JP2016165426A - 液体吸引具 - Google Patents
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Abstract
【課題】唾液などの液体を吸引する際に、吸引量を確保しつつ、柔らかい組織が吸着することを低減する液体吸引具を提供する。【解決手段】液体吸引具1は、体内から唾液などの液体を吸引するための吸引空間14を内部に有し、所定の長手方向に延びる筒状の基体部10と、基体部の外周面10Aから突出して形成されるとともに、その基体部の外周面の外周方向に間隔をあけて配置され、所定の長手方向に沿って延びる複数の突条部12B、12Eと、複数の突条部のうちの隣り合う2つの突条部の間において基体部の外周面に配置され、吸引空間に連通する外周吸引口18A3、18A4、18A5、20A3、20A4、20A5と、を備える。複数の突条部の各突条部が所定の長手方向に沿う方向に延びる突出範囲の長さは、所定の長手方向と直交する方向の基体部の長さより大きい。【選択図】図6
Description
本発明は、人間および動物などの生物の体内で生成される唾液並びに血液、または冷却用噴水などの液体を吸引するために使用される液体吸引具に関する。詳細には、生物の体内から液体を吸引する際に、舌および臓器などの体内の柔らかい組織が吸着されることを低減することができる液体吸引具に関する。
従来、唾液などの液体を吸引するために使用される液体吸引具として、種々の構成の液体吸引具が提案されている。たとえば、特許文献1に記載の吸引チューブチップは、細長い管状の形状に形成され、口腔内の唾液などを吸引除去するために、先端部に1つの吸引口を有する。丸みを帯びた鋸状の凹凸が、吸引口の全周にわたって形成される。凹凸の凸部分は、吸引チューブチップの先端部から、そのチップの長手方向に突出する。また、多数の溝が、凹凸の凹部分から根本側に延びて形成される。各溝の幅は、根本側に向かって徐々に細くなるように定められる。
特許文献1に記載の吸引チューブチップにおいて、唾液などを吸引する際に、唾液などは鋸状の凹凸の凹部分の間隙から吸引されることから、鋸状の凹凸は、吸引口が口腔内の柔らかい組織に完全に吸着することを防ぐことができる。また、多数の溝は、唾液などが吸引口に吸引されることを助長することができる。
特許文献1に記載の吸引チューブチップにおいて、単位時間当たりの唾液などの吸引量は、鋸状の凹凸の凹部分の間隙の大きさにより決定される。また、口腔内に吸引チューブチップを違和感なく挿入するためには、そのチップの先端部の直径を大きくすることには限度がある。このため、チップの先端部の直径を一定の大きさに維持したままで、凹部分の間隙を大きくするためには、鋸状の凹凸の凸部分の幅を細くすることが考えられる。しかし、凸部分の幅を細くすると、唾液などを吸引するときに、凸部分が口腔内の柔らかい組織に食い込むおそれがある。凸部分が口腔内の柔らかい組織に食い込んだ場合、その柔らかい組織により凹部分の間隙の一部が塞がれることにより、唾液などの吸引量が低下することがある。また、凸部分が口腔内の柔らかい組織に食い込んだ場合、治療中の患者などに痛みを与えるおそれがある。
そこで、本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、唾液などの液体を吸引する際に、吸引量を確保しつつ、柔らかい組織が吸着することを低減することができる液体吸引具を提供することを目的とする。
請求項1に記載の第1の発明態様は、体内から唾液などの液体を吸引するための吸引空間を内部に有し、所定の長手方向に延びる筒状の基体部と、基体部の外周面から突出して形成されるとともに、その基体部の外周面の外周方向に間隔をあけて配置され、所定の長手方向に沿って延びる複数の突条部と、複数の突条部のうちの隣り合う2つの突条部の間において基体部の外周面に配置され、吸引空間に連通する外周吸引口と、を備え、複数の突条部の各突条部が所定の長手方向に沿う方向に延びる突出範囲の長さは、所定の長手方向と直交する方向の基体部の長さより大きい構成である。
本発明態様では、吸引空間に吸引される液体は、唾液または血液などの体内で生成される液体であっても、冷却用噴水などの外部から体内に供給される液体であってもよい。
本発明態様では、基体部は、吸引ポンプに連結される吸引管と一体に形成される構成であってもよいし、その吸引管に対して着脱可能な構成であってもよい。
本発明態様では、基体部は、筒状の形状であれば、円形または楕円形などの曲面形状の筒形であってもよいし、多角形の筒形であってもよい。
本発明態様では、先端吸引口が、基体部の先端面に形成される構成であってもよいし、形成されない構成であってもよい。
本発明態様では、基体部および突条部は、合成樹脂材料により形成される構成であってもよいし、ステンレスなどの金属材料により形成される構成であってもよい。
本発明態様では、各突条部は、基体部の所定の長手方向に沿って延びるのであれば、所定の長手方向と平行な方向に延びる構成であってもよいし、所定の長手方向に対して傾斜する方向に延びる構成であってもよい。
本発明態様では、所定の長手方向に沿う方向の突出範囲の長さは、所定の長手方向と直交する方向の基体部の長さより大きい構成であればよいが、突出範囲の長さの上限値は、液体吸引具の使用目的に応じて自ずと制限される。たとえば、歯科用の液体吸引具であれば、突出範囲の長さの上限値は、人間の口腔の大きさに応じて定められる。
本発明態様では、各突条部の突出量が、突出範囲において、所定の長手方向に沿う方向に徐々に大きくなった後に、徐々に小さくなるように構成されてもよい。または、突出範囲内の一定範囲において、各突条部の突出量が等しい突出量となるように構成されてもよい。
本発明態様では、外周吸引口の形状は限定されず、たとえば、円形、楕円形、長孔、または、矩形形状などの種々の形状であってもよい。
請求項2に記載の具体的態様では、外周吸引口は、複数の突条部のうちの隣り合う2つの突条部の間に、所定の長手方向に沿う方向に間隔をあけて複数配置される。
本具体的態様では、隣り合う2つの突条部の間に配置される外周吸引口の個数は、別の隣り合う2つの突条部の間に配置される外周吸引口の個数と同じ個数であってもよいし、異なる個数であってもよい。
請求項3に記載の具体的態様では、基体部は、吸引ポンプに連結される吸引管に対して着脱可能に構成され、基体部および複数の突条部は、合成樹脂材料により一体に成形される。
本具体的態様では、基体部が吸引管に対して着脱可能であれば、その着脱可能な具体的構成は限定されない。たとえば、着脱可能な具体的構成として、雄ねじ部と雌ねじ部とを含む構成であってもよいし、作業者が移動操作可能な弾性凸部と、その凸部が係止される凹部とを含む構成であってもよい。
請求項4に記載の具体的態様では、所定の長手方向における基体部の先端面に形成される先端吸引口をさらに備え、基体部の外周面に形成される全ての外周吸引口の開口面積の合計値は、先端吸引口の開口面積より大きくなるように、各外周吸引口の開口面積、および、外周吸引口の個数が定められる。
本具体的態様では、先端吸引口の個数は、1つであってもよいし、複数であってもよい。先端吸引口の個数が複数である場合、先端吸引口の開口面積は、全ての先端吸引口の開口面積の合計値となる。
請求項5に記載の具体的態様では、基体部の外周面の外周方向における各突条部の幅が、外周吸引口が形成される領域において各突条部が基体部の外周面から突出する所定の突出量より大きくなるように、複数の突条部の各突条部は形成される。
請求項6に記載の具体的態様では、複数の突条部の各突条部は、基体部の外周面の外周方向における各突条部の幅がその外周方向において隣り合う2つの突条部の間隙より大きくなるように形成される。
請求項7に記載の具体的態様では、突条部の個数は、5個から8個までの範囲内の個数である。
本具体的態様では、複数の突条部のうちで、基体部の外周面の外周方向において隣り合う2つの突条部の間隙は、等しい間隙であってもよいし、異なる間隙であってもよい。
請求項8に記載の具体的態様では、突条部の個数は、6個であり、6個の突条部は、基体部の外周面の外周方向において隣り合う2つの突条部の間隙が等しい間隙となるように配置される。
請求項9に記載の具体的態様では、複数の突条部のうちで、基体部の外周面の外周方向において隣り合う2つの突出部の間隙を、外周吸引口が形成される領域において各突条部が基体部の外周面から突出する所定の突出量で割った値が、1.1より小さい値となるように、突条部の個数、および、基体部の外周面の外周方向における各突条部の幅が定められる。
請求項1に記載の発明態様では、複数の突条部が、基体部の外周面から突出して形成されるとともに、その基体部の外周面の外周方向に間隔をあけて配置され、所定の長手方向に沿って延びる。外周吸引口が、複数の突条部のうちの隣り合う2つの突条部の間において基体部の外周面に配置され、吸引空間に連通する。複数の突条部の各突条部が所定の長手方向に沿う方向に延びる突出範囲の長さは、所定の長手方向と直交する方向の基体部の長さより大きい。この結果、唾液などの液体を吸引する際に、吸引量を確保しつつ、柔らかい組織が外周吸引口に吸着することを低減することができる。
請求項2に記載の具体的態様では、複数の外周吸引口が、複数の突条部のうちの隣り合う2つの突条部の間に、所定の長手方向に沿う方向に間隔をあけて配置される。この結果、唾液などの液体を吸引する際に、複数の外周吸引口により吸引量を確実に確保することができる。
請求項3に記載の具体的態様では、基体部は、吸引ポンプに連結される吸引管に対して着脱可能に構成され、基体部および複数の突条部は、合成樹脂材料により一体に成形される。この結果、基体部および複数の突条部を容易に成形することができるとともに、液体吸引具のみを容易に交換することができる。
請求項4に記載の具体的態様では、先端吸引口が、所定の長手方向における基体部の先端面に形成される。基体部の外周面に形成される全ての外周吸引口の開口面積の合計値は、先端吸引口の開口面積より大きくなるように、各外周吸引口の開口面積、および、外周吸引口の個数が定められる。この結果、唾液などの液体を吸引する際に、先端吸引口により液体の一部を補助的に吸引する一方で、外周吸引口により液体の大部分を主に吸引することができる。
請求項5に記載の具体的態様では、各突条部の幅が、所定の突出量より大きくなるように、各突条部が形成される。この結果、唾液などの液体を吸引する際に、各突条部が柔らかい組織と接触するときに柔らかい組織に与える痛みなどの違和感を軽減することができる。
請求項6に記載の具体的態様では、各突条部の幅が隣り合う2つの突条部の間隙より大きくなるように、各突条部が形成される。この結果、唾液などの液体を吸引する際に、柔らかい組織が外周吸引口に吸着されることを一層低減することができる。
請求項7に記載の具体的態様では、突条部の個数は、5個から8個までの範囲内の個数である。この結果、唾液などの液体を吸引する際に、吸引量を確保しつつ、柔らかい組織が外周吸引口に吸着することを一層低減することができる。
請求項8に記載の具体的態様では、突条部の個数は、6個であり、6個の突条部は、隣り合う2つの突条部の間隙が等しい間隙となるように配置される。この結果、隣り合う2つの突条部の間隙が等しい間隙であることから、唾液などの液体を吸引する際に、液体吸引具が体内に挿入される姿勢に関係なく、柔らかい組織が外周吸引口に吸着することを確実に低減することができる。
請求項9に記載の具体的態様では、複数の突条部のうちで、隣り合う2つの突出部の間隙を、所定の突出量で割った値が、1.1より小さい値となるように、突条部の個数、および、基体部の外周面の外周方向における各突条部の幅が定められる。この結果、唾液などの液体を吸引する際に、柔らかい組織が外周吸引口に吸着されることを、より一層低減することができる。
<実施形態>
以下に、本発明の一実施形態に係る歯科用吸引チップについて、図面を参照して説明する。図1は、患者の唾液および血液、または冷却用噴水などの液体を、患者の口腔内から吸引するために歯科用吸引チップ1と、歯科用吸引チップ1が取り付けられた吸引パイプ2とを示す。なお、図1に矢印で示す2つの方向を、上下方向および左右方向と定め、両方向と直交する方向を前後方向と定め、図1以降の他の図面でも同様に、各方向を示す。
以下に、本発明の一実施形態に係る歯科用吸引チップについて、図面を参照して説明する。図1は、患者の唾液および血液、または冷却用噴水などの液体を、患者の口腔内から吸引するために歯科用吸引チップ1と、歯科用吸引チップ1が取り付けられた吸引パイプ2とを示す。なお、図1に矢印で示す2つの方向を、上下方向および左右方向と定め、両方向と直交する方向を前後方向と定め、図1以降の他の図面でも同様に、各方向を示す。
歯科用吸引チップ1は、図示しない吸引ポンプに連結される吸引パイプ2に対して着脱可能に構成される。歯科用吸引チップ1は、加熱滅菌処理されることにより、繰り返し使用可能であるが、長期間使用された場合には、新しい歯科用吸引チップ1と交換される。
[歯科用吸引チップ1の詳細な構成]
図2乃至図6を参照して、歯科用吸引チップ1の詳細な構成を説明する。歯科用吸引チップ1は、合成樹脂材料から成形される。合成樹脂材料としては、耐熱性、および耐薬品性に優れた合成樹脂材料であることが必要である。耐熱性として、130°Cから150°Cまでの加熱範囲で滅菌処理に耐えうることが必要であり、耐薬品性として、歯科治療に使用される薬品により劣化することがないことが必要である。合成樹脂材料として、ポリプロピレン、ポリアミド系樹脂材料(PA6、PA66、PA12)、スチレン系エラストマー、またはオレフィン系エラストマーなどの合成樹脂材料が使用可能である。たとえば、ポリプロピレンとして、株式会社プライムポリマー製のプライムポリプロ(登録商標)J108Mが使用可能である。ポリアミド系樹脂材料として、ダイセル・エボック株式会社製のベスタミド(登録商標)D16が使用可能である。スチレン系エラストマーとして、三菱化学株式会社製のラバロン(登録商標)PJ9300Cが使用可能である。オレフィン系エラストマーとして、三菱化学株式会社製のゼラス(登録商標)7055が使用可能である。本実施形態では、プライムポリプロ(登録商標)J108Mが使用される。
図2乃至図6を参照して、歯科用吸引チップ1の詳細な構成を説明する。歯科用吸引チップ1は、合成樹脂材料から成形される。合成樹脂材料としては、耐熱性、および耐薬品性に優れた合成樹脂材料であることが必要である。耐熱性として、130°Cから150°Cまでの加熱範囲で滅菌処理に耐えうることが必要であり、耐薬品性として、歯科治療に使用される薬品により劣化することがないことが必要である。合成樹脂材料として、ポリプロピレン、ポリアミド系樹脂材料(PA6、PA66、PA12)、スチレン系エラストマー、またはオレフィン系エラストマーなどの合成樹脂材料が使用可能である。たとえば、ポリプロピレンとして、株式会社プライムポリマー製のプライムポリプロ(登録商標)J108Mが使用可能である。ポリアミド系樹脂材料として、ダイセル・エボック株式会社製のベスタミド(登録商標)D16が使用可能である。スチレン系エラストマーとして、三菱化学株式会社製のラバロン(登録商標)PJ9300Cが使用可能である。オレフィン系エラストマーとして、三菱化学株式会社製のゼラス(登録商標)7055が使用可能である。本実施形態では、プライムポリプロ(登録商標)J108Mが使用される。
図2および図4に示すように、歯科用吸引チップ1は、円筒形状の基体部10と、6個の突条部12A〜12Fとを備える。6個の突条部12A〜12Fは、基体部10の外周面10Aから放射方向に突出して形成され、等間隔、すなわち角度60°の間隔で配置される。6個の突条部12A〜12Fは、同じ形状、および同じ寸法になるように形成される。
図4に示すように、6個の突条部12A〜12Fの各突条部の先端部分は、円弧状の曲面に形成される。図5に示すように、6個の突条部12A〜12Fの各突条部は、左右方向において、左方曲面部分と、平坦部分と、右方曲面部分とを備える。たとえば、突条部12Bは、左方曲面部分12B1と、平坦部分12B2と、右方曲面部分12B3とを備え、突条部12Eは、左方曲面部分12E1と、平坦部分12E2と、右方曲面部分12E3とを備える。他の突条部も同様に、左方曲面部分と、平坦部分と、右方曲面部分とを備える。各突条部の左方曲面部分、および右方曲面部分は、円弧状の曲面に形成される。
図6に示すように、基体部10は、横断面形状が円形である吸引空間14を有する。吸引空間14は、左右方向に延びて形成される。吸引空間14の左方における内径は、吸引空間14の右方における内径より小さく設定される。吸引空間14の内径が右方に向かって徐々に大きくなるように、基体部10の内周面が形成される。図2および図6に示すように、ねじ部16が、基体部10の右方内周面に形成される。
6個の突条部12A〜12Fの隣り合う2つの突条部の間において、2つの外周吸引口が基体部10の外周面10Aに間隔をあけて形成される。各外周吸引口の開口形状は、円形である。2つの外周吸引口は、吸引空間14に連通する。たとえば、突条部12Aと突条部12Bとの間において、2つの外周吸引口18A1、20A1が基体部10の外周面10Aに形成され、突条部12Bと突条部12Cとの間において、2つの外周吸引口18A2、20A2が基体部10の外周面10Aに形成される。図5および図6に示すように、他の外周吸引口18A3〜18A6、20A3〜20A6も同様に基体部10の外周面10Aに形成される。
1つの先端吸引口22が、図4および図6に示すように、基体部10の左方壁面に形成される。先端吸引口22の開口形状は、円形である。先端吸引口22は、吸引空間14に連通する。先端吸引口22は、基体部10の左方壁面の中心、すなわち吸引空間14の左方における内径の中心に配置され、各外周吸引口と同じ直径を有する。
[吸引パイプ2の詳細な構成]
図7を参照して、吸引パイプ2の詳細な構成を説明する。吸引パイプ2は、ステンレス材料により成形され、先端延出部30と、ねじ部32と、位置決め部34と、連結部36とを備える。円形の吸引路38が、吸引パイプ2の内部に形成される。ねじ部32は、基体部10のねじ部16と螺合可能に形成される。先端延出部30は、ねじ部32の形成部分から左方に延びる。位置決め部34は、ねじ部32の形成部分の右側に配置される。連結部36は、位置決め部34から右方に延び、図示しない吸引ポンプに連結される。
図7を参照して、吸引パイプ2の詳細な構成を説明する。吸引パイプ2は、ステンレス材料により成形され、先端延出部30と、ねじ部32と、位置決め部34と、連結部36とを備える。円形の吸引路38が、吸引パイプ2の内部に形成される。ねじ部32は、基体部10のねじ部16と螺合可能に形成される。先端延出部30は、ねじ部32の形成部分から左方に延びる。位置決め部34は、ねじ部32の形成部分の右側に配置される。連結部36は、位置決め部34から右方に延び、図示しない吸引ポンプに連結される。
両ねじ部16、32の螺合により歯科用吸引チップ1が吸引パイプ2に取り付けられた状態において、先端延出部30の左方先端は、図7に示すように、外周吸引口20A3〜20A5を含む外周吸引口の形成部分に到達しないように、先端延出部30の左右方向の長さが設定される。
また、歯科用吸引チップ1が吸引パイプ2に取り付けられた状態において、位置決め部34の左方端部34Aは、基体部10の右方端部10Bに当接する。この当接により、歯科用吸引チップ1が吸引パイプ2に取り付けられる左右方向の位置が決定される。
[歯科用吸引チップ1の各部分の寸法]
図8乃至図10を参照して、歯科用吸引チップ1の各部分の寸法を説明する。図8において、寸法L1は、左右方向における歯科用吸引チップ1の全長であり、寸法L2は、基体部10の左方先端面から、左方曲面部分12B1などの左方曲面部分の左方端部までの長さである。寸法L3、寸法L4、および寸法L5は、左右方向において、左方曲面部分12B1などの左方曲面部分の長さ、平坦部分12B2などの平坦部分の長さ、右方曲面部分12B3などの右方曲面部分の長さである。寸法L6は、右方曲面部分12B3などの右方曲面部分の右方端部から、基体部10の右方端部までの長さである。本実施形態において、寸法L1は、20mmに設定され、寸法L2は、0.64mmに設定される。寸法L3、寸法L4、および寸法L5は、3.12mm、8.12mm、および3.12mmにそれぞれ設定される。
図8乃至図10を参照して、歯科用吸引チップ1の各部分の寸法を説明する。図8において、寸法L1は、左右方向における歯科用吸引チップ1の全長であり、寸法L2は、基体部10の左方先端面から、左方曲面部分12B1などの左方曲面部分の左方端部までの長さである。寸法L3、寸法L4、および寸法L5は、左右方向において、左方曲面部分12B1などの左方曲面部分の長さ、平坦部分12B2などの平坦部分の長さ、右方曲面部分12B3などの右方曲面部分の長さである。寸法L6は、右方曲面部分12B3などの右方曲面部分の右方端部から、基体部10の右方端部までの長さである。本実施形態において、寸法L1は、20mmに設定され、寸法L2は、0.64mmに設定される。寸法L3、寸法L4、および寸法L5は、3.12mm、8.12mm、および3.12mmにそれぞれ設定される。
図8において、寸法L7は、基体部10の左方先端面から、その左方先端面に近い位置に配置される外周吸引口18A6などの外周吸引口の中心までの距離である。寸法L8は、外周吸引口18A6、20A6などの左右方向に配列される2つの外周吸引口の中心の間隔である。寸法L9は、外周吸引口20A6などの基体部10の左方先端面から離れた外周吸引口の中心から、基体部10の右方先端面までの距離である。本実施形態において、寸法L7は、4mmに設定され、寸法L8は、3mmに設定される。
図8において、直径D1は、基体部10の外周面10Aの直径である。高さHは、突条部12B、12Eなどの各突条部の高さ、すなわち、外周面10Aから各突条部の最も突出した先端部分までの突出量である。歯科用吸引チップ1が患者の口腔内に挿入されたときに患者に違和感を与えないと同時に、所定の吸引量を確保するために充分な大きさの吸引空間14が形成されるように、直径D1が設定される必要がある。一方、患者の舌などの柔らかい組織が外周吸引口に吸着されないように、高さHを大きく設定することが考えられるが、歯科用吸引チップ1の全体の外周の直径、すなわち、直径D1と高さHの2倍の値との合計値が、大きくなると、歯科用吸引チップ1が患者の口腔内に挿入されたときに患者に違和感を与えるおそれがある。直径D1と高さHの2倍の値との合計値は、10mm以下の値であるとともに、高さHは、直径D1の1/4以下の値に設定されることが好ましい。本実施形態において、直径D1は、6.5mmに設定され、高さHは、1.5mmに設定される。
左右方向における各突条部の全長、すなわち寸法L3、寸法L4、および寸法L5の合計値は、直径D1より充分に大きく設定される。また、左右方向における各突条部の全長は、直径D1と、各突条部の高さHの2倍の値との合計値よりも充分に大きく設定される。さらに、各突条部の平坦部分の長さである寸法L4は、直径D1より大きく設定される。ただし、本実施形態において、寸法L4は、直径D1と、各突条部の高さHの2倍の値との合計値より小さく設定される。
各突条部の左方曲面部分を形成する円弧状の曲面の半径は、基体部10の外周面10Aの直径D1の1/2より大きく設定される。また、各突条部の右方曲面部分を形成する円弧状の曲面の半径は、基体部10の外周面10Aの直径D1の1/2より大きく設定される。本実施形態において、左方曲面部分を形成する円弧状の曲面の半径と、右方曲面部分を形成する円弧状の曲面の半径とは、同じ半径であり、4mmに設定される。
図9において、幅Wは、突条部12C、12Eなどの各突条部の幅である。間隙Kは、2つの突条部12B、12Cなどの隣り合う2つの突条部が基体部10の外周面10Aにおいて離間する間隔である。突条12C、12Eなどの各突条部の先端曲面は、円弧状の曲面に形成され、その円弧状の曲面の半径が、半径Rである。間隙Kは、基体部10の外周面10Aの全周長(π×D1)を突条部の個数で割った値から、幅Wを引いた値である。各突条部が患者の柔らかい組織に接触したときに患者に与える痛みなどの違和感を軽減するために、各突条部の幅Wは、高さH、および間隙Kより大きく設定される。本実施形態において、幅Wは、1.8mmに設定され、間隙Kは、1.6mmに設定される。半径Rは、幅Wの1/2の値である0.9mmに設定される。また、患者の柔らかい組織が各外周吸引口に吸着されることを低減するために、間隙Kを高さHで割った値(K/H)は、1.1より小さい値に設定される。
図9において、患者の舌などの柔らかい組織の表面TGが、二点鎖線で示される。唾液などの液体が歯科用吸引チップ1により吸引されるときに、間隙Kが大きく設定された構成ほど、組織の表面TGが基体部10の外周面10Aに接近して吸着されるおそれが生ずる。
図10において、直径D2は、円形の吸引空間14の左方端部における内径の直径である。直径D3は、外周吸引口18A5、20A5などの各外周吸引口の直径であるとともに、先端吸引口22の直径である。直径D3は、間隙Kより僅かに小さく設定される。本実施形態において、直径D2は、4.2mmに設定される。各外周吸引口の直径と、先端吸引口の直径とは同じ直径に設定され、直径D3は、1.2mmに設定される。多数の外周吸引口が配置されることから、多数の外周吸引口の開口面積の合計値は、先端吸引口22の開口面積より充分に大きな値にすることができる。
図9において、各突条部の側面と基体部10の外周面10Aとが連結される部分は、所定の半径の円弧状の曲面により形成される。直径D3は、この連結される部分の所定の半径を考慮して、間隙Kより僅かに小さく設定される。本実施形態において、連結される部分の所定の半径は、0.3mmに設定される。
[実施形態の動作および作用]
図7および図9を参照して、歯科用吸引チップ1の動作および作用を簡単に説明する。歯科用吸引チップ1を患者の治療のために使用する前に、歯科用吸引チップ1単体、または、所定の長さの吸引パイプ2に取り付けた状態の歯科用吸引チップ1が加熱滅菌処理される。図示しない吸引ポンプを作動させると、吸引パイプ2の内部、および吸引空間14が負圧の状態になる。この負圧の状態において、歯科用吸引チップ1が患者の口腔内に挿入されると、唾液、および冷却用噴水などの液体が、外周吸引口18A1〜18A6、20A1〜20A6のうちの一部の外周吸引口と、先端吸引口22とから吸引され、吸引空間14の内部に吸い込まれる。
図7および図9を参照して、歯科用吸引チップ1の動作および作用を簡単に説明する。歯科用吸引チップ1を患者の治療のために使用する前に、歯科用吸引チップ1単体、または、所定の長さの吸引パイプ2に取り付けた状態の歯科用吸引チップ1が加熱滅菌処理される。図示しない吸引ポンプを作動させると、吸引パイプ2の内部、および吸引空間14が負圧の状態になる。この負圧の状態において、歯科用吸引チップ1が患者の口腔内に挿入されると、唾液、および冷却用噴水などの液体が、外周吸引口18A1〜18A6、20A1〜20A6のうちの一部の外周吸引口と、先端吸引口22とから吸引され、吸引空間14の内部に吸い込まれる。
歯科用吸引チップ1の突条部が患者の舌などの柔らかい組織に接触したときに、その柔らかい組織の表面TGが外周吸引口に向かって吸引される。たとえば、図9に示すように、柔らかい組織の表面TGが2つの突条部12A、12Bに接触したときに、両突条部12A、12Bの間に形成された2つの外周吸引口18A1、20A1に向かって、組織の表面TGが吸い寄せられる。しかし、組織の表面TGが基体部10の外周面10Aまで吸い寄せられることがないように、各突条部の高さH、および、2つの突条部の間隙Kが設定されることから、組織の表面TGが2つの外周吸引口18A1、20A1に吸着されることを低減することができる。このため、2つの外周吸引口18A1、20A1が組織の表面TGにより塞がれることはなく、両外周吸引口からの液体の吸引作用が継続される。
歯科用吸引チップ1が患者の口腔内の奥まで挿入された場合を考える。この場合、先端吸引口22が組織の表面TGに押し当てられて塞がれることがある。奥まで挿入された場合でも、たとえば、図7に示すように、組織の表面TGが、突条部12Eの平坦部分12E2に接触することにより、外周吸引口18A5、20A5に吸い寄せられることを低減することができる。
[実施形態の効果]
本実施形態では、歯科用吸引チップ1の長手方向である左右方向に延びる基体部10の外周面10Aに多数の外周吸引口18A1〜18A6、20A1〜20A6が形成される。この結果、歯科用吸引チップ1の先端部分である左方先端部のみに吸引口が形成される構成に比べ、液体の充分な吸引量を確保することができる。また、6個の突条部12A〜12Eが基体部10の長手方向に沿って延び、各突条部の全長、すなわち、左方曲面部分の長さL3、平坦部分の長さL4、および右方曲面部分の長さL5の合計の長さは、基体部10の外周面10Aの直径D1より充分に長く設定される。この結果、突条部が基体部10の左方先端部のみに形成される構成に比べ、患者に痛みなどの違和感を与えることを軽減するとともに、組織の表面TGが吸引口に吸着されることを低減することができる。
本実施形態では、歯科用吸引チップ1の長手方向である左右方向に延びる基体部10の外周面10Aに多数の外周吸引口18A1〜18A6、20A1〜20A6が形成される。この結果、歯科用吸引チップ1の先端部分である左方先端部のみに吸引口が形成される構成に比べ、液体の充分な吸引量を確保することができる。また、6個の突条部12A〜12Eが基体部10の長手方向に沿って延び、各突条部の全長、すなわち、左方曲面部分の長さL3、平坦部分の長さL4、および右方曲面部分の長さL5の合計の長さは、基体部10の外周面10Aの直径D1より充分に長く設定される。この結果、突条部が基体部10の左方先端部のみに形成される構成に比べ、患者に痛みなどの違和感を与えることを軽減するとともに、組織の表面TGが吸引口に吸着されることを低減することができる。
本実施形態では、6個の突条部12A〜12Fが基体部10の外周面10Aの外周方向に同じ間隙Kで配置され、各突条部が同じ形状に形成される。この結果、歯科用吸引チップ1のいずれの突条部が患者の柔らかい組織に接触したときでも、液体の充分な吸引量の確保と、患者の違和感の軽減とを達成することができる。
本実施形態では、6個の突条部12A〜12Fの各突条部の先端部分は、円弧状の曲面に形成される。図9に示すように、その円弧状の曲面の半径Rは、各突条部の幅Wの1/2に設定される。この結果、円弧状の曲面は、幅Wの突条部の先端部分の全域において、曲率が一定となる最も大きな半径の曲面であって、連続した滑らかな曲面になる。この滑らかな曲面により、各突条部が患者の柔らかい組織に接触したときに、患者に与える違和感を一層軽減することができる。
本実施形態では、外周吸引口が基体部10の長手方向に2つ配置される。たとえば、図8に示すように、2つの外周吸引口18A6、20A6が左右方向に配置される。1つの外周吸引口の直径は、唾液など液体は円滑に通過することができるが、歯の欠片などの固形の異物は通過することができないような大きさの直径に設定される必要がある。このため、各外周吸引口の開口面積を無暗に大きくすることはできない。本実施形態においては、2つの外周吸引口が基体部10の長手方向に配置されることから、隣り合う2つの突条部の間隙Kを大きくすることなく、吸引量を大きくすることができる。また、基体部10の長手方向に開口面積が大きな1つの外周吸引口を設ける構成に比べ、2つの外周吸引口が基体部10の長手方向に配置されることにより、固形の異物が通過して吸引パイプを詰まらせるおそれを低減することができる。
本実施形態では、隣り合う2つの突条部の間隙Kは、各突条部の高さHより僅かに大きく設定され、間隙Kを高さHで割った値(K/H)は、1.1より小さい値に設定される。一般的に、各突条部の側面と基体部の外周面とが連結される部分は、その連結される部分に応力が集中しないように、小さな所定の半径の曲面に形成される。この所定の半径を考慮して、間隙Kは高さHより僅かに大きく設定される。この結果、隣り合う2つの突条部が患者の柔らかい組織に接触したときに、患者に与える違和感を軽減するとともに、組織の表面TGが外周吸引口に引き寄せられることを低減することができる。
一般的に、突条部の個数が多くなれば、隣り合う2つの突条部の間隙Kが小さい値となり、組織の表面TGが各外周吸引口に吸着され難くなる反面、各外周吸引口の直径D3が小さくなり、液体の充分な吸引量を確保することができなくなる。また、各突条部の幅Wが大きくなれば、隣り合う2つの突条部の間隙Kが小さい値となることから、突条部の個数が多くなった場合と同様に、液体の充分な吸引量を確保することができなくなる。このため、組織の表面TGが吸着されることの低減と、液体の充分な吸引量の確保とをバランス良く両立させるために、突条部の個数、および各突条部の幅Wを、適切な個数および幅に設定する必要がある。発明者は、各突条部の幅Wが異なる5種類の歯科用吸引チップを製作して、各歯科用吸引チップが挿入されたときに患者が感ずる違和感についてアンケートを実施した。5種類の歯科用吸引チップとして、幅Wが1.0mm、1.4mm、1.8mm、2.2mm、および2.6mmである歯科用吸引チップが製作された。アンケートの結果として、幅Wが1.0mmである場合には、痛いと感ずる患者がおり、幅Wが1.4mmである場合には、少し痛いと感ずる患者がいたが、幅Wが1.8mm以上である場合には、患者は痛くないと感ずることが分かった。アンケート結果を参考にするとともに、液体の充分な吸引量を確保するために、各突条部の幅Wを、患者が痛くないと感ずる最も小さな幅である1.8mmに設定した。この場合、本実施形態では、その適切な個数を6個として、6個の突条部12A〜12Fが基体部10の外周面10の外周方向に配置される。この結果、隣り合う2つの突条部の間隙Kが、1.6mmとなり、隣り合う2つの突条部の間に形成することができる各外周吸引口の直径D3を、充分な吸引量が確保することができる直径として試験的に定められた1.0mm以上とすることができ、患者の違和感を軽減するとともに液体の充分な吸引量を確実に確保することができる。
本実施形態では、歯科用吸引チップ1が吸引パイプ2に取り付けられた状態において、左右方向に配置された2つの外周吸引口、たとえば、図7に示す外周吸引口18A5、20A5の形成領域は、吸引パイプ2の先端延出部30と重ならないように、両外周吸引口18A5、20A5が配置される。この結果、両外周吸引口18A5、20A5を通過して吸引された液体を、吸引パイプ2の吸引路38に向かって円滑に導くことができる。換言すれば、外周吸引口18A5、20A5の形成領域が吸引パイプ2の先端延出部30と重なる構成では、両外周吸引口18A5、20A5を通過して吸引された液体が、吸引空間14の内周面と先端延出部30の外周面との間で振動して高い周波数の騒音を発生することがあるが、本実施形態では、高い周波数の騒音の発生を低減することができる。
<構成の対応関係>
歯科用吸引チップ1は、本発明の液体吸引具の一例である。吸引パイプ2が、本発明の吸引管の一例である。基体部10が、本発明の基体部の一例である。突条部12A〜12Fが、本発明の複数の突条部の一例である。外周吸引口18A1〜18A6、20A1〜20A6が、本発明の外周吸引口の一例である。先端吸引口22が、本発明の先端吸引口の一例である。吸引空間14が、本発明の吸引空間の一例である。基体部10が延びる左右方向は、本発明の基体部の所定の長手方向の一例である。円形の基体部10の外周面10Aの円周方向が、本発明の外周方向の一例である。基体部10の外周面10Aの直径D1が、本発明の基体部の長さの一例である。突条部12A〜12Fの各突条部における左方曲面部分、平坦部分、および右方曲面部分が形成される範囲が、本発明の突出範囲の一例である。突条部12A〜12Fの各突条部の幅Wが、本発明の各突条部の幅の一例である。突条部12A〜12Fの各突条部の高さHが、本発明の各突条部の所定の突出量の一例である。突条部12A〜12Fの隣り合う2つの突条部の間隙Kが、本発明の2つの突条部の間隙の一例である。
歯科用吸引チップ1は、本発明の液体吸引具の一例である。吸引パイプ2が、本発明の吸引管の一例である。基体部10が、本発明の基体部の一例である。突条部12A〜12Fが、本発明の複数の突条部の一例である。外周吸引口18A1〜18A6、20A1〜20A6が、本発明の外周吸引口の一例である。先端吸引口22が、本発明の先端吸引口の一例である。吸引空間14が、本発明の吸引空間の一例である。基体部10が延びる左右方向は、本発明の基体部の所定の長手方向の一例である。円形の基体部10の外周面10Aの円周方向が、本発明の外周方向の一例である。基体部10の外周面10Aの直径D1が、本発明の基体部の長さの一例である。突条部12A〜12Fの各突条部における左方曲面部分、平坦部分、および右方曲面部分が形成される範囲が、本発明の突出範囲の一例である。突条部12A〜12Fの各突条部の幅Wが、本発明の各突条部の幅の一例である。突条部12A〜12Fの各突条部の高さHが、本発明の各突条部の所定の突出量の一例である。突条部12A〜12Fの隣り合う2つの突条部の間隙Kが、本発明の2つの突条部の間隙の一例である。
<変形例>
本発明は、本実施形態に限定されることはなく、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の変形が可能である。以下にその変形の一例を述べる。
本発明は、本実施形態に限定されることはなく、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の変形が可能である。以下にその変形の一例を述べる。
(1)本実施形態は、本発明を歯科用吸引チップ1に具体化した形態であるが、この形態に限定されない。たとえば、心臓手術などの医療手術を行うために血液などの液体を吸引する手術用液体吸引具として、本発明が具体化されてもよい。この場合、手術される患者の部位に応じて、基体部の直径、基体部の長手方向の長さ、各突条部の形状、および、突条部の個数などが決定される。また、基体部を形成する合成樹脂材料の種類も、手術される患者の部位の組織の柔らかさなどの組織の特性、および、使用される薬品に応じて、決定される。
(2)本実施形態では、突条部の個数は、6個に設定されるが、この個数に限定されない。一般的に、基体部10の直径D1と、各突条部の高さHとは、液体吸引具が患者の体内に挿入されることから、治療または手術される患者の部位に適した一定の値に定められる。また、液体の充分な吸引量を確保するために各外周吸引口の直径D3は、種々の試験結果から、1.0mm以上に設定されることが好ましい。このため、突条部の個数と、その突条部の幅Wとは、患者が感ずる違和感の軽減と、液体の充分な吸引量の確保とを考慮した上で、種々の値に設定される。患者が感ずる違和感の軽減よりも、液体の充分な吸引量の確保を優先する場合には、突条部の個数は、6個より少ない5個に設定されてもよい。反対に、液体の充分な吸引量の確保よりも、患者が感ずる違和感の軽減を優先する場合には、突条部の個数は、6個より多い7個、または8個に設定されてもよい。
(3)本実施形態では、各突条部の先端部分は、円弧状の曲面に形成され、しかも、その円弧状の曲面の半径Rは、図9に示すように、各突条部の幅Wの1/2の値に設定されるが、各突条部の先端部分の形状は円弧状の形状に限定されない。たとえば、各突条部が患者の柔らかい組織に接触したときに、痛みなどの違和感が少ないのであれば、各突条部の先端部分の形状は、楕円形状などの異なる曲率の複数の曲面の形状であってもよいし、平坦面と曲面との組み合わせの形状であってもよい。
(4)本実施形態では、各突条部は、基体部の長手方向である左右方向に平行な方向に延びる構成であるが、この構成に限定されない。患者の体内において、液体を吸引するのに支障がなければ、たとえば、各突条部は、基体部の長手方向に対して傾斜した方向に延びる構成であってもよい。この変形例では、各突条部が傾斜して形成されることにより、患者の柔らかい組織が隣り合う2つの突条部の間に容易に侵入することを低減することができ、組織の表面TGが各外周吸引口に吸い寄せられることを低減することができる。
(5)本実施形態では、各外周吸引口の直径D3は、同じ直径に設定されるが、この構成に限定されない。たとえば、図8において、左方曲面部分に近接する外周吸引口18A6の直径を、平坦部分に配置される外周吸引口20A6の直径より小さくする構成であってもよい。この変形例では、外周吸引口20A6の直径に比べて、外周吸引口18A6の直径が小さいことから、外周吸引口18A6による吸引力を弱くすることができ、突出量が小さい左方曲面部分において組織の表面TGが吸い寄せられることを低減することができる。反対に、液体の充分な吸引量の確保を優先するのであれば、左方曲面部分に近接する外周吸引口18A6の直径を、平坦部分に配置される外周吸引口20A6の直径より大きくする構成であってもよい。
(6)本実施形態では、隣り合う2つの突条部の間に配置される外周吸引口の個数は、2個である。また、図7に示すように、2つの外周吸引口の形成領域が吸引パイプ2の先端延出部30と重ならないように、2つの外周吸引口が配置される。しかし、本実施形態の構成に限定されず、隣り合う2つの突条部の間に配置される外周吸引口の個数は、2つの突条部の組ごとに、異なる個数であってもよく、場合によっては、特定の2つの突条部の組については、外周吸引口が配置されない構成であってもよい。また、液体の充分な吸引量を確保することを、高い周波数の騒音の発生を低減するよりも優先する場合には、外周吸引口の形成領域が吸引パイプ2の先端延出部30と重なる構成であってもよい。
(7)本実施形態では、左右方向における各突条部の全長は、左右方向における基体部10の全長よりも小さく設定されるが、この構成に限定されない。各突条部の全長が基体部10の全長と同じになるように、各突条部が長く形成されてもよい。また、本実施形態では、歯科用吸引チップ1が吸引パイプ2に対して着脱可能に構成されるが、この構成に限定されない。たとえば、歯科用吸引チップ1と、所定の長さの吸引パイプ2とが合成樹脂材料により一体的に成形される構成であってもよい。この変形例では、各突条部の全長をさらに長くすることができるとともに、外周吸引口の形成領域も左右方向に長くして外周吸引口の個数を左右方向に増やすこともできる。
(8)本実施形態では、基体部10の左方先端面には、先端吸引口22が配置されるが、突条部に相当する部分は形成されていない構成であるが、この構成に限定されない。たとえば、曲面形状の突出部分が、先端吸引口22に近接した位置に配置される構成であってもよい。
1 歯科用吸引チップ
2 吸引パイプ
10 基体部
10A 基体部の外周面
12A〜12F 突条部
18A1〜18A6、20A1〜20A6 外周吸引口
14 吸引空間
22 先端吸引口
L3 突条部の左方曲面部分の長さ
L4 突条部の平坦部分の長さ
L5 突条部の右方曲面部分の長さ
W 突条部の幅
H 突条部の高さ
K 2つの突条部の間隙
2 吸引パイプ
10 基体部
10A 基体部の外周面
12A〜12F 突条部
18A1〜18A6、20A1〜20A6 外周吸引口
14 吸引空間
22 先端吸引口
L3 突条部の左方曲面部分の長さ
L4 突条部の平坦部分の長さ
L5 突条部の右方曲面部分の長さ
W 突条部の幅
H 突条部の高さ
K 2つの突条部の間隙
Claims (9)
- 体内から唾液などの液体を吸引するための吸引空間を内部に有し、所定の長手方向に延びる筒状の基体部と、
基体部の外周面から突出して形成されるとともに、その基体部の外周面の外周方向に間隔をあけて配置され、所定の長手方向に沿って延びる複数の突条部と、
複数の突条部のうちの隣り合う2つの突条部の間において基体部の外周面に配置され、吸引空間に連通する外周吸引口と、を備え、
複数の突条部の各突条部が所定の長手方向に沿う方向に延びる突出範囲の長さは、所定の長手方向と直交する方向の基体部の長さより大きい液体吸引具。 - 外周吸引口は、複数の突条部のうちの隣り合う2つの突条部の間に、所定の長手方向に沿う方向に間隔をあけて複数配置される請求項1に記載の液体吸引具。
- 基体部は、吸引ポンプに連結される吸引管に対して着脱可能に構成され、
基体部および複数の突条部は、合成樹脂材料により一体に成形される請求項1または請求項2に記載の液体吸引具。 - 所定の長手方向における基体部の先端面に形成される先端吸引口をさらに備え、
基体部の外周面に形成される全ての外周吸引口の開口面積の合計値は、先端吸引口の開口面積より大きくなるように、各外周吸引口の開口面積、および、外周吸引口の個数が定められる請求項1〜3のいずれかに記載の液体吸引具。 - 基体部の外周面の外周方向における各突条部の幅が、外周吸引口が形成される領域において各突条部が基体部の外周面から突出する所定の突出量より大きくなるように、複数の突条部の各突条部は形成される請求項1〜4のいずれかに記載の液体吸引具。
- 複数の突条部の各突条部は、基体部の外周面の外周方向における各突条部の幅がその外周方向において隣り合う2つの突条部の間隙より大きくなるように形成される請求項1〜5のいずれかに記載の液体吸引具。
- 突条部の個数は、5個から8個までの範囲内の個数である請求項1〜6のいずれかに記載の液体吸引具。
- 突条部の個数は、6個であり、
6個の突条部は、基体部の外周面の外周方向において隣り合う2つの突条部の間隙が等しい間隙となるように配置される請求項7に記載の液体吸引具。 - 複数の突条部のうちで、基体部の外周面の外周方向において隣り合う2つの突出部の間隙を、外周吸引口が形成される領域において各突条部が基体部の外周面から突出する所定の突出量で割った値が、1.1より小さい値となるように、突条部の個数、および、基体部の外周面の外周方向における各突条部の幅が定められる請求項1〜8のいずれかに記載の液体吸引具。
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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DE112017004257T5 (de) | 2016-08-26 | 2019-05-16 | Sumitomo Chemical Company, Limited | 3-pyridyloxyphenyldihydrouracil-verbindung und deren verwendung |
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-
2015
- 2015-03-10 JP JP2015047754A patent/JP2016165426A/ja active Pending
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