JP2016164342A - 断熱パネル - Google Patents
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Abstract
Description
しかし、特許文献1に記載されるような端部に嵌合形状を有さない断熱パネルでは、施工後に、隣接する断熱パネル間(断熱パネル同士の接合部)で熱損失しやすい問題があった。
この断熱パネル(1)は、合成樹脂製の表面材(2)に嵌合形状(5,6)を冷間加工で賦形し、そこに発泡性硬質ポリウレタン原液(3)を注入(充填)発泡させて得るものなので、原液(3)が、煩雑な嵌合受部(5)や嵌合突部(6)の形状に万遍なく行き渡りにくいことがあり、改善の余地があった。
高圧水洗浄やスチーム洗浄では、例えば天井や壁に施工された断熱パネルに対して直接水やスチーム(蒸気)を接触させて洗浄するのが一般的であるが、特許文献1,2のような形状の断熱パネルでは、パネル間に浸入した水やスチームの凝縮水(以下、これらをまとめて「水」と称することがある)の排水性が悪く、水残りの問題も出ている。
水残りがあると、カビや雑菌が増殖し不衛生であるばかりか、ポリエステル系ポリオールを用いたウレタンフォームでは、この水が該フォーム内に侵入して加水分解を生じさせ、カビなどの増殖と相俟って、断熱パネル自体を劣化させ、断熱性能を低下させる。
面材において、織布、不織布または編布の両面に(すなわち、ウレタンフォームと接しない側にも)合成樹脂フィルムを設けることを必須とし、さらに、
このような面材を両面に積層した断熱パネルの端部に、いずれか一辺にテーパー加工を施した概略L字状を形成することで、
隣接する断熱パネル同士の嵌合が極めてし易くなり、施工後の熱損失が低減できるのみならず、高圧水ないしスチーム洗浄などでパネル間に水が浸入した際にも、パネル外に速やかに排水できることを見出し、本発明を完成するに至った。
(1)硬質ポリウレタンフォームの両面に面材が積層された断熱パネルであって、
面材は、織布、不織布または編布の両面に、合成樹脂フィルムを積層させたものであり、
断熱パネルの長さ方向または幅方向の両端部が、同方向または逆方向の概略L字状に構成され、該概略L字状のいずれか一辺がテーパー加工されてなることを特徴とする断熱パネル。
(2)前記面材が、ポリオレフィン系樹脂からなる織布、不織布または編布の両面に、ポリエチレン系接着剤を介して、ポリエステル系樹脂からなるフィルムを積層させたものであることを特徴とする前記(1)に記載の断熱パネル
(3)前記テーパーの角度θは、5〜50°であることを特徴とする前記(1)または(2)に記載の断熱パネル。
イ)面材もフォームもすべて合成樹脂で構成されているので、耐水性に優れる。
ロ)端部に嵌合形状を有さない断熱パネルよりも、熱損失を低減できる。
ハ)パネル間(パネル同士の接合部)が高圧水ないしスチーム洗浄されても、その洗浄水はパネル外に容易かつ確実に排水することができる。
ニ)嵌合性に優れるので、現場施工時における作業効率が極めて高い。
る。
図1では、断熱パネル10の幅方向の両端部が、逆方向の概略L字状に構成される一例を示しているが、概略L字状は、断熱パネル10の長さ方向の両端部に形成してもよい。
本発明の断熱パネル10は、硬質ポリウレタンフォーム4の両面(表裏面)に、後述するような面材6,6が積層されたものであり、
断熱パネル10の長さ方向または幅方向の両端部を、
図2(A)に例示するように、逆方向の概略L字状、または、
図2(B)に例示するように、同方向の概略L字状
に構成し、この概略L字状のいずれか一辺を、図2(A),(B)に示すようにテーパー加工する。図中、符号Tはテーパー状とした一辺を、θはテーパーの角度を示す。
断熱パネル10は、端部をなす辺S1、テーパー辺T、辺S11が、それぞれ、隣接する断熱パネル10’の辺S11’、テーパー辺T、辺S1’と接することで互いに嵌合される。
また、テーパー状としない辺S1と辺S11の長さは異なっていてもよいし、図2(A),(B)に示すように同一にしてもよい。
そのうえ、上記概略L字状のいずれか一辺をテーパー加工することで、パネル間の排水性が良好となり、パネル間をも十分に洗浄でき、しかも、隣接するパネルと極めて嵌合し易く、施工性に優れたものとすることができる。
概略L字状の部分に、面材6の積層、あるいは、上記のような処理を施しておけば、滑りが良くなりパネル同士の嵌合性が向上するばかりか、パネル間を洗浄した際に、水と硬質ポリウレタンフォーム4との接触を確実に回避できるので、カビ・雑菌などの増殖やフォーム4の加水分解をより一層確実に防止できる。
図3の断熱パネル20では、図2(A),(B)に示した実施態様例を基本として、端部を、テーパー辺Tと、テーパー状としない辺S2とからなる概略L字状に構成している。
図4(A)の断熱パネル30では、端部が、テーパー辺Tと、テーパー状としない辺S3とからなる概略L字状に、
図4(B)の断熱パネル31では、端部が、テーパー状としない辺S31、テーパー辺T、テーパー状としない辺S311とからなる概略L字状に、
図4(C)の断熱パネル32では、端部が、テーパー状としない辺S32と、角度θ1,θ2を変えたテーパー辺T1,T2とからなる概略L字状に、
それぞれ構成されている。
また、必要に応じて、触媒、整泡剤、難燃剤、着色剤、充填剤、防虫剤、防カビ剤、等の各種添加剤を適宜配合してもよく、断熱性や耐水性の面から、独立気泡率が70〜100%程度のものが好適に使用され得る。
図5に示すように、面材6は、織布、不織布または編布7(以下、これら織布、不織布、編布をまとめて「布7」と称することがある)の両面(表裏面)に、合成樹脂フィルム9,9を積層させたものである。
合成樹脂フィルム9は、塩化ビニル系樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂(PET)、ポリブチレンテレフタレート樹脂(PBT)、ポリアミド樹脂、ポリオレフィン樹脂などの透明、半透明、不透明な無色フィルムまたは着色フィルムを用いることができるが、取扱性や、高圧水洗浄等への耐性などの面から、PETやPBTなどのポリエステル系樹脂からなるフィルムが好ましい。
このポリオレフィン系樹脂からなる不織布としては、ポリオレフィン製のフィルムを割繊・延伸し、2軸(タテ・ヨコ)、3軸(タテ・ヨコ・ナナメ)、4軸(タテ・ヨコ・ナナメ・逆ナナメ)の格子目状に交点を接着した網状体(目付け量が15〜47g/m2程度、引張強度が100〜300N/50mm程度)が好適であり、例えば、JX日鉱日石エネルギー(株)製 商品名“ワリフ(登録商標)”、積水化学フィルム(株)製 商品名“ソフ”等が挙げられる。
布7への合成樹脂フィルム9,9の積層は、例えば、図5に示すように、ポリエチレン系接着剤8,8を介して、ドライラミネートまたは熱ラミネート等で行えばよい。
なお、ウレタンフォーム4と接する側と、接しない側の合成樹脂フィルム9,9は、同じものであってもよいし、異なるものであってもよい。例えば、ウレタンフォーム4と接する側の合成樹脂フィルムは、フォーム4との馴染み性(接着性)の高い素材とし、接しない側の合成樹脂フィルムは、より撥水性(防水性)や強度の高い素材や厚みとすることもできる。
i)ポリウレタン原料を、連続走行するコンベア上に設けた面材6上に吐出し、発泡・硬化させながら、別のコンベア上に設けたもう一方の面材6と貼り合わせて積層させる方法、
ii)ポリウレタン原料を、上下金型の各底部に面材6,6を予め配置した金型内に供給し、そこで発泡・硬化させ、2枚の面材6,6の間に硬質ポリウレタンフォームを密着一体化させる方法、
iii)コンベア上あるいは金型内などで発泡・硬化させて得た、成形後の硬質ポリウレタンフォーム4の両面に、接着剤等で面材6,6を接着する方法、
等が挙げられる。
面材6,6を積層した(あるいは、積層する前の)硬質ポリウレタンフォーム4の端部を、所望の概略L字状にカット加工してもよいし、
ポリウレタン原料を、所望の概略L字状が得られる金型内に注入し、発泡・硬化させてもよいが、
前者(フォーム成形後にカット加工)の方が、様々な形状やサイズの概略L字状が容易かつ確実に得られやすいし、断熱パネルの厚み等の変更に伴い金型をその都度用意する必要も無いので、好ましい。
〔ポリオール成分〕
●ポリエステルポリオール:95重量部
●発泡剤(シクロペンタン):25重量部
●触媒(トリエチレンジアミン):5重量部
●整泡剤:3重量部
●難燃剤(TMCPP(トリスクロロプロピルホスフェート):30重量部
〔ポリイソシアネート成分〕
●MDI(ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート):200重量部
この断熱パネル10は、隣接する断熱パネルとの嵌合が行い易く、しかも、施工後の熱損失も少なく、高圧水洗浄後のパネル間の排水性にも優れるものであった。
4:硬質ポリウレタンフォーム
6:面材
7:織布、不織布または編布
8:接着剤
9:合成樹脂フィルム
S1,S1’,S11,S11’,S2,S3,S31,S311,S32:端部をなす(テーパー状としない)辺
T,T1,T2:テーパー状とした辺(テーパー辺)
θ,θ1,θ2:テーパーの角度
Claims (3)
- 硬質ポリウレタンフォームの両面に面材が積層された断熱パネルであって、
面材は、織布、不織布または編布の両面に、合成樹脂フィルムを積層させたものであり、
断熱パネルの長さ方向または幅方向の両端部が、同方向または逆方向の概略L字状に構成され、該概略L字状のいずれか一辺がテーパー加工されてなることを特徴とする断熱パネル。 - 前記面材が、ポリオレフィン系樹脂からなる織布、不織布または編布の両面に、ポリエチレン系接着剤を介して、ポリエステル系樹脂からなるフィルムを積層させたものであることを特徴とする請求項1に記載の断熱パネル
- 前記テーパーの角度θは、5〜50°であることを特徴とする請求項1または2に記載の断熱パネル。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2015044574A JP2016164342A (ja) | 2015-03-06 | 2015-03-06 | 断熱パネル |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2019150989A (ja) * | 2018-03-01 | 2019-09-12 | アイシーケイ株式会社 | 硬質ウレタンフォーム断熱ボードの製造方法および硬質ウレタンフォーム断熱ボード |
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- 2015-03-06 JP JP2015044574A patent/JP2016164342A/ja active Pending
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JP7171207B2 (ja) | 2018-03-01 | 2022-11-15 | アイシーケイ株式会社 | 硬質ウレタンフォーム断熱ボードの製造方法および硬質ウレタンフォーム断熱ボード |
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