JP2016166593A - エンジンの制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】凝縮水の生成を効果的に抑制する。【解決手段】吸気を冷却するインタークーラ26と、排気通路31とインタークーラ26よりも上流側の吸気通路21とを連通するEGR通路33と、EGR通路33の連通を開閉するEGR弁24と、インタークーラ26で生成された凝縮水を貯留する凝縮水貯留部27Bと、エンジン10の運転状態が所定の低負荷運転領域内にあるか否かを判定する判定部2と、エンジン10の運転状態が所定の低負荷運転領域内にあると判定された際にEGR弁24を全閉とする制御部3と、を備えたエンジン10の制御装置1である。判定部2は、吸気温度Tiが所定温度Tthよりも高い場合にはエンジン10の負荷Peが所定負荷値Pe0以下の領域を所定の低負荷運転領域とし、吸気温度Tiが所定温度Tth以下の場合にはエンジン10の回転数Neが高いほど所定負荷値Pe0が増大するように上記の所定の低負荷運転領域を拡大する。【選択図】図1

Description

本発明は、インタークーラよりも上流側の吸気通路へ排気を還流させるEGR通路を備えたエンジンの制御装置に関する。
従来、排気中における窒素酸化物(以下、NOxという)の生成量を低減させる技術の一つとして、EGR(Exhaust Gas Recirculation)システムが実用化されている。EGRシステムは、排気通路と吸気通路とを接続するEGR通路を介して排気を吸気通路に還流させて、新気とともに再び燃焼室に流入させることで、燃料の燃焼温度或いは燃焼室内の酸素濃度を低下させ、NOxの生成量を低減して排ガス性能を高めるものである。過給機を備えたエンジンの場合、高圧EGRシステム及び低圧EGRシステムを共に備えたデュアルEGRシステムが装備されることがある。
また、エンジンの吸気通路に吸気冷却用のインタークーラを装備し、インタークーラによって吸気を冷却することで充填効率を高めて、エンジンの出力を向上させることが行われている。しかし、インタークーラで吸気が冷却されると、吸気に含まれる水蒸気が凝縮して水(以下、凝縮水という)が生成される。この凝縮水が吸気と共に筒内へ導入されてしまうと、燃焼安定性の低下や、センサ及びエンジンの耐久信頼性の低下等を招くことになる。そのため、従来、インタークーラで生成された凝縮水を吸気から分離して排出するための構造が提案されている(例えば特許文献1参照)。
特開2013−124563号公報
ところで、インタークーラで生成される凝縮水の量は、吸気に含まれる水蒸気量が多いほど多くなる。また、排気には燃焼により生じた水蒸気が含まれており、その量は新気と比較して多い。そのため、インタークーラよりも上流側の吸気通路に排気が導入され、排気と新気との混合気(吸気)がインタークーラにおいて冷却されると、新気のみの吸気を冷却する場合と比べて多くの凝縮水が生成される。ここで生成された凝縮水は、インタークーラの下流側で吸気から分離されてタンクに貯留される。
しかしながら、インタークーラで生成される凝縮水の量が、吸気から凝縮水を分離,除去する装置の能力やタンクの容量を超えるほど多い場合、凝縮水の一部が筒内へ導入されてしまう可能性がある。また、気温が氷点下の環境では、タンクに溜まった凝縮水を排出する通路内で凝縮水が凍結する可能性があり、吸気から凝縮水を分離できたとしても、適切に排出されないおそれがある。
本件は、このような課題に鑑み案出されたもので、インタークーラよりも上流側の吸気通路へ排気を還流させるEGR通路を備えたエンジンの制御装置に関し、凝縮水の生成を効果的に抑制することを目的の一つとする。なお、この目的に限らず、後述する発明を実施するための形態に示す各構成により導かれる作用効果であって、従来の技術によっては得られない作用効果を奏することも本件の他の目的として位置づけることができる。
(1)ここで開示するエンジンの制御装置は、吸気通路を流通する吸気を冷却するインタークーラと、排気通路と前記インタークーラよりも上流側の前記吸気通路とを連通するEGR通路と、前記EGR通路の連通を開閉するEGR弁と、前記インタークーラで生成された凝縮水を貯留する凝縮水貯留部と、を備える。また、このエンジンの制御装置は、エンジンの運転状態が所定の低負荷運転領域内にあるか否かを判定する判定部と、前記エンジンの運転状態が前記所定の低負荷運転領域内にあると判定された際に前記EGR弁を全閉とする制御部と、を備える。前記判定部は、吸気温度が所定温度よりも高い場合には前記エンジンの負荷が所定負荷値以下の領域を前記所定の低負荷運転領域に設定し、前記吸気温度が前記所定温度以下の場合には前記エンジンの回転数が高いほど前記所定負荷値が増大するように前記所定の低負荷運転領域を拡大する。
(2)前記判定部は、前記吸気温度が前記所定温度以下では、前記吸気温度が前記所定温度よりも低いほど前記所定の低負荷運転領域を高負荷側へとさらに拡大することが好ましい。
(3)前記制御部は、外気温度が所定の第一外気温度以下であれば、前記EGR弁を全閉とすることが好ましい。
(4)前記制御部は、外気温度が所定の第一外気温度以下かつ前記第一外気温度よりも低い第二外気温度以上であって、前記凝縮水貯留部における凝縮水の貯留量が、前記外気温度が前記第二外気温度に近いほど小さく設定された第一判定値以上の場合に、前記EGR弁を全閉とし、前記外気温度が前記第二外気温度未満の場合にも前記EGR弁を全閉とすることが好ましい。
(5)前記制御部は、前記吸気温度が前記所定温度よりも低い第一吸気温度未満の場合に、前記EGR弁を全閉とし、前記吸気温度が前記第一吸気温度以上の場合に、前記凝縮水貯留部における凝縮水の貯留量が、前記吸気温度が前記第一吸気温度よりも高いほど大きく設定された第二判定値以上であれば、前記EGR弁を全閉とすることが好ましい。
開示のエンジンの制御装置では、EGR弁を適切に全閉とすることができ、吸気通路へ還流する排気を適切に遮断することができるため、凝縮水の生成を効果的に抑制することができる。
実施形態に係るエンジン及び制御装置を示す模式図である。 図1の制御装置で用いられる運転マップの一例であり、(a)は通常時の禁止領域が設定されたもの、(b)は低温時の禁止領域が設定されたものである。 図1の制御装置で用いられる外気温マップの一例である。 図1の制御装置で用いられる吸気温マップの一例である。 図1の制御装置による禁止判定の手順を示すフローチャート例である。
図面を参照して、実施形態としてのエンジンの制御装置について説明する。以下に示す実施形態はあくまでも例示に過ぎず、以下の実施形態で明示しない種々の変形や技術の適用を排除する意図はない。本実施形態の各構成は、それらの趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができるとともに、必要に応じて取捨選択することができ、あるいは適宜組み合わせることが可能である。
[1.装置構成]
本実施形態の制御装置は、車両に搭載されたディーゼルエンジン10(以下、エンジン10という)に適用される。図1には、エンジン10に設けられる複数のシリンダ11のうちの一つを示すが、他のシリンダ11も同様の構成である。シリンダ11内にはピストン12が摺動自在に内装され、ピストン12の往復運動がコネクティングロッドを介してクランクシャフト13の回転運動に変換される。
シリンダ11の上部のシリンダヘッドには、燃料噴射用のインジェクタ14がその先端を燃焼室側に突出させた状態で設けられる。燃焼室内には、インジェクタ14から高圧の燃料が直接噴射される。シリンダヘッドには、吸気ポート15及び排気ポート16が設けられ、これらの各ポート15,16を開閉するための吸気弁17及び排気弁18が設けられる。
吸気ポート15の上流側にはインテークマニホールド19(以下、インマニ19という)が設けられる。このインマニ19には吸気ポート15側へと流れる空気を一時的に溜めるためのサージタンク20が設けられる。インマニ19の上流端には吸気通路21が接続される。吸気通路21の最も上流側にはエアフィルタ22が介装され、エアフィルタ22で濾過された新気が吸気通路21に導入される。
一方、排気ポート16の下流側にはエキゾーストマニホールド30(以下、エキマニ30という)が設けられる。このエキマニ30の下流端には排気通路31が接続され、排気通路31には排気浄化装置32が介装される。排気浄化装置32は、触媒32Aとフィルタ32Bとが内蔵されて構成される。触媒32Aは、排気中に含まれる炭化水素(HC)成分や一酸化炭素(CO),窒素酸化物(NOx)等を浄化する機能を持ち、例えば酸化触媒や三元触媒である。一方、フィルタ32Bは、排気中に含まれる粒子状物質を捕集する多孔質フィルタである。
また、このエンジン10の吸排気系には、排気圧を利用してシリンダ11内に吸気を過給するターボチャージャ25が設けられる。ターボチャージャ25は、吸気通路21と排気通路31との両方にまたがって介装された過給機である。ターボチャージャ25は、排気通路31内の排気圧でタービンを回転させ、その回転力を利用してコンプレッサを駆動することにより、吸気通路21側の吸気を圧縮してエンジン10への過給を行う。上記の排気浄化装置32は、ターボチャージャ25のタービンよりも下流側の排気通路31に設けられる。
コンプレッサよりも下流側の吸気通路21には、吸気を冷却するインタークーラ26が設けられる。インタークーラ26は、例えば空冷式又は水冷式の熱交換器である。インタークーラ26よりも下流側の吸気通路21には、インタークーラ26で生成された凝縮水を吸気から分離する分離装置27が設けられる。分離装置27には、吸気から凝縮水を分離するセパレータ27Aと、分離した凝縮水を貯留するタンク27B(凝縮水貯留部)と、タンク27Bに溜まった凝縮水を排出するための排出通路27Cと、排出通路27Cに介装されたバルブ27Dとが含まれる。なお、分離装置27は従来の構成と同様であり、詳細な説明は省略する。
本実施形態に係るエンジン10には、排気通路31を流通する排気を吸気通路21へ還流させる低圧EGR(Exhaust Gas Recirculation)通路33と高圧EGR通路35とが設けられる。低圧EGR通路33は、排気浄化装置32の下流側の排気通路31とターボチャージャ25のコンプレッサよりも上流側の吸気通路21とを接続する。すなわち、低圧EGR通路33は、インタークーラ26よりも上流側の吸気通路21に接続される。
吸気通路21と低圧EGR通路33との接続部には低圧EGR弁24が設けられ、低圧EGR弁24とエアフィルタ22との間の吸気通路21には低圧スロットル弁23が設けられる。低圧EGR通路33を流通する排気は、低圧EGR通路33の上流端(排気通路31)及び下流端(吸気通路21)の圧力差によって吸気通路21に導入される。この圧力差は、ターボチャージャ25により吸気が過給されているときや低圧スロットル弁23の開度が絞られているときに発生する。また、吸気通路21に導入される排気の量(低圧還流ガス量)は低圧EGR弁24の開度に応じて調節される。この低圧還流ガス量は、低圧EGR弁24の開度が大きいほど増加し、開度がゼロ(閉弁)のときにゼロとなる。低圧スロットル弁23及び低圧EGR弁24の各開度は、後述の制御装置1で制御される。なお、低圧EGR通路33には、低圧還流ガスを冷却するEGRクーラ34が介装される。
高圧EGR通路35は、ターボチャージャ25のタービンよりも上流側の排気通路31とコンプレッサよりも下流側の吸気通路21とを接続する。吸気通路21と高圧EGR通路35との接続部には高圧EGR弁29が設けられ、高圧EGR弁29と分離装置27との間の吸気通路21には高圧スロットル弁28が設けられる。高圧EGR通路35を流通する排気は、高圧EGR通路35の上流端及び下流端の圧力差によって吸気通路21に導入される。この圧力差は、ターボチャージャ25により吸気が過給されていないときや高圧スロットル弁23の開度が絞られているときに発生する。また、吸気通路21に導入される排気の量(高圧還流ガス量)は高圧EGR弁29の開度に応じて調節される。高圧スロットル弁28及び高圧EGR弁29の各開度も、制御装置1で制御される。なお、高圧EGR通路35にも、高圧還流ガスを冷却するEGRクーラ36が介装される。
したがって、エンジン10の吸気ポート15には、新気と低圧EGR通路33から流入する排気(低圧還流ガス)と高圧EGR通路35から流入する排気(高圧還流ガス)とが混合された吸気(混合気)が導入される。このように吸気中に低圧還流ガスや高圧還流ガスが混合されることで、過度の排気温度上昇やNOxの排出量が抑制される。
エンジン10のクランクシャフト13の近傍には、エンジン10の回転数Neを検出する回転数センサ37が設けられる。インマニ19のサージタンク20には、シリンダ11内に導入される吸気の温度(低圧還流ガス及び高圧還流ガスを含むインマニ19における吸気の温度、以下、吸気温度Tiという)を検出する吸気温センサ38が設けられる。また、分離装置27には、タンク27Bに溜まった凝縮水の貯留量Sを検出する検出部39が設けられる。検出部39は、例えば浮き型式の水位計のような簡易的なものであってもよいし、精度良く貯留量Sを検出可能なセンサであってもよい。なお、エンジン10には、吸気の圧力を検出する圧力センサ,吸気の流量を検出するエアフローセンサ,吸気や排気の空燃比を検出する空燃比センサ等(何れも図示略)も設けられる。
エンジン10が搭載される車両には、外気温度Taを検出する外気温センサ40と、ドライバによるアクセルペダルの踏み込み量(アクセル開度AP)を検出するアクセル開度センサ41とが設けられる。アクセル開度APは、ドライバの加速要求や発進意思に対応するパラメータであり、言い換えるとエンジン10の負荷Pe(トルク,エンジン10に対する出力要求)に相関するパラメータである。これらの各センサ37〜41等で検出された各情報は、制御装置1へ伝達される。
車両には、例えばマイクロプロセッサやROM,RAM等を集積したLSIデバイスや組み込み電子デバイスとして構成された制御装置1(Engine Electronic Control Unit)が設けられる。この制御装置1は、エンジン10に関する点火系,燃料系及び吸排気系といった広汎なシステムを制御する電子制御装置である。制御装置1の具体的な制御対象としては、インジェクタ14から噴射される燃料量や噴射時期,低圧EGR弁24,高圧EGR弁29,低圧スロットル弁23及び高圧スロットル弁28の各開度等が挙げられる。
[2.制御構成]
本実施形態では、低圧EGR通路33を通じて吸気通路21へ排気を導入するための制御(以下、低圧EGR制御という)を禁止するか否かを判定する禁止判定について詳述する。低圧EGR制御では、低圧EGR通路33から吸気通路21へ導入する排気(低圧還流ガス)の量を制御するために、低圧スロットル弁23及び低圧EGR弁24の各開度を制御する。禁止判定とは、このような低圧EGR制御の実施を禁止するか或いは許可するかという判定である。なお、低圧EGR制御の実施を許可する(禁止しない)と判定された場合に限り、低圧EGR制御を実施するか否かについての判定が行われる。
低圧還流ガスには、燃焼により生じた水蒸気が含まれており、その量は新気と比較して多い。そのため、低圧還流ガスを含む吸気がインタークーラ26において冷却されると、新気のみの吸気を冷却する場合と比べて多くの凝縮水が生成される。凝縮水は、分離装置27によって吸気から分離,除去されるが、分離装置27の能力を超えるような多量の凝縮水が生成された場合、凝縮水の一部がシリンダ11内へ導入されてしまう可能性がある。また、外気温が氷点下の場合には凝縮水が排出通路27C等において凍結する可能性があり、セパレータ27Aで分離されたとしても適切に排出されないおそれがある。
そこで、本実施形態の制御装置1は、上記の禁止判定を実施することで、多量の凝縮水の生成や凝縮水の凍結が懸念される場合には低圧還流ガスが吸気に含まれないようにし、凝縮水の生成自体を抑制する。そして、禁止判定を実施した上で低圧EGR制御を実施することで、適切に低圧還流ガスを吸気通路21へ導入する。
制御装置1は、このような禁止判定及び低圧EGR制御を実施するための機能要素として、判定部2及び制御部3を備える。これらの各要素は電子回路(ハードウェア)によって実現してもよく、ソフトウェアとしてプログラミングされたものとしてもよいし、あるいはこれらの機能のうちの一部をハードウェアとして設け、他部をソフトウェアとしたものであってもよい。
判定部2は、上記の禁止判定を行うものである。本実施形態の判定部2は、三つの禁止判定を行い、何れか一つの禁止判定で低圧EGR制御を禁止すると判定した場合に「低圧EGR制御を禁止する」という判定結果を出し、全ての禁止判定で低圧EGR制御を禁止しないと判定した場合に「低圧EGR制御を許可する」という判定結果を出す。例えば、第一の禁止判定で低圧EGR制御を禁止すると判定した場合には、第二,第三の禁止判定を行うことなく、「低圧EGR制御を禁止する」という判定結果を出す。ここで、「低圧EGR制御を禁止する」とは、低圧EGR弁24を全閉にすることを意味する。
第一の禁止判定は、エンジン10の運転状態(運転領域,具体的にはエンジン10の回転数Ne及び負荷Pe)を用いた判定である。判定部2は、エンジン10の運転状態が所定の低負荷運転領域内であるか否かを判定し、所定の低負荷運転領域内であれば低圧EGR制御を禁止する(低圧EGR弁24を全閉とする)と判定し、所定の低負荷運転領域外であれば低圧EGR制御を禁止しないと判定する。この所定の低負荷運転領域は、ある一定の(固定された)領域ではなく、吸気温度Tiに応じて変化しうる領域であり、以下「禁止領域」と呼ぶ。
本実施形態の判定部2は、図2(a)及び(b)に例示する運転マップを用いて第一の禁止判定を行う。これらのマップは、横軸に回転数Ne,縦軸に負荷Peをとったものであり、マップ中にハッチを付けた部分が禁止領域,ハッチのない部分が禁止領域でない領域(以下、許容領域という)である。図2(a)は、吸気温度Tiが所定温度Tthよりも高い場合(以下、通常時という)の禁止領域が設定された運転マップである。通常時は、エンジン10の負荷Peが所定負荷値Pe0以下の領域が禁止領域として設定される。この所定負荷値Pe0は、禁止領域と許容領域との閾値であり、エンジン10の負荷Peがこの閾値(所定負荷値Pe0)以下であれば低圧EGR制御を禁止すると判定される。通常時の所定負荷値Pe0は、回転数Neにかかわらず一定値であり、例えば高圧EGR通路35のみでは十分な量の排気を吸気通路21へ還流できなくなる負荷に相当する値に予め設定される。
エンジン10の負荷Peが小さい場合は、ターボチャージャ25による過給が行われないため、圧力差を発生させるには低圧スロットル弁23の開度制御が必要となる。そこで、低負荷運転領域では低圧EGR制御を禁止することで、この開度制御を省略することができ、制御構成を簡素化することができる。なお、低負荷運転領域では、低圧EGR制御ではなく高圧EGR通路35を通じて排気を還流させることで、過度の排気温度上昇やNOxの排出量を抑制することができる。上記の所定温度Tthは予め設定された温度であり、例えば1atmかつ外気温度Taが0℃の場合の吸気温度である。
一方、図2(b)は、吸気温度Tiが所定温度Tth以下の場合(以下、低温時という)の禁止領域が設定された運転マップである。低温時には、回転数Neが高いほど所定負荷値Pe0が増大するように上記の禁止領域が拡大される。すなわち、低温時の禁止領域は、極低回転域では通常時の禁止領域と略同一であり、回転数Neが高くなるに連れて高負荷側へと拡大される。言い換えると、禁止領域と許容領域との閾値としての所定負荷値Pe0が、高回転側ほど高負荷側に設定される。
低温時の運転マップがこのように設定される理由について説明する。吸気温度Tiが低いときは、通常、外気温度Taも低い。このため、高温で水蒸気を多く含有する低圧還流ガスを含んだ吸気を、インタークーラ26で外気温度Ta近くまで冷却すると、吸気温度Tiが高い場合と比較してより多くの凝縮水が生成されやすくなる。また、高負荷では、過給圧が高くなることから低圧還流ガスが多く導入されること、及び、充填効率を高めるためにインタークーラ26における冷却量を増大させることから、低負荷時に比べてより多くの凝縮水が生成されやすくなる。なお、低回転側では低圧還流ガスを使用しないことが多い。このように、低温時では、回転数Neが比較的高く、負荷が高くなるほど凝縮水が生成されやすくなることから、凝縮水の生成を抑制するために上記のように禁止領域が設定される。
さらに、本実施形態の低温時の禁止領域は、吸気温度Tiが所定温度Tthよりも低いほど(所定温度Tthから吸気温度Tiを減算した値が大きいほど)、高負荷側へとさらに拡大される。すなわち、吸気温度Tiが所定温度Tthよりも低いときは、その吸気温度Tiが低いほど、禁止領域と許容領域との閾値(所定負荷値Pe0)の傾き(回転数Neの増加量に対する負荷Peの増加量)が大きくなるように、禁止領域が設定される。なお、禁止領域の設定において、外気温度Taではなく吸気温度Tiを用いることで、大気圧(気象条件)の変化,低圧EGR通路33やEGRクーラ34等のハード劣化,走行状態によって変化するエンジンルーム内の空気と吸気管壁面を介した吸気との熱のやりとりなど、様々な外乱を含んで制御できるため、制御ロバスト性が向上する。
例えば、吸気温度Tiが所定温度Tthよりもやや低い場合は、破線で示す通常時の禁止領域と許可領域との閾値(所定負荷値Pe0)を、二点鎖線で示す部分まで拡大したものが低温時の禁止領域として設定される。また、吸気温度Tiがこれよりも低い場合は、破線で示す閾値(所定負荷値Pe0)を、一点鎖線で示す部分まで拡大したものが低温時の禁止領域として設定される。吸気温度Tiがこれよりもさらに低い場合は、破線で示す閾値(所定負荷値Pe0)を、実線で示す部分まで拡大したものが低温時の禁止領域として設定される。なお、図2(b)には三つの低温時の禁止領域を重ねて例示しているが、低温時の禁止領域は吸気温度Tiが低下するに連れて徐々に拡大される。
本実施形態の制御装置1には、吸気温度Ti毎に禁止領域が設定された複数の運転マップが予め設けられている。判定部2は、これら複数の運転マップの中から、吸気温センサ38で検出された吸気温度Tiに応じた運転マップを選択し、吸気温度Tiに応じた適切な禁止領域を取得する。すなわち、判定部2は、吸気温度Tiが所定温度Tthよりも高ければ図2(a)に示す運転マップを選択することで、所定負荷値Pe0以下の領域を禁止領域とする。また、判定部2は、吸気温度Tiが所定温度Tth以下であれば、吸気温度Tiに応じて禁止領域が設定された図2(b)に示す運転マップを選択することで、回転数Neが高いほど所定負荷値Pe0が増大するように所定の低負荷運転領域(禁止領域)を拡大する。
そして、判定部2は、エンジン10の運転状態が禁止領域内か否かを判定する。判定部2は、この第一の禁止判定で低圧EGR制御を禁止すると判定した場合は、以下の第二,第三の禁止判定をすることなく、「低圧EGR制御を禁止する」という判定結果を制御部3へ伝達する。一方、第一の禁止判定で低圧EGR制御を禁止しないと判定した場合は、第二の禁止判定を行う。
第二の禁止判定は、外気温センサ40で検出された外気温度Taと、検出部39で検出された凝縮水の貯留量Sとを用いた判定である。本実施形態の判定部2は、予め制御装置1に設定された外気温マップに、外気温度Ta及び貯留量Sを適用して禁止判定を行う。外気温マップには、外気温度Ta及び貯留量Sに応じて低圧EGR制御を禁止すべき範囲(禁止範囲)が設定されている。判定部2は、外気温度Ta及び貯留量Sの状態が、外気温マップの禁止範囲内であれば低圧EGR制御を禁止する(低圧EGR弁24を全閉とする)と判定し、禁止範囲外であれば低圧EGR制御を禁止しないと判定する。
図3は、外気温マップの一例である。このマップは、横軸に外気温度Ta,縦軸に貯留量Sをとったものであり、マップ中にハッチを付けた部分が禁止範囲,ハッチのない部分が禁止範囲でない範囲(以下、許容範囲という)である。図3の外気温マップは、基本的には禁止範囲と許容範囲とが所定の第一外気温度Ta1を境界線として設定されている。具体的には、第一外気温度Ta1よりも高い範囲が許容範囲に設定され、第一外気温度Ta1以下の範囲が一部分を除いて禁止範囲に設定されている。なお、この一部分は許容範囲に設定されている。
第一外気温度Ta1は、凝縮水の凍結や生成量の増大が懸念される0℃付近の温度である。外気温度Taが第一外気温度Ta1以下のときは、凝縮水の凍結や生成量の増大の可能性があるため、基本的には低圧還流ガスの導入を禁止する。ただし、外気温度Taが第一外気温度Ta1以下であっても、NOx排出量を抑制して排ガス性能を向上させるという観点から、低圧還流ガスを導入した方が好ましいことがある。
そこで、本実施形態の外気温マップは、第一外気温度Ta1以下の範囲に許容範囲を一部分だけ設けて、貯水量Sが比較的少なく、かつ、凍結の可能性が低い場合に限り、低圧還流ガスの導入を許容している。この一部分は、外気温度Taが第一外気温度Ta1よりも低い第二外気温度Ta2以上かつ第一外気温度Ta1以下であって、貯水量Sが第一判定値De1未満の範囲である(Ta2≦Ta≦Ta1かつS<De1)。なお、第二外気温度Ta2は第一外気温度Ta1よりもさらに20℃程度低い温度であり、例えばタンク27Bや排出通路27Cの温度が0℃よりも高くなることが確実である温度を想定して設定される。
また、第一判定値De1は、第一外気温度Ta1以下の温度域における禁止範囲と許容範囲との境界線であり、第一外気温度Ta1のときに所定量Saに設定され、第二外気温度Ta2に近いほど小さく設定される。本実施形態の第一判定値De1は、第一外気温度Ta1での所定量Saから直線的に減少し、第二外気温度Ta2のときにゼロになるように設定されている。所定量Saは、タンク27Bのインマニ側出口と貯水面との位置関係(タンク27Bの底面からの水面高さ)を考慮して、例えば最大容量の30%程度の容量に対応する値とされる。なお、第一外気温度Ta1,第二外気温度Ta2,所定量Saの値は一例であって、その具体的な値は、インタークーラ26の性能や分離装置27の性能等を考慮して、実験やシミュレーション等により設定される。
したがって、判定部2は、外気温度Taが第二外気温度Ta2以上かつ第一外気温度Ta以下の場合に、貯留量Sが第一判定値De1以上であれば低圧EGR制御を禁止すると判定し、貯留量Sが第一判定値De1未満であれば低圧EGR制御を禁止しないと判定する。また、判定部2は、外気温度Taが第二外気温度Ta2よりも低ければ、貯水量Sにかかわらず低圧EGR制御を禁止すると判定し、外気温度Taが第一外気温度Ta1よりも高ければ、貯水量Sにかかわらず低圧EGR制御を禁止しないと判定する。判定部2は、第二の禁止判定で低圧EGR制御を禁止すると判定した場合は、次の第三の禁止判定をすることなく、「低圧EGR制御を禁止する」という判定結果を制御部3へ伝達する。一方、第二の禁止判定で低圧EGR制御を禁止しないと判定した場合は、第三の禁止判定を行う。
第三の禁止判定は、吸気温センサ38で検出された吸気温度Tiと、検出部39で検出された凝縮水の貯留量Sとを用いた判定である。本実施形態の判定部2は、予め制御装置1に設定された吸気温マップに、吸気温度Ti及び貯留量Sを適用して禁止判定を行う。吸気温マップには、吸気温度Ti及び貯留量Sに応じて低圧EGR制御を禁止すべき範囲(禁止範囲)が設定されている。判定部2は、吸気温度Ti及び貯留量Sの状態が、吸気温マップの禁止範囲内であれば低圧EGR制御を禁止すると判定し、禁止範囲外であれば低圧EGR制御を禁止しないと判定する。
図4は、吸気温マップの一例である。このマップは、横軸に吸気温度Ti,縦軸に貯留量Sをとったものであり、マップ中にハッチを付けた部分が禁止範囲,ハッチのない部分が禁止範囲でない範囲(以下、許容範囲という)である。図4の吸気温マップは、禁止範囲と許容範囲とが所定の第二判定値De2を境界線として設定されている。具体的には、第二判定値De2よりも低温側が禁止範囲に設定され、第二判定値De2よりも高温側が許容範囲に設定されている。
第二判定値De2は、第一吸気温度Ti1以上の温度域における禁止範囲と許容範囲との境界線であり、第一吸気温度Ti1のときにゼロに設定され、吸気温度Tiが高いほど大きく設定される。本実施形態の第二判定値De2は、第一吸気温度Ti1での値(すなわちゼロ)から直線的に増加し、上記の第一外気温度Ta1に相当する吸気温度Ti0(以下、所定吸気温度Ti0という)のときに貯留量Sが所定量Siとなるような傾きに設定され、貯留量Sの最大値(タンク27Bの最大容量)まで延びて設定されている。
すなわち、吸気温度Tiが高ければ、貯留量Sが多くても低圧還流ガスの導入を許容し、吸気温度Tiが低いほど、より少ない貯留量Sで低圧還流ガスの導入を禁止する。これは、吸気温度Tiが低いほど飽和水蒸気量が小さいことから、凝縮水が生成されやすくなるためである。なお、第一吸気温度Tiは、上記の所定温度Tthよりも低い温度であり、上記の第二外気温度Ta2よりも高く第一外気温度Ta1よりも低い温度であることが好ましく、例えば-10℃付近の温度である。また、所定量Siは、上記の所定量Saと同様に、例えばタンク27Bの最大容量の30%程度の容量に対応する値とされる。これらの第一吸気温度Ti1,所定吸気温度Ti0,所定量Siの値も一例である。例えば、所定吸気温度Ti0が第一外気温度Ta1と異なる温度であってもよいし、所定量Siが上記の所定量Saと異なる値であってもよい。これらの値は適宜設定される。
なお、吸気温度Tiが第一吸気温度Ti1以上かつ所定吸気温度Ti0以下の温度域については、貯留量Sが第二判定値De2未満の範囲が許容範囲に設定される。これは、図3の外気温マップと同様、NOx排出量を抑制して排ガス性能を向上させるという観点から設けられたものである。すなわち、凝縮水の生成量を抑制することよりも排ガス性能の向上を優先させて設定された許容範囲である。
したがって、判定部2は、吸気温度Tiが第一吸気温度Ti1以上の場合に、貯留量Sが第二判定値De2以上であれば低圧EGR制御を禁止すると判定する。また、吸気温度Tiが第一吸気温度Ti1よりも低ければ、貯水量Sにかかわらず低圧EGR制御を禁止すると判定する。判定部2は、これらの判定をした場合には、「低圧EGR制御を禁止する」という判定結果を制御部3へ伝達する。一方、判定部2は、貯留量Sが第二判定値De2未満であれば、低圧EGR制御を禁止しないと判定する。この場合、判定部2は、三つの禁止判定の全てにおいて低圧EGR制御を禁止しないと判定したことになるため、「低圧EGR制御を許可する」という判定結果を出し、これを制御部3へ伝達する。
制御部3は、判定部2における判定結果とエンジン10の運転状態とに応じて、上記の低圧EGR制御を実施するものである。制御部3は、判定部2から「低圧EGR制御を禁止する」という判定結果が伝達された場合には、エンジン10の運転状態にかかわらず低圧EGR制御を禁止する。すなわちこの場合は、低圧EGR弁24の開度をゼロ(全閉)に制御するとともに、低圧スロットル弁23の開度を全開に制御する。
つまり、本実施形態の制御部3は、エンジン10の運転状態が所定の低負荷運転領域(禁止領域)内であるときに低圧EGR弁24を全閉とする。また、制御部3は、外気温度Taが第一外気温度Ta1以下かつ第二外気温度Ta2以上であって貯留量Sが第一判定値De1以上の場合に、低圧EGR弁24を全閉とし、外気温度Taが第二外気温度Ta2未満の場合にも低圧EGR弁24を全閉とする。さらに、制御部3は、吸気温度Tiが第一吸気温度Ti1未満の場合に低圧EGR弁24を全閉とし、吸気温度Tiが第一吸気温度Ti1以上の場合に貯留量Sが第二判定値De2以上であれば、低圧EGR弁24を全閉とする。
一方、制御部3は、判定部2から「低圧EGR制御を許可する」という判定結果が伝達された場合には、エンジン10の運転状態に基づいて低圧EGR制御を実施するか否かを判定する。そして、低圧EGR制御を実施すると判定した場合は、低圧EGR制御を実施する。すなわちこの場合は、低圧還流ガスを吸気通路21へ導入すべく、低圧スロットル弁23及び低圧EGR弁24の各開度を制御する。このように、低圧EGR制御の実施判定に先立って禁止判定を行うことにより、効果的に凝縮水の生成が抑制される。
[3.フローチャート]
図5は、上述の禁止判定の手順を例示するフローチャートであり、制御装置1の判定部2において所定の演算周期で繰り返し実行される。
ステップA1では、各センサ37〜41等で検出された各情報が制御装置1に入力される。ステップA2では、吸気温度Tiに応じて運転マップが選択され、続くステップA3では、その運転マップを用いて、エンジン10の運転状態が禁止領域内であるか否かが判定される(第一の禁止判定)。
ステップA3で禁止領域内であると判定された場合はステップA7へ進み、禁止領域外(許容領域内)であると判定された場合はステップA4へ進む。ステップA4では、外気温マップに外気温度Ta及び貯水量Sが適用され、禁止範囲内であるか否かが判定される(第二の禁止判定)。ステップA4で禁止範囲内であると判定された場合はステップA7へ進み、禁止範囲外(許容範囲内)であると判定された場合はステップA5へ進む。
ステップA5では、吸気温マップに吸気温度Ti及び貯水量Sが適用され、禁止範囲内であるか否かが判定される(第三の禁止判定)。ステップA5で禁止範囲内であると判定された場合はステップA7へ進み、禁止範囲外(許容範囲内)であると判定された場合はステップA6へ進む。ステップA6では、「低圧EGR制御を許可する」という判定結果が出され、このフローをリターンする。一方、ステップA7では、「低圧EGR制御を禁止する」という判定結果が出され、このフローをリターンする。
[4.効果]
上述の制御装置1では、低圧EGR制御を実施するか否かの判定に先立って、エンジン10の運転状態が禁止領域(所定の低負荷運転領域)であるか否かの判定を行い、この領域内であれば低圧EGR弁24を全閉とする。さらに、この判定に用いられる禁止領域が、吸気温度Tiに応じて変更される。具体的には、吸気温度Tiが所定温度Tthよりも高ければ所定負荷値Pe0以下の領域を禁止領域とし、吸気温度Tiが所定温度Tth以下であれば、回転数Neが高いほど所定負荷値Pe0が増大するように禁止領域を拡大する。このように設定した禁止領域を用いて判定を行うことで、低圧EGR弁24制御を適切に全閉とすることができ、吸気通路21へ還流する排気を適切に遮断することができるため、凝縮水の生成を効果的に抑制することができる。
上述の制御装置1では、吸気温度Tiが所定温度Tth以下の場合、吸気温度Tiが低いほど禁止領域を高負荷側へとさらに拡大し、その禁止領域を用いて低圧EGR制御の禁止判定を行う。これにより、吸気温度Tiが低く凝縮水が生成されやすい状態において、適切に低圧EGR弁24を全閉とすることができるため、凝縮水の生成をより効果的に抑制することができる。
上述の制御装置1では、第一の禁止判定に加えて、外気温度Ta及び凝縮水の貯留量Sを用いた第二の禁止判定を行う。具体的には、外気温度Taが第二外気温度Ta2以上かつ第一外気温度Ta1以下であって貯水量Sが第一判定値De1以上の場合に低圧EGR制御を禁止すると判定されて低圧EGR弁24が全閉とされる。さらに、外気温度Taが第二所定温度Ta2未満の場合にも、低圧EGR制御を禁止すると判定されて低圧EGR弁24が全閉とされる。後者の判定によって、凝縮水の生成量の増大や凝縮水の凍結が懸念される環境状態では、低圧EGR弁24が適切に全閉とされるため、凝縮水の生成自体を効果的に抑制することができる。また、前者の判定によって、貯留量Sに余裕がない場合は凝縮水の生成自体を適切に抑制でき、貯留量Sに余裕がある場合は、凝縮水の生成よりもNOxの生成量の抑制を優先させることで、排ガス性能を向上させることができる。
上述の制御装置1では、第一の禁止判定に加えて、吸気温度Ti及び凝縮水の貯留量Sを用いた第三の禁止判定を行う。具体的には、吸気温度Tiが第一吸気温度Ti1未満では低圧EGR制御を禁止すると判定されて低圧EGR弁24が全閉とされ、吸気温度Tiが第一吸気温度Ti1以上では、貯留量Sが第二判定値De2以上のときに低圧EGR制御を禁止すると判定されて低圧EGR弁24が全閉とされる。このように、吸気温度Tiを加味して禁止判定を行うことで、エンジン10の運転状態に即して適切に低圧EGR弁24を全閉とすることができ、凝縮水の生成を効果的に抑制することができる。
上述の制御装置1では、判定部2において低圧EGR制御を許可すると判定された場合に、エンジン10の運転状態に応じて低圧EGR制御が実施されるため、凝縮水の生成を抑制しながら低圧還流ガスを吸気通路21へ導入することができる。
[5.その他]
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形することが可能である。
上述の運転マップ,外気温マップ,吸気温マップは何れも一例であって、上記のものに限られない。例えば、運転マップが、エンジン10の回転数Neと負荷Peと吸気温度Tiとをパラメータとした三次元マップとして設けられ、この三次元マップに禁止領域(所定の低負荷運転領域)が設定されていてもよい。また、吸気温度Tiが所定温度Tthよりも高い場合の禁止領域が設定された運転マップと、吸気温度Tiが所定温度Tth以下の場合の禁止領域が設定された運転マップとの二つだけが設定されていてもよい。すなわち、禁止領域が吸気温度Tiの低下に応じて高負荷側にさらに拡大されていなくてもよい。
また、外気温マップは、第一外気温度Ta1以下の温度域が全て禁止範囲に設定されていてもよい。すなわち、上記の外気温マップから第一判定値De1を省略し、外気温度Taが第一外気温度Ta1以下であれば低圧EGR制御を禁止すると判定して低圧EGR弁24を全閉とする構成であってもよい。このような構成でも、凝縮水の生成量の増大や凝縮水の凍結が懸念される環境状態では、低圧EGR弁24が適切に全閉とされるため、凝縮水の生成自体を効果的に抑制することができる。
また、吸気温マップが、第一吸気温度Ti1や所定吸気温度Ti0を境界線として、低温側が禁止範囲,高温側が許容範囲に設定されていてもよい。あるいは、吸気温マップが、図3に示す外気温マップのように、所定吸気温度Ti0よりも高い温度域では全て許容範囲に設定され、所定吸気温度Ti0以下の温度域では、第二判定値De2以上が禁止範囲に設定され、第二判定値De2未満が許容範囲に設定されていてもよい。なお、判定部2による判定の順番は上記のものでなくてもよい。また、外気温度Ta,吸気温度Tiを用いた第二,第三の禁止判定の何れか一方又は両方を省略してもよい。また、判定部2による第二,第三の禁止判定を省略し、制御部3が外気温度Ta,吸気温度Tiを用いて低圧EGR弁24を直接制御する構成としてもよい。
上記実施形態では、インマニ19に設けられた吸気温センサ38で検出された温度を吸気温度Tiとして用いているが、吸気温度Tiはこれに限られない。例えば、一般的に吸排気系に備えられているセンサ類からの情報に基づいて、還流ガスの混合割合,タービンの効率,吸気輸送過程における受熱等やハード劣化を考慮した物理モデルを作成し、インタークーラ26の前後の温度を推定して、これを吸気温度Tiの代わりとして用いてもよい。また、上記実施形態では、凝縮水の貯留量Sを検出部39で検出しているが、これに代えて、あるいはこれに加えて、エンジン10の稼動時間,回転数Ne,低圧還流ガス量,吸気温度Tiや外気温度Taに応じた飽和水蒸気量等に基づいて貯留量Sを推定する構成を設けてもよい。
上記実施形態では、凝縮水が貯留されるタンク27Bが設けられているが、セパレータ27A及び排出通路27Cの何れか一方又は両方の内部に凝縮水が貯留されるように構成されていてもよい。つまり、セパレータ27A,排出通路27Cがそれぞれ凝縮水貯留部として機能するものであってもよい。
なお、エンジン10の構成は上記のものに限られない。例えば、高圧EGR通路35やターボチャージャ25等のないエンジンであってもよいし、低圧スロットル弁23,高圧スロットル弁28のないエンジンであってもよい。また、ディーゼルエンジンに限られず、ガソリンエンジンであってもよい。
1 制御装置
2 判定部
3 制御部
10 エンジン
21 吸気通路
24 低圧EGR弁(EGR弁)
26 インタークーラ
27 分離装置
27A セパレータ
27B タンク(凝縮水貯留部)
31 排気通路
33 低圧EGR通路(EGR通路)
Ne 回転数
Pe 負荷
Pe0 所定負荷値
S 貯留量
Ti 吸気温度
Tth 所定温度
Ti1 第一吸気温度
Ta 外気温度
Ta1 第一外気温度
Ta2 第二外気温度
De1 第一判定値
De2 第二判定値

Claims (5)

  1. 吸気通路を流通する吸気を冷却するインタークーラと、
    排気通路と前記インタークーラよりも上流側の前記吸気通路とを連通するEGR通路と、
    前記EGR通路の連通を開閉するEGR弁と、
    前記インタークーラで生成された凝縮水を貯留する凝縮水貯留部と、
    エンジンの運転状態が所定の低負荷運転領域内にあるか否かを判定する判定部と、
    前記エンジンの運転状態が前記所定の低負荷運転領域内にあると判定された際に前記EGR弁を全閉とする制御部と、を備え、
    前記判定部は、吸気温度が所定温度よりも高い場合には前記エンジンの負荷が所定負荷値以下の領域を前記所定の低負荷運転領域に設定し、前記吸気温度が前記所定温度以下の場合には前記エンジンの回転数が高いほど前記所定負荷値が増大するように前記所定の低負荷運転領域を拡大する
    ことを特徴とする、エンジンの制御装置。
  2. 前記判定部は、前記吸気温度が前記所定温度以下では、前記吸気温度が前記所定温度よりも低いほど前記所定の低負荷運転領域を高負荷側へとさらに拡大する
    ことを特徴とする、請求項1記載のエンジンの制御装置。
  3. 前記制御部は、外気温度が所定の第一外気温度以下であれば、前記EGR弁を全閉とする
    ことを特徴とする、請求項1又は2記載のエンジンの制御装置。
  4. 前記制御部は、
    外気温度が所定の第一外気温度以下かつ前記第一外気温度よりも低い第二外気温度以上であって、前記凝縮水貯留部における凝縮水の貯留量が、前記外気温度が前記第二外気温度に近いほど小さく設定された第一判定値以上の場合に、前記EGR弁を全閉とし、
    前記外気温度が前記第二外気温度未満の場合にも前記EGR弁を全閉とする
    ことを特徴とする、請求項1又は2記載のエンジンの制御装置。
  5. 前記制御部は、
    前記吸気温度が前記所定温度よりも低い第一吸気温度未満の場合に、前記EGR弁を全閉とし、
    前記吸気温度が前記第一吸気温度以上の場合に、前記凝縮水貯留部における凝縮水の貯留量が、前記吸気温度が前記第一吸気温度よりも高いほど大きく設定された第二判定値以上であれば、前記EGR弁を全閉とする
    ことを特徴とする、請求項1〜4の何れか1項に記載のエンジンの制御装置。
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