JP2016163506A - 永久磁石式同期電動機のロータ構造 - Google Patents
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Abstract
【課題】磁束漏れによる出力低下を防止し、低コストで製作可能なロータスキュー構造を提供するにある。【解決手段】ロータコア100に軸方向から見た平面視において長方形開口を持つ、前記ロータコアの軸心に対して傾斜した複数の磁石溝部101を形成し、磁石溝部101に軸方向に分割された複数の永久磁石200を各々挿入することにより磁極が連続的なスキューを有する永久磁石式同期電動機のロータ構造において、複数の永久磁石200は、長方形開口に対して平行な二つの長方形端面を有すると共に長方形端面以外の他の四つの面を前記磁石溝部の傾斜に沿った平行四辺形とした平行六面体に成形される。【選択図】図1
Description
本発明は、永久磁石式同期電動機のロータ構造に関する。詳しくは、回転機出力を維持しつつ、低価格で製作可能なスキュー構造に関するものである。
モータのコギンクトルク、トルクリプル、騒音、振動、鉄損、高調波の低減のために、特許文献1,2に示すように、埋込型の永久磁石を用いるロータでは、軸方向に磁石を分割させたステップスキューが提案されてきた。
特許文献1では、段落0011に「本発明は上記従来技術を考慮したものであって、ロータコアを軸方向に複数段に分割して、各段を円周方向にずらせて結合することにより多段スキュー構造としたロータにおいて、段数とずらし角とを的確に関連づけてコギングトルクを有効に低減するとともに逆起電力波形の歪みの発生を抑制した磁石界磁型回転電気機器の提供を目的とする。」と記載されている。
特許文献2では、段落0004に「そこで、セグメントマグネットを使用したモータでは、スキュー構造を実現するため、着磁済マグネットの段積みによるいわゆるステップスキューが行われている。このステップスキュー構造のモータでは、各段のコギング波形を相殺させてコギング低減を図ることから、セグメントマグネットは軸方向に偶数列(通常2列)配される。特許文献1には、マグネットが2列配された回転電機が示されており、各列のマグネットは、周方向に所定角度ずつずらして配置される。これにより、ロータの磁極が軸方向に沿って段階的にずれた形となり、2段積構造のステップスキューが形成される。」と記載されている。
ただし、ステップスキューでは下記のような問題(1)〜(4)があるため、連続スキューすることが望ましい。
(1)磁石を分割することで、高調波が発生する。
(2)磁石の分割面で磁束漏れが発生するため、ステータに鎖交する磁束が減少し、出力低下する。
(3)数種類の鉄板を使うため打ち抜きの工程が増え、製造コストが増加する。
(4)磁石挿入工程に煩雑な手間がかかり、製造コストが増加する。
(1)磁石を分割することで、高調波が発生する。
(2)磁石の分割面で磁束漏れが発生するため、ステータに鎖交する磁束が減少し、出力低下する。
(3)数種類の鉄板を使うため打ち抜きの工程が増え、製造コストが増加する。
(4)磁石挿入工程に煩雑な手間がかかり、製造コストが増加する。
そこで、特許文献3に示すように連続スキューされる案も提案されている。
特許文献3では、段落0013に「磁性体スロット5には、図2に示すように、永久磁石7が収納されている。永久磁石7は、例えばフェライト磁石、或いはニオジムなどの希土類元素を含む希土類磁石などで形成されている。この永久磁石7は、磁性体スロット5の形状に対応して、その断面が円弧状に形成されている。つまり、永久磁石7と回転子1の表面との距離は、周方向において一定である。また、上述のように磁性体スロット5には回転子1の軸方向に対して連続的な傾きが与えられていることから、この磁性体スロット5に挿入される永久磁石7も軸方向において連続した傾きを有している。つまり、回転子1は、連続的な磁極のずれ、すなわち連続的なスキューを有している。」と記載されている。
特許文献3では、段落0013に「磁性体スロット5には、図2に示すように、永久磁石7が収納されている。永久磁石7は、例えばフェライト磁石、或いはニオジムなどの希土類元素を含む希土類磁石などで形成されている。この永久磁石7は、磁性体スロット5の形状に対応して、その断面が円弧状に形成されている。つまり、永久磁石7と回転子1の表面との距離は、周方向において一定である。また、上述のように磁性体スロット5には回転子1の軸方向に対して連続的な傾きが与えられていることから、この磁性体スロット5に挿入される永久磁石7も軸方向において連続した傾きを有している。つまり、回転子1は、連続的な磁極のずれ、すなわち連続的なスキューを有している。」と記載されている。
ただし、特許文献3では、下記の問題(5) (6)がある。
(5)円弧状の磁石に限定されているため、リラクタンストルクを用いたモータ設計ができないため出力が低下する。
(6)円弧状磁石であるため、直方体形状の磁石に比べてコスト増加する。
(5)円弧状の磁石に限定されているため、リラクタンストルクを用いたモータ設計ができないため出力が低下する。
(6)円弧状磁石であるため、直方体形状の磁石に比べてコスト増加する。
上記課題を解決する本発明の請求項1に係る永久磁石式同期電動機のロータ構造は、ロータコアに軸方向から見た平面視において長方形開口を持つ複数の磁石溝部を形成し、前記磁石溝部に永久磁石を各々挿入することにより磁極が連続的なスキューを有する永久磁石式同期電動機のロータ構造において、前記永久磁石は、前記ロータコアの軸心に対して傾斜する傾斜面を持つ複数の永久磁石の組合せからなることを特徴とする。
上記課題を解決する本発明の請求項2に係る永久磁石式同期電動機のロータ構造は、請求項1記載の永久磁石式同期電動機のロータ構造において、前記磁石溝部は、前記ロータコアの軸心に対して傾斜し、前記複数の永久磁石は、前記磁石溝部の軸方向に沿って複数に分割され、前記複数の永久磁石は、前記長方形開口に対して平行な二つの長方形端面を有すると共に前記長方形端面以外の他の四つの面を前記磁石溝部の傾斜に沿った平行四辺形とした平行六面体に成形されることを特徴とする。
上記課題を解決する本発明の請求項3に係る永久磁石式同期電動機のロータ構造は、請求項2記載の永久磁石式同期電動機のロータ構造において、前記複数の永久磁石は、直方体状の永久磁石を何れかの面に対して傾斜した二つの切削面に沿って切断して複数個の永久磁石片となし、前記切削面が外側を向くように該永久磁石片の前記ロータコアの軸心に対して平行な面を向かい合せに並べ替えて平行六面体に成形されることを特徴とする。
上記課題を解決する本発明の請求項4に係る永久磁石式同期電動機のロータ構造は、請求項1記載の永久磁石式同期電動機のロータ構造において、前記磁石溝部は、前記ロータコアの軸心に対して平行であり、前記永久磁石は、第1永久磁石と第2永久磁石とからなり、前記第1永久磁石は前記第2永久磁石に比較して残留磁束密度Brが大きく、前記第2永久磁石は前記第1永久磁石に比較して保磁力Hcjが大きく、前記第2永久磁石は、前記磁石溝部の周方向両側に沿って各々配置され、前記ロータコアの軸心に対して傾斜し且つ相互に平行な傾斜面を持つと共に前記長方形開口に対して平行な長さの異なる長方形端面を持つことにより前記ロータコアを側方から見た平面視において台形状に成形された二つの第2永久磁石片からなり、前記第1永久磁石は、前記磁石溝部内において前記第2永久磁石片の間に配置され、前記第2永久磁石片の傾斜面に対して向かい合せになり、前記ロータコアの軸心に対して傾斜し且つ互いに平行な二つの傾斜面を持つと共に前記長方形開口に対して平行な長さの等しい長方形端面を持つことにより前記ロータコアを側方から見た平面視において平行四辺形状に成形されることを特徴とする。
上記課題を解決する本発明の請求項5に係る永久磁石式同期電動機のロータ構造は、請求項4記載の永久磁石式同期電動機のロータ構造において、前記第1永久磁石は、前記長方形開口に対して平行な長さの異なる長方形端面を持つことにより前記ロータコアを側方から見た平面視において台形状に成形された二つの第1永久磁石片の前記ロータコアの軸心に対して平行な面を向かい合せに並べ替えて平行四辺形状に成形されることを特徴とする。
1.磁束漏れによる出力低下を防止し、低コストで製作可能なロータスキュー構造となる。
2.材料の歩留まりが改善され、磁石コストが削減される。
3.磁束漏れによる出力低下を防止し、低コストで製作可能なロータスキュー構造となる。反磁界の大きくなる端部にHcjの大きな磁石を用いているため、磁石の耐熱を改善させる効果もある。
2.材料の歩留まりが改善され、磁石コストが削減される。
3.磁束漏れによる出力低下を防止し、低コストで製作可能なロータスキュー構造となる。反磁界の大きくなる端部にHcjの大きな磁石を用いているため、磁石の耐熱を改善させる効果もある。
以下、本発明について、図面に示す実施例を参照して詳細に説明する。
本発明の第1の実施例に係る永久磁石式同期電動機のロータ構造を図1〜図5に示す。
本実施例では、図1に示すように、同じ断面形状の電磁鋼板が軸方向に滑らかにスキューされた構造のロータコア100を使用する。即ち、ロータコア100には複数の永久磁石200(図中斜線で示す)が埋め込まれ、図中に破線で示すようにロータコアの軸心に対して傾斜するように磁極が連続的にスキューされている。図1中では、永久磁石200は、ロータコアの軸心に対して、図中破線で示すように60度で6箇所配置され、交互にN,Sに着磁されているが、代表として一つだけ示している。
本実施例では、図1に示すように、同じ断面形状の電磁鋼板が軸方向に滑らかにスキューされた構造のロータコア100を使用する。即ち、ロータコア100には複数の永久磁石200(図中斜線で示す)が埋め込まれ、図中に破線で示すようにロータコアの軸心に対して傾斜するように磁極が連続的にスキューされている。図1中では、永久磁石200は、ロータコアの軸心に対して、図中破線で示すように60度で6箇所配置され、交互にN,Sに着磁されているが、代表として一つだけ示している。
永久磁石200は、図2に示すように、ロータコア100を軸方向から見た平面視において、一方のロータコア端部における長方形端面200aと、他方のロータコア端部における長方形端面200bとを有し、二つの長方形端面200a,200bの間において、永久磁石200は、ロータコア100の軸心に対して角度θ(この角度をスキュー角という)だけ滑らかにスキューしている。
つまり、ロータコア100に永久磁石200を埋め込むために、長方形開口を持つ円盤状の電磁鋼板を軸方向に積み重ねると共に周方向に徐々に回転させることにより、図4に示すように、滑らかにスキューされた磁石溝部101が形成され、この磁石溝部101へ挿入される永久磁石200は、図3に示すように、ロータ断面部にあたる寸法L(長さ)×T(高さ)面を長方形端面200a,200bとし、ロータコア100の軸心に対して傾斜する傾斜面となるように、他の四つの面を平行四辺形となる平行六面体に成型された形状とする。
従って、永久磁石200は、寸法L(長さ)×W(幅)面と、寸法W(幅)×T(高さ)面とが平行四辺形である。
従って、永久磁石200は、寸法L(長さ)×W(幅)面と、寸法W(幅)×T(高さ)面とが平行四辺形である。
また、磁石溝部101は、ロータコア100を軸方向から見た平面視において、二つの長方形端面200a,200bと平行な長方形開口を持つと共に、図4に示すように、ロータコア100の軸心に対して傾斜している。
なお、通常の永久磁石式同期電動機においては、磁石は渦電流による発熱防止のために軸方向分割されていることから、本実施例では、永久磁石200は、図4に示すように、ロータ軸心方向に対して(挿入方向に対して)分割されている。具体的には、永久磁石200は、挿入方向に沿ったW(幅)の寸法で、四つに分割されている。
なお、通常の永久磁石式同期電動機においては、磁石は渦電流による発熱防止のために軸方向分割されていることから、本実施例では、永久磁石200は、図4に示すように、ロータ軸心方向に対して(挿入方向に対して)分割されている。具体的には、永久磁石200は、挿入方向に沿ったW(幅)の寸法で、四つに分割されている。
なお、図3は、平行六面体である永久磁石200を実線で描き、参考の為に、直方体の永久磁石を破線で描いている。
また、永久磁石200の挿入性を考慮して磁石溝部101の寸法はL×T面より僅かに大きく設定される。それらを考慮して、永久磁石200の平行四辺形面は、磁石溝部101に挿入可能な最小の傾斜に抑えるか、場合によっては、図4に示すように、L×W面とW×T面のどちらか一方は長方形面とする。
また、永久磁石200の挿入性を考慮して磁石溝部101の寸法はL×T面より僅かに大きく設定される。それらを考慮して、永久磁石200の平行四辺形面は、磁石溝部101に挿入可能な最小の傾斜に抑えるか、場合によっては、図4に示すように、L×W面とW×T面のどちらか一方は長方形面とする。
ここで、サイズが小さい永久磁石の場合、ニアネット成型ではなく、直方体型ブロックを切断して製造することができる。
即ち、図5のような直方体型ブロックに対し、切削面A、切削面Bでの切断を追加し、磁石溝部101への挿入時に並べ替えることで平行六面体形状を構成する。
即ち、図5のような直方体型ブロックに対し、切削面A、切削面Bでの切断を追加し、磁石溝部101への挿入時に並べ替えることで平行六面体形状を構成する。
具体的には、永久磁石200は、前述した通り四つに分割されているものとし、各永久磁石200を寸法L(長さ)×T(高さ)面で切削面Aに沿って切断すると、切削面Aより図中左側が永久磁石片201,202,203,204となり、切削面Aより図中右側が永久磁石片211,212,213,214となる。切削面Aは、ロータコア100の軸心に対して傾斜している。
各永久磁石片201,202,203,204,211,212,213,214は、何れも、切削面Aがロータコア100の軸心に対して傾斜する傾斜面となっているが、この切削面(傾斜面)Aが外側を向くように、ロータコア100の軸心に対して平行な面を向い合せに並べ替える。
各永久磁石片201,202,203,204,211,212,213,214は、何れも、切削面Aがロータコア100の軸心に対して傾斜する傾斜面となっているが、この切削面(傾斜面)Aが外側を向くように、ロータコア100の軸心に対して平行な面を向い合せに並べ替える。
図5中では、代表として、切削面Aで切断された永久磁石片201,211を一例にして、永久磁石片201に対して、矢印で示すように、図中右側の永久磁石片(図中斜線を入れて示す)211を図中左側に移動させるものである。
同様に、永久磁石片202,203,204,212,213,214に対しても、同様に並べ替えを行うと、図5中に示すように、軸方向に分割された四つの永久磁石200は、切削面Aで切断された永久磁石片201,202,203,204,211,212,213,214により並べ替えられたものとなる。ちなみに、ロータコア100を側面から見た平面視においては、永久磁石200は、全体として、平行四辺形となる。
同様に、永久磁石片202,203,204,212,213,214に対しても、同様に並べ替えを行うと、図5中に示すように、軸方向に分割された四つの永久磁石200は、切削面Aで切断された永久磁石片201,202,203,204,211,212,213,214により並べ替えられたものとなる。ちなみに、ロータコア100を側面から見た平面視においては、永久磁石200は、全体として、平行四辺形となる。
更に、各永久磁石200を寸法W(幅)×T(高さ)面で切削面Bに沿って切断すると、切削面Bより図中左側が永久磁石片231,232,233,234となり、切削面Bより図中右側が永久磁石片221,222,223,224となる。切削面Bは、ロータコア100の軸心に対して傾斜している。
各永久磁石片221,222,223,224,231,232,233,234は、何れも、切削面Bがロータコア100の軸心に対して傾斜する傾斜面となっているが、この切削面(傾斜面)Bが外側を向くように、ロータコア100の軸心に対して平行な面を向い合せに並べ替える。
各永久磁石片221,222,223,224,231,232,233,234は、何れも、切削面Bがロータコア100の軸心に対して傾斜する傾斜面となっているが、この切削面(傾斜面)Bが外側を向くように、ロータコア100の軸心に対して平行な面を向い合せに並べ替える。
図5中では、代表として、切削面Bで切断された永久磁石片221,231を一例にして、永久磁石片221に対して、矢印で示すように、図中右側の永久磁石片(図中斜線を入れて示す)231を図中左側に移動させるものである。
同様に、永久磁石片232,233,234,222,223,224に対しても、同様に並べ替えを行うと、図5中に示すように、軸方向に分割された四つの永久磁石200は、切削面Bで切断された永久磁石片221,222,223,224,231,232,233,234により並べ替えられたものとなる。ちなみに、ロータコア100の周方向断面においては、永久磁石200は、全体として、平行四辺形となる。
同様に、永久磁石片232,233,234,222,223,224に対しても、同様に並べ替えを行うと、図5中に示すように、軸方向に分割された四つの永久磁石200は、切削面Bで切断された永久磁石片221,222,223,224,231,232,233,234により並べ替えられたものとなる。ちなみに、ロータコア100の周方向断面においては、永久磁石200は、全体として、平行四辺形となる。
結局、軸方向に分割された四つの永久磁石200は、切削面A,Bで切断された永久磁石片201,202,203,204,211,212,213,214,221,222,223,224,231,232,233,234により並べ替えられたものとなり、全体として、平行六面体となる。
なお、図1は1極あたり1つの永久磁石200を埋め込んだIPM(埋め込み型モータ)を示したが、1極あたり複数永久磁石を埋め込んだ場合やSPM(表面配置型モータ)にも同じ構造が採用できる。
なお、図1は1極あたり1つの永久磁石200を埋め込んだIPM(埋め込み型モータ)を示したが、1極あたり複数永久磁石を埋め込んだ場合やSPM(表面配置型モータ)にも同じ構造が採用できる。
このように説明したように、本実施例の永久磁石式同期電動機のロータ構造によれば、以下の効果を奏する。
1.磁束漏れによる出力低下を防止し、低コストで製作可能なロータスキュー構造となる。
2.材料の歩留まりが改善され、磁石コストが削減される。
1.磁束漏れによる出力低下を防止し、低コストで製作可能なロータスキュー構造となる。
2.材料の歩留まりが改善され、磁石コストが削減される。
本発明の第2の実施例に係る永久磁石式同期電動機のロータ構造を図6に示す。
本実施例では、電磁鋼板をスキューさせず、図6のようにロータ側面から見た平面視において、台形形状となる第1永久磁石片401,402、第2永久磁石片301,302を組み合わせて、磁極の中心位置を軸方向にずらすことで連続スキューさせる。
本実施例では、電磁鋼板をスキューさせず、図6のようにロータ側面から見た平面視において、台形形状となる第1永久磁石片401,402、第2永久磁石片301,302を組み合わせて、磁極の中心位置を軸方向にずらすことで連続スキューさせる。
即ち、長方形開口を持つ円盤状の電磁鋼板を周方向に回転させることなく軸方向に積み重ねて、ロータコア100の軸心に対して平行な磁石溝部101を形成し、この磁石溝部101に第1永久磁石片401,402、第2永久磁石片301,302を連続スキューするように挿入する。図6中に示すように、第1永久磁石片401,402は、ロータコア100の軸心に対してスキュー角θを持つ。
なお、第1永久磁石片401,402は、二つ合せて、第1永久磁石と言うことがあるものとし、第2永久磁石片301,302は、二つ合せて、第2永久磁石という言うことがあるものとする。
なお、第1永久磁石片401,402は、二つ合せて、第1永久磁石と言うことがあるものとし、第2永久磁石片301,302は、二つ合せて、第2永久磁石という言うことがあるものとする。
第1永久磁石は、残留磁束密度(残留磁化とも言う)Brが第2永久磁石より大きい。そのため、第1永久磁石は第2永久磁石より磁石としての特性に優れる。
第2永久磁石は、保磁力(真保磁力又は固有保磁力とも言う)Hcjが第1永久磁石より大きい。そのため、第2永久磁石は第1永久磁石より耐熱性に優れる。
このように磁石としての特性に優れる第1永久磁石を中央に配置し、熱の影響を受け易い両側(端部)に耐熱性に優れる第2永久磁石を配置するのである。
第2永久磁石は、保磁力(真保磁力又は固有保磁力とも言う)Hcjが第1永久磁石より大きい。そのため、第2永久磁石は第1永久磁石より耐熱性に優れる。
このように磁石としての特性に優れる第1永久磁石を中央に配置し、熱の影響を受け易い両側(端部)に耐熱性に優れる第2永久磁石を配置するのである。
因みに、Brとは、材料の磁気特性を表す磁気ヒステリシス曲線において、外部磁場を飽和磁化の状態となる高い値から0に戻した時に残る磁束密度の値を言う。
また、Hcjとは、J−H減磁曲線上で磁気分極(磁化)がゼロになる磁場の強さを言う。Hcjは、永久磁石そのものの磁化がゼロになる印加磁場の強さを示し、永久磁石の逆磁場に対する真の抵抗力を表す。
また、Hcjとは、J−H減磁曲線上で磁気分極(磁化)がゼロになる磁場の強さを言う。Hcjは、永久磁石そのものの磁化がゼロになる印加磁場の強さを示し、永久磁石の逆磁場に対する真の抵抗力を表す。
第2永久磁石片301,302は、磁石溝部101の周方向両側に沿って各々配置され、ロータコア100の軸心に対して傾斜し且つ相互に平行な傾斜面を持つと共に、磁石溝部101の長方形開口に対して平行な長さの異なる長方形端面を持つことにより、ロータコア100を側方から見た平面視において台形状に成形されている。
第1永久磁石片401,402は、磁石溝部101内において第2永久磁石片301,302の間に配置され、第2永久磁石片301,302の傾斜面に対して向かい合せになり、ロータコア100の軸心に対して傾斜し且つ互いに平行な二つの傾斜面を持つと共に、磁石溝部101の長方形開口に対して平行な長さの等しい長方形端面を持つことにより、ロータコア100を側方から見た平面視において、二つ合わせて平行四辺形状に成形される。
第1永久磁石片401,402は、磁石溝部101内において第2永久磁石片301,302の間に配置され、第2永久磁石片301,302の傾斜面に対して向かい合せになり、ロータコア100の軸心に対して傾斜し且つ互いに平行な二つの傾斜面を持つと共に、磁石溝部101の長方形開口に対して平行な長さの等しい長方形端面を持つことにより、ロータコア100を側方から見た平面視において、二つ合わせて平行四辺形状に成形される。
つまり、各第1永久磁石片401,402は、磁石溝部101の長方形開口に対して平行な長さの異なる長方形端面をそれぞれ持つことにより、ロータコア100を側方から見た平面視において台形状に成形されるのであるが、これら二つの第1永久磁石片401,402を、傾斜面が外側を向くように、ロータコア100の軸心に対して平行な面を向かい合せに並べ替えて、第1永久磁石片401,402は二つ合わせて平行四辺形状に成形されるものである。
なお、本発明は、IPM(埋め込み型モータ)に限らず、SPM(表面配置型モータ)にも同じ構造が採用できる。
なお、本発明は、IPM(埋め込み型モータ)に限らず、SPM(表面配置型モータ)にも同じ構造が採用できる。
このように説明したように、本実施例の永久磁石式同期電動機のロータ構造によれば、以下の効果を奏する。
1.磁束漏れによる出力低下を防止し、低コストで製作可能なロータスキュー構造となる。
2.材料の歩留まりが改善され、磁石コストが削減される。
3.磁束漏れによる出力低下を防止し、低コストで製作可能なロータスキュー構造となる。反磁界の大きくなる端部にHcjの大きな磁石を用いているため、磁石の耐熱を改善させる効果もある。
1.磁束漏れによる出力低下を防止し、低コストで製作可能なロータスキュー構造となる。
2.材料の歩留まりが改善され、磁石コストが削減される。
3.磁束漏れによる出力低下を防止し、低コストで製作可能なロータスキュー構造となる。反磁界の大きくなる端部にHcjの大きな磁石を用いているため、磁石の耐熱を改善させる効果もある。
本発明は、回転機出力を維持しつつ、低価格で製作可能なスキュー構造を有する永久磁石式同期電動機のロータ構造として産業上広く利用可能なものである。
100 ロータコア
101 磁石溝部
200 永久磁石
201,202,203,204,211,212,213,214,221,222,223,224,231,232,233,234 永久磁石片
301,302 第2永久磁石片
401,402 第1永久磁石片
101 磁石溝部
200 永久磁石
201,202,203,204,211,212,213,214,221,222,223,224,231,232,233,234 永久磁石片
301,302 第2永久磁石片
401,402 第1永久磁石片
Claims (5)
- ロータコアに軸方向から見た平面視において長方形開口を持つ複数の磁石溝部を形成し、前記磁石溝部に永久磁石を各々挿入することにより磁極が連続的なスキューを有する永久磁石式同期電動機のロータ構造において、
前記永久磁石は、前記ロータコアの軸心に対して傾斜する傾斜面を持つ複数の永久磁石の組合せからなることを特徴とする永久磁石式同期電動機のロータ構造。 - 請求項1記載の永久磁石式同期電動機のロータ構造において、
前記磁石溝部は、前記ロータコアの軸心に対して傾斜し、前記複数の永久磁石は、前記磁石溝部の軸方向に沿って複数に分割され、
前記複数の永久磁石は、前記長方形開口に対して平行な二つの長方形端面を有すると共に前記長方形端面以外の他の四つの面を前記磁石溝部の傾斜に沿った平行四辺形とした平行六面体に成形されることを特徴とする永久磁石式同期電動機のロータ構造。 - 請求項2記載の永久磁石式同期電動機のロータ構造において、
前記複数の永久磁石は、直方体状の永久磁石を何れかの面に対して傾斜した二つの切削面に沿って切断して複数個の永久磁石片となし、前記切削面が外側を向くように該永久磁石片の前記ロータコアの軸心に対して平行な面を向かい合せに並べ替えて平行六面体に成形されることを特徴とする永久磁石式同期電動機のロータ構造。 - 請求項1記載の永久磁石式同期電動機のロータ構造において、
前記磁石溝部は、前記ロータコアの軸心に対して平行であり、前記永久磁石は、第1永久磁石と第2永久磁石とからなり、前記第1永久磁石は前記第2永久磁石に比較して残留磁束密度Brが大きく、前記第2永久磁石は前記第1永久磁石に比較して保磁力Hcjが大きく、
前記第2永久磁石は、前記磁石溝部の周方向両側に沿って各々配置され、前記ロータコアの軸心に対して傾斜し且つ相互に平行な傾斜面を持つと共に前記長方形開口に対して平行な長さの異なる長方形端面を持つことにより前記ロータコアを側方から見た平面視において台形状に成形された二つの第2永久磁石片からなり、
前記第1永久磁石は、前記磁石溝部内において前記第2永久磁石片の間に配置され、前記第2永久磁石片の傾斜面に対して向かい合せになり、前記ロータコアの軸心に対して傾斜し且つ互いに平行な二つの傾斜面を持つと共に前記長方形開口に対して平行な長さの等しい長方形端面を持つことにより前記ロータコアを側方から見た平面視において平行四辺形状に成形されることを特徴とする永久磁石式同期電動機のロータ構造。 - 請求項4記載の永久磁石式同期電動機のロータ構造において、
前記第1永久磁石は、前記長方形開口に対して平行な長さの異なる長方形端面を持つことにより前記ロータコアを側方から見た平面視において台形状に成形された二つの第1永久磁石片の前記ロータコアの軸心に対して平行な面を向かい合せに並べ替えて平行四辺形状に成形されることを特徴とする永久磁石式同期電動機のロータ構造。
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