JP2016158818A - 革靴および靴紐 - Google Patents

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真和 長田
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Abstract

【課題】従来より、革靴においては、都度変化する甲締部の締め付け具合を柔軟に調整可能にするための仕組みが求められていたので、これを提供する。【解決手段】左右甲締部0101,0102と、左右甲締部に設けられる複数の紐穴0111と、複数の紐穴に通して利用する靴紐0110と、からなる革靴0100であって、前記靴紐と前記紐穴とは、前記靴紐を前記紐穴に通してゆくと前記紐穴と前記靴紐との摩擦力が相対的に高くなったり、相対的に低くなったりすることが周期的又は非周期的に繰り返されるように構成された革靴などを提案する。【選択図】図1

Description

本発明は、長時間履き続けていても甲締部にて適度な足甲の締め付けを可能とする革靴などに関する。
革靴は紐を使って靴の締め付け具合を調整できるため、足がむくむなどして足の大きさが微妙に変化した場合であっても臨機応変に対応できる利点がある。特にビジネスや冠婚葬祭などフォーマルな場で用いられる革靴の多くが紐を使っている。
ここで図1を示す。図1は従来の革靴の一例を説明するための斜視図である。同図に示される「革靴」0100は、「靴紐」0110にて靴の甲締部と足甲との締め付け具合を調整可能に構成されている。具体的には靴紐は「右甲締部」0101および「左甲締部」0102それぞれに複数設けられた「紐穴」0111、0112に挿通されて用いられる。左右甲締部の間には「タン部分」0103が設けられている。
ただ革靴は長時間履いていると、発汗作用により生じた汗等の水分を吸収することにより、甲締部の締め付け具合が微妙に緩む。そこで革靴においては、緩んだ甲締部の締め付け具合を柔軟に調整可能にするための仕組みが求められていた。
図2を示して従来からある革靴における水分の吸湿、放湿の様子を説明する。同図は図1で示した革靴のうち点線で囲われた0120で示された領域を上から見た図であり、革靴の左右甲締部0201及び0202、ならびに「タン部分」0203を上から眺めた図である。革靴は長時間履き続けていたり雨に濡れたりすると水分を吸収する。そして水分を含んだまま歩行するなどして左右甲締部に力が加わることで革は膨張する。図2においては革が膨張した様子を点線を用いて表しており、左右甲締部がそれぞれタン部分の中心部分に向かって膨張している。
このように、革はその素材特性上水分を含むことにより膨張するため、靴紐を用いて甲締部と足甲を締めつけていても、その締めつけが革の膨張により緩むこととなる。したがって、この段階で靴を履いている者は最適な締め付け具合を実現するために靴紐を調整し直さなければならなくなる。
そしてさらに言えば、革は吸水性のみならず放湿性をも兼ね備えているため、時間を経過させると発汗や雨に濡れるなどして吸収した水分を放出することもある。水分を放出する際には革は収縮する。しかしながら、いったん革が収縮した際にきつく締め直した靴紐の締め付け具合は、革が収縮したからといって当然には緩まない。したがって、最適な締め付け具合を実現するためには、この時点でも靴紐の調整が必要となる。
なお、革は吸水ないし吸湿と放湿とを繰り返し行う素材である。したがって上記のように靴紐の締め付け具合を調整し直さなければならない事態は、靴紐を使う革靴を履いていればだれでもいつでも何度でも直面し得るものであり、この調整を都度行うことは極めて難儀である。
以上のような課題を解決するために、本発明は、左右甲締部と、左右甲締部に設けられる複数の紐穴と、複数の紐穴に通して利用する靴紐と、からなる革靴であって、前記靴紐と前記紐穴とは、前記靴紐を前記紐穴に通してゆくと前記紐穴と前記靴紐との摩擦力が相対的に高くなったり、相対的に低くなったりすることが周期的又は非周期的に繰り返されるように構成された革靴などを提案する。
また、別の発明として上記革靴に用いられる靴紐をも提案する。
主に上記のような構成をとる本発明により、革靴における足の締め付け具合が変化する都度靴紐を解いたり結び直したりする作業を行うことなく、柔軟に足の締め付け具合を調整することが可能になる。
従来の革靴の一例を示すための斜視図 図1で示した革靴の一部分の拡大図 実施形態1の革靴の一例を示す斜視図 実施形態1の革靴の左甲締部の拡大図 図4で示した左甲締部の一部分の拡大図 実施形態1の革靴の紐穴に靴紐を挿通する際の断面図 実施形態1の革靴の背面断面図 図7Aで示した革靴の一部分の拡大図 実施形態1の革靴の左右甲締部及びタン部分を上側から見た図 図8Aで示された領域のうち0840で囲まれた領域の断面図 実施形態1の革靴の紐穴の形状の別の一例を示す図 実施形態2の革靴の紐穴に靴紐を挿通する際の概念図 実験で得られた結果のうちおもりの重さの平均値をグラフに表した図
以下、本発明の各実施形態について図面と共に説明する。実施形態と請求項の相互の関係は、以下のとおりである。まず、実施形態1は、主に請求項1、2、3、4、5、6などに対応する。実施形態2は、主に請求項2などに対応する。なお、本発明はこれらの実施形態に何ら限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲内において、様々な態様で実施し得る。
<<実施形態1>>
<概要>
本実施形態の革靴は、左右の甲締部に設けられた複数の紐穴に靴紐を通してゆくと、紐穴と靴紐との摩擦力が相対的に高くなったり、相対的に低くなったりすることが周期的又は非周期的に繰り返されるように構成されている点に特徴がある。
<構成>
図3は、本実施形態の革靴の一例を示す斜視図である。本実施形態の「革靴」0300は、「左甲締部」0301と、「右甲締部」0302と、「靴紐」0310とからなり、左右の甲締部はそれぞれ複数の「紐穴」0311、0312を有している。左右甲締部に挟まれている領域には「タン部分」0303が配置されている。
本実施形態の革靴は、その大きさや色、形状は特に限定しない。したがって、男性用か女性用か、内羽根式か外羽根式かなどデザインに依存することなく実現可能である。
「左右甲締部」0301、0302は革靴を履いた際、足の甲を締めるための機能を有しており、一般に羽根などと呼ばれることもある。左右それぞれに配されているが、「右甲締部」0301や「左甲締部」0302といった呼称は相対的である。左甲締部と右甲締部との下側間には「タン部分」0303が配されており、主に足に対する泥除けや紐表面が足甲と接触し足甲に不快感を与えないようにするために機能する。
左右甲締部にはそれぞれ複数の「紐穴」0311、0312が配されている。紐穴の形状や加工の有無及びその態様については様々なバリエーションが考えられるが、いずれも後述するように靴紐との間で生じる摩擦力に影響を与えないのであれば、どのような形態を採用してもよい。
「靴紐」0310は前記紐穴に挿通することにより革靴の一部として機能する。素材や色、形状については上記紐穴と同様、本実施形態の革靴の技術的特徴を損なわない範囲において適宜選択することが可能である。
本実施形態の革靴において前記靴紐と前記紐穴とは、前記靴紐を前記紐穴に通してゆくと前記紐穴と前記靴紐との摩擦力が相対的に高くなったり、相対的に低くなったりすることが周期的又は非周期的に繰り返されるように構成されている。このような機能を実現するために、紐穴において摩擦力の高低を生じさせる構成を採用してもよいし、靴紐に採用してもよい。
なお、本明細書で言及する紐穴の直径は約3.0ミリメートルから5.0ミリメートル程度とし、紐穴の総数も左右甲締部に対しそれぞれ3つないし5つとすることが好ましい。紐穴の直径は特に約3.0ミリメートルから4.0ミリメートル程度がより好適である。これよりも紐穴の直径が大きいと挿通する紐の径も太くなり、ビジネスやフォーマルに用いる革靴のデザイン性を損なうからである。また、紐穴の総数も過度に多くなるとそれだけ革の耐久性を損なうので上記3つないし5つ程度とすることが靴の強度の観点からも好ましい。
本実施形態の革靴を好適に実現する態様の一例として紐穴を前記言及した3.0ミリメートルから5.0ミリメートルの範囲のいずれかの値により定まる固定径とした場合を説明する。
発明者は実際の革靴のこのサイズの紐穴に対して靴紐の締めやすさ、靴紐の緩みにくさの観点から最適と感じられる靴紐TypeAと、必ずしも最適と感じられない靴紐TypeB〜Dを準備しそれぞれの靴紐の紐穴に対する摩擦力を靴紐にぶら下げるおもりの重さに代えて測定した。発明者は各種の革靴を想定して複数の厚みからなる塩化ビニール樹脂板あるいは発泡塩化ビニール樹脂板にそれぞれに径の異なる紐穴を空け、上記固定径の紐穴に靴紐を摩擦力が最大値とならない位置になるよう挿通し紐穴面を地面と平行にして靴紐に重さの異なる複数種類のおもりをぶら下げ摩擦力に耐えられないで靴紐が降下する際のおもりの重さを測定する実験を行った。この実験により以下の表1記載の結果を得ることができた。
(表1)
Figure 2016158818
ここで図11を示す。同図は上記の実験で得られた結果のうちおもりの重さの平均値をグラフに表した図である。同図に示されているように、おもりの重さが次の式2記載の範囲のいずれかの値で靴紐と革靴の紐穴との摩擦力の最大値を超えないように靴紐を構成することで、甲締部と足甲との締付を維持することが容易であるとともに靴紐の抜き差しに大きな力を要しない靴紐と革靴を実現できる。0.35kgよりも軽いと歩行中に靴紐が自然と緩みやすく、2.06kgよりも重いと靴紐を紐穴から抜き差しすることが困難となる。
(式2)
0.35kg<おもりの重さ<2.06kg
さらに言えば、おもりの重さが次の式3記載の範囲のいずれかの値となるように靴紐を構成することで、より少ない力を加えただけで甲締部と足甲を締付けることができ、お年寄りや子供でも快適に本実施形態の革靴の締付け具合を調整することができる。さらに効果のある範囲として得られたものである。
(式3)
0.50kg<おもりの重さ<1.50kg
なお、靴紐の両端部はプラスティックにより囲繞されることが考えられ、囲繞後の靴紐の両端部の径は2.5ミリメートルないし3.0ミリメートルとなるように構成することが好ましい。そうすれば編組されてなる靴紐の両端部が使用に伴いほつれてしまう事態を防ぐことができる。摩擦力を伴う締付けを持続するためにも、本明細書で言及する革靴の左右甲締部の厚みは、約0.5ミリメートルから3.0ミリメートル程度の範囲内であることが望ましい。
また、靴紐の長さも紐穴の数に適合するような長さとすることが望ましい。本件発明の革靴に用いる靴紐はその全長が過度に長くある必要はなく、具体的には全長35センチメートルから45センチメートル程度とすることが好ましい。より好ましくは、38センチメートルから42センチメートル程度とすることで、靴紐が長すぎたり短すぎたりして革靴のデザイン性を損なう事態を回避することができる。
以下で本実施形態の革靴において採用しうる靴紐と紐穴との構成について、具体例を示しながら説明する。
<<実施例>>
<概要>
本実施例の革靴は、靴紐を紐穴に通してゆくと複数の紐穴の径が大小に変化することを技術的特徴としている。ここで図4を示す。同図は本実施例の革靴の左甲締部の拡大図であり、4つの紐穴が略等間隔で配置されている様子を示す図である。そして同図のうち点線で囲まれた領域0410を拡大したのが図5である。同図に示されているように、「紐穴」0500には2本の「回転軸」0510、0520と回転軸に固定回転するように構成されているこちらも2本の「ローラー」0511、0521が並行して備え付けられ「靴紐」0530を挿通させるように構成されている。回転軸は円柱形状からなるローラーの中心部に配置されておらず、ローラーの偏心位置に配置されている。
<靴紐挿通の方法>
ローラーは外力の作用により所定の方向に回転する。ここで図6を示す。同図は本実施例の革靴の紐穴に対し垂直方向下向きに靴紐を挿通しようとしている場合の断面図である。同図に示されているように、「靴紐」0610を「紐穴」0620に挿通しようとする際、2本の「ローラー」0630、0640との接触面で摩擦力が生じ、挿通しようとすればするほどローラーが回転する。ちなみに、ローラーに対し外力が加わっていない状態であれば「回転軸」0631、0641はローラーの重心すなわちローラーの中心部分の直上に配置される。ローラーに外力が加わると偏心している回転軸を中心にローラーが回転するため、2本のローラー間の距離がローラーの回転により変化する。
以上の点を具体的に説明する。靴紐をローラーに接触させ紐穴に通そうとすると、ローラーは靴紐から加えられる外力によって回転する。ここで接触直前のローラーは外力が加わっていないため重心が回転軸の直下に位置しており靴紐と接触することで靴紐を紐穴内部に巻き込むように回転する(図6(a)の場合)。このときの紐穴の径0620はAである。
さらに靴紐を挿通し続けるとローラーも回転し続け、やがて回転軸と、ローラーと靴紐との接触面までの距離が最小となり接触面積も小さくなる(図6(b)の場合)。このときの紐穴の径0650はBであり、前述したAよりも相対的に広くなっているとともに、ローラーと靴紐との間で生じる摩擦力は小さくなる。
そして更に靴紐を挿通し続けるとやがてローラーが靴紐に食い込みながら回転し始め、それだけローラーと靴紐の接触面積は広くなる(図6(c)の場合)。このときの紐穴の径0660はCであり、前述したAやBよりも相対的に狭くなっており、ローラーと靴紐との間で生じる摩擦力は大きくなる。
このようにして、ローラーと靴紐との間の接触面積が大きくなり摩擦力が大きくなることで甲締部と足甲とを好適に締めつけることが可能になる。いっぽう、接触面積が小さく摩擦力も小さい場合には、靴紐を挿通しても甲締部と足甲とを好適に締めつけることは困難である。
ここで図7及び図8を用いて本実施例の革靴において靴紐が緩んだときの対処法の一例について説明する。図7は本実施例の革靴の背面断面図およびその拡大図である。まず図7Aにおいて示されているように、「靴紐」0700は紐穴にて「ローラー」0710ないし0740との間で生じた摩擦力により左右甲締部と足甲を締めつけている。ここで革靴の「左右甲締部」0760、0770や「タン部分」0750などが水分を吸収するなどした場合の革の変化を説明するために図7Bを示す。同図は図7Aの0799で囲まれた領域の拡大図である。同図に示されているように、革が水分を吸収すると、甲締部は太い矢印で示したようにタン部分の中心部に向かって膨張する。このような革の膨張により、同図中細い矢印で示した方向でローラーが回転することから靴紐が緩み左右甲締部と足甲との締めつけが緩くなる。
次に図8を示す。図8Aは本実施例の革靴の左右甲締部及びタン部分を上側から見た図であり、図8Bは図8Aで示された領域のうち0840で囲まれた領域の断面図である。同領域は「靴紐」0800が「紐穴」と「紐穴」0810の間を通されている領域であり、革靴の左右甲締部0820、0830が水分を吸収すると同図中矢印で示したタン部分中心方向に向かって膨張する(図8B(ア))。膨張後はそれまで靴紐に対し鉛直方向下向きに加わっていた力が解放されるため靴紐は緩み、よって左右甲締部と足甲の締付け具合は緩くなる(図8B(イ))。
このとき、図8B(イ)の矢印によって示されているように、靴紐を鉛直方向上向きに引っ張ると、再び靴紐の張りを強くすることできる(図8B(ウ))。そしてこの場合も靴紐が引っ張られる際にローラーが回転して生じる摩擦力の大小によって靴紐の張り具合を調整することができる。
このように、本実施例の革靴においては、たとえ左右甲締部と足甲の締付具合が緩くなったとしても、靴紐を引っ張るだけで簡単に締めつけ具合を調整することができるようになる。
以上で説明したように、紐穴に2本のローラーを設け、当該ローラーの間を通過するように靴紐を挿通することにより、靴紐とローラーとの間で生じる摩擦力の大小を利用することにより靴紐が紐穴から離れにくくすることが可能になる。
なお本実施例の革靴に用いられる靴紐は伸縮性を有していることが好ましい。具体的にはゴム紐であったりゴムを他の伸縮性を有する素材と編組してなる紐であったりすることが考えられる。当該構成を採用すれば、いったん締付けが緩んだ左右甲締部を再び締めつける際の図8B(イ)を用いて説明したような靴紐の引っ張りを、靴紐自体の伸縮性を利用して行うことができ、力のあまりない子供やお年寄りでも本実施例の革靴を履いて所与の効果を実現することが可能になる。
ちなみに、ここまではローラーを円柱形状として説明したが、それ以外でも例えば直方体であっても多角柱形状であってもよい。これらの形状を採用すれば、ローラーと靴紐との間で生じる摩擦力の変化を多様化することができ、より柔軟な締め付け具合の調整が可能になる。
なお、上記摩擦力の変化が複数の紐穴においてどのような周期で生じるかは任意に定めてよい。すなわち、複数の紐穴における摩擦力の変化は周期的に繰り返されてもよいし、非周期的に繰り返されてもよい。周期的に繰り返される場合には紐穴を等間隔で配置することが考えられ、当該構成を採用すれば利用者は革靴を履く際の足の締めつけ具合を調整しやすくなる。
いっぽう、紐穴を等間隔に配置せず不等間隔に配置した場合としては、例えば甲締部のうち下側部分については紐穴の配置間隔を緩やかにし、甲締部のうち上側部分については配置間隔を狭めることが考えられる。当該構成を採用すれば、動作が多く歩行時等に比較的靴紐が緩みやすい甲締部上側部分を相対的に強く革靴に締めつけることができる。
なおここまでは2本のローラーの間にできた空間を「紐穴」と呼んだが、これは本実施例の紐穴の形状を限定する趣旨ではない。本実施例の革靴における紐穴の形態の別の一例を示すために図9を示す。同図は本実施例の革靴に用いる紐穴の斜視図であって、実線であらわされた部分が斜視図において実際に見える部分、破線であらわされた部分が表面からは見ることができない部分である。同図に示されたように、2本のロールを紐穴の内側に設けることも可能である。当該構成を採用して靴紐を挿通すれば、革靴の表面上にロールが見えることがなくなり、ロールが革靴のデザイン性を損なわせる事態を回避できる。また、ロールが外部に露出しないので、ロールが靴紐以外の物体と接触し回転してしまい、靴紐の固定状態を開放してしまうような事態を避けることもできる。
<効果>
以上の構成を有する本発明によって、革靴における足の締め付け具合が変化する都度靴紐を解いたり結び直したりする作業を行うことなく、柔軟に足の締め付け具合を調整することが可能になる。
<<実施形態2>>
<概要>
本実施形態の革靴は、基本的には実施形態1の革靴と同様であるが、摩擦力の大小を靴紐の表面粗さを利用する点が異なっている。当該構成を採用することにより、実施形態1よりも簡素な構成のもと所与の効果を実現することができる。
本実施形態では、靴紐又は/及び紐穴の表面を周期的に又は非周期的に粗くすることを特徴とする。ここで図10を用いて説明する。同図には、「左甲締部」0130上に「紐穴」1020が複数配置されており、この紐穴に挿通する「靴紐」1010の表面は「粗い部分」1011と「滑らかな部分」1012とが非周期的に配置されている。
ここでいう表面の粗さもしくは滑らかさはどのように実現されてもよいが、粗さを実現する一例としては、繊維状素材の編込みにより生成された靴紐において部分的に径大となるように繊維状素材を毛羽立たせたり、繊維状素材の編込みによらずに生成された靴紐を用いる場合でも部分的に径大となるように毛羽立たせた繊維状素材を配したりする構成などが考えられる。当該構成をとることで、靴紐表面のうち加工をした部分が粗くなり加工をしていない部分が相対的に滑らかになる形状を実現することが可能になる。
靴紐の表面のうち、滑らかな部分が接触した場合には当該接触面において生じる摩擦力は、後述する他の場合に比べて相対的に小さくなる。また粗い部分が接触した場合には当該接触面において生じる摩擦力は相対的に大きくなる。上記図10を用いて説明した繊維状素材を毛羽立たせる一例の場合であれば、靴紐1010を紐穴1020に挿通する際、靴紐の粗い部分1011が紐穴の縁部との接触の際に引っかかり大きな摩擦力が生じる。一方滑らかな部分1012は紐穴の縁部に接触しても、その際に生じる摩擦力は前記粗い部分の接触時に比べて相対的に小さい。
このように摩擦力が相対的に大きいケースでは紐穴と靴紐との固定関係が強固になり、いっぽう摩擦力が相対的に小さくなるケースでは固定関係が緩やかになるので、かかる緩急を利用することにより、柔軟に足の締め付け具合を調整することが可能になる。
ちなみに、本実施形態においては靴紐及び/又は紐穴の表面の粗さに着目して説明を行ったが、ここでいう「粗さ」の態様やその程度を特に限定はしない。従って、例えば紐穴に溝を設けることでその表面を粗くする構成を採用してもかまわない。靴紐についても、表面の繊維を部分的に起毛加工して粗い表面を作出したり、部分的にチップ加工をして滑らかな表面を作出したりしてもよい。さらに言えば、靴紐の径そのものを周期的又は非周期的に変化させることで靴紐の表面の粗さを作出してももちろんよい。
本実施形態の革靴の場合でも靴紐は伸縮性を有していることが好ましい。靴紐はその伸縮により表面の粗さを変化させ、より摩擦力の高低変化に富み柔軟な甲締部の締付けを実現することが可能になる。
<効果>
以上のような構成を採用することにより、実施形態1で説明したようなローラーや回転軸のような特別な構成を必要とせず、革靴のデザイン性を損なうことなく柔軟な足の締め付け具合を調整することが可能となる。
0100…革靴、0101…左甲締部、0102…右甲締部、0103…タン部分、0110…靴紐、0111…紐穴、0112…紐穴

Claims (6)

  1. 左右甲締部と、
    左右甲締部に設けられる複数の紐穴と、
    複数の紐穴に通して利用する靴紐と、
    からなる革靴であって、
    前記靴紐と前記紐穴とは、前記靴紐を前記紐穴に通してゆくと前記紐穴と前記靴紐との摩擦力が相対的に高くなったり、相対的に低くなったりすることが周期的又は非周期的に繰り返されるように構成された革靴。
  2. 前記紐穴に靴紐を通してゆくとその紐穴経又は/及び紐経が大小に変化することで前記摩擦力の周期的又は非周期的な変化を生み出すように構成されている請求項1に記載の革靴。
  3. 前記靴紐は伸縮性を有する請求項1又は2に記載の革靴。
  4. 請求項1又は2に記載の靴紐。
  5. 紐の両端部がプラスティックによって径が2.5ミリメートルから3.0ミリメートルの範囲となるように囲繞され、
    挿通する紐穴が固定径である場合に、前記摩擦力の最大値が下記の式1で表される範囲である請求項4に記載の靴紐。
    [式1]
    3.0ミリメートル ≦ 紐穴径 ≦ 5.0ミリメートル の範囲で、
    摩擦力が最大値とならない位置になるよう紐穴に靴紐を挿通した場合に、
    紐穴面を地面と平行にして靴紐にぶら下げるおもりの重さが次の範囲のいずれかの値でも摩擦力の最大値を超えない
    0.35kg<おもりの重さ<2.06kg
  6. 前記おもりの重さの範囲が以下の範囲のいずれかの値である請求項5に記載の靴紐。
    0.5kg<おもりの重さ<1.50kg
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