JP2016166069A - エレベータの保守作業支援装置、システム、及び方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】エレベータ装置の保守作業をより確実に実施させることができる保守作業支援装置、システム、及び方法を提供する。【解決手段】一実施形態に係る保守作業支援装置は、仕様取得部と、理想タイミング取得部と、故障診断部と、故障部位特定部と、交換用品特定部と、建屋情報記憶部と、保守日時情報記憶部と、建屋別保守交換用品管理部と、報知部と、を備える。このうち、特に、交換用品特定部は、特定した故障部位を正常状態に復帰させるための交換用品を特定する。建屋別保守交換用品管理部は、特定された交換用品と、エレベータ装置が設置される建屋の建屋情報と、エレベータ装置に対する保守作業を実施する予定を示す保守日時情報と、に基づいて、建屋に設置されるエレベータ装置の次回保守日時と交換用品とを紐付けた建屋別保守交換用品の情報を管理する。報知部は、建屋別保守交換用品の情報を報知する。【選択図】図1
Description
本発明の実施形態は、エレベータの保守作業支援装置、システム、及び方法に関する。
従来、エレベータの点検には年1回の法令点検と、保守契約を締結している物件に対する月1回程度の定期点検がある。ところで、保守作業者が定期点検を実施した結果、点検時には用品交換する必要はないものの、予防保全の観点から次回点検時には用品交換する方が望ましい場合もある。ここで、次回点検時に保守作業者が用品交換を失念すると、エレベータの不具合やトラブルの発生につながる可能性があるため、保守作業者が確実に用品交換を実施するためのサポート体制の構築が重要となる。
エレベータ装置の保守作業をより確実に実施させることができるエレベータの保守作業支援装置、システム、及び方法を提供する。
一実施形態に係るエレベータの保守作業支援装置は、仕様取得部と、理想タイミング取得部と、故障診断部と、故障部位特定部と、交換用品特定部と、建屋情報記憶部と、保守日時情報記憶部と、建屋別保守交換用品管理部と、報知部と、を備える。仕様取得部は、故障診断の対象となるエレベータ装置の仕様を取得する。理想タイミング取得部は、エレベータ装置の状態、動作命令、及び動作命令により指定された動作の開始時刻に基づいて、エレベータ装置が正常な場合に所定の条件を満たす理想タイミングを取得する。故障診断部は、理想タイミングと、エレベータ装置が所定の条件を実際に満たした実タイミングと、の時間差に基づいて、エレベータ装置の故障を診断する。故障部位特定部は、時間差と、時間差と故障部位とが対応付けられた故障情報と、に基づいて、エレベータ装置の故障部位を特定する。交換用品特定部は、特定した故障部位を正常状態に復帰させるための交換用品を特定する。建屋情報記憶部は、エレベータ装置が設置される建屋の名称及び営業日時を少なくとも含む建屋情報を記憶する。保守日時情報記憶部は、エレベータ装置に対する保守作業を実施する予定を示す保守日時情報を記憶する。建屋別保守交換用品管理部は、建屋情報記憶部と保守日時情報記憶部とを少なくとも含んで構成され、交換用品と、建屋情報と、保守日時情報と、に基づいて、建屋に設置されるエレベータ装置の次回保守日時と交換用品とを紐付けた建屋別保守交換用品の情報を管理する。報知部は、建屋別保守交換用品の情報を報知する。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。なお、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。また、下記実施形態における構成要素には、当業者が置換可能かつ容易なもの、或いは実質的に同一のものが含まれる。
[実施形態1]
実施形態1に係るエレベータの保守作業支援装置、システム、及び方法について、図1〜図8を参照して説明する。本実施形態に係る保守作業支援装置は、理想タイミングと実タイミングとの時間差に基づいて、エレベータ装置の故障を診断する故障診断装置としての機能も有する。
実施形態1に係るエレベータの保守作業支援装置、システム、及び方法について、図1〜図8を参照して説明する。本実施形態に係る保守作業支援装置は、理想タイミングと実タイミングとの時間差に基づいて、エレベータ装置の故障を診断する故障診断装置としての機能も有する。
まず、実施形態1に係る保守作業支援装置100の機能構成について、図1〜図7を参照して説明する。図1は、保守作業支援装置100の機能構成を示すブロック図である。図1に示すように、保守作業支援装置100は、仕様取得部1と、理想タイミング取得部2と、故障診断部3と、故障情報DB4と、故障部位特定部5と、交換用品特定部6と、建屋別保守交換用品管理部7と、報知部8と、を備える。
仕様取得部1は、建物のエレベータ設備200が備える1つ又は複数のエレベータ装置EVのうち、故障診断の対象となるエレベータ装置(以下、「対象EV」という)の仕様を取得する。ここでまず、エレベータ設備200について説明する。
エレベータ設備200は、1つ又は複数のエレベータ装置EVと、各エレベータ装置EVの動作を制御する制御盤201と、識別情報取得装置202と、を備える。図1において、エレベータ装置EV1,EV2が図示されているが、エレベータ設備200が備えるエレベータ装置EVの数は任意である。
制御盤201は、動作命令を送信することにより、各エレベータ装置EVの動作を制御する。動作命令とは、エレベータ装置EVが行う動作を指定する命令である。エレベータ装置EVは、受信した動作命令により指定された動作を行う。
また、制御盤201は、各エレベータ装置EVの状態を、エレベータ装置EVに設けられたセンサ等から常時取得する。エレベータ装置EVの状態には、カゴの位置(階床)、積載重量、昇降速度、及び呼びの少なくとも1つが含まれるが、これに限られない。
また、制御盤201は、後述する報知部8を介して建屋別保守交換用品管理部7が管理する建屋別保守交換用品の情報(すなわち、建屋に設置されるエレベータ装置EVの次回保守日時と交換用品とを紐付けた建屋別保守交換用品の情報)を受信して、制御盤201内に当該建屋別保守交換用品の情報を記憶する。ここで、制御盤201内に記憶された建屋別保守交換用品の情報は、保守作業者により交換用品の交換作業が行われたか否かを判定する際に用いられる。制御盤201は、保守作業者により交換用品の交換が行われたか否かを示す情報を、保守作業支援装置100側へ送信する。例えば、制御盤201は、交換用品が電子部品であれば、保守作業者により交換作業が行われて交換用品が通電されたことを検知した際に、建屋別保守交換用品の情報に記憶された対象の交換用品の交換が行われたことを示す情報を、保守作業支援装置100側へ送信する。
各エレベータ装置EVは、個体識別装置203をそれぞれ備える。個体識別装置203は、エレベータ装置EVを個々に識別するための識別情報(ID)を記憶する。個体識別装置203は、例えば、ICチップやICタグであるが、これに限られない。
識別情報取得装置202は、対象EVの個体識別装置203から識別情報を取得する。識別情報取得装置202は、個体識別装置203から取得した対象EVの識別情報を保守作業支援装置100に送信する。ここで、識別情報取得装置202は、更に、後述する建屋情報抽出部72から送信される建屋情報に含まれる対象EVの識別情報に基づいて、対象EVの個体識別装置203から取得した識別情報を確認してもよい。
制御盤201及び識別情報取得装置202は、有線又は無線により、保守作業支援装置100と通信可能であり、保守作業支援装置100とともに、エレベータの保守作業支援システムを構成する。
仕様取得部1は、識別情報取得装置202から取得した識別情報に基づいて、対象EVの仕様を取得する。仕様取得部1は、仕様DB11と、仕様抽出部12と、を備える。
仕様DB11は、エレベータ設備200が備える各エレベータ装置EVの仕様を記憶している。仕様DB11が記憶する仕様は、例えば、機種、昇降速度、設置階床、及び回生電力の少なくとも1つであるが、これに限られない。
ここで、図2は、仕様DB11に記憶された仕様テーブル(仕様情報)の一例を示す図である。図2において、各エレベータ装置EVのレコードには、機種、昇降速度、及び設置階床の3つの仕様が含まれている。図2によれば、例えば、エレベータ装置EV1の機種は、Aである。
仕様抽出部12は、識別情報取得装置202から対象EVの識別情報を取得し、取得した識別情報に対応する仕様情報を、仕様DB11から抽出する。例えば、仕様抽出部12は、エレベータ装置EV1の識別情報(ID=EV1)を取得した場合、図2の仕様テーブルから、EV1のレコードを抽出する。これにより、対象EVの仕様として、機種A、昇降速度30、及び設置階床1〜10階が抽出される。
理想タイミング取得部2は、理想タイミングを取得する。理想タイミングとは、正常なエレベータ装置EVが動作命令により指定された動作を行った場合に、所定の条件を満たす時刻のことである。所定の条件は、例えば、動作命令の終了(動作命令により指定された動作の終了)、昇降速度が所定値となること、カゴが階床間の所定位置を通過すること、及びドアが全開又は全閉となること、の少なくとも1つであるが、これに限られない。理想タイミング取得部2は、理想動作時間DB21と、理想タイミング算出部22と、を備える。
理想動作時間DB21は、理想動作時間を記憶している。理想動作時間とは、正常なエレベータ装置EVが、ある動作を行うために要する時間のことである。理想動作時間は、予め設定又は計測され、エレベータ装置EVの仕様毎に記憶される。
ここで、図3は、理想動作時間DB21に記憶された理想動作時間テーブル(理想動作時間情報)の一例を示す図である。図3に示すように、理想動作時間DB21は、エレベータ装置EVの動作と、理想動作時間と、を対応づけて記憶している。図3によれば、例えば、カゴが1階から2階へ上昇するまでの理想動作時間は5秒である。これは、エレベータ装置EVが正常な場合、カゴが1階から2階へ上昇するまでに5秒かかることを示している。理想動作時間DB21は、このような理想動作時間テーブルを、エレベータ装置EVの仕様毎に記憶している。
理想タイミング算出部22は、理想タイミングを算出する。まず、理想タイミング算出部22は、制御盤201から、対象EVの状態と、制御盤201が対象EVに送信した動作命令と、対象EVが動作命令により指定された動作を開始した開始時刻と、を受信する。
次に、理想タイミング算出部22は、対象EVの状態及び動作命令に基づいて、開始時刻から理想タイミングまでの理想動作時間を、理想動作時間DB21から抽出する。そして、理想タイミング算出部22は、抽出した理想動作時間を合計した合計時間を算出し、開始時刻から合計時間後の時刻を理想タイミングとして算出する。
例えば、所定の条件が「動作命令の終了」、対象EVの状態が「1階に停止」、動作命令が「2階へ移動」である場合、理想タイミング算出部22は、図3の理想動作時間テーブルから理想動作時間として5秒(1階→2階)を抽出する。この場合、合計時間は5秒となる。そして、理想タイミング算出部22は、開始時刻の5秒後を、理想タイミングとして算出する。
また、所定の条件が「ドアが全開となること」、対象EVの状態が「1階に停止」、動作命令が「2階へ移動」である場合、理想タイミング算出部22は、図3の理想動作時間テーブルから理想動作時間として5秒(1階→2階)及び3秒(戸閉→戸開)を抽出する。この場合、合計時間は8秒となる。そして、理想タイミング算出部22は、開始時刻の8秒後を、理想タイミングとして算出する。
このように、理想タイミング算出部22は、1つの動作命令に対して、1つ又は複数の条件に対応する1つ又は複数の理想タイミングを算出することができる。
故障診断部3は、理想タイミングと実タイミングとに基づいて、対象EVの故障の有無を診断する。実タイミングとは、対象EVが動作命令により指定された動作を行い、上述の所定の条件を実際に満たす時刻のことである。各条件に対して、理想タイミングと実タイミングとは、1対1に対応する。故障診断部3は、制御盤201から実タイミングを受信する。
故障診断部3は、理想タイミングと実タイミングとの時間差(動作タイミングのずれ)を算出し、時間差を所定の閾値と比較することにより、対象EVの故障を診断する。具体的には、故障診断部3は、時間差が閾値より大きい場合、対象EVは故障していると診断する。閾値は、任意に設定可能であり、理想タイミングを算出する条件毎に同一でも異なってもよい。故障診断部3による診断結果は、後述する報知部8により報知されてもよい。
故障情報DB4は、故障情報を記憶している。故障情報とは、理想タイミングと実タイミングとの時間差と、エレベータ装置EVの故障部位と、が対応付けられた情報である。ここでいう故障部位とは、例えば、エレベータ装置EVを構成する機器(モータ、センサ、巻上げ機など)、機器間の接続部分、及び機器や接続部分の回路上の特定部分、の少なくとも1つである。故障情報は、例えば、故障部位が判明した過去の故障事例に基づいて作成される。
ここで、図4は、故障情報DB4に記憶された故障情報テーブルの一例を示す図である。図4に示すように、故障情報テーブルには、複数の故障情報のレコードが含まれ、各故障情報には、故障部位、故障内容、及び条件毎の複数の時間差と、が含まれる。例えば、故障情報ID=1は、故障部位Aで接触不良が発生した場合、条件1の時間差が1秒発生し、条件3の時間差が3秒発生したことを示している。故障情報DB4は、このような故障情報テーブルを、仕様毎に複数記憶している。なお、故障情報テーブルに含まれる条件の数は任意に設定可能である。
故障部位特定部5は、故障診断部3から診断結果を取得し、対象EVが故障と診断されている場合、故障部位を特定する。具体的には、故障部位特定部5は、故障診断部3から各条件における時間差を取得し、故障情報DB4を参照する。そして、故障部位特定部5は、故障情報DB4から、時間差又は時間差の組合せが一致する故障情報を抽出し、抽出した故障情報の故障部位を、対象EVの故障部位として特定する。故障部位特定部5が抽出した故障部位は、報知部8により報知されてもよい。
交換用品特定部6は、故障部位特定部5が特定又は推定した故障部位に対応する、対象EVの部品情報を取得することで、特定した故障部位を正常状態に復帰させるための交換用品を特定する。交換用品特定部6は、部品情報DB61と、部品情報抽出部62と、を備える。
部品情報DB61は、部品情報を記憶している。部品情報とは、エレベータ装置EVの故障を修理するために必要となる部品(すなわち、交換用品)に関する情報である。部品情報には、部品の種類、品番、価格、在庫数、及び保管場所や、その部品が必要となる対象EVの仕様、故障部位、及び故障内容が含まれる。
ここで、図5は、部品情報DB61に記憶された部品情報テーブルの一例を示す図である。図5に示すように、部品情報テーブルには、複数の部品情報のレコードが含まれ、各部品情報には、故障部位、故障内容、部品の種類、品番、価格、在庫数、及び保管場所と、が含まれる。例えば、部品情報ID=1は、故障部位Aで接触不良が発生した場合、保管場所D−1に50個保管されているコード(品番:C−1、価格:¥○○)が交換用品であることを示している。部品情報DB61は、このような部品情報テーブルを、仕様毎に複数記憶している。
部品情報抽出部62は、故障部位特定部5から対象EVの仕様、故障内容、及び故障部位を取得する。部品情報抽出部62は、部品情報DB61を参照して、対象EVの仕様、故障内容、及び故障部位に応じたその他の項目(部品の種類、在庫数、保管場所等)を含む部品情報を抽出し、抽出した部品情報を、特定した故障部位を正常状態に復帰させるための交換用品に関する情報として特定する。部品情報抽出部62により抽出された部品情報は、報知部8により報知されてもよい。
建屋別保守交換用品管理部7は、建屋情報記憶部としての建屋情報DB71と、保守日時情報記憶部としての保守日時情報DB73とを少なくとも含んで構成され、交換用品と、建屋情報と、保守日時情報と、に基づいて、建屋に設置されるエレベータ装置EVの次回保守日時と交換用品とを紐付けた建屋別保守交換用品の情報を管理する。建屋別保守交換用品管理部7は、保守作業支援装置100のCPU101、入力装置102、表示装置103、通信装置104、記憶装置105、音声出力装置106の一部または全部を用いて構成される建屋別保守交換用品管理手段として機能する。建屋別保守交換用品の情報は、は、オペレータ等による入力装置102を介して入力されるデータや、保守作業者が保持する保守端末300で入力され、通信装置104を介して受信されたデータ等も含まれる。建屋別保守交換用品の情報は、表示装置103や音声出力装置106を用いて確認可能である。ここでいう建屋別保守交換用品の情報の管理とは、建屋別保守交換用品の情報を構成する各種項目について、記憶装置105に対しての保存、追加、削除、入替、取得等を含む。
ここで、建屋別保守交換用品管理部7は、建屋情報DB71と、建屋情報抽出部72と、保守日時情報DB73と、保守日時情報抽出部74と、を備える。
建屋別保守交換用品管理部7のうち、建屋情報DB71及び建屋情報抽出部72は、エレベータ装置EVが設置される建屋の名称及び営業日時を少なくとも含む建屋情報を取得する建屋情報取得手段として機能する。ここで、建屋情報取得手段のうち、建屋情報DB71は、建屋ごとに、建屋情報テーブル(図示せず)を複数記憶しているものとする。建屋情報テーブル上の建屋情報には、例えば、対象の建屋の名称、建屋の住所、建屋に設置された対象EVの仕様、対象EVの識別情報、建屋の営業日、休祝日、営業時間、昼休み時間、お客様の訪問時間、建屋側の管理者の不在時間、保守点検の実施日、保守点検の担当者(保守作業者)等が含まれるが、これらに限定されない。また、建屋情報取得手段のうち、建屋情報抽出部72は、建屋情報DB71を参照して、対象EVが設置された建屋に対応するこれら建屋情報を抽出する。建屋情報抽出部72により抽出された建屋情報の一部または全部は、識別情報取得装置202や報知部8へ送信される。建屋情報DB71に記憶される建屋情報は、当該建屋情報の項目に変化が生じて新たにデータ入力された場合などに随時更新されるか、又は定期的に更新されるものとする。
建屋別保守交換用品管理部7のうち、保守日時情報DB73及び保守日時情報抽出部74は、エレベータ装置EVに対する保守作業を実施する予定を示す保守日時情報を取得する保守日時情報取得手段として機能する。ここで、保守日時情報取得手段のうち、保守日時情報DB73は、建屋の名称ごとに、保守作業者が保守作業可能な日時を保守日時情報として記憶する。また、保守日時情報取得手段のうち、保守日時情報抽出部74は、保守日時情報DB73を参照して、対象EVが設置された建屋に対応する保守日時情報を抽出する。保守日時情報抽出部74により抽出された保守日時情報の一部または全部は、報知部8へ送信される。保守日時情報DB73に記憶される保守日時情報は、保守作業者の状況を示す情報に変化が生じて新たにデータ入力された場合などに随時更新されるか、又は定期的に更新されるものとする。
ここで、保守日時情報DB73に記憶される保守日時情報は、保守作業者が保守作業可能な日時を示す情報であるため、この保守日時情報は、保守作業者の状況を示す情報(保守作業者情報)の変化に応じて変更されるものである。そのため、建屋別保守交換用品管理部7は、図示しないが、対象EVの保守作業を行う保守作業者に関する情報を記憶する保守作業者情報DBを備えているか、または、外部のサーバ装置内等に設けられた保守作業者情報DBから、データ通信等により適宜作業者情報を取得する作業者情報取得手段の機能を有しているものとする。
一例として、保守作業者情報DBは、保守作業者ごとに、保守作業者テーブル(図示せず)を複数記憶しているものとする。保守作業者テーブル上の保守作業者情報には、例えば、保守作業者が点検作業を実施可能な対象EVの仕様、保守作業者が用品交換可能な部品の種類、保守点検及び/又は用品交換に必要な保守作業者の人数、保守作業者の待機場所、保守作業者の営業日、休祝日、営業時間、昼休み時間、不在時間、保守作業者が参加すべき研修等のイベントの日時等が含まれるが、これらに限定されない。保守作業者情報DBに記憶される保守作業者情報は、当該保守作業者情報の項目に変化が生じて新たにデータ入力された場合などに随時更新されるか、又は定期的に更新されるものとする。
報知部8は、建屋別保守交換用品管理部7により管理されている、建屋に設置されるエレベータ装置EVの次回保守日時と交換用品とを紐付けた建屋別保守交換用品の情報を報知する。
ここで、図6は、報知部8により報知される建屋別保守交換用品の情報を含む報知画面の一例を示す図である。図6に示すように、報知部8により報知された報知画面上には、例えば、次回点検時の日程(次回保守日時)、点検対象の建屋の名称、部品交換の有無、部品名(交換用品)が表示されている。保守作業者は、このような報知画面を確認することで、報知画面上に表示された交換用品を用いた交換作業を失念する状況を低減することが可能となる。
この他、報知部8は、故障診断部3による対象EVの診断結果と、故障部位特定部5により特定された故障部位と、交換用品特定部6により特定された交換用品に関する部品情報と、を報知してもよい。ここでいう報知とは、対象EVの保守員(保守作業者)や保守作業支援装置100のオペレータが確認可能なように、次回保守日時や交換用品や診断結果等のデータを出力することをいう。ここでいう出力には、報知画面の表示、及び/又は、報知音声の出力が含まれるものとする。
報知部8は、例えば、保守作業支援装置100を構成するコンピュータ100′の表示装置103(後述)に次回保守日時や交換用品や診断結果等を表示してもよいし、これらの情報を、コンピュータ100′の音声出力装置106(後述)を介して出力してもよい。また、報知部8は、対象EVの保守作業を行う保守員が有する保守端末300に、次回保守日時や交換用品や診断結果等を送信してもよい。ここで、保守端末300について説明する。
保守端末300とは、保守員が保守作業の際に携帯する携帯端末である。保守端末300は例えば、保守作業用の専用端末、携帯電話、スマートフォン、及びタブレットであるが、これに限られない。保守端末300は、有線又は無線により、保守作業支援装置100と通信可能であり、保守作業支援装置100とともに、エレベータの保守作業支援システムを構成する。保守員は、保守作業支援装置100から送信された情報を保守端末300で受信して表示したり、音声出力したり、保守端末300に入力した情報を保守作業支援装置100に送信したりすることができる。
また、保守端末300は、エレベータ装置EVの交換用品の交換を行ったことを示す情報を保守作業支援装置100側へ送信することもできる。例えば、保守端末300は、交換用品を一意に特定可能なように予め貼付されたQRコード(登録商標)等の識別手段を、保守端末300に備えられたコードリーダ等の読取手段により読み取った際に、対象の交換用品の交換を行ったことを示す情報を、保守作業支援装置100側へ送信する。例えば、この識別手段は、保守作業者が対象の交換用品を交換(取り外し)しなければ、読み取れない位置に貼付されることが望ましい。識別手段は、ICタグのように予め部品に内蔵されるものであってもよい。この場合、保守端末300に備えられた読取手段は、ICタグリーダであってもよい。また、図示しないが、保守端末300は、マイク等の音声入力手段を備えていてもよい。この場合、保守作業者は、保守端末300のマイクに対して、対象の交換用品を交換したことを音声により入力することもできる。この他、保守端末300を所持する保守作業者は、対象の交換用品を交換する作業を開始する前に、保守端末300上に表示される上述の図6のような報知画面を対象物件の責任者等に示すことで、交換作業の了承を得ることもできる。
報知部8は、次回保守日時や交換用品や診断結果等を報知する際、更に故障部位を対象EVの回路図上で示すのが好ましい。これにより、保守員やオペレータは、故障部位を容易に把握することができる。また、報知部8は、図示しない対象物件の責任者等が有する情報端末に対して、次回保守日時や交換用品や診断結果等を報知してもよい。これにより、対象EVの保守員や保守作業支援装置100のオペレータは、対象の交換用品を交換する作業を開始する前に、対象物件の責任者等から交換作業の了承を得ることができる。
次に、本実施形態に係る保守作業支援装置100のハードウェア構成について、図7を参照して説明する。本実施形態に係る保守作業支援装置100は、エレベータ設備200の管理センタに設けられたサーバなどの、コンピュータをハードウェアとして利用することにより構成される。
図7は、保守作業支援装置100のハードウェアとして利用されるコンピュータ100′の構成を示すブロック図である。図7に示すように、このコンピュータ100′は、CPU(中央演算装置)101と、入力装置102と、表示装置103と、通信装置104と、記憶装置105と、音声出力装置106と、を備え、これらはバス107により相互に接続されている。
CPU101は、コンピュータ100′の制御装置及び演算装置である。CPU101は、バス107を介して接続された各装置(例えば、入力装置102、通信装置104、記憶装置105、音声出力装置106)から入力されたデータやプログラムに基づいて演算処理を行い、演算結果や制御信号を、バス107を介して接続された各装置(例えば、表示装置103、通信装置104、記憶装置105、音声出力装置106)に出力する。
具体的には、CPU101は、コンピュータ100′のOS(オペレーティングシステム)や、保守作業支援プログラムなどを実行し、コンピュータ100′を構成する各装置を制御する。保守作業支援プログラムとは、コンピュータ100′に、保守作業支援装置100の上述の各機能構成を実現させるためのプログラムである。CPU101が保守作業支援プログラムを実行することにより、コンピュータ100′が保守作業支援装置100として機能する。
入力装置102は、保守作業支援装置100に情報を入力するための装置である。入力装置102は、例えば、キーボード、マウス、及びタッチパネルであるが、これに限られない。
表示装置103は、画像や映像を表示するための装置である。表示装置103は、例えば、LCD(液晶ディスプレイ)、CRT(ブラウン管)、及びPDP(プラズマディスプレイ)であるが、これに限られない。理想タイミング、実タイミング、診断結果、次回保守日時や交換用品等の情報は、表示装置103により表示することができる。
通信装置104は、コンピュータ100′が、エレベータ設備200や保守端末300などの外部装置と無線又は有線で通信するための装置である。通信装置104は、例えば、モデム、ハブ、及びルータであるが、これに限られない。保守作業支援装置100は、通信装置104を介して、エレベータ設備200や保守端末300と通信する。
対象EVの識別情報、対象EVの状態、動作命令、動作命令の開始時刻、実タイミングなどの情報は、通信装置104を介して制御盤201や識別情報取得装置202から受信することができる。また、報知部8が報知する次回保守日時や交換用品や診断結果等の情報は、通信装置104を介して保守端末300へ送信することができる。
記憶装置105は、保守作業支援装置100のOSや、プログラム、保守作業支援プログラムの実行に必要なデータ、及び保守作業支援プログラムの実行により生成されたデータなどを記憶する記憶媒体である。記憶装置105には、主記憶装置と外部記憶装置とが含まれる。主記憶装置は、例えば、RAM、DRAM、SRAMであるが、これに限られない。また、外部記憶装置は、ハードディスク、光ディスク、フラッシュメモリ、及び磁気テープであるが、これに限られない。仕様DB11、理想動作時間DB21、故障情報DB4、部品情報DB61、建屋情報DB71、及び保守日時情報DB73等のデータベースや各種テーブルは、記憶装置105を用いて構成することができる。
音声出力装置106は、音声を出力するための装置である。音声出力装置106は、例えば、スピーカやブザー等であるが、これに限られない。例えば、次回保守日時や診断結果や交換用品等の情報は、音声出力装置106により音声出力することができる。
なお、コンピュータ100′は、CPU101、入力装置102、表示装置103、通信装置104、記憶装置105、及び、音声出力装置106を、1つ又は複数備えてもよいし、プリンタやスキャナなどの周辺機器に接続されていてもよい。
また、保守作業支援装置100は、単一のコンピュータ100′により構成されてもよいし、相互に接続された複数のコンピュータ100′により構成されてもよい。
さらに、保守作業支援プログラムは、記憶装置105に予め記憶されていてもよいし、CD−ROMなどの記憶媒体に記憶されていてもよいし、インターネット上にアップロードされていてもよい。いずれの場合も、保守作業支援プログラムをコンピュータ100′にインストールして実行することにより、保守作業支援装置100を構成することができる。
次に、本実施形態に係る保守作業支援装置100の動作について、図8を参照して説明する。図8は、本実施形態に係る保守作業支援装置100の動作を示すフローチャートである。
ステップS1において、仕様取得部1は、対象EVの仕様を取得する。すなわち、仕様抽出部12は、識別情報取得装置202から対象EVの識別情報を取得し、仕様DB11から対象EVの仕様を抽出する。
ステップS2において、理想タイミング取得部2は、1つ又は複数の条件に対応する1つ又は複数の理想タイミングを取得する。すなわち、理想タイミング算出部22は、制御盤201から、対象EVの状態と、対象EVに送信された動作命令と、対象EVが動作命令により指定された動作を開始した開始時刻と、を受信する。また、理想タイミング算出部22は、仕様抽出部12から対象EVの仕様を取得する。そして、理想タイミング算出部22は、理想動作時間DB21から理想動作時間を抽出し、理想タイミングを算出する。理想タイミングの算出方法は、上述の通りである。
ステップS3において、故障診断部3は、理想タイミング算出部22が算出した1つ又は複数の理想タイミングを取得し、制御盤201から理想タイミングに対応する1つ又は複数の実タイミングを取得する。
ステップS4において、故障診断部3は、理想タイミングと実タイミングとの時間差と、所定の閾値とを比較し、時間差が閾値より大きいか否か判定する。時間差が閾値より大きい場合(ステップS4のYES)、処理はステップS5に進む。
ステップS5において、故障診断部3は、対象EVは故障していると診断する。
ステップS6において、故障部位特定部5は、故障診断部3から理想タイミングと実タイミングとの時間差を取得し、故障情報DB4を参照して、時間差が一致する故障情報を抽出し、時間差が一致する故障情報があった場合には、抽出した故障情報の故障部位を、対象EVの故障部位として特定する。なお、理想タイミング及び実タイミングが複数の条件について算出されている場合には、故障部位特定部5は、時間差の組み合わせが一致する故障情報を抽出すればよい。
ステップS7において、交換用品特定部6は、部品情報DB61を参照して、故障部位特定部5が特定した故障部位に対応する対象EVの部品情報(すなわち、交換用品の部品情報)を取得することで、特定した故障部位を正常状態に復帰させるための交換用品を特定する。
ステップS8において、建屋別保守交換用品管理部7は、次回保守日時が決定しているか否かを判定する。建屋別保守交換用品管理部7は、保守日時情報DB73内に記憶された、交換用品特定部6により特定された交換用品の交換作業が必要なエレベータ装置EVを備える対象物件に関する保守日時情報を参照することで、次回保守日時が決定しているか否かを判定する。
ステップS8において、建屋別保守交換用品管理部7により次回保守日時が決定していると判定された場合(ステップS8のYES)、ステップS9において、建屋別保守交換用品管理部7は、ステップS7で交換用品特定部6により特定された交換用品と、建屋情報DB71に記憶された建屋情報と、保守日時情報DB73に記憶された保守日時情報と、に基づいて、建屋に設置されるエレベータ装置EVの次回保守日時と交換用品とを紐付けた建屋別保守交換用品の情報(図6参照)を取得することで、次回保守実施日時を取得する。
ステップS10において、報知部8は、上述の図6に示すような次回保守日時及び交換用品を含む報知画面を表示装置103に表示したり、音声出力装置106を介して音声出力したり、保守端末300に送信したりすることにより、オペレータや保守員に報知する。そして、本処理を終了する。
この他、ステップS10において、報知部8は、対象EVが故障している旨の診断結果と、特定された故障部位と、を表示装置103に表示したり、音声出力装置106を介して音声出力したり、保守端末300に送信したりすることにより、オペレータや保守員に報知する。特定された故障部位は、回路図上に示して表示される。例えば、ステップS8において、建屋別保守交換用品管理部7により次回保守日時が決定していないと判定された場合(ステップS8のNo)には、ステップS10において、報知部8は、対象EVが故障している旨の診断結果と、特定された故障部位と、を表示装置103に表示したり、音声出力装置106を介して音声出力したり、保守端末300に送信したりする。
これに対して、ステップS4において、時間差が閾値以下の場合(ステップS4のNO)、処理はステップS11に進む。ステップS11において、故障診断部3は、対象EVは正常であると診断する。その後、ステップS10において、報知部8は、対象EVは正常である旨の診断結果を報知する。そして、本処理を終了する。
またステップS6において、時間差が一致する故障情報がなかった場合には、処理はステップS10に進み、報知部8は、対象EVが故障している旨の診断結果を報知する。
保守作業支援装置100は、以上の処理を所定の時間間隔、或いは、所定のタイミングで行うことにより、対象EVの故障を診断したり、用品交換及び点検作業を含む保守作業が確実に行われるように次回保守日時や交換用品を出力したりする。以上の処理は、対象EVの通常動作中に一定の時間間隔(例えば、10分間隔)で行われてもよいし、対象EVに動作命令が送信されたタイミングで行われてもよいし、オペレータや保守員の所望のタイミングで行われてもよい。
以上説明したように、本実施形態に係る保守作業支援装置100は、理想タイミングと実タイミングとの時間差に基づいて、対象EVの故障を診断する。このため、保守作業支援装置100は、センサなどにより検出できない故障を発見することが可能となり、エレベータ装置EVの故障を精度よく診断することができる。また、保守作業支援装置100は、故障部位を特定して報知する。これにより、保守員が故障部位を特定する作業が不要となり、保守作業の手間を軽減することができる。さらに、保守作業支援装置100は、故障部位を回路図上に表示する。このため、保守員は、故障部位を具体的かつ容易に把握可能となり、保守作業を容易に行うことができる。
また、本実施形態に係る保守作業支援装置100は、用品交換及び点検作業を含む保守作業が確実に行われるように、建屋に設置されるエレベータ装置EVの次回保守日時と交換用品とを紐付けた建屋別保守交換用品の情報を報知することで、保守作業者が交換用品の交換作業を失念する状況を低減させることが可能となる。このように、本実施形態に係る保守作業支援装置100により報知される次回保守日時と交換用品とを紐付けた建屋別保守交換用品の情報は、エレベータ装置EVの保守作業を確実に実施させるサポート体制を構築する上で有用な情報となり得る。
[実施形態2]
実施形態2に係る保守作業支援装置100について、図9及び図10を参照して説明する。本実施形態に係る保守作業支援装置100では、保守作業者による交換用品の交換作業の実施の有無に関する交換判定結果が報知部8により報知される。
実施形態2に係る保守作業支援装置100について、図9及び図10を参照して説明する。本実施形態に係る保守作業支援装置100では、保守作業者による交換用品の交換作業の実施の有無に関する交換判定結果が報知部8により報知される。
まず、実施形態2に係る保守作業支援装置100の機能構成について、図9を参照して説明する。図9は、本実施形態に係る保守作業支援装置100の機能構成を示すブロック図である。図9に示すように、保守作業支援装置100は、交換作業取得部9と、交換判定部10と、を更に備える。他の機能構成及びハードウェア構成は、実施形態1と同様である。以下、交換作業取得部9及び交換判定部10について説明する。
交換作業取得部9は、制御盤201から送信される保守作業者により交換用品の交換が行われたか否かを示す情報、及び/又は、保守端末300から送信されるエレベータ装置EVの交換用品の交換を行ったことを示す情報を、取得する。この他、交換作業取得部9は、保守作業者が交換用品と交換した旧部品の識別手段を、管理センタ等に持ち帰った際にオペレータ等の管理担当者が読取る情報を受信することにより、保守作業者により交換用品が行われたか否かを示す情報を取得してもよい。
交換判定部10は、エレベータ装置EVの保守実施時に、建屋別保守交換用品管理部7に保存された情報が示す建屋別保守交換用品の交換作業が実施されたか否かを判定する。交換判定部10は、交換作業取得部9により取得された、制御盤201から送信される保守作業者により交換用品の交換が行われたか否かを示す情報、及び/又は、保守端末300から送信されるエレベータ装置EVの交換用品の交換を行ったことを示す情報等に基づいて、対象の建屋別保守交換用品の交換作業が実施されたか否かを判定する。交換判定部10により作成された交換判定結果は、報知部8により報知される。ここで、交換判定結果は、保守端末300を介して保守作業者に対して報知されてもよいし、保守作業支援装置100の表示装置103や音声出力装置106等を介して、オペレータ等に報知されてもよい。
次に、本実施形態に係る保守作業支援装置100の動作について、図10を参照して説明する。図10は、本実施形態に係る保守作業支援装置100の動作を示すフローチャートである。本実施形態において、ステップS1〜S9は、実施形態1と同様である。また、本実施形態におけるステップS12は、実施形態1におけるステップS11と同様である。
本実施形態では、ステップS9において、次回保守実施日時が取得された後、処理はステップS10に進む。
ステップS10において、交換判定部10は、エレベータ装置EVの保守実施時に、建屋別保守交換用品管理部7に保存された情報が示す建屋別保守交換用品の交換作業が実施されたか否かを判定する。具体的には、交換判定部10は、交換作業取得部9により取得された、制御盤201から送信される保守作業者により交換用品の交換が行われたか否かを示す情報、及び/又は、保守端末300から送信されるエレベータ装置EVの交換用品の交換を行ったことを示す情報等に基づいて、対象の建屋別保守交換用品の交換作業が実施されたか否かを判定する。言い換えると、ステップS10において、交換判定部10は、保守作業者により保守予定日に交換すべき用品が交換されているか否かを判定する。
ステップS10において、交換判定部10が保守作業者により保守予定日に交換すべき用品が交換されていない(すなわち、未交換である)と判定した場合(ステップS10のNo)、ステップS11において、報知部8は、交換判定部10により作成された交換判定結果を保守端末300に対して送信する。そして、保守端末300は、受信した交換判定結果に基づいて、保守作業者により保守予定日に交換すべき用品が交換されていない旨を警告する報知画面の表示や報知音声等を出力する。そして、本処理を終了する。これに対して、ステップS10において、交換判定部10が保守作業者により保守予定日に交換すべき用品が交換されている(すなわち、交換済である)と判定した場合(ステップS10のYes)には、交換判定結果の送信等は行われずに、本処理は終了する。
以上説明した通り、本実施形態に係る保守作業支援装置100は、保守作業者による交換用品の交換作業の実施の有無に関する交換判定結果に基づいて、保守作業者により保守予定日に交換すべき用品が交換されていない旨を警告する報知画面の表示や報知音声等を出力することで、保守作業者に対して報知する。これにより、保守作業者が交換用品の交換作業を失念する状況を更に低減させることが可能となる。このように、本実施形態に係る保守作業支援装置100により報知される交換判定結果に基づく警告情報(報知画面の表示や報知音声等を含む)は、エレベータ装置の保守作業を確実に実施させるサポート体制を構築する上で、更に有用な情報となり得る。
[実施形態3]
実施形態3に係る保守作業支援装置100について、図11及び図12を参照して説明する。本実施形態に係る保守作業支援装置100では、交換判定結果に基づいて、エレベータ装置EVの動作状態の変更が許可される。
実施形態3に係る保守作業支援装置100について、図11及び図12を参照して説明する。本実施形態に係る保守作業支援装置100では、交換判定結果に基づいて、エレベータ装置EVの動作状態の変更が許可される。
まず、実施形態3に係る保守作業支援装置100の機能構成について、図11を参照して説明する。図11は、本実施形態に係る保守作業支援装置100の機能構成を示すブロック図である。図11に示すように、保守作業支援装置100は、モード変更許可部110を更に備える。他の機能構成及びハードウェア構成は、実施形態2と同様である。以下、モード変更許可部110について説明する。
モード変更許可部110は、エレベータ装置EVの動作状態の変更を許可する。モード変更許可部110は、保守作業のためにエレベータ装置EVの動作を禁止する保守モードと、通常運転を実施するためにエレベータ装置EVの動作を許可する通常モードと、切り替え可能である。なお、保守作業者による保守作業の実施中においては、保守モードに切り替わっているものとする。モード変更許可部110は、交換判定部10により送信される交換判定結果が、保守作業者により保守予定日に交換すべき用品が全て交換されていることを示している場合(すなわち、交換用品が全て交換された場合)、エレベータ装置EVの動作状態の保守モードから通常モードへの変更を許可する。
次に、本実施形態に係る保守作業支援装置100の動作について、図12を参照して説明する。図12は、本実施形態に係る保守作業支援装置100の動作を示すフローチャートである。本実施形態において、ステップS1〜S11は、実施形態2と同様である。また、本実施形態におけるステップS13は、実施形態1におけるステップS11及び実施形態2におけるステップS12と同様である。
本実施形態では、ステップS10において、交換判定部10が保守作業者により保守予定日に交換すべき用品が交換されている(すなわち、交換済である)と判定した後(ステップS10のYes)、処理はステップS12に進む。
ステップS12において、モード変更許可部110は、ステップS10で交換判定部10により送信される交換判定結果が、保守作業者により保守予定日に交換すべき用品が全て交換されていることを示している場合(すなわち、建屋別保守交換用品が全て交換された場合)、エレベータ装置EVの動作状態の保守モードから通常モードへの変更を許可する。これにより、エレベータ装置EVの動作状態のモードが、保守モードから通常モードへ変更される。そして、本処理を終了する。
以上説明した通り、本実施形態に係る保守作業支援装置100は、交換判定結果が、保守作業者により保守予定日に交換すべき用品が全て交換されていることを示している場合(すなわち、交換済の場合)には、エレベータ装置EVの動作状態の変更を許可する。これに対して、本実施形態に係る保守作業支援装置100は、交換判定結果が、保守作業者により保守予定日に交換すべき用品が全て交換されていないことを示している場合(すなわち、未交換の場合)には、エレベータ装置EVの動作状態の変更は許可しない。その結果、保守作業者は、対象の交換用品の交換作業を実施済みでないと、エレベータ装置EVを動作させることができなくなる。これにより、保守作業者が交換用品の交換作業を失念する状況をより一層低減させることが可能となる。このように、本実施形態に係る保守作業支援装置100に監視されるエレベータ装置EVの動作状態のモード変更の制御は、エレベータ装置の保守作業を確実に実施させるサポート体制を構築する上で、より一層有用となり得る。
[実施形態4]
実施形態4に係る保守作業支援装置100について、図13及び図14を参照して説明する。本実施形態に係る保守作業支援装置100では、保守作業者が用品交換していないことの受入を申請する受入申請した場合には、エレベータ装置EVの動作状態の保守モードから通常モードへの変更が許可される。
実施形態4に係る保守作業支援装置100について、図13及び図14を参照して説明する。本実施形態に係る保守作業支援装置100では、保守作業者が用品交換していないことの受入を申請する受入申請した場合には、エレベータ装置EVの動作状態の保守モードから通常モードへの変更が許可される。
まず、実施形態4に係る保守作業支援装置100の機能構成について、図13を参照して説明する。図13は、本実施形態に係る保守作業支援装置100の機能構成を示すブロック図である。図13に示すように、保守作業支援装置100は、受入申請取得部120を更に備える。他の機能構成及びハードウェア構成は、実施形態3と同様である。以下、受入申請取得部120について説明する。
受入申請取得部120は、保守作業者が保持する保守端末300から送信される受入申請を取得する。受入申請とは、保守作業者が用品交換していないことの受入を申請するものである。
ここで、上述の実施形態3では、モード変更許可部110が、交換用品が全て交換された場合にのみ、エレベータ装置EVの動作状態の保守モードから通常モードへの変更を許可していたが、保守作業者が現場の状況から何らかの理由で交換作業を行わないほうが望ましいと判断する場合もあり得る。このような場合に、モード変更許可部110が、交換用品が全て交換された場合にのみ、エレベータ装置EVの動作状態の保守モードから通常モードへの変更を許可している状態であると、エレベータ装置EVを動作させることができなくなり、保守作業を終了できず、エレベータ装置EVの利用者にとって望ましくない状況となり得る。そこで、本実施形態では、モード変更許可部110は、受入申請取得部120により、保守作業者が用品交換していないことの受入を申請する受入申請を取得した場合には、エレベータ装置EVの動作状態の保守モードから通常モードへの変更を許可する。
次に、本実施形態に係る保守作業支援装置100の動作について、図14を参照して説明する。図14は、本実施形態に係る保守作業支援装置100の動作を示すフローチャートである。本実施形態において、ステップS1〜S12は、実施形態3と同様である。また、本実施形態におけるステップS14は、実施形態1におけるステップS11、実施形態2におけるステップS12、及び、実施形態3におけるステップS13と同様である。
本実施形態では、ステップS11において、報知部8により交換判定結果が保守端末300に対して送信され、そして、保守端末300により、受信した交換判定結果に基づいて、保守作業者により保守予定日に交換すべき用品が交換されていない旨を警告する報知画面の表示や報知音声等が出力された後、処理はステップS13に進む。
ステップS13において、受入申請取得部120は、保守作業者が保持する保守端末300から送信される受入申請を取得したか否かを判定する。ステップS13において、受入申請取得部120により受入申請を取得したと判定された場合(ステップS13のYES)、ステップS12において、モード変更許可部110は、エレベータ装置EVの動作状態の保守モードから通常モードへの変更を許可する。そして、本処理を終了する。これに対して、ステップS13において、受入申請取得部120により受入申請を取得していないと判定された場合(ステップS13のNO)、ステップS10の処理へ戻る。
以上説明した通り、本実施形態に係る保守作業支援装置100は、保守作業者が用品交換していないことの受入を申請する受入申請した場合には、エレベータ装置EVの動作状態の保守モードから通常モードへの変更を許可する。これにより、本実施形態に係る保守作業支援装置100は、基本的には、保守作業者が確実に交換用品の交換作業を行うように交換用品が未交換の場合には保守モードから通常モードへの変更を許可しない制御を維持した状態であるものの、保守作業者が現場の状況から何らかの理由で交換作業を行わないほうが望ましいと判断する場合には通常モードへの変更を許可するという、より柔軟な制御を実現することができる。
[実施形態5]
実施形態5に係る保守作業支援装置100について、図15及び図16を参照して説明する。本実施形態に係る保守作業支援装置100では、受入申請を承認する申請承認を取得した場合には、エレベータ装置EVの動作状態の保守モードから通常モードへの変更が許可される。
実施形態5に係る保守作業支援装置100について、図15及び図16を参照して説明する。本実施形態に係る保守作業支援装置100では、受入申請を承認する申請承認を取得した場合には、エレベータ装置EVの動作状態の保守モードから通常モードへの変更が許可される。
まず、実施形態5に係る保守作業支援装置100の機能構成について、図15を参照して説明する。図15は、本実施形態に係る保守作業支援装置100の機能構成を示すブロック図である。図15に示すように、保守作業支援装置100は、申請承認取得部130を更に備える。他の機能構成及びハードウェア構成は、実施形態4と同様である。以下、申請承認取得部130について説明する。
申請承認取得部130は、受入申請取得部120が取得した保守作業者が保持する保守端末300から送信される受入申請に対して、承認する申請承認を取得する。ここで、申請承認とは、例えば、受入申請取得部120により受入申請が取得された後に保守作業支援装置100の表示装置103に表示された受入申請の内容を、保守作業者以外のオペレータ等が確認して、この受入申請の内容を承認したものである。この場合、申請承認取得部130は、保守作業者以外のオペレータ等により入力装置102等を介して入力された申請承認を取得する。そして、本実施形態では、モード変更許可部110は、申請承認取得部130により受入申請を承認する申請承認を取得した場合、エレベータ装置EVの動作状態の保守モードから通常モードへの変更を許可する。
次に、本実施形態に係る保守作業支援装置100の動作について、図16を参照して説明する。図16は、本実施形態に係る保守作業支援装置100の動作を示すフローチャートである。本実施形態において、ステップS1〜S13は、実施形態4と同様である。また、本実施形態におけるステップS15は、実施形態1におけるステップS11、実施形態2におけるステップS12、実施形態3におけるステップS13、及び、実施形態4におけるステップS14と同様である。
本実施形態では、ステップS13において、受入申請取得部120により受入申請を取得したと判定された後(ステップS13のYES)に、処理はステップS14に進む。
ステップS14において、申請承認取得部130は、ステップS13で受入申請取得部120が取得した保守作業者が保持する保守端末300から送信される受入申請に対して、承認する申請承認を取得したか否かを判定する。ステップS14において、申請承認取得部130により申請承認を取得したと判定された場合(ステップS14のYES)、ステップS12において、モード変更許可部110は、エレベータ装置EVの動作状態の保守モードから通常モードへの変更を許可する。そして、本処理を終了する。これに対して、ステップS14において、申請承認取得部130により申請承認を取得していないと判定された場合(ステップS14のNO)、ステップS10の処理へ戻る。
以上説明した通り、本実施形態に係る保守作業支援装置100は、上述の実施形態4で行う受入申請を取得する制御に加えて、当該受入申請を承認する申請承認を取得したか否かを判定する制御も行っている。そして、本実施形態に係る保守作業支援装置100は、この申請承認を取得した場合には、エレベータ装置EVの動作状態の保守モードから通常モードへの変更を許可する。これにより、本実施形態に係る保守作業支援装置100は、上述の実施形態4で受入申請を行う保守作業者に加えて、当該保守作業者以外のオペレータ等の第三者がこの受入申請の内容を確認する制御を追加することで、上述の実施形態4で示した柔軟な制御を実現しつつも、より安全にエレベータ装置EVの保守作業が行われるようにすることができる。
[実施形態6]
実施形態6に係る保守作業支援装置100について、図17及び図18を参照して説明する。本実施形態に係る保守作業支援装置100では、保守作業者がエレベータ装置EVの復帰を要求する復帰要求を取得した場合には、エレベータ装置EVの動作状態の保守モードから通常モードへの変更が許可される。
実施形態6に係る保守作業支援装置100について、図17及び図18を参照して説明する。本実施形態に係る保守作業支援装置100では、保守作業者がエレベータ装置EVの復帰を要求する復帰要求を取得した場合には、エレベータ装置EVの動作状態の保守モードから通常モードへの変更が許可される。
まず、実施形態6に係る保守作業支援装置100の機能構成について、図17を参照して説明する。図17は、本実施形態に係る保守作業支援装置100の機能構成を示すブロック図である。図17に示すように、保守作業支援装置100は、復帰要求取得部140を更に備える。他の機能構成及びハードウェア構成は、実施形態5と同様である。以下、復帰要求取得部140について説明する。
復帰要求取得部140は、保守作業者が保持する保守端末300から送信される復帰要求を取得する。復帰要求とは、保守作業者がエレベータ装置EVの復帰を要求するものである。
ここで、上述の実施形態5では、モード変更許可部110は、受入申請に対する申請承認が取得された場合に、エレベータ装置EVの動作状態の保守モードから通常モードへの変更を許可していたが、保守作業者が現場の判断により緊急で強制的にエレベータ装置EVを動作させる必要が生じる場合も考えられる。このような場合に、モード変更許可部110において、申請承認が取得されるまで保守モードから通常モードへの変更を許可しない状態が長引くと、保守作業者が緊急でエレベータ装置EVを動作させる必要が生じた場合に対応できなくなり、エレベータ装置EVの利用者にとって望ましくない状況となり得る。そこで、本実施形態では、モード変更許可部110は、保守作業者がエレベータ装置EVの復帰を要求する復帰要求を取得した場合、エレベータ装置EVの動作状態の保守モードから通常モードへの変更を許可する。
次に、本実施形態に係る保守作業支援装置100の動作について、図18を参照して説明する。図18は、本実施形態に係る保守作業支援装置100の動作を示すフローチャートである。本実施形態において、ステップS2〜S16は、実施形態5におけるステップS1〜S15に夫々対応する。
本実施形態では、ステップS1において、復帰要求取得部140は、保守作業者が保持する保守端末300から送信される復帰要求を取得したか否かを判定する。ステップS1において、復帰要求取得部140により復帰要求を取得していないと判定された場合(ステップS1のNO)、処理はステップS2に進む。この場合のステップS2〜S16の処理は、実施形態5におけるステップS1〜S15の処理に夫々対応するため、説明を省略する。
これに対して、ステップS1において、復帰要求取得部140により復帰要求を取得したと判定された場合(ステップS1のYES)、ステップS13において、エレベータ装置EVの動作状態の保守モードから通常モードへの変更を許可する。そして、本処理を終了する。
以上説明した通り、本実施形態に係る保守作業支援装置100は、保守作業者がエレベータ装置EVの復帰を要求する復帰要求を取得した場合には、エレベータ装置EVの動作状態の保守モードから通常モードへの変更を許可することができる。これにより、本実施形態に係る保守作業支援装置100は、上述の実施形態4及び実施形態5に示した制御を行うことで、保守作業者が交換用品の交換作業を失念することがないように基本的には未交換の状態では保守モードから通常モードへの移行は許可しないようにするものの、保守作業者が現場の判断で緊急で強制的にエレベータ装置EVを動作させる必要が生じた場合には、強制的に通常モードへの変更を許可するという、より柔軟かつ迅速な制御を実現することができる。
[実施形態7]
実施形態7に係る保守作業支援装置100について、図19及び図20を参照して説明する。本実施形態に係る保守作業支援装置100では、交換判定結果に基づいて、建屋別保守交換用品管理部7に保存されている交換済の交換用品の情報が削除される。
実施形態7に係る保守作業支援装置100について、図19及び図20を参照して説明する。本実施形態に係る保守作業支援装置100では、交換判定結果に基づいて、建屋別保守交換用品管理部7に保存されている交換済の交換用品の情報が削除される。
まず、実施形態7に係る保守作業支援装置100の機能構成について、図19を参照して説明する。図19は、本実施形態に係る保守作業支援装置100の機能構成を示すブロック図である。図19に示すように、保守作業支援装置100は、交換用品情報削除部150を更に備える。他の機能構成及びハードウェア構成は、実施形態6と同様である。以下、交換用品情報削除部150について説明する。
交換用品情報削除部150は、交換判定部10による交換判定結果に基づいて、建屋別保守交換用品管理部7に保存されている交換済の交換用品の情報の削除を行う。交換用品情報削除部150は、交換判定部10による交換判定結果に含まれる、交換済の交換用品を特定する情報に基づいて、建屋別保守交換用品管理部7に保存された、対応する交換用品の情報の削除を行う。
次に、本実施形態に係る保守作業支援装置100の動作について、図20を参照して説明する。図20は、本実施形態に係る保守作業支援装置100の動作を示すフローチャートである。本実施形態において、ステップS1〜S12は、実施形態6におけるステップS1〜S12と同様である。本実施形態におけるステップS14は、実施形態6におけるステップS13に対応し、本実施形態におけるステップS15〜S17は、実施形態6におけるステップS14〜S16に夫々対応する。つまり、本実施形態では、ステップS13の処理を行う点で、実施形態6の処理とは異なる。
本実施形態では、ステップS11において、交換判定部10により保守予定日に交換すべき用品が交換されていると判定された後(ステップS11のYES)に、処理はステップS13に進む。
ステップS13において、ステップS11で取得された交換判定部10による交換判定結果に基づいて、建屋別保守交換用品管理部7に保存されている交換済の交換用品の情報の削除を行う。具体的には、交換用品情報削除部150は、交換判定部10による交換判定結果に含まれる、交換済の交換用品を特定する情報に基づいて、建屋別保守交換用品管理部7に保存された、対応する交換用品の情報の削除を行う。その後、処理はステップS14に進み、ステップS14でモード変更許可部110により通常モードへ変更する処理を実行後、本処理を終了する。
以上説明した通り、本実施形態に係る保守作業支援装置100は、エレベータ装置EVの交換用品の交換作業が行われた否かを示す交換判定結果に基づいて、建屋別保守交換用品管理部7に保存されている交換済の交換用品の情報を削除する。このように、本実施形態に係る保守作業支援装置100では、交換判定結果に基づいて交換済の交換用品の情報のみを交換用品情報削除部150が削除するので、交換用品情報削除部150により削除されない交換用品の情報は、未交換の交換用品の情報として、建屋別保守交換用品管理部7に保存されたままとなる。つまり、未交換の交換用品の情報は、交換判定結果に基づいて交換済と確認されるまで、報知部8により保守作業者の保守端末300や制御盤201に報知されて、上述した実施形態1〜実施形態6に示した、エレベータ装置EVの保守作業をより確実に実施させる制御に用いられることになる。
このように、上述した実施形態1〜実施形態7に係る保守作業支援装置100によれば、エレベータ装置EVの保守作業をより確実に実施させることができるという効果を奏する。
なお、本発明は上記各実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記各実施形態に開示されている複数の構成要素を適宜組み合わせることによって種々の発明を形成できる。また例えば、各実施形態に示される全構成要素からいくつかの構成要素を削除した構成も考えられる。さらに、異なる実施形態に記載した構成要素を適宜組み合わせてもよい。
1:仕様取得部、2:理想タイミング取得部、3:故障診断部、4:故障情報DB、5:故障部位特定部、6:交換用品特定部、7:建屋別保守交換用品管理部、8:報知部、9:交換作業取得部、10:交換判定部、11:仕様DB、12:仕様抽出部、21:理想動作時間DB、22:理想タイミング算出部、61:部品情報DB、62:部品情報抽出部、71:建屋情報DB、72:建屋情報抽出部、73:保守日時情報DB、74:保守日時情報抽出部、110:モード変更許可部、120:受入申請取得部、130:申請承認取得部、140:復帰要求取得部、150:交換用品情報削除部、200:エレベータ設備、201:制御盤、202:識別情報取得装置、203:個体識別装置、300:保守端末、EV:エレベータ装置
一実施形態に係るエレベータの保守作業支援装置は、仕様取得部と、理想タイミング取得部と、故障診断部と、故障部位特定部と、交換用品特定部と、建屋情報記憶部と、保守日時情報記憶部と、建屋別保守交換用品管理部と、報知部と、を備える。仕様取得部は、故障診断の対象となるエレベータ装置の仕様を取得する。理想タイミング取得部は、エレベータ装置の状態、動作命令、及び動作命令により指定された動作の開始時刻に基づいて、一の動作命令に対して、エレベータ装置が正常な場合に所定の条件を満たす理想タイミングを、一又は複数の所定の条件ごとに取得する。故障診断部は、理想タイミングと、エレベータ装置が所定の条件を実際に満たした実タイミングと、の一又は複数の所定の条件ごとの時間差に基づいて、エレベータ装置の故障を診断する。故障部位特定部は、一又は複数の所定の条件ごとの時間差と故障部位とが対応付けられた故障情報から、一又は複数の所定の条件ごとの時間差の組み合わせが一致する故障部位を取得することでエレベータ装置の故障部位を特定する。交換用品特定部は、特定した故障部位を正常状態に復帰させるための交換用品を特定する。建屋情報記憶部は、エレベータ装置が設置される建屋の名称及び営業日時を少なくとも含む建屋情報を記憶する。保守日時情報記憶部は、エレベータ装置に対する保守作業を実施する予定を示す保守日時情報を記憶する。建屋別保守交換用品管理部は、建屋情報記憶部と保守日時情報記憶部とを少なくとも含んで構成され、交換用品と、建屋情報と、保守日時情報と、に基づいて、建屋に設置されるエレベータ装置の次回保守日時と交換用品とを紐付けた建屋別保守交換用品の情報を管理する。報知部は、建屋別保守交換用品の情報を報知する。
Claims (10)
- 故障診断の対象となるエレベータ装置の仕様を取得する仕様取得部と、
前記エレベータ装置の状態、動作命令、及び前記動作命令により指定された動作の開始時刻に基づいて、前記エレベータ装置が正常な場合に所定の条件を満たす理想タイミングを取得する理想タイミング取得部と、
前記理想タイミングと、前記エレベータ装置が前記所定の条件を実際に満たした実タイミングと、の時間差に基づいて、前記エレベータ装置の故障を診断する故障診断部と、
前記時間差と、前記時間差と故障部位とが対応付けられた故障情報と、に基づいて、前記エレベータ装置の故障部位を特定する故障部位特定部と、
特定した故障部位を正常状態に復帰させるための交換用品を特定する交換用品特定部と、
前記エレベータ装置が設置される建屋の名称及び営業日時を少なくとも含む建屋情報を記憶する建屋情報記憶部と、
前記エレベータ装置に対する保守作業を実施する予定を示す保守日時情報を記憶する保守日時情報記憶部と、
前記建屋情報記憶部と前記保守日時情報記憶部とを少なくとも含んで構成され、前記交換用品と、前記建屋情報と、前記保守日時情報と、に基づいて、前記建屋に設置される前記エレベータ装置の次回保守日時と前記交換用品とを紐付けた建屋別保守交換用品の情報を管理する建屋別保守交換用品管理部と、
前記建屋別保守交換用品の情報を報知する報知部と、
を備えるエレベータの保守作業支援装置。 - 前記エレベータ装置の保守実施時に、前記建屋別保守交換用品管理部に保存された情報が示す前記建屋別保守交換用品の交換作業が実施されたか否かを判定する交換判定部と、
を更に備え、
前記報知部は、更に、前記交換判定部による交換判定結果を報知する、
請求項1に記載のエレベータの保守作業支援装置。 - 前記交換判定結果に基づいて、前記エレベータ装置の動作状態の変更を許可するモード変更許可部、
を更に備える請求項2に記載のエレベータの保守作業支援装置。 - 前記モード変更許可部は、前記交換用品が交換された場合、前記動作状態の保守モードから通常モードへの変更を許可する、
請求項3に記載のエレベータの保守作業支援装置。 - 前記モード変更許可部は、保守作業者が用品交換していないことの受入を申請する受入申請を取得した場合、前記動作状態の前記保守モードから前記通常モードへの変更を許可する、
請求項3又は請求項4に記載のエレベータの保守作業支援装置。 - 前記モード変更許可部は、前記受入申請を承認する申請承認を取得した場合、前記動作状態の前記保守モードから前記通常モードへの変更を許可する、
請求項5に記載のエレベータの保守作業支援装置。 - 前記モード変更許可部は、前記保守作業者が前記エレベータ装置の復帰を要求する復帰要求を取得した場合、前記動作状態の前記保守モードから前記通常モードへの変更を許可する、
請求項5又は請求項6に記載のエレベータの保守作業支援装置。 - 前記交換判定結果に基づいて、前記建屋別保守交換用品管理部に保存されている交換済の交換用品の情報の削除を行う交換用品情報削除部、
を更に備える請求項1乃至請求項7のいずれか1項に記載のエレベータの保守作業支援装置。 - 請求項1乃至請求項8のいずれか1項に記載の前記エレベータの保守作業支援装置と、
前記エレベータ装置を制御する制御盤と、
前記エレベータ装置の保守作業を実施する保守作業者が保持する保守端末と、
を備えるエレベータの保守作業支援システム。 - 故障診断の対象となるエレベータ装置の仕様を取得する工程と、
前記エレベータ装置の状態、動作命令、及び前記動作命令により指定された動作の開始時刻に基づいて、前記エレベータ装置が正常な場合に所定の条件を満たす理想タイミングを取得する工程と、
前記理想タイミングと、前記エレベータ装置が前記所定の条件を実際に満たした実タイミングと、の時間差に基づいて、前記エレベータ装置の故障を診断する工程と、
前記時間差と、前記時間差と故障部位とが対応付けられた故障情報と、に基づいて、前記エレベータ装置の故障部位を特定する工程と、
特定した故障部位を正常状態に復帰させるための交換用品を特定する工程と、
前記エレベータ装置が設置される建屋の名称及び営業日時を少なくとも含む建屋情報を取得する工程と、
前記エレベータ装置に対する保守作業を実施する予定を示す保守日時情報を取得する工程と、
前記交換用品と、前記建屋情報と、前記保守日時情報と、に基づいて、前記建屋に設置される前記エレベータ装置の次回保守日時と前記交換用品とを紐付けた建屋別保守交換用品の情報を取得する工程と、
前記建屋別保守交換用品の情報を報知する工程と、
を含むエレベータの保守作業支援方法。
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