JP2016159403A - 発泡体加工装置 - Google Patents

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正守 赤松
Masamori Akamatsu
正守 赤松
圭一郎 森脇
Keiichiro Moriwaki
圭一郎 森脇
幸美 林
Yukimi Hayashi
幸美 林
梶 雅仁
Masahito Kaji
雅仁 梶
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Abstract

【課題】長尺形状の角柱形ウレタンスポンジ11を、略長尺円柱状または略長尺円筒状に容易に加工できるスポンジ加工装置1を提供することを目的とする。
【解決手段】角柱形ウレタンスポンジ11を支持するスポンジ支持部材21と、所定間隔を隔てて並置した上側張架フレーム33、及び下側張架フレーム34の先端に電熱線36を張架した電熱線張架部材31と、電熱線36に対して電圧を印加する電圧供給手段とを備え、電熱線36によって角柱形ウレタンスポンジ11を溶融して加工するスポンジ加工装置1であって、スポンジ支持部材21を回動させる回転駆動ユニット23を備え、上側張架フレーム33と下側張架フレーム34との間における電熱線36の長さを、1200mmとし、電熱線張架部材31に、電熱線36の引張方向に電熱線36を付勢する上側スプリング37、及び下側スプリング38を備えたことを特徴とする。
【選択図】図2

Description

この発明は、例えば、多孔質構造体であるフィルターの製造に用いる高分子発泡体を、フィルター形状に加工するような発泡体加工装置に関する。
汚染物質を含有した気体や液体を浄化する浄化処理装置として、例えば、特許文献1のような光触媒を用いた光触媒浄化処理装置が知られている。この特許文献1の光触媒浄化処理装置では、セラミックス製の多孔質構造体であるフィルター本体と、フィルター本体に担持した光触媒材とで構成した略長尺円筒状の光触媒フィルターを用いている。
そして、特許文献1では、光触媒フィルターの内部に配置した光照射器が発する紫外線と、光触媒フィルターとによる光触媒作用によって、光触媒フィルターを通過する汚染物質を浄化できるとされている。
このような光触媒フィルターを構成するフィルター本体は、例えば、略長尺円筒状に加工した高分子発泡体である合成スポンジに、炭化珪素粉末スラリを含浸したのち、余剰スラリを除去したうえで、乾燥、及び焼成することで、合成スポンジを溶解させて製造している。
ところで、合成スポンジのような高分子発泡体の加工には、レシプロカッティングプロッターやウォータージェット加工を用いることが知られている。
より詳しくは、レシプロカッティングプロッターは、上下振幅するカッターを移動させて、略平板状の加工対象物から所望する形状を切り抜くようにして、加工対象物を加工する加工方法であって、厚みの薄い加工対象物の加工に適しているとされている。しかしながら、レシプロカッティングプロッターは、カッター自体の長さに限りがあるため、加工対象物の厚みとしては50mm程度が限界であるされている。
一方、ウォータージェット加工は、細孔から高圧で排出されるウォータージェットの水圧によって、加工対象物を加工する加工方法であって、軟質材や非金属材などの加工に適しているとされている。しかしながら、ウォータージェット加工は、加工対象物の厚みが厚くなるほど、水圧低下による加工精度の低下や加工不良が生じるため、加工対象物の厚みとしては130mm程度が限界であるとされている。
このため、レシプロカッティングプロッターやウォータージェット加工では、例えば、全長1000mmの略長尺状の高分子発泡体を、上述した光触媒フィルターの製造に用いるような略長尺円筒状に加工することが困難であった。仮に、レシプロカッティングプロッターやウォータージェットで加工した場合、複数回に分けて加工して所望する形状に形成する必要があり、効率よく加工することができないという問題があった。
特開2006−320843号公報
本発明は、上述の問題に鑑み、長尺形状の高分子発泡体を、略長尺円柱状または略長尺円筒状に容易に加工できる発泡体加工装置を提供することを目的とする。
この発明は、高分子化合物の発泡成形体である高分子発泡体を支持する発泡体支持手段と、所定間隔を隔てて並置した一対の張架フレームの先端に電熱線を張架した電熱線張架手段と、前記電熱線に対して電圧を印加する電圧供給手段とを備え、前記電熱線によって前記高分子発泡体を溶融して加工する発泡体加工装置であって、前記一対の張架フレームの間において、前記電熱線が張架される方向を張架方向とし、前記電熱線の前記張架方向に対して略平行な仮想線を回転軸として、前記電熱線張架手段または前記発泡体支持手段のいずれか一方を回動させる回動手段を備え、前記一対の張架フレームの間における前記電熱線の長さを、1200mmとし、前記電熱線張架手段に、前記電熱線の引張方向に前記電熱線を付勢する少なくとも1つの付勢部材を備えたことを特徴とする。
上記高分子発泡体は、軟質あるいは硬質ウレタンスポンジ、難燃性を有するウレタンスポンジ、発泡ポリエチレンスポンジ、ゴムスポンジ、あるいは発泡スチロールなどとすることができる。
上記付勢部材は、コイルスプリングなどであって、電熱線の一端に連結した1つの付勢部材、あるいは電熱線の両端にそれぞれ連結した2つの付勢部材などとすることができる。
この発明により、長尺形状の高分子発泡体を、略長尺円柱状または略長尺円筒状に容易に加工することができる。
具体的には、一対の張架フレームの間における電熱線の長さが1200mmのため、発泡体加工装置は、少なくとも1000mm以下の長さを有する高分子発泡体を、電圧供給手段によって加熱した電熱線で加工することができる。
そして、電熱線張架手段または発泡体支持手段を回動させる回動手段により、発泡体加工装置は、1000mm以下の長さを有する高分子発泡体を、略円板状また略長尺円柱状に容易に加工することができる。
同様にして、略円板状また略長尺円柱状に加工した高分子発泡体における内部を電熱線で加工することで、発泡体加工装置は、1000mm以下の長さを有する高分子発泡体を、略円環状または略長尺円筒状に容易に加工することができる。
この際、高分子発泡体の長さが長いほど、高分子発泡体との接触抵抗によって、電熱線の弛みが生じ易くなる。そこで、電熱線の引張方向に付勢する付勢部材を備えたことにより、発泡体加工装置は、電熱線の張力を略一定に保つことができる。このため、発泡体加工装置は、高分子発泡体との接触抵抗による電熱線の弛みを抑制することができる。
すなわち、発泡体加工装置は、高分子発泡体との接触抵抗による電熱線の線径縮小を抑制できるため、電熱線の抵抗値変化を抑制することができる。このため、発泡体加工装置は、電熱線の温度変化の抑制と、電熱線の断線防止とを両立することができる。
これにより、例えば、1000mmの長さを有する高分子発泡体であっても、発泡体加工装置は、高分子発泡体を電熱線で安定して溶融でき、加工面の凹凸を抑制した加工物を得ることができる。
加えて、断線による電熱線の交換回数を低減できるため、発泡体加工装置は、高分子発泡体をより効率よく加工することができる。
従って、発泡体加工装置は、長尺形状の高分子発泡体を、略長尺円柱状または略長尺円筒状に容易に加工することができる。
この発明の態様として、前記付勢部材を、前記電熱線に作用する付勢力の合計が7kgfとなるように構成することができる。
この発明により、発泡体加工装置は、長尺形状の高分子発泡体を略長尺円柱状または略長尺円筒状に、より安定して加工することができる。
具体的には、電熱線に作用する付勢力の合計が7kgfを下回る場合、電熱線に弛みが生じ易くなる。このため、電熱線で加工された高分子発泡体の加工面に大きな凹凸が生じる、あるいは所望する加工精度で高分子発泡体を加工できないおそれがあった。
一方、電熱線に作用する付勢力の合計が7kgfを上回る場合、電熱線に作用する引張荷重と、高分子発泡体との接触抵抗と、発熱による電熱線の伸長とによって、電熱線が容易に断線するおそれがあった。
従って、発泡体加工装置は、電熱線に作用する付勢力の合計を7kgfとしたことにより、1000mm以下の長さを有する高分子発泡体の加工に適した張力で電熱線を張架することができ、長尺形状の高分子発泡体を略長尺円柱状または略長尺円筒状に、より安定して加工することができる。
またこの発明の態様として、前記電熱線を、材質が85Ni−15Crのニクロム線で構成することができる。
この発明により、発泡体加工装置は、1000mm以下の長さを有する高分子発泡体の加工に適した温度に、電熱線を容易に加熱することができる。
具体的には、ニクロム線の材質としては、85Ni−15Cr、80Ni−20Cr、あるいは60Ni−12Cr−26Feなどがある。
ところが、例えば、材質80Ni−20Crのニクロム線は、材質85Ni−15Crのニクロム線に比べて通電し難いため、高分子発泡体の加工に適切な温度に加熱し難くなる。このため、材質80Ni−20Crのニクロム線では、高分子発泡体との接触抵抗の増加によって断線するおそれがあった。
また、例えば、材質60Ni−12Cr−26Feのニクロム線は、同じ電圧を印加した材質85Ni−15Crのニクロム線に比べて発熱し易くなる。このため、材質60Ni−12Cr−26Feのニクロム線では、電熱線に印加する電圧の制御が難しくなるとともに、高分子発泡体との接触抵抗と、発熱による伸長とによって断線するおそれがあった。
従って、発泡体加工装置は、材質85Ni−15Crのニクロム線で電熱線を構成したことにより、1000mm以下の長さを有する高分子発泡体の加工に適した温度に、電熱線を容易に加熱することができる。
またこの発明の態様として、前記ニクロム線の線径を、直径0.8mmとすることができる。
この発明により、発泡体加工装置は、ニクロム線の断線をより防止するとともに、加工精度の向上を図ることができる。
具体的には、ニクロム線の線径が直径0.8mmを下回る場合、高分子発泡体との接触抵抗と、発熱による伸長とによって、ニクロム線が断線するおそれがあった。
一方、ニクロム線の直径が大きくなるほど、ニクロム線の曲げ剛性が高くなるため、曲げ変形が生じた部分を真直ぐにすることが困難になる。
このため、ニクロム線の線径が直径0.8mmを上回る場合、張架フレームに張架した状態で、ニクロム線に張力を作用させたとしても、ニクロム線の曲げ変形部分が残留するおそれがある。そして、高分子発泡体を加工した際、ニクロム線の曲げ変形部分によって、高分子発泡体の加工面に大きな凹凸が生じるおそれがあった。
従って、発泡体加工装置は、ニクロム線の線径を直径0.8mmとしたことにより、ニクロム線の断線をより防止するとともに、加工精度の向上を図ることができる。
またこの発明の態様として、電圧を印加した状態における前記ニクロム線の温度を、320℃以上380℃以下とすることができ、より好ましくは330℃以上350℃以下とすることができる。
この発明により、発泡体加工装置は、ニクロム線の断線をより確実に防止するとともに、高分子発泡体をより安定して加工することができる。
具体的には、ニクロム線の温度が320℃を下回る場合、温度が低すぎて高分子発泡体が溶融し難く、高分子発泡体の加工が困難になるおそれがあった。
一方、ニクロム線の温度が380℃を上回る場合、高分子発泡体との接触抵抗と、発熱による伸長とによって、ニクロム線が断線するおそれがあった。
従って、発泡体加工装置は、ニクロム線の温度を320℃以上380℃以下、より好ましくは330℃以上350℃以下としたことにより、ニクロム線の断線をより確実に防止するとともに、高分子発泡体をより安定して加工することができる。
またこの発明の態様として、前記回動手段による前記電熱線張架手段または前記発泡体支持手段の回転速度を、1rpmとすることができる。
この発明により、発泡体加工装置は、1000mm以下の長さを有する高分子発泡体を、適切な回転速度で加工することができるとともに、所望する加工精度で見栄えの良い形状に加工することができる。
具体的には、回動手段による電熱線張架手段または発泡体支持手段の回転速度が1rpmを下回る場合、電熱線と高分子発泡体との接触時間が長くなるため、高分子発泡体が過度に溶融して、高分子発泡体の加工面に大きな凹凸が生じるおそれがあった。
一方、回動手段による電熱線張架手段または発泡体支持手段の回転速度が1rpmを上回る場合、電熱線による高分子発泡体の溶融速度よりも回転速度が上回り易くなるため、高分子発泡体との接触抵抗が増大し、電熱線が断線するおそれがあった。
従って、発泡体加工装置は、回動手段による電熱線張架手段または発泡体支持手段の回転速度を1rpmとしたことにより、1000mm以下の長さを有する高分子発泡体を、適切な回転速度で加工することができるとともに、所望する加工精度で見栄えの良い形状に加工することができる。
本発明により、長尺形状の高分子発泡体を、略長尺円柱状または略長尺円筒状に容易に加工できる発泡体加工装置を提供することができる。
スポンジ加工装置の正面視を示す正面図。 スポンジ保持構造体、及び電熱線保持構造体の外観を示す外観斜視図。 スポンジ加工装置の平面視を示す平面図。 スポンジ加工装置における内部構成を示すブロック図。 ウレタンスポンジの形状を説明する説明図。 角柱形ウレタンスポンジを載置した状態におけるスポンジ加工装置の平面視を示す平面図。 円柱形ウレタンスポンジを得る工程におけるスポンジ加工装置の平面視を示す平面図。 円筒形ウレタンスポンジを得る工程におけるスポンジ加工装置の平面視を示す平面図。
この発明の一実施形態を以下図面と共に説明する。
本実施例におけるスポンジ加工装置1は、ポリウレタンを略長尺角柱状に発泡成形した角柱形ウレタンスポンジ11(図5(a)参照)を電熱線36で加工して、略長尺円柱状の円柱形ウレタンスポンジ12(図5(b)参照)を得たのち、所望する内外径を有する略長尺円筒状の円筒形ウレタンスポンジ13(図5(c)参照)を得る装置である。
なお、図1はスポンジ加工装置1の正面図を示し、図2はスポンジ保持構造体2、及び電熱線保持構造体3の外観斜視図を示し、図3はスポンジ加工装置1の平面図を示し、図4はスポンジ加工装置1における内部構成のブロック図を示している。
また、図2中において、円柱形ウレタンスポンジ12を二点鎖線で示すとともに、図2及び図3中において、制御装置4及び支持台5の図示を省略している。
また、図中において、矢印Xは前後方向を示しており(以下「前後方向X」とする)、矢印Yは左右方向を示している(以下「左右方向Y」とする)。さらに、前後方向Xにおいて、図2中の左側を前方とし、図2中の右側を後方とするとともに、左右方向Yにおいて、図1中の左側を左方向とし、図1中の右側を右方向とする。
スポンジ加工装置1は、図1に示すように、ウレタンスポンジを保持するスポンジ保持構造体2と、電熱線36が張架される電熱線保持構造体3と、各部を制御する制御装置4と、これらを支持する支持台5とで構成している。
スポンジ保持構造体2は、図1及び図2に示すように、ウレタンスポンジを支持するスポンジ支持部材21と、ウレタンスポンジの上面を押圧する押え部材22と、上下方向を回転軸として、スポンジ支持部材21を回転させる回転駆動ユニット23とで構成している。
スポンジ支持部材21は、回転駆動ユニット23の上面に載置されるとともに、回転駆動ユニット23に連結される底部21aと、底部21aから上方へ延設した細い長い略棒状の軸棒部21bとで一体形成している。
底部21aは、上下方向に所定の厚みを有する平面視略円板状の円板部分(図示省略)と、円板部分の直径よりも小径で、かつ所望する円筒形ウレタンスポンジ13の内径よりも小径の略円柱状の円柱部分(図示省略)とを、下方からのこの順番で同軸上に配置して形成している。
軸棒部21bは、角柱形ウレタンスポンジ11における上下方向の長さよりも長い上下方向の長さを有するとともに、底部21aの円柱部分よりも小径の細長い略棒状であって、底部21aの中心軸に対して同軸上に配置している。
押え部材22は、上下方向に所定の厚みを有するとともに、底部21aの円柱部分と略同等の外径と、軸棒部21bの外径と略同等の内径とを有する略円環状に形成している。なお、押え部材22は、スポンジ支持部材21の軸棒部21bに対して、着脱自在に構成している。
回転駆動ユニット23は、駆動モーター23a(図4参照)や減速機などで構成され、上下方向を回転軸として、スポンジ支持部材21を所定の回転速度で回転可能に構成している。この回転駆動ユニット23は、支持台5に固定されるとともに、電線6を介して後述する制御装置4と電気的に接続している。
一方、電熱線保持構造体3は、図1及び図2に示すように、電熱線36が張架される正面視コ字状の電熱線張架部材31と、電熱線張架部材31の左端を回転自在に支持するとともに、支持台5に固定される支持フレーム32とで構成している。
電熱線張架部材31は、上方に位置するとともに、左右方向Yに延びる上側張架フレーム33と、上側張架フレーム33に対して所定間隔を隔てた下方において、左右方向Yに延びる下側張架フレーム34と、上側張架フレーム33の左端、及び下側張架フレーム34の左端を上下方向で連結する連結フレーム35と、上側張架フレーム33及び下側張架フレーム34に張架した電熱線36とで構成している。
上側張架フレーム33は、左右方向Yに延びる金属製の略四角筒状体であって、左側上部を斜め下方へ向けて切り落とした形状に形成している。この上側張架フレーム33の前面における右端部には、前後方向Xを回転軸として回転自在に軸支した上側ローラー33aを備えている。さらに、上側張架フレーム33の前面側における左端部には、正面視略台形状の上側連結板33bを締結固定している。
上側ローラー33aは、ベアリングなどの導電性を有する金属部材で構成するとともに、上側張架フレーム33と非導通となるように、図示を省略した絶縁性部材などを介して、上側張架フレーム33の前面に軸支されている。
さらに、上側ローラー33aは、図4に示すように、一端を制御装置4に接続した正極電線7の他端側と接続可能に構成している。なお、詳しくは後述するが、上側ローラー33aは、正極電線7、制御装置4、及び電源電線9を介して、電源装置10の正極に接続している。
上側連結板33bは、前後方向Xに所定の厚みを有する正面視略台形状の平板であって、その下部を上側張架フレーム33の左端部に締結固定している。この上側連結板33bの上部には、連結ボルト(図示省略)を用いて、後述する上側スプリング37の一端が連結されている。
下側張架フレーム34は、左右方向Yに延びる金属製の略四角筒状体であって、左側下部を斜め上方へ向けて切り落とした形状に形成している。この下側張架フレーム34の前面における右端部には、前後方向Xを回転軸として回転自在に軸支された下側ローラー34aを備えている。さらに、下側張架フレーム34の前面側における左端部には、正面視略逆台形状の下側連結板34bを締結固定している。
下側ローラー34aは、ベアリングなどの導電性を有する金属部材で構成するとともに、下側張架フレーム34と非導通となるように、図示を省略した絶縁性部材などを介して、下側張架フレーム34の前面に軸支されている。
さらに、下側ローラー34aは、図4に示すように、一端を制御装置4に接続した負極電線8の他端側と接続可能に構成している。なお、詳しくは後述するが、下側ローラー34aは、負極電線8、制御装置4、及び電源電線9を介して、電源装置10(図4参照)の負極に接続している。
下側連結板34bは、前後方向Xに所定の厚みを有する正面視略逆台形状の平板であって、その上部を下側張架フレーム34の左端部に締結固定している。この下側連結板34bの下部には、連結ボルト(図示省略)を用いて、後述する下側スプリング38の一端が連結されている。
連結フレーム35は、上端に上側張架フレーム33が固定され、下端に下側張架フレーム34が固定されるとともに、上側ローラー33aと下側ローラー34aとの間における上下方向の長さが1200mmとなる長さに形成している。
この連結フレーム35は、上下方向に所定の厚みを有する略平板状の上側固定プレート35aと、上下方向に延びる略四角筒状体のフレーム本体35bと、上側固定プレート35aと略同等の大きさの下側固定プレート35cとを、上方からこの順番で一体的に組付けて構成している。
電熱線36は、全長が1480mmで、材質が85Ni−15Crで、線径が直径0.8mmのニクロム線で構成している。この電熱線36の両端は、それぞれ上側スプリング37、及び下側スプリング38に着脱自在に接続している。
そして、電熱線36は、上側スプリング37を介して上側連結板33bに連結し、下側スプリング38を介して下側連結板34bに連結するとともに、上側スプリング37及び下側スプリング38の付勢力に抗して、上側ローラー33a及び下側ローラー34aに張架している。
すなわち、上側スプリング37と上側ローラー33aとの間における電熱線36の長さ、及び下側スプリング38と下側ローラー34aとの間における電熱線36の長さがそれぞれ140mmがとなり、上側ローラー33aと下側ローラー34aとの間における電熱線36の長さが1200mmとなる。この上側ローラー33aと下側ローラー34aとの間における電熱線36の長さ1200mmを、ウレタンスポンジを加工可能な有効加工範囲Hとする。
上側スプリング37、及び下側スプリング38は、上側ローラー33a、及び下側ローラー34aに電熱線36を張架した状態において、電熱線36の引張方向に作用する付勢力が、それぞれ3.5kgfとなるバネ定数のコイルスプリングで構成している。
換言すると、上側ローラー33a、及び下側ローラー34aに張架した状態における電熱線36に対して合計7kgfの付勢力が作用するように、上側スプリング37、及び下側スプリング38を構成している。
なお、下側スプリング38には、図1に示すように、一端がグラウンドに接地する導電性のアース線39を接続している。
支持フレーム32は、連結フレーム35における上下方向の長さよりも長く、上下方向に延びる略四角筒状体であって、その下部を支持台5に固定している。この支持フレーム32は、上下方向に所定間隔を隔てて配置した3つの蝶番3aによって、電熱線張架部材31を回転自在に支持している。
より詳しくは、支持フレーム32の右側面と電熱線張架部材31における連結フレーム35の左側面とが対向する状態において、支持フレーム32の前面と、連結フレーム35の前面とを、3つの蝶番3aで連結している。
この3つの蝶番3aは、支持フレーム32の右側面と電熱線張架部材31における連結フレーム35の左側面とが対向する状態から、電熱線張架部材31が平面視時計回りに回転可能に構成している。
さらに、支持フレーム32の後面には、図3に示すように、電熱線張架部材31における下側固定プレート35cの上下方向位置と略同等の上下方向位置に、ウレタンスポンジに対する電熱線36の位置を決定する位置決め部40を備えている。
位置決め部40は、図3に示すように、平面視において、支持フレーム32に固定される平面視略L字状の位置決め基部41と、位置決め基部41に右端近傍において、前後方向Xに螺合した位置決めボルト42とで構成している。
この位置決め部40は、電熱線張架部材31における下側固定プレート35cの後面と、位置決めボルト42の先端とが前後方向Xで当接することで、平面視反時計回りへの電熱線張架部材31の回転を規制している。
上述した構成のスポンジ保持構造体2、及び電熱線保持構造体3は、図1に示すように、支持フレーム32の右側面と連結フレーム35の左側面とが対向する状態において、電熱線36とスポンジ支持部材21とが近接するように配置している。
より詳しくは、スポンジ保持構造体2、及び電熱線保持構造体3は、正面視において、スポンジ保持構造体2における底部21aの円板部分に、電熱線保持構造体3の下側張架フレーム34の下面が近接する上下方向の位置に配置している。
さらに、スポンジ保持構造体2、及び電熱線保持構造体3は、図3に示すように、平面視において、スポンジ保持構造体2におけるスポンジ支持部材21の中心を通る左右方向Yに沿った仮想線と、電熱線36とが交差するように配置している。このような配置のスポンジ保持構造体2、及び電熱線保持構造体3は、図1に示すように、支持台5に固定されて、それの状態を維持している。
制御装置4は、回転駆動ユニット23の駆動モーター23aを制御する機能と、電熱線36に印加する電圧を制御する機能とを有している。
より詳しくは、制御装置4は、図4に示すように、電線6を介してスポンジ保持構造体2の駆動モーター23aと電気的に接続するとともに、正極電線7を介して電熱線保持構造体3の上側ローラー33aと接続し、負極電線8を介して下側ローラー34aと接続している。
さらに、制御装置4は、電源電線9を介して電源装置10と接続している。
この電源装置10は、交流電力を適宜の直流電力に変換して制御装置4に出力する機能を有している。加えて、電源装置10の正極には、制御装置4、及び電源電線9を介して、上側ローラー33aが接続され、電源装置10の負極には、制御装置4、及び電源電線9を介して、下側ローラー34aが接続されている。
このような構成のスポンジ加工装置1において、略長尺角柱状の角柱形ウレタンスポンジ11から略長尺円柱状の円柱形ウレタンスポンジ12を得る工程と、円柱形ウレタンスポンジ12から略長尺円筒状の円柱形ウレタンスポンジ12を得る工程とについて、図5から図8を用いて詳しく説明する。
なお、図5はウレタンスポンジの形状を説明する説明図を示し、図6は角柱形ウレタンスポンジ11を載置した状態におけるスポンジ加工装置1の平面図を示し、図7は円柱形ウレタンスポンジ12を得る工程におけるスポンジ加工装置1の平面図を示し、図8は円筒形ウレタンスポンジ13を得る工程におけるスポンジ加工装置1の平面図を示している。
さらに、図5(a)は角柱形ウレタンスポンジ11の外観斜視図を示し、図5(b)は円柱形ウレタンスポンジ12の外観斜視図を示し、図5(c)は円筒形ウレタンスポンジ13の外観斜視図を示している。
加えて、図6から図8中において、制御装置4、及び支持台5の図示を省略している。
まず、図5(a)に示すように、上下方向に長い略長尺角柱状の角柱形ウレタンスポンジ11の外周を加工して、図5(b)に示すような略長尺円柱状の円柱形ウレタンスポンジ12を得る工程について説明する。
なお、スポンジ加工装置1で加工されるウレタンスポンジの上下方向長さは、有効加工範囲Hの範囲内であって、かつ上側張架フレーム33及び下側張架フレーム34とのクリアランスを加味して、10mm以上1000mm以下の長さとする。
本実施例で加工する角柱形ウレタンスポンジ11は、10mm以上1000mm以下の上下方向長さを有する略長尺角柱状体であって、ポリウレタンを発泡成形して形成している。さらに、角柱形ウレタンスポンジ11の平面視略中心には、図5(a)に示すように、軸棒部21bの直径と略同径の適宜の棒材を用いて、予め上下方向に開口した挿通孔11aを形成している。
オペレーターは、所望する円筒形ウレタンスポンジ13の外径の半径に合わせて、位置決めボルト42の螺合位置を調整する。より詳しくは、平面視において、スポンジ支持部材21の中心から電熱線36までの距離が、所望する半径と略同等となる位置で、電熱線張架部材31の下側固定プレート35cが当接するように、位置決めボルト42の螺合位置を調整する。
その後、オペレーターは、図6に示すように、電熱線張架部材31を平面視時計回りに回転させたのち、スポンジ保持構造体2の軸棒部21bに、挿通孔11aを介して角柱形ウレタンスポンジ11を挿し込む。
軸棒部21bに角柱形ウレタンスポンジ11を挿し込むと、オペレーターは、軸棒部21bに挿通した押え部材22を角柱形ウレタンスポンジ11の上面に載置して、角柱形ウレタンスポンジ11のセットを完了する。
角柱形ウレタンスポンジ11のセットを完了すると、オペレーターは、制御装置4を操作して、回転駆動ユニット23を駆動させ、角柱形ウレタンスポンジ11がセットされたスポンジ支持部材21を、平面視時計回りに回転させる。この際、オペレーターは、スポンジ支持部材21の回転速度が1rpmとなるように調整する。
スポンジ支持部材21の回転を開始すると、オペレーターは、制御装置4を操作して、上側ローラー33a、及び下側ローラー34aを介して電熱線36に、所定電圧を印加する。この際、電熱線36が320℃から380℃、より好ましくは330℃から350℃に加熱されるように、ウレタンスポンジの上下方向長さに応じて印加する電圧を調整する。
より詳しくは、ウレタンスポンジの上下方向長さが10mm以上400mm未満の場合、印加電圧を5V以上7V未満とし、ウレタンスポンジの上下方向長さが400mm以上600mm未満の場合、印加電圧を7V以上13V未満とし、ウレタンスポンジの上下方向長さが600mm以上1000mm以下の場合、印加電圧を13V以上16V以下とする。
例えば、角柱形ウレタンスポンジ11の上下方向長さを840mmとした場合、13V以上16V以下の範囲の電圧を電熱線36に印加する。この際、電熱線36に電圧14.5Vを印加すると、電熱線36が340℃程度に加熱する。
電熱線36が所望する温度に達すると、オペレーターは、図7に示すように、下側固定プレート35cが位置決めボルト42の先端と当接するまで、電熱線張架部材31を平面視反時計回りに回転させる。その後、オペレーターは、電熱線張架部材31を適宜の方法で固定する。
スポンジ支持部材21が1回転すると、加熱した電熱線36によって、角柱形ウレタンスポンジ11の外周部分が溶断されて、所望する外径を有する略長尺円柱状の円柱形ウレタンスポンジ12を得られる。
円柱形ウレタンスポンジ12を得ると、オペレーターは、電熱線張架部材31を平面視時計回りに移動させて、円柱形ウレタンスポンジ12から電熱線36を離間させる。その後、オペレーターは、制御装置4を操作して、電熱線36への電圧の印加を停止するとともに、スポンジ保持構造体2の回転を停止する。
引き続き、図5(b)に示すような円柱形ウレタンスポンジ12を加工して、図5(c)に示すような略長尺円筒状の円筒形ウレタンスポンジ13を得る工程について説明する。
オペレーターは、電熱線張架部材31から取り外した電熱線36を、円柱形ウレタンスポンジ12の上下方向に沿って予め開口していた貫通孔(図示省略)に挿通する。
なお、円柱形ウレタンスポンジ12の貫通孔は、平面視における中心からの距離が、所望する円筒形ウレタンスポンジ13の半径よりも短い位置に、電熱線36が挿通可能な孔径で予め開口形成している。
円柱形ウレタンスポンジ12に電熱線36を挿通すると、オペレーターは、上側ローラー33a、及び下側ローラー34aに張架して、電熱線36を電熱線張架部材31に装着する。
その後、オペレーターは、制御装置4を操作して、上側ローラー33a、及び下側ローラー34aを介して電熱線36に所定電圧を印加する。この際の印加電圧は、上述した角柱形ウレタンスポンジ11から円柱形ウレタンスポンジ12を得る工程における印加電圧と同じ値とする。
電熱線36が所望する温度に達すると、オペレーターは、図8に示すように、スポンジ支持部材21の中心から電熱線36までの距離が、所望する円筒形ウレタンスポンジ13における内径の半径と略同等となる位置まで、位置決めボルト42の螺合位置を調整しながら、電熱線張架部材31を平面視時計回りに回転させる。
そして、電熱線張架部材31を所望する位置まで移動させると、オペレーターは、適宜の方法で電熱線張架部材31を固定する。
さらに、オペレーターは、制御装置4を操作して、回転駆動ユニット23を駆動させ、円柱形ウレタンスポンジ12がセットされたスポンジ支持部材21を、平面視時計回りに回転させる。
この際、オペレーターは、スポンジ支持部材21の回転速度が1rpmとなるように調整する。
スポンジ支持部材21が1回転すると、加熱した電熱線36によって、円柱形ウレタンスポンジ12の内部がくり抜かれるように溶断されて、所望する内外径を有する略長尺円筒状の円筒形ウレタンスポンジ13を得られる。
以上のような動作を実現するスポンジ加工装置1は、略長尺角柱状の角柱形ウレタンスポンジ11を、略長尺円柱状または略長尺円筒状に容易に加工することができる。
具体的には、有効加工範囲Hが1200mm以下のため、スポンジ加工装置1は、10mm以上1000mm以下の上下方向長さを有する角柱形ウレタンスポンジ11を、加熱した電熱線36で加工することができる。
そして、スポンジ支持部材21を回動させる回転駆動ユニット23により、スポンジ加工装置1は、角柱形ウレタンスポンジ11を略長尺円柱状の円柱状ウレタンスポンジ12に容易に加工することができる。
同様にして、略円柱形ウレタンスポンジ12における内部を電熱線36で加工することで、スポンジ加工装置1は、円柱形ウレタンスポンジ12を略長尺円筒状の円筒形ウレタンスポンジ13に容易に加工することができる。
この際、角柱形ウレタンスポンジ11の長さが長いほど、角柱形ウレタンスポンジ11との接触抵抗によって、電熱線36の弛みが生じ易くなる。
そこで、電熱線36の引張方向に付勢する上側スプリング37、及び下側スプリング38を備えたことにより、スポンジ加工装置1は、電熱線36の張力を略一定に保つことができる。このため、スポンジ加工装置1は、角柱形ウレタンスポンジ11との接触抵抗による電熱線36の弛みを抑制することができる。
すなわち、スポンジ加工装置1は、角柱形ウレタンスポンジ11との接触抵抗による電熱線36の線径縮小を抑制できるため、電熱線36の抵抗値変化を抑制することができる。このため、スポンジ加工装置1は、電熱線36の温度変化の抑制と、電熱線36の断線防止とを両立することができる。
これにより、例えば、1000mmの長さを有する角柱形ウレタンスポンジ11であっても、スポンジ加工装置1は、角柱形ウレタンスポンジ11を電熱線36で安定して溶融でき、加工面の凹凸を抑制した加工物を得ることができる。
加えて、断線による電熱線36の交換回数を低減できるため、スポンジ加工装置1は、角柱形ウレタンスポンジ11をより効率よく加工することができる。
従って、スポンジ加工装置1は、略長尺角柱状の角柱形ウレタンスポンジ11を、略長尺円柱状または略長尺円筒状に容易に加工することができる。
また、電熱線36に作用する付勢力の合計が7kgfとなるように上側スプリング37、及び下側スプリング38を構成したことにより、スポンジ加工装置1は、角柱形ウレタンスポンジ11を略長尺円柱状または略長尺円筒状に、より安定して加工することができる。
具体的には、電熱線36に作用する付勢力の合計が7kgfを下回る場合、電熱線36に弛みが生じ易くなる。このため、電熱線36で加工した角柱形ウレタンスポンジ11の加工面に大きな凹凸が生じる、あるいは所望する加工精度で角柱形ウレタンスポンジ11を加工できないおそれがあった。
一方、電熱線36に作用する付勢力の合計が7kgfを上回る場合、電熱線36に作用する引張荷重と、角柱形ウレタンスポンジ11との接触抵抗と、発熱による電熱線36の伸長とによって、電熱線36が容易に断線するおそれがあった。
従って、スポンジ加工装置1は、電熱線36に作用する付勢力の合計を7kgfとしたことにより、10mm以上1000mm以下の上下方向長さを有する角柱形ウレタンスポンジ11の加工に適した張力で電熱線36を張架することができ、角柱形ウレタンスポンジ11を略長尺円柱状または略長尺円筒状に、より安定して加工することができる。
また、材質が85Ni−15Crのニクロム線で電熱線36を構成したことより、スポンジ加工装置1は、10mm以上1000mm以下の上下方向長さを有する角柱形ウレタンスポンジ11の加工に適した温度に、電熱線36を容易に加熱することができる。
具体的には、ニクロム線の材質としては、85Ni−15Cr、80Ni−20Cr、あるいは60Ni−12Cr−26Feなどがある。
ところが、例えば、材質80Ni−20Crのニクロム線は、材質85Ni−15Crのニクロム線に比べて通電し難いため、角柱形ウレタンスポンジ11の加工に適切な温度に加熱し難くなる。このため、材質80Ni−20Crのニクロム線では、角柱形ウレタンスポンジ11との接触抵抗の増加によって断線するおそれがあった。
また、例えば、材質60Ni−12Cr−26Feのニクロム線は、同じ電圧を印加した材質85Ni−15Crのニクロム線に比べて発熱し易くなる。このため、材質60Ni−12Cr−26Feのニクロム線では、電熱線36に印加する電圧の制御が難しくなるとともに、角柱形ウレタンスポンジ11との接触抵抗と、発熱による伸長とによって断線するおそれがあった。
従って、スポンジ加工装置1は、材質85Ni−15Crのニクロム線で電熱線36を構成したことにより、10mm以上1000mm以下の上下方向長さを有する角柱形ウレタンスポンジ11の加工に適した温度に、電熱線36を容易に加熱することができる。
また、ニクロム線の線径を、直径0.8mmとしたことにより、スポンジ加工装置1は、ニクロム線の断線をより防止するとともに、加工精度の向上を図ることができる。
具体的には、ニクロム線の線径が直径0.8mmを下回る場合、角柱形ウレタンスポンジ11との接触抵抗と、発熱による伸長とによって、ニクロム線が断線するおそれがあった。
一方、ニクロム線の直径が大きくなるほど、ニクロム線の曲げ剛性が高くなるため、曲げ変形が生じた部分を真直ぐにすることが困難になる。
このため、ニクロム線の線径が直径0.8mmを上回る場合、張架フレームに張架した状態で、ニクロム線に張力を作用させたとしても、ニクロム線の曲げ変形部分が残留するおそれがある。そして、角柱形ウレタンスポンジ11を加工した際、ニクロム線の曲げ変形部分によって、角柱形ウレタンスポンジ11の加工面に大きな凹凸が生じるおそれがあった。
従って、スポンジ加工装置1は、ニクロム線の線径を直径0.8mmとしたことにより、ニクロム線の断線をより防止するとともに、加工精度の向上を図ることができる。
また、電圧を印加した状態におけるニクロム線の温度を、320℃以上380℃以下、より好ましくは330℃以上350℃以下としたことにより、スポンジ加工装置1は、ニクロム線の断線をより確実に防止するとともに、角柱形ウレタンスポンジ11をより安定して加工することができる。
具体的には、ニクロム線の温度が320℃を下回る場合、温度が低すぎて角柱形ウレタンスポンジ11が溶融し難く、角柱形ウレタンスポンジ11の加工が困難になるおそれがあった。
一方、ニクロム線の温度が380℃を上回る場合、角柱形ウレタンスポンジ11との接触抵抗と、発熱による伸長とによって、ニクロム線が断線するおそれがあった。
従って、スポンジ加工装置1は、ニクロム線の温度を320℃以上380℃以下、より好ましくは330℃以上350℃以下としたことにより、ニクロム線の断線をより確実に防止するとともに、角柱形ウレタンスポンジ11をより安定して加工することができる。
また、回転駆動ユニット23によるスポンジ支持部材21の回転速度を1rpmとしたことにより、スポンジ加工装置1は、10mm以上1000mm以下の上下方向長さを有する角柱形ウレタンスポンジ11を、所望する加工精度で見栄えの良い形状に加工することができる。
具体的には、回転駆動ユニット23による電熱線張架部材31またはスポンジ支持部材21の回転速度が1rpmを下回る場合、電熱線36と角柱形ウレタンスポンジ11との接触時間が長くなるため、角柱形ウレタンスポンジ11が過度に溶融して、角柱形ウレタンスポンジ11の加工面に大きな凹凸が生じるおそれがあった。
一方、回転駆動ユニット23による電熱線張架部材31またはスポンジ支持部材21の回転速度が1rpmを上回る場合、電熱線36による角柱形ウレタンスポンジ11の溶融速度よりも回転速度が上回り易くなるため、角柱形ウレタンスポンジ11との接触抵抗が増大し、電熱線36が断線するおそれがあった。
従って、スポンジ加工装置1は、回転駆動ユニット23によるスポンジ支持部材21の回転速度を1rpmとしたことにより、10mm以上1000mm以下の上下方向長さを有する角柱形ウレタンスポンジ11を、適切な回転速度で加工することができるとともに、所望する加工精度で見栄えの良い形状に加工することができる。
なお、上述の実施形態において、ポリウレタンを発泡成形したウレタンスポンジを加工対象物としたが、これに限定せず、発泡ポリエチレンスポンジ、ゴムスポンジ、あるいは発泡スチロールなどであってもよい。さらに、ウレタンスポンジは、軟質あるいは硬質で、難燃性を有するものであってもよい。
また、加工対象物として10mm以上1000mm以下の上下方向長さを有する角柱形ウレタンスポンジ11としたが、これに限定せず、多角柱状、円柱状、あるいは球状のウレタンスポンジなどであってもよい。
また、電熱線36の両端に上側スプリング37、及び下側スプリング38を連結したが、これに限定せず、電熱線36の引張方向に作用する付勢力が7kgfであれば、電熱線36の一端を下側連結板34bに連結し、電熱線36の他端を1つのスプリングを介して上側連結板33bに連結する構成としてもよい。
また、付勢部材として、上側スプリング37、及び下側スプリング38を用いて説明したが、これに限定せず、電熱線36の引張方向に付勢力を作用できる構成であれば、適宜の付勢部材で構成してもよい。
また、電熱線張架部材31が固定され、スポンジ支持部材21が回転する構成のスポンジ加工装置1としたが、これに限定せず、スポンジ支持部材21が固定され、スポンジ支持部材21における軸棒部21bの中心軸を回転軸として、電熱線張架部材31が回転する構成のスポンジ加工装置としてもよい。
また、3つの蝶番3aを介して、支持フレーム32に電熱線張架部材31を連結したが、これに限定せず、支持フレーム32に対して電熱線張架部材31を回転自在に支持する構成であれば、適宜の構成としてもよい。
また、上側ローラー33a、及び下側ローラー34aを介して、電熱線36に電圧を印加したが、これに限定せず、電熱線36に電圧を印加できる構成であれば、適宜の構成としてもよい。
例えば、上側スプリング37の一端、及び下側スプリング38の一端を電熱線36の両端に連結するとともに、上側スプリング37の他端に正極電線7を接続し、下側スプリング38の他端に負極電線8を接続する構成としてもよい。
あるいは、上側スプリング37と電熱線36との間に正極電線7を接続するとともに、下側スプリング38と電熱線36との間に負極電線8を接続してもよい。この際、上側スプリング37と正極電線7との接続箇所、及び下側スプリング38と負極電線8との接続箇所に適宜の絶縁体を介在させて、上側スプリング37、及び下側スプリング38への導通を阻止してもよい。
もしくは、上側ローラー33aと下側ローラー34aとの間において、上側スプリング37、電熱線36、及び下側スプリング38が上方からこの順番で連結されるとともに、上側スプリング37が上側ローラー33aに連結され、下側スプリング38が下側ローラー34aに連結される構成としてもよい。
また、角柱形ウレタンスポンジ11の外周部分の加工と、内部の加工とを、1つの電熱線保持構造体3で行う構成のスポンジ加工装置1としたが、これに限定せず、角柱形ウレタンスポンジ11の外周部分を加工する電熱線保持構造体と、角柱形ウレタンスポンジ11の内部を加工する電熱線保持構造体とを備えたスポンジ加工装置であってもよい。
これにより、スポンジ加工装置は、角柱形ウレタンスポンジ11の外周部分と内部とを同時に加工することができ、角柱形ウレタンスポンジ11から円筒形ウレタンスポンジ13を効率よく得ることができる。
この発明の構成と、上述の実施形態との対応において、
この発明の高分子化合物は、実施形態のポリウレタンに対応し、
以下同様に、
高分子発泡体は、角柱形ウレタンスポンジ11に対応し、
発泡体支持手段は、スポンジ支持部材21に対応し、
一対の張架フレームは、上側張架フレーム33、及び下側張架フレーム34に対応し、
電熱線張架手段は、電熱線張架部材31に対応し、
電圧供給手段は、上側ローラー33a、下側ローラー34a、正極電線7、負極電線8、制御装置4、及び電源装置10に対応し、
発泡体加工装置は、スポンジ加工装置1に対応し、
張架方向は、上下方向に対応し、
回動手段は、回転駆動ユニット23に対応し、
一対の張架フレームの間における電熱線の長さは、有効加工範囲Hに対応し、
付勢部材は、上側スプリング37、及び下側スプリング38に対応するが、
この発明は、上述の実施形態の構成のみに限定されるものではなく、多くの実施の形態を得ることができる。
1…スポンジ加工装置
4…制御装置
7…正極電線
8…負極電線
10…電源装置
11…角柱形ウレタンスポンジ
21…スポンジ支持部材
23…回転駆動ユニット
31…電熱線張架部材
33…上側張架フレーム
33a…上側ローラー
34…下側張架フレーム
34a…下側ローラー
36…電熱線
37…上側スプリング
38…下側スプリング
H…有効加工範囲

Claims (6)

  1. 高分子化合物の発泡成形体である高分子発泡体を支持する発泡体支持手段と、
    所定間隔を隔てて並置した一対の張架フレームの先端に電熱線を張架した電熱線張架手段と、
    前記電熱線に対して電圧を印加する電圧供給手段とを備え、
    前記電熱線によって前記高分子発泡体を溶融して加工する発泡体加工装置であって、
    前記一対の張架フレームの間において、前記電熱線が張架される方向を張架方向とし、
    前記電熱線の前記張架方向に対して略平行な仮想線を回転軸として、前記電熱線張架手段または前記発泡体支持手段のいずれか一方を回動させる回動手段を備え、
    前記一対の張架フレームの間における前記電熱線の長さを、1200mmとし、
    前記電熱線張架手段に、
    前記電熱線の引張方向に前記電熱線を付勢する少なくとも1つの付勢部材を備えた
    発泡体加工装置。
  2. 前記付勢部材を、
    前記電熱線に作用する付勢力の合計が7kgfとなるように構成した
    請求項1に記載の発泡体加工装置。
  3. 前記電熱線を、
    材質が85Ni−15Crのニクロム線で構成した
    請求項1または請求項2に記載の発泡体加工装置。
  4. 前記ニクロム線の線径を、直径0.8mmとした
    請求項3に記載の発泡体加工装置。
  5. 電圧を印加した状態における前記ニクロム線の温度を、
    320℃以上380℃以下とした
    請求項3または請求項4に記載の発泡体加工装置。
  6. 前記回動手段による前記電熱線張架手段または前記発泡体支持手段の回転速度を、1rpmとした
    請求項1から請求項5のいずれか1つに記載の発泡体加工装置。
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