JP2016158482A - 発電装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 初期電圧を印加しなくても発電可能であり、かつ、大きな電気エネルギーを出力可能な発電装置を提供する。【解決手段】 発電装置10は、外部から入力される運動エネルギーを電気エネルギーに変換する。発電装置10は、エラストマーを含む誘電層23と、誘電層23を挟んで配置されエラストマーおよび導電材を含む電極層24a、24bと、を有し、入力される該運動エネルギーにより変形すると共に変形に応じて電荷を発生する電歪素子20と、電極層24a、24bに電気的に接続され、回路への電流の流入と流出とが繰り返されることにより回路の端子間電圧が上昇していく機能を有する電圧増幅回路3と、電圧増幅回路3に接続され、発生した電気エネルギーを取り出すための制御部4Aと、を備え、電歪素子20に初期電圧を印加する電圧供給部を備えない。【選択図】 図2

Description

本発明は、エラストマー材料を使用した電歪素子を備える発電装置に関する。
外部から入力される運動エネルギーを電気エネルギーに変換する発電装置として、変形に応じて電荷を発生する誘電性ポリマーを利用した発電装置が開発されている。当該発電装置は、誘電性ポリマーからなる誘電層の厚さ方向両面に一対の電極を配置した電歪素子を備える。電歪素子に力を加え誘電層を面方向に伸張すると、誘電層の厚さは小さくなり面積は大きくなる。これにより、電極間に電荷が蓄えられる。次に、力を除去すると、誘電層は弾性復元力により収縮し、誘電層の厚さは大きくなる。この時、蓄えられた電荷を電気エネルギーとして放出させる。
例えば、特許文献1には、誘電性ポリマーを有する電歪素子と、該電歪素子に電圧を印加するための昇圧回路と、該電歪素子に対して電荷の出し入れを行うための電荷制御回路と、出力電圧を調整するための降圧回路と、を備える発電装置が開示されている(図6A、図6B)。また、特許文献2には、誘電性ポリマーを有する電歪素子と、該電歪素子に初期電気エネルギーを供給する起動電圧供給部と、該電歪素子の変形状態に応じて該電歪素子に対する電気エネルギーの供給と出力とを切り替える充放電切替部と、出力電気エネルギーを制御する蓄電用電力供給部と、該蓄電用電力供給部から供給される電力を蓄電する蓄電部と、を備える発電装置が開示されている(図1、図4)。また、特許文献3および非特許文献1には、誘電性エラストマージェネレータ(Dielectric Elastmer Generator:DEG)と、コンデンサおよびダイオードを組み合わせた自己プライミング回路(Self Priming Circuit:SPC)と、を備える発電装置が開示されている(Figure 15B、16)。
特許第5509350号公報 特開2008−141840号公報 国際公開第2011/005123号 特開2009−232678号公報
トーマス・マッケイ(Thomas McKay)、他3名、"Self-priming dielectric elastomer generators"、「Smart Material and Structures」、IOP Publishing、2010年、第19巻、055205
電歪素子は初期の電荷を増幅するものである。このため、特許文献1〜3および非特許文献1に記載されているように、従来の発電装置においては、電歪素子に発電の元となる初期電圧を印加する必要がある。よって、初期電圧印加のための電源や電気回路が必要であり、部品点数が多くコストもかかる。特許文献4には、一対の電極間に誘電層を介装してなる発電エラストマー積層体において、電極層や誘電層のベースゴムにイオン性液体を含有させて起電力を得ることが記載されている。しかし、誘電層にイオン性液体を含有させると、電気抵抗が低下する。このため、電極間に蓄えられた電荷が誘電層を通って漏れ流れてしまい、発電効率が低下する。
従来の発電装置により得られる発電量は充分とはいえない。電歪素子の伸縮により取り出せる電気エネルギーは、電歪素子の静電容量の大きさおよびその変化量に比例する。静電容量は、誘電層の比誘電率に比例し、厚さに反比例する。また、誘電層の電気抵抗が小さいと、上述したように、電極間に蓄えられた電荷が誘電層を通って漏れ流れてしまい、発電効率が低下する。また、誘電層が硬いと変形しにくく、柔らかすぎると変形を繰り返すことによりクリープしやすい。このように、誘電層の物性や特性が発電量に大きく影響するため、発電に最適な電歪素子の開発が必要である。
電歪素子の伸縮により得られる電力は高電圧低電流であり、発電量が増加するにつれて電圧は上昇する。このため、誘電層には耐電圧性が要求される。例えば、誘電層の厚さを大きくすれば、耐電圧性は高くなる。しかし、誘電層が厚くなると、静電容量が低下してしまうため、厚さによる耐電圧性の向上は難しい。
電歪素子は、伸張時に電荷を蓄え収縮時に電荷を放出するものであるから、このままでは発電された電力を断続的にしか取り出せない。
本発明は、このような実情に鑑みてなされたものであり、初期電圧を印加しなくても発電可能であり、かつ、大きな電気エネルギーを出力可能な発電装置を提供することを課題とする。
(1)本発明の発電装置は、外部から入力される運動エネルギーを電気エネルギーに変換する発電装置であって、エラストマーを含む誘電層と、該誘電層を挟んで配置されエラストマーおよび導電材を含む電極層と、を有し、入力される該運動エネルギーにより変形すると共に変形に応じて電荷を発生する電歪素子と、該電極層に電気的に接続され、回路への電流の流入と流出とが繰り返されることにより回路の端子間電圧が上昇していく機能を有する電圧増幅回路と、該電圧増幅回路に接続され、発生した電気エネルギーを取り出すための制御部と、を備え、該電歪素子に初期電圧を印加する電圧供給部を備えないことを特徴とする。
本発明の発電装置は、回路への電流の流入と流出とが繰り返されることにより回路の端子間電圧が上昇していく機能を有する電圧増幅回路を備える。これにより、電歪素子の変形により発生する電荷が増幅され、大きな電気エネルギーを出力することができる。
本発明の発電装置によると、電歪素子に初期電圧を印加する必要はない。この理由は明らかではないが、次のように推測される。電歪素子を構成する誘電層、電極層は、いずれもエラストマーを含む材料から形成される。このため、誘電層と電極層とが積層された状態において微量な電荷が発生する。加えて、電歪素子が変形を繰り返すとエラストマーが断裂しラジカルが発生することにより電荷が発生する。これにより、外部から初期電圧を印加しなくても発電することができると考えられる。したがって、本発明の発電装置によると、初期電圧印加のための電源や電気回路は不要であり、部品点数やコストを削減することができる。
また、外部から流入する誘導ノイズ、静電ノイズ、静電荷などにより、発電回路内に電位差が生じる。これらも、初期電圧を印加しないで発電することに有用である。例えば、誘導ノイズは、電磁誘導によるノイズである。発電回路外の電源、回路などから発せられるノイズや信号は、発電回路に影響を与える。例えば、接点ノイズ、スイッチング電源などから発生する電磁波などが挙げられる。静電ノイズは、静電誘導(静電結合)によるノイズである。発電回路外の電圧を持った物体によって、発電回路内の導電体に電流が流れて電位差が生じる。ノイズの伝導は、導体伝導、空間伝導のいずれでもよい。静電荷の流入には、例えば、人体と布との摩擦にて発生した静電気が流入することが挙げられる。
(2)好ましくは、上記(1)の構成において、前記電圧増幅回路は、複数のコンデンサおよび複数のダイオードを有する自己プライミング回路である構成とするとよい。
本構成によると、請求項1に記載された電圧増幅回路を容易に実現することができる。例えば、二つのコンデンサーと三つのダイオードとを組み合わせて、自己プライミング回路(以下適宜「SPC」と称す)を構成することができる。図1Aに、自己プライミング回路の一例を示す。図1Bに、同回路に電荷が流入する時の等価回路を示す。図1Cに、同回路から電荷が流出する時の等価回路を示す。
図1Aに示すように、SPC3は点Aと点Bとにより電歪素子に接続されている。SPC3は、電荷がSPC3に流入する時に、点Aから点Bに向かって電流が流れるように構成されている。この場合、SPC3は、図1Bに示すように、二つのコンデンサが直列に接続される状態になる(低電荷、高電圧状態)。反対に、電荷がSPC3から流出する時は、点Bから点Aに向かって電流が流れる。この場合、SPC3は、図1Cに示すように、二つのコンデンサが並列に接続される状態になる(高電荷、低電圧状態)。このように、SPC3への電荷の流入と流出とが繰り返され、方向が異なる電流が交互に流れることにより、点A−点B間の電圧が上昇する。
(3)好ましくは、上記(1)または(2)の構成において、前記制御部は、ツェナーダイオードを有する降圧回路を備える構成とするとよい。
発電量を大きくするという観点から、発生する電気エネルギーの電圧は大きい方が望ましい。しかし、電気エネルギーを使用するためには、実用的な電圧に下げる必要がある。本構成によると、発生した高電圧の電気エネルギーを、ツェナーダイオードにより所望の電圧に降圧することができる。このため、実用性が高い。
(4)好ましくは、上記(1)ないし(3)のいずれかの構成において、前記制御部は、発生した前記電気エネルギーを蓄える蓄電部を備える構成とするとよい。
本構成によると、発生した電気エネルギーを蓄電しておくことができる。これにより、ほぼ一定の電圧の電気エネルギーを連続的に取り出すことができる。また、蓄電部と負荷とを並列に接続することにより、負荷に流れる電流の変化を遅くすることができる。
(5)好ましくは、上記(1)ないし(4)のいずれかの構成において、前記誘電層の体積抵抗率ρ(Ω・cm)は、次式(I)を満たす構成とするとよい。
ρ>(1/ln g)T/ε ・・・(I)
[g:漏れ電荷がないと仮定した状況において電歪素子が伸張、収縮する動作1周期により増加する電圧の比率、T:電歪素子が伸張、収縮する動作1周期の時間(s)、ε:誘電層の比誘電率]
電歪素子は、誘電層を柔軟な電極層で挟んだ構造を有する。このため、電歪素子が変形する際には、静電容量(C)と、電極層の抵抗(R)と、漏れ電荷を表わす電極間抵抗(R)と、が変化すると考えられる。ここで、電歪素子を、図18に示すような可変キャパシタ60と二つの可変抵抗61、62とからなるモデルとして考える。図18中、可変抵抗61は電極間抵抗(R)を、可変抵抗62は電極層の抵抗(R)を示している。
図18に示すモデルについて、電歪素子が伸張、収縮する動作1周期(T秒)後に、発電ができる条件を検討する。実際には、電極層の抵抗(R)は、電極間抵抗(R)よりも極めて小さいため、電極層の抵抗(R)は無視できるものとする。電歪素子の静電容量は時間と共に変化し、正弦波で変化するものとすると、静電容量の関数C(t)は、次式(1)で示される。式(1)中、Cminは静電容量の最小値、γは動作1周期における静電容量の増加比率、Tは動作1周期の時間である。
Figure 2016158482
まず、電圧増幅回路が接続されていない場合、電歪素子に蓄えられている電荷をqとおくと、回路方程式は次式(2)で示される。
Figure 2016158482
初期条件を次式(3)とすると、式(2)は変数分離により次式(4)で示されるから、動作1周期後の電荷g(T)は次式(5)で示される。
Figure 2016158482
Figure 2016158482
Figure 2016158482
C(t)の周期性より、次式(6)が成り立つため、1周期後の電圧V(T)は、次式(7)で示される。
Figure 2016158482
Figure 2016158482
次に、漏れ電荷がなく(R→∞)、電圧増幅回路が接続された場合、1周期後に電圧がg倍になったとする。すなわち、漏れ電荷がない場合の1周期後の電圧は、次式(8)で示されるとする。
Figure 2016158482
漏れ電荷だけがあり発電しない場合の式(7)と、漏れ電荷がなく発電した場合の式(8)と、を考え、漏れ電荷があり発電した場合には、両者の積になると仮定する。すると、電圧が上昇するための条件は、次式(9)になる。
Figure 2016158482
すなわち、発電することができる条件式は、次式(10)になる。
Figure 2016158482
ここで、誘電層の体積抵抗率をρ、比誘電率をεとする。また、誘電層の面積をA(t)、電極間距離をd(t)とする。この場合、電極間抵抗Rは次式(11)、静電容量Cは次式(12)で示される。
Figure 2016158482
Figure 2016158482
これらを式(10)に代入すると、次式(13)が得られる。
Figure 2016158482
式(13)をρについて解くと、次式(14)が得られる。式(14)は、先に示した式(I)であり、漏れ電荷を考慮した場合の発電可能な条件を示している。したがって、誘電層の体積抵抗率ρが先の式(I)を満たす場合には、漏れ電荷があっても発電可能と判断することができる。すなわち、誘電層の体積抵抗率ρが先の式(I)を満たせば、誘電層の形状、寸法などにはよらず、発電可能である。
Figure 2016158482
(6)好ましくは、上記(1)ないし(5)のいずれかの構成において、前記誘電層の比誘電率は、4より大きい構成とするとよい。
上述したように、電歪素子の静電容量は、誘電層の比誘電率に比例し、厚さに反比例する。本構成によると、誘電層の比誘電率が大きいため、電歪素子の静電容量を大きくすることができる。
(7)好ましくは、上記(5)または(6)の構成において、前記誘電層の弾性率は20MPa以下、切断時伸びは100%以上、定伸長引張永久ひずみは40%以下である構成とするとよい。
本構成によると、誘電層が柔軟であるため、外部から入力される運動エネルギーにより変形しやすく、電歪素子における静電容量の変化を大きくすることができる。また、誘電層の永久ひずみが小さいため、変形を繰り返しても誘電層がクリープしにくい。
(8)好ましくは、上記(1)ないし(7)のいずれかの構成において、前記誘電層の前記エラストマーの種類と前記電極層の前記エラストマーの種類とは異なる構成とするとよい。
誘電層に含まれるエラストマーと電極層に含まれるエラストマーとが異なると、誘電層と電極層とが積層された状態において電荷が発生しやすくなると考えられる。また、電歪素子の変形時に摩擦が生じることにより、電荷が発生しやすくなると考えられる。また、電歪素子の変形時に、電歪素子を支持するフレームと誘電層等との接着部分や、隣接する層同士が一部剥離することにより、電荷が発生しやすくなると考えられる。したがって、本構成は、外部から初期電圧を印加しない本発明の発電装置において好適である。
(9)好ましくは、上記(1)ないし(8)のいずれかの構成において、前記電歪素子は、前記誘電層および前記電極層の積層方向の外側にエラストマーを含む保護層を有する構成とするとよい。
電歪素子の最外層として保護層を配置することにより、電歪素子を外部から絶縁することができる。また、水分を透過しにくい材料で保護層を形成すると、誘電層への水分の侵入を抑制することができ、誘電層の電気抵抗の低下を抑制することができる。
また、保護層はエラストマーを含む材料から形成される。このため、保護層を、同じくエラストマーを含む材料から形成される電極層に積層することにより、初期の状態において電荷がより発生しやすくなると考えられる。また、電歪素子の変形時に、エラストマーの断裂や摩擦が生じることにより、電荷がより発生しやすくなると考えられる。したがって、本構成は、外部から初期電圧を印加しない本発明の発電装置において好適である。保護層のエラストマーは、隣接する電極層のエラストマーと異なることが望ましい。
SPCの一実施形態である。 図1Aに示すSPCの電荷流入時の等価回路である。 図1Aに示すSPCの電荷流出時の等価回路である。 第一実施形態の発電装置の回路図である。 同発電装置を構成するトランスデューサの平面図である。 変形前の同トランスデューサの断面図である。 変形後の同トランスデューサの断面図である。 電歪素子およびSPCを含む回路の電歪素子収縮時の等価回路である。 同回路の電歪素子伸張時の等価回路である。 第二実施形態の発電装置の回路図である。 第三実施形態の発電装置の回路図である。 SPCの他の実施形態である。 図8Aに示すSPCおよび電歪素子を含む回路の電歪素子収縮時の等価回路である。 同回路の電歪素子伸張時の等価回路である。 発電実験1の回路図である。 発電実験1の実施例1における電圧の経時変化を示すグラフである。 発電実験1の実施例2における電圧の経時変化を示すグラフである。 発電実験1の比較例1における電圧の経時変化を示すグラフである。 発電実験2の回路図である。 発電実験2における電圧の経時変化を示すグラフである。 図14のグラフ中、横軸の時間の40〜42秒間の拡大図である。 発電実験3の回路図である。 発電実験3における電圧の経時変化を示すグラフである。 漏れ電荷を考慮した発電条件を導出する際に使用した電歪素子のモデル図である。 発電実験4の回路図である。 発電実験4(1)の実験開始から200秒間における電圧の経時変化を示すグラフである。 発電実験4(2)の実験開始から200秒間における電圧の経時変化を示すグラフである。 発電実験5の回路図である。 発電実験5の実験開始から800秒間における電圧の経時変化を示すグラフである。 シミュレーションを行った回路図である。 発電実験6における電圧の経時変化を示すグラフである。
以下、本発明の発電装置の実施形態について説明する。
<第一実施形態>
まず、本実施形態の発電装置の構成について説明する。図2に、本実施形態の発電装置の回路図を示す。図2に示すように、発電装置10は、トランスデューサ2と、自己プライミング回路(SPC)3と、制御部4Aと、を備えている。トランスデューサ2は、SPC3と制御部4Aとに並列に接続されている。
図3に、トランスデューサ2の平面図を示す。図4Aに、変形前のトランスデューサ2の断面図を示す。図4Bに、変形後のトランスデューサ2の断面図を示す。図3においては、防湿層25aを透過して、電極層24aにハッチングを施して示している。図4A、図4Bに示すのは、図3のIV−IV方向の断面図である。図3、図4A、図4Bに示すように、トランスデューサ2は、電歪素子20と、一対のフレーム21a、21bと、駆動部材22と、を備えている。
電歪素子20は、誘電層23と、一対の電極層24a、24bと、一対の防湿層25a、25bと、を備えている。誘電層23は、水素化ニトリルゴム(H−NBR)製であり、直径100mmの円形の薄膜状を呈している。誘電層23の厚さは18μmである。誘電層23の体積抵抗率は3.74×1012Ω・cm、比誘電率は14、弾性率は12MPa、切断時伸びは300%、定伸長引張永久ひずみは15%である。
電極層24aは、後述するフレーム21aおよび固定部220に覆われていない誘電層23の表面に配置されている。電極層24aは、アクリルゴムとカーボンブラックとを含み、リング状を呈している。電極層24aの厚さは5μmである。電極層24bは、誘電層23の裏面に配置されている。電極層24bは、アクリルゴムとカーボンブラックとを含み、電極層24aと同じリング状を呈している。電極層24bの厚さは5μmである。電極層24a、24bは、SPC3に電気的に接続されている。
防湿層25aは、誘電層23および電極層24aの表面を覆うように配置されている。防湿層25aは、ブチルゴム製であり、円形の薄膜状を呈している。防湿層25aの厚さは25μmである。防湿層25bは、誘電層23および電極層24bの裏面を覆うように配置されている。防湿層25bは、ブチルゴム製であり、円形の薄膜状を呈している。防湿層25bの厚さは25μmである。一対の防湿層25a、25bは、誘電層23および電極層24a、24bの積層方向(表裏方向)の外側に一つずつ配置されており、電歪素子20の最外層をなしている。一対の防湿層25a、25bは、本発明における保護層の概念に含まれる。
一対のフレーム21a、21bは、各々、樹脂製であり、外径100mm、内径80mmのリング状を呈している。一対のフレーム21a、21bは、誘電層23の周縁部を挟んで対向して配置されている。一対のフレーム21a、21bと誘電層23とは接着されている。
駆動部材22は、固定部220とロッド部221とを備えている。固定部220は、樹脂製であり、直径50mmの円形板状を呈している。固定部220は、電歪素子20の表面中央部に接着されている。ロッド部221は、樹脂製であり、固定部220より小径の円柱状を呈している。ロッド部221は、固定部220の表面中央部に接着されている。ロッド部221には、図示しないモータが接続されている。ロッド部221は、モータの駆動により、図4A中、白抜き矢印で示すように軸方向(電歪素子20の表裏方向)に移動する。
図2に戻って、SPC3は、二つのコンデンサ30a、30bと、三つのダイオード31a、31b、31cと、を有している。後述するように、SPC3において電荷の流入と流出とが繰り返され、方向が異なる電流が交互に流れることにより、点A−点B間(端子間)の電圧が上昇する。
制御部4Aは、ダイオード40と、ツェナーダイオード41と、発光ダイオード(LED)42と、を備えている。電歪素子20により発生し、SPC3により増幅された電気エネルギーは、ツェナーダイオード41により所定の電圧に降圧されて、LED42に供給される。ダイオード40は、ツェナーダイオード41から電歪素子20に電流が逆流するのを防止している。
次に、本実施形態の発電装置の動作について説明する。初期状態として、電歪素子20には微量の電荷が生じている。モータを作動しロッド部221を軸方向に往復運動させると、電歪素子20が伸張、収縮を繰り返して表裏方向に振動する。図4Bに示すように、電歪素子20が駆動部材22に引っ張られて伸張変形すると、電歪素子20の静電容量が大きくなり、電極層24a、24bに電荷が蓄えられる。この時のSPC3における電流の方向は点B→点Aになり、二つのコンデンサ30a、30bが並列に接続される状態になる(高電荷、低電圧状態)。次に、電歪素子20が駆動部材22に押されて元の状態に戻る、すなわち収縮すると(図4A)、電歪素子20の静電容量は小さくなる。すると、蓄えられた電荷が電歪素子20からSPC3に流入する。この時のSPC3における電流の方向は点A→点Bになり、二つのコンデンサ30a、30bが直列に接続される状態になる(低電荷、高電圧状態)。電歪素子20の伸張、収縮により、SPC3に方向が異なる電流が交互に流れることにより、電歪素子20およびSPC3を含む回路の端子間電圧が上昇する。
電歪素子20により発生し、SPC3により増幅された高電圧の電気エネルギーは、ツェナーダイオード41により所定の電圧に下げられてLED42に供給される。これにより、LED42が点滅する。
以下に、SPC3における電流の方向が切り替わり発電が可能になるためには、電歪素子20の静電容量がどれくらい変化することが必要かを説明する。図5Aに、電歪素子およびSPCを含む回路の電歪素子収縮時の等価回路を示す。図5Bに、同回路の電歪素子伸張時の等価回路を示す。図5Aにおいて、電歪素子20の静電容量をC20、電圧をVhighとする。図5Bにおいて、電歪素子20の静電容量をC20、電圧をVlowとする。図5A、図5Bにおいて、SPC3の二つのコンデンサ30a、30bの容量を等しくCとする。
電歪素子20が伸張変形して静電容量が大きくなると、図5Aから図5Bに示す回路に切り替わる。すなわち、SPC3の二つのコンデンサ30a、30bは直列から並列に切り替わる。この時、電荷が保存されると仮定すると、電圧は1/2に分圧されることになる。よって、電歪素子20の電圧が1/2倍以下になれば(Vlow/Vhigh≦1/2)、図5Aから図5Bに示す回路に切り替わる。反対に、電歪素子20が復元して(収縮して)静電容量が小さくなると、図5Bから図5Aに示す回路に切り替わる。SPC3の二つのコンデンサ30a、30bが並列から直列に切り替わるためには、2倍の電圧が必要になる。すなわち、電歪素子20の電圧が2倍以上になることが必要になる(Vhigh/Vlow≧2)。電歪素子20の電圧が1/2倍あるいは2倍に変化するためには、伸張時に電歪素子20の静電容量C20が2倍以上変化する必要がある。したがって、SPC3による発電を可能にするためには、電歪素子20として、伸張時に静電容量が2倍以上大きくなるものを用いる必要がある。
本実施形態における電歪素子20の静電容量をLCRメータにて、電圧1V、周波数10Hzの条件で測定したところ、変形前の自然状態(収縮時)においては25nF、伸張時においては70nFであった。すなわち、収縮時の静電容量に対する伸張時の静電容量の変化率は2.8倍であった。
次に、本実施形態の発電装置の作用効果について説明する。発電装置10は、SPC3を備えている。これにより、電歪素子20の変形により発生する電荷が増幅され、大きな電気エネルギーを出力することができる。発電装置10は、電歪素子20に初期電圧を印加する電圧供給部を備えていない。初期電圧印加のための電源や電気回路が不要であるため、部品点数やコストを削減することができる。また、発生した高電圧の電気エネルギーを、ツェナーダイオード41により所望の電圧に降圧することができる。このため、実用性が高い。
電歪素子20は、誘電層23および一対の電極層24a、24bに加えて、一対の防湿層25a、25bを備えている。誘電層23の比誘電率は大きい。よって、電歪素子20の静電容量は大きい。また、誘電層23の体積抵抗率は大きい。よって、電極層24a、24b間に蓄えられた電荷が誘電層23を通って流れにくい。すなわち、漏れ電流が抑制される。加えて、誘電層23の厚さが18μmと小さくても、所望の耐電圧性が確保される。また、誘電層の体積抵抗率は、先の式(I)を満たしている。このため、漏れ電荷がある場合でも、発生する電荷量が漏れる電荷量を上回れば発電することができる。また、誘電層23は柔軟である。加えて、電極層24a、24bおよび防湿層25a、25bも、エラストマーを含み柔軟である。よって、駆動部材22の往復運動により、電歪素子20を容易に伸縮させることができる。そして、電歪素子20(誘電層23)の変形量を大きくすれば、静電容量の変化量を大きくすることができる。一方、誘電層23の永久ひずみは小さい。このため、伸縮を繰り返しても誘電層23はクリープしにくい。
誘電層23と、電極層24a、24bと、防湿層25a、25bとは、各々、異なるエラストマーを含んでいる。このため、各層が積層されてなる電歪素子20において、電荷が発生しやすいと考えられる。また、電歪素子20の変形時に、エラストマーの断裂や摩擦が生じたり、フレーム21a、21bと誘電層23との接着部分や、積層される層同士が一部剥離することにより、電荷が発生しやすいと考えられる。また、防湿層25a、25bは、ブチルゴム製である。ブチルゴムは、絶縁性を有し、ガスおよび水分の両方を透過しにくい。電歪素子20の最外層に防湿層25a、25bが配置されているため、電歪素子20を外部から絶縁することができると共に、空気中の水分を遮断することができる。これにより、誘電層23における電気抵抗の低下を抑制することができる。
<第二実施形態>
本実施形態の発電装置と、第一実施形態の発電装置と、の主な相違点は、LEDと並列にコンデンサを配置した点である。ここでは、相違点についてのみ説明する。
図6に、本実施形態の発電装置の回路図を示す。図6に示すように、発電装置11は、トランスデューサ2と、SPC3と、制御部4Bと、を備えている。制御部4Bは、ダイオード40と、ツェナーダイオード41と、LED42と、コンデンサ43と、を備えている。LED42とコンデンサ43とは、並列に接続されている。電歪素子20により発生し、SPC3により増幅された電気エネルギーは、ツェナーダイオード41により所定の電圧に降圧される。それから、コンデンサ43に蓄電されると共に、LED42に供給される。コンデンサ43の電圧とLED42の電圧とは等しい。よって、コンデンサ43に電荷が溜まる前は電圧が低く、LED42は点灯しない。コンデンサ43に電荷が溜まり電圧がLED42の順方向電圧に達すると、LED42が点灯する。コンデンサ43は、本発明における蓄電部の概念に含まれる。
本実施形態の発電装置11は、構成が共通する部分については、第一実施形態の発電装置10と同様の作用効果を有する。本実施形態の発電装置11においては、発電した電気エネルギーをコンデンサ43に蓄電しながらLED42に供給する。これにより、LED42に流れる電流の変化が遅くなり、LED42を連続して点灯させることができる。すなわち、発電装置11によると、ほぼ一定の電圧の電気エネルギーを連続的に取り出すことができる。
<第三実施形態>
本実施形態の発電装置と、第二実施形態の発電装置と、の主な相違点は、ツェナーダイオードに代えてコンデンサを配置した点である。ここでは、相違点についてのみ説明する。
図7に、本実施形態の発電装置の回路図を示す。図7に示すように、発電装置12は、トランスデューサ2と、SPC3と、制御部4Cと、を備えている。制御部4Cは、ダイオード40と、第一コンデンサ44と、第二コンデンサ45と、LED42と、を備えている。第一コンデンサ44の容量は、第二コンデンサ45の容量より小さい。第一コンデンサ44と第二コンデンサ45とは、直列に接続されている。LED42と第二コンデンサ45とは、並列に接続されている。電歪素子20により発生し、SPC3により増幅された電気エネルギーは、第一コンデンサ44に蓄電されて所定の電圧に降圧される。それから、第二コンデンサ45に蓄電されると共に、LED42に供給される。第二コンデンサ45の電圧とLED42の電圧とは等しい。よって、第二コンデンサ45に電荷が溜まる前は電圧が低く、LED42は点灯しない。第二コンデンサ45に電荷が溜まり電圧がLED42の順方向電圧に達すると、LED42が点灯する。第一コンデンサ44は、本発明における降圧回路と蓄電部との両方の概念に含まれる。第二コンデンサ45は、本発明における蓄電部の概念に含まれる。
本実施形態の発電装置12は、構成が共通する部分については、第二実施形態の発電装置11と同様の作用効果を有する。本実施形態の発電装置12においては、容量が異なる二つのコンデンサ44、45を直列に接続することにより、降圧および蓄電の両方を行うことができる。
<その他>
以上、本発明の発電装置の実施の形態について説明した。しかしながら、実施の形態は上記形態に特に限定されるものではない。当業者が行いうる種々の変形的形態、改良的形態で実施することも可能である。
[電歪素子]
上記実施形態においては、電歪素子と駆動部材とを備えるトランスデューサを配置した。駆動部材の構成を含めて、電歪素子に運動エネルギーを入力するための方法は、特に限定されない。また、駆動部材は必ずしも必要ではない。例えば、電歪素子のみを可動部分に配置することにより、電歪素子を伸縮させてもよい。
上記実施形態においては、一つの誘電層と、一対の電極層と、一対の防湿層(保護層)と、により電歪素子を構成した。しかし、電歪素子の構成は、上記実施形態に限定されない。例えば、複数の誘電層を電極層を介して積層してもよい。保護層は電歪素子の片側のみに配置されてもよい。保護層は無くてもよい。
(1)誘電層
誘電層のエラストマーについては、柔軟性、体積抵抗率、比誘電率等を考慮して、適宜選択すればよい。エラストマーは、ゴムポリマーを架橋した架橋ゴムでも熱可塑性エラストマーでもよい。エラストマーとしては、例えば、H−NBRの他、ニトリルゴム(NBR)、エチレン−プロピレン−ジエン共重合ゴム(EPDM)、イソプレンゴム、天然ゴム、フッ素ゴム、シリコーンゴム、ウレタンゴム、アクリルゴム、ブチルゴム、スチレンブタジエンゴム、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−酢酸ビニル−アクリル酸エステル共重合体等が挙げられる。また、エポキシ化天然ゴム、カルボキシル基変性水素化ニトリルゴム(XH−NBR)のように、官能基を導入するなどして変性したエラストマーでもよい。エラストマーとしては、一種を単独で、あるいは二種以上を混合して用いることができる。
ゴムポリマーを架橋する場合、架橋剤は、ゴムポリマーの種類に応じて、硫黄、イソシアネート化合物、過酸化物等から適宜選択すればよい。例えば、架橋剤として有機金属化合物を用いると、ゾルゲル反応により金属酸化物粒子が生成する。生成した金属酸化物粒子により電子の流れが遮断されるため、架橋物(誘電層)の体積抵抗率を大きくすることができる。有機金属化合物としては、テトラ−n−ブトキシチタン、テトラ−n−ブトキシジルコニウム、テトラ−n−ブトキシシラン、テトライソプロポキシチタン、テトラエトキシシラン、テトラキス(2−エチルヘキシルオキシ)チタン、チタンブトキシドダイマー等の金属アルコキシド化合物、ポリヒドロキシチタンステアレート、ジルコニウムトリブトキシモノステアレート等の金属アシレート化合物が挙げられる。
誘電層は、エラストマー成分に加えて他の成分を含んでいてもよい。他の成分の第一の例として、絶縁性の高い無機粒子が挙げられる。当該無機粒子を含むと、架橋剤として有機金属化合物を用いた場合と同様に、誘電層の体積抵抗率が大きくなる。絶縁性の高い無機粒子としては、シリカ、酸化チタン、チタン酸バリウム、炭酸カルシウム、クレー、焼成クレー、タルク等が好適である。他の成分の第二の例として、比誘電率が大きい液状化合物が挙げられる。当該液状化合物を含むと、誘電層の比誘電率が大きくなる。また、液状化合物は、常温で液状を呈するため、エラストマーに混合しても、誘電層の柔軟性を低下させるおそれはない。比誘電率が大きい液状化合物としては、塩素化パラフィン、アジピン酸エステル、スルホンアミド等が好適である。
誘電層の厚さは、特に限定されないが、耐電圧性と静電容量とを考慮すると、5μm以上50μm以下にするとよい。静電容量を大きくするという観点から、誘電層の比誘電率は2以上であるとよい。より好適には4より大きく、さらには11以上であるとよい。漏れ電流を抑制し、耐電圧性を高くするという観点から、誘電層の体積抵抗率は5×1011Ω・cm以上であるとよい。本明細書において、体積抵抗率は、温度25℃、湿度30%の条件下で測定された値である。柔軟性の観点から、誘電層の弾性率は20MPa以下、さらには12MPa以下であるとよい。また、誘電層の切断時伸びは100%以上、さらには200%以上であるとよい。耐久性の観点から、誘電層の定伸長引張永久ひずみは40%以下、さらには20%以下であるとよい。
弾性率の測定方法は次の通りである。まず、誘電層を幅10mm、長さ40mmの短冊状に切り出して試験片を作製する。試験片の長さ方向両端部に、20mmの間隔で、一対の銅箔を配置する。銅箔の各々を、抵抗測定器の端子に接続する。この試験片を、JIS K7127:1999に規定される引張試験に準じて引張速度100mm/分で長さ方向に伸長し、得られた応力−伸び曲線の線形領域の傾きを求めて弾性率とする。切断時伸びについては、JIS K6251:2010に規定される引張試験を行い算出する(ダンベル状5号形の試験片を使用)。定伸長引張永久ひずみについては、JIS K 6273:2006に規定される定伸長引張永久ひずみ試験を行い算出する。まず、誘電層を幅5mm、長さ40mmの短冊状に切り出して試験片を作製する。試験片には予め所定の間隔で標線を付けておく。試験片を長さ方向に100%伸長した状態で70℃の恒温槽中に24時間保持した後、解放し、30分経過後の標線間距離を測定する。そして、伸長前の標線間距離に対する標線間距離の変化率を算出する。
(2)電極層
電極層のエラストマーも、ゴムポリマーを架橋した架橋ゴムでも熱可塑性エラストマーでもよい。エラストマーとしては、例えば、アクリルゴムの他、ブチルゴム、シリコーンゴム、NBR、H−NBR、EPDM、天然ゴム、スチレンブタジエンゴム、ウレタンゴム、エピクロロヒドリンゴム、クロロスルホン化ポリエチレン、塩素化ポリエチレン等が挙げられる。なかでも、導電材を配合した場合に伸張時の電気抵抗変化が小さいという観点から、アクリルゴムが好適である。
電極層の導電材の種類は、特に限定されない。カーボンブラック、カーボンナノチューブ、グラファイト等の導電性炭素粉末、銀、金、銅、ニッケル、ロジウム、パラジウム、クロム、チタン、白金、鉄、およびこれらの合金等の金属粉末等から、適宜選択すればよい。また、銀被覆銅粉末などの、金属で被覆された粒子からなる粉末を用いてもよい。これらの一種を単独で、あるいは二種以上を混合して用いればよい。電極層は、エラストマーおよび導電材に加えて、必要に応じて分散剤、補強剤、可塑剤、老化防止剤、着色剤等の添加剤を含んでいてもよい。
(3)保護層
保護層のエラストマーは、絶縁性、防湿性、柔軟性等の所望の特性を付与できるように、適宜選択すればよい。上記実施形態のように、保護層に防湿性能を持たせたい場合には、ブチルゴムが好適である。ブチルゴムとしては、レギュラーブチルゴム、塩素化ブチルゴム、臭素化ブチルゴム等が挙げられる。これらの一種を単独で、あるいは二種以上を混合して用いればよい。
なお、上記実施形態においては、誘電層、電極層、保護層を、各々、異なるエラストマーにより形成した。しかし、誘電層、電極層、保護層の各々を形成するエラストマーは、異なっていても同じでも構わない。
[電圧増幅回路]
上記実施形態においては、回路への電流の流入と流出とが繰り返されることにより回路の端子間電圧が上昇していく機能を有する電圧増幅回路として、二つのコンデンサおよび三つのダイオードにより構成されるSPCを採用した。しかし、当該電圧増幅回路の構成は、上記実施形態のSPCに限定されない。例えば、図8Aに示すように、四つのコンデンサと五つのダイオードとを組み合わせて構成されるSPCを採用してもよい。
図8Aに示すように、SPC5は、四つのコンデンサ50a、50b、50c、50dと、五つのダイオード51a、51b、51c、51d、51eと、を有している。ここで、コンデンサ50a、50dの容量はC、コンデンサ50b、50cの容量は2Cである。SPC5は点Aと点Bとにより電歪素子に接続されている。図8Bに、電歪素子およびSPCを含む回路の電歪素子収縮時の等価回路を示す。図8Cに、同回路の電歪素子伸張時の等価回路を示す。図8Bにおいて、電歪素子20の静電容量をC20、電圧をVhighとする。図8Cにおいて、電歪素子20の静電容量をC20、電圧をVlowとする。
電歪素子20の収縮時、すなわち電歪素子20が伸張変形から元の形状に戻った状態においては、電荷が電歪素子20からSPC5に流入し、SPC5の点Aから点Bに向かって電流が流れる。この場合のSPC5の等価回路は、図8Bに示すように、合成容量2C/3を持つ二つの並列コンデンサ52、53により構成される。そして、電歪素子20が伸張変形して静電容量が大きくなると、電荷がSPC5から流出し、SPC5の点Bから点Aに向かって電流が流れる。この場合のSPC5の等価回路は、図8Cに示すように、合成容量Cを持つ三つの並列コンデンサ54、55、56により構成される。
図8Bから図8Cに示す回路に切り替わる時、電荷が保存されると仮定すると、並列コンデンサの合成容量が2C/3からCになることから、電圧は2/3に低下することになる。よって、電歪素子20の電圧が2/3倍以下になれば(Vlow/Vhigh≦2/3)、図8Bから図8Cに示す回路に切り替わる。反対に、図8Cから図8Bに示す回路に切り替わるためには、並列コンデンサの合成容量がCから2C/3になることから、3/2倍の電圧が必要になる。すなわち、電歪素子20の電圧が3/2倍以上になることが必要になる(Vhigh/Vlow≧3/2)。電歪素子20の電圧が2/3倍あるいは3/2倍に変化するためには、伸張時に電歪素子20の静電容量C20が3/2倍以上変化する必要がある。したがって、SPC5による発電を可能にするためには、電歪素子20として、伸張時に静電容量が3/2倍以上大きくなるものを用いる必要がある。
上記実施形態において説明したように、二つのコンデンサおよび三つのダイオードにより構成されるSPC(前出図1参照)を採用した場合、発電を可能にするためには、伸張時に静電容量が2倍以上大きくなる電歪素子を用いる必要がある。これに対して、図8Aに示される四つのコンデンサおよび五つのダイオードにより構成されるSPCを採用すると、電歪素子の伸張時の静電容量の変化率は3/2倍以上であればよい。このため、電歪素子の選択の幅を広げられる。
[制御部]
上記実施形態においては、制御部として、ダイオード、ツェナーダイオード、発光ダイオード、コンデンサを適宜組み合わせて使用した。しかし、制御部の構成は、上記実施形態に限定されるものではない。制御部には、発生した電気エネルギーを取り出すための公知の手段を使用することができる。例えば、DC−DCコンバータ、変圧器などを用いて降圧回路を構成してもよい。また、上記実施形態においては、負荷として発光ダイオードを使用したが、発生した電気エネルギーは、通信機器、センサなどの電源として用いることができる。
次に、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明する。
<発電実験1>
(1)実施例1
上記実施形態で使用したトランスデューサ2とSPC3とを並列に接続して、発電実験を行った(符号は前出図2、図4A、図4B参照)。発電実験は、温度25℃、湿度30%の条件下で行った。本実験においては、電歪素子20に初期電圧を印加せず、電歪素子20の伸縮変形のみにより発電を行った。駆動部材22は、周波数2Hz、ロッド部221の軸方向の変位量25mmにて往復運動させた。図9に、本実験の回路図を示す。図9中、図2と対応する部材については同じ符号で示す。図9に示すように、発生した電圧を電圧計46により測定した。電圧計46としては、非接触の表面電位計(TREK社製「P0865」)を使用した。図10に、本実験における電圧の経時変化を示す。
図10に示すように、電歪素子20の伸縮変形開始から約4秒後に電圧の上昇が認められた。その後、電圧は時間の経過と共に増加して、30秒後には1200Vを超えた。このように、電歪素子20とSPC3とを組み合わせると、初期電圧を印加しなくても、大きな電気エネルギーを生み出すことができることが確認された。
(2)実施例2
トランスデューサ2の電歪素子20の構成を変更した以外は、実施例1と同様に発電実験を行った。本実験においては、一対の防湿層25a、25bを有さず、誘電層23と一対の電極層24a、24bとのみからなる電歪素子を使用した。使用した電歪素子は、本発明における電歪素子の概念に含まれる。図11に、本実験における電圧の経時変化を示す。
図11に示すように、本実験においても、電歪素子の伸縮変形開始から約4秒後に電圧の上昇が認められた。その後、電圧は実施例1の場合と同様に、時間の経過と共に増加して、30秒後には1200Vを超えた。このように、防湿層(保護層)を有しない電歪素子を用いても、初期電圧を印加せずに大きな電気エネルギーを生み出すことができることが確認された。
(3)比較例1
トランスデューサ2の電歪素子20の構成を変更した以外は、実施例1と同様に発電実験を行った。本実験においては、スリーエム社製のアクリルフォーム構造用接合テープ 「VHB(登録商標) Y−4905J」からなる誘電層の表裏表面に、Nye Lubricants社製のカーボングリース「Nyogel(登録商標)756G」からなる電極が形成された電歪素子を使用した。使用した電歪素子は、電極にエラストマーを含まないという点において、本発明における電歪素子の概念に含まれない。図12に、本実験における電圧の経時変化を示す。
図12に示すように、本実験においては、実施例1、2の実験と比較して、電圧の増加速度が小さく、同じ時間発電しても小さな電圧しか得られなかった。このように、初期電圧を印加しない場合、本発明における電歪素子とは異なる電歪素子を用いると、SPCを組み合わせてもほとんど電気エネルギーを生み出すことができないことが確認された。
<発電実験2>
上記第一実施形態の発電装置10を用いて、発電実験を行った(符号は前出図2、図4A、図4B参照)。発電実験は、温度25℃、湿度30%の条件下で行った。本実験においては、電歪素子20に初期電圧を印加せず、電歪素子20の伸縮変形のみにより発電を行った。駆動部材22は、周波数2Hz、ロッド部221の軸方向の変位量25mmにて往復運動させた。図13に、本実験の回路図を示す。図13に示すように、LED42に印加される電圧を電圧計46により測定した。また、本実験においては、ツェナーダイオード41として、降伏電圧200Vのツェナーダイオードを四つ直列に接続したものを使用した。図14に、本実験における電圧の経時変化を示す。図15に、図14のグラフ中、横軸の時間の40〜42秒間を拡大して示す。
図14、図15に示すように、発電装置10においては、ツェナーダイオード41により10〜12V程度に降圧されたパルス状の電圧が、LED42に印加されることが確認された。
<発電実験3>
上記第二実施形態の発電装置11において、LED42に代えて抵抗を配置して、発電実験を行った(符号は前出図6参照)。発電実験は、温度25℃、湿度30%の条件下で行った。図16に、本実験の回路図を示す。図16中、図6と対応する部材については同じ符号で示す。図16に示すように、抵抗47は、コンデンサ43と並列に接続されている。コンデンサ43の容量は1μF、抵抗47の抵抗値は3MΩである。コンデンサ43および抵抗47に印加される電圧を電圧計46により測定した。図17に、本実験における電圧の経時変化を示す。
図17に示すように、本実験の発電装置においては、発電した電気エネルギーがコンデンサ43と抵抗47とに振り分けられる。これにより、所定時間経過後に、ほぼ一定の電圧の電気エネルギーを連続的に取り出すことができることが確認された。
<発電実験4>
(1)上記第二実施形態の発電装置11において、LED42に代えてツェナーダイオードを配置して、発電実験を行った(符号は前出図4A、図4B、図6参照)。図19に、本実験の回路図を示す。図19中、図6と対応する部材については同じ符号で示す。
図19に示すように、ツェナーダイオード48は、コンデンサ43と並列に接続されている。コンデンサ43の容量は1μF、耐電圧は1000V、ツェナーダイオード48の降伏電圧は200Vである。ツェナーダイオード48の降伏電圧は、コンデンサ43の耐電圧以下である。なお、ツェナーダイオード41は、降伏電圧200Vのツェナーダイオードを四つ直列に接続したものである。
発電実験は、温度25℃、湿度30%の条件下で行った。本実験においては、電歪素子20に初期電圧を印加せず、電歪素子20の伸縮変形のみにより発電を行った。駆動部材22は、周波数2Hz、ロッド部221の軸方向の変位量25mmにて往復運動させた。そして、コンデンサ43に印加される電圧を電圧計46により測定した。
図20に、実験開始から200秒間における電圧の経時変化を示す。図20に示すように、コンデンサには所定時間経過後に電荷が蓄積され、電圧が200Vに達するまでの時間は63秒であった。このように、大容量のコンデンサと、その耐電圧以下のツェナーダイオードと、を並列に接続することにより、同等の電荷をより低電圧で蓄えることができる。
電歪素子の伸縮により得られる電力は高電圧である。このため、得られた電力を、例えば回路を動作させるような用途に用いるためには、DC−DCコンバータなどを用いて降圧する必要がある。この点、本実験の回路のように、大容量のコンデンサに充電すれば、同等の電力を低電圧で充電することができる。これにより、DC−DCコンバータなどを用いなくても低電圧な電力を蓄えることができ、低電圧で使用するアプリケーションへの適用が容易になる。
(2)コンデンサ43の容量を2倍(2μF)にした以外は、上記(1)と同様に発電実験を行った。図21に、実験開始から200秒間における電圧の経時変化を示す。図21に示すように、コンデンサには所定時間経過後に電荷が蓄積され、電圧が200Vに達するまでの時間は119秒であった。本実験では、先の(1)の実験と比較してコンデンサ43の容量を2倍にしたため、コンデンサ43への充電速度は、(1)の実験のそれの約1/2になった。なお、(1)、(2)の実験において、単位時間あたりにコンデンサ43に充電される電荷量Qは、Q=CVの関係より同じである。
<発電実験5>
上記第二実施形態の発電装置11において、コンデンサ43を電気二重層コンデンサに変更し、LED42に代えてツェナーダイオードを配置し、さらにツェナーダイオード41の下流側に抵抗を配置して、発電実験を行った(符号は前出図4A、図4B、図6参照)。図22に、本実験の回路図を示す。図22中、図6と対応する部材については同じ符号で示す。
図22に示すように、制御部は、ダイオード40と、ツェナーダイオード41と、抵抗65と、電気二重層コンデンサ63と、ツェナーダイオード64と、から構成されている。ツェナーダイオード41は、降伏電圧200Vのツェナーダイオードを四つ直列に接続したものである。電気二重層コンデンサ63とツェナーダイオード64とは、並列に接続されている。電気二重層コンデンサ63の容量は10mF、耐電圧は5.5V、ツェナーダイオード64の降伏電圧は5Vである。ツェナーダイオード64の降伏電圧は、電気二重層コンデンサ63の耐電圧以下である。抵抗65は、ツェナーダイオード41と、電気二重層コンデンサ63およびツェナーダイオード64の並列回路と、の間に直列に接続されている。抵抗65の抵抗値は、1MΩである。
発電実験は、温度25℃、湿度30%の条件下で行った。本実験においては、電歪素子20に初期電圧を印加せず、電歪素子20の伸縮変形のみにより発電を行った。駆動部材22は、周波数2Hz、ロッド部221の軸方向の変位量25mmにて往復運動させた。電歪素子20により発生し、SPC3により増幅された電気エネルギーは、ツェナーダイオード41および抵抗65により所定の電圧に降圧される。それから、電気二重層コンデンサ63に蓄電される。電気二重層コンデンサ63に印加される電圧を電圧計46により測定した。図23に、実験開始から800秒間における電圧の経時変化を示す。
図23に示すように、コンデンサには所定時間経過後に電荷が蓄積され、電圧が0.4Vに達するまでの時間は723秒であった。このように、大容量のコンデンサと、その耐電圧以下のツェナーダイオードと、を並列に接続することにより、同等の電荷をより低電圧で蓄えることができる。これにより、低電圧で使用するアプリケーションへの適用が容易になる。
<シミュレーション>
前出図18に示した電歪素子のモデルについて、発電のシミュレーションを行った。シミュレーションには、回路シミュレータLTspiceを使用した。図24に、シミュレーションを行った回路図を示す。図24中、前出の図2および図18と対応する部材については同じ符号で示す。シミュレーションに使用したパラメータは、Cmin=20nF、γ=3、T=0.5sとした。その結果、R=∞、400MΩの場合には電圧は上昇したが、R=100MΩの場合には電圧は上昇しなかった。
電圧が上昇したR=∞(漏れ電荷なし)の場合において、動作1周期前後で増加した電圧の比率gをフィッティングにより求めたところ、g=1.0714となった。フィッティングの手順は次の通りである。
(1)シミュレーションにより得られた電圧の時系列データから、MATLAB(登録商標)のfindpeaks関数を使用して、各周期ごとの電圧の極大値を求める。
(2)極大値の自然対数をとり、線形最小二乗法で傾きを求める。
(3)求めた傾きをaとして、指数(exp(a))を計算すると、電圧の時系列データの包絡線が得られる。
(4)動作1周期前後で増加した電圧の比率gは、動作1周期の時間をTとして、g=exp(aT)より求められる。
先に示した発電の可否を判定する条件式(10)の左辺に、g=1.0714および式(1)を代入して数値計算を行った。式(1)中のパラメータについては、Cmin=20nF、γ=3、T=0.5sとした。その結果、R=400MΩの場合には次式(15)になり発電可能条件を満たし、R=100MΩの場合には次式(16)になり発電可能条件を満たさなかった。この結果は、シミュレーションの結果と一致する。
Figure 2016158482
Figure 2016158482
また、式(10)をRについて変形すると、次式(17)になる。
Figure 2016158482
ここに、g=1.0714および式(1)(パラメータは同上)を代入すると、発電することができるための条件として次式(18)が得られた。
Figure 2016158482
<発電実験6>
誘電層および漏れ電荷が異なる三種類の電歪素子を使用して、発電実験を行った。使用した電歪素子の構成は、誘電層を除いて上述した<発電実験1>の実施例1の発電素子20と同じである。すなわち、後出表1に示すように、実施例6の誘電層は実施例1の誘電層(H−NBR)と同じであり、参考例1の誘電層は比較例1の誘電層(アクリルフォーム)と同じであり、参考例2の誘電層はH−NBRである。また、発電実験の回路図および条件も、上述した<発電実験1>の実施例1と同じである(回路図は前出図9参照)。表1に、本実験で使用した電歪素子の誘電層の詳細および静電容量などを示す。
Figure 2016158482
図25に、本実験における電圧の経時変化を示す。図25に示すように、誘電層の体積抵抗率が先の式(I)を満たし、R>209.3MΩの実施例6の電歪素子を使用した場合には、伸縮変形開始から約6秒後に電圧の上昇が認められた。その後、電圧は時間の経過と共に増加して、30秒後には1200Vを超えた。同じく誘電層の体積抵抗率が先の式(I)を満たし、R>209.3MΩの参考例1の電歪素子を使用した場合には、発電したものの、誘電層の比誘電率が小さいため発電量は小さくなった。一方、誘電層の体積抵抗率が先の式(I)を満たさず、R≦209.3MΩで漏れ電荷が大きい参考例2の電歪素子を使用した場合には、発電することができなかった。
本発明の発電装置は、外部から様々な形態で入力される運動エネルギーを電気エネルギーに変換する。また、本発明の発電装置は、柔軟な電歪素子を備えるため配置の自由度が高い。したがって、電子機器の操作や振動を利用した発電装置、自動車、車両、構造物の動きや振動を利用した発電装置、風力、水力などの自然エネルギーを利用した発電装置、人や動物の動きを利用した発電装置として、様々な用途に用いることができる。
2:トランスデューサ、3:SPC(電圧増幅回路)、4A、4B、4C:制御部、5:SPC(電圧増幅回路)、10、11、12:発電装置、20:電歪素子、21a、21b:フレーム、22:駆動部材、23:誘電層、24a、24b:電極層、25a、25b:防湿層(保護層)、30a、30b:コンデンサ、31a、31b、31c:ダイオード、40:ダイオード、41:ツェナーダイオード、42:LED、43:コンデンサ、44:第一コンデンサ、45:第二コンデンサ、46:電圧計、47:抵抗、50a、50b、50c、50d:コンデンサ、51a、51b、51c、51d、51e:ダイオード、52、53、54、55、56:並列コンデンサ、220:固定部、221:ロッド部、60:可変キャパシタ、61:可変抵抗(電極間抵抗R)62:可変抵抗(電極層の抵抗R)、63:電気二重層コンデンサ、64:ツェナーダイオード、65:抵抗。

Claims (9)

  1. 外部から入力される運動エネルギーを電気エネルギーに変換する発電装置であって、
    エラストマーを含む誘電層と、該誘電層を挟んで配置されエラストマーおよび導電材を含む電極層と、を有し、入力される該運動エネルギーにより変形すると共に変形に応じて電荷を発生する電歪素子と、
    該電極層に電気的に接続され、回路への電流の流入と流出とが繰り返されることにより回路の端子間電圧が上昇していく機能を有する電圧増幅回路と、
    該電圧増幅回路に接続され、発生した電気エネルギーを取り出すための制御部と、
    を備え、
    該電歪素子に初期電圧を印加する電圧供給部を備えないことを特徴とする発電装置。
  2. 前記電圧増幅回路は、複数のコンデンサおよび複数のダイオードを有する自己プライミング回路である請求項1に記載の発電装置。
  3. 前記制御部は、ツェナーダイオードを有する降圧回路を備える請求項1または請求項2に記載の発電装置。
  4. 前記制御部は、発生した前記電気エネルギーを蓄える蓄電部を備える請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の発電装置。
  5. 前記誘電層の体積抵抗率ρ(Ω・cm)は、次式(I)を満たす請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の発電装置。
    ρ>(1/ln g)T/ε ・・・(I)
    [g:漏れ電荷がないと仮定した状況において電歪素子が伸張、収縮する動作1周期により増加する電圧の比率、T:電歪素子が伸張、収縮する動作1周期の時間(s)、ε:誘電層の比誘電率]
  6. 前記誘電層の比誘電率は、4より大きい請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の発電装置。
  7. 前記誘電層の、弾性率は20MPa以下、切断時伸びは100%以上、定伸長引張永久ひずみは40%以下である請求項5または請求項6に記載の発電装置。
  8. 前記誘電層の前記エラストマーの種類と前記電極層の前記エラストマーの種類とは異なる請求項1ないし請求項7のいずれかに記載の発電装置。
  9. 前記電歪素子は、前記誘電層および前記電極層の積層方向の外側にエラストマーを含む保護層を有する請求項1ないし請求項8のいずれかに記載の発電装置。
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