JP2016160197A - 毛髪化粧料 - Google Patents

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Abstract

【課題】シャンプー洗髪後に髪に適用した後洗い流すことにより、濡れた髪を絡まりなくばらけさせることで短時間に乾燥させることができ、乾燥後の髪はべたつくことなく、髪のさらさら感としっとり感とを両立させることができる毛髪化粧料を提供する。【解決手段】成分(A)特定の第3級アミン化合物またはその塩 0.1質量%以上10質量%以下、成分(B)高級アルコール 1質量%以上10質量%以下、成分(C)メチルトリメチコン 0.05質量%以上15質量%以下、成分(D)特定の有機溶剤 0.01質量%以上30質量%以下、および水を含有し、水で20質量倍に希釈した時の25℃におけるpHが2〜6である、毛髪化粧料。【選択図】なし

Description

本発明は、毛髪化粧料に関する。
近年、ヘアカラー、パーマ等の化学施術に加え、若年層の女性を中心に習慣化してきているヘアアイロン、ドライヤー等の熱を利用したヘアセットなどによる毛髪のダメージが深刻化している。毛髪ダメージは、毛髪表面を覆う脂肪酸である18−MEA(18−メチルエイコサン酸)の喪失を伴い、毛髪表面の親水化と共に、表面摩擦の増大を引き起こすことが知られている。そのため、毛髪を処理前の滑らかな感触に戻すため、第3級アミン化合物と高級アルコールとを組み合わせた毛髪化粧料がコンディショニング剤として利用されている。
たとえば、特許文献1(特開2004−67534号公報)には、特定の第3級アミン化合物と高級アルコールとを組み合わせた毛髪化粧料に、特定の有機溶剤をpHが2〜6の酸性下で含有させることで、カラーリング、ドライヤー乾燥等の際に毛髪内部に発生した空洞を修復するまたはその発生を抑止する効果に優れるとともに、塗布からすすぎにかけてのつるつるとした平滑感、柔軟で滑らかな感触を与える効果に優れることが記載されている。
また、特許文献2(特開2006−290796号公報)には、アミドアミンと高級アルコールとを組み合わせた毛髪化粧料において、特定の長さの炭化水素鎖長を有するアミドアミンに対し特定量の有機酸を使用することで、カラーリングやドライヤー乾燥等による毛髪損傷を修復、抑止しながら、毛髪に塗布してから洗い流す濯ぎ時に亘って、充分な滑らかなコート感を与え、更にダメージヘアにも滑らかでまとまりのある仕上がり感を付与できることが記載されている。
また、特許文献3(特開2006−265205号公報)には、揮発性シリコーンであるM3T(メチルトリメチコン)、不揮発性シリコーン誘導体およびカチオン界面活性剤を組み合わせた洗い流さないタイプのヘアコンディショニング組成物が開示されている。特許文献3には、このヘアコンディショニング組成物が、乾いた毛髪に塗布した後の乾燥が速く、毛髪にさらさらとした感触と柔軟性を付与する効果に優れるものであることが記載されている。
特開2004−67534号公報 特開2006−290796号公報 特開2006−265205号公報
一方、ダメージを受けて親水化した毛髪は、洗髪後、乾きにくくなり、ドライヤーなどによる乾燥に長時間要することとなり、消費者の体力的負担になっている。また、濡れて柔らかくなったダメージ毛は絡まりやすく、ドライヤー乾燥中に生じるひっかかりは更なるダメージの蓄積と消費者の心理的負担になっている。
しかしながら、特許文献1および2に記載の技術では、毛髪に残留した油剤によって、つるつるとした平滑感、充分な滑らかなコート感を与え、更にダメージヘアにも滑らかでまとまりのある仕上がり感が得られるものの、濡れた髪が、早く乾燥することについては記載がない。
また、特許文献3には、ヘアコンディショニング組成物を毛髪に塗布した後の乾燥が速いことが記載されている。当該文献に具体的に開示されたヘアコンディショニング組成物は洗い流さないタイプのみであり、当該文献に記載の「塗布後は乾燥が速い」という効果も、ヘアコンディショニング組成物自体の乾燥が速いということである。従って、当該文献には、毛髪に塗布後、それ自体が洗い流されてしまうタイプの毛髪化粧料を使用した後の乾燥の速さに関してはまったく示唆されていない。
従って本発明は、シャンプー洗髪後に髪に適用した後洗い流すことにより、濡れた髪を絡まりなくばらけさせることで短時間に乾燥させることができ、乾燥後の髪はべたつくことなく、髪のさらさら感としっとり感とを両立させることができる毛髪化粧料を提供する。
本発明者の検討によれば、洗髪後の髪の乾燥速度を高める因子としては、「髪のばらけ」が重要である。すなわち、髪がばらけることによって、タオルドライ時には髪とタオルとの接触面積が増大して髪の水分がタオルに速く吸収されることになる。またドライヤー乾燥時にはもちろんのこと、自然乾燥時にも、空気との接触面積が増大して髪の水分が速く蒸散することになる。
そして、本発明者は、ヘアリンス、ヘアコンディショナー等のシャンプー後に使用される洗い流すタイプの毛髪化粧料において、揮発性シリコーンであるメチルトリメチコンは、髪の絡まりをほぐしながら毛髪上の付着成分による粘着性を弱めることができ、処理後の濡れ髪が極めてばらけやすくなり、髪の絡まりが少なく乾燥速度を飛躍的に向上させることができることを見出し、本発明に至った。
本発明は、次の成分(A)〜(D)および水を含有し、水で20質量倍に希釈した時の25℃におけるpHが2〜6である、毛髪化粧料を提供するものである。
(A)下記一般式(1)で表される第3級アミン化合物またはその塩 0.1質量%以上10質量%以下
Figure 2016160197
(上記一般式(1)中、R1は総炭素数8〜35の−O−、−OCO−、−COO−もしくは−CONH−で表される官能基で分断または−OHで置換されていてもよい直鎖もしくは分岐鎖のアルキル基、アルケニル基、または脂肪族アシルオキシ(ポリエトキシ)エチル基を示し、R2およびR3は炭素数1〜22のアルキル基もしくはヒドロキシアルキル基、または合計付加モル数10以下のポリオキシエチレン基を示し、R2およびR3は同一でも異なってもよい。)
(B)高級アルコール 1質量%以上10質量%以下
(C)メチルトリメチコン 0.05質量%以上15質量%以下
(D)次の(D1)および(D2)からなる群から選ばれる1種以上の有機溶剤 0.01質量%以上30質量%以下
(D1)下記一般式(5)で表される芳香族アルコール
Figure 2016160197
(上記一般式(5)中、R13は水素原子、メチル基またはメトキシ基を示し、Y3は単結合または炭素数1〜3の直鎖もしくは分岐鎖のアルキレン基もしくはアルケニレン基を示し、Zは水素原子または水酸基を示し、rおよびsはそれぞれ0〜5の数を示す。)
(D2)分子量100〜1000のポリプロピレングリコール
また、本発明によれば、上記本発明における毛髪化粧料を毛髪に塗布し、水で洗い流すステップを含む、毛髪処理方法が提供される。
本発明によれば、シャンプー洗髪後に髪に適用した後洗い流すことにより、濡れた髪を絡まりなくばらけさせることで短時間に乾燥させることができ、乾燥後の髪はべたつくことなく、髪のさらさら感としっとり感とを両立させることができる。
以下、本発明の実施の形態について、各成分の具体例を挙げて説明する。なお、各成分はいずれも単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。
〔成分(A):第3級アミン化合物またはその塩〕
成分(A)としては、下記一般式(1)で表される第3級アミン化合物が挙げられる。
Figure 2016160197
(上記一般式(1)中、R1は総炭素数8〜35の−O−、−OCO−、−COO−もしくは−CONH−で表される官能基で分断または−OHで置換されていてもよい直鎖もしくは分岐鎖のアルキル基、アルケニル基、または脂肪族アシルオキシ(ポリエトキシ)エチル基を示し、R2およびR3は炭素数1〜22のアルキル基もしくはヒドロキシアルキル基、または合計付加モル数10以下のポリオキシエチレン基を示し、R2およびR3は同一でも異なってもよい。)
一般式(1)で表される第3級アミン化合物としては、第3級アミンを有機酸によって塩としたものを用いてもよいし、本実施形態の毛髪化粧料に酸を配合して、pH調整剤と共に組成物中で塩を形成させてもよい。かかる酸としては、たとえば、アルキルリン酸、アルキルスルホン酸、アルキル硫酸等の短鎖アルキル基を有する酸;L−グルタミン酸、L−アスパラギン酸等の酸性アミノ酸;ピログルタミン酸;安息香酸、p−トルエンスルホン酸等の芳香族酸;グリコール酸、乳酸、グリセリン酸、グルコン酸、パントテン酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸等のヒドロキシ酸;その他酢酸、コハク酸などが挙げられる。中でも毛髪に対する保湿および柔軟化効果をもたらす点から、有機酸が好ましく、殊に、酸性アミノ酸、ピログルタミン酸、ヒドロキシ酸が好ましく、ヒドロキシ酸がより好ましい。
本実施形態において、有機酸の含有量は、毛髪の潤滑性を維持する観点から、成分(A)のアミン当量に対して、好ましくは1〜10モル倍であり、より好ましくは1〜6モル倍である。
成分(A)のより具体的な例としては、以下の(i)〜(iii)の第3級アミン化合物およびその塩等の少なくともいずれか1つが挙げられる。
(i)ヒドロキシエーテルアルキルアミンまたはその塩
たとえば下記一般式(2)で表される化合物およびその塩が挙げられる。
Figure 2016160197
(上記一般式(2)中、R4は、炭素数6〜24の直鎖または分岐鎖のアルキル基またはアルケニル基を示し、R5およびR6は、同一または相異なって炭素数1〜6のアルキル基または−(AO)fH(Aは炭素数2〜4のアルキレン基、fは1〜6の数を示し、f個のAは同一でも異なってもよく、その配列は任意である)を示す。eは1〜5の数を示す。)
具体的には、ヘキサデシルオキシ(2−ヒドロキシプロピル)ジメチルアミンおよびその塩、オクタデシルオキシ(2−ヒドロキシプロピル)ジメチルアミンおよびその塩が挙げられる。
(ii)エーテルアミンまたはその塩
たとえば下記一般式(3)で表される化合物またはその塩が挙げられる。
Figure 2016160197
(上記一般式(3)中、R7は、炭素数6〜24の直鎖または分岐鎖のアルキル基またはアルケニル基を示し、R8およびR9は、同一または相異なって炭素数1〜6のアルキル基または−(AO)gH(Aは炭素数2〜4のアルキレン基を示し、gは1〜6の数を示し、g個のAは同一でも異なってもよく、その配列は任意である)を示す。)
具体的には、N,N−ジメチル−3−ヘキサデシルオキシプロピルアミンおよびその塩、N,N−ジメチル−3−オクタデシルオキシプロピルアミン(以下、「ステアロキシプロピルジメチルアミン」とも呼ぶ。)およびその塩が挙げられる。
(iii)アルキルアミドアミンまたはその塩
たとえば下記一般式(4)で表される化合物またはその塩が挙げられる。
Figure 2016160197
(上記一般式(4)中、R10は炭素数11〜23の脂肪族炭化水素基を示し、R11およびR12は同一または異なって、炭素数1〜4のアルキル基を示し、nは2〜4の数を示す。)
具体的には、N−(3−(ジメチルアミノ)プロピル)ドコサナミドおよびその塩、N−(3−(ジメチルアミノ)プロピル)ステアラミド(以下、「ステアラミドプロピルジメチルアミン」とも呼ぶ。)およびその塩が挙げられる。
上記の第3級アミン化合物から選ばれる好ましい成分(A)としては、塗布時、すすぎ時の滑らかさの観点から(ii)エーテルアミンまたはその塩、(iii)アルキルアミドアミンまたはその塩が好ましい。
その中でも、(ii)エーテルアミンまたはその塩がより好ましく、殊に、N,N−ジメチル−3−ヘキサデシルオキシプロピルアミンまたはその塩、N,N−ジメチル−3−オクタデシルオキシプロピルアミンまたはその塩が好ましい。
成分(A)は、1種単独で用いても2種以上を併用してもよく、またその含有量は、塗布時からすすぎ時までの滑らかさ、指通りの良さの観点から、3級アミンとして毛髪化粧料全体に対して0.1質量%以上であり、好ましくは0.2質量%以上、より好ましくは0.5質量%以上であり、また、10質量%以下であり、好ましくは5質量%以下である。
〔成分(B):高級アルコール〕
成分(B)の高級アルコールとして、具体的には、炭素数が12〜28であり水酸基の数が1であるものが挙げられる。
成分(B)として、炭素数12〜28のアルキル基を有するものが好ましく、より好ましくは炭素数16〜24、さらに好ましくは18〜22のアルキル基を有するものであり、また、このアルキル基は直鎖アルキル基であるのが好ましい。
成分(B)として、さらに具体的には、セチルアルコール、ステアリルアルコール、アラキルアルコール、ベヘニルアルコールが挙げられ、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコールがさらに好ましい。成分(B)の高級アルコールは、好ましくは水酸基を1つ含むものであり、水酸基を2以上含まない。
成分(B)の高級アルコールは、2種以上を併用してもよい。
成分(B)の含有量は、滑らかさ、使いやすさ、安定性等の向上の観点から、毛髪化粧料全体に対して1質量%以上であり、好ましくは2質量%以上であり、また、10質量%以下であり、好ましくは5質量%以下である。
本実施形態の毛髪化粧料において、成分(A)に対する成分(B)のモル比((B)/(A))は、たとえば6以下であってもよく、好ましくは5以下である。また、モル比((B)/(A))は、乾燥時の毛髪のばらけやすさを向上させる観点から、好ましくは0.2以上であり、より好ましくは1以上であり、また、好ましくは3未満であり、より好ましくは2.5以下である。なお、成分(A)は、3級アミンとしての量で検討される。
〔成分(C):メチルトリメチコン〕
成分(C)のメチルトリメチコンは、化学式[(CH3)3SiO]3SiCH3で表され、「M3T」とも称されるシリコーンである。本実施形態において、成分(C)は毛髪の絡まりをほぐしながら、毛髪間の接着を抑制し、乾燥過程においてフワッと軽い感触を与える機能を有する。メチルトリメチコンの市販品としては、たとえば、信越化学工業社製のTMF−1.5が挙げられる。
本実施形態の毛髪化粧料における成分(C)の含有量は、毛髪間の接着を抑制する観点から、毛髪化粧料全体に対して0.05質量%以上であり、好ましくは0.1質量%以上である。また、すすぎ時のきしみ抑制、乾燥後のべたつき抑制の観点から、毛髪化粧料全体に対して15質量%以下であり、好ましくは5質量%以下、より好ましくは2質量%以下である。
本実施形態の毛髪化粧料中、成分(C)に対する成分(B)の質量比((B)/(C))は、乾燥後の毛髪の滑らかさ、べたつきの抑制の観点から、0.1以上であることが好ましく、より好ましくは0.2以上、さらに好ましくは0.5以上であり、また、上限は、50以下であることが好ましく、より好ましくは25以下、さらに好ましくは10以下である。
〔成分(D):有機溶剤〕
成分(D)の有機溶剤としては、以下の(D1)および(D2)からなる群から選ばれる1種以上の有機溶剤が挙げられる。
(D1)下記一般式(5)で表される芳香族アルコール
Figure 2016160197
(上記一般式(5)中、R13は水素原子、メチル基またはメトキシ基を示し、Y3は単結合または炭素数1〜3の直鎖もしくは分岐鎖のアルキレン基もしくはアルケニレン基を示し、Zは水素原子または水酸基を示し、rおよびsはそれぞれ0〜5の数を示す。)
成分(D1)の芳香族アルコールとしては、ベンジルアルコール、シンナミルアルコール、フェネチルアルコール、p−アニシルアルコール、p−メチルベンジルアルコール、フェノキシエタノール、2−ベンジルオキシエタノール等が好ましい。これらのうち、毛髪に塗布時やすすぎ時の滑らかさ、柔軟性の観点から、ベンジルアルコール、2−ベンジルオキシエタノールがより好ましい。
(D2)分子量100〜1000のポリプロピレングリコール
成分(D2)のポリプロピレングリコールとしては、毛髪に塗布時やすすぎ時の滑らかさ、柔軟性の観点から、分子量100〜700のものが好ましく、ジプロピレングリコールがより好ましい。
成分(D)としては、2種以上を併用してもよい。
成分(D)の含有量は、成分(A)および(B)が作る構造体を弱め、濯ぐ過程で毛髪化粧料を毛髪上に残し過ぎず、ばらけやすくする観点から、本実施形態の毛髪化粧料全体に対して0.01質量%以上であり、好ましくは0.1質量%以上、より好ましくは0.2質量%以上であり、また、30質量%以下であり、好ましくは20質量以下%、より好ましくは10質量%以下である。
〔水〕
本実施形態の毛髪化粧料は、媒体として水を含有する。水としては、イオン交換水や蒸留水等を用いることができる。水の含有量は、たとえば毛髪化粧料中の成分(A)〜(D)およびその他成分の残量となる。
〔その他の任意成分〕
本実施形態の毛髪化粧料には、上述した成分以外の成分として、更に、毛髪化粧料に一般に使用されるその他の成分を、目的に応じて配合することができる。
たとえば、ジメチルポリシロキサン、環状シリコーン、アミノ変性シリコーン、ジメチコノール、ポリエーテル変性シリコーン、ポリグリシドール変性シリコーン、メチルフェニルポリシロキサン、脂肪酸変性シリコーン、アルコール変性シリコーン、アルコキシ変性シリコーン、エポキシ変性シリコーン、フッ素変性シリコーン、アルキル変性シリコーン等の成分(C)以外のシリコーン類;カチオン化セルロース、ヒドロキシ化セルロース、高重合ポリエチレンオキサイド等の高分子化合物;ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、グリセリンモノ脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ショ糖脂肪酸エステル、ポリグリセリンアルキルエーテル、脂肪酸アルカノールアミド、アルキルグリコシド等の非イオン界面活性剤;スクワレン、スクワラン、流動パラフィン、流動イソパラフィン、シクロパラフィン等の炭化水素;ヒマシ油、カカオ油、ミンク油、アボカド油、オリーブ油等のグリセリド類;ミツロウ、鯨ロウ、ラノリン、カルナウバロウ等のロウ類;パルミチン酸イソプロピル、ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸オクチルドデシル、ラウリン酸ヘキシル、乳酸セチル、モノステアリン酸プロピレングリコール、オレイン酸オレイル、2−エチルヘキサン酸ヘキサデシル、イソノナン酸イソノニル、イソノナン酸トリデシル等のエステル;カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘニン酸、オレイン酸、ヤシ油脂肪酸、イソステアリル酸、イソパルミチン酸等の高級脂肪酸、イソステアリルグリセリルエーテル、ポリオキシプロピレンブチルエーテルなどの油剤;ジンクピリチオン、塩化ベンザルコニウム等の抗フケ剤;pH調整剤;ビタミン剤;殺菌剤;抗炎症剤;防腐剤;キレート剤;パンテノール等の保湿剤;染料、顔料等の着色剤;ユーカリの極性溶媒抽出物、真珠層を有する貝殻または真珠から得られる蛋白質またはその加水分解物、シルクから得られる蛋白質またはその加水分解物、マメ科植物の種子から得られる蛋白含有抽出物、オタネニンジン抽出物、米胚芽抽出物、ヒバマタ抽出物、ツバキ抽出物、アロエ抽出物、月桃葉抽出物、クロレラ抽出物等のエキス類;雲母チタン等のパール粉体;メントール等の清涼剤:香料;色素;紫外線吸収剤;酸化防止剤;その他エンサイクロペディア・オブ・シャンプー・イングリーディエンツ(ENCYCLOPEDIA OF SHAMPOO INGREDIENTS (MICELLE PRESS))に記載されている成分等が挙げられる。
〔pH〕
本実施形態の毛髪化粧料のpHは、2以上であり、2.5以上が好ましく、また、6以下であり、5.5以下が好ましく、5以下がより好ましく、4.5以下がさらに好ましい。なお、本実施形態において、毛髪化粧料のpHは、水で20質量倍希釈したときの25℃における値をいう。
次に、毛髪化粧料の製造方法を説明する。
本実施形態において、毛髪化粧料は、たとえば、成分(A)、(B)および(D)を含有する油相を準備し、成分(B)の融点以上に加熱する工程と、
成分(B)の融点以上に加熱した水相に、上記油相を均一混合し、乳化物を得る工程と、
成分(C)を、当該乳化物が室温まで冷却する過程で混合し、分散する工程と、
当該乳化物を室温まで冷却する工程と、
を含む。
以上の手順により得られる毛髪化粧料においては、成分(A)の第3級アミン化合物またはその塩が毛髪に効率よく残留するとともに、成分(C)のシリコーンにより滑り性が向上する。
また、本実施形態の毛髪化粧料では、成分(A)〜(D)および水を組み合わせて用いるとともに、成分(A)〜(D)を特定の割合で用いることにより、水で濡れた毛髪がタオルドライから乾燥の間に絡まることが抑えられて、毛髪間のばらけを促進し乾燥時間を短縮することができる。
ここで、コンディショナー等の毛髪化粧料において、コンディショニング成分を配合することにより、毛髪の潤滑性を向上させることができるため、毛髪の交叉やもつれ等を抑制し、絡まないようにする効果が向上する。一方、コンディショニング成分の添加により、毛髪間の粘着性が向上するため、毛髪同士が離れてばらばらになることも抑制されて、毛髪の乾燥し易さは抑えられる。
つまり、毛髪化粧料に配合される潤滑成分は粘着性を有するため、潤滑成分による毛髪への潤滑性の付与と、毛髪間の粘着性の抑制とは、トレードオフの関係にあった。
これに対し、本実施形態により、毛髪への潤滑性の付与と非粘着性の付与とを両立させることができる。さらに具体的には、成分(A)、(B)および(D)を組み合わせて毛髪同士が離れやすいようにしつつ、成分(C)を毛髪に最少限残留させることにより、タオルドライ時やドライヤー等による乾燥中等の濡れた毛髪の絡みを効果的に抑制することができるとともに、毛髪同士の粘着を好適に抑制して毛髪同士のばらけ性を向上させることができる。このため、たとえば使用者が実感できる速乾性と絡まり防止効果とを得ることが可能となる。
また、本実施形態における毛髪化粧料を用いることより、乾燥後の髪のべたつきを抑制しつつ、髪のさらさら感としっとり感とを両立させることができる。
また、本実施形態の毛髪化粧料は、毛髪に適用後、洗い流して使用されるものであり、たとえば、ヘアリンス、ヘアコンディショナー、ヘアトリートメント、ヘアパック等の浴室内で使用されるものが挙げられる。
本実施形態の毛髪化粧料を用いて毛髪のコンディショニング処理をおこなうには、本実施形態の毛髪化粧料を毛髪に塗布した後、水で洗い流せばよい。これにより、すすぎ後のタオルドライ時には毛束がばらけやすくなり、濡れた髪を短時間で乾燥させることができ、乾燥後の髪にさらさら感としっとり感を付与することができる。
以上、本発明の実施形態について述べたが、これらは本発明の例示であり、上記以外の様々な構成を採用することもできる。
(実施例1〜6および比較例1〜6)
表1および2に示す組成のヘアコンディショナーを調製し、以下の方法および基準に従って、その評価をおこなった。
(コンディショナーの調製方法)
成分(A)、(B)および(D)を80℃で溶融混合し、油相を調製した。
そして、80℃に加温したイオン交換水に得られた油相を加えて均一混合し、乳化物を得た。
得られた乳化物を室温まで冷却する過程で、成分(C)を添加して分散させた。
この乳化物を室温まで冷却し、ヘアコンディショナー組成物を得た。
(pH測定方法)
pHは試料を精製水で20質量倍に希釈し、撹拌溶解したのち、東亜ディーケーケー社製のpH計(HM−30R型)を用い、25℃にて測定した。
(評価)
(毛束のバラけやすさ)
6cm×6cm角の範囲に200本/cm2の密度、生え角60°で、長さ30cmの毛髪を植毛した毛髪トレスを、市販のブリーチ剤(花王社製、泡カラーハイブリーチ)でブリーチ処理(毛髪の5質量倍のブリーチ剤を塗布し、30分間室温で処理)を2回行い、毛束のバラけやすさの評価に用いた。作製した毛髪トレスを後述する処方のプレーンシャンプーで2回洗ってから、表1および2に記載のコンディショナー1gを塗布し、水道水ですすいだ。すすぎ後、含水量が10gとなるように調整した毛髪トレスの上に、ペーパータオル(大王製紙社製、エリエールプロワイプ)、アクリル板、錘(アクリル板と錘の総重量1.3kg)を順に乗せ、余分な水分を除去した。
水分を除去したトレスに指を通したときの毛束のほぐれやすさ、小さい毛束の出来やすさをタオルドライ時の「バラけやすさ」とし、研究員5名で官能評価を実施した。評価は以下の5段階で行い、5名の合計点を算出した。
5:とてもバラけやすい
4:バラけやすい
3:ややバラけやすい(どちらともいえない)
2:ややバラけにくい
1:バラけにくい
(乾燥中の絡まりにくさ)
上述したトレスを用い、毛束のバラけやすさの評価方法に準じてサンプル処理してペーパータオルにて余分な水分を除去した。
次に、毛髪トレスを下向きに設置し、ドライヤー(National社製 TURBODRY1300)の吹き出し口から毛髪中心部までの距離が25cmで、温風が約45°斜め上から当たるよう、ドライヤーと毛髪トレスを固定し、4秒に1回ずつ指を通しながらドライヤー乾燥を行った。この際、完全に乾燥するまでの「絡まりにくさ」について研究員5名で官能評価を行った。評価は以下の5段階で行い、5名の合計点を算出した。
5:絡まらない
4:ほとんど絡まらない
3:どちらでもない
2:やや絡まりやすい
1:絡まりやすい
(さらさら感)
上述したトレスを用い、毛束のバラけやすさの評価方法に準じてサンプル処理した後、毛先が下向きになるようにしてドライヤーで完全に乾燥させた。完全に乾燥したのち、トレスに指を通したときの滑らかさ、軽やかさ、毛束同士が付着せずバラバラになりやすい感じを「さらさら感」とし、官能評価を研究員5名で実施した。評価は以下の5段階で行い、5名の合計点を算出した。
5:さらさら感がとてもある
4:さらさら感がある
3:ややさらさら感がある
2:あまりさらさら感がない
1:さらさら感がない
(しっとり感)
上述したトレスを用い、毛束のバラけやすさの評価方法に準じてサンプル処理した後、毛先が下向きになるようにしてドライヤーで完全に乾燥させた。完全に乾燥したのち、トレスに指を通した時の「しっとり感」について、研究員5名で官能評価を行った。評価は以下の5段階で行い、5名の合計点を算出した。
5:しっとり感がとてもある
4:しっとり感がある
3:ややしっとり感がある
2:あまりしっとり感がない
1:しっとり感がない
(べたつかない感じ)
上述したトレスを用い、毛束のバラけやすさの評価方法に準じてサンプル処理した後、毛先が下向きになるようにしてドライヤーで完全に乾燥させた。完全に乾燥したのち、トレスに指を通した時の油っぽくない感じを「べたつかない感じ」とし、研究員5名で官能評価を行った。評価は以下の5段階で行い、5名の合計点を算出した。
5:べたつかない感じがとてもする
4:べたつかない感じがする
3:ややべたつかない感じがする
2:あまりべたつかない感じがしない
1:べたつかない感じがしない
(乾いたと感じられるまでの時間)
上述したトレスを用い、毛束のバラけやすさの評価方法に準じてサンプル処理してペーパータオルにて余分な水分を除去した。
次に、毛髪トレスを下向きに設置し、ドライヤー(National社製 TURBODRY1300)の吹き出し口から毛髪中心部までの距離が25cmになるよう、ドライヤー(温風モード、風量:最弱)と毛髪トレスを固定し、4秒に1回ずつ指を通しながらドライヤー乾燥をおこなった。この際、ドライヤー乾燥開始から、毛髪が完全に乾いたと研究員が判断できるまでの時間を計測し、速乾性評価とした。
表1および表2に記載のコンディショナーで処理した毛髪について、乾燥時間が300秒以下を合格とした。
プレーンシャンプーの処方(pH7.0)
25%ポリオキシエチレン(2.5)ラウリルエーテル硫酸ナトリウム塩 62.0質量%
ラウリン酸ジエタノールアミド 2.3質量%
エデト酸二ナトリウム 0.15質量%
安息香酸ナトリウム 0.5質量%
塩化ナトリウム 0.8質量%
75%リン酸 適量
香料、メチルパラベン 微量
精製水 残量
合計 100質量%
Figure 2016160197
Figure 2016160197
表1および表2中、各成分として以下のものを用いた。
*1 メチルトリメチコン:TMF−1.5、信越化学工業社製
*2 ジメチコン(400万cs):信越化学工業社製
*3 ジメチコン(5cs):KF96A-5cs、信越化学工業社製
各実施例においては、成分(A)〜(D)を特定の割合で組み合わせて用いているため、各比較例のものに比べて、タオルドライ時に毛束がばらけやすく、ドライヤーによる乾燥中の髪の絡みを抑制するとともに、ドライヤーで乾くまでの時間を短縮することができた。
また、各実施例におけるコンディショナーを用いると、乾燥後の髪のべたつきを抑制しつつ、乾燥後の髪にさらさら感としっとり感とを付与することができた。

Claims (4)

  1. 次の成分(A)〜(D)および水を含有し、水で20質量倍に希釈した時の25℃におけるpHが2〜6である、毛髪化粧料。
    (A)下記一般式(1)で表される第3級アミン化合物またはその塩 0.1質量%以上10質量%以下
    Figure 2016160197
    (上記一般式(1)中、R1は総炭素数8〜35の−O−、−OCO−、−COO−もしくは−CONH−で表される官能基で分断または−OHで置換されていてもよい直鎖もしくは分岐鎖のアルキル基、アルケニル基、または脂肪族アシルオキシ(ポリエトキシ)エチル基を示し、R2およびR3は炭素数1〜22のアルキル基もしくはヒドロキシアルキル基、または合計付加モル数10以下のポリオキシエチレン基を示し、R2およびR3は同一でも異なってもよい。)
    (B)高級アルコール 1質量%以上10質量%以下
    (C)メチルトリメチコン 0.05質量%以上15質量%以下
    (D)次の成分(D1)および(D2)からなる群から選ばれる1種以上の有機溶剤 0.01質量%以上30質量%以下
    (D1)下記一般式(5)で表される芳香族アルコール
    Figure 2016160197
    (上記一般式(5)中、R13は水素原子、メチル基またはメトキシ基を示し、Y3は単結合または炭素数1〜3の直鎖もしくは分岐鎖のアルキレン基もしくはアルケニレン基を示し、Zは水素原子または水酸基を示し、rおよびsはそれぞれ0〜5の数を示す。)
    (D2)分子量100〜1000のポリプロピレングリコール
  2. 当該毛髪化粧料中の前記成分(C)に対する前記成分(B)の質量比((B)/(C))が0.1以上50以下である、請求項1に記載の毛髪化粧料。
  3. 当該毛髪化粧料中の前記成分(A)に対する前記成分(B)のモル比((B)/(A))が0.2以上3未満である、請求項1または2に記載の毛髪化粧料。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の毛髪化粧料を毛髪に塗布し、水で洗い流すステップを含む、毛髪処理方法。
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