JP2016161794A - 偏光板及びこれを備える画像表示装置 - Google Patents

偏光板及びこれを備える画像表示装置 Download PDF

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Abstract

【課題】偏光子に対する接着性が良く、且つ高耐久性を有する保護層を備えた偏光板及び該偏光板を備える画像表示装置を提供することを目的とする。
【解決手段】偏光子と、前記偏光子の少なくとも一方の面上に配置されて、分子内に不飽和結合を有するエポキシ樹脂を含有する樹脂組成物の硬化物により形成された保護層と、を含み、前記樹脂組成物全体に対して、前記分子内に不飽和結合を有するエポキシ樹脂を30質量%以上85質量%以下含有する偏光板が提供される。前記保護層は、分子内に不飽和結合を有するエポキシ樹脂を主成分として含む樹脂組成物を硬化させることにより、偏光子の耐久性及び接着性を向上させることが可能になる。
【選択図】図1

Description

本発明は偏光板及びこれを備える画像表示装置に関する。特に、保護層が設けられた偏光板及びこれを備える画像表示装置に関する。
液晶表示装置には、所定方向の光の透過を遮断するための偏光板が液晶とともに具備されている。偏光板としては、偏光子の両側にTAC(トリアセチルセルロース)フィルム、PET(ポリエチレンテレフタラート)フィルム、アクリル系樹脂フィルムなどの熱可塑性保護フィルムを、接着剤を用いて貼り付けた構造、或は、偏光子の一側に前記保護フィルムを、接着剤層を介して貼り付け、他側にCOP(シクロオレフィン樹脂)フィルム、TACフィルム、PC(ポリカーボネート)フィルムなどを用いて作製された位相差フィルムを、接着剤層を介して貼り付けた構造が従来から知られている。
また、偏光板の薄型化、軽量化、高耐久化を図るために、接着剤層を省略し、偏光子上に直接保護膜を形成した構造も検討されている。例えば、特許文献1には、偏光フィルムの一方の面に積層されたエポキシ系化合物を含む活性エネルギー線硬化性化合物を含有する硬化性樹脂組成物の硬化物からなる保護層が提案されており、特許文献2には、偏光子の表面に直接塗布されたアクリル系化合物を含む光重合性化合物が重合した硬化物を含有する保護膜が提案されている。また、特許文献3には、偏光フィルムの少なくとも一方の側に備えられた脂環式エポキシ化合物及びアクリル系化合物を含有する活性エネルギー線硬化性樹脂組成物の硬化物を主成分とする保護膜が提案されている。
しかしながら、特許文献1で提案されているエポキシ系樹脂の硬化物を含有する保護膜、及び特許文献3で提案されているエポキシ系樹脂及びアクリル系樹脂を含む硬化物を含有する保護膜は、弾性率が低く、熱収縮による偏光フィルムのクラックが発生し易いという問題があった。また、特許文献2で提案されているアクリル系樹脂の硬化物を含有する保護膜は、樹脂の硬化時における収縮が大きいため、偏光フィルムに対する接着性が弱く、偏光フィルムのクラックが発生し易いという問題があった。
特許第5267920号 特許第4326268号 特開2009−211057号公報
本発明は、上述の問題を解決するものであって、偏光子に対する良好な接着性と、高い耐久性を有する保護層が設けられた偏光板及びこれを備える画像表示装置を提供することを目的とする。
本発明の一実施形態によると、偏光子と、前記偏光子の少なくとも一方の面上に配置されて、分子内に不飽和結合を有するエポキシ樹脂を含有する樹脂組成物の硬化物により形成された保護層と、を含み、前記樹脂組成物全体に対して、前記分子内に不飽和結合を有するエポキシ樹脂を30質量%以上85質量%以下含有する偏光板が提供される。
本発明の一実施形態に係る偏光板は、偏光子の少なくとも一面上に分子内に不飽和結合を有するエポキシ樹脂を主成分として含む樹脂組成物を硬化させることにより、偏光子の耐久性及び接着性を向上させることが可能になる。また、前記保護層の偏光子に対する接着性が良好であるため、保護層を偏光子の表面上に直接形成することが可能であり、接着剤などを用いる必要がない。そのため、偏光板の薄型化及び軽量化を実現することができる。
前記樹脂組成物は、分子内に不飽和結合を有しないエポキシ化合物をさらに含んでもよい。
前記樹脂組成物が分子内に不飽和結合を有しないエポキシ化合物をさらに含むことにより、該樹脂組成物の粘度を希釈させ、前記保護層を前記偏光子上に容易に形成することができる。
前記樹脂組成物は、光酸発生剤をさらに含んでもよい。
前記樹脂組成物は、光酸発生剤を含むことにより、エネルギー線の照射により硬化させることができる。
前記保護層の膜厚は、25μm以下であってもよい。
前記保護層の膜厚が25μm以下であることにより、該保護層の信頼性及び可撓性を向上させることができる。
本発明の一実施形態によると、前記何れかの偏光板を備える画像表示装置が提供される。
本発明の一実施形態に係る画像表示装置は、前記何れかの偏光板を備えることにより、耐久性が向上し、長寿命化を実現することができる。
本発明に係る偏光板は、偏光子の少なくとも一面上に分子内に不飽和結合を有するエポキシ樹脂を含む保護層を備えることにより、熱衝撃による偏光子のクラックを抑制することができ、耐久性に優れた偏光板を実現することができる。また、該保護層は、偏光子に対する接着性が良好であるため、偏光子の表面上に直接保護層を形成することが可能であり、接着剤などを用いる必要がない。したがって、本発明に係る偏光板は、薄型化及び軽量化を実現することができる。
本発明の一実施形態に係る偏光板を示す断面図である。 本発明の一実施形態に係る偏光板の製造方法を説明するための図である。
上述の問題を解決すべく鋭意検討した結果、本発明者は、分子内に不飽和結合を有するエポキシ樹脂を樹脂組成物の主成分とすることにより、薄型化、軽量化、及び高耐久性を実現することを見出し、本発明を完成させた。
以下、図面を参照して本発明に係る保護層が設けられた偏光板及びこの偏光板を備える画像表示装置について図面を参照して詳細に説明する。但し、本発明の保護層が設けられた偏光板及びこの偏光板を備える画像表示装置は異なる態様で実施することが可能であり、以下に示す実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。なお、本実施の形態で参照する図面において、同一部分又は同様な機能を有する部分には同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
図1は、本発明の実施形態に係る偏光板100の一例を示す断面図である。図1に示すように、偏光板100は、偏光子101と、偏光子101の表面上に貼り付けられ、偏光子保護部材として機能する偏光板用保護層(以下、単に「保護層」という)103、105を備えている。
偏光子
偏光子101としては、特に制限はなく、従来公知のものを使用することができる。例えば、ポリビニルアルコール系フィルム、部分ホルマール化ポリビニルアルコール系フィルム、エチレン・酢酸ビニル共重合体系部分ケン化フィルム等の親水性高分子フィルムに、ヨウ素や二色性染料等の二色性材料を吸着させて一軸延伸したもの、ポリビニルアルコールの脱水処理物やポリ塩化ビニルの脱塩酸処理物等ポリエン系配向フィルム等が挙げられる。
樹脂組成物
本発明に係る保護層103、105は、分子内に不飽和結合を有するエポキシ樹脂を含む。即ち、本発明に係る保護層は、分子内に不飽和結合を有するエポキシ樹脂を含有する樹脂組成物の硬化物である。本発明に係る樹脂組成物において、高耐久性を実現させるために、分子内に不飽和結合を有するエポキシ樹脂は樹脂組成物の主成分として含有されることが好ましい。分子内に不飽和結合を有するエポキシ樹脂の含有量は、硬化膜弾性率などの観点から、樹脂組成物全体に対して30質量%以上85質量%以下が好ましく、35質量%以上80質量%以下がより好ましく、40質量%以上80質量%以下が特に好ましい。
本発明に係る樹脂組成物に含有させる分子内に不飽和結合を有するエポキシ樹脂としては、ブタジエン、イソプレン等のジエンのホモポリマー、又はジエン、エチレン等のアルケンのコポリマーの鎖内の二重結合をエポキシ化した樹脂が挙げられる。本発明に係る樹脂組成物に含有させる分子内に不飽和結合を有するエポキシ樹脂としては、ブタジエン系エポキシ樹脂が好ましい。ブタジエン系エポキシ樹脂としては、例えば、液状エポキシ化ポリブタジエン(末端OH基)(エポリード(登録商標) PB3600 [EPL PB3600]、ダイセル)、1,2-ポリブタジエン(JP-100、200、日本曹達)、エポキシ変性ポリブタジエン(Ricon(登録商標)657、CRAY VALLEY)、BF-1000(ADEKA)、R-45EPT(ナガセケムテックス)等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
更に好ましいブタジエン系エポキシ樹脂としては、例えば、以下の化学式(1)で表わされる化合物が挙げられるが、これに限定されるものではない。
ここで、式(1)中、mは3以上15以下であり、nは5以上40以下である。
本発明に係る保護層は、式(1)で表わされる分子内に不飽和結合を有するエポキシ樹脂を含む樹脂組成物を重合することにより形成される。
樹脂組成物は、光反応性を向上させるとともに、該樹脂組成物の粘度を希釈させるという観点から、分子内に不飽和結合を有しない樹脂をさらに含有する。分子内に不飽和結合を有しない樹脂の含有量は、樹脂組成物全体に対して10質量%以上60質量%以下が好ましく、また20質量%以上50質量%以下がより好ましく、20質量%以上40質量%以下が特に好ましい。であってもよい。分子内に不飽和結合を有しない樹脂は、特に限定されず、例えば、脂肪族系エポキシ樹脂や脂環式エポキシ樹脂が挙げられる。
脂脂肪族エポキシ樹脂としては、脂肪族多価アルコールや、そのアルキレンオキサイド付加物のポリグリシジルエーテル化合物が含まれ、例えば、1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、ジエチレングリコールジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、エチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、トリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
また、脂環式エポキシ樹脂としては、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、1,2:8,9ジエポキシリモネン、1,2−エポキシ−4−ビニルシクロヘキサン等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
また、本発明に係る保護層の樹脂組成物は、分子内に不飽和結合を有するエポキシ樹脂及び分子内に不飽和結合を有しないエポキシ樹脂に加えて、その他の樹脂、光酸発生剤(光カチオン重合開始剤)、及び光増感剤などを含んでもよい。
光酸発生剤
光酸発生剤としては、従来公知の光酸発生剤を特に制限なく使用することができる。具体的には、例えば、芳香族ジアゾニウム塩、芳香族ヨードニウム塩や芳香族スルホニウム塩などのオニウム塩、鉄−アレン錯体などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。これらは、単独で使用しても、二種以上を組み合わせて使用してもよい。
芳香族ジアゾニウム塩としては、例えば、ベンゼンジアゾニウムヘキサフルオロアンチモネート、ベンゼンジアゾニウムヘキサフルオロホスフェート、ベンゼンジアゾニウムヘキサフルオロボレートなどが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
芳香族ヨードニウム塩としては、例えば、ジフェニルヨードニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロホスフェート、ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロアンチモネート、ジ(4−ノニルフェニル)ヨードニウムヘキサフルオロホスフェートなどが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
芳香族スルホニウム塩としては、例えば、トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロホスフェート、トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、トリフェニルスルホニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、ジフェニル[4−(フェニルチオ)フェニル]スルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、4,4’−ビス〔ジフェニルスルホニオ〕ジフェニルスルフィドビスヘキサフルオロホスフェート、4,4’−ビス〔ジ(β−ヒドロキシエトキシ)フェニルスルホニオ〕ジフェニルスルフィドビスヘキサフルオロアンチモネート、4,4’−ビス〔ジ(β−ヒドロキシエトキシ)フェニルスルホニオ〕ジフェニルスルフィドビスヘキサフルオロホスフェート、7−〔ジ(p−トルイル)スルホニオ〕−2−イソプロピルチオキサントンヘキサフルオロアンチモネート、7−〔ジ(p−トルイル)スルホニオ〕−2−イソプロピルチオキサントンテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、4−フェニルカルボニル−4’−ジフェニルスルホニオ−ジフェニルスルフィドヘキサフルオロホスフェート、4−(p−tert−ブチルフェニルカルボニル)−4’−ジフェニルスルホニオ−ジフェニルスルフィドヘキサフルオロアンチモネート、4−(p−tert−ブチルフェニルカルボニル)−4’−ジ(p−トルイル)スルホニオ−ジフェニルスルフィドテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、ジフェニル[4−(フェニルチオ)フェニル]スルホニウムのリン酸塩などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
鉄−アレン錯体としては、例えば、キシレン−シクロペンタジエニル鉄(II)ヘキサフルオロアンチモネート、クメン−シクロペンタジエニル鉄(II)ヘキサフルオロホスフェート、キシレン−シクロペンタジエニル鉄(II)−トリス(トリフルオロメチルスルホニル)メタナイドなどが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
光酸発生剤は市販品を用いてもよく、例えば、CPI-100P、101A、200K、210S(サンアプロ株式会社製)、カヤラッド(登録商標)PCI-220、PCI-620(日本化薬株式会社製)、UVI-6990(ユニオンカーバイド社製)、アデカオプトマーSP-150、SP-170(株式会社ADEKA製)、CI-5102、CIT-1370、1682、CIP-1866S、2048S、2064S、(日本曹達株式会社製)、DPI-101、102、103、105、MPI-103、105、BBI-101、102、103、105、TPS-101、102、103、105、MDS-103、105、DTS-102、103(みどり化学株式会社製)、PI-2074(ローディアジャパン株式会社製)などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
尚、活性エネルギー線照射後の樹脂組成物硬化性の低下、及び耐久性の低下を防止するとの観点から、光酸発生剤の含有量は、保護層を形成する樹脂組成物全体に対して、0.11質量%以上15質量%以下が好ましく、0.5質量%以上10質量%以下がより好ましく、1質量%以上 8質量%以下が特に好ましい。
光増感剤
本発明の保護層を形成する樹脂組成物は、光増感剤を含有することにより、カチオン重合の反応性が向上し、本実施形態の樹脂組成物の機械的強度および接着性を向上させることができる。
光増感剤としては、例えば、カルボニル化合物、有機硫黄化合物、過硫化物、レドックス系化合物、アゾおよびジアゾ化合物、ハロゲン化合物ならびに光還元性色素などが挙げられ、より具体的には、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、α,α−ジメトキシ−α−フェニルアセトフェノンなどのベンゾイン誘導体;ベンゾフェノン、2,4−ジクロロベンゾフェノン、o−ベンゾイル安息香酸メチル、4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノンなどのベンゾフェノン誘導体;2−クロロチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントンなどのチオキサントン誘導体;2−クロロアントラキノン、2−メチルアントラキノンなどのアントラキノン誘導体;N−メチルアクリドン、N−ブチルアクリドンなどのアクリドン誘導体;および、α,α−ジエトキシアセトフェノン、ベンジル、フルオレノン、キサントン、ウラニル化合物、ハロゲン化合物等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
なお、硬化性及び耐候性を向上させるとの観点から、光増感剤の含有量は、保護層を形成する樹脂組成物全体に対して、0質量%以上5質量%以下が好ましく、0質量%以上3質量%以下が特に好ましい。
エポキシ基以外の光重合性官能基を有する樹脂
本発明に係る保護層は、エポキシ基以外の光重合性官能基を有する樹脂を含有してもよい。即ち、本発明に係る保護層を形成する樹脂組成物は、さらにエポキシ基以外の光重合性官能基を有する樹脂を含有してもよい。このような樹脂を含有することにより、光反応性をより一層向上させるとともに、樹脂組成物の粘度を容易に希釈することが可能になる。
エポキシ基以外の光重合性官能基を有する樹脂としては、例えば、カチオン重合性化合物であるオキセタン樹脂やビニルエーテル樹脂、ラジカル重合性化合物であるアクリル樹脂等が挙げられる。
オキセタン樹脂としては、分子内に少なくとも1個のオキセタニル基を有するものであれば、特に限定されず、例えば、3−エチル−3−(2−エチルヘキシロキシメチル)オキセタン、3−エチル−3−フェノキシメチルオキセタン、3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタン、3−エチル−3−〔(3−エチルオキセタン−3−イル)メトキシメチル〕オキセタン、1,4−ビス〔(3−エチルオキセタン−3−イル)メトキシメチル〕ベンゼン、1,4−ビス〔(3−エチルオキセタン−3−イル)メトキシ〕ベンゼン、1,3−ビス〔(3−エチルオキセタン−3−イル)メトキシ〕ベンゼン、1,2−ビス〔(3−エチルオキセタン−3−イル)メトキシ〕ベンゼン、4,4’−ビス〔(3−エチルオキセタン−3−イル)メトキシ〕ビフェニル、2,2’−ビス〔(3−エチルオキセタン−3−イル)メトキシ〕ビフェニル、3,3’,5,5’−テトラメチル−4,4’−ビス〔(3−エチルオキセタン−3−イル)メトキシ〕ビフェニル、2,7−ビス〔(3−エチルオキセタン−3−イル)メトキシ〕ナフタレン、ビス〔4−{(3−エチルオキセタン−3−イル)メトキシ}フェニル〕メタン、ビス〔2−{(3−エチルオキセタン−3−イル)メトキシ}フェニル〕メタン、2,2−ビス〔4−{(3−エチルオキセタン−3−イル)メトキシ}フェニル〕プロパン、ノボラック型フェノール−ホルムアルデヒド樹脂の3−クロロメチル−3−エチルオキセタンによるエーテル化変性物、3(4),8(9)−ビス〔(3−エチルオキセタン−3−イル)メトキシメチル〕−トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン、2,3−ビス〔(3−エチルオキセタン−3−イル)メトキシメチル〕ノルボルナン、1,1,1−トリス〔(3−エチルオキセタン−3−イル)メトキシメチル〕プロパン、1−ブトキシ−2,2−ビス〔(3−エチルオキセタン−3−イル)メトキシメチル〕ブタン、1,2−ビス〔{2−(3−エチルオキセタン−3−イル)メトキシ}エチルチオ〕エタン、ビス〔{4−(3−エチルオキセタン−3−イル)メチルチオ}フェニル〕スルフィド、1,6−ビス〔(3−エチルオキセタン−3−イル)メトキシ〕−2,2,3,3,4,4,5,5−オクタフルオロヘキサン、3−〔(3−エチルオキセタン−3−イル)メトキシ〕プロピルトリエトキシシランの加水分解縮合物、テトラキス〔(3−エチルオキセタン−3−イル)メチル〕シリケートの縮合物等などを骨格内に有する樹脂が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
アクリル樹脂としては、ラジカル重合性を示すものであれば従来公知のものを特に制限なく使用できる。典型的には、(メタ)アクリロイル基、(メタ)アクリルアミド基等を骨格内に有する樹脂を挙げることができ、(メタ)アクリル酸およびその誘導体、(メタ)アクリロニトリル、(メタ)アクリルアミドおよびその誘導体などを骨格内に有する樹脂が挙げられるが、これらに限定されるものではない。これらの樹脂は、単独でも、二種以上を用いてもよい。
より具体的には、アクリル樹脂としては(メタ)アクリル酸およびその塩が例示される。すなわち、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、メチルフェノキシエチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリレート、2−メトキシエチル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、グリセロールモノ(メタ)アクリレート、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、フェノキシエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、フェノキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、フェノキシトリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ノナエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールメタントリ(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、N−ビニルピロリドン、アクリロイルモルフォリン、ウレタン(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリルアルコールのモノε−カプロラクトン付加物の(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリルアルコールのジε−カプロラクトン付加物の(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリルアルコールのモノβ−メチル−δ−バレロラクトン付加物の(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリルアルコールのジβ−メチル−δ−バレロラクトン付加物の(メタ)アクリレート、ω−カルボキシ−ポリカプロラクトンモノアクリレート等の(メタ)アクリル酸エステル系化合物;アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のニトリル基含有ビニル化合物;および(メタ)アクリルアミド、N−メチル(メタ)アクリルアミド、N−エチル(メタ)アクリルアミド、N−プロピル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、N−ブチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、N−(ヒドロキシエチル)アクリルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、ダイアセトン(メタ)アクリルアミド、N,N−メチレンビス(メタ)アクリルアミド等のアミド基含有ビニル化合物などを骨格内に有する樹脂が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
このうち、保護層を形成する樹脂組成物として初期硬化性に優れることおよび偏光子との接着性を向上させるとの観点から、ヒドロキシ基含有アクリル系モノマーおよびフェノキシ基含有アクリル系モノマーの少なくとも一方がより好ましく、特に、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、メチルフェノキシエチル(メタ)アクリレートおよびフェノキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレートがさらに好ましい。
ビニルエーテル樹脂としては、ジエチレングリコールジビニルエーテル、トリエチレングリコールジビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル、ポリエチレングリコールジビニルエーテル、1,4−シクロヘキサンジメタノールジビニルエーテル等を骨格内に有する樹脂が挙げられるが、これらに限定されるものではない。このうち、特に、入手しやすさや取扱い性の点からトリエチレングリコールジビニルエーテルおよびシクロヘキシルビニルエーテルが好ましい。
なお、硬化性及び耐候性を向上させるとの観点から、エポキシ基以外の光重合性官能基を有する樹脂の含有量は、保護層を形成する樹脂組成物全体に対して、0質量%以上60質量%以下が好ましく、0質量%以上35質量%以下が特に好ましい。
保護層用の樹脂組成物の製造方法
本発明に係る保護層の樹脂組成物を製造する方法は、特に制限はなく、通常は、上述の分子内に不飽和結合を有するエポキシ樹脂、分子内に不飽和結合を有しないエポキシ化合物、エポキシ基以外の光重合性官能基を有する樹脂モノマー、光酸発生剤、及び光増感剤を混合することにより樹脂組成物が得られる。なお、粘度調整のために、適宜、有機溶媒を使用してもよい。また、混合方法にも特に制限はなく、室温(25℃)で、混合物が均一になるまで十分に攪拌混合すればよい。
偏光板の製造方法
図2を参照して、本発明に係る保護層を備えた偏光板の製造方法について説明する。図2に示すように、まず、PETフィルム203とPETフィルム205との間に偏光子201を挟み、得られた保護層用の樹脂組成物207を、PETフィルム203と偏光子201との間、及びPETフィルム205と偏光子201との間に、それぞれスポイトによって適量滴下し、ロールプレス209、201によって貼り合わせる。なお、PETフィルム203、205としては、市販品(例えば、東レ株式会社製、厚み:50μm)を使用することができる。
次に、このようにして貼り合わせた紫外線照射前の偏光板に、300〜3000mJ/cm、好ましくは、500〜2000mJ/cm、さらに好ましくは、800〜1500mJ/cm(356nm基準、メタルハライドランプ使用)の照射量の紫外線を両側から照射した後、PETフィルム203、205を剥離して、図1に示す保護層103、105付きの偏光板100を製造する。
なお、図1においては、偏光子100の両面に保護層103、105を設け、保護層103、105により偏光子101を挟持する構成としたが、偏光子101の片面のみに保護層103又は105を設ける構成としてもよい。
また、信頼性及び可撓性を向上させるとの観点から、樹脂組成物は、硬化後の保護層103の厚みが25μm以下となるように塗布することが好ましく、15μm以下となるように塗布することが更に好ましい。
本発明に係る保護層は、分子内に不飽和結合を有するエポキシ樹脂を含む樹脂組成物を硬化させることにより得られる分子内に不飽和結合を有するエポキシ樹脂を含む。本発明に係る偏光板は、偏光子の少なくとも一面上に本発明に係る保護層を備えることにより、偏光子の熱収縮を抑制することができる。その結果、熱衝撃による偏光子のクラックを抑制することができ、耐久性に優れた偏光板を実現することができる。また、本発明に係る保護層は、偏光子に対する接着性が良好であるため、偏光子の表面上に直接保護層を形成することができる。そのため、接着剤を用いる必要がない。したがって、本発明の偏光板は、薄型化及び軽量化を実現することができる。
本発明の係る偏光板は、液晶表示装置などの画像表示装置に用いることができる。例えば、IPS方式の液晶表示装置には、偏光子の両面上に本発明に係る保護層を備えた偏光板を適用してもよい。また、VA方式の液晶表示装置には、偏光子の少なくとも一面上に本発明に係る保護層を備えた偏光板を適用してもよい。本発明の係る画像表示装置は、耐久性が向上された偏光板を備えているため、長寿命化を実現することができる。
以下、本発明に係る偏光板について実施例1〜4及び比較例1〜3に基づいてを説明する。
<実施例1>
樹脂組成物の作製
分子内に不飽和結合を有するエポキシ樹脂としてJP-100(日本曹達株式会社製)を80質量%、不飽和結合を有しないエポキシ樹脂としてCel3000(株式会社ダイセル製)を20質量%、光酸発生剤(光カチオン重合開始剤)としてCPI100-P(サンアプロ株式会社製)を4質量%、及び光増感剤としてDETX-S(日本化薬株式会社製)を0.5質量%混合して、樹脂組成物を調製した。
偏光子の作製
偏光子は、以下の方法で作製した。平均重合度2400、けん化度99.9%、厚み75μmのポリビニルアルコールフィルムを、28℃の温水中に90秒間浸漬し膨潤させ、次いで、ヨウ素/ヨウ化カリウム(重量比2/3)の濃度0.6重量%の水溶液に浸漬し、2.1倍に延伸させながらポリビニルアルコールフィルムを染色した。その後、60℃のホウ酸エステル水溶液中で合計の延伸倍率が5.8倍となるように延伸を行い、水洗した後、45℃で3分間乾燥させて、偏光子(厚み25μm)を作製した。
偏光板の作製
次に、室温(25℃)及び湿度50%RHの恒温室内で、上述にように作製した偏光子、及び調製した樹脂組成物を使用して、上述した偏光板の製造方法によって、偏光板を作製した。なお、紫外線照射条件は、両側から各1000mJ/cm(365nm基準、メタルハライドランプ使用)とし、紫外線照射後、偏光板は上記恒温室内で24時間保管し、樹脂組成物を熟成硬化させることにより、偏光板を完成させた。保護層の一面の厚みは10〜15μmであった。尚、保護層は偏光子の両面に形成させた。
<実施例2>
分子内に不飽和結合を有するエポキシ樹脂としてJP-100(日本曹達株式会社製)を60
質量%、不飽和結合を有しないエポキシ樹脂としてEX214L(ナガセケムテックス株式会社製)を35質量%及びEX141(セケムテックス株式会社製)を5質量%、光酸発生剤としてCPI100-P(サンアプロ株式会社製)を4質量%、及び光増感剤としてDETX-S(日本化薬株式会社製)を0.5質量%混合して、樹脂組成物を調製した。その後、作製した樹脂組成物を用いて上述の実施例1と同様に偏光板を作製した。
<実施例3>
分子内に不飽和結合を有するエポキシ樹脂としてJP-100(日本曹達株式会社製)を40質量%、不飽和結合を有しないエポキシ樹脂としてEX214L(ナガセケムテックス株式会社製)を20質量%及びCel2021P(株式会社ダイセル製)を20質量%、その他の樹脂モノマーとしてOXT-221(東亞合成株式会社製)を20質量%、光酸発生剤としてCPI100-P(サンアプロ株式会社製)を4質量%、及び光増感剤としてDETX-S(日本化薬株式会社製)を0.5質量%混合して、樹脂組成物を調製した。その後、作製した樹脂組成物を用いて上述の実施例1と同様に偏光板を作製した。
<実施例4>
分子内に不飽和結合を有するエポキシ樹脂としてJP-100(日本曹達株式会社製)を60質量%、不飽和結合を有しないエポキシ樹脂としてEX214L(ナガセケムテックス株式会社製)を20質量%、その他の樹脂としてOXT-121(東亞合成株式会社製)を20質量%、光酸発生剤としてCPI100-P(サンアプロ株式会社製)を4質量%、及び光増感剤としてDETX-S(日本化薬株式会社製)を0.5質量%混合して、樹脂組成物を調製した。その後、作製した樹脂組成物を用いて上述の実施例1と同様に偏光板を作製した。
<実施例5〜8>
偏光子を変え、実施例1〜4の樹脂組成物を用いて、実施例5〜8の偏光板を作製した。
偏光子の作製
偏光子は、以下の方法で作製した。平均重合度1500以上2800以下、けん化度99.9%、厚み18μmのポリビニルアルコールに脱水作用を有する酸触媒を含有したフィルムを、130℃以上のオーブン内で5倍以上に一軸延伸後、脱水反応を進行させた。85℃以上のホウ酸水溶液中で合計の延伸倍率が6倍以上となるように延伸を行い、水洗した後、60℃以上で5分乾燥させて、ポリエン系偏光子(厚み10μm)を作製した。
偏光板の作製
得られたポリエン系偏光子を用い、実施例1と同様の方法にて、実施例1〜4の樹脂組成物を熟成硬化させることにより、実施例5〜8の偏光板を完成させた。保護層の一面の厚みは10〜15μmであった。尚、保護層は偏光子の両面に形成させた。
<比較例1>
分子内に不飽和結合を有するエポキシ樹脂としてJP-100(日本曹達株式会社製)を25質量%、不飽和結合を有しないエポキシ樹脂としてCel3000(株式会社ダイセル製)を30質量%及びCel2021P(株式会社ダイセル製)を25質量%、その他の樹脂モノマーとしてOXT-221(東亞合成株式会社製)を20質量%、光酸発生剤としてCPI100-P(サンアプロ株式会社製)を4質量%、及び光増感剤としてDETX-S(日本化薬株式会社製)を0.5質量%混合して、樹脂組成物を調製した。その後、作製した樹脂組成物を用いて上述の実施例1と同様に偏光板を作製した。
<比較例2>
分子内に不飽和結合を有するエポキシ樹脂を添加せず、不飽和結合を有しないエポキシ樹脂としてCel2021P(株式会社ダイセル製)を35質量%、その他の樹脂モノマーとしてOXT-221(東亞合成株式会社製)を15質量%及びA-DOG(新中村化学工業株式会社製)を50質量%、光重合開始剤としてCPI100-P(サンアプロ株式会社製)を2.5質量%及びIrg184(BASF社製)2.5質量%混合して、樹脂組成物を調製した。その後、作製した樹脂組成物を用いて上述の実施例1と同様に偏光板を作製した。
<比較例3>
分子内に不飽和結合を有するエポキシ樹脂を添加せず、不飽和結合を有しないエポキシ樹脂としてCel2021P(株式会社ダイセル製)を75質量%、その他の樹脂モノマーとしてOXT-221(東亞合成株式会社製)を25質量%、光重合開始剤としてCPI100-P(サンアプロ株式会社製)を4質量%及びIrg184(BASF社製)1質量%混合して、樹脂組成物を調製した。その後、作製した樹脂組成物を用いて上述の実施例1と同様に偏光板を作製した。
<比較例4〜6>
実施例5〜8と同様の偏光子を用い、実施例1と同様の方法にて、比較例1〜3の樹脂組成物を熟成硬化させることにより、比較例4〜6の偏光板を完成させた。保護層の一面の厚みは10〜15μmであった。尚、保護層は偏光子の両面に形成させた。
(密着性試験)
実施例1〜8及び比較例1〜6で作製した偏光板一方の保護層側に感圧接着剤を介してガラスを貼合し、ガラス面と反対側の偏光板の保護層表面にカッターナイフで1mm角の碁盤目を100個刻み、そこにセロハンテープを貼ってから引き剥がす試験を行い、碁盤目のうち保護層が偏光子から剥がれずに残った碁盤目の数で密着性を評価した。残った碁盤目の数が100/100の場合を○、80〜99/100の場合を△、80未満/100の場合を×と評価した。
(温水浸漬試験)
実施例1〜8及び比較例1〜6で作製した偏光板を、トムソン刃で50mm×50mmの大きさに裁断し、60℃の水槽に浸漬し、2時間保持した。その後、水槽から各サンプルを取り出し、偏光子の収縮の大きさを測定した。評価基準としては、収縮の大きさが1.0mm未満を合格とした。評価結果を以下の表2に示す。好ましい結果は、0.5mm以下であり、より好ましくは0.3mm以下であり、特に好ましくは0mmである。
(耐熱性試験)
実施例1〜8及び比較例1〜6で作製した偏光板を、トムソン刃で50mm×50mmの大きさに裁断し、感圧接着剤を介してガラスに貼合した。作製したガラス付き偏光板を85℃の環境下に500時間放置した後、偏光子の割れを確認した。偏光子の割れがない場合は○、割れがある場合は×と評価した。
(冷熱衝撃試験)
実施例1〜8及び比較例1〜6で作製した偏光板を、トムソン刃で50mm×50mmの大きさに裁断し、感圧接着剤を介してガラスに貼合した。作製したガラス付き偏光板を−40℃〜85℃、200サイクルの環境下に放置した後、偏光子の割れを確認した。偏光子の割れがない場合は○、割れがある場合は×と評価した。
密着性試験、温水浸漬試験、耐熱性試験、冷熱衝撃試験の評価及び結果を以下の表1及び表2に示す。

密着性試験の評価を参照すると、実施例1〜8の何れの偏光板においても、本発明に係る保護層と偏光子との密着性は良好であった。特に、樹脂組成物における分子内に不飽和結合を有するエポキシ樹脂の含有量が30質量%以上である実施例1〜8の保護層と偏光子との密着性は良好であった。
温水浸漬試験の結果を参照すると、比較例1〜6の偏光板では、偏光子の収縮が0.5mmを上回ったのに対し、実施例1〜8の偏光板では、偏光子の収縮がいずれも0.5mm以下となった。したがって、本発明に係る偏光板では、偏光子の収縮が比較例に比べて抑制され、耐久性が向上されたことが分かる。
耐熱試験の結果を参照すると、比較例1〜6の偏光板では、偏光子の割れが確認されたのに対し、実施例1〜8の偏光板では、偏光子の割れは確認されなかった。したがって、本発明に係る偏光板では、熱による偏光子の収縮を抑制でき、耐久性が向上されたことが分かる。
冷熱衝撃試験の結果を参照すると、比較例1〜6の偏光板では、偏光子の割れが確認されたのに対し、実施例1〜8の偏光板では、偏光子の割れは確認されなかった。したがって、本発明に係る偏光板では、低温下及び高温下において偏光子の収縮を抑制でき、耐久性が向上されたことが分かる。
以上の実施例1〜8及び比較例1〜6の偏光板の各試験の評価及び結果から分かるように、本発明に係る保護層を備える偏光板は、接着性に優れ、且つ耐久性に優れている。よって、本発明に係る偏光板は、液晶表示装置などの画像表示装置に好適に使用することができる。
100:偏光板
101:偏光子
103:保護層
105:保護層
201:偏光子
203:PETフィルム
205:PETフィルム
207:樹脂組成物
209:ロールプレス
2011:ロールプレス

Claims (5)

  1. 偏光子と、
    前記偏光子の少なくとも一方の面上に配置されて、分子内に不飽和結合を有するエポキシ樹脂を含有する樹脂組成物の硬化物により形成された保護層と、
    を含み、
    前記樹脂組成物全体に対して、前記分子内に不飽和結合を有するエポキシ樹脂を30質量%以上85質量%以下含有することを特徴とする偏光板。
  2. 前記樹脂組成物は、分子内に不飽和結合を有しないエポキシ化合物をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の偏光板。
  3. 前記樹脂組成物は、光酸発生剤をさらに含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の偏光板。
  4. 前記保護層の膜厚が25μm以下であることを特徴とする請求項1乃至3の何れか一に記載の偏光板。
  5. 請求項1乃至4の何れか一に記載の偏光板を備えることを特徴とする画像表示装置。
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