスの脱硫反応に有効な石灰石成分と前記脱硫反応に寄与しない石灰石に含まれる難溶性不純物を分離し、溶解した石灰石を脱硫吸収塔に供給する。
前記石灰石スラリタンク(石灰石供給設備)の石灰石スラリへの弱酸性物質の添加は、石灰石粉砕用の湿式ボールミルや石灰石スラリタンクのどちらでもよく、別途石灰石と弱酸の反応槽を設けてもよい。また、弱酸性物質としてギ酸や酢酸、アジピン酸、クエン酸、コハク酸、酒石酸などの有機酸が用いることができる。
石灰石スラリタンク(石灰石供給設備)に、上記のような弱酸性物質を添加しても、石灰石に含まれるシリカやアルミナなどの難溶性物質は溶解せず、遠心力を利用したサイクロン型の固液分離装置や、不純物を沈降濃縮させるシックナー、粒径の違いで固体を篩い分けるスクリーンなどで分離することができる。石灰石スラリタンクでは、撹拌機によって撹拌しており、シックナーやスクリーンによって固形の不純物と溶解した石灰石成分を分離する際は石灰石スラリタンクとは別の分離槽を設けることが好ましい。
また、弱酸性物質を石灰石粉砕用の湿式ボールミルに添加する場合は、湿式ボールミル出口に設置されるハイドロサイクロンにより予め分離されるため、石灰石スラリタンクに撹拌機を設置する必要がないため、分離槽の追加は不要となる。
ところで、脱硫吸収塔での脱硫反応によって副生される石膏の純度を高く維持するには、石灰石中の不純物の脱硫吸収塔への流入量を小さくする必要がある。従来、湿式石灰石−石膏法脱硫において用いられる脱硫剤は石灰石であり、その溶解度は極めて低く、石灰石中に含まれる脱硫反応に寄与しない不純物の大半も難溶性物質であるため、粉砕してスラリとして脱硫吸収塔に供給する場合、石灰石中の不純物も石灰石純度に応じて同時に脱硫吸収塔に供給される。純度の低い石灰石を用いた場合、石灰石中に多く含まれる不純物が石膏品質を低下させ、循環ポンプやスプレノズルの摩耗を引き起こす。
この問題に対して、石灰石スラリタンク(石灰石供給設備)で石灰石を溶解させて脱硫吸収塔に供給することで、石膏純度を低下させる難溶性不純物の脱硫吸収塔への流入量を小さくすることが可能となる。また、難溶性不純物の脱硫吸収塔への流入量が小さくなることで、循環ポンプやスプレノズルでの摩耗も低減される。
このとき、本発明の湿式装置へ供給される脱硫剤は溶解性のカルシウム成分が抽出された状態であるとともに、脱硫吸収塔での脱硫反応性を低下させない状態でなければならない。石灰石スラリタンク(石灰石供給設備)での石灰石溶解処理には、酢酸やクエン酸などの弱酸性物質を用いることが好ましく、一般に石灰石を容易に溶解させる塩酸や硫酸などの強酸性物質を用いると石灰石中の脱硫反応に有効な成分が消費されることになり、脱硫吸収塔での脱硫反応性が著しく低下するため好ましくない。
また、石灰石スラリタンク(石灰石供給設備)での石灰石溶解処理に酢酸などの弱酸性物質を用いる場合、脱硫反応時のpH緩衝作用によって、硫黄酸化物の脱硫吸収液への吸収を補助する効果も見込め、脱硫性能向上が図られる。
さらに、石灰石粉砕用の湿式ボールミルに弱酸を添加する場合、粉砕と溶解が同時に起こることで、粉砕時間の短縮、粉砕装置をコンパクト化することができる。
図3は石灰石の溶解反応に及ぼすアンモニウム塩と有機酸の塩の影響をビーカ試験にて評価した結果である。
純水に工業用石膏0.4gと石灰石0.2gを加え、100mlに調整した後、50℃の恒温槽中で1,000rpmで撹拌しながら1N希硫酸を滴下した。希硫酸の滴下はpH=5.5を維持しながら行い、希硫酸滴下量(消費量)を記録した。
図3より、NH4Clや酢酸ナトリウムを添加すると、pH=5.5における希硫酸消費量は無添加のものに比べて多くなっており、石灰石の溶解が促進されていることが分かる。また、NH4Clを10mmol/L添加した場合より、酢酸ナトリウムを1mM添加した場合の方が石灰石溶解の促進効果は大きかった。
Figure 2016168511
式(1)で示されるアンモニアと式(2)で示される酢酸のpHと酸解離平衡の関係を図4に示すが、酢酸では脱硫装置運用pHであるpH=5程度においてpH緩衝作用を示し、アンモニアでは脱硫装置運用pHよりも高いpH=8〜9でpH緩衝作用を示すことが分かる。即ち、脱硫運転条件において、アンモニウム塩を添加し、pH緩衝作用によって石灰石溶解性を向上させる場合、多量に添加しないと効果は発現しにくいということである。ギ酸、アジピン酸、クエン酸、コハク酸又は酒石酸についても同様に脱硫装置運用pH域でpH緩衝作用を示し、アンモニウム塩添加よりも石灰石溶解性向上効果は高い。
請求項1、4記載の発明によれば、石灰石スラリタンク(石灰石供給設備)での石灰石の溶解性を向上させ、脱硫吸収塔への石灰石中の難溶性不純物の流入を防止でき、高い石膏純度を維持でき、難溶性不純物による循環ポンプやスプレノズルの摩耗を防止することが可能となる。
また、請求項2、5記載の発明によれば、請求項1、4記載の発明の効果に加えて、排ガスの脱硫反応に有効な石灰石成分と前記脱硫反応に寄与しない石灰石に含まれる難溶性不純物を分離し、溶解した石灰石を脱硫吸収塔に供給することで有効に排ガスの脱硫が行える。
請求項3、6記載の発明によれば、請求項1、4記載の発明の効果に加えて、湿式排煙脱量装置の吸収塔から抜き出した石膏を含むスラリを脱水し、そのろ液を石灰石スラリタンクや石灰石粉砕用ボールミルでスラリ調整水として再利用することで、弱酸を再利用して添加量を低減することができ、石灰石の溶解性を向上させ、溶解した石灰石を脱硫吸収塔に供給することで、脱硫吸収塔に流入する難溶性不純物の量を低減させることができ、不純物の脱硫性能への影響や、石膏品質への影響を小さくすることができる。
本発明の一実施例の湿式排煙脱硫システムを示す図である。 本発明の他の実施例の湿式排煙脱硫システムを示す図である。 pH=5.5における各種添加剤の石灰石溶解に及ぼす影響を示す図である。 酢酸とアンモニウムイオンの酸解離平衡を示す図である。 従来の石灰石−石膏法式湿式排煙脱硫システムの概要を示す図である。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
図1は本発明を適用した湿式排煙脱硫システムの一実施例を示す図である。図1に示す湿式排煙脱硫システムの概要は、石灰石供給設備3に石灰石溶解を促進させる酸として酢酸を加え、脱硫吸収塔1へ供給する石灰石スラリ濃度を調整することで、脱硫吸収塔1に流入する石灰石中の難溶性不純物量を低減させ、さらに、脱硫吸収塔1へ供給する石灰石スラリ濃度を調整することで、脱硫吸収塔1へ流入する石灰石中の難溶性不純物量を低減させる。また、脱硫吸収塔1から抜き出した石膏スラリの脱水ろ液を石灰石供給設備3へ再循環させている。
図1に示す石灰石供給設備3には、石灰石サイロ4と湿式ボールミル5とハイドロサイクロン6と石灰石スラリタンク7がある。
石灰石スラリタンク7に添加される石灰石溶解剤8としては酢酸が用いられる。石灰石スラリタンク7での石灰石と酢酸の反応式は式(3)に示す通りであり、脱硫反応に有効な成分として生成される酢酸カルシウムは石灰石の溶解度0.02g/Lと比べて400g/L程度と高く、石灰石スラリの固体濃度を調整することにより、石灰石中不純物の脱硫吸収塔への流入量を低減することが可能となる。

CaCo3+CH3COOH → Ca(CH3COO)2+H2CO3↑ (3)
一方で石灰石中の難溶性不純物は溶解せずに石灰石スラリタンク7に留まるため、サイクロン型の固液分離装置6やシックナーを用いて脱硫反応に有効な炭酸カルシウム成分とは分離され、スラッジとして除去できる。また、脱硫吸収塔1には循環ポンプ12によりスプレノズル13から炭酸カルシウム成分が噴霧され、脱硫反応に利用される。また脱硫処理により副生される石膏は、脱水機9で脱水され回収され、ろ液水槽18に溜まるろ液は石灰石供給設備3の湿式ボールミル5に送られる。このろ液中には、酢酸成分が含まれており、再利用することができる。このろ液の一部は脱硫吸収塔1内の塩素濃度などを考慮して排水処理装置10に送られる。排水処理装置10に送られる排水中には酢酸成分が含まれるので、石灰石供給設備3には前記失うわれた酢酸成分を補うために、酢酸が石灰石溶解剤8として添加される。
脱硫吸収塔1へ供給される脱硫剤には、石灰石供給設備で生成した酢酸カルシウムが含まれるが、酢酸カルシウムでの脱硫反応は式(4)の通りであり、反応生成物である酢酸イオンはpH緩衝機能を有する。即ち、二酸化硫黄の吸収液への吸収により低下したpHを中和する働きによって、二酸化硫黄の吸収液への吸収を促進させる効果も期待できる。

Ca(CH3COO)2+H2SO4 → CaSO4+CH3COOH (4)
図1では、石灰石スラリタンク7に撹拌機20を設置し、固体の不純物と溶解した石灰石成分をハイドロサイクロン6にて分離しているが、分離手段として、シックナーやスクリーンを用いる場合、撹拌機20を設置した石灰石スラリタンク7とは別に分離槽を設けることが好ましい。
図2は本発明を適用した湿式排煙脱硫システムの他の実施例を示す図である。図2において、石灰石供給設備3内の湿式ボールミル5に弱酸を添加し、石灰石を溶解しながら石灰石を粉砕する。そのため、粉砕時間を短縮することができ、粉砕装置をコンパクト化することができる。また、湿式ボールミル5の出口に設置されるハイドロサイクロン6によって固体の不純物と溶解した石灰石成分を予め分離することができるため、石灰石スラリタンク7に撹拌機の設置が必要なく、シックナーやスクリーンでの分離を石灰石スラリタンク7で行うことができる。
1 脱硫吸収塔 2 ミストエリミネータ
3 石灰石供給設備 4 石灰石サイロ
5 湿式ボールミル 6 固液分離装置
7 石灰石スラリタンク 8 石灰石溶解剤
9 脱水機 10 排水処理装置
12 循環ポンプ 13 スプレノズル
18 ろ液水槽

Claims (6)

  1. ボイラを含む燃焼装置から排出される排ガスに石灰石スラリタンクから供給される石灰石を接触させて排ガス中の硫黄酸化物を除去する吸収塔を備えた湿式石灰石−石膏法排煙脱硫装置において、
    石灰石スラリタンクに供給する石灰石を溶解させる石灰石溶解剤としてギ酸、酢酸、アジピン酸、クエン酸、コハク酸又は酒石酸を含む弱酸性物質を添加する弱酸性物質添加手段を備えた石灰石供給設備を設置することを特徴とする湿式排煙脱硫装置。
  2. 石灰石スラリタンクには前記弱酸性物質添加手段から添加された前記弱酸性物質により溶解した溶解石灰石含有液とその他の溶解残差を分離する手段を設けたことを特徴とする請求項1記載の湿式排煙脱硫装置。
  3. 排ガス中の硫黄酸化物の除去に使用した吸収塔から排出した石膏を含む液を脱水する脱水機と該脱水機から分離した液を石灰石スラリタンクに供給する分離液供給流路を設けたことを特徴とする請求項1又は2記載の湿式排煙脱硫装置。
  4. ボイラを含む燃焼装置から排出される排ガスに石灰石スラリタンクから供給される石灰石を接触させて排ガス中の硫黄酸化物を除去する湿式石灰石−石膏法排煙脱硫方法において、
    石灰石スラリタンクに供給する石灰石を溶解させる石灰石溶解剤としてギ酸、酢酸、アジピン酸、クエン酸、コハク酸又は酒石酸を含む弱酸性物質を添加することを特徴とする湿式排煙脱硫方法。
  5. 石灰石スラリタンクに添加された前記弱酸性物質により溶解した溶解石灰石含有液とその他の溶解残差を分離した後に溶解石灰石含有液を燃焼装置から排出される排ガスと接触させることを特徴とする請求項4記載の湿式排煙脱硫方法。
  6. 石灰石スラリタンクに添加された前記弱酸性物質により溶解した溶解石灰石含有液とその他の溶解残差を分離した後の溶解石灰石含有液を石灰石スラリタンクに供給して石灰石溶解に再利用することを特徴とする請求項4又は5記載の湿式排煙脱硫方法。
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