JP2016161592A - トナー - Google Patents

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Abstract


【課題】高度な低温定着性を実現するために多官能エステルワックスを用いたトナーにおいて、高度な着色力を有し、多官能エステルワックスの染み出しを低減させ、耐久性及び耐熱保存性の高いトナー。
【解決手段】結着樹脂、顔料、顔料分散剤、及び多官能エステルワックスを含有するトナー粒子を有するトナーであって、該顔料分散剤は、下記式(1)で表される顔料吸着部位とポリマー部位とを有し、該顔料分散剤の疎水性パラメータをHP1、該多官能エステルワックスの疎水性パラメータをHP2とした時、HP1とHP2の差の絶対値が0.00〜0.19であることを特徴とするトナー。
Figure 2016161592

【選択図】なし

Description

本発明は、電子写真法、静電記録法、トナージェット方式記録法のような方法によって形成される静電潜像を現像してトナー画像を形成するために用いられるトナーに関する。
近年、プリンター等において、環境への配慮から、省エネルギー化が求められている。特に、定着エネルギーの低減が重要であり、その対策の一つとして、トナーの記録媒体上への載り量を減らす検討が行われている。そのためには、トナーの着色力を上げることが重要である。
トナーの着色力を向上させるためには、顔料の添加量を多くするか、又は、顔料のトナー粒子中での分散性を向上させることが考えられる。顔料は一般的に高価であり、前者の方法では、トナーの原材料コストの上昇を招く難点がある。また、顔料の添加量が多いと、顔料自体の帯電性や極性の影響が発現しやすくなり、トナーの帯電性を悪化させたり、湿式製造によるトナー粒子においては、粒度分布を悪化させたりする場合がある。
そのため、顔料の添加量を上げずにトナーの着色力を向上させるために、トナー中での顔料の分散性を向上させることが重要である。
特許文献1には、トナー中の顔料分散性を向上させるために、顔料に親和性を有し、非水溶性溶剤に親和性を有したアゾ骨格を有する顔料分散剤をトナーに添加することにより、顔料の分散性およびトナーの着色力を改善させる技術が記載されている。この方法によれば良好な顔料分散ができ、着色力が向上できる。一方、近年、電子写真方式を用いたレーザープリンターや複写機においては急速に高速化が進んでいるため、より低い定着エネルギーのトナーが求められている。そのためにはトナーの載り量をより低減させる必要があり、トナーの更なる着色力の向上が求められる。
また、定着エネルギーを低減する別の方法としては、前記の載り量低減に加え、より低エネルギーで画像定着が可能な、いわゆる「低温定着性」を有するトナーであることが有効である。
トナーの低温定着性を改善するための一般的な方法としては、使用する結着樹脂のガラス転移温度(Tg)を低くする方法が挙げられる。しかしながら単に結着樹脂のTgを低下させるだけでは、トナーの保存中、あるいは輸送中に、高温環境下にさらされることでトナーがブロッキングを起こして凝集体となる、いわゆる保存性の悪いトナーになってしまう。そこで特許文献2では、非定着時の結着樹脂のTgは高い設定にすることで保存性を良くし、トナーの定着時のみに速やかに結着樹脂を溶融させるために、多官能エステルワックスを含有させた懸濁重合トナーが提案されている。
この方法によれば、高いTgのシェル樹脂をトナー外層に形成させることでトナーの保存性が向上すると記載されている。しかし、これらのトナーは、高温環境下にさらされると、トナー表面に多官能エステルワックスが染み出してしまう場合があった。染み出した多官能エステルワックスは、プリント枚数が増えるに従い、現像ローラや現像ブレードを汚染し、やがてトナーが融着することでプリント物にスジ状の画像欠陥を発生させてしまうという、いわゆる耐久性を悪化させるという課題や、特に高温高湿環境下では多官能エステルワックスの染み出しがより顕著になり耐熱保存性(耐熱保管性)を悪化させるという課題があった。
特開2013−210627号公報 特許第3440983号公報
即ち、本発明は、高度な低温定着性を実現するために多官能エステルワックスを用いたトナーにおいて、高度な着色力を有し、多官能エステルワックスの染み出しを低減させ、耐久性及び耐熱保存性の高いトナーを提供することを目的とする。
結着樹脂、顔料、顔料分散剤、及び多官能エステルワックスを含有するトナー粒子を有するトナーであって、
該顔料分散剤は、下記式(1)で表される顔料吸着部位とポリマー部位とを有し、
該顔料分散剤の疎水性パラメータをHP1、該多官能エステルワックスの疎水性パラメータをHP2とした時、HP1とHP2の差の絶対値が、0.00以上0.19以下であることを特徴とするトナー。
(HP1は、該顔料分散剤を含むクロロホルム溶液にヘプタンを添加した際の該顔料分散剤の析出点におけるヘプタンの体積分率である。HP2は、該多官能エステルワックスを含むクロロホルム溶液にヘプタンを添加した際の該多官能エステルワックスの析出点におけるヘプタンの体積分率である。)
Figure 2016161592
[式(1)中、Rは、置換若しくは無置換のアルキル基又は置換若しくは無置換のフェニル基を表し、Arは置換若しくは無置換のアリール基を表し、Ar及びR〜Rは、下記(i)及び(ii)の少なくとも一方の条件を満たす。
(i)Arが、アリール基の炭素原子に結合してなる、該ポリマー部位との結合部を構成する連結基を有する。
(ii)R〜Rのうちの少なくとも一つは、該ポリマー部位との結合部を構成する連結基を有する。
〜Rが該連結基を有さない場合、R〜Rは、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、ヒドロキシ基、アミノ基、シアノ基、トリフルオロメチル基、カルボキシ基、又は、下記式(2)で表される基を表す。
但し、Ar及びR〜Rは、下記(iii)及び(iv)の少なくとも一方の条件を満たす。
(iii)Arは、置換基として、下記式(2)で表される基を有する。
(iv)R〜Rのうちの少なくとも一つは、下記式(2)で表される基である。]
Figure 2016161592
[式(2)中、*は、式(1)中のAr、又はR〜Rを有する芳香環との結合位置を表す。Rは、水素原子、置換若しくは無置換のアルキル基、アラルキル基、置換若しくは無置換のアルキルオキシカルボニル基、若しくは、置換若しくは無置換のアラルキルオキシカルボニル基、又は、式(2)で表される基がAr若しくはR〜Rを有する芳香環と結合することによって5員複素環を形成するための、Ar、又はR〜Rを有する芳香環との結合位置を表す。Aは、酸素原子、硫黄原子、又はNR基を表し、Rは、水素原子、置換若しくは無置換のアルキル基、置換若しくは無置換のアルキルオキシカルボニル基、又は置換若しくは無置換のアラルキルオキシカルボニル基を表す。]
本発明によれば、高度な低温定着性を実現するために多官能エステルワックスを用いたトナーにおいて、高度な着色力と、耐久性及び耐熱保存性を両立したトナーを得ることができる。
本発明者らは、鋭意検討の結果、式(1)で表される顔料吸着部位及びポリマー部位を有する顔料分散剤と、多官能エステルワックスとが共存するトナーにおいて、特定の疎水性パラメータの範囲を満たすことで本発明の効果が発現することを見出した。なお、本発明において、疎水性パラメータとは、該顔料分散剤及び該多官能エステルワックスの疎水性の度合いを数値化したものであり、該顔料分散剤と該多官能エステルワックスの疎水性パラメータの値が近いほど互いの親和性が高くなる。疎水性パラメータは後述する方法によって測定することができる。
本発明における効果の発現メカニズムについては定かではないが、以下のように考えられる。
高度な顔料吸着性を有する顔料分散剤により、トナー中での顔料分散性が大きく向上し着色力が向上する。次に、顔料分散剤と多官能エステルワックスの親和性を高めることで、多官能エステルワックスが顔料分散剤を介して顔料近傍に保持される。その結果、多官能エステルワックスがトナー表面へ移行する染み出しを低減できるため、耐久性及び耐熱保存性が良化したと考えられる。
本発明者らはその親和性の度合いとして、顔料分散剤の疎水性パラメータをHP1、多官能エステルワックスをHP2としたとき、HP1とHP2の差の絶対値が0.00以上0.19以下の範囲内とすることを見出した。この範囲内にすることで、常温常湿環境下において耐久性の優れたトナーが得られる。さらに、HP1とHP2の差の絶対値を、好ましくは0.00以上0.17以下、より好ましくは0.00以上0.07以下とすることで耐久性がより向上できることが分かった。
また、高温高湿環境下では多官能エステルワックスの染み出しがより顕著になるが、HP1とHP2の差の絶対値が0.00以上0.08以下であれば耐熱保存性が良化することがわかった。また、HP1とHP2の差の絶対値が0.00以上0.03以下であればより顕著に耐熱保存性が良化することが分かった。
HP1は、該顔料分散剤(例えば0.05質量部)及びクロロホルム(例えば1.48質量部)を含む溶液(クロロホルム溶液)にヘプタンを添加した際の該顔料分散剤の析出点におけるヘプタンの体積分率である。HP2は、該多官能エステルワックス(例えば0.05質量部)及びクロロホルム(例えば1.48質量部)を含む溶液(クロロホルム溶液)にヘプタンを添加した際の該多官能エステルワックスの析出点におけるヘプタンの体積分率である。
また、本発明者らはHP1とHP2の差の絶対値を小さくする手段として、顔料分散剤のポリマー部位に長鎖アルキル基を導入することが有効であることを見出した。
以下に本発明の実施形態を具体的に説明する。
まず、本発明で用いる顔料分散剤について説明する。
本発明における顔料分散剤は、顔料との吸着性の高い顔料吸着部位と、顔料同士の凝集を抑制するために立体反発効果を高めたポリマー部位と、によって構成される。一般に、顔料分散剤は顔料への処理工程において、吸脱着の平衡状態を経て顔料に吸着するため、顔料吸着部位の顔料への吸着性能が高いほど顔料分散に対して有効に働く成分が増えると考えられる。
本発明における顔料分散剤の顔料吸着部位について下記に具体的に説明する。顔料吸着部位は下記式(1)の構造を有することを特徴とする。
Figure 2016161592
[式(1)中、Rは、置換若しくは無置換のアルキル基又は置換若しくは無置換のフェニル基を表し、Arは置換若しくは無置換のアリール基を表し、Ar及びR〜Rは、下記(i)及び(ii)の少なくとも一方の条件を満たす。
(i)Arが、アリール基の炭素原子に結合してなる、該ポリマー部位との結合部を構成する連結基を有する。
(ii)R〜Rのうちの少なくとも一つは、該ポリマー部位との結合部を構成する連結基を有する。
〜Rが該連結基を有さない場合、R〜Rは、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、(例えば、炭素数1〜4の)アルキル基、(例えば、炭素数1〜4の)アルコキシ基、ヒドロキシ基、アミノ基、シアノ基、トリフルオロメチル基、カルボキシ基、又は、下記式(2)で表される基を表す。
但し、Ar及びR〜Rは、下記(iii)及び(iv)の少なくとも一方の条件を満たす。
(iii)Arは、置換基として、下記式(2)で表される基を有する。
(iv)R〜Rのうちの少なくとも一つは、下記式(2)で表される基である。]
Figure 2016161592
[式(2)中、*は、式(1)中のAr、又はR〜Rを有する芳香環との結合位置を表す。Rは、水素原子、置換若しくは無置換のアルキル基、アラルキル基、置換若しくは無置換のアルキルオキシカルボニル基、若しくは、置換若しくは無置換のアラルキルオキシカルボニル基、又は、式(2)で表される基がAr若しくはR〜Rを有する芳香環と結合することによって5員複素環を形成するための、Ar、又はR〜Rを有する芳香環との結合位置を表す。Aは、酸素原子、硫黄原子、又はNR基を表し、Rは、水素原子、置換若しくは無置換のアルキル基、置換若しくは無置換のアルキルオキシカル
ボニル基、又は置換若しくは無置換のアラルキルオキシカルボニル基を表す。]
前記式(1)中のR〜Rにおけるアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、イソプロピル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、及び、シクロヘキシル基のような直鎖、分岐、又は環状のアルキル基が挙げられる。前記式(1)中のRのアルキル基、又はフェニル基は、顔料への親和性を著しく阻害しない限りは更に置換基により置換されていてもよい。置換基としては、例えば、ハロゲン原子、ニトロ基、アミノ基、ヒドロキシ基、シアノ基、及びトリフルオロメチル基が挙げられる。前記式(1)中のRは、前記の中でも顔料への親和性の観点からメチル基であることが好ましい。なお、本発明において、ハロゲンは第17族元素であり、例えばフッ素、塩素、臭素又はヨウ素である。
前記式(1)中のR〜Rは、前記の中でも顔料への親和性の観点から、R〜Rのうちの少なくとも一つが該連結基であることが好ましい。さらに、製造容易性の観点から、R〜Rのうちの少なくとも一つが該連結基であり、かつ、該連結基を有さないR〜Rがいずれも水素原子であることがより好ましい。
前記式(1)中のArにおけるアリール基としては、例えば、フェニル基及びナフチル基が挙げられる。前記式(1)中のArは、顔料への親和性を著しく阻害しない限りは、連結基以外に、更に置換基を有していてもよい。置換基としては、例えば、ハロゲン原子、(例えば、炭素数1〜4の)アルキル基、(例えば、炭素数1〜4の)アルコキシ基、ヒドロキシ基、アミノ基、シアノ基、トリフルオロメチル基、カルボキシル基、及び、前記式(2)で表される基が挙げられる。
その中でも、顔料への親和性の観点から、前記式(1)中のArは、置換基として、前記式(2)で表される基を有することが好ましい。さらに、製造容易性の観点から、Arの置換基のうちの少なくとも一つが、前記式(2)で表される基であり、その他が水素原子であることがより好ましい。
前記式(1)で表される部分構造は、前記(i)及び(ii)の少なくとも一方の条件を満たすが、その中でも、顔料への親和性及び製造容易性の観点から、前記(ii)の条件を満たすことが好ましい。また、前記式(1)で表される部分構造は、前記(iii)及び(iv)の少なくとも一方の条件を満たすが、その中でも、顔料への親和性及び製造容易性の観点から、前記(iii)の条件を満たすことが好ましい。
前記式(2)中のRにおけるアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、イソプロピル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、及びシクロヘキシル基のような直鎖、分岐、又は環状のアルキル基が挙げられる。
前記式(2)中のRにおけるアラルキル基としては、例えば、ベンジル基、及びフェネチル基が挙げられる。
前記式(2)中のRにおけるアルキルオキシカルボニル基としては、例えば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、n−プロポキシカルボニル基、イソプロポキシカルボニル基、n−ブトキシカルボニル基、イソブトキシカルボニル基、sec−ブトキシカルボニル基、tert−ブトキシカルボニル基、n−ペンチルオキシカルボニル基、n−ヘキシルオキシカルボニル基が挙げられる。
前記式(2)中のRにおけるアラルキルオキシカルボニル基としては、例えば、ベンジルオキシカルボニル基、フェネチルオキシカルボニル基が挙げられる。
前記式(2)中のRが、Ar、又は、R〜Rを有する芳香環との結合位置であってもよい。そうすることで、式(2)で表される置換基と、Ar又は上記芳香環とが、5員複素環を形成する。このとき形成される5員複素環は、例えば、式(2)中のAが酸素
原子である場合は、2−イミダゾロン環、硫黄原子である場合は、2−イミダゾリジンチオン環、NH基である場合は、2−イミノイミダゾリジン環である。
前記式(2)中のRにおける置換アルキル基の置換基、置換アルキルオキシカルボニル基の置換基、及び置換アラルキルオキシカルボニル基の置換基は、例えば、以下の基が挙げられる。すなわち、ハロゲン原子、ニトロ基、アミノ基、ヒドロキシ基、シアノ基、及びトリフルオロメチル基である。
前記式(2)中のRは、前記の中でも、顔料への親和性の観点から、水素原子、メチル基、又はエチル基であることが好ましい。
前記式(2)中のRにおけるアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、イソプロピル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、及びシクロヘキシル基のような直鎖、分岐、又は環状のアルキル基が挙げられる。
前記式(2)中のRにおけるアルキルオキシカルボニル基としては、例えば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、n−プロポキシカルボニル基、イソプロポキシカルボニル基、n−ブトキシカルボニル基、イソブトキシカルボニル基、sec−ブトキシカルボニル基、tert−ブトキシカルボニル基、n−ペンチルオキシカルボニル基、n−ヘキシルオキシカルボニル基が挙げられる。
前記式(2)中のRにおけるアラルキルオキシカルボニル基としては、例えば、ベンジルオキシカルボニル基、フェネチルオキシカルボニル基が挙げられる。
前記式(2)中のRにおける置換アルキル基の置換基、置換アルキルオキシカルボニル基の置換基、及び置換アラルキルオキシカルボニル基の置換基は、例えば、以下の基が挙げられる。すなわち、ハロゲン原子、ニトロ基、アミノ基、ヒドロキシ基、シアノ基、及びトリフルオロメチル基が挙げられる。
前記式(2)中のRは、前記の中でも、製造容易性の観点から、水素原子、tert−ブトキシカルボニル基、又はベンジルオキシカルボニル基であることが好ましい。
前記式(2)中のAは、酸素原子、硫黄原子、NR基から任意に選択できるが、顔料への親和性及び製造容易性の観点で、酸素原子であることが好ましい。
また、前記式(1)で表される顔料吸着部位とポリマー部位とが連結するための連結基は、例えば、カルボン酸エステル結合を有する連結基、スルホン酸エステル結合を有する連結基、又はカルボン酸アミド結合を有する連結基が挙げられる。製造容易性の観点から、カルボン酸エステル結合、又はカルボン酸アミド結合を有する連結基が好ましい。
本発明における顔料分散剤の顔料吸着部位の具体例としては、例えば下記式(8)〜(11)のような構造が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
Figure 2016161592
[式(8)〜(11)中、Lは前記ポリマー部位と結合するための二価の連結基を表す。]
前記式(1)中の連結基、又は式(8)〜(11)中のLとしては、特に限定されるものではないが、アミド基、エステル基、ウレタン基、ウレア基、アルキレン基、フェニレン基、−O−で示される基、−NR18−で示される基(R18は水素原子、アルキル基、フェニル基、又はアラルキル基を表す。)、及び−NHCH(CHOH)−で示される基等が挙げられる。
前記R18におけるアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、イソプロピル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、及びシクロヘキシル基のような直鎖、分岐又は環状のアルキル基が挙げられる。
前記R18におけるアラルキル基としては、例えば、ベンジル基及びフェネチル基が挙げられる。
本発明における顔料分散剤はポリマー部位を有することを特徴とする。ポリマー部位が顔料の分散媒体媒中で高分子鎖を広げることで、立体障害が発現し、顔料同士の凝集を防止することができる。そのため、トナー粒子中に顔料が均一分散できるために、トナー粒子の着色力を向上できると考えられる。
また、前記ポリマー部位は、重合性単量体や有機溶媒等の媒体中で溶け広がれば分散安定化能力を発揮するため、前記ポリマー部位は該媒体と親和性が高い、即ち該媒体の(溶解パラメーター)SP値とポリマー部位のSP値が近いほどよい。一般的には該媒体と類似した化学構造、類似した極性を有するようなポリマーが好ましい。例えば、トナー粒子の結着樹脂がスチレンアクリル樹脂である場合は、前記ポリマー部位が下記式(3)で表される単量体単位を有する高分子である顔料分散剤を用いることで、前記スチレンアクリル樹脂の重合前のスチレン系重合性単量体、又はアクリル系重合性単量体中でポリマー部位が十分に溶け広がり分散安定化能力を発揮する。
Figure 2016161592
[式(3)中、Rは、水素原子又はアルキル基を表し、R10は、置換若しくは無置換のフェニル基、カルボキシル基、置換若しくは無置換のカルボン酸エステル基、又は置換若しくは無置換のカルボン酸アミド基を表す。]
式(3)中のRにおけるアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、イソプロピル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、及びシクロヘキシル基のような直鎖、分岐、又は環状のアルキル基が挙げられる。
上記Rは、水素原子、又はメチル基であることが好ましい。
上記式(3)中のR10におけるカルボン酸エステル基としては、例えば、メチルエステル基、エチルエステル基、n−プロピルエステル基、イソプロピルエステル基、n−ブチルエステル基、イソブチルエステル基、sec−ブチルエステル基、tert−ブチルエステル基、オクチルエステル基、ノニルエステル基、デシルエステル基、ウンデシルエステル基、ドデシルエステル基、ヘキサデシルエステル基、オクタデシルエステル基、エイコシルエステル基、ドコシルエステル基、2−エチルヘキシルエステル基、フェニルエステル基、ベンジルエステル基、及び2−ヒドロキシエチルエステル基のような直鎖、又は分岐のエステル基が挙げられる。
上記式(3)中のR10におけるカルボン酸アミド基としては、例えば、N−メチルアミド基、N,N−ジメチルアミド基、N−エチルアミド基、N,N−ジエチルアミド基、N−イソプロピルアミド基、N,N−ジイソプロピルアミド基、N−n−ブチルアミド基、N,N−ジ−n−ブチルアミド基、N−イソブチルアミド基、N,N−ジイソブチルアミド基、N−sec−ブチルアミド基、N,N−ジ−sec−ブチルアミド基、N−tert−ブチルアミド基、N−オクチルアミド基、N,N−ジオクチルアミド基、N−ノニルアミド基、N,N−ジノニルアミド基、N−デシルアミド基、N,N−ジデシルアミド基、N−ウンデシルアミド基、N,N−ジウンデシルアミド基、N−ドデシルアミド基、N,N−ジドデシルアミド基、N−ヘキサデシルアミド基、N−オクタデシルアミド基、N−フェニルアミド基、N−(2−エチルヘキシル)アミド基、及びN,N−ジ(2−エチルヘキシル)アミド基のような直鎖、又は分岐のアミド基が挙げられる。
これらのカルボン酸エステル基及びカルボン酸アミド基の中でも、炭素数12〜22の長鎖アルキル基を有するものが好ましい。
上記式(3)中のR10における、フェニル基の置換基、カルボン酸エステル基の置換基、カルボン酸アミド基の置換基は、例えば、メトキシ基及びエトキシ基のようなアルコキシ基、N−メチルアミノ基及びN,N−ジメチルアミノ基のようなアミノ基、アセチル基のようなアシル基、フッ素原子、及び塩素原子のようなハロゲン原子が挙げられる。
は上記の中でも、フェニル基、又はカルボン酸エステル基であることが好ましい。
前記ポリマー部位は、前記式(3)で表される単量体単位の割合を変化させることで分散媒体との親和性を制御することができる。分散媒体がスチレンのような非極性媒体の場合には、前記式(3)中のR10がフェニル基である単量体単位の割合を大きくすることが媒体との親和性の点で好ましい。
また、媒体がアクリル酸エステルのようなある程度極性がある媒体の場合には、前記式(3)中のR10がカルボキシル基、カルボン酸エステル基又はカルボン酸アミド基である単量体単位の割合を大きくすることが、媒体との親和性の点で好ましい。さらに、顔料分散剤の疎水性パラメータを、本発明で用いる多官能エステルワックスの疎水性パラメータに近づけるために、該ポリマー部位の共重合体組成を調整することが顔料分散性の観点で好ましい。具体的には、本発明の顔料分散剤の疎水性パラメータを多官能エステルワックスの疎水性パラメータに近づけるため、前記ポリマー部位に長鎖アルキル基を導入することが有効である[例えば、前記式(3)中のR10として、炭素数12〜22のアルキルエステル基が挙げられる]。
また、トナー粒子の結着樹脂がポリエステルである場合には、前記ポリマー部位もポリエステルであることが有効な場合がある。この場合のポリマー部位としては、具体的には、下記式(19)と、下記式(20)又は式(21)で示されるユニットを有する重合体、若しくは下記式(22)で示されるユニットを有する重合体が挙げられる。
Figure 2016161592

[式(19)中、L1はアルキレン基、アルケニレン基、又はアリーレン基を表す。]
Figure 2016161592

[式(20)中、Lはアルキレン基、又はフェニレン基を表す。]
Figure 2016161592

[式(21)中、R10はエチレン基又はプロピレン基を表す。x、yはそれぞれ0以上の整数値であり、且つx+yの平均値は2〜10である。]
Figure 2016161592

[式(22)において、L3はアルキレン基又はアルケニレン基を表す。]
式(19)〜(22)において、アルキレン基としては、例えば、メチレン基、エチレン基、トリメチレン基、プロピレン基、テトラメチレン基、ヘキサメチレン基、ネオペンチレン基、ヘプタメチレン基、オクタメチレン基、ノナメチレン基、デカメチレン基、ウンデカメチレン基、ドデカメチレン基、1,3−シクロペンチレン基、1,3−シクロへキシレン基又は1,4−シクロへキシレン基等の直鎖状構造、分岐状構造又は環状構造を有するアルキレン基等が挙げられる。
アルケニレン基としては、例えば、ビニレン基、プロぺニレン基、ブテニレン基、ブタジエニレン基、ペンテニレン基、ヘキセニレン基、ヘキサジエニレン基、ヘプテニレン基、オクテニレン基、デセニレン基、オクタデセニレン基、エイコセニレン基又はトリアコンテニレン基等が挙げられる。これらアルケニレン基は直鎖状構造、分岐状構造及び環状構造のいずれの構造を有していてもよい。また、少なくとも一つ以上の二重結合を有していればよく、二重結合の位置はいずれの箇所にあってもよい。
また、アリーレン基としては、例えば、1,4−フェニレン基、1,3−フェニレン基、1,2−フェニレン基、2,3−ナフチレン基、2,7−ナフチレン基又は4,4’−ビフェニレン基等が挙げられる。
また、ポリマー部位が前記のようなポリエステルである場合においても、顔料分散剤の疎水性パラメータを多官能エステルワックスの疎水性パラメータに近づけるため、前記ポリマー部位に長鎖アルキル基を導入することが有効である。
ポリマー部位に長鎖アルキル基を導入する方法としては、例えば、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸ペンタデシル、(メタ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アクリル酸ドコシル等の炭素数12〜22のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステルをモノマーに用いる方法が挙げられる。
ポリマー部位がポリエステルである場合は、例えば、炭素数12〜22のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステルと、(メタ)アクリル酸と、の共重合体を得た後に、該共重合体の存在下、ポリエステルのモノマーを用いて縮重合することにより、長鎖アルキル基が導入されたポリエステルを得ることができる。
ポリマー部位における、炭素数12〜22のアルキル基を有するモノマーの比率は、好ましくは1.00mol%以上50.0mol%以下であり、より好ましくは2.00mol%以上40.0mol%以下である。さらに好ましくは、10.0mol%以上40.0mol%以下である。
前記ポリマー部位の分子量は、顔料の分散性を向上させる点で数平均分子量が500以上であることが好ましい。さらに、分散媒体への親和性を向上させるために、該ポリマー部位の数平均分子量は200000以下であることが好ましい。さらに、製造容易性の観点から、該ポリマー部位の数平均分子量は2000〜50000であることがより好ましい。
前記顔料分散剤中の前記顔料吸着部位の位置は、ランダムに点在していても、一端に一つ若しくは複数のブロックを形成して偏在していてもよい。
前記顔料分散剤中の前記顔料吸着部位の数は、顔料への親和性と、分散媒体への親和性とのバランスから、ポリマー部位を形成する単量体数100に対して0.50〜10.0であることが好ましく、より好ましくは0.50〜5.00である。
前記のような吸着部位とポリマー部位を有することによって、顔料への強い吸着性能と分散性を有することが可能となるため、着色力を向上することができると考えられる。
前記顔料分散剤の含有量は、顔料100質量部に対して、1.00質量部以上50.0質量部以下であることが好ましく、5.00質量部以上15.0質量部以下であることがより好ましい。
次に、本発明における多官能エステルワックスについて説明する。
本発明で使用する多官能エステルワックスは、2官能以上の多価アルコールと1価カルボン酸とから形成されたエステル、又は2官能以上の多価カルボン酸と1価アルコールとから形成されたエステルであることが好ましい。
1価アルコールとしては、例えば、ミリスチルアルコール、セタノール、ステアリルアルコール、アラキルアルコール、べへニルアルコール、テトラコサノール、ヘキサコサノール、オクタコサノール、トリアコンタノール等を挙げることができる。
多価アルコールとしては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,10−デカンジオール、1,12−ドデカンジオール、1,14−テトラデカンジオール、1,16−へキサデカンジオール、1,18−オクタデカンジオール、1,20−エイコサンジオール、1,30−トリアコンタンジオール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジ
オール、ネオペンチルグリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、ペンタグリセロール等の脂肪族アルコール;1,4−シクロヘキサンジメタノール、スピログリコール、水素添加ビスフェノールA、フロログルシトール、クエルシトール、イノシトールなどの脂環式アルコール;1,4−フェニレングリコール、ビスフェノールA、トリス(ヒドロキシメチル)ベンゼンなどの芳香族アルコール;D−エリトロース、L−アラビノース、D−マンノース、D−ガラクトース、D−フルクトース、L−ラムノース、サッカロース、マルトース、ラクトース等の糖;エリトリット、D−トイレット、L−アラビット、アドニット、キシリットなどの糖アルコール;等を挙げることができる。これらの中でも、トナーの低温定着化のために、2価の脂肪族アルコールが有効である。
一価カルボン酸としては、例えば、酢酸、酪酸、カプロン酸、エナント酸、カプリル酸、ペラルゴン酸、カプリン酸、ウンデカン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、マルガリン酸、アラキジン酸、セロチン酸、メリキシン酸、エリカ酸、ブラシジン酸、ソルビン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、ベヘニル酸、テトロル酸、キシメニン酸、シクロヘキサンカルボン酸、安息香酸、トルイル酸、クミン酸等を挙げることができる。
多価カルボン酸としては、例えば、ブタン二酸(コハク酸)、ペンタン二酸(グルタル酸)、ヘキサン二酸(アジピン酸)、ヘプタン二酸(ピメリン酸)、オクタン二酸(スベリン酸)、ノナン二酸(アゼライン酸)、デカン二酸(セバシン酸)、ドデカン二酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、トリメシン酸、トリメリト酸、ヘミメリト酸等を挙げることができる。これらの中でも炭素原子数が好ましくは10〜30、より好ましくは13〜25のカルボン酸が好適であり、該炭素原子数の脂肪族カルボン酸を用いることがトナーの低温定着化のためにより好ましい。
本発明のトナーにおいて、多官能エステルワックスの添加量は、結着樹脂100質量部に対して2.00質量部以上20.0質量部以下であることが好ましい。前記範囲にあることで、該多官能エステルワックスによる十分な低温定着効果を得ることができる。
本発明において、トナー粒子を製造するための製造方法は、どのような製造方法であっても構わない。例えば、結着樹脂を形成する重合性単量体と、顔料、顔料分散剤、多官能エステルワックス等の溶液とを水系溶媒に懸濁させて重合する懸濁重合法;各種トナー構成材料を混練、粉砕、分級する混練粉砕法;結着樹脂を乳化して分散した分散液と、顔料、顔料分散剤、多官能エステルワックス等の分散液とを混合し、凝集、加熱融着させ、トナー粒子を得る乳化凝集法;結着樹脂の重合性単量体を乳化重合させ、形成された分散液と、顔料、顔料分散剤、多官能エステルワックス等の分散液とを混合し、凝集、加熱融着させ、トナー粒子を得る乳化重合凝集法;結着樹脂と、顔料、顔料分散剤、多官能エステルワックス等を含む溶液を水系溶媒に懸濁させて造粒する溶解懸濁法;等が使用できる。
この中でも本発明のトナー粒子は水系媒体中で造粒して粒子を形成することにより得られることが好ましく、懸濁重合法や溶解懸濁法がより好ましい。水系媒体中で造粒して粒子を形成する製造方法の場合、前記に挙げたその他の製法よりも、より本発明の効果を発揮しやすく好ましい。
まず、本発明に適用可能な懸濁重合法による製造方法の例を工程ごとに説明する。
(重合性単量体組成物調製工程)
重合性単量体、顔料、顔料分散剤、多官能エステルワックス、必要に応じて離型ワックス等を混合し、重合性単量体組成物を調製する。顔料と顔料分散剤は予め媒体撹拌ミルなどで重合性単量体又は有機溶媒中に分散させた後に他の組成物と混合してもよいし、全ての組成物を混合した後に分散させてもよい。前記重合性単量体組成物中には必要に応じて極性樹脂、染料、荷電制御剤等を適宜加えることが出来る。
(造粒工程)
分散安定剤を含む水系分散媒を調製し、高剪断力を有する撹拌機を設置した撹拌槽に投入し、ここに重合性単量体組成物を添加し、撹拌することにより分散・造粒し、重合性単量体組成物分散液とする。重合性単量体組成物の分散液滴径の分布は、得られるトナー粒子の粒径分布にそのまま反映されるので、重合性単量体組成物の分散液滴径を均一にすることが好ましい。
(重合工程)
前記のようにして得られた重合性単量体組成物分散液の前記造粒した粒子に含まれる重合性単量体を重合し、結着樹脂が生成された樹脂粒子分散液を得る。本発明における重合工程には、温度調節可能な一般的な撹拌槽を用いることができる。
重合温度は40.0℃以上、一般的には50.0℃以上90.0℃以下で行われる。重合温度は終始一定でもよいが、所望の分子量分布を得る目的で重合工程後半に昇温してもよい。撹拌に用いられる撹拌翼は樹脂粒子分散液を滞留させることなく浮遊させ、かつ槽内の温度を均一に保てるようなものならばどのようなものを用いてもよい。
(揮発成分除去工程)
重合工程が終了した樹脂粒子分散液中から未反応の重合性単量体などを除去するために、揮発成分除去工程を行ってもよい。揮発成分除去工程は樹脂粒子分散液を撹拌手段が設置された撹拌槽で加熱、撹拌することによって行う。揮発成分除去工程時の加熱条件は重合性単量体など除去したい成分の蒸気圧を考慮し適宜調節される。揮発成分除去工程は常圧又は減圧下で行うことができる。
(固液分離工程、洗浄工程及び乾燥工程)
トナー粒子表面に付着した分散安定剤を除去する目的で、樹脂粒子分散液を酸又はアルカリで処理してもよい。トナー粒子から分散安定剤を除去した後、一般的な固液分離法によりトナー粒子を水系媒体と分離するが、酸又はアルカリ、及びそれらに溶解した分散安定剤成分を完全に取り除くため、再度水を添加してトナー粒子を洗浄することが好ましい。この洗浄工程を何度か繰り返し、十分な洗浄が行われた後に、再び固液分離してトナー粒子を得る。得られたトナー粒子は必要であれば公知の乾燥手段により乾燥してもよい。(分級工程)
こうして得られたトナー粒子に、さらにシャープな粒度分布を要求される場合には風力分級機などで分級工程を行なうことにより、所望の粒度分布から外れる粒子を分別して取り除くこともできる。
次に、本発明に適用可能な溶解懸濁法による製造方法の例を工程ごとに説明する。
(樹脂溶液調製工程)
有機溶媒中に結着樹脂、顔料、顔料分散剤、多官能エステルワックス、必要に応じて離型ワックス等を加え、樹脂溶液を調製する。顔料の分散性向上の目的でホモジナイザー、ボールミル、コロイドミル、超音波分散機の如き分散機を用いてもよい。また予めこれらの分散機で有機溶媒中に、顔料及び顔料分散剤を加えて顔料を分散させたものを用いてもよい。前記樹脂溶液中には、必要に応じてワックスや極性樹脂、染料、荷電制御剤等を適宜加えることが出来る。
(造粒工程)
次いで、前述の樹脂溶液を、分散安定剤を含有する水系媒体中に投入し、高速攪拌機又は超音波分散機のような高剪断力分散機を用いて懸濁させ、造粒を行うことにより樹脂組成物分散液を得る。
(有機溶媒除去工程)
次いで、樹脂組成物分散液中の有機溶媒を蒸発除去することによって、樹脂組成物中の樹脂を析出させ、樹脂粒子とすることにより、樹脂粒子分散液を得る。有機溶媒除去工程
の条件は前述の懸濁重合法によるトナーの製造方法における揮発成分除去工程の条件と同様である。
(固液分離工程、洗浄工程、乾燥工程及び分級工程)
得られた樹脂粒子分散液に対して、固液分離工程、洗浄工程及、乾燥工程及び分級工程を前述の懸濁重合法によるトナーの製造方法における条件と同様に行うことができる。
次に、本発明のトナー粒子の製造方法に用いる事ができる材料(顔料分散剤、及び多官能エステルワックス以外の材料について)を例示して具体的に説明するが、以下に限定されるものではない。
本発明で用いることができる結着樹脂としては、例えば、以下の樹脂が挙げられる。
ポリスチレン;ポリ−p−クロルスチレン、ポリビニルトルエン等のスチレン置換体の重合体;スチレン−p−クロルスチレン共重合体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−ビニルナフタリン共重合体、スチレン−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−メタクリル酸エステル共重合体、スチレン−α−クロルメタクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ビニルメチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルエチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルメチルケトン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、スチレン−アクリロニトリル−インデン共重合体等のスチレン系共重合体;アクリル樹脂;メタクリル樹脂;ポリ酢酸ビニル;シリコーン樹脂;ポリエステル樹脂;ポリアミド樹脂;フラン樹脂;エポキシ樹脂;キシレン樹脂。これらの樹脂は、単独で又は混合して使用される。
結着樹脂の主成分としてはポリエステル樹脂、スチレン系共重合体が、現像性、定着性の点で好ましい。
本発明で用いることができる重合性単量体としては、ラジカル重合が可能なビニル系重合性単量体を用いることが可能である。該ビニル系重合性単量体としては、単官能性重合性単量体或いは多官能性重合性単量体を使用することができる。
前記単官能性重合性単量体としては、スチレン、α−メチルスチレン、β−メチルスチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、p−n−ブチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、p−n−ヘキシルスチレン、p−n−オクチルスチレン、p−n−ノニルスチレン、p−n−デシルスチレン、p−n−ドデシルスチレン、p−メトキシスチレン、及び、p−フェニルスチレン等のスチレン誘導体類;メチルアクリレート、エチルアクリレート、n−プロピルアクリレート、iso−プロピルアクリレート、n−ブチルアクリレート、iso−ブチルアクリレート、tert−ブチルアクリレート、n−アミルアクリレート、n−ヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、n−オクチルアクリレート、n−ノニルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、ベンジルアクリレート、ジメチルフォスフェートエチルアクリレート、ジエチルフォスフェートエチルアクリレート、ジブチルフォスフェートエチルアクリレート、及び、2−ベンゾイルオキシエチルアクリレート等のアクリル系重合性単量体類;メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、n−プロピルメタクリレート、iso−プロピルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、iso−ブチルメタクリレート、tert−ブチルメタクリレート、n−アミルメタクリレート、n−ヘキシルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、n−オクチルメタクリレート、n−ノニルメタクリレート、ジエチルフォスフェートエチルメタクリレート、及び、ジブチルフォスフェートエチルメタクリレート等のメタクリル系重合性単量体類;等が挙げられる。
多官能性重合性単量体としては、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリ
コールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、2,2’−ビス(4−(アクリロキシジエトキシ)フェニル)プロパン、トリメチロールプロパントリアクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、テトラエチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、1,3−ブチレングリコールジメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、ポリプロピレングリコールジメタクリレート、2,2’−ビス(4−(メタクリロキシジエトキシ)フェニル)プロパン、2,2’−ビス(4−(メタクリロキシポリエトキシ)フェニル)プロパン、トリメチロールプロパントリメタクリレート、テトラメチロールメタンテトラメタクリレート、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタリン、及び、ジビニルエーテル等が挙げられる。
単官能性重合性単量体を単独で、あるいは二種以上組み合わせて、又は、単官能性重合性単量体と多官能性重合性単量体とを組み合わせて、又は、多官能性重合性単量体を単独で、あるいは、二種以上を組み合わせて使用する。重合性単量体の中でも、スチレン又はスチレン誘導体を単独若しくは混合して、又は、それらとほかの重合性単量体と混合して使用することが、トナーの現像特性及び耐久性の観点から好ましい。
本発明に係る結着樹脂としては、ポリエステルを用いることもできる。ポリエステルとしては、アルコールモノマーとカルボン酸モノマーが縮重合したものが用いられる。アルコールモノマーとしては以下のものが挙げられる。
ポリオキシプロピレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン(3.3)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシエチレン(2.0)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン(2.0)−ポリオキシエチレン(2.0)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン(6)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン等のビスフェノールAのアルキレンオキシド付加物、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−ブテンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ビスフェノールA、水素添加ビスフェノールA、ソルビトール、1,2,3,6−ヘキサンテトロール、1,4−ソルビタン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,5−ペンタントリオール、グリセロール、2−メチルプロパントリオール、2−メチル−1,2,4−ブタントリオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、1,3,5−トリヒドロキシメチルベンゼン。
一方、カルボン酸モノマーとしては、以下のものが挙げられる。
フタル酸、イソフタル酸及びテレフタル酸等の芳香族ジカルボン酸類又はその無水物;コハク酸、アジピン酸、セバシン酸及びアゼライン酸等のアルキルジカルボン酸類又はその無水物;炭素数6〜18のアルキル基若しくはアルケニル基で置換されたコハク酸又はその無水物;フマル酸、マレイン酸及びシトラコン酸等の不飽和ジカルボン酸類又はその無水物。
また、その他にも以下のモノマーを使用することが可能である。
グリセリン、ソルビット、ソルビタン、さらには例えばノボラック型フェノール樹脂のオキシアルキレンエーテル等の多価アルコール類;トリメリット酸、ピロメリット酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸やその無水物等の多価カルボン酸類。
それらの中でも、特に、下記一般式(12)で表されるビスフェノール誘導体を2価ア
ルコールモノマー成分とし、2価以上のカルボン酸又はその酸無水物、又はその低級アルキルエステルとからなるカルボン酸成分(例えば、フマル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フタル酸、テレフタル酸、トリメリット酸、ピロメリット酸等)を酸モノマー成分として、これらのポリエステルユニット成分で縮重合した樹脂が良好な帯電特性を有するので好ましい。
Figure 2016161592

[式(12)中、Rはエチレン基又はプロピレン基を示し、x及びyはそれぞれ1以上の整数であり、かつx+yの平均値は2〜10である。]
本発明のトナーには、極性樹脂を添加することもできる。結着樹脂としてスチレンアクリル系樹脂を用いる場合に、極性樹脂を添加することが好ましい。極性樹脂としては、前記のポリエステル系樹脂又はカルボキシル基含有スチレン系樹脂が好ましい。極性樹脂としてポリエステル系樹脂又はカルボキシル基含有スチレン系樹脂を用いることで、該樹脂がトナー粒子の表面に偏在してシェルを形成した際に、当該樹脂自身のもつ潤滑性が期待できる。
カルボキシル基含有スチレン系樹脂としては、スチレン系のアクリル酸共重合体、スチレン系のメタクリル酸共重合体、スチレン系のマレイン酸共重合体などが好ましく、特にスチレン−アクリル酸エステル−アクリル酸系共重合体が帯電量を制御しやすく好ましい。また、カルボキシル基含有スチレン系樹脂は1級又は2級の水酸基を有するモノマーを含有していることがより好ましい。具体的な重合体組成物としては、スチレン−2−ヒドロキシエチルメタクリレート−メタクリル酸−メタクリル酸メチル共重合体、スチレン−n−ブチルアクリレート−2−ヒドロキシエチルメタクリレート−メタクリル酸−メタクリル酸メチル共重合体、スチレン−α−メチルスチレン−2−ヒドロキシエチルメタクリレート−メタクリル酸−メタクリル酸メチル共重合体などを挙げることができる。1級又は2級の水酸基を有するモノマーを含有した樹脂は極性が大きく、長期放置安定性がより良好となる。
極性樹脂の含有量は、結着樹脂100.0質量部に対して1.00質量部以上20.0質量部以下が好ましく、2.00質量部以上10.0質量部以下がより好ましい。
本発明のトナーの顔料としては、以下に示すブラック、イエロー、マゼンタ及びシアンの顔料及び必要に応じて染料を用いることができる。
ブラック顔料としては、公知のブラック顔料を用いることができる。
例えば、ブラック顔料としては、カーボンブラックが挙げられる。
また、以下に示すイエロー/マゼンタ/シアン顔料、又は染料を混合させて、ブラックに調節したものが挙げられる。
カーボンブラックとしては、特に制限はないが、例えばサーマル法、アセチレン法、チャンネル法、ファーネス法、ランプブラック法等の製法により得られたカーボンブラックを用いることができる。
本発明に用いるカーボンブラックの平均一次粒径は、特に制限はないが、平均一次粒径が14.0〜80.0nmであることが好ましく、より好ましくは25.0〜50.0nmである。平均一次粒径が14.0nm以上の場合には、トナーは赤味を呈さず、フルカラー画像形成用のブラックとして好ましい。カーボンブラックの平均一次粒径が80.0
nm以下の場合には、良好に分散しかつ着色力が低くなり過ぎず好ましい。
なお、カーボンブラックの平均一次粒径は、走査型電子顕微鏡で拡大した写真を撮影して測定することができる。
前記カーボンブラックは単独で用いてもよく、2種以上を混合してもよい。
これらは粗製顔料であってもよく、本発明の顔料分散剤の効果を著しく阻害するものでなければ調製された顔料組成物であってもよい。
イエロー顔料としては、公知のイエロー顔料を用いることができる。
顔料系のイエロー顔料としては、縮合顔料分散剤、イソインドリノン化合物,アンスラキノン化合物、アゾ金属錯体メチン化合物、アリルアミド化合物に代表される化合物が用いられる。具体的には、C.I.Pigment Yellow3、7、10、12、13、14、15、17、23、24、60、62、74、75、83、93、94、95、99、100、101、104、108、109、110、111、117、123、128、129、138、139、147、148、150、155、166、168、169、177、179、180、181、183、185、191:1、191、192、193、199が挙げられる。
また、本発明においては、必要に応じてイエロー染料を顔料と併用してもよい。イエロー染料としては、C.I.solvent Yellow33、56、79、82、93、112、162、163、C.I.disperse Yellow42、64、201、211が挙げられる。
中でも、C.I.Pigment Yellow155、180などの縮合顔料が、本発明で用いられる顔料分散剤において、前記式(1)で表される顔料吸着部位と構造が類似しているため、吸着性が高く好ましい。また、本発明の顔料分散剤は、置換基を適宜選択し、顔料との親和性を強くすることができるため、C.I.Pigment Yellow185などのイソインドリン化合物などにも吸着性が高く、好ましい。
マゼンタ顔料としては、公知のマゼンタ顔料を用いることができる。
マゼンタ顔料としては、縮合顔料、ジケトピロロピロール化合物、アントラキノン、キナクリドン化合物、塩基染料レーキ化合物、ナフトール化合物、ベンズイミダゾロン化合物、チオインジゴ化合物、ペリレン化合物が用いられる。具体的には、C.I.Pigment Red 2、3、5、6、7、23、48:2、48:3、48:4、57:1、81:1、122、146、150、166、169、177、184、185、202、206、220、221、238、254、269、C.I.Pigment Violet19が挙げられる。
中でも、C.I.Pigment Red150などの縮合顔料が、本発明で用いられる顔料分散剤において、前記式(1)で表される顔料吸着部位と構造が類似しているため、吸着性が高く好ましい。また、本発明の顔料分散剤は、置換基を適宜選択し、顔料との親和性を強くすることができるため、C.I.Pigment Red122やC.I.Pigment Violet19などのキナクリドン化合物などにも吸着性が高く好ましい。
シアン顔料としては、公知のシアン顔料を用いることができる。
シアン顔料としては、フタロシアニン化合物及びその誘導体、アントラキノン化合物、塩基染料レーキ化合物が用いられる。具体的には、C.I.Pigment Blue1、7、15、15:1、15:2、15:3、15:4、60、62、66が挙げられる。
本発明で用いる顔料は、単独又は異種のものを混合し、更には固溶体の状態で用いてもよい。顔料の添加量は、結着樹脂100質量部に対し1.00質量部以上20.0質量部以下であることが好ましい。
本発明のトナーにおいて、顔料と、本発明で用いられる顔料分散剤との質量組成比は、好ましくは100:0.10〜100:30.0、より好ましくは100:0.50〜100:15.0である。
本発明のトナー粒子は、離型ワックスを使用してもよい。使用可能な離型ワックスとしては特に制限はなく公知のものが利用できる。例えば、以下のものが挙げられる。低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン、マイクロクリスタリンワックス、パラフィンワックス、フィッシャートロプシュワックス等の脂肪族炭化水素系ワックス;酸化ポリエチレンワックス等の脂肪族炭化水素系ワックスの酸化物又はそれらのブロック共重合物;脂肪族炭化水素系ワックスにスチレンやアクリル酸等のビニル系モノマーを用いてグラフト化させたワックス類などが挙げられる。
炭化水素系ワックスは結着樹脂100質量部に対して1.00質量部以上30.0質量部以下使用するのが好ましい。本発明に用いられるワックスの融点は30.0℃以上130℃以下の範囲であることが好ましく、より好ましくは60.0℃以上100℃以下の範囲である。前記のような熱特性を呈する離型ワックスを用いることにより、得られるトナーの良好な定着性はもとより、離型ワックスによる離型効果が効率良く発現され、十分な定着領域が確保される。
また、本発明のトナー粒子は、荷電制御剤を使用してもよい。中でも、トナー粒子を負荷電性に制御する荷電制御剤を用いることが好ましい。該荷電制御剤としては、以下のものが挙げられる。
有機金属化合物、キレート化合物、モノアゾ金属化合物、アセチルアセトン金属化合物、尿素誘導体、含金属サリチル酸系化合物、含金属ナフトエ酸系化合物、4級アンモニウム塩、カリックスアレーン、ケイ素化合物、ノンメタルカルボン酸系化合物及びその誘導体が挙げられる。また、スルホン酸基、スルホン酸塩基、あるいは、スルホン酸エステル基を有するスルホン酸樹脂を好ましく用いることができる。荷電制御剤の添加量は、結着樹脂100質量部に対して0.01質量部以上20.0質量部以下であることが好ましく、より好ましくは0.50質量部以上10.0質量部以下である。
溶解懸濁法における樹脂溶液に用いる有機溶媒は、トナー粒子の原材料となるものと相溶するものであれば特に限定されるものではないが、溶媒除去の観点から水の沸点以下でもある程度の蒸気圧があるものが好ましい。例えばトルエン、キシレン、酢酸エチル、酢酸ブチル、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどを用いることができる。
また、水系媒体中に添加する分散安定剤としては、公知の界面活性剤や有機分散剤、無機分散剤を使用することができる。これらの中でも無機分散剤は重合温度や時間経過に対する安定性が崩れにくく、洗浄も容易でトナーに悪影響を与えにくいため、好適に使用することができる。無機分散剤としては、以下のものが挙げられる。リン酸三カルシウム、リン酸マグネシウム、リン酸アルミニウム、リン酸亜鉛等のリン酸多価金属塩;炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム等の炭酸塩、メタ硅酸カルシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム等の無機塩;水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、シリカ、ベントナイト、アルミナ等の無機酸化物。これらの無機分散剤は、重合終了後に酸あるいはアルカリを加えて溶解することにより、ほぼ完全に取り除くことができる。
また、本発明のトナーは、トナー粒子の表面に無機微粉体を有することが好ましい。無機微粉体は、トナーの流動性改良及び帯電均一化のためにトナー粒子に添加、混合され、添加された無機微粉体はトナー粒子の表面に均一に付着した状態で存在する。
本発明における無機微粉体は、一次粒子の個数平均粒径(D1)が4.00nm以上500nm以下であることが好ましい。
本発明で用いられる無機微粉体としては、シリカ、アルミナ、チタニアから選ばれる無
機微粉体又はその複合酸化物などが使用できる。複合酸化物としては、例えば、シリカアルミニウム微粉体やチタン酸ストロンチウム微粉体等が挙げられる。これら無機微粉体は、表面を疎水化処理して用いることが好ましい。
さらに、本発明に用いられるトナーには、実質的な悪影響を与えない範囲内で更に他の添加剤、例えばテフロン(登録商標)粉末、ステアリン酸亜鉛粉末、ポリフッ化ビニリデン粉末のような滑剤粉末、あるいは酸化セリウム粉末、炭化硅素粉末、チタン酸ストロンチウム粉末などの研磨剤、あるいは例えば酸化チタン粉末、酸化アルミニウム粉末などの流動性付与剤、ケーキング防止剤、また、逆極性の有機及び/又は無機微粉体を現像性向上剤として少量用いる事もできる。これらの添加剤も表面を疎水化処理して用いることも可能である。
本発明のトナーは、公知の一成分現像方式、二成分現像方式を用いた画像形成方法に適用可能である。
以下に、本発明で規定する各物性値の計算方法及び測定方法を記載する。
<疎水性パラメータHP1及びHP2の測定方法>
本発明における顔料分散剤の疎水性パラメータHP1は以下の方法で行った。
8.00mlサンプル瓶に顔料分散剤50mgを取り、クロロホルム1.00ml(1.48g)に溶解し、初期質量(W1)を測定する。サンプル瓶に撹拌子を入れ、マグネティックスターラーで撹拌しながら、(a)ヘプタンを100mg滴下し、20秒間撹拌を続ける。
(b)目視において白濁しているかを確認する。白濁していなければ(a)、(b)の操作を繰り返し行う。白濁が確認された点(析出点)において操作を止め、質量(W2)を測定する。なお測定は全て25.0℃、常圧(1気圧)下で行う。
以下の式に従い、HP1を算出する。
HP1={(W2−W1)/0.684}/{((W2−W1)/0.684)+1}
W1:ヘプタン添加前の初期質量(g)
W2:ヘプタン添加後の白濁点における質量(g)
同様の測定を3回行い、その平均値をHP1とする。
多官能エステルワックスの疎水性パラメータHP2に関しても、前記の測定方法において顔料分散剤を多官能エステルワックスに変更する以外は同様にして測定する。
<分子量の測定方法>
ポリマー部位及び顔料分散剤などの分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により、以下のようにして測定する。
まず、室温で24時間かけて、測定サンプルをテトラヒドロフラン(THF)に溶解する。そして、得られた溶液を、ポア径が0.20μmの耐溶剤性メンブランフィルター「マエショリディスク」(東ソー社製)で濾過してサンプル溶液を得る。なお、サンプル溶液は、THFに可溶な成分の濃度が約0.80%となるように調整する。このサンプル溶液を用いて、以下の条件で測定する。
装置:HLC8120 GPC(検出器:RI)(東ソー社製)
カラム:Shodex KF−801、802、803、804、805、806、807の7連(昭和電工社製)
溶離液:テトラヒドロフラン(THF)
流速:1.00ml/min
オーブン温度:40.0℃
試料注入量:0.10ml
試料の分子量の算出にあたっては、標準ポリスチレン樹脂(例えば、商品名「TSKスタンダード ポリスチレン F−850、F−450、F−288、F−128、F−80、F−40、F−20、F−10、F−4、F−2、F−1、A−5000、A−25
00、A−1000、A−500」、東ソー社製)を用いて作成した分子量校正曲線を使用する。
<酸価の測定方法>
酸価は試料1.00gに含まれる酸を中和するために必要な水酸化カリウムのmg数である。樹脂の酸価はJIS K 0070−1992に準じて測定されるが、具体的には、以下の手順に従って測定する。
(1)試薬の準備
フェノールフタレイン1.00gをエチルアルコール(95vol%)90.0mlに溶かし、イオン交換水を加えて100mlとし、フェノールフタレイン溶液を得る。
特級水酸化カリウム7.00gを5.00mlの水に溶かし、エチルアルコール(95.0vol%)を加えて1Lとする。炭酸ガス等に触れないように、耐アルカリ性の容器に入れて3日間放置後、ろ過して、水酸化カリウム溶液を得る。得られた水酸化カリウム溶液は、耐アルカリ性の容器に保管する。前記水酸化カリウム溶液のファクターは、0.10モル/l塩酸25.0mlを三角フラスコに取り、前記フェノールフタレイン溶液を3滴加え、前記水酸化カリウム溶液で滴定し、中和に要した前記水酸化カリウム溶液の量から求める。前記0.10モル/l塩酸は、JIS K 8001−1998に準じて作成されたものを用いる。
(2)操作
(A)本試験
粉砕した樹脂の試料2.00gを200mlの三角フラスコに精秤し、テトラヒドロフラン/エタノール(2:1)の混合溶液100mlを加え、5時間かけて溶解する。次いで、指示薬として前記フェノールフタレイン溶液を数滴加え、前記水酸化カリウム溶液を用いて滴定する。尚、滴定の終点は、指示薬の薄い紅色が約30秒間続いたときとする。(B)空試験
試料を用いない(すなわちテトラヒドロフラン/エタノール(2:1)の混合溶液のみとする)以外は、前記操作と同様の滴定を行う。
(3)得られた結果を下記式に代入して、酸価を算出する。
A=[(C−B)×f×5.61]/S
ここで、A:酸価(mgKOH/g)、B:空試験の水酸化カリウム溶液の添加量(ml)、C:本試験の水酸化カリウム溶液の添加量(ml)、f:水酸化カリウム溶液のファクター、S:試料(g)である。
<共重合体組成比の分析方法>
本発明の顔料分散剤、ワックス分散剤の構造決定は、以下の装置を用いて行った。
H NMR: 日本電子(株)製ECA−400(使用溶媒 重クロロホルム)
13C NMR: ブルカー・バイオスピン(株)製FT−NMR AVANCE−600(使用溶媒 重クロロホルム)
なお、13C NMRは、クロム(III)アセチルアセトナートを緩和試薬として用いた逆ゲートデカップリング法により定量化し組成分析を行った。
本発明を以下に示す実施例により具体的に説明する。実施例中及び比較例中の部及び%は特に断りがない場合、全て質量基準である。
<顔料分散剤のポリマー部位の製造例1>
プロピレングリコールモノメチルエーテル100部を窒素置換しながら加熱し液温120℃以上で還流させ、そこへ、スチレン51.5部、メタクリル酸1.73部、及びtert−ブチルパーオキシベンゾエート[有機過酸化物系重合開始剤、日油(株)製、商品名:パーブチルZ]1.00部を混合したものを3時間かけて滴下した。滴下終了後、溶
液を3時間撹拌した後、液温170℃まで昇温しながら常圧蒸留し、液温170℃到達後は1hPaで減圧下1時間蒸留して脱溶媒し、樹脂固形物を得た。該固形物をテトラヒドロフランに溶解し、n−ヘキサンでの再沈殿による精製でポリマー部位(A−1)51.6部を得た。得られたポリマー部位(A−1)の物性を下記表1に示す。
<顔料分散剤のポリマー部位の製造例2〜6>
前記顔料分散剤のポリマー部位の製造例1において、モノマーの仕込み量を表1のように変更した。それ以外は同様にして、ポリマー部位(A−2)〜(A−6)を得た。得られたポリマー部位(A−2)〜(A−6)の物性を下記表1に示す。
Figure 2016161592
<顔料分散剤のポリマー部位の製造例7>
前記式(19)中のLがフェニレン基、前記式(21)中のR10がエチレン基、x、yはそれぞれ1であるポリエステルを下記のように合成した。
オキシエチレン化ビスフェノールA31.6部、テレフタル酸14.8部、架橋剤としてグリセリン5.50部、触媒として酸化ジ−n−ブチルスズ0.0005部を、不活性ガスとして窒素ガスを導入しながら200℃で加熱溶融し撹拌した。副生する水の流出が終了した後、1時間かけて230℃まで昇温し、2時間加熱撹拌し、溶融状態で樹脂を取り出した。常温で冷却し、水洗する事により樹脂(A−7)を得た。得られたポリマー部位(A−7)の物性を下記表2に示す。
<顔料分散剤のポリマー部位の製造例8>
次に前記ポリマー部位(A−7)に長鎖アルキル基を導入したポリエステルを下記のように合成した。
プロピレングリコールモノメチルエーテル100部を窒素置換しながら加熱し液温120℃以上で還流させ、そこへ、メタクリル酸ステアリル65.0部、メタクリル酸1.73部、及びtert−ブチルパーオキシベンゾエート[有機過酸化物系重合開始剤、日油(株)製、商品名:パーブチルZ]1.00部を混合したものを3時間かけて滴下した。滴下終了後、溶液を3時間撹拌した後、液温170℃まで昇温しながら常圧蒸留し、液温170℃到達後は1hPaで減圧下1時間蒸留して脱溶媒し、樹脂固形物を得た。該固形物をテトラヒドロフランに溶解し、n−ヘキサンでの再沈殿による精製で、数平均分子量3300のメタクリル酸ステアリル/メタクリル酸共重合体を得た。
次に、前記メタクリル酸ステアリル/メタクリル酸共重合体12.0部、オキシエチレン化ビスフェノールA31.6部、テレフタル酸14.8部、架橋剤としてグリセリン5.50部、触媒として酸化ジ−n−ブチルスズ0.0005部を、不活性ガスとして窒素ガスを導入しながら200℃で加熱溶融し撹拌した。副生する水の流出が終了した後、1時間かけて230℃まで昇温し、2時間加熱撹拌し、溶融状態で樹脂を取り出した。常温
で冷却し、水洗する事により樹脂(A−8)を得た。得られたポリマー部位(A−8)の物性を下記表2に示す。
Figure 2016161592
<比較用顔料吸着部位の製造例>
特許文献1に従って、特許文献1に記載の比較用顔料吸着部位(16)及び(17)の合成を行った。
<比較用顔料吸着部位の製造例1>
下記スキームに従い、顔料吸着部位(16)を得た。
Figure 2016161592
まず、クロロホルム30.0部に4−ニトロアニリン(東京化成工業株式会社製)3.11部を加え、10.0℃以下に氷冷し、ジケテン(東京化成工業株式会社製)1.89部を加えた。その後、65.0℃で2時間撹拌した。反応終了後、クロロホルムで抽出し、濃縮して式(14)の化合物を得た。
次に、2−アミノテレフタル酸ジメチル(メルク株式会社製)4.25部に、メタノール40.0部、濃塩酸5.29部を加えて10℃以下に氷冷した。この溶液に、亜硝酸ナトリウム2.10部を水6.00部に溶解させたもの加えて同温度で1時間反応させた。次いでスルファミン酸0.99部を加えて更に20分間撹拌した(ジアゾニウム塩溶液)。メタノール70.0部に、式(14)の化合物を4.51部加えて、10℃以下に氷冷
し、前記ジアゾニウム塩溶液を加えた。その後、酢酸ナトリウム5.83部を水7.00部に溶解させたものを加えて、10.0℃以下で2時間反応させた。反応終了後、水300部を加えて30分間撹拌した後、固体を濾別し、N,N−ジメチルホルムアミドからの再結晶法により精製することで式(15)の化合物を得た。
次に、N,N−ジメチルホルムアミド150部に化合物(15)8.58部及びパラジウム−活性炭素(パラジウム5%)0.40部を加えて、水素ガス雰囲気下(反応圧力0.1〜0.4MPa)、40.0℃で3時間撹拌した。反応終了後、溶液を濾別し、濃縮して顔料吸着部位式(16)を得た。
<比較用顔料吸着部位の製造例2>
前記比較用顔料吸着部位の製造例1において、2−アミノテレフタル酸ジメチル(メルク株式会社製)4.25部であったところ、3−アミノベンズアミド(東京化成工業株式会社製)2.75部にした。それ以外は比較用顔料吸着部位の製造例1と同様にして、顔料吸着部位(17)を得た。
Figure 2016161592
<顔料吸着部位の製造例>
本発明における前記式(1)で表される顔料吸着部位の例として、下記顔料吸着部位(18)及び(19)を合成した。
<顔料吸着部位の製造例1>
比較用顔料吸着部位の製造例1において、2−アミノテレフタル酸ジメチル(メルク株式会社製)4.25部であったところ、5−アミノ−2−ベンズイミダゾリノン(東京化成工業株式会社製)3.05部にした。それ以外は比較用顔料吸着部位の製造例1と同様にして、顔料吸着部位(18)を得た。
Figure 2016161592
<顔料吸着部位の製造例2>
比較用顔料吸着部位の製造例1において、2−アミノテレフタル酸ジメチル(メルク株
式会社製)4.25部であったところ、(3−アミノフェニル)尿素(Waterstone Technology,LLC製)3.10部にした。それ以外は比較用顔料吸着部位の製造例1と同様にして、顔料吸着部位(19)を得た。
Figure 2016161592
<顔料分散剤の製造例1>
下記スキームに従い、顔料分散剤(B−1)を得た。
Figure 2016161592
テトラヒドロフラン500部に、顔料吸着部位(18)2.06部を加えて、65℃まで加熱し溶解した。溶解後50℃に温度を下げ、ポリマー部位(A−1)を15.0部溶解し、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド・塩酸塩(EDC・HCl)2.45部を加えて50℃で5時間撹拌した。液温を徐々に室温に戻し、一晩撹拌することにより反応を完結させた。反応終了後、溶液を濾過して濃縮しメタノールによる再沈殿を行うことにより精製し、顔料分散剤(B−1)を得た。得られた顔料分散剤(B−1)の共重合体組成比を下記表3に示す。
<顔料分散剤の製造例2〜11>
前記顔料分散剤の製造例1において、ポリマー部位(A−1)及び顔料吸着部位(18)を表3に記載のようにそれぞれ変更した以外は顔料分散剤の製造例1と同様にして、顔料分散剤(B−2)〜(B−11)を得た。得られた顔料分散剤の共重合体組成比を下記表3に示す。
Figure 2016161592
<多官能エステルワックス>
本発明で用いる多官能エステルワックスは、前記特許文献2に記載されている4官能であるペンタエリストールテトラステアレートを使用する他、2官能であるセバシン酸ジベヘニル、及びテレフタル酸ジステアリル、並びに3官能である1,2,3−プロパントリオールトリステアレートを用いた。
<トナーの製造例1>
下記方法で懸濁重合法によるトナーを製造した。
(マスターバッチ分散液の調製)
スチレン単量体100部に対して、下記材料を用意した。
・カーボンブラック(Nipex35[Orion Engineered Carbon社製]):15.0部
・顔料分散剤(B−1):0.15部
・3,5−ジ−tert−ブチルサリチル酸の亜鉛化合物〔ボントロンE84(オリエント化学工業社製)〕:3.00部
これらを、アトライター(三井鉱山社製)に導入し、半径1.25mmのジルコニアビーズ(140部)を用いて200rpmにて25.0℃で180分間撹拌を行い、マスターバッチ分散液1を調製した。
(水系媒体の調製)
イオン交換水710部に0.10M−NaPO水溶液450部を投入し60.0℃に加温した後、1.00M−CaCl水溶液67.7部を徐々に添加してリン酸カルシウム化合物を含む水系媒体を得た。
(重合性単量体組成物の調製)
・マスターバッチ分散液1:46.9部
・スチレン単量体:37.5部
・n−ブチルアクリレート単量体:26.0部
・離型ワックス(フィッシャートロプシュワックス、最大吸熱ピークのピーク温度=78℃、Mw=750):9.00部
・ポリエステル樹脂[テレフタル酸:イソフタル酸:プロピレンオキサイド変性ビスフェノールA(2モル付加物):エチレンオキサイド変性ビスフェノールA(2モル付加物)=40:20:30:10の重縮合物、酸価11、Tg=75℃、Mw=11000、Mn=4000]:5.00部
・ペンタエリスリトールテトラステアレート:5.00部
前記材料を65℃に加温し、TK式ホモミキサー(特殊機化工業製)を用いて、6,000rpmにて均一に溶解し分散した。これに、重合開始剤1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシ2−エチルヘキサノエートの70%トルエン溶液5.00部を溶解し、重合性単量体組成物を調製した。
(造粒工程)
前記水系媒体中に前記重合性単量体組成物を投入し、温度65.0℃、N雰囲気下において、TK式ホモミキサーにて18000rpmで10.0分間撹拌し、重合性単量体組成物を造粒した。その後、パドル撹拌翼で撹拌しつつ温度67.0℃に昇温し、重合性ビニル系単量体の重合転化率が90.0%に達したところで、0.10mol/リットルの水酸化ナトリウム水溶液を添加して水系分散媒体のpHを9.00に調整した。更に昇温速度40.0℃/hで80.0℃に昇温し4時間反応させた。重合反応終了後、減圧下でトナー粒子の残存モノマーを留去した。その後水系媒体を冷却し、塩酸を加えpHを1.40にし、6時間撹拌することでトナー粒子表面に吸着しているリン酸カルシウム塩を溶解し、トナー粒子を濾別し水洗を行った後、温度40.0℃にて48時間乾燥後、目開き45.0μmの篩で篩分してトナー粒子(D−1)を得た。
(無機微粉体処理工程)
・トナー粒子(D−1):100部
・シリカ微粉体(RY200:日本アエロジル社製):1.50部
・ジメチルシリコーンオイルで表面処理されたルチル型酸化チタン微粉体(平均一次粒径30nm):0.20部
前記材料をヘンシェルミキサー(三井鉱山社製)で5分間乾式混合して、トナー(D−1)を得た。
<トナーの製造例2〜4>
前記トナーの製造例1において、顔料分散剤(B−1)を表5に記載のようにそれぞれ変更した以外は、前記トナーの製造例1と同様にしてトナー(D−2)〜(D−4)を得た。
<トナーの製造例5〜7>
前記トナーの製造例1において、顔料分散剤(B−1)を表5に記載のように変更し、ペンタエリストールテトラステアレートを、セバシン酸ジベヘニル、テレフタル酸ジステアリル、又は1,2,3−プロパントリオールトリステアレートにそれぞれ変更した。それ以外は、前記トナーの製造例1と同様にしてトナー(D−5)〜(D−7)を得た。
<トナーの製造例8>
前記トナーの製造例1において、顔料分散剤(B−1)を顔料分散剤(B−7)に変更した以外は、前記トナーの製造例1と同様にしてトナー(D−8)を得た。
<トナーの製造例9及び10>
前記トナーの製造例1において、カーボンブラックを、ピグメントレッド122、又はピグメントイエロー155(クラリアント社製、商品名「Toner Yellow 3GP」)にそれぞれ変更し、顔料分散剤(B−1)を顔料分散剤(B−2)に変更した。それ以外は、前記トナーの製造例1と同様にしてトナー(D−9)及び(D−10)を得た。
<トナーの製造例11>
下記方法で溶解懸濁法によるトナーを製造した。
(マスターバッチ分散液の調製)
・酢酸エチル:180部
・カーボンブラック:12.0部
・顔料分散剤(B−11):1.20部
・ガラスビーズ(Φ1mm):130部
を混合し、アトライター[日本コークス工業(株)製]により3時間分散させ、メッシュで濾過する事でマスターバッチ分散液2を調製した。
(トナー組成物混合液の調製)
・マスターバッチ分散液2:121部
・結着樹脂[飽和ポリエステル樹脂(プロピレンオキサイド変性ビスフェノールAとフタル酸の重縮合物、Tg:75.9℃、Mw:11000、Mn:4200、酸価:11mgKOH/g)]:100部
・炭化水素ワックス(フィッシャー・トロプシュワックス、DSC測定における最大吸熱ピークのピーク温度:80℃、Mw:750):9.00部
・ペンタエリスリトールテトラステアレート:5.00部
・サリチル酸亜鉛化合物[オリエント化学工業(株)製、商品名:ボントロンE−84]
:2.00部
・酢酸エチル(溶媒):10.0部
前記組成をボールミルで24時間分散する事により、トナー組成物混合液200部を得た。
(水系媒体の調整)
・炭酸カルシウム(アクリル酸系共重合体で被覆):20.0部
・カルボキシメチルセルロース[セロゲンBS−H、第一工業製薬(株)製]:0.5部・イオン交換水:99.5部
前記組成をボールミルで24時間分散する事により、カルボキシメチルセルロースを溶解し、水系媒体を得た。
(造粒工程)
該水系媒体1200部を、高速撹拌装置T.K.ホモミクサー[プライミクス(株)製]に入れ、回転羽根を周速度20.0m/secで撹拌しながら、前記トナー組成物混合液1000部を投入し、25.0℃一定に維持しながら1分間撹拌して懸濁液を得た。
(脱溶媒工程)
前記懸濁液2200部をフルゾーン翼[(株)神鋼環境ソリューション製]により周速度45m/minで撹拌しながら、液温を40.0℃一定に保ち、ブロワーを用いて前記懸濁液面上の気相を強制吸気し、溶媒除去を開始した。その際、溶媒除去開始から15分後に、イオン性物質として1.00%に希釈したアンモニア水75.0部を添加し、続いて溶媒除去開始から1時間後に前記アンモニア水25.0部を添加し、続いて溶媒除去開始から2時間後に前記アンモニア水25.0部を添加し、最後に溶媒除去開始から3時間後に前記アンモニア水25.0部を添加し、アンモニア水の総添加量を150部とした。更に液温を40.0℃に保ったまま、溶媒除去開始から17時間保持し、懸濁粒子から溶媒(酢酸エチル)を除去したトナー分散液を得た。溶媒除去工程で得られたトナー分散液300部に、10.0mol/l塩酸80.0部を加え、更に0.10mol/l水酸化ナトリウム水溶液により中和処理後、吸引濾過によるイオン交換水洗浄を4回繰り返して、トナーケーキを得た。得られたトナーケーキを真空乾燥機で乾燥し、目開き45.0μmの篩で篩分しトナー粒子(D−11)を得た。
(無機微粉体処理工程)
・トナー粒子(D−11):100部
・シリカ微粉体(RY200:日本アエロジル社製):1.50部
・ジメチルシリコーンオイルで表面処理されたルチル型酸化チタン微粉体(平均一次粒径30nm):0.20部
前記材料をヘンシェルミキサー(三井鉱山社製)で5分間乾式混合して、トナー(D−
11)を得た。
<比較用トナーの製造例1>
前記トナーの製造例1において、ペンタエリストールテトラステアレートを1,2,3−プロパントリオールトリステアレートに変更し、顔料分散剤(B−1)を用いなかったこと以外は、前記トナーの製造例1と同様にしてトナー(D−12)を得た。
<比較用トナーの製造例2>
前記トナーの製造例1において、ペンタエリストールテトラステアレートを1,2,3−プロパントリオールトリステアレートに変更し、顔料分散剤(B−1)を顔料分散剤(B−5)に変更した。それ以外は、前記トナーの製造例1と同様にしてトナー(D−13)を得た。
<比較用トナーの製造例3、4>
前記トナーの製造例1において、顔料分散剤(B−1)を顔料分散剤(B−6)に変更し、ペンタエリストールテトラステアレートを、セバシン酸ジベヘニル、又はテレフタル酸ジステアリルにそれぞれ変更した。それ以外は、前記トナーの製造例1と同様にしてトナー(D−14)、(D−15)を得た。
<比較用トナーの製造例5>
前記トナーの製造例1において、顔料分散剤(B−1)を顔料分散剤(B−6)に変更した以外は、前記トナーの製造例1と同様にしてトナー(D−16)を得た。
<比較用トナーの製造例6、7>
前記トナーの製造例1において、顔料分散剤(B−1)を顔料分散剤(B−8)又は(B−9)にそれぞれ変更した以外は、前記トナーの製造例1と同様にしてトナー(D−17)、(D−18)を得た。
<比較用トナーの製造例8、9>
前記トナーの製造例1において、顔料分散剤(B−1)を顔料分散剤(B−5)に変更し、カーボンブラックを、ピグメントレッド122、又はピグメントイエロー155(クラリアント社製、商品名「Toner Yellow 3GP」)にそれぞれ変更した。それ以外は、前記トナーの製造例1と同様にしてトナー(D−19)及び(D−20)を得た。
<比較用トナーの製造例10>
前記トナーの製造例11において、顔料分散剤(B−11)を顔料分散剤(B−10)に変更した以外は、前記トナーの製造例11と同様にしてトナー(D−20)を得た。
〔実施例1〕
下記方法にて、本発明のトナーの着色力を評価した。
トナー(D−1)を現像剤とし、温度23.0℃、相対湿度50.0%環境下でA4のカラーレーザーコピア用紙(キヤノン製、80g/m)を用いて画像評価を行った。画像形成装置としては市販のレーザープリンターであるLBP−5400(キヤノン製)の改造機を用いた。評価機(改造機)の改造点は以下のとおりである。
評価機本体のギア及びソフトウエアを変更することにより、プロセススピードが360mm/secとなるようにした。
評価に用いるカートリッジはシアンカートリッジを用いた。すなわち、市販のシアンカートリッジから製品トナーを抜き取り、エアーブローにて内部を清掃した後、本発明によるトナーを150g充填して評価を行った。なお、マゼンタ、イエロー、ブラックの各ステーションにはそれぞれ製品トナーを抜き取り、トナー残量検知機構を無効としたマゼンタ、イエロー、及びブラックカートリッジを挿入して評価を行った。
(1)画像濃度1.40時の紙上のトナーの載り量
定着時の温度中心値が160℃になるように前記プリンターを改造し、A4の普通紙(GF−C081A4:キヤノンマーケティングジャパン社製)の紙中心に濃度測定用の10mm×10mmのベタ画像を出力した。濃度測定用の10mm×10mmのベタ画像の、マクベス反射濃度計RD918(マクベス社製)にて測定される画像濃度が、1.40になるように現像コントラストを調整した。
前記設定における紙上の未定着トナーの載り量(単位:mg/cm)を測定し以下、下記表4のようにランク付けを行った。着色力1.40を出すために必要なトナー載り量が少ないほど高い着色力を有するトナーである。
Figure 2016161592
着色力の評価結果を下記表5に示す。
また、下記方法にて、本発明のトナーの耐久性(現像スジ)を評価した。
評価機としてLBP9600C(キヤノン社製)を使用し、ブラックカートリッジにトナー(D−1)を詰め替えた。常温常湿環境下(25.0℃、50.0%RH)において耐久性の評価を行った。なお、前記評価機のプリント速度はA4:30.0枚/分である。
評価紙にはキヤノン社製Office70(坪量70.0g/m2)を用い、5.00
%の印字比率の画像を7,000枚印字した。印字後、評価紙の上部にブラックが印刷され、トナーの載り量が0.20mg/cm2であるハーフトーン画像を作成し、画像上及
び現像ローラを目視で確認し、以下の評価基準(スジランク)に基づいて評価した。
A:現像ローラ上にも、画像上にも、縦スジは見られない。
B:現像ローラ上に細かいスジが数本あるものの、画像上には、縦スジは見られない。
C:現像ローラ上にスジが数本あり、画像上にも細かいスジが数本見られる。
D:現像ローラ上及びハーフトーン画像上に多数本のスジが見られる。
耐久性評価を下記表5に示す。
また、下記方法にて、本発明のトナーの耐熱保存性を評価した。
10.0gのトナー(D−1)を100mLのポリカップに入れ、温度45.0℃、湿度95.0%環境に7日放置した後、目視で評価する。
(評価基準)
A:凝集物は見られない。
B:凝集物はわずかに見られるが、容易に崩れる。
C:凝集物は見られるが、容易に崩れる。
D:凝集物は見られるが、振れば崩れる。
〔実施例2〜11、比較例1〜10〕
実施例1において、トナー(D−1)を、下記表5に記載のトナーに変更し、評価した
。評価結果を表5に示す。表中HP1とHP2の差は、絶対値である。
Figure 2016161592
表5より、比較例1に対し比較例2の結果を比べると、本発明の顔料分散剤の添加により着色力が飛躍的に向上し、本発明の顔料分散剤により耐久性も向上した。
比較例5の結果より、着色力は良好であったが、HP1とHP2の差が0.29であったため耐久性としては不十分であったのに対し、実施例1〜4におけるHP1とHP2の差の絶対値は0.00〜0.17であったため耐久性が大きく向上した。また着色力も高いレベルを維持した。また、この傾向は比較例8、9に対する実施例9、10の結果と同様であったため、顔料の種類によらず本発明の効果を確認することができた。また、この傾向は比較例10に対する実施例11の結果と同様であったため、結着樹脂がポリエステ
ルであり、懸濁造粒法によって製造されたトナーにおいても本発明の効果を確認することができた。
比較例6、7、実施例3、8におけるHP1とHP2との差は、いずれも0.00〜0.02の範囲に収まっているにも関わらず、実施例3、8の方が比較例6、7よりも着色力が向上し、耐久性も向上している。これは実施例3、8で用いた顔料分散剤の顔料吸着性が、比較例6、7で用いたそれよりも高いため、着色力がさらに向上し、顔料表面上のポリマー部位が増えることにより、多官能エステルワックスをより多く顔料に保持できたため、耐久性がより大きく向上したものと考えられる。

Claims (4)

  1. 結着樹脂、顔料、顔料分散剤、及び多官能エステルワックスを含有するトナー粒子を有するトナーであって、
    該顔料分散剤は、下記式(1)で表される顔料吸着部位とポリマー部位とを有し、
    該顔料分散剤の疎水性パラメータをHP1、該多官能エステルワックスの疎水性パラメータをHP2とした時、HP1とHP2の差の絶対値が0.00以上0.19以下であることを特徴とするトナー。
    (HP1は、該顔料分散剤のクロロホルム溶液にヘプタンを添加した際の該顔料分散剤の析出点におけるヘプタンの体積分率である。HP2は、該多官能エステルワックスのクロロホルム溶液にヘプタンを添加した際の該多官能エステルワックスの析出点におけるヘプタンの体積分率である。)
    Figure 2016161592

    [式(1)中、Rは、置換若しくは無置換のアルキル基又は置換若しくは無置換のフェニル基を表し、Arは置換若しくは無置換のアリール基を表し、Ar及びR〜Rは、下記(i)及び(ii)の少なくとも一方の条件を満たす。
    (i)Arが、アリール基の炭素原子に結合してなる、該ポリマー部位との結合部を構成する連結基を有する。
    (ii)R〜Rのうちの少なくとも一つは、該ポリマー部位との結合部を構成する連結基を有する。
    〜Rが該連結基を有さない場合、R〜Rは、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、ヒドロキシ基、アミノ基、シアノ基、トリフルオロメチル基、カルボキシ基、又は、下記式(2)で表される基を表す。
    但し、Ar及びR〜Rは、下記(iii)及び(iv)の少なくとも一方の条件を満たす。
    (iii)Arは、置換基として、下記式(2)で表される基を有する。
    (iv)R〜Rのうちの少なくとも一つは、下記式(2)で表される基である。]
    Figure 2016161592

    [式(2)中、*は、式(1)中のAr、又はR〜Rを有する芳香環との結合位置を表す。Rは、水素原子、置換若しくは無置換のアルキル基、アラルキル基、置換若しくは無置換のアルキルオキシカルボニル基、若しくは、置換若しくは無置換のアラルキルオキシカルボニル基、又は、式(2)で表される基がAr若しくはR〜Rを有する芳香環と結合することによって5員複素環を形成するための、Ar、又はR〜Rを有する芳香環との結合位置を表す。Aは、酸素原子、硫黄原子、又はNR基を表し、Rは、水素原子、置換若しくは無置換のアルキル基、置換若しくは無置換のアルキルオキシカルボニル基、又は置換若しくは無置換のアラルキルオキシカルボニル基を表す。]
  2. 前記顔料分散剤のポリマー部位が、下記式(3)で表される単量体単位を有する請求項1に記載のトナー。
    Figure 2016161592

    [式(3)中、Rは、水素原子又はアルキル基を表し、R10は、置換若しくは無置換のフェニル基、カルボキシル基、置換若しくは無置換のカルボン酸エステル基、又は置換若しくは無置換のカルボン酸アミド基を表す。]
  3. 前記多官能エステルワックスは、2官能以上の多価アルコールと1価カルボン酸とから形成されたエステル、又は2官能以上の多価カルボン酸と1価アルコールとから形成されたエステルである請求項1又は2に記載のトナー。
  4. 前記トナー粒子は、前記顔料、前記顔料分散剤、前記多官能エステルワックス、及び前記結着樹脂を形成する重合性単量体を含有する重合性単量体組成物を水系媒体中で造粒し、該重合性単量体組成物に含まれる前記重合性単量体を重合することによって製造される請求項1〜3のいずれか一項に記載のトナー。
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