JP2016161179A - 調温貯蔵装置 - Google Patents

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慎太郎 西部
田村 裕志
Hiroshi Tamura
裕志 田村
輝彦 岩瀬
Teruhiko Iwase
輝彦 岩瀬
高晃 小西
Takaaki Konishi
高晃 小西
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Abstract

【課題】強制通風方式と差圧通風方式を併せ持つ調温機構を有し、冷却時間の短縮化、冷却能力の向上、及び小型化が図れる調温貯蔵装置を提供する。【解決手段】調温貯蔵装置1は、調温対象物10が収容される貯蔵室30を内部に有するコンテナ3と、コンテナ3に一体に設置される空調機2と、セパレータ部材6、7と、を備える。セパレータ部材6、7は、送風機21によって送風された空調風を貯蔵室30に向けて吹き出す吹出口23と貯蔵室30の空調風を吸い込む吸込口24との間を空調風が流れる通風経路F1を複数のゾーンに分ける。セパレータ部材6、7は、吹出口23からの空調風が吹きつけられる強制通風ゾーン30Bと、送風機21の運転により強制的に前後の圧力差を作り出すことによって強制通風ゾーン30Bを通過後の空調風を通風させる差圧通風ゾーン30Aと、を形成する。【選択図】図2

Description

本発明は、内部に温度調節の対象とする調温対象物を収容する調温貯蔵装置に関する。
特許文献1の装置は、コンテナの内部に機械室と貯蔵室が区画され、貯蔵室に収容した生鮮食品に対して冷却した空気を当てて鮮度維持を図る。機械室には冷却器が装備され、冷却器の吸込口は機械室の下方に向かって開口し、吐出口は貯蔵室に向かって開口する。吐出口には、冷却器からの冷気を貯蔵室内に圧送する送風手段である主冷気流路用の主ファンが装備されている。貯蔵室の少なくとも一方の側壁には箱状のダクトを設置し、ダクトの上端部は貯蔵室内の冷気を吸引及び圧送する循環用送風手段である複数個の副ファンが装備されている。特許文献1の装置は、冷却器による冷気を所定の貯蔵室に吹き入れて、貯蔵室内の生鮮食品に冷気を当てて冷却する強制通風方式とも呼ばれる。
特許文献2の装置は、段積みした段ボール箱等の出荷容器の上面を覆う室を形成し、中央の頂部にファンを有する本体部と、本体部の下方に一体に設けられて出荷容器の側方周囲を取り囲むカーテン部とを備える差圧予冷装置である。この差圧予冷装置は、予冷庫内に設けられる。ファンを運転すると、本体部とカーテン部とで囲まれた内部の空気は強制的に装置の外部に排出される。装置の内部の空気が排出されると、内部が減圧されて予冷庫内の冷気が内部に吸引される。吸引された予冷庫内の冷気が出荷容器の内部や容器間を通過することによって容器内部の青果物を冷却することができる。このように予冷庫内の冷気は装置内に吸引されて循環することにより、容器内の青果物の温度を短時間で所定温度まで下げることができる。特許文献2の装置は、差圧によって冷気を容器内部に引き込み、通風させる差圧通風方式とも呼ばれる。
特公昭61−29713号公報 特開2001−147067号公報
特許文献1の装置は、冷気を主ファンと副ファンによって貯蔵室に圧送して、貯蔵室内の生鮮食品に冷気をぶつけることで調温を図るが、積載された多数の食品の中には、積載状態、場所によっては、空気の流通抵抗が大きく、冷気が流れにくいものも存在する。したがって、特許文献1の装置は、貯蔵室内の生鮮食品について温度ムラが生じやすく、貯蔵室に収容された生鮮食品のすみずみまで冷気を流通させるための技術的施策が不十分であり、生鮮食品の冷却時間及び冷却能力の点で問題がある。
特許文献2の装置において、シートで覆われた本体部の内部空間、すなわちカーテン部の内部とファンの吸込口との間に形成される空間は、ファンによる空気の送出によって減圧される差圧室に相当する。このように差圧通風方式の装置は、貯蔵室の他に相当体積の差圧室を確保する必要があるため、小型化が要求される運搬用の装置に適用する点で問題がある。
そこで本発明は、前述の問題点に鑑みてなされたものであり、強制通風方式と差圧通風方式を併せ持つ調温機構を有し、冷却時間の短縮化、冷却能力の向上、及び小型化が図れる調温貯蔵装置を提供することを目的とする。
本発明は上記目的を達成するために以下の技術的手段を採用する。なお、特許請求の範囲及びこの項に記載した括弧内の符号は、ひとつの態様として後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示す一例であって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
開示された発明のひとつは、運搬される調温貯蔵装置(1)に係る発明であって、調温対象物(10)が収容される貯蔵室(30)を内部に有する筐体(3)と、筐体に一体に設置されて、送風機(21)によって貯蔵室に送風される空調風をつくる空調機(2)と、送風機によって送風された空調風を貯蔵室に向けて吹き出す吹出部(23)と貯蔵室の空調風を吸い込む吸込部(24)との間を空調風が流れる通風経路(F1)を複数のゾーンに分けるセパレータ部材(6,7)と、を備え、
セパレータ部材は、吹出部からの空調風が吹きつけられる強制通風ゾーン(30B)と、送風機の運転により強制的に前後の圧力差を作り出すことによって強制通風ゾーンを通過後の空調風を通風させる差圧通風ゾーン(30A)とを、貯蔵室における通風経路に形成することを特徴とする。
この発明によれば、セパレータ部材によって貯蔵室内に強制通風ゾーンと差圧通風ゾーンとを形成することにより、強制通風方式と差圧通風方式とを兼ね備えた冷蔵機能を発揮できる。これにより、調温対象物の冷却時間を短縮できるとともに高い冷却能力を獲得でき、さらに貯蔵室内に差圧室となるスペースを形成できるため、調温対象物の収容スペースを確保することにも貢献できる。したがって、この発明によれば、強制通風方式と差圧通風方式を併せ持つ調温機構を有し、調温対象物に関して冷却時間の短縮化、冷却能力の向上が図れ、さらに装置の小型化も図れる調温貯蔵装置を提供できる。
第1実施形態に係る調温貯蔵装置の内部構成を示す図面である。 第1実施形態に係る調温貯蔵装置の内部構成を示す側面図である。 従来品と実施形態品について、所定温度に低下するまでの冷却時間を測定した実験結果を示すグラフである。 第1実施形態に係る風向調整手段について、上方への吹出角度が小さい状態を示す図面である。 第1実施形態に係る風向調整手段について、上方への吹出角度が大きい状態を示す図面である。 第2実施形態に係る寸法調整手段と調温対象物との関係を説明する正面図である。 第3実施形態に係る調温貯蔵装置の内部構成を示す図面である。 第3実施形態に係る調温貯蔵装置の内部構成を示す側面図である。 第4実施形態に係る調温貯蔵装置の内部構成を示す側面図である。 第5実施形態に係る調温貯蔵装置の内部構成を示す側面図である。 第6実施形態に係る調温貯蔵装置の内部構成を示す側面図である。 第7実施形態に係る調温貯蔵装置の内部構成を示す側面図である。
以下に、図面を参照しながら本発明を実施するための複数の形態を説明する。各形態において先行する形態で説明した事項に対応する部分には同一の参照符号を付して重複する説明を省略する場合がある。各形態において構成の一部のみを説明している場合は、構成の他の部分については先行して説明した他の形態を適用することができる。各実施形態で具体的に組み合わせが可能であることを明示している部分同士の組み合わせばかりではなく、特に組み合わせに支障が生じなければ、明示してなくとも実施形態同士を部分的に組み合わせることも可能である。
(第1実施形態)
開示する調温貯蔵装置は、例えば、貯蔵室に収容した調温対象物を冷凍状態または冷蔵状態にして、運搬することができる装置である。調温貯蔵装置は、車両、船舶、航空機等の移動体に載せて運搬される。この運搬の際に調温貯蔵装置は運搬用のコンテナとして搭載される。運搬される調温対象物は、野菜、果物、肉等の生鮮食品、冷凍状態で運搬される各種の冷凍食品等である。また、調温対象物は、食品ではないが所定の温度での運搬を要する生物、物品とすることも可能である。
第1実施形態では、運搬用のコンテナ3に収容される調温対象物10を所定の温度に調温可能な調温貯蔵装置1について、図1〜図5を参照して説明する。図面に図示する上下方向は、奥行き方向と幅方向の両方に直交する方向であり、奥行き方向は、上下方向と幅方向の両方に直交する方向である。また、幅方向は、上下方向と奥行き方向の両方に直交する方向である。また、各図には、調温貯蔵装置の構成を理解しやすくするために、コンテナの内蔵部品を実線で表示している。
調温貯蔵装置1は、筐体の一例であるコンテナ3に空調機2を一体に組み立てた箱体状の装置であり、空調機2がつくり出す空調風により、コンテナ3内の貯蔵室30に収容された調温対象物10を所定の温度に調温する。ここで、調温対象物10の一例は、野菜、果物等の青果を入れた多数のプラコンや段ボール箱である。プラコンは、側面及び底面に網状の通気面が形成され、上下方向に嵌め合い積層可能な構成を有するプラスチック箱の略称である。また段ボール箱には、側面及び底面に通気穴が形成されている。貯蔵室30を流れる空調風は、強制通風及び差圧通風によって、この通気穴からプラコンや段ボール箱の内部に対して出入りする。
この明細書でいう調温貯蔵装置1に形成される差圧とは、調温対象物の前後で通気抵抗により発生する圧力差のことである。この圧力差によって、貯蔵室30には、通風が行われ、これを差圧通風といい、この通風により調温対象物を冷却する方法を差圧冷却方式ともいう。
空調機2は、例えば、冷凍サイクル装置、放熱用ファン、空調空気を駆動する送風機21、空調空気が貯蔵室30に向けて流れる送風用ダクト22、各機器の作動を制御する制御装置等を空調ユニットとして構成した装置である。冷凍サイクル装置は、例えば電動圧縮機、凝縮器、膨張弁、蒸発器20等を環状に配管接続して構成される冷媒回路であり、電動圧縮機の駆動力により冷媒が循環する。空調機2のうち、冷凍サイクル装置、放熱用ファン、送風機21、及び制御装置はコンテナ3の奥行き方向の一方の端部に装着され、送風用ダクト22はコンテナ3に対して奥行き方向の一方の端部及び下部に装着される。以下、奥行き方向の一方の端部を、説明の便宜上、前部と称する。
電動圧縮機は、電動モータと圧縮機構部とを組み合わせて構成される。電動圧縮機は、電動モータにより圧縮機構部が駆動され、制御装置によって電動モータへの印加電圧制御されることで冷凍サイクルの運転状態を制御し、蒸発器20によって空気調和される空気の温度が制御される。送風用ダクト22は、前述したように、コンテナ3の前部で上下方向に延び、さらにコンテナ3の底部で奥行き方向に延びる空気通路を構成する。この送風用ダクト22は、貯蔵室30の空気を吸引して再び貯蔵室30に戻すための空気通路を構成する部材であり、その内部に送風機21及び蒸発器20が設置されている。
放熱用ファンは、凝縮器とコンテナ3の外部の空気とを強制的に熱交換させる電動ファンであり、制御装置によって風量が制御される。送風機21は、貯蔵室30の空気を送風用ダクト22の内部に吸込み、蒸発器20を通過した空気を再び貯蔵室30に吹き出させるための電動ファンであり、制御装置によって風量が制御される。
また制御装置は、貯蔵室30に吹き出される冷気の温度を検出する温度センサから冷気温度を取得する。制御装置は、設定された設定温度と、温度センサから取得した冷気温度に基づいて、貯蔵室30の温度が設定温度を維持するように、電動圧縮機の電動モータ等を制御する。例えば、制御装置は、設定温度と冷気温度に基づいて電動モータの通電量をインバータ制御して、圧縮機の回転数を制御する。また、制御装置は、冷凍サイクル装置の運転状態に応じて放熱用ファンの電動モータへの通電をオン、オフ制御して凝縮器の放熱量を制御する。
コンテナ3内の貯蔵室30には、空調機2で作り出した空調風を貯蔵室30に吹き出させる吹出口23と、貯蔵室30の空気を空調機2へ戻す吸込口24とが開口している。吹出口23は、送風用ダクト22の下流端に開口する空調風の吹出部であり、貯蔵室30において、奥行き方向の他方の端部の下端に位置する。以下、奥行き方向の他方の端部を、説明の便宜上、後部と称する。したがって、吹出口23は、貯蔵室30において後部の下端で開口する。吸込口24は、貯蔵室30に形成される通風経路F1を流れてきた空調風が貯蔵室30から流出する吸込部であり、貯蔵室30において、前部の上端に位置する。したがって、吹出口23と吸込口24は、貯蔵室30において、対角の位置関係にあり、互いに最も遠く離れた場所に設けられている。
通風経路F1は、吹出口23と吸込口24との間に形成される空調風が流通する通路である。貯蔵室30は、貯蔵室30に設置された板状のセパレータ部材6によって、空調風が流通可能な複数のゾーンに分けられている。複数のゾーンは、吹出口23からの空調風が吹きつけられる強制通風ゾーン30Bと、送風機21の運転により強制的に前後の圧力差を作り出すことによって強制通風ゾーン30Bを通過後の空調風を通風させる差圧通風ゾーン30Aと、を少なくとも含む。したがって、通風経路F1には、強制通風ゾーン30Bと差圧通風ゾーン30Aとが含まれている。
貯蔵室30には、前部側にセパレータ部材6Aが貯蔵室30の天井から吊り下げられるように設置され、セパレータ部材6Aよりも後部側の奥行き方向の中央でセパレータ部材6Bが貯蔵室30の天井から吊り下げられるように設置される。セパレータ部材6A、セパレータ部材6Bの上下寸法は、貯蔵室30の上下寸法よりも短いため、各セパレータ部材の下端と貯蔵室30の床面との間には、空調風が通風するのに十分な間隙が形成されている。
セパレータ部材6A、セパレータ部材6Bのそれぞれについては、貯蔵室30の天井、すなわちコンテナ3の内壁面に位置調整手段60が設けられている。また、セパレータ部材6A、セパレータ部材6Bは、総称してセパレータ部材6とも称する。位置調整手段60は、貯蔵室30においてセパレータ部材6を奥行き方向に平行移動して変位可能とする装置である。位置調整手段60は、例えば、奥行き方向に延びるレール部で構成される。位置調整手段60には、セパレータ部材6の上端部が奥行き方向に平行移動可能に取り付けられる。この機能によれば、セパレータ部材6について奥行き方向の位置を調整することができる。
また、調温貯蔵装置1は、セパレータ部材6の奥行き方向の位置が設定された後、位置調整手段60に対してセパレータ部材6を固定するロック機構を備えるようにしてもよい。このロック機構によって、セパレータ部材6が位置調整手段60に対して固定されることにより、所望の位置に変位させたセパレータ部材6が運搬中に意に反して移動してしまうことを防止できる。
以上のように設置されたセパレータ部材6Aとセパレータ部材6Bとによって、貯蔵室30は、吹出口23側から吸込口24側にかけて3つのゾーンに分けられる。この場合の荷物積載の一例を以下に説明する。吹出口23とセパレータ部材6Bとの間に形成される強制通風ゾーン30Bにはセパレータ部材6Bに接近するように調温対象物10Bが床面から積載され、セパレータ部材6Bとセパレータ部材6Aの間には調温対象物を置かないようにするのが好ましい。さらにセパレータ部材6Aと吸込口24の間に形成される差圧通風ゾーン30Aには、床面から積み上げられた調温対象物10Aが置かれる。調温対象物10A、調温対象物10Bのそれぞれは、青果を入れた多数のプラコンや段ボール箱が左右上下方向や幅方向に重ね合わせた状態で貯蔵室30に積載される荷物の塊をなす。このように貯蔵室30には、それぞれ一つの塊である二つの調温対象物がセパレータ部材6A及びセパレータ部材6Bを間に置いて離れて設置されている。
調温対象物10Aにおける最も上部の荷物と吸込口24との間には、空間が形成され、この空間は送風機21の運転により負圧空間となる。そして、セパレータ部材6Bとセパレータ部材6Aとの間の空間は、この負圧空間に対して正圧となる正圧空間30Cであるため、調温対象物10Aの前後において圧力差が作り出されることになる。また、強制通風ゾーン30Bには、吹出口23から空調風が吹き出されるため、調温対象物10Bの全体に空調風が吹きつけられる。正圧空間30Cが強制通風ゾーン30Bに比べて負圧であるため、この空調風はセパレータ部材6Bの下端下方に向けて吸引される。したがって、吹出口23から吹き出されて調温対象物10Bに吹きつけられた空気は、調温対象物10Bの上部から下部に向けて流れて調温対象物10Bの全体に行き渡り、調温対象物10Bのすべてが冷却されることになる。
調温対象物10Bを通過してその下部から正圧空間30Cに流入した空気は、前述の圧力差により、吸込口24近傍の負圧空間側に吸引されるため、セパレータ部材6Aの下端下方から差圧通風ゾーン30Aに流入する。そして、この空気は、調温対象物10Aの下部から上部に向けて流れて調温対象物10Aの全体に行き渡り、調温対象物10Aのすべてを冷却する。
以上のように、吹出口23から吹き出された空調風は、調温対象物10Bにおいて上部から下部に向けて下方に流れ、正圧空間30Cと吸込口24近傍の負圧空間との差圧により、さらに下部から正圧空間30Cを通過して調温対象物10Aの下部に流れる。さらに空調風は、吸込口24近傍の負圧空間に向けて調温対象物10Aにおいて下部から上部に流れ、この負圧空間を通過して吸込口24に吸い込まれる。このように貯蔵室30において強制通風方式と差圧通風方式とが組み合わされた通風を実現でき、通風経路F1は、貯蔵室30において搭載されたすべての調温対象物を通過する経路を形成する。
一般的に青果等の食品の予冷では5〜10℃程度に冷やすことが通常である。また、早く冷やすためにはより低い温度の冷風を作り、循環させることが好ましく、高い冷却効率が得られる。しかし、青果等の食品の場合、零下においては凍結するので品質が損なわれるため、0℃以上の冷風で冷却する必要がある。
オンオフ式の空調機の温度制御の場合、温度振れ幅が大きいため、空調風の制御温度を0℃に設定すると、マイナス側に振れることがあるので、制御温度を例えば3〜5℃とする必要がある。そこで、空調機2にはその点を鑑みてインバータを搭載し、緻密に温度制御する。これにより適切な温度の冷風で冷却を行なうことができ、冷却時間を短縮する方式を採用することができる。
また、セパレータ部材6は、通風経路F1を流通する際の空調風の風圧を受けて弾性変形する軟性を有するシートで構成することが好ましい。この場合、例えばセパレータ部材6は、薄手のビニルシートである。したがって、セパレータ部材6Aは、その下部側が上部側よりも、空調風が流れる方向、すなわち前部側に移動するように弾性変形して、セパレータ部材6Aよりも前部側に位置する調温対象物10Aに寄るようになる。
次に、この実施形態の調温貯蔵装置1と強制通風方式を用いて冷却を行う従来品とについて、調温対象物を30℃から5℃まで冷却するのに要する時間を計測した実験結果を図3を参照して説明する。また両方の品については、同等の冷却出力で調温貯蔵品を冷却する実験を実施した。
図3のグラフに示すように、従来品の場合は、調温対象物の全体を30℃から5℃まで冷却するのに、27時間の冷却時間を要する結果となった。これに対し、調温貯蔵装置1の場合は、調温対象物の全体を5℃まで冷却するのに、5.5時間の冷却時間を要する結果となり、冷却時間を短縮できることが確認できた。
調温貯蔵装置1は、吹出口23から吹き出される空調風の上下方向の吹出角度を変更可能とする風向調整手段8をさらに備える。風向調整手段8は、図4及び図5に示すように、吹出口23から貯蔵室30に流入する空気の吹き出し方向を案内する案内板5の角度を変更可能とする装置である。図4及び図5は、案内板5及び風向調整手段8を上から見た平面図であり、図4は上方への吹出角度が小さく調整された状態を示している。また、図5は上方への吹出角度が大きく調整された状態を示している。
風向調整手段8は、角度調整板80、支持板81及び固定具82等を備えて構成される。案内板5は、吹出口23に対応する位置で、吹出口23の幅方向長さ以上の幅方向長さを有する矩形状の板である。したがって、案内板5は、吹出口23の幅の全範囲にわたって設けられるものである。角度調整板80は、案内板5の背面に一体に設けられる板状部材であり、案内板5とは交差する関係の面を有する。角度調整板80には、ほぼ奥行き方向に延びる矩形状のスリット800が少なくとも2箇所貫通している。
支持板81は、角度調整板80の下側に角度調整板80に重なるように設けられる板状部材であり、角度調整板80の下面と同様の上面形状を有する。したがって、角度調整板80は、支持板81に対して円滑に摺動することができる。さらに支持板81には、角度調整板80のスリット800に対して幅方向に一致する位置に、奥行き方向に所定の間隔をあけて並ぶねじ穴810とねじ穴811が貫通している。このねじ穴は、2箇所に限定するものではなく、1箇所、または3箇所以上設けられてもよい。
固定具82は、例えば、雄ねじが形成された軸部と、軸部の一端に設けられてスリット800の幅寸法よりも大きい直径をもつ頭部と、を有するボルトである。固定具82の軸部をスリット800に挿し通して、ねじ穴810、ねじ穴811のいずれかに螺合させて締め込むと、支持板81に対する角度調整板80の奥行き方向の位置を変更することができる。
図4に図示するように、固定具82の軸部をねじ穴811に螺合させて締め込むと、角度調整板80の奥行き方向の位置を支持板81に対して前方向に移動させて固定することができ、案内板5の吹出角度を鉛直方向に対して大きい状態に設定できる。図5のように、固定具82の軸部をねじ穴810に螺合させて締め込むと、角度調整板80の奥行き方向の位置を支持板81に対して後方向に移動させて固定することができ、案内板5の吹出角度を図4の状態よりも鉛直方向に対して小さい状態に設定できる。すなわち、図5の状態は図4の状態よりも、水平に対する案内板5の角度が大きくなり案内板5が立つようになるため、調温対象物10Bに対してより上部に向けて空調風を吹き出すことができる。スリット800は、奥行き方向に長い長穴であるため、スリット800の長手方向寸法の範囲でさらに角度調整板80のスライド位置を調整可能であり、案内板5の吹出角度をさらに調整することができる。
このように調温貯蔵装置1において、案内板5による空調風の吹出角度は、荷物積載の現場や調温貯蔵装置1の出荷段階や納入段階で、風向調整手段8を操作することにより、所望の角度に調整することができる。
次に、第1実施形態の調温貯蔵装置1がもたらす作用効果について説明する。調温貯蔵装置1は、調温対象物10が収容される筐体と、筐体に一体に設置される空調機2と、セパレータ部材6、7と、を備える。貯蔵室30には、送風機21によって送風される空調風を貯蔵室30に向けて吹き出す吹出部と貯蔵室30の空調風を吸い込む吸込部との間を空調風が流れる通風経路F1が形成される。セパレータ部材6、7は、通風経路F1を複数のゾーンに分ける。セパレータ部材6、7は、吹出部から空調風が吹きつけられる強制通風ゾーン30Bと、送風機21の運転により強制的に前後の圧力差を作り出すことによって強制通風ゾーン30Bを通過後の空調風を通風させる差圧通風ゾーン30Aとを、形成する。
この調温貯蔵装置1によれば、セパレータ部材6、7によって貯蔵室30を区画することにより、強制通風ゾーン30Bと差圧通風ゾーン30Aとを形成する。これらのゾーンの形成により、強制通風方式と差圧通風方式とを兼ね備えた冷蔵機能を発揮する装置が得られる。この装置の実現により、調温対象物の冷却時間を短縮できるとともに高い冷却能力を獲得でき、さらに貯蔵室30に差圧室となるスペースを形成できる。このため、調温対象物の収容スペースを確保することにも寄与する。したがって、調温貯蔵装置1によれば、強制通風方式と差圧通風方式を併せ持つ調温機構を有し、調温対象物に関して冷却時間の短縮化、冷却能力の向上を図り、さらに装置の小型化を図ることができる。
セパレータ部材6,7は、貯蔵室30において筐体の内壁面との間に通風のためのスペースを形成するように設置される。これによれば、差圧通風の効果によって流れる空気を貯蔵室30において筐体の内壁面の近くまで行き渡らせて、貯蔵室30の全体に流れる通風経路を構築できる。この調温貯蔵装置1は、例えばセパレータ部材によって貯蔵室30に複数のゾーンを形成するとともに風の流れを意図的に操作することで、貯蔵室30において上下に蛇行する通風経路を形成できるので、収容される調温対象物を均一に冷却することに寄与する。
また、吹出口23から吹き出す空調風は、0℃から常温の範囲に制御されることが好ましい。この空調風の制御によれば、調温対象物を凍結を防ぐ温度で迅速に冷却できるので、冷却時間及び冷却効率に優れた調温貯蔵装置1を提供できる。
また、調温貯蔵装置1は、板状のセパレータ部材6を貯蔵室30において平行移動して変位可能とする位置調整手段60を備える。この構成によれば、セパレータ部材6について奥行き方向の位置を調整できるので、セパレータ部材6の前後に調温対象物を設置するためのスペースを奥行き方向について調整することができる。これにより、積載する調温対象物の大きさに合わせてセパレータ部材6の位置を調整でき、奥行き方向長さが様々な調温対象物についてセパレータ部材6との隙間を小さくして効率的に積載することができる。また、調温対象物とセパレータ部材6との隙間を小さくして積載できるので、負圧空間を効果的に形成でき、差圧通風効果を確実に発揮させることができる。
また、セパレータ部材6が空調風の風圧を受けて弾性変形する軟性を有するシートであることによれば、調温対象物とセパレータ部材6との隙間を小さくできるので、負圧空間を効果的に形成でき、差圧通風効果を確実に発揮できる調温貯蔵装置1を提供できる。
また、調温貯蔵装置1は、吹出部から吹き出される空調風の上下方向の吹出角度を変更可能とする風向調整手段8を備える。これによれば、調温対象物に対してその全体に空気が流通するように、強制通風の吹出角度を調整することができるので、強制通風の効果を高める吹出しを実施することができる。
(第2実施形態)
第2実施形態について図6を参照して説明する。第2実施形態において、第1実施形態に係る図面と同一符号を付した構成部品及び説明しない構成は、第1実施形態と同様であり、同様の作用効果を奏するものである。第2実施形態では、第1実施形態と異なる部分のみ説明する。
第2実施形態の調温貯蔵装置は、第1実施形態に対して、セパレータ部材106のみが相違する。第2実施形態のセパレータ部材106は、部分的に長さ寸法の変更を可能とする寸法調整手段を備える。セパレータ部材106は、板状の部材であり、貯蔵室30においてコンテナ3に取り付けられる本体部61と、本体部61に対してそれぞれ上下方向または幅方向に変位可能に装着される複数の寸法調整板62と、を備える。さらに本体部61は、寸法調整板62が上下方向または幅方向に変位可能に装着されるレール部63を備える。レール部63は、本体部61において、上下方向または幅方向に延びる。寸法調整手段は、寸法調整板62とレール部63とを含んで構成され、本体部61に対して、各寸法調整板62を上下方向または幅方向に変位させ、セパレータ部材の寸法を部分的に変更することを可能とする。
寸法調整板62の一例である図6に示すように、上端部側がコンテナ3に装着された本体部61の下部には、複数の寸法調整板62が幅方向に並んで装着されている。各寸法調整板62は、対応するレール部63に対して上下方向に摺動可能なように装着されている。
また、セパレータ部材106は、寸法調整板62の位置を設定した後、本体部61に対して寸法調整板62を固定するロック機構を備えるようにしてもよい。このロック機構によって、寸法調整板62が本体部61に対して固定されることにより、所望の位置に変位させた寸法調整板62が運搬中に意に反して移動してしまうことを防止できる。したがって、各寸法調整板62を本体部61に対して個別に上下方向に変位させて所望の位置に固定することができ、部分的に長さ寸法を大きくした状態でセパレータ部材106を貯蔵室30に設置することができる。
第2実施形態のセパレータ部材106によれば、寸法調整手段を備えることにより、セパレータ部材106の長さ寸法を部分的に大きくすることができる。この機能により、コンテナ3の内面とセパレータ部材106との隙間に相当する空調風の通風面積を小さくできる。例えば、図6に図示するように、幅方向の端に位置する寸法調整板62だけを貯蔵室30の床面に接触する位置まで下方に変位させると、寸法調整板62の下側には空調風の通風面積が形成されず、通風面積を小さく調整することができる。これにより、例えば図6のように、貯蔵室30の床面に接触させた寸法調整板62の前側に荷物が設置されていない場合でも、空調風のすべてが調温対象物10に直接当たるように通風路を形成できる。
逆に、長さ寸法を部分的に変更できないセパレータ部材の場合には、セパレータ部材の下方を通過する空気のうち、セパレータ部材の前側に形成される空間に空気が流れ込む。この流れ込んだ空気は、調温対象物10を通過することなく、吸込口24に吸い込まれるため、正圧空間30Cと差圧通風ゾーン30Aとの圧力差が小さくなり、差圧通風の作用を十分に得ることができない。したがって、セパレータ部材106は、その前側に積載された調温対象物10に対してすべての空調風を通過させるように、調温対象物10の位置や個数に合わせて部分的に長さ寸法を調整できるため、差圧通風方式の効果を享受できることに寄与する。
(第3実施形態)
第3実施形態について図7及び図8を参照して説明する。第3実施形態において、第1実施形態に係る図面と同一符号を付した構成部品及び説明しない構成は、第1実施形態と同様であり、同様の作用効果を奏するものである。第3実施形態では、第1実施形態と異なる部分のみ説明する。
第3実施形態の調温貯蔵装置101は、第1実施形態の調温貯蔵装置1に対して、通風経路F2が相違する。調温貯蔵装置101は、この相違点に関連して、セパレータ部材の設置箇所、調温対象物の設置場所、貯蔵室30における正圧空間の場所が調温貯蔵装置1に対して相違する。
通風経路F2は、吹出口23と吸込口24との間に形成される空調風が流通する通路である。貯蔵室30は、貯蔵室30に設置された板状のセパレータ部材6とセパレータ部材7によって、空調風が流通可能な複数のゾーンに分けられている。複数のゾーンは、強制通風ゾーン30Bと差圧通風ゾーン30Aと、を少なくとも含む。
貯蔵室30には、前部側にセパレータ部材6Aが貯蔵室30の天井から吊り下げられるように設置され、セパレータ部材6Aよりも後部側の奥行き方向の中央でセパレータ部材7Aが貯蔵室30の床面から立設するように設置される。セパレータ部材6A、セパレータ部材7Aの上下寸法は、貯蔵室30の上下寸法よりも短い。このため、セパレータ部材6Aの下端と貯蔵室30の床面との間、セパレータ部材7Aの上端と貯蔵室30の天井との間には、それぞれ空調風が通風するのに十分な間隙が形成されている。
セパレータ部材6Aについて、コンテナ3の内壁面に位置調整手段60が設けられている。セパレータ部材7Aについて、貯蔵室30の床面に、すなわちコンテナ3の内壁面に位置調整手段70が設けられている。また、セパレータ部材7Aは、総称してセパレータ部材7とも称する。位置調整手段70は、貯蔵室30においてセパレータ部材7を奥行き方向に平行移動して変位可能とする装置である。位置調整手段70は、前述の位置調整手段60と同様の構成であり、同様の作用効果を奏する。
以上のように設置されたセパレータ部材6Aとセパレータ部材7Aとによって、貯蔵室30は、吹出口23側から吸込口24側にかけて3つのゾーンに分けられる。この場合の荷物積載の一例を以下に説明する。吹出口23とセパレータ部材7Aとの間に形成される強制通風ゾーン30Bには調温対象物は置かれていない。セパレータ部材7Aとセパレータ部材6Aとの間には、両方のセパレータ部材に接近するように調温対象物10Bが床面から積載されている。さらにセパレータ部材6Aと吸込口24の間の差圧通風ゾーン30Aには、床面から積み上げられた調温対象物10Aが置かれる。このように貯蔵室30には、それぞれ一つの塊である二つの調温対象物がセパレータ部材6Aを間において接近するように設置されている。
セパレータ部材7Aと吹出口23との間の空間や、調温対象物10Bの上方の空間は、吸込口24近傍の負圧空間に対して正圧となる正圧空間を構成するため、調温対象物10A及び調温対象物10Bの前後において圧力差が作り出されることになる。吹出口23から吹き出されて調温対象物10Bに吹きつけられた空気は、調温対象物10Bの上部から下部に向けて流れて調温対象物10Bの全体に行き渡り、調温対象物10Bのすべてが冷却されることになる。さらに調温対象物10Bの下部から調温対象物10Aの下部に流入した空気は、前述の圧力差により、吸込口24近傍の負圧空間側に吸引される。このため、空気は、調温対象物10Aの下部から上部に向けて流れて調温対象物10Aの全体に行き渡り、調温対象物10Aのすべてを冷却する。
以上のように、吹出口23から吹き出された空調風は、調温対象物10Bにおいて上部から下部に向けて下方に流れ、さらに下部から調温対象物10Aの下部に流れる。さらに空調風は、調温対象物10Aにおいて下部から上部に流れ、吸込口24近傍の負圧空間を通過して吸込口24に吸い込まれる。このように貯蔵室30において強制通風方式と差圧通風方式とが組み合わされた通風を実現でき、通風経路F2は、貯蔵室30において搭載されたすべての調温対象物を通過する経路を形成する。
第3実施形態の調温貯蔵装置101によれば、セパレータ部材6A、7Aは、貯蔵室30において空調風が上下方向に蛇行して流れるように通風経路F2を複数のゾーンに分ける。これによれば、貯蔵室30において上下方向の広範囲にわたって空調風を流通させることができる。したがって、調温対象物を貯蔵室30において高く積み上げるように積載した場合でも、調温対象物のすみずみにわたって冷却時間短縮化の効果を及ぼすことができる。
(第4実施形態)
第4実施形態について図9を参照して説明する。第4実施形態において、前述の実施形態に係る図面と同一符号を付した構成部品及び説明しない構成は、前述の実施形態と同様であり、同様の作用効果を奏するものである。第4実施形態では、前述の実施形態と異なる部分のみ説明する。
第4実施形態の調温貯蔵装置201は、調温貯蔵装置1、101に対して、通風経路F3が相違する。調温貯蔵装置201は、この相違点に関連して、セパレータ部材の設置箇所、調温対象物の設置場所、貯蔵室30における正圧空間の場所が調温貯蔵装置1に対して相違する。
通風経路F3は、吹出口23と吸込口24との間に形成される空調風が流通する通路である。貯蔵室30は、貯蔵室30に設置された板状のセパレータ部材6とセパレータ部材7によって分けられた複数のゾーンとして、強制通風ゾーン30Bと差圧通風ゾーン30Aと、を少なくとも含む。
貯蔵室30には、セパレータ部材6Aとセパレータ部材6Bの間にセパレータ部材7Aが設置されている。セパレータ部材6Aの下端と貯蔵室30の床面との間、セパレータ部材6Bの下端と貯蔵室30の床面との間、セパレータ部材7Aの上端と貯蔵室30の天井との間には、それぞれ空調風が通風するのに十分な間隙が形成されている。
セパレータ部材6A、セパレータ部材6B及びセパレータ部材7Aによって、貯蔵室30は、吹出口23側から吸込口24側にかけて少なくとも3つのゾーンに分けられる。調温貯蔵装置201における荷物積載の一例を説明する。吹出口23とセパレータ部材6Bとの間に形成される強制通風ゾーン30Bには調温対象物は置かれていない。セパレータ部材6Bとセパレータ部材7Aとの間には、両方のセパレータ部材に接近するように調温対象物10Bが床面から積載されている。セパレータ部材7Aとセパレータ部材6Aとの間には、両方のセパレータ部材に接近するように調温対象物10Aが床面から積載されている。さらにセパレータ部材6Aと吸込口24の間の差圧通風ゾーン30Aには、調温対象物は置かれていない。このように貯蔵室30には、それぞれ一つの塊である二つの調温対象物がセパレータ部材7Aを間において接近するように設置されている。
セパレータ部材7Aと吹出口23との間の空間は、調温対象物10Aや調温対象物10Bの上方の空間に対して正圧となる正圧空間を構成するため、セパレータ部材6Bの前後において圧力差が作り出されることになる。また、セパレータ部材6Bとセパレータ部材7Aとの間の空間は、吸込口24近傍の空間に対して正圧となる正圧空間30Cを構成するため、セパレータ部材6Aの前後において圧力差が作り出されることになる。したがって、セパレータ部材6Aと吸込口24との間の空間は、差圧通風ゾーン30Aであるとみなすこともできる。
吹出口23から強制通風ゾーン30Bに吹き出された空気は、前述の圧力差により、セパレータ部材6Bの下端下方を通過して調温対象物10Bの下部から上部に向けて流れる。そして調温対象物10Bの全体に行き渡り、調温対象物10Bのすべてが冷却される。さらに調温対象物10Bの上部から正圧空間30Cに流出した空気は、正圧空間30Cと差圧通風ゾーン30Aとの圧力差により、調温対象物10Aの上部に流入し、吸込口24近傍の負圧空間側に吸引される。このため、空気は、調温対象物10Aの上部から下部に向けて流れて調温対象物10Aの全体に行き渡り、調温対象物10Aのすべてを冷却する。
以上のように、吹出口23から吹き出された空調風は、調温対象物10Bにおいて下部から上部に向けて上方に流れ、さらに正圧空間30Cを経て調温対象物10Aの上部に流れる。さらに空調風は、調温対象物10Aにおいて上部から下部に流れた後、差圧通風ゾーン30Aに流出し、吸込口24近傍の負圧空間を通過して吸込口24に吸い込まれる。このように貯蔵室30において強制通風方式と差圧通風方式とが組み合わされた通風を実現でき、通風経路F3は、貯蔵室30において搭載されたすべての調温対象物を通過する経路を形成する。
第4実施形態の調温貯蔵装置201によれば、セパレータ部材6A、6B、7Aは、貯蔵室30において空調風が上下方向に蛇行して流れるように通風経路F3を複数のゾーンに分ける。調温貯蔵装置201は、第3実施形態の調温貯蔵装置101と同様の作用効果を奏することができる。
(第5実施形態)
第5実施形態について図10を参照して説明する。第5実施形態において、前述の実施形態に係る図面と同一符号を付した構成部品及び説明しない構成は、前述の実施形態と同様であり、同様の作用効果を奏するものである。第5実施形態では、前述の実施形態と異なる部分のみ説明する。
第5実施形態の調温貯蔵装置301は、第4実施形態の調温貯蔵装置201に対して、強制通風ゾーン30Bに調温対象物10Cを積載した点が相違する。したがって、通風経路F4は、強制通風ゾーン30Bにおいて調温対象物10Cを通過する空気の流れとなる。強制通風ゾーン30Bには、吹出口23から案内板5に風向を制御された空気が吹き出されるため、調温対象物10Bの全体に空調風が吹きつけられる。正圧空間30Cが強制通風ゾーン30Bに比べて負圧であるため、この空気はセパレータ部材6Bの下端下方を通過するように吸引される。したがって、調温対象物10Bに吹きつけられた空気は、調温対象物10Bの上部から下部に向けて流れて調温対象物10Bの全体に行き渡り、調温対象物10Bのすべてが冷却される。
(第6実施形態)
第6実施形態について図11を参照して説明する。第6実施形態において、前述の実施形態に係る図面と同一符号を付した構成部品及び説明しない構成は、前述の実施形態と同様であり、同様の作用効果を奏するものである。第6実施形態では、前述の実施形態と異なる部分のみ説明する。
第6実施形態の調温貯蔵装置401は、第1実施形態の調温貯蔵装置1に対して、調温対象物10A及び調温対象物10Bのそれぞれについて奥行き方向に複数の荷物を並べた構成とする点で相違する。したがって、通風経路F5において、調温対象物10Bに吹きつけられた空気は、前後に並ぶ複数列の調温対象物10Bのそれぞれにおいて平行に上部から下部に流れて複数列の調温対象物10Bの全体に行き渡ることになる。また、セパレータ部材6Aの下端下方から差圧通風ゾーン30Aに流入した空気は、前後に並ぶ複数列の調温対象物10Aのそれぞれにおいて平行に下部から上部に流れて調温対象物10Aの全体に行き渡ることになる。
(第7実施形態)
第7実施形態について図12を参照して説明する。第7実施形態において、前述の実施形態に係る図面と同一符号を付した構成部品及び説明しない構成は、前述の実施形態と同様であり、同様の作用効果を奏するものである。第7実施形態では、前述の実施形態と異なる部分のみ説明する。
第7実施形態の調温貯蔵装置501は、第6実施形態の調温貯蔵装置401に対して、強制通風ゾーン30Bに調温対象物を置かない構成とする点で相違する。したがって、吹出口23から強制通風ゾーン30Bに吹き出された空気は、前述の圧力差により、セパレータ部材6Aの下端下方を通過して調温対象物10Aの下部から上部に向けて流れる。そして調温対象物10Aの全体に行き渡り、調温対象物10Aのすべてが冷却される。
(他の実施形態)
以上、開示された発明の好ましい実施形態について説明したが、開示された発明は上述した実施形態に何ら制限されることなく、種々変形して実施することが可能である。上記実施形態の構造は、あくまで例示であって、開示された発明の技術的範囲はこれらの記載の範囲に限定されるものではない。開示された発明の技術的範囲は、特許請求の範囲の記載によって示され、さらに特許請求の範囲の記載と均等の意味及び範囲内での全ての変更を含むものである。
前述の実施形態において、案内板5は、その傾き角度が風向調整手段8によって変更可能であるが、案内板5は傾き角度が変更できないものとして調温貯蔵装置1に装備されてもよい。この場合、案内板5による吹出角度は、調温貯蔵装置1の製造段階で固定の角度であり、荷物積載の現場や出荷段階で角度調整できないようになっている。
前述の実施形態における、風向調整手段8、寸法調整手段、位置調整手段60は、図面を参照して説明した構成に限定するものではない。風向調整手段8、寸法調整手段、位置調整手段60は、それぞれの機能を発揮できる構成であれば他の機械的構成を採用することができる。
1…調温貯蔵装置、 2…空調機
3…コンテナ(筐体)、 6,7…セパレータ部材
10…調温対象物、 21…送風機
23…吹出口(吹出部)、 24…吸込口(吸込部)
30…貯蔵室
30A…差圧通風ゾーン、 30B…強制通風ゾーン
F1…通風経路

Claims (8)

  1. 運搬される調温貯蔵装置(1)であって、
    調温対象物(10)が収容される貯蔵室(30)を内部に有する筐体(3)と、
    前記筐体に一体に設置されて、送風機(21)によって前記貯蔵室に送風される空調風をつくる空調機(2)と、
    前記送風機によって送風された前記空調風を前記貯蔵室に向けて吹き出す吹出部(23)と前記貯蔵室の前記空調風を吸い込む吸込部(24)との間を前記空調風が流れる通風経路(F1)を複数のゾーンに分けるセパレータ部材(6,7)と、
    を備え、
    前記セパレータ部材は、前記吹出部からの前記空調風が吹きつけられる強制通風ゾーン(30B)と、前記送風機の運転により強制的に前後の圧力差を作り出すことによって前記強制通風ゾーンを通過後の前記空調風を通風させる差圧通風ゾーン(30A)とを、前記貯蔵室における前記通風経路に形成することを特徴とする調温貯蔵装置。
  2. 前記セパレータ部材は、前記貯蔵室において前記筐体の内壁面との間に通風のためのスペースを形成するように設置されることを特徴とする請求項1に記載の調温貯蔵装置。
  3. 前記吹出部から吹き出す前記空調風は、0℃から常温の範囲に制御されることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の調温貯蔵装置。
  4. 前記セパレータ部材は、板状の部材であり、
    前記セパレータ部材を部分的に長さ寸法の変更を可能とする寸法調整手段(62,63)を備え、
    前記寸法調整手段によって前記セパレータ部材の長さ寸法を部分的に大きくすることにより、前記筐体の内面と前記セパレータ部材との隙間に相当する前記空調風の通風面積が小さくなることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の調温貯蔵装置。
  5. 前記セパレータ部材は、板状の部材であり、
    前記セパレータ部材を前記貯蔵室において平行移動して変位可能とする位置調整手段(60)を備えることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の調温貯蔵装置。
  6. 前記セパレータ部材は、前記貯蔵室において前記空調風が上下方向に蛇行して流れるように前記通風経路を複数のゾーンに分けることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の調温貯蔵装置。
  7. 前記セパレータ部材は、前記空調風の風圧を受けて弾性変形する軟性を有するシートであることを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の調温貯蔵装置。
  8. 前記吹出部から吹き出される前記空調風の上下方向の吹出角度を変更可能とする風向調整手段(8)を備えることを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の調温貯蔵装置。
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