JP2016157931A - 光誘起キャリヤライフタイム測定方法及び光誘起キャリヤライフタイム測定装置 - Google Patents

光誘起キャリヤライフタイム測定方法及び光誘起キャリヤライフタイム測定装置 Download PDF

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俊之 鮫島
Toshiyuki Samejima
俊之 鮫島
裕 井内
Yutaka Inai
裕 井内
勝男 内藤
Katsuhiko Naito
勝男 内藤
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Abstract

【課題】内蔵電位を持つ半導体基体の実効キャリヤライフタイムを精度良く測定することが可能な光誘起キャリヤライフタイム測定装置等を提供すること。【解決手段】測定装置1は、半導体基体Sに対して光誘起キャリヤを発生させるための光を照射する光源20、22と、半導体基体Sに照射するマイクロ波を発生するマイクロ波発生部10と、半導体基体Sに対して電圧を印加する電圧印加部60と、半導体基体Sを透過したマイクロ波の強度を検出する検出部30と、検出された強度に基づき実効キャリヤライフタイムを算出する処理部50とを含み、処理部50は、半導体基体Sに印加する電圧を変化させながら実効キャリヤライフタイムを算出し、一定値となったときの算出値を実効キャリヤライフタイムの測定値とする。【選択図】図1

Description

本発明は、光誘起キャリヤライフタイム測定方法及び光誘起キャリヤライフタイム測定装置に関する。
半導体基体の光誘起キャリヤの実効キャリヤライフタイムを測定する方法として、マイクロ波光干渉吸収法が知られている(例えば、特許文献1参照)。この方法では、導波管で形成したマイクロ波干渉計に半導体基体を挿入し、マイクロ波を照射した状態で連続光を照射する。連続光によって誘起されたキャリヤによってマイクロ波が吸収され、このときのマイクロ波の透過率の減少を測定することにより光誘起キャリヤの実効キャリヤライフタイムを測定する。
特開2013−145868
しかしながら、内蔵電位を持つ半導体基体(例えば、FET、ソーラーセル、フォトセンサー等の半導体デバイス)の実効キャリヤライフタイムを測定する場合、従来の光誘起キャリヤライフタイム測定手法をそのまま適用できないことが分かった。内蔵電位を持つ半導体基体では、空乏層の電界によって少数キャリヤは電界効果移動を起こす。そのため、従来の手法によって内蔵電位を持つ半導体基体の実効キャリヤライフタイムを測定した場合、実効キャリヤライフタイムの測定値は、この電界効果と、少数キャリヤ消滅欠陥に起因するキャリヤ濃度勾配による拡散(少数キャリヤの拡散効果)とに依存することになり、半導体基体中の少数キャリヤ消滅欠陥のみを反映した値にならない。
本発明は、以上のような課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、内蔵電位を持つ半導体基体の実効キャリヤライフタイムを精度良く測定することが可能な光誘起キャリヤライフタイム測定方法及び光誘起キャリヤライフタイム測定装置を提供することにある。
(1)本発明は、内蔵電位を持つ半導体基体に発生した光誘起キャリヤの実効キャリヤライフタイムを測定する光誘起キャリヤライフタイム測定方法において、前記半導体基体に対して、電磁波と光誘起キャリヤを発生させるための光とを照射するとともに、前記半導体基体に対して電圧を印加し、前記半導体基体を透過した電磁波の強度を検出し、前記半導体基体に印加する電圧を変化させながら、検出された電磁波強度に基づき実効キャリヤライフタイムを算出し、一定値となったときの算出値を実効キャリヤライフタイムの測定値とすることを特徴とする。
また本発明は、内蔵電位を持つ半導体基体に発生した光誘起キャリヤの実効キャリヤライフタイムを測定する光誘起キャリヤライフタイム測定装置において、前記半導体基体に対して、光誘起キャリヤを発生させるための光を照射する光照射部と、前記半導体基体に照射する電磁波を発生する電磁波発生部と、前記半導体基体に対して電圧を印加する電圧印加部と、前記半導体基体を透過した電磁波の強度を検出する検出部と、前記検出部で検
出された強度に基づき実効キャリヤライフタイムを算出する処理部とを含み、前記処理部は、前記半導体基体に印加する電圧を変化させながら実効キャリヤライフタイムを算出し、一定値となったときの算出値を実効キャリヤライフタイムの測定値とすることを特徴とする。
本発明によれば、半導体基体に対して電圧を印加し、前記半導体基体に印加する電圧を変化させながら、検出された電磁波強度に基づき実効キャリヤライフタイムを算出し、一定値となったときの算出値を実効キャリヤライフタイムの測定値とすることで、内蔵電位を持つ半導体基体中の少数キャリヤ消滅欠陥のみを反映した実効キャリヤライフタイムを測定することができる。
(2)本発明は、内蔵電位を持つ半導体基体に発生した光誘起キャリヤの実効キャリヤライフタイムを測定する光誘起キャリヤライフタイム測定方法において、前記半導体基体に対して、電磁波と光誘起キャリヤを発生させるための光とを照射し、前記半導体基体を透過した電磁波の強度を検出し、前記半導体基体に照射する光の強度を増加させながら、検出された電磁波強度に基づき実効キャリヤライフタイムを算出し、一定値となったときの算出値を実効キャリヤライフタイムの測定値とすることを特徴とする。
また本発明は、内蔵電位を持つ半導体基体に発生した光誘起キャリヤの実効キャリヤライフタイムを測定する光誘起キャリヤライフタイム測定装置において、前記半導体基体に対して、光誘起キャリヤを発生させるための光を照射する光照射部と、前記半導体基体に照射する電磁波を発生する電磁波発生部と、前記半導体基体を透過した電磁波の強度を検出する検出部と、前記検出部で検出された強度に基づき実効キャリヤライフタイムを算出する処理部とを含み、前記処理部は、前記半導体基体に照射する光の強度を増加させながら実効キャリヤライフタイムを算出し、一定値となったときの算出値を実効キャリヤライフタイムの測定値とすることを特徴とする。
本発明によれば、半導体基体に照射する光の強度を増加させながら実効キャリヤライフタイムを算出し、一定値となったときの算出値を実効キャリヤライフタイムの測定値とすることで、内蔵電位を持つ半導体基体中の少数キャリヤ消滅欠陥のみを反映した実効キャリヤライフタイムを測定することができる。
(3)また本発明に係る誘起キャリヤライフタイム測定方法及び誘起キャリヤライフタイム測定方法では、前記電磁波は、周波数が1GHz〜1THzの電磁波であってもよい。
本実施形態の測定装置(光誘起キャリヤライフタイム測定装置)の構成の一例を示す図である。 初期試料とイオン注入後の試料とマイクロ波加熱後の試料の光反射率スペクトルを示す図である。 初期試料、イオン注入後の試料、マイクロ波加熱後の試料、電極形成後の試料の電極間を開放状態とした場合及び短絡状態とした場合のそれぞれについて測定した実効キャリヤライフタイムの測定結果を示す図である。 印加電圧を変化させた場合の実効キャリヤライフタイムの測定結果を示す図である。 暗状態とp面に光照射した状態での電流−電圧特性を示す図である。 印加電圧を変化させた場合のキャリヤ消滅速度の測定結果を示す図である。 光照射強度を変化させた場合の実効キャリヤライフタイムの測定結果を示す図である。 n型シリコン基板にパッシベーション酸化膜を形成したのち金とアルミニウムを形成したときの半導体バンド構造を示す図である。 n型シリコン基板の表面にAl或いはAuのストライプ電極を形成した素子を示す図である。 金属電極を形成しない場合、Al電極を形成した場合及びAu電極を形成した場合のそれぞれについて測定した、暗状態のマイクロ波透過率と光照射時のマイクロ波透過率との比の自然対数値の測定結果と、キャリヤ再結合速度の測定結果を示す図である。
以下、本実施形態について説明する。なお、以下に説明する本実施形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではない。また本実施形態で説明される構成の全てが、本発明の必須構成要件であるとは限らない。
1.構成
図1は、本実施形態の測定装置(光誘起キャリヤライフタイム測定装置)の構成の一例を示す図である。本実施形態の測定装置1は、被測定試料である半導体基体Sに発生した光誘起キャリヤの実効キャリヤライフタイムを測定する装置として構成されている。半導体基体Sは、内蔵電位を持つ(空乏層を有する)半導体基体である。
測定装置1は、半導体基体Sに入射させるマイクロ波(電磁波の一例)を発生するマイクロ波発生部10(電磁波発生部)と、半導体基体Sに対して光誘起キャリヤを発生させるための光(誘起光)を照射する光源20、22(光照射部)と、半導体基体Sを透過したマイクロ波の強度を検出する検出部30と、マイクロ波発生部10で発生したマイクロ波を検出部30へ伝搬する導波管40と、処理部50と、半導体基体Sに対して電圧を印加する電圧印加部60とを含む。
導波管40には、半導体基体Sが挿入される間隙42が設けられている。また、導波管40内部の間隙42よりもマイクロ波発生部10側には、光源20、22からの光を半導体基体Sの一方側の表面に入射するための反射板24が設けられ、導波管40内部の間隙42よりも検出部30側には、光源20、22からの光を半導体基体Sの他方側の表面に入射するための反射板25が設けられている。光源20、22からの光は光ファイバ26を通り反射板24、25で拡散反射されて半導体基体S表面に入射する。反射板24、25は、例えばテフロン(登録商標)板からなる。なお、反射板24、25に代えて導光板を設けることで、光源20、22からの光を半導体基体Sに入射するように構成してもよい。
光源20、22は、それぞれ例えばレーザ光源からなり、互いに波長の異なる光(半導体基体Sに対する吸収係数の異なる光)を発生する。光源20は、半導体基体Sに短波長の光(例えば、半導体基体Sの表面領域にキャリヤを発生させる光)を照射するための光源であり、光源22は、半導体基体Sに長波長の光(例えば、半導体基体Sの内部領域にキャリヤを発生させる光)を照射するための光源である。光源20、22は、半導体基体Sに照射する光の強度を可変にすることができる。
半導体基体Sの両面には電極EPが形成され、電圧印加部60は、電極EPに直流バイアス電圧を印加する。電圧印加部60は、半導体基体Sに印加する直流バイアス電圧を可変にすることができる。
処理部50(コンピュータ)は、検出部30で検出されたマイクロ波の強度情報(電磁
波強度の一例)からマイクロ波の透過率を求め、求めた透過率に基づき、半導体基体Sの実効キャリヤライフタイムを算出する。
本実施形態の第1の手法では、半導体基体Sに印加する電圧を変化させながら、検出部30で検出されたマイクロ波強度に基づき実効キャリヤライフタイムを算出し、一定値となったとき(印加電圧を大きくしても実効キャリヤライフタイムの算出値がそれ以上大きくならなくなったとき)の算出値を実効キャリヤライフタイムの測定値として確定する。
電圧印加部60によって半導体基体Sに順方向(電流が流れる方向)の電圧を印加すると、半導体基体Sの内蔵電位は減少する。更に、半導体基体Sに十分に大きな順方向の電圧(半導体基体Sのバンドギャップに対応する電位、或いはそれに近い電位)を印加すると、半導体基体Sの内蔵電位は解消される。
すなわち、本実施形態の第1の手法によれば、半導体基体Sに対して十分に大きな順方向の電圧を印加した状態で検出されたマイクロ波強度に基づき実効キャリヤライフタイムを算出することで、半導体基体S中の少数キャリヤ消滅欠陥のみを反映した(半導体基体Sの内蔵電位による影響を排除した)実効キャリヤライフタイムの測定値を得ることができる。
また、本実施形態の第2の手法では、半導体基体Sに照射する光(光源20又は光源22からの連続光)の強度を増加させながら、検出部30で検出されたマイクロ波強度に基づき実効キャリヤライフタイムを算出し、一定値となったとき(照射光の強度を大きくしても実効キャリヤライフタイムの算出値がそれ以上大きくならなくなったとき)の算出値を実効キャリヤライフタイムの測定値として確定する。第2の手法により測定を行う場合には、電圧印加部60と電極EPを省略することができる。また、電圧印加部60を省略しない場合には、開放電圧条件下で測定を行う。
開放電圧条件下で半導体基体Sに十分に大きな強度の連続光を照射すると、光誘起キャリヤである電子と正孔は内蔵電位に沿ってそれぞれ反対方向に移動し、それぞれ半導体基体Sの表面に帯電する。光誘起キャリヤである電子と正孔の帯電は、第1の手法の電圧印加による効果と同様の作用を起し、半導体基体Sの内蔵電位は解消される。
すなわち、本実施形態の第2の手法によれば、半導体基体Sに対して十分に大きな強度の連続光を照射した状態で検出されたマイクロ波強度に基づき実効キャリヤライフタイムを算出することで、半導体基体S中の少数キャリヤ消滅欠陥のみを反映した(半導体基体Sの内蔵電位による影響を排除した)実効キャリヤライフタイムの測定値を得ることができる。
なお、第2の手法では、半導体基体Sに照射する連続光の照射時間をLとし、実効キャリヤライフタイムをτeffとし、キャリヤ拡散係数をDとしたとき、L≧(τeff×D)1/2を満たし、且つキャリヤ拡散長が半導体基体Sの厚さ以上となるように、半導体基体Sに連続光を照射する。
2.測定例
2−1.測定手法
抵抗率17Ωcm、基板厚500μm、結晶方位(100)のn型シリコン基板を用意し、高湿度雰囲気中で1100℃での加熱によりシリコン基板の表面に100nm厚の熱酸化SiO膜を形成した。
その後、シリコン基板の表面(一方の表面)にボロン原子をイオン注入した。熱酸化S
iO膜、シリコン界面でイオン濃度がピークとなるように加速エネルギーを25keVと設定した。ボロン原子の総ドーズ量は2.0×1015cm−2とし、シリコン基板に1.0×1015cm−2の実効濃度で注入した。同様に、シリコン基板の裏面(他方の表面)に75keVで1.0×1015cm−2の実効濃度のリン原子をイオン注入した。大部分のボロンとリン原子はシリコン基板の表面から60nm以内に位置した。
その後、周波数2.45GHzのマイクロ波を発生するマイクロ波加熱装置を用いて、出力1000Wで150秒間イオン注入後の試料を加熱した。効率的に加熱するため、シリコン基板を直径2μmのカーボン粉末で完全に覆った。また、試料周辺の熱エネルギーを維持するために、低熱伝導率の石英ガラス容器に入れた。
その後、5%希釈フッ化水素酸に試料を浸け、SiO膜を除去した。その後、試料に電圧を印加するために、試料の表面と裏面にAl電極を形成した。Al電極は、マイクロ波の透過率を測定するために中央に1.0×2.3cmの穴を空けたリング状とした。
イオン注入面の結晶化率Xを調べるために、一般的な分光器を用いて波長250〜1000nmの範囲で反射率スペクトルを測定した。正確な測定のためにSiO膜を除去した。反射率スペクトルは、空気、複合的Si層、Si基板構造において光干渉効果を考慮した数値計算プログラムを用いて解析した。シリコン基板表面上の反射率はシリコンの複素屈折率に依存する。効果的な誘電体モデルを使用し、結晶の屈折率n~とアモルファスの屈折率n~を組み合わせた次式により、結晶化率Xを用いて複素屈折率n~を決定した。
反射率を計算するために、各層の厚さと結晶化率を変化させた。反射率スペクトルの計算値と測定値をフィッティング解析することにより、最も相応しい結晶化率の深さ分布を求めた。
実効キャリヤライフタイムとキャリヤ消滅確率を測定するために、図1に示す測定装置1を用いた。マイクロ波発生部10として、9.35GHzのマイクロ波を発振する発振器を用いた。また、光源20、22として、波長635nm及び980nm連続波(CW)レーザダイオード(LD)を用いた。2つの異なる波長の光で等しい光子束を実現するために、試料表面上での635nm光と980nm光の強度をそれぞれ0.74mW/cm、0.48mW/cmに設定した。
多数キャリヤ密度Nを得るために、暗状態マイクロ波透過率Tを測定した。フリーキャリヤ吸収とシリコン基板表面のフレネル型マイクロ波干渉効果を考慮した有限要素数値計算プログラムを用いてTの計算値と測定値をフィッティング解析することによりNを見積もった。
ボロン注入したp面に対して光を照射した場合における光誘起少数キャリヤの実効キャリヤライフタイムτeff(p)を得るために、p面に光を照射した場合におけるマイクロ波透過率T(p)も測定した。TとT(p)の数値解析によりτeff(p)を正確に得た。また、τeff(p)はlnT/T(p)に殆ど比例している。同様に、Tとリン注入したn+面に光を照射した場合におけるマイクロ波透過率T(n)から、n面に光を照射した場合における光誘起少数キャリヤの実効キャリヤライフタイムτeff(n)を得た。本測定装置1は、10−6秒から10−2
秒の範囲でτeffの高いダイナミックレンジをもっている。635nm光と980nm光の侵入長は、それぞれ約2.7μmと120μmであった。光誘起少数キャリヤ密度nは、キャリヤ生成率Gとτeffを用いて、次式のように求めた。
Gは一般的に光強度と試料表面での光反射率に依存している。本測定の前に、1×10−3〜2×10−3秒の高いτeffをもち、100nm厚の熱酸化SiO膜と、加熱水処理によって形成され、光反射率スペクトルがベアシリコンと殆ど等しい1nm厚のSi0膜で覆われている表面を持つ2つのコントロールサンプルを用いてGを決定した。多重周期的パルス照射法を用いて2×10−5秒のτeffの検出限界下で2つのコントロールサンプルのτeffを測定した。コントロールサンプルのτeffを用いて、測定装置1のSi0で覆われた表面とベア表面を持つ試料におけるGを決定した。T/Tの測定値と計算値が最も一致したときにそれぞれの光照射条件で最も相応しいτeffとなる。
初期状態の試料(初期試料)、イオン注入後の試料、マイクロ波加熱後の試料のそれぞれについて、CW光(連続光)照射を用いたマイクロ波の透過率の測定を行った。これらの測定段階では、SiO膜はまだ残したままであった。また、p面とn面にAl電極を形成した試料について、両面のAl電極を開放状態とした場合と短絡状態とした場合のそれぞれにおいて、CW光照射を用いたマイクロ波の透過率の測定を行った。更に、p面に形成したAl電極に様々なバイアス電圧を印加し、n面に形成したAl電極を0Vに維持した状態(図1に示す状態)でマイクロ波の透過率の測定を行った。また、電流−電圧特性を測定した。
2−2.測定結果
図2に、初期試料の光反射率及び表面にボロンとリンイオンが注入された試料の光反射率(図2(a))と、表面にボロンとリンイオンが注入された後にマイクロ波加熱された試料の光反射率(図2(b))を示す。ここでは、正確な測定のために全ての試料のSiO層を取り除いた。
図2(a)に示すように、初期試料において、結晶シリコンのブリルアンゾーンにおけるX点での大きな結合状態密度によって引き起こされたEとEの大きな2つのピークが波長340nmと波長275nmに現れた。また、EとEのピークは、ボロンのイオン注入によって小さくなった(p面)。ピークの高さの減少は、ボロンイオン注入面の表面領域の部分的なアモルファス化を示している。更に、リンイオン注入の場合ではEとEのピークは観察されなかった(n面)。これは、リンイオン注入が表面領域の完全なアモルファス化を引き起こしたことを示している。一方、図2(b)に示すように、マイクロ波加熱によって、イオン注入された試料の光反射率スペクトルはEとEのピークを持つ初期試料の光反射率スペクトルに近づいた。これは、マイクロ波加熱によってアモルファス化した表面領域を再結晶化させたことを示している。反射率スペクトルの解析は、3×1020cm−3の高いピーク濃度をもつボロンの注入によって、ボロンイオンの注入が表面からの深さ5nmまでの領域のXを0.3に減少させ、深さ5nmから40nmまでの領域のXを0.95に減少させたという結果をもたらした。また、リンイオンの注入は、表面からの深さ35nmまでの領域のXを0.0に減少させ、深さ35nmから50nmまでの領域のXを0.7に減少させた。一方、出力1000Wで150秒のマイクロ波加熱はボロンとリンが注入された表面領域におけるXを1.0まで増加させた。すなわち、マイクロ波加熱は効果的にシリコン表面領域を再結晶化させた
初期試料は、17Ωcmの高い抵抗率を持つシリコン基板のため、暗状態マイクロ波透過率Tは26.1%だった。Nを2.8×1014cm−3、フェルミ準位を価電子帯端から0.826eVと見積もった。イオン注入されたままの状態ではキャリヤは誘起されないため、Tはボロンとリンの注入によって変化しなかった。一方、マイクロ波加熱によって、Tは6.8%まで著しく減少した。表面領域のボロンとリン活性化によって誘起されたキャリヤが入射マイクロ波の実効的な吸収を引き起こした。Tの解析は、シート抵抗が340Ω/sq(初期値)から88Ω/sqまで減少したという結果をもたらした。低い抵抗率を持つドープされた表面領域がマイクロ波加熱によって首尾よく形成された。
図3に、初期試料、イオン注入後の試料、マイクロ波加熱後の試料、電極形成後の試料のAl電極間を開放状態とした場合及び短絡状態とした場合のそれぞれについて測定した実効キャリヤライフタイムτeffを示す。図3(a)は、波長635nmの光を照射した場合を示し、図3(b)は、波長980nmの光を照射した場合を示す。また、図中白抜き点は、p面に照射した場合の実効キャリヤライフタイムτeff(p)を示し、図中黒塗り点は、n面に照射した場合の実効キャリヤライフタイムτeff(n)を示す。
初期試料のp面とn面に635nm光と980nm光を照射した場合において、τeffは1.5×10−3sと高い値であった。シリコン表面は熱成長SiO層により良くパッシベーションされた。ボロンとリンイオンの注入により、635nm光照射時のτeff(p)とτeff(n)は、それぞれ1.1×10−6s、1.0×10−6sまで減少した。同様に、980nm光照射時のτeff(p)とτeff(n)は、それぞれ7.5×10−6s、5.0×10−6sまで減少した。ボロンとリンイオンの注入により、表面のキャリヤ消滅確率を増加させるシリコン表面領域の深刻な欠陥が生じた。
一方、τeff(p)とτeff(n)はマイクロ波加熱によって著しく増加した。635nm光照射時のτeff(p)とτeff(n)はそれぞれ2.5×10−4s、2.6×10−4sであり、980nm光照射時ではそれぞれ2.9×10−4s、3.2×10−4sであった。マイクロ波加熱によるイオン注入された表面領域の再結晶化及び活性化を通して、キャリヤ消滅欠陥密度は減少した。
熱成長SiO層除去後に表面に形成したAl電極が開放状態である場合では、635nm光照射時のτeff(p)は1.1×10−4sであり、マイクロ波加熱後のτeff(p)よりも小さくなった。また、635nm光照射時のτeff(n)は1.3×10−4sであり、τeff(p)よりも僅かに大きくなった。980nm光照射時のτeff(p)は1.2×10−4sであり、980nm光照射時のτeff(n)は1.1×10−4sであった。開放電圧状態におけるτeff(p)とτeff(n)は、熱成長SiO層を持つマイクロ波加熱後の試料のτeff(p)とτeff(n)よりも小さかったが、ベア表面を持つn型シリコン基板における約1.0×10−5sのτeff(p)とτeff(n)よりも大きかった。ドープされたpとn領域はベア表面を持つn型サンプルの表面パッシベーションの役割を果たしている。
Al電極が短絡状態である場合では、635nm光照射時のτeff(p)は1.2×10−5sまで著しく減少した。これは、p面が635nm光で照射されているときに少数キャリヤ密度がとても低くなることを示している。一方、635nm光照射時のτ
eff(n)は8.3×10−5sであり、開放状態のτeff(n)に匹敵する。また、980nm光照射時のτeff(p)とτeff(n)はそれぞれ3.5×10−5s、8.0×10−5sであった。これらの結果は、短絡の電気状態がτeff(p)を減少させることを示している。
図4に、Al電極に印加するバイアス電圧を変化させた場合に測定したτeff(p)とτeff(n)を示す。図中白抜き点は、635nm光照射時の測定値を示し、図中黒塗り点は、980nm光照射時の測定値を示す。p面に形成されたAl電極に印加された電圧を関数として、n+面に形成されたAl電極は0Vに維持されている。
635nm光照射時のτeff(p)は、0Vよりも低いバイアス電圧(逆バイアス状態)印加時において1×10−5sよりも小さかった。635nm光照射時のτeff(p)は、印加電圧を0Vから0.7V(正電圧)まで増加させるにつれ1.4×10−4sまで急激に増加し、0.7V以上の電圧を印加したとき一定値となった。一方、980nm光照射時のτeff(p)は、0V以下或いは0Vの電圧印加時において3.1×10−5sから3.9×10−5sまでの範囲の値をとった。980nm光照射時のτeff(p)は635nm光照射時の値よりも高かった。980nm光照射時のτeff(p)は、印加電圧を0Vから0.7Vまで増加させるにつれ1.5×10−4sまで増加し、0.7V以上の電圧を印加したとき一定値となった。
635nm光照射時のτeff(n)は、0V以下の電圧印加時において8.1×10−5sから8.4×10−5sまでの範囲の値をとり、対照的に635nm光照射時のτeff(p)は低かった。635nm光照射時のτeff(n)は、印加電圧を0Vから0.7Vまで増加させるにつれ1.6×10−4sまで増加し、0.7V以上の電圧を印加したとき一定値となった。980nm光照射時のτeff(n)は、635nm光照射時のτeff(n)と似た性質であった。980nm光照射時のτeff(n)は、0V以下或いは0Vの電圧印加時において7.4×10−5sから7.7×10−5sまでの範囲の値をとり、印加電圧を0Vから0.7Vまで増加させるにつれ1.5×10−4sまで増加し、0.7V以上の電圧を印加したとき一定値となった。図4の結果は、τeffの値が電圧印加によって引き起こされた電界効果によって鋭敏に変化したことを暗示している。τeff(p)は逆バイアス状態時、且つ635nm光照射時においてのみ1×10−5sよりも低い値をとった。一方に、十分に高い正バイアス電圧印加時において、τeffは4つの光照射条件において1.4×10−4sから1.6×10−4sの同様の値をとった。
図5に、暗状態とp面に光照射した状態での電流−電圧特性を示す。図5(b)は、図5(a)における負電流内の電流−電圧特性を拡大したものである。図中三角点は、暗状態の測定値を示し、図中白抜き点は、635nm光照射時の測定値を示し、図中黒塗り点は、980nm光照射時の測定値を示す。
図5に示す全ての場合の電流−電圧特性は整流ダイオード特性を示している。従って、図5の結果は、n型基板内のpドープ領域によって形成された内蔵ポテンシャル(内蔵電位)障壁を示している。635nm光と980nm光を照射した場合、バイアス電圧が−1Vから0.35Vの範囲のとき、−3.14×10−3Aと−3.13×10−3Aの短絡電流ISCを持つ光誘起負電流特性に類似した特性が測定され、光誘起電流と光起電効果が測定された。同様の電流−電圧特性は、n面に635nm光と980nm光を照射した場合に得られたが、ISCは僅かに低い−2.3×10−3Aと−2.4×10−3Aであった。
図4、図5は、τeffがバイアス電圧に強く依存していることをはっきりと示してい
る。τeffの低い値は、バイアス電圧が逆又は0の状態での各光照射条件において測定され、pドープ領域において形成された内蔵ポテンシャル障壁の高さと関連付けられた。特に、図4に示すように、635nm光照射時のτeff(p)は1.2×10−5s以下であった。一方、正のバイアス電圧印加はτeffを増加させた。635nm光照射時のτeff(p)は著しく1.4×10−4sまで増加させた。0.7V以上の正バイアス状態では4つの光照射条件においてτeffは1.4×10−4sから1.6×10−4sまでの似た値となった。0Vのバイアスにおいてpn接合領域内で形成された内蔵ポテンシャルは0.83eVと見積もられた。空乏層内で正に荷電された領域があり、pn界面に隣接しているp領域内で負に荷電された領域があった。古典的理論によると、光誘起ホール少数キャリヤの擬フェルミ準位は殆ど一定であり、空乏層以上の0.006eVだけによって変化した。理由として、光誘起電流密度は0Vのバイアスにおいて1.4×10−3A/cmと低かった。本測定条件では、635nm光照射時のキャリヤ生成率は2.45×1015cm−2−1であった。0Vにおける1.2×10−5sのτeffは5.9×1011cm−3の平均的な光誘起ホールキャリヤ密度を与えた。全ての光誘起ホールキャリヤが光誘起電流に寄与しているとき、電流密度、ホールキャリヤ密度及び素電荷によってホールキャリヤ速度を1.5×10cm/sとして与えた。ホールキャリヤ速度と、450cm/Vsのホール移動度と、2.8×1014cm−3のNから得た2.0×10−4cmの空乏層から、ポテンシャルの変化を最大でも0.006eVとして見積もった。従って、光誘起ホール少数キャリヤはp/n界面までの平坦なバンド状態の中での拡散が可能であった。
光学吸収係数と、p/nとn/nの界面間でのキャリヤ拡散と、p/nとn/nの2つの界面での消滅速度Sp+、Sn+に関連したキャリヤ生成の理論を含む有限要素数値計算プログラムを作った。p領域に対するCW光照射時における安定した状態での、p/n界面からの深さxの関数である光誘起少数キャリヤ密度は、次式で表される。
ここで、τは、バルクライフタイムであり、n(x)は、深さxでのキャリヤ体積密度であり、g(x)は、深さxでのキャリヤ生成率であり、Dは、拡散定数である。基板内部でキャリヤ生成は生じ、キャリヤ生成はある光の波長での光吸収係数に依存している。g(x)は、光の侵入長dに関係する次式から与えられる。
境界条件は、次式から与えられる。
ここで、Lは、p/nとn/nの界面間の半導体基板の厚さであり、Δxは、本計算において2×10−5とした単位格子長である。nを0からLまでのn(x)の積分により算出した。τeffは計算したnをGで割ることで得られた。ここでは、オーミック接合がn/nの界面で形成され、Sn+が全てのバイアス電圧に対して一定であると仮定した。バイアス電圧を関数とした最も確からしいSp+(V)は、計算したτeffと4つの光照射条件で測定したτeffのフィッティングによって解析した。本計算では、τが十分長く、キャリヤ再結合が表面再結合速度のみにより決定されると仮定した。
図6は、バイアス電圧を関数としたSp+(V)を示している。Sn+は実線により表現されている。Sp+(V)は、逆及び0Vのバイアス電圧印加時に、4000cm/sから7200cm/sの高い値であった。バイアス電圧が0.7Vまで増加したとき、Sp+(V)は265cm/sまで減少した。これは、100cm/sであるSn+と同程度の値であった。一般的に、Sはキャリヤ捕獲断面の生成、単位面積当たりの欠陥密度、キャリヤ速度によって決定される。逆及び0Vのバイアス電圧印加時の高いSp+(V)は、おそらく負電荷帯電によるp領域内のキャリヤ捕獲断面積の増大により生じた。そのため光誘起ホールキャリヤは、負に帯電したp領域内で急速に消滅した。また、高いSp+(V)は効果的にn型基板のnを減少させ、特に635nm光照射時に減少させた。理由としては、dが2.7μmであるために、p/nの界面付近で光誘起キャリヤが発生したからである。図4に示すように、τeff(p)は結果的に1×10−5sよりも低い値をとった。しかし、980nm光照射時は、dが120μであるため、深い領域内で光誘起キャリヤを引き起こした。深いキャリヤ生成領域からp界面までの拡散時間により、nは高い値を維持した。そのため、980nm光照射時のτeff(p)は3.4×10−5sから3.9×10−5sの高い値を持っていた。更に、n領域への光照射によって、p界面に届くようにシリコン基板を横断する光誘起キャリヤが発生した。この長い拡散はτeff(n)の高い値を可能にした。
バイアス電圧が増加するにつれホールキャリヤ速度は減少した。これは、おそらく空乏層領域幅と空間荷電密度の減少により、p領域の負電荷帯電量が減少したからである。0.7V印加時にSp+(V)の最小値が265cm/sと測定され、このとき、おそらくフラットバンド状態が形成されたと解釈した。Sp+(V)の最小値はおそらく欠陥状態密度により制限されていた。図4に示すように、最小であるSp+(V)とSn+の似た値(0.7〜1.0Vのバイアス電圧印加時の値)は、4つの光照射条件において類似したτeffの結果を出した。この前提の下、フラットバンド状態は、活性化処理をしていない熱成長SiO膜で覆われた初期試料とイオン注入された試料の場合で維持されている。Sは初期試料の場合16cm/sと見積もった。熱成長SiOはシリコン表面をよくパッシベーションした。最小であるSp+(V)とSn+の値は初期試料のSよりも大きかった。多くの欠陥状態はpとnのドープ領域内で存在した。一方、最小であるSp+(V)とSn+の値は、イオン注入時の試料のボロン注入面のSである50000cm/s、リン注入面のSである70000cm/sに比べてはるかに低い。そのため、図3に示すように、τeffは10−6s台であった。マイクロ波加熱による活性化手順は著しくキャリヤ消滅欠陥状態密度を減少させた。
本測定では、n型シリコン基板の表面上に形成したpn内にバイアス電圧を印加した際のτeffの変化を示した。また、電界によるp領域でのキャリヤ速度と消滅速度の増大を示した。高い拡散電位を引き起こしている0Vから−1Vの逆バイアス状態においてSp+(V)は4000cm/sから7200cm/sと解析された。同様に、低いキャリヤ速度をもつフラットバンドの実現が想定される0.7V以上の正バイアス状態において、Sp+(V)が265cm/sまで減少することが解析された。
以上のように、pn接合部分に帯電した電荷により発生した内蔵電界強度によってτeff(p)は低下する。印加電圧を順方向に増大することによりpn接合部分の帯電電荷量を低下させると、内蔵電界強度は低下しτeff(p)は増大する。
なお本効果は、印加電圧を変化させる手法(第1の手法)のみならず、試料に照射する光の強度を変化させる手法(第2の手法)によっても実現することができる。すなわち、開放電圧状態において、光誘起ホールキャリヤはp層に移動して帯電し、予めp+層に帯電していた負電荷量を減少させる。ホールキャリヤの帯電量は光照射強度が大きい方が大きくなる。すなわち、強い光強度は大量のキャリヤを発生するから、pn接合部の帯電状態を解消する。これは、大きな順方向電圧を印加する場合と類似の効果をもたらしてτeff(p)を大きくする。これに対し、弱い光強度は発生するキャリヤ数が小さく、pn接合部の帯電状態をあまり変化させない。これは、順方向電圧が小さいときと類似でありτeff(p)は小さく留まる。
図7に、電極開放状態(開放電圧条件下)において、試料に照射する635nm光の強度を変化させた場合に測定した実効キャリヤライフタイムτeffを示す。図中白抜き点はτeff(p)を示し、図中黒塗り点はτeff(n)を示す。図7に示すように、光強度が大きいときτeff(p)とτeff(n)は近い値を示した。一方、光強度を小さくしたときτeff(p)とτeff(n)は低下し、特にτeff(p)が著しく低下した。これは、小さい光強度照射ではpn接合部分の帯電と内蔵電界強度が高く維持されてSp+が高くなりτeff(p)が小さくなる(すなわち、短絡に近い状態になる)ことを示している。
なお、本発明は、上述の実施の形態に限定されるものではなく、種々の変更が可能である。本発明は、実施の形態で説明した構成と実質的に同一の構成(例えば、機能、方法及び結果が同一の構成、あるいは目的及び効果が同一の構成)を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成の本質的でない部分を置き換えた構成を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成と同一の作用効果を奏する構成又は同一の目的を達成することができる構成を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成に公知技術を付加した構成を含む。
例えば、上記実施形態におけるマイクロ波発生部10に代えて、周波数1GHzから1THzの範囲のいずれかの電磁波を発生する電磁波発生部を用いてもよい。
また、上記実施形態では、光照射部として2つの光源を備える場合について説明したが、光源の数に制限はなく、光源の数を1つとしてもよい。
上記実施形態の手法は、pn接合のみならずMIS(metal-insulator-semiconductor)型の素子の解析にも適用することができる。図8に、n型シリコン基板にパッシベーション酸化膜(SiO膜)を形成したのち金(Au)とアルミニウム(Al)を形成したときの半導体バンド構造を示す。金は仕事関数が大きいので、仕事関数の小さいn型シリコンの表面層のバンドポテンシャルは変化して空乏層が形成される。これに対して、アルミニウムは仕事関数が小さくn型シリコンに近いため、n型シリコンの表面層のバンドポテンシャルの変化は少ない。このようなバンドポテンシャルの変化は、pn接合と類似の効果を光誘起少数キャリヤの実効ライフタイムに与えると考えられる。
図9に示すような構造を有する素子を作成した。すなわち、SiO膜を形成したn型シリコン基板の表面にAl或いはAuのストライプ電極を形成し、導波管40の間隙42にセットした。そして、光源20により635nm光をAl電極或いはAu電極の外側に照射した。光照射によりシリコン基板には光誘起キャリヤが発生する。光誘起キャリヤは
図中横方向に拡散して導波管40内の領域に拡散する。拡散量はAl或いはAu電極下のキャリヤ再結合速度に依存する。金属電極が無い場合の拡散量に基づき校正を行って、Al或いはAu電極下のキャリヤ再結合速度を求めた。そのときの結果を図10に示す。
図10(A)に示すように、暗状態のマイクロ波透過率Tと光照射時のマイクロ波透過率Tとの比の自然対数値ln(T/T)は、Al電極、Au電極を形成することにより低下した。低下度は、Al電極を形成した場合よりもAu電極を形成した場合の方が大きかった。図10(B)に示すように、横方向キャリヤ拡散理論を用いて求めたAl電極を形成した場合のキャリヤ再結合速度Sは約1000cm/sであった。これに対し、Au電極を形成した場合には、Sは約10000cm/sに達することが分かった。仕事関数が大きく空乏層を伴うAuの方が光誘起キャリヤの消滅確率が大きくなることが明らかになった。
1 測定装置、10 マイクロ波発生部(電磁波発生部)、20,22 光源、24,25 反射板、26 光ファイバ、30 検出部、40 導波管、42 間隙、50 処理部、60 電圧印加部

Claims (5)

  1. 内蔵電位を持つ半導体基体に発生した光誘起キャリヤの実効キャリヤライフタイムを測定する光誘起キャリヤライフタイム測定方法において、
    前記半導体基体に対して、電磁波と光誘起キャリヤを発生させるための光とを照射するとともに、前記半導体基体に対して電圧を印加し、
    前記半導体基体を透過した電磁波の強度を検出し、
    前記半導体基体に印加する電圧を変化させながら、検出された電磁波強度に基づき実効キャリヤライフタイムを算出し、一定値となったときの算出値を実効キャリヤライフタイムの測定値とする、光誘起キャリヤライフタイム測定方法。
  2. 内蔵電位を持つ半導体基体に発生した光誘起キャリヤの実効キャリヤライフタイムを測定する光誘起キャリヤライフタイム測定方法において、
    前記半導体基体に対して、電磁波と光誘起キャリヤを発生させるための光とを照射し、
    前記半導体基体を透過した電磁波の強度を検出し、
    前記半導体基体に照射する光の強度を増加させながら、検出された電磁波強度に基づき実効キャリヤライフタイムを算出し、一定値となったときの算出値を実効キャリヤライフタイムの測定値とする、光誘起キャリヤライフタイム測定方法。
  3. 請求項1又は2において、
    前記電磁波は、周波数が1GHz〜1THzの電磁波である、光誘起キャリヤライフタイム測定方法。
  4. 内蔵電位を持つ半導体基体に発生した光誘起キャリヤの実効キャリヤライフタイムを測定する光誘起キャリヤライフタイム測定装置において、
    前記半導体基体に対して、光誘起キャリヤを発生させるための光を照射する光照射部と、
    前記半導体基体に照射する電磁波を発生する電磁波発生部と、
    前記半導体基体に対して電圧を印加する電圧印加部と、
    前記半導体基体を透過した電磁波の強度を検出する検出部と、
    前記検出部で検出された強度に基づき実効キャリヤライフタイムを算出する処理部とを含み、
    前記処理部は、
    前記半導体基体に印加する電圧を変化させながら実効キャリヤライフタイムを算出し、一定値となったときの算出値を実効キャリヤライフタイムの測定値とする、光誘起キャリヤライフタイム測定装置。
  5. 内蔵電位を持つ半導体基体に発生した光誘起キャリヤの実効キャリヤライフタイムを測定する光誘起キャリヤライフタイム測定装置において、
    前記半導体基体に対して、光誘起キャリヤを発生させるための光を照射する光照射部と、
    前記半導体基体に照射する電磁波を発生する電磁波発生部と、
    前記半導体基体を透過した電磁波の強度を検出する検出部と、
    前記検出部で検出された強度に基づき実効キャリヤライフタイムを算出する処理部とを含み、
    前記処理部は、
    前記半導体基体に照射する光の強度を増加させながら実効キャリヤライフタイムを算出し、一定値となったときの算出値を実効キャリヤライフタイムの測定値とする、光誘起キャリヤライフタイム測定装置。
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