JP2016165136A - 通信システム、送信方法、路側通信機、及びコンピュータプログラム - Google Patents

通信システム、送信方法、路側通信機、及びコンピュータプログラム Download PDF

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Abstract

【課題】 路路間通信の干渉回避を考慮した時間スロットの割り当てを行ったとしても、時間スロットが無駄に消費されてしまうのを抑制することができる通信システムを提供する。
【解決手段】 本発明の通信システムでは、複数の路側通信機2は、第1スロットSL1が配列された無線フレームを用いて送信を行う。無線フレームには、路車間通信用の第1スロットSL1、及び路路間通信用の第1スロットSL1が設けられている。複数の路側通信機2は、路路間通信用の第1スロットSL1を路路間通信における複数の時間チャネルで共用して送信を行う通信制御装置を備えている。
【選択図】図6

Description

本発明は、例えば、高度道路交通システム(ITS:Intelligent Transport System)の構成要素として好適に用いることができる通信システム等に関する。
近年、交通安全の促進や交通事故の防止を目的として、移動体(車両等)が道路に設置されたインフラ装置からの情報を受信し、或いは車両同士で情報交換を行い、これらの情報を活用することで車両走行の安全性を向上させる高度道路交通システムが検討されている(例えば、特許文献1参照)。
かかる高度道路交通システムにおいて用いられる無線通信システムは、主として、インフラ側の無線通信装置である複数の路側通信機と、各車両に搭載される無線通信装置である複数の車載通信機(移動通信機)とによって構成される。
この場合、各通信主体間で行う通信の組み合わせには、路側通信機と車載通信機とが行う路車(又は車路)間通信、及び、車載通信機同士が行う車車間通信のほか、路側通信機同士が行う路路間通信が含まれることになる(例えば、特許文献2参照)。
特許第2806801号公報 特開2011−114647号公報
上記高度道路交通システムにおいては、車車間通信をはじめ、路車間通信や路路間通信及び路歩間通信も含め、これらの各通信の共存を図るに当たって、限られた周波数帯域内で路路間、路車間及び車車間の各通信を行うために、無線リソースを時間領域で分割して路側通信機の送信専用の時間帯である時間スロットを設ける、時分割多重(TDMA:Time Division Multiple Access)によるマルチアクセス方式を採用している。
上記TDMAによるマルチアクセス方式において、路側通信機の送信専用の時間スロットは、通常、1つの無線フレーム内で複数配列されている。つまり、1つの無線フレーム内には、異なる時間帯に設定された複数の時間スロットが含まれている。これら複数の時間スロットは、各路側通信機に対して送信リソースとして割り当てられる。
路側通信機は、通常、道路上の交差点等に設置されるが、交差点に設置された路側通信機それぞれの送信可能なエリア(サービスエリア)が互いに重複する場合がある。サービスエリアが重複すると、その重複した部分に存在する車載通信機においては、両路側通信機の送信信号を受信してしまうことになる。つまり、両路側通信機間で干渉が生じる。
このため、少なくとも干渉が生じる位置関係にある路側通信機の間では、異なる時間帯に設定された異なる時間スロットが割り当てられる。これによって、路車間通信における干渉を回避することができる。
このとき、複数の路側通信機は、路車間通信において、路側通信機同士で互いに干渉が生じないことから1以上の時間スロットを共用することができる路側通信機のグループに分けることができる。同一のグループに属する路側通信機が、同一の時間スロット(群)を用いて送信したとしても干渉は生じないので、これらグループ毎に異なる時間スロット(群)が割り当てられることになる。なお、このグループ毎に割り当てられる送信期間を時間チャネルともいう。
前記グループ毎に異なる時間チャネル(時間スロット群)を割り当て、路側通信機それぞれが自機の属するグループに割り当てられている時間チャネルを用いれば、路車間通信においては干渉を回避可能な割り当てができる。
上記では、路車間通信の干渉のみを考慮した場合を示したが、路側通信機が、路車間通信のみを考慮して割り当てられた時間スロットを用いて路路間通信を行うと、電波干渉を生じさせることがある。
路車間通信と、路路間通信との間では通信エリアが異なることがあり、路車間通信においては電波干渉は生じないが、路路間通信においては電波干渉が生じるといったように、両通信において干渉関係が異なる場合があるからである。
そこで、路側通信機が、路路間通信を行う場合、路車間通信、及び路路間通信の両方で干渉が生じないように、両通信の干渉関係を考慮した上で各路側通信機に時間スロットを割り当てることが考えられる。
ここで、路車間通信と、路路間通信の両方を考慮した路側通信機のグループ分けを行い、時間スロットを割り当てるべき時間チャネルの数を特定する。
図10は、所定エリアに配置された複数の路側通信機それぞれに対して必要な時間チャネルの数と、交差点間隔との関係の一例を示したグラフである。
図中、縦軸は必要な時間チャネルの必要数、横軸は交差点間隔を示している。また、実線は、路車間通信、及び路路間通信の両方の干渉を考慮した場合、破線は、路車間通信のみの干渉を考慮した場合を示している。
図10に示すように、交差点間隔が広がるにしたがって、路車間通信、及び路路間通信を考慮した場合の方が、路車間通信のみを考慮した場合よりも相対的に時間チャネルの必要数が多くなる傾向がある。
すると、路側通信機よりも多数存在している車載通信機との間の通信である路車間通信に対してより多くの送信時間を与えなければならないところ、上述のように、路車間通信、及び路路間通信の両方の干渉を考慮した割り当てを採用すれば、路路間通信の干渉回避のために増加した時間チャネルに対して時間スロット(送信時間)を割り当てなければならず、時間スロットの多くが無駄に消費されてしまうことになる。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、路路間通信の干渉回避を考慮した時間スロットの割り当てを行ったとしても、時間スロットが無駄に消費されてしまうのを抑制することができる通信システム、及びこれに用いる送信方法、コンピュータプログラムを提供することを目的とする。
[1]上記目的を達成するための本発明は、複数の路側通信機が、無線フレームに配列された複数の時間スロットを用いて送信を行う通信システムであって、前記無線フレームには、前記路側通信機と車載通信機との間で行われる路車間通信で用いられる時間スロット、及び前記複数の路側通信機同士の間で行われる路路間通信で用いられる時間スロットが設けられ、前記複数の路側通信機は、前記路車間通信において複数の第1グループ群に分けられ、同一グループ内の路側通信機で同時に使用するための送信期間が複数の第1グループそれぞれに異なるように割り当てられるとともに、前記路路間通信において複数の第2グループ群に分けられ、同一グループ内の路側通信機で同時に使用するための送信期間が複数の第2グループそれぞれに異なるように割り当てられており、
前記第1グループの数をCRV
前記第2グループの数をCRR
1つの前記無線フレームに含まれる前記路車間通信用の時間スロットの数をSRV
1つの前記無線フレームに含まれる前記路路間通信用の時間スロットの数をSRR
としたときに、前記CRV、及び前記CRRが下記式(1)を満たしており、
前記複数の路側通信機は、前記路路間通信用の時間スロットを前記複数の第2グループで共用することで下記式(2)を満たす送信を行う制御部を備えていることを特徴としている。
RV < CRR ・・・(1)
RV > SRR ・・・(2)
上記構成の通信システムによれば、第2グループの数CRRが、第1グループの数CRVよりも多い場合においても、路路間通信用の時間スロットを第2グループで共用することで、無線フレームに含まれている路路間通信用の時間スロットの数SRRが、路車間通信用の時間スロットの数SRVよりも多く設定されることがない。
このため、路車間通信の干渉回避に加え、路路間通信の干渉回避を考慮した時間スロットの割り当てを行うことで、第2グループの数CRRが、第1グループの数CRVよりも多くなったとしても、時間スロットが無駄に消費されてしまうのを抑制することができる。
[2]また、本発明は、複数の路側通信機が、無線フレームに配列された複数の時間スロットを用いて送信を行う通信システムであって、前記無線フレームには、前記路側通信機と車載通信機との間で行われる路車間通信で用いられる時間スロット、及び前記複数の路側通信機同士の間で行われる路路間通信で用いられる時間スロットが設けられ、前記複数の路側通信機は、前記路車間通信において複数(CRV個)の第1グループ群に分けられ、同一グループ内の路側通信機で同時に使用するための送信期間が複数の第1グループそれぞれに異なるように割り当てられるとともに、前記路路間通信において複数(CRR個)の第2グループ群に分けられ、同一グループ内の路側通信機で同時に使用するための送信期間が複数の第2グループそれぞれに異なるように割り当てられており、
前記第1グループの数をCRV
前記第2グループの数をCRR
1つの前記無線フレームに含まれる前記路車間通信用の時間スロットの数をSRV
1つの前記無線フレームに含まれる前記路路間通信用の時間スロットの数をSRR
としたときに、前記CRV、及び前記CRRが下記式(3)を満たしており、
前記複数の路側通信機は、前記路路間通信用の時間スロットを前記複数の第2グループで共用することで下記式(4)を満たす送信を行う制御部を備えていることを特徴としている。
RV < CRR ・・・(3)
(SRV − CRV) + CRR ≧ SRV + SRR ・・・(4)
なお、上記式(3)の左辺の(SRV − CRV)は、複数の第1グループに割り当てた時間スロットの数と、第1グループの数との差を示す。これは、複数の第1グループの内、2以上の時間スロットが割り当てられている第1グループが存在する場合にプラスの値となる。言い換えると、第1グループが余分に、(SRV − CRV)個の時間スロットが必要であることを示している。
したがって、上記式(3)の左辺は、路車間通信と路路間通信の両方の干渉を考慮した場合に、少なくとも、路車間通信を行うために必要となる時間スロット数を示している。
これに対して、右辺は路車間通信のみの干渉を考慮した場合に、路車間通信を行うために必要となる時間スロット数(SRV)と路路間通信を行うために必要となる時間スロット数(SRR)の合計値を示している。
つまり上記式(4)は、路車間通信のみの干渉を考慮した場合に必要となる路車間通信用の時間スロット数(SRV)と路路間通信用の時間スロット数(SRR)の合計値が、路車間通信と路路間通信の両方の干渉を考慮して少なくとも路車間通信を行う場合に必要な時間スロット数(式(4)の左辺)以下となることを示している。
上記式(4)を満たすように、路車間通信の干渉のみを考慮した環境下で前期路路間通信用の時間スロットを共用することで、路車間通信と路路間通信の両方の干渉を考慮した環境下で路車間通信と路路間通信の両方を行う場合に比べて、総時間スロット数を同じ、あるいは、それ未満に削減することができる。
この結果、路車間通信と路路間通信の両方の干渉を考慮して時間スロットを割り当てた場合よりも、時間スロットが無駄に消費されてしまうのを抑制することができる。
[3]前記制御部は、隣接配置されている所定数の無線フレームそれぞれに含まれる前記路路間通信用の時間スロットに対して、前記複数の第2グループの送信期間を割り当てるものであり、前記複数の第2グループの送信期間は、それぞれ前記所定数の無線フレームそれぞれに分散して割り当てられることが好ましい。
この場合、隣接配置されている所定数の無線フレームそれぞれに亘って、複数の第2グループに送信期間を割り当てることができる。互いに隣接する無線フレームそれぞれに含まれている路路間通信用の時間スロット同士は、無線フレーム内での位置が同じであるとしても、無線フレームとしての送信タイミングが異なるので各第2グループに割り当てることができる。このため、より多数の第2グループに対して送信期間を割り当てることができる。
[4]また、前記制御部は、無線フレームに含まれる前記路路間通信用の時間スロットを分割して用いることで、前記複数の第2グループそれぞれに対して送信期間を割り当てることもできる。
[5]路路間通信における送信データは、路側通信機よりも多く存在している車載通信機との間で通信する路車間通信における送信データよりも少ないと考えられる。
このため、前記路車間通信による送信データを、前記無線フレームごとに送信する必要がある、高い送信頻度を必要としているデータとし、前記路路間通信による送信データを、前記路車間通信による送信データよりも送信頻度が低いデータとして送信することができる。
[6]また、本発明は、無線フレームに配列された複数の時間スロットを用いて送信を行うための送信方法であって、前記無線フレームには、路側通信機と車載通信機との間で行われる路車間通信で用いられる時間スロット、及び前記複数の路側通信機同士の間で行われる路路間通信で用いられる時間スロットが設けられ、前記複数の路側通信機は、前記路車間通信において複数の第1グループ群に分けられ、同一グループ内の路側通信機で同時に使用するための送信期間が複数の第1グループそれぞれに異なるように割り当てられるとともに、前記路路間通信において複数の第2グループ群に分けられ、同一グループ内の路側通信機で同時に使用するための送信期間が複数の第2グループそれぞれに異なるように割り当てられており、
前記第1グループの数をCRV
前記第2グループの数をCRR
1つの前記無線フレームに含まれる前記路車間通信用の時間スロットの数をSRV
1つの前記無線フレームに含まれる前記路路間通信用の時間スロットの数をSRR
としたときに、前記CRV、及び前記CRRが下記式(5)を満たしており、
前記路路間通信用の時間スロットを前記複数の第2グループで共用することで下記式(6)を満たす送信を行うことを特徴としている。
RV < CRR ・・・(5)
RV > SRR ・・・(6)
[7]また、本発明は、無線フレームに配列された複数の時間スロットを用いて送信を行う送信処理をコンピュータに実行させるためのコンピュータプログラムであって、前記無線フレームには、路側通信機と車載通信機との間で行われる路車間通信で用いられる時間スロット、及び前記複数の路側通信機同士の間で行われる路路間通信で用いられる時間スロットが設けられ、前記複数の路側通信機は、前記路車間通信において複数の第1グループ群に分けられ、同一グループ内の路側通信機で同時に使用するための送信期間が複数の第1グループそれぞれに異なるように割り当てられるとともに、前記路路間通信において複数の第2グループ群に分けられ、同一グループ内の路側通信機で同時に使用するための送信期間が複数の第2グループそれぞれに異なるように割り当てられており、
前記第1グループの数をCRV
前記第2グループの数をCRR
1つの前記無線フレームに含まれる前記路車間通信用の時間スロットの数をSRV
1つの前記無線フレームに含まれる前記路路間通信用の時間スロットの数をSRR
としたときに、前記CRV、及び前記CRRが下記式(7)を満たしており、
前記路路間通信用の時間スロットを前記複数の第2グループで共用することで下記式(8)を満たす送信を行う送信処理をコンピュータに実行させるコンピュータプログラムである。
RV < CRR ・・・(7)
RV > SRR ・・・(8)
[8]本発明は、無線フレームに配列された複数の時間スロットを用いて送信を行うための送信方法であって、前記無線フレームには、路側通信機と車載通信機との間で行われる路車間通信で用いられる時間スロット、及び前記複数の路側通信機同士の間で行われる路路間通信で用いられる時間スロットが設けられ、前記複数の路側通信機は、前記路車間通信において複数の第1グループ群に分けられ、同一グループ内の路側通信機で同時に使用するための送信期間が複数の第1グループそれぞれに異なるように割り当てられるとともに、前記路路間通信において複数の第2グループ群に分けられ、同一グループ内の路側通信機で同時に使用するための送信期間が複数の第2グループそれぞれに異なるように割り当てられており、
前記第1グループの数をCRV
前記第2グループの数をCRR
1つの前記無線フレームに含まれる前記路車間通信用の時間スロットの数をSRV
1つの前記無線フレームに含まれる前記路路間通信用の時間スロットの数をSRR
としたときに、前記CRV、及び前記CRRが下記式(9)を満たしており、
前記路路間通信用の時間スロットを前記複数の第2グループで共用することで下記式(10)を満たす送信を行うことを特徴としている。
RV < CRR ・・・(9)
(SRV − CRV) + CRR ≧ SRV + SRR ・・・(10)
[9]また、本発明は、無線フレームに配列された複数の時間スロットを用いて送信を行う送信処理をコンピュータに実行させるためのコンピュータプログラムであって、前記無線フレームには、路側通信機と車載通信機との間で行われる路車間通信で用いられる時間スロット、及び前記複数の路側通信機同士の間で行われる路路間通信で用いられる時間スロットが設けられ、前記複数の路側通信機は、前記路車間通信において複数の第1グループ群に分けられ、同一グループ内の路側通信機で同時に使用するための送信期間が複数の第1グループそれぞれに異なるように割り当てられるとともに、前記路路間通信において複数の第2グループ群に分けられ、同一グループ内の路側通信機で同時に使用するための送信期間が複数の第2グループそれぞれに異なるように割り当てられており、
前記第1グループの数をCRV
前記第2グループの数をCRR
1つの前記無線フレームに含まれる前記路車間通信用の時間スロットの数をSRV
1つの前記無線フレームに含まれる前記路路間通信用の時間スロットの数をSRR
としたときに、前記CRV、及び前記CRRが下記式(11)を満たしており、
前記路路間通信用の時間スロットを前記複数の第2グループで共用することで下記式(12)を満たす送信を行う送信処理をコンピュータに実行させるコンピュータプログラムである。
RV < CRR ・・・(11)
(SRV − CRV) + CRR ≧ SRV + SRR ・・・(12)
上記[6]、[7]、[8]、及び[9]によれば、路車間通信の干渉回避に加え、路路間通信の干渉回避を考慮した時間スロットの割り当てを行ったとしても、時間スロットが無駄に消費されてしまうのを抑制することができる。
本発明によれば、路車間通信の干渉回避に加えて、路路間通信の干渉回避を考慮した時間スロットの割り当てを行ったとしても、時間スロットが無駄に消費されてしまうのを抑制することができる。
高度道路交通システムの実施の一形態を示す概略斜視図である。 路側通信機の構成図である。 (a)はフレームを示し、(b)はフレーム中のスロットの構造(一部)と割り当て方を示す図である。 各交差点の時間チャネルの割り当てを示す図である。 路側通信機の配置モデルの一例を示す図である。 本実施形態の通信システムにて用いられる無線フレームの全体構成の一例を示す図である。 第1無線フレームに含まれる路路間通信専用のスロットと、第2無線フレームに含まれる路路間通信専用のスロットとの関係を示す図である。 「一般社団法人電波産業会、”700MHz帯高度道路交通システム ARIB−STD T109 1.0版“」に記載される送信パケットのIVC−RVC層の拡張領域を示す図である。 重要交差点が無い場合の無線フレームの一例を示す図である。 所定エリアに配置された複数の路側通信機それぞれに対して、電波干渉が生じないように時間チャネルを割り当てたときに必要となる時間チャネルの最小の数と、交差点間隔との関係の一例を示したグラフである。
以下、本発明の好ましい実施形態について図面を参照しながら説明する。
〔システムの全体構成〕
図1は、本発明の一実施形態に係る高度道路交通システム(ITS)の全体構成を示す概略斜視図である。なお、本実施形態では、道路構造の一例として、南北方向と東西方向の複数の道路が互いに交差した碁盤目構造を想定している。
図1に示すように、本実施形態の高度道路交通システムは、交通信号機1、路側通信機(無線機)2、車載通信機(無線機)3(図2参照)、中央装置4、車載通信機3を搭載した車両5、及び、車両感知器や監視カメラ等よりなる路側センサ6を含む。
交通信号機1と路側通信機2は、複数の交差点A1〜A5,B1〜B5、C1〜C5,D1〜D5のそれぞれに設置されており、電話回線等の有線通信回線7を介してルータ8に接続されている。このルータ8は交通管制センター内の中央装置4に接続されている。
中央装置4は、自身が管轄するエリアの交通信号機1及び路側通信機2とLAN(Local Area Network)を構成している。なお、中央装置4は、交通管制センターではなく道路上に設置してもよい。
路側センサ6は、各交差点に流入する車両台数をカウントする等の目的で、管轄エリア内の道路の各所に設置されている。この路側センサ6は、直下を通行する車両5を超音波感知する車両感知器、或いは、道路の交通状況を時系列に撮影する監視カメラ等よりなり、感知情報や画像データは通信回線7を介して中央装置4に送信される。
なお、図1では、図示を簡略化するために、各交差点に信号灯器が1つだけ描写されているが、実際の各交差点には、互いに交差する道路の上り下り用として少なくとも4つの信号灯器が設置されている。
高度道路交通システムにおいて、無線通信システムを構成する、複数の交差点それぞれに設置された複数の路側通信機(無線機)2は、その周囲を走行する車両の車載通信機3との間で無線通信(路車間通信)が可能である。
また、各路側通信機2は、自己の送信波が到達する所定範囲内に位置する他の路側通信機2とも無線通信(路路間通信)が可能である。
また、同じく無線通信システムを構成する車載通信機(無線機)3は、路側通信機2との間で無線通信を行うとともに、キャリアセンス方式で他の車載通信機3と無線通信(車車間通信)が可能である。
図2に示すように、路側通信機2は、無線通信のためのアンテナ20が接続された無線通信部(送受信部)21と、有線通信回線7を介して中央装置4と通信するための有線通信部22と、通信制御処理を行う通信処理装置25とを備えている。
通信処理装置25は、制御部23と、必要な情報を記憶する記憶部24と、を備えている。制御部23は、無線通信及び有線通信の通信制御処理を行う。記憶部24は、無線通信及び優先通信のために必要な情報を記憶する。
通信処理装置25は、その機能の一部又は全部が、ハードウェア回路によって構成されていてもよいし、その機能の一部又は全部が、コンピュータプログラムによって実現されていてもよい。通信処理装置25の機能の一部又は全部がコンピュータプログラムによって実現される場合、通信処理装置25(制御部23)は、コンピュータを含み、コンピュータによって実行されるコンピュータプログラムは、記憶部24に記憶される。
〔無線通信の方式等〕
図3(a)は、無線通信システムにおいて用いられる無線フレームを示している。この無線フレームは、その時間軸方向の長さ(フレーム長)が100ミリ秒に設定されている。つまり、1秒間に10フレームが発生する。
フレームは、例えば、路側通信機2が有するGPS受信機(図示省略)によって受信したGPS信号に含まれる1PPS(1秒周期の信号)に基づいて生成される。
図3(b)は、一つの無線フレーム内部の構造(一部)を示している。図3(b)に示すように、一つの無線フレームは、第1スロットSL1と、第2スロットSL2とを含んで構成されている。
第1スロットSL1(時間スロット)は、路側通信機2に割り当てられる当該路側通信機2の送信用のタイムスロット(路車間通信期間)であり、この時間帯においては、路側通信機2による無線送信が許容される。
一方、第2スロットSL2は、車載通信機3用のタイムスロット(車用通信期間)であり、この時間帯は車載通信機3による無線送信用として開放するため、路側通信機2は第2スロットSL2では無線送信を行わない。
無線フレームに含まれている第1スロットSL1と、第2スロットSL2とは、時間軸方向に交互に配置されている。
第1スロットSL1には、それぞれスロット番号iが付されている。
路側通信機2には、無線フレームに含まれる複数の第1スロットSL1(例えば、16個の第1スロット)の内の一つ又は複数の第1スロットSL1が割り当てられる。路側通信機2はスロット番号iによっていずれの第1スロットSL1が自機に割り当てられるかを認識する。
一つの路側通信機2に対して、無線フレームに含まれる複数の第1スロットSL1の内の一つのスロットを割り当てる場合、例えば、無線フレームに含まれるi=1の第1スロットSL1には、交差点A2,B5,C3,D1の路側通信機2に割り当てられ、i=2の第1スロットSL1には、交差点A3,B1,C4,D2の路側通信機2に割り当てられ、i=3の第1スロットSL1には、交差点A4,B2,C5,D3の路側通信機2に割り当てられ、i=4の第1スロットSL1には、交差点A5,B3,C1,D4の路側通信機2に割り当てられ、i=5の第1スロットSL1には、交差点A1,B4,C2,D5の路側通信機2に割り当てられる。
複数の路側通信機2は、路車間通信において、路側通信機2同士で互いに干渉が生じないことから同じスロット(送信期間)を同時に使用することができる路側通信機2のグループに分けることができる。図3(b)では、交差点A2,B5,C3,D1の路側通信機2、交差点A3,B1,C4,D2の路側通信機2、交差点A4,B2,C5,D3の路側通信機2、交差点A5,B3,C1,D4の路側通信機2、及び交差点A1,B4,C2,D5の路側通信機2の5つのグループに分けられる。
同一のグループに属する路側通信機2が、同一の送信期間を用いて送信したとしても、干渉は生じないので、これらグループ毎に異なる送信期間を割り当てることで干渉が防止される。
なお、このグループそれぞれに異なるように割り当てられる送信期間を時間チャネルともいう。この時間チャネルの数は、同一の送信期間を試用することができる路側通信機2のグループの数と同じである。
図3(b)では、各時間チャネル(時間チャネル番号Ch1〜Ch5)それぞれに、異なる第1スロットSL1(i=1〜5)が割り当てられている。
図4は、図1に示す複数の路側通信機2に対する、図3に従った時間チャネルの割り当て方を示している。図4において、各交差点の丸内の数字は、時間チャネル番号を示している。各路側通信機2は、自機2に割り当てられた時間チャネル番号の第1スロットSL1において、路車間通信を行う。
隣接する交差点の路側通信機2に対して同一の第1スロットSL1が割り当てられていると、隣接する交差点間にいる車両5は、双方の路側通信機2からの路車間通信の電波を受け、干渉が生じる。しかし、図3のように、同一の第1スロットSL1を分散させて割り当てることで、各路側通信機2による路車間通信の際の干渉を防止できる。
〔時間チャネル数の検討〕
図4のようなスロット割り当ては、路車間通信だけを考慮すると、適切であるが、路路間通信も考慮すると適切でなくなり、路路間通信では、電波干渉が起こるおそれがある。
つまり、路車間通信だけを考慮して割り当てたスロットを、路路間通信においても使用しようとすると、電波干渉が生じるおそれがある。
例えば、図4の交差点C2の路側通信機2と交差点D5の路側通信機2には、ともに時間チャネル番号Ch5の第1スロットSL1が割り当てられている。そして、交差点C2とD5との間は、道路以外の部分の建物を考慮すれば、直接、電波が届きにくい状態である。したがって、交差点C2付近の車両(交差点C2の路側通信機2のサービスエリア内の車両)は、同じタイミングで路車間通信のための電波を発信する交差点D5の路側通信機2からの干渉をほとんど受けることなく、交差点C2の路側通信機2の路車間通信データを受信することができる。
交差点C2の路側通信機2と交差点D5の路側通信機2とが同じタイミングで路路間通信を行った場合、交差点D5の路側通信機2が交差点C5の路側通信機2に対して路路間通信データを送信すると、交差点C2の路側通信機2が送信した路路間通信または路車間通信データが干渉波となって交差点C5にも直接到達することがある。
このため、交差点C5の路側通信機2は、交差点D5の路側通信機2からの路路間通信のダウンリンクデータを正しく受信できない可能性がある。
このように、路車間通信と路路間通信とでは、通信エリアが異なるため、路車間通信だけを考慮して割り当てた時間チャネルを、路路間通信でも使用すると、路路間通信においては、電波干渉が生じるおそれがある。
そこで、上記のように、路側通信機2が、路車間通信及び路路間通信の両方を同じ時間チャネルを用いて行う場合、路車間通信、及び路路間通信の両方で生じる干渉を回避することができるように、両方の干渉関係を考慮して各路側通信機2に時間チャネルを割り当てることが考えられる。
しかし、両方の干渉関係を考慮して各路側通信機2に時間チャネルを割り当てた場合、図10にて示したように、交差点間隔が広がるにしたがって、路車間通信、及び路路間通信を考慮した場合の方が、路車間通信のみを考慮した場合よりも相対的にスロットの必要数が多くなる傾向がある。
図10において、路車間通信のみを考慮した場合でかつ交差点間隔が300mの場合では、5個の時間チャネルで干渉を回避した割り当てが可能である道路構造において、路車間通信と路路間通信とを考慮した場合では、9個の時間チャネルが必要となる。つまり、路路間通信と路車間通信とを考慮した場合、単純に1つの時間チャネルに1つの第1スロットSL1を割り当てたとすると、路車間通信のみを考慮した場合に比べて、およそ2倍程度の第1スロットSL1が必要となることがある。
この結果、本来、路側通信機2よりも多数存在している車載通信機との間の通信である路車間通信に対してより多くの第1スロットSL1を与えなければならないところ、上述のように、路車間通信、及び路路間通信の両方の干渉を考慮した割り当てを採用すれば、路路間通信の干渉回避のために増加した時間チャネルに対して多くの第1スロットSL1を割り当てなければならず、第1スロットSL1の多くが無駄に消費されてしまうことになる。
これに対して、本実施形態では、後述する路路間通信用の第1スロットSL1を設けることで、路路間通信の干渉回避を考慮した第1スロットSL1の割り当てを行ったとしても、第1スロットSL1が無駄に消費されてしまうのを抑制する。
〔路側通信機2の送信制御について〕
路側通信機2の通信制御装置25は、自機2に割り当てられた第1スロットSL1において、車両5(車載通信機3)に対して路車間通信データを無線通信部21から無線送信させる制御を行う。
つまり、各路側通信機2の通信制御装置25は、無線フレームに配列された複数の第1スロットSL1を用いた送信を行うように制御する。
例えば、図5に示すような路側通信機2の配置モデルを考える。図5中、各道路が互いに交差している交差点には、配置エリアがひし形となるように路側通信機2が13機配置されている。
このエリアの中央に位置する交差点は、幹線道路が交わるような交差点で交通量が最も多い等、交通流の改善や事故防止に対して大きく影響を及ぼす重要交差点である。重要交差点に配置されている路側通信機2に対しては、他の交差点に配置された路側通信機2よりも通信リソースを多く与えるために、他の交差点に配置される路側通信機2には1個の第1スロットSL1が割り当てられるのに対して、重要交差点に配置される路側通信機2には、2個の第1スロットSL1が割り当てられている。
図5に示す配置モデルの路車間通信において、複数(13機)の路側通信機2を、同時に使用可能な送信期間を割り当て可能な路側通信機2でグループ分けを行い、複数のグループ(第1グループ)群に分けたとき、これら第1グループの数(=CRV)、つまり、必要な時間チャネルの数が5であるとする。
この場合、5つの互いに異なる送信期間を用意して各グループに割り当てれば、路車間通信における干渉を回避できる。
また、前記配置モデルの路路間通信において、複数(13機)の路側通信機2を、同時に使用可能な送信期間を割り当て可能な路側通信機2でグループ分けを行い、複数のグループ(第2グループ)群に分けたとき、これら第2グループの数(=CRR)、つまり、必要な時間チャネルの数が9であるとする。
この場合、9つの異なる送信期間を用意して各グループに割り当てれば、路路間通信における干渉を回避できる。
図6は、本実施形態の通信システムにて用いられる無線フレームの全体構成の一例を示す図である。本実施形態の通信システムの無線フレームは、路側通信機2に関する規定である「一般社団法人電波産業会、”700MHz帯高度道路交通システム ARIB−STD T109 1.0版“」に従って、16個の第1スロットSL1が配列されている。
図6中、上段の第1無線フレームは、例えば、図3に示すように1秒間に発生する10個の無線フレーム(フレーム番号:0〜9)の内、偶数番号のフレーム(偶数フレーム)であり、第2無線フレームは、1秒間に発生する10個の無線フレーム(フレーム番号:0〜9)の内、奇数番号のフレーム(奇数フレーム)である。従って、第1無線フレームと第2無線フレームとは、交互に周期的に発生する。
第1無線フレームにおける各路側通信機2に対する第1スロットSL1の割り当てと、第2無線フレームにおける各路側通信機2に対する第1スロットSL1の割り当てとは、後述する路路間通信用の第1スロットSL1を除いて共通している。
図6に示す無線フレームは、図5にて示した配置モデルに適用される場合を示している。
図6中、無線フレームには、路車間通信用の第1スロットSL1(群)と、路路間通信用の第1スロットSL1(群)とが設けられている。この無線フレームでは、路車間通信用として、第1スロットSL1を6個(=SRV)使用しており、路路間通信用として、第1スロットSL1を3個(=SRR)使用している。残りの7個の第1スロットSL1は未使用である。
図5に示すモデルにおいては、上述したように、路車間通信における必要な時間チャネルの数は5個である。従って、これら時間チャネルに対して1つの第1スロットSL1を割り当てる場合、路車間通信用の第1スロットSL1群としては、最低5個の第1スロットSL1を含んでいればよい。
図5に示すモデルにおいては、複数の路側通信機2の内、重要交差点に設置されている路側通信機2が存在している。重要交差点に配置されている路側通信機2に対しては、2個の第1スロットSL1が割り当てられ、他の路側通信機2に対しては1個の第1スロットSL1が割り当てられる。よって、本実施形態では、路車間通信用の第1スロットSL1群は、上記最低数の5個に、重要交差点に配置された路側通信機2用に1個を加えた合計6個で構成されている。
路車間通信用の第1スロットSL1群は、図6に示すように、スロット番号i=0,1の2つの第1スロットSL1が重要交差点の路側通信機に割り当てられている。
このスロット番号i=0,1の2つの第1スロットSL1には、路車間通信における時間チャネルChRV1が割り当てられており、順次、路車間通信用の第1スロットSL1(スロット番号i=2〜5)それぞれには、路車間通信における時間チャネルChRV2〜5が割り当てられている。
このように路車間通信の各時間チャネルChRV1〜5には、送信期間が割り当てられている。言い換えると、路車間通信においてグループ分けされた複数(5個)の第1グループそれぞれに、送信期間が割り当てられている。
路車間通信用の各スロットには、各路側通信機2が生成する路車間通信データが配置される。
路車間通信データには、静的情報と動的情報とが存在する。
静的情報は、道路構造などを表す道路線形情報又は交通規制の内容・期間などを示す規制情報などの、短時間では情報内容が変化しない情報をいう。
動的情報は、交通信号機の情報を示す信号情報又は路側センサ6によって検知を示すセンサ情報などの、時々刻々と情報内容が変化し得る情報をいう。つまり、動的情報は、時間の経過とともに情報内容が変動する頻度が静的情報よりも高い情報である。
重要交差点に設置されている路側通信機2は、静的情報と、動的情報とを、割り当てられている2つの第1スロットSL1それぞれに割り当て、両情報を1つの第1スロットSL1ごとに送信する。
重要交差点に設置されている路側通信機2以外の他の路側通信機2は、割り当てられている1つの第1スロットSL1を用いて、静的情報と動的情報の両方を送信する。
一方、路路間通信用の第1スロットSL1群は、3個の第1スロットSL1(スロット番号i=6,7,8)を含んで構成されている。
図5に示すモデルにおいては、上述したように、路路間通信における必要な時間チャネルの数は9個である。従って、これら時間チャネルに対して1つの第1スロットSL1を割り当てる場合、路路間通信用の第1スロットSL1群としては、最低9個の第1スロットSL1を含んでいればよい。
本実施形態では、一つの無線フレームに路路間通信用の第1スロットSL1は、3つ存在している。よって、各時間チャネルに対して1つの第1スロットSL1を割り当てることはできない。
そこで、本実施形態では、路路間通信用の第1スロットSL1を各時間チャネル(複数の第2グループ)で共用するように構成されている。
本実施形態では、路路間通信用のスロットを構成する3個の第1スロットSL1の内、2つの第1スロットSL1(スロット番号i=7,8)を、それぞれ分割することで2つのサブスロットSSを設けている。これら第1スロットSL1及びサブスロットSSを送信期間として時間チャネルに割り当てれば、1つの無線フレームにおいて、時間チャネルに対して割り当て可能な送信期間を5個確保することができる。
また、第1無線フレームに含まれる路路間通信用の第1スロットSL1と、第2無線フレームに含まれる路路間通信用の第1スロットSL1とを用いて、上記9個の路路間通信の時間チャネルそれぞれに対して送信期間を割り当てるように設定する。
そしてこの場合、路路間通信の時間チャネルの送信期間は、第1及び第2無線フレームそれぞれに分散して割り当てられる。
つまり、隣接配置されている2つの両無線フレームそれぞれに含まれる6つの路路間通信用の第1スロットSL1を一単位として、その単位ごとに9個の路路間通信の時間チャネルの送信期間を割り当てる。
これにより、隣接配置されている2つの無線フレームそれぞれに亘って、路路間通信の時間チャネルの送信期間を割り当てる。
このように設定することで、第1及び第2無線フレームそれぞれで5個ずつの送信期間を含んでいるので、路路間通信の時間チャネルに対して割り当て可能な送信期間を、合計10個確保することができる。
このように本実施形態では、路路間通信用の第1スロットSL1を共用することによって、路路間通信の時間チャネル数分の送信期間を確保している。
図6では、第1無線フレームのスロット番号i=6の第1スロットSL1に路路間通信における時間チャネルChRR1が割り当てられている。第1無線フレームのスロット番号i=7,8の第1スロットSL1それぞれに含まれるサブスロットSSには、路路間通信における時間チャネルChRR2〜5が割り当てられている。
また、第2無線フレームのスロット番号i=6の第1スロットSL1に路路間通信における時間チャネルChRR6が割り当てられている。第2無線フレームのスロット番号i=7,8の第1スロットSL1それぞれに含まれるサブスロットSSには、路路間通信における時間チャネルChRR7〜9が割り当てられている。第2無線フレームのスロット番号i=8の第1スロットSL1に含まれる2つのサブスロットSSの内の1つは、時間チャネルが割り当てられていない。
このように路路間通信の各時間チャネルChRR1〜9には、送信期間が割り当てられている。言い換えると、路路間通信においてグループ分けされた複数(9個)の第2グループそれぞれに、送信期間が割り当てられている。
以上のようにして、路車間通信における5個の時間チャネル(複数の第1グループ)、及び路路間通信における9個の時間チャネル(複数の第2グループ)それぞれには、送信期間が割り当てられる。
図7は、第1無線フレームに含まれる路路間通信用の第1スロットSL1と、第2無線フレームに含まれる路路間通信用の第1スロットSL1との関係を示す図である。図中(a)は、第1無線フレームに含まれる路路間通信用の第1スロットSL1(例えば、スロット番号i=6の第1スロットSL1)を示し、図中(b)は、第2無線フレームに含まれる路路間通信用の第1スロットSL1(例えば、スロット番号i=6の第1スロットSL1)を示している。
1つの無線フレームの長さは、100msであるので、第1無線フレームと第2無線フレームとは、100ms周期で切り替わる。
よって図に示すように、両無線フレームに含まれる路路間通信用の第1スロットSL1は、200msの送信周期で現れる。第1無線フレームの第1スロットSL1と第2無線フレームの第1スロットSL1とは、100msだけシフトしており、それぞれ互いに異なる送信タイミングとなっている。
従って、各路側通信機2は、確実に200msごとに路路間通信の送信機会を得ることができるので、各路側通信機2が必要なときに路路間通信を確実に行うことができる。
各路側通信機2は、1PPSを利用して、フレーム番号を特定し、各路側通信機2に割り当てられている路路間通信用の第1スロットSL1のタイミングで路路間通信データの送信を行う。
なお、図7では、各路側通信機2は、1PPSを利用したGPS同期によって互いに同期し、第1無線フレーム及び第2無線フレームを特定し、路路間通信用の第1スロットSL1を特定する場合を示したが、各路側通信機2同士の路路間通信によって同期を行う、いわゆるエア同期によって互いに同期する場合においても、第1無線フレーム及び第2無線フレームを特定することができる。
この場合、特定のフレーム番号が付された無線フレームのタイミング等を、各路側通信機2間で共有する必要があるため、例えば、無線フレームのタイミングを認識している路側通信機2は、送信パケットのヘッダ等に、現在の無線フレームのフレーム番号を格納して他の路側通信機2に通知するように構成することができる。
図8は、「一般社団法人電波産業会、”700MHz帯高度道路交通システム ARIB−STD T109 1.0版“」に記載される送信パケットのIVC−RVC層の拡張領域を示す図である。図に示すように、IVC−RVC層の拡張領域に、上述の無線フレームのフレーム番号を格納して他の路側通信機2に、フレーム番号のタイミングを通知することができる。
また、GPS同期やエア同期に限らず、電波時計を利用して同期を行ってもよいし、無線フレームのフレーム番号を特定可能な同期信号を中央装置4から送信してもよい。
このように、本システムでは、各路側通信機2に割り当てられている路路間通信用の第1スロットSL1は、それぞれ互いに異なる送信タイミングの第1無線フレーム及び第2無線フレームに含まれるように設定されている。
ここで、本実施形態の場合、各路側通信機2による路路間通信の送信のタイミングが、200msごとになるため、路車間通信に対して割り当てられる通信リソースよりも少なくなる場合がある。
この点、路車間通信は、路側通信機2よりも多数存在している車載通信機3との間で通信が行われるため、一般に路路間通信よりも多くの通信リソースを要する。
本発明者は、本システムに関して、実験を行い、路車間通信及び路路間通信において、実際に必要となる単位時間当たりの送信データ量を見積もり、両者を比較した。
その結果、路路間通信において必要となる単位時間当たりの送信データ量は、路車間通信と比較して、概ね半分程度確保されていれば十分であることを確認している。
本実施形態では、上記比較結果に基づいて、路路間通信に必要な通信リソースが確保されるように、所定の個数(本実施形態では3個)の第1スロットSL1を含んだ路路間通信用の第1スロットSL1群を設けている。
従って、路路間通信に割り当てられる通信リソースが、路車間通信に割り当てられる通信リソースよりも少なく設定されているとしても許容される。
〔効果について〕
本実施形態では、無線フレームには、路車間通信用の第1スロットSL1(路車間通信用の時間スロット)、及び路路間通信用の第1スロットSL1(路路間通信用の時間スロット)が設けられている。
また、第1グループの数をCRV(=路車間通信における時間チャネルの数)、第2グループの数をCRR(=路路間通信における時間チャネルの数)、1つの無線フレームに含まれている路車間通信用の第1スロットSL1の数をSRV、1つの無線フレームに含まれている路路間通信用の第1スロットSL1の数をSRRとしたとき、これら各数値は、以下の通りである。
RV = 5
RR = 9
RV = 6
RR = 3
上記各数値は、下記式(21),(22)を満たしている。
RV < CRR ・・・(21)
RV > SRR ・・・(22)
上記構成の通信システムによれば、各路側通信機2が、路路間通信用の第1スロットSL1を複数の第2グループで共用することで上記式(22)を満たす送信を行う通信制御装置25を備えている。
このため、第2グループの数CRRが第1グループの数CRVよりも多い場合においても、路路間通信用の第1スロットSL1を第2グループで共用することで、無線フレームに含まれている路路間通信用の第1スロットSL1は、路車間通信用の第1スロットSL1よりも多く設定されることがない。このため、路車間通信の干渉回避に加え、路路間通信の干渉回避を考慮したスロットの割り当てを行ったとしても、第1スロットSL1が無駄に消費されてしまうのを抑制することができる。
さらに、上記各数値は、下記式(23)を満たしている。
(SRV − CRV) + CRR ≧ SRV + SRR ・・(23)
上記式(23)の左辺の(SRV − CRV)は、複数の第1グループに割り当てた第1スロットSL1の数と、第1グループの数との差を示す。これは、複数の第1グループの内、2以上の時間スロットが割り当てられている第1グループが存在する場合にプラスの値となる。言い換えると、複数の第1グループの内、1つの第1グループに対し、第1スロットSL1が重複して割り当てられている場合の第1スロットSL1の重複している個数を示している。上記実施形態の場合、(SRV − CRV)は「1」であり、重要交差点に配置されている路側通信機2に第1スロットSL1が余分に1個割り当てられていることに対応している。
また、第2グループの数CRRは、路車間通信及び路路間通信の両方の干渉を考慮したときに分けることができるグループの数(必要となる時間チャネルの数)と同じである。このため、上記式(23)の左辺は、路車間通信及び路路間通信の両方の干渉を考慮して(少なくとも)路車間通信を行う場合に必要な第1スロットSL1の数となる。
よって、上記式(23)の左辺は、路車間通信と路路間通信の両方の干渉を考慮した場合、言い換えると、複数の第1グループ、及び複数の第2グループで時間チャネルの数(両グループの数)が大きい方の時間チャネルの割り当て方で路車間通信を行う場合に必要となる第1スロットSL1の数を示している。それに対して、上記式(23)の右辺は路車間通信のみの干渉を考慮した場合に、路車間通信を行うために必要となる第1スロットSL1の数(SRV)と路路間通信を行うために必要となる第1スロットSL1の数(SRR)の合計値を示している。
つまり上記式(23)は、路車間通信のみの干渉を考慮した場合に必要となる路車間通信用の第1スロットSL1の数(SRV)と路路間通信用の第1スロットSL1の数(SRR)の合計値が、路車間通信と路路間通信の両方の干渉を考慮して少なくとも路車間通信を行う場合に必要な第1スロットSL1の数(式(23)の左辺)以下となることを示している。
上記式(23)を満たすように、路車間通信の干渉のみを考慮した環境下で前期路路間通信用の第1スロットSL1を共用することで、路車間通信と路路間通信の両方の干渉を考慮した環境下で路車間通信と路路間通信の両方を行う場合に比べて、第1スロットSL1の総数を同じ、あるいは、それ未満に削減することができる。
この結果、路車間通信と路路間通信の両方の干渉を考慮して第1スロットSL1を割り当てた場合よりも、第1スロットSL1が無駄に消費されてしまうのを抑制することができる。
また、本システムでは、上述のように、隣接配置されている所定数の無線フレームそれぞれに含まれる前記路路間通信用の時間スロットに対して、前記複数の第2グループの送信期間を割り当てるものであり、前記複数の第2グループの送信期間は、それぞれ前記所定数の無線フレームそれぞれに分散して割り当てられる。
この場合、隣接配置されている2つの無線フレームそれぞれに亘って、路路間通信の時間チャネルの送信期間を割り当てることができる。また、互いに異なる送信タイミングの無線フレームに含まれている路路間通信用の第1スロットSL1同士は、無線フレーム内での位置が同じであるとしても、無線フレームとしての送信タイミングが異なるので各第2グループに割り当てることができる。このため、より多数の第2グループに送信期間を割り当てることができる。
さらに、本システムでは、路路間通信用のスロットを構成する3個の第1スロットSL1の内、2つの第1スロットSL1に、当該第1スロットSL1を分割して構成されたサブスロットSSが含まれている。
すなわち、路路間通信における通信量が比較的少なければ、路路間通信用の第1スロットSL1を分割して用いることができる。
このように、本実施形態では、路路間通信用の第1スロットSL1を時分割することで、複数のサブスロットSSを設けることができ、路路間通信の時間チャネル(複数の第2グループ)に割り当てるための送信期間をより多く確保することができる。
〔他の実施形態について〕
本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態では、重要交差点に配置された路側通信機2を含んだ配置モデル(図5)に基づいて説明したが、例えば、同じモデルで重要交差点がない場合であっても、上述の各数値(CRV,CRR,SRV,SRR)は、上記各式(21),(22),(23)を満たす。
図9は、重要交差点が無い場合の無線フレームの一例を示す図である。重要交差点がない場合、各路側通信機2に対して、路車間通信用の時間チャネルとして、それぞれ第1スロットSL1が1個ずつ割り当てられるので、路車間通信用の第1スロットSL1群は、第1スロットSL1を5個含んで構成されている。
よって、この場合の前記各数値は、以下の通りである。
RV = 5
RR = 9
RV = 5
RR = 3
上記各数値は、上記各式(21),(22),(23)を満たしている。
従って、重要交差点が無い場合であっても、上記実施形態と同様に、第1スロットSL1が無駄に消費されてしまうのを抑制する効果を得ることができる。
また、図9に示す無線フレームでは、3つの路路間通信用の第1スロットSL1が、それぞれ、3つのサブスロットSSを含んでいる場合を示している。
この場合、路路間通信の時間チャネル(複数の第2グループ)に割り当て可能な送信期間として、各サブスロットSSを用いることができる。
よって、図9に示すように、各サブスロットSSには、9個の路路間通信の時間チャネルChRR1〜9がそれぞれ割り当てられている。
このように、路路間通信用の第1スロットSL1は、路路間通信の時間チャネルの数や、通信量に応じて、適宜複数の送信期間(サブスロットSS)として分割することができる。
また、上記実施形態では、上記各式(21),(22),(23)の全てを満たすように設定された場合を示したが、上記各数値は、式(23)を満たしていなくても、式(21)及び式(22)の両方を満たしていればよく、また、式(22)を満たしていなくても、式(21)及び式(23)の両方を満たしていればよい。
なお、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した意味ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味、及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
2 路側通信機
3 車載通信機
5 車両
20 アンテナ
21 無線通信部
23 制御部
SL1 第1スロット(時間スロット)
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、路路間通信の干渉関係を考慮した時間スロットの割り当てを行ったとしても、時間スロットが無駄に消費されてしまうのを抑制することを目的とする。
本発明は、路側通信機の送信用の時間スロットを複数含む無線フレームが用いられる通信システムである。複数の前記時間スロットは、路側通信機と車載通信機の間で行われる路車間通信で用いられる路車間通信用時間スロットと、前記路車間通信用時間スロットとは別の時間スロットであって、路側通信機同士の間で行われる路路間通信で用いられる路路間通信用時間スロットと、を含む。前記路車間通信用時間スロットにおいては、複数の路側通信機が使用する送信期間が、前記路車間通信における干渉関係を考慮して割り当てられ、前記路路間通信用時間スロットにおいては、複数の路側通信機が使用する送信期間が、前記路路間通信における干渉関係を考慮して割り当てられている。前記路路間通信用時間スロットは、時分割された複数のサブスロットを含み、複数のサブスロットが、複数の路側通信機によって使用されるのが好ましい。第1の無線フレームの次に発生する第2の無線フレームに含まれる前記路路間通信用時間スロットは、前記第1の無線フレームに含まれる前記路路間通信用時間スロットを使用する路側通信機とは異なる路側通信機によって使用されるのが好ましい。
また、他の本発明は、無線フレームに含まれる路側通信機の送信用の複数の時間スロットを用いた送信方法である。複数の前記時間スロットは、路側通信機と車載通信機との間で行われる路車間通信で用いられる路車間通信用時間スロットと、前記路車間通信用時間スロットとは別の時間スロットであって、路側通信機同士の間で行われる路路間通信で用いられる路路間通信用時間スロットと、を含む。前記路車間通信用時間スロットにおいては、複数の路側通信機が使用する送信期間が、前記路車間通信における干渉関係を考慮して割り当てられ、前記路路間通信用時間スロットにおいては、複数の路側通信機が使用する送信期間が、前記路路間通信における干渉関係を考慮して割り当てられている。
また、他の本発明は、無線フレームに含まれる複数の時間スロットを用いて送信を行う路側通信機である。複数の前記時間スロットは、前記路側通信機と車載通信機との間で行われる路車間通信で用いられる路車間通信用時間スロットと、前記路車間通信用時間スロットとは別の時間スロットであって、前記路側通信機と他の路側通信機の間で行われる路路間通信で用いられる路路間通信用時間スロットと、を含み、前記路車間通信用時間スロットにおいては、前記路側通信機が使用する送信期間が、前記路車間通信における他の路側通信機との干渉関係を考慮して割り当てられ、前記路路間通信用時間スロットにおいては、前記路側通信機が使用する送信期間が、前記路路間通信における他の路側通信機との干渉関係を考慮して割り当てられている。
また、他の本発明は、無線フレームに含まれる複数の時間スロットを用いて送信を行う送信処理をコンピュータに実行させるコンピュータプログラムである。複数の前記時間スロットは、路側通信機と車載通信機との間で行われる路車間通信で用いられる路車間通信用時間スロットと、前記路車間通信用時間スロットとは別の時間スロットであって、前記路側通信機と他の路側通信機との間で行われる路路間通信で用いられる路路間通信用時間スロットと、を含む。前記路車間通信用時間スロットにおいては、前記路側通信機が使用する送信期間が、前記路車間通信における他の路側通信機との干渉関係を考慮して割り当てられ、前記路路間通信用時間スロットにおいては、前記路側通信機が使用する送信期間が、前記路路間通信における他の路側通信機との干渉関係を考慮して割り当てられている。
[1]他の本発明は、複数の路側通信機が、無線フレームに配列された複数の時間スロットを用いて送信を行う通信システムであって、前記無線フレームには、前記路側通信機と車載通信機との間で行われる路車間通信で用いられる時間スロット、及び前記複数の路側通信機同士の間で行われる路路間通信で用いられる時間スロットが設けられ、前記複数の路側通信機は、前記路車間通信において複数の第1グループ群に分けられ、同一グループ内の路側通信機で同時に使用するための送信期間が複数の第1グループそれぞれに異なるように割り当てられるとともに、前記路路間通信において複数の第2グループ群に分けられ、同一グループ内の路側通信機で同時に使用するための送信期間が複数の第2グループそれぞれに異なるように割り当てられており、
前記第1グループの数をC RV
前記第2グループの数をC RR
1つの前記無線フレームに含まれる前記路車間通信用の時間スロットの数をS RV
1つの前記無線フレームに含まれる前記路路間通信用の時間スロットの数をS RR
としたときに、前記C RV 、及び前記C RR が下記式(1)を満たしており、
前記複数の路側通信機は、前記路路間通信用の時間スロットを前記複数の第2グループで共用することで下記式(2)を満たす送信を行う制御部を備えていることを特徴としている。
RV < C RR ・・・(1)
RV > S RR ・・・(2)
上記構成の通信システムによれば、第2グループの数CRRが、第1グループの数CRVよりも多い場合においても、路路間通信用の時間スロットを第2グループで共用することで、無線フレームに含まれている路路間通信用の時間スロットの数SRRが、路車間通信用の時間スロットの数SRVよりも多く設定されることがない。
このため、路車間通信の干渉回避に加え、路路間通信の干渉回避を考慮した時間スロットの割り当てを行うことで、第2グループの数CRRが、第1グループの数CRVよりも多くなったとしても、時間スロットが無駄に消費されてしまうのを抑制することができる。
本発明によれば、路車間通信の干渉関係に加えて、路路間通信の干渉関係を考慮した時間スロットの割り当てを行ったとしても、時間スロットが無駄に消費されてしまうのを抑制することができる。

Claims (9)

  1. 複数の路側通信機が、無線フレームに配列された複数の時間スロットを用いて送信を行う通信システムであって、
    前記無線フレームには、前記路側通信機と車載通信機との間で行われる路車間通信で用いられる時間スロット、及び前記複数の路側通信機同士の間で行われる路路間通信で用いられる時間スロットが設けられ、
    前記複数の路側通信機は、前記路車間通信において複数の第1グループ群に分けられ、同一グループ内の路側通信機で同時に使用するための送信期間が複数の第1グループそれぞれに異なるように割り当てられるとともに、前記路路間通信において複数の第2グループ群に分けられ、同一グループ内の路側通信機で同時に使用するための送信期間が複数の第2グループそれぞれに異なるように割り当てられており、
    前記第1グループの数をCRV
    前記第2グループの数をCRR
    1つの前記無線フレームに含まれる前記路車間通信用の時間スロットの数をSRV
    1つの前記無線フレームに含まれる前記路路間通信用の時間スロットの数をSRR
    としたときに、前記CRV、及び前記CRRが下記式(1)を満たしており、
    前記複数の路側通信機は、前記路路間通信用の時間スロットを前記複数の第2グループで共用することで下記式(2)を満たす送信を行う制御部を備えていることを特徴とする通信システム。
    RV < CRR ・・・(1)
    RV > SRR ・・・(2)
  2. 複数の路側通信機が、無線フレームに配列された複数の時間スロットを用いて送信を行う通信システムであって、
    前記無線フレームには、前記路側通信機と車載通信機との間で行われる路車間通信で用いられる時間スロット、及び前記複数の路側通信機同士の間で行われる路路間通信で用いられる時間スロットが設けられ、
    前記複数の路側通信機は、前記路車間通信において複数の第1グループ群に分けられ、同一グループ内の路側通信機で同時に使用するための送信期間が複数の第1グループそれぞれに異なるように割り当てられるとともに、前記路路間通信において複数の第2グループ群に分けられ、同一グループ内の路側通信機で同時に使用するための送信期間が複数の第2グループそれぞれに異なるように割り当てられており、
    前記第1グループの数をCRV
    前記第2グループの数をCRR
    1つの前記無線フレームに含まれる前記路車間通信用の時間スロットの数をSRV
    1つの前記無線フレームに含まれる前記路路間通信用の時間スロットの数をSRR
    としたときに、前記CRV、及び前記CRRが下記式(3)を満たしており、
    前記複数の路側通信機は、前記路路間通信用の時間スロットを前記複数の第2グループで共用することで下記式(4)を満たす送信を行う制御部を備えていることを特徴とする通信システム。
    RV < CRR ・・・(3)
    (SRV − CRV) + CRR ≧ SRV + SRR ・・・(4)
  3. 前記制御部は、隣接配置されている所定数の無線フレームそれぞれに含まれる前記路路間通信用の時間スロットに対して、前記複数の第2グループの送信期間を割り当てるものであり、
    前記複数の第2グループの送信期間は、それぞれ前記所定数の無線フレームそれぞれに分散して割り当てられる請求項1又は2に記載の通信システム。
  4. 前記制御部は、無線フレームに含まれる前記路路間通信用の時間スロットを分割して用いることで、前記複数の第2グループそれぞれに対して送信期間を割り当てる請求項1又は2に記載の通信システム。
  5. 前記路車間通信による送信データは、前記無線フレームごとに送信する必要がある送信頻度を必要としているデータであり、
    前記路路間通信による送信データは、前記路車間通信による送信データよりも送信頻度が低いデータである請求項1〜4のいずれか一項に記載の通信システム。
  6. 無線フレームに配列された複数の時間スロットを用いて送信を行うための送信方法であって、
    前記無線フレームには、路側通信機と車載通信機との間で行われる路車間通信で用いられる時間スロット、及び前記複数の路側通信機同士の間で行われる路路間通信で用いられる時間スロットが設けられ、
    前記複数の路側通信機は、前記路車間通信において複数の第1グループ群に分けられ、同一グループ内の路側通信機で同時に使用するための送信期間が複数の第1グループそれぞれに異なるように割り当てられるとともに、前記路路間通信において複数の第2グループ群に分けられ、同一グループ内の路側通信機で同時に使用するための送信期間が複数の第2グループそれぞれに異なるように割り当てられており、
    前記第1グループの数をCRV
    前記第2グループの数をCRR
    1つの前記無線フレームに含まれる前記路車間通信用の時間スロットの数をSRV
    1つの前記無線フレームに含まれる前記路路間通信用の時間スロットの数をSRR
    としたときに、前記CRV、及び前記CRRが下記式(5)を満たしており、
    前記路路間通信用の時間スロットを前記複数の第2グループで共用することで下記式(6)を満たす送信を行うことを特徴とする送信方法。
    RV < CRR ・・・(5)
    RV > SRR ・・・(6)
  7. 無線フレームに配列された複数の時間スロットを用いて送信を行う送信処理をコンピュータに実行させるためのコンピュータプログラムであって、
    前記無線フレームには、路側通信機と車載通信機との間で行われる路車間通信で用いられる時間スロット、及び前記複数の路側通信機同士の間で行われる路路間通信で用いられる時間スロットが設けられ、
    前記複数の路側通信機は、前記路車間通信において複数の第1グループ群に分けられ、同一グループ内の路側通信機で同時に使用するための送信期間が複数の第1グループそれぞれに異なるように割り当てられるとともに、前記路路間通信において複数の第2グループ群に分けられ、同一グループ内の路側通信機で同時に使用するための送信期間が複数の第2グループそれぞれに異なるように割り当てられており、
    前記第1グループの数をCRV
    前記第2グループの数をCRR
    1つの前記無線フレームに含まれる前記路車間通信用の時間スロットの数をSRV
    1つの前記無線フレームに含まれる前記路路間通信用の時間スロットの数をSRR
    としたときに、前記CRV、及び前記CRRが下記式(7)を満たしており、
    前記路路間通信用の時間スロットを前記複数の第2グループで共用することで下記式(8)を満たす送信を行う送信処理をコンピュータに実行させるコンピュータプログラム。
    RV < CRR ・・・(7)
    RV > SRR ・・・(8)
  8. 無線フレームに配列された複数の時間スロットを用いて送信を行うための送信方法であって、
    前記無線フレームには、路側通信機と車載通信機との間で行われる路車間通信で用いられる時間スロット、及び前記複数の路側通信機同士の間で行われる路路間通信で用いられる時間スロットが設けられ、
    前記複数の路側通信機は、前記路車間通信において複数の第1グループ群に分けられ、同一グループ内の路側通信機で同時に使用するための送信期間が複数の第1グループそれぞれに異なるように割り当てられるとともに、前記路路間通信において複数の第2グループ群に分けられ、同一グループ内の路側通信機で同時に使用するための送信期間が複数の第2グループそれぞれに異なるように割り当てられており、
    前記第1グループの数をCRV
    前記第2グループの数をCRR
    1つの前記無線フレームに含まれる前記路車間通信用の時間スロットの数をSRV
    1つの前記無線フレームに含まれる前記路路間通信用の時間スロットの数をSRR
    としたときに、前記CRV、及び前記CRRが下記式(9)を満たしており、
    前記路路間通信用の時間スロットを前記複数の第2グループで共用することで下記式(10)を満たす送信を行うことを特徴とする送信方法。
    RV < CRR ・・・(9)
    (SRV − CRV) + CRR ≧ SRV + SRR ・・・(10)
  9. 無線フレームに配列された複数の時間スロットを用いて送信を行う送信処理をコンピュータに実行させるためのコンピュータプログラムであって、
    前記無線フレームには、路側通信機と車載通信機との間で行われる路車間通信で用いられる時間スロット、及び前記複数の路側通信機同士の間で行われる路路間通信で用いられる時間スロットが設けられ、
    前記複数の路側通信機は、前記路車間通信において複数の第1グループ群に分けられ、同一グループ内の路側通信機で同時に使用するための送信期間が複数の第1グループそれぞれに異なるように割り当てられるとともに、前記路路間通信において複数の第2グループ群に分けられ、同一グループ内の路側通信機で同時に使用するための送信期間が複数の第2グループそれぞれに異なるように割り当てられており、
    前記第1グループの数をCRV
    前記第2グループの数をCRR
    1つの前記無線フレームに含まれる前記路車間通信用の時間スロットの数をSRV
    1つの前記無線フレームに含まれる前記路路間通信用の時間スロットの数をSRR
    としたときに、前記CRV、及び前記CRRが下記式(11)を満たしており、
    前記路路間通信用の時間スロットを前記複数の第2グループで共用することで下記式(12)を満たす送信を行う送信処理をコンピュータに実行させるコンピュータプログラム。
    RV < CRR ・・・(11)
    (SRV − CRV) + CRR ≧ SRV + SRR ・・・(12)
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