JP2016157907A - 過剰少数キャリアの実効ライフタイム測定方法および過剰少数キャリアの実効ライフタイム測定装置 - Google Patents

過剰少数キャリアの実効ライフタイム測定方法および過剰少数キャリアの実効ライフタイム測定装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 過剰少数キャリアの実効ライフタイムを容易かつ高精度に測定できる剰少数キャリアの実効ライフタイム測定方法および過剰少数キャリアの実効ライフタイム測定装置を提供する。【解決手段】 半導体の光導電率を、半導体に照射する光の強度を変化させて測定する第1ステップと、光の強度と光導電率との関係を用いて、過剰少数キャリアのトラッピングによる影響が無視できる領域であるノントラッピング領域を特定する第2ステップと、ノントラッピング領域における光導電率の値を用いて、過剰少数キャリアの実効ライフタイムを求める第3ステップと、を有する過剰少数キャリアの実効ライフタイム測定方法とする。【選択図】 図1

Description

本発明は、過剰少数キャリアの実効ライフタイム測定方法および過剰少数キャリアの実効ライフタイム測定装置に関するものである。
半導体基板に発生した過剰少数キャリアの実効ライフタイムを測定する方法として、μ−PCD法(μ波検出光導電減衰法、例えば非特許文献1を参照)とQSSPC法(擬定常光導電法、例えば非特許文献2を参照)が知られており、市販装置が普及している。μ−PCD法では、マイクロ波を半導体基板に照射した状態で、極めて短時間の光パルスを照射する。その結果、光パルスによって励起されたキャリアは半導体基板の光導電率を変化させ、これによってマイクロ波の反射強度が変化する。光パルスの照射後の光導電率の減衰を、反射強度の時間変化として導波管などで測定することにより、過剰少数キャリアの実効ライフタイムを測定する。
QSSPC法では、導電率センサとしてインダクタンスコイルを半導体基体に対面して配置し、RF周波数の電気信号を印加する。そして、半導体基体に実効ライフタイムに比べて十分に長い、矩形波ではない光を照射する。この照射光によって励起されたキャリアは半導体基板の光導電率を変化させる。照射光と光導電率の時間変化を、それぞれ光センサと導電率センサにより同時に測定し、照射光と光導電率の関係を求める。さらに、照射光と光導電率の関係から、過剰少数キャリアの実効ライフタイムを測定する。QSSPC法はμ−PCD法に比べて、実効ライフタイムの過剰少数キャリア密度に対する依存性を測定できる利点がある。
しかしながら、従来のQSSPC法では、照射光強度の小さい領域において、照射光によって励起された過剰少数キャリアが、浅いエネルギー準位にあるトラップ準位によりトラップされる効果(トラッピング効果)により、過剰少数キャリアの実効ライフタイムが見掛け上非常に大きく測定される課題があった。
図7は、半導体に照射した照射光強度Iph(sun)と半導体の光導電率σph(S/cm)の関係を示すグラフである。図7に示されるように、照射光強度の小さい領域において、光導電率の照射光強度に対する増加率(傾き)は非常に大きく、増加率(傾き)が照射光強度の増加とともに小さくなっていく。この現象は、P型多結晶シリコン基板の光導電率測定において一般的に観察されるものである。この現象は、照射光によって励起された過剰少数キャリアが、浅いエネルギー準位にあるトラップ準位によりトラップされ、価電子帯に残されたホールが再結合の相手を失うことによって、光導電率が増加すること(トラッピング効果)により起こると考えられる。このようなトラッピング効果を含んだ照射光強度Iphと光導電率σphの関係を用いて過剰少数キャリアの実効ライフタイムを求めると、照射光強度Iphの小さい領域で実効ライフタイムを見掛け上異常に大きく評価することになる。
従来のQSSPC法で用いられる実効ライフタイムの計算式を数式(1)に示す。なお、数式(1)において、Δnは過剰少数キャリア密度(cm−3)であり、Gはキャリア対生成率(cm−3−1)である。
Figure 2016157907
そして、数式(1)を用いて実効ライフタイムτを求め、Δnに対してプロットした結果を図8に示す。図8のグラフによれば、照射光強度Iphの小さい領域において、実効ライフタイムτが異常に大きくなっていることがわかる。
このトラッピング効果を補正する方法が、非特許文献3にて報告され、QSSPC法の市販装置(例えば、WT120, Sinton Instruments)の解析ソフトの中に応用されている。
この方法では、測定された実効ライフタイムτの過剰少数キャリア密度Δnに対する依存性τ(Δn)に対して、適当なバイアス光を設定して再計算し、τの異常値を抑制する。この考え方は、照射光強度の小さい領域において現れるトラッピングを、強度一定のバイアス光によりあらかじめ起こさせておき、照射光と光導電率の関係から除外するものである。ただし、バイアス光を実際に印加するのではなく、解析的にデータを補正するものである。
J.M.Borrego, R.J.Gutmann, N.Jensen, and O.Paz: Solid-Sate Electron. 30 (1987). R. A. Sinton and Andres Cuevas: Appl. Phys. Lett. 69 (1996). D. Macdonald, R. A. Sinton, and A. Cuevas, J. Appl. Phys. 89 (2001).
非特許文献3にて開示された方法では、トラッピング効果を補正するためにバイアス光を設定するのであるが、バイアス光をどの値に設定するのかについて基準がないため、適当なバイアス光を入力してτ(Δn)を再計算し、再計算されたτ(Δn)からバイアス光をさらに調整、τ(Δn)を再計算するという作業が必要であった。また、バイアス光を設定する基準が曖昧であるため、測定者によって値が変化するという問題があった。
本発明はこのような従来の技術における問題点に鑑みて案出されたものであり、その目的は、過剰少数キャリアの実効ライフタイムを容易かつ高精度に測定できる剰少数キャリアの実効ライフタイム測定方法および過剰少数キャリアの実効ライフタイム測定装置を提供することにある。
本発明の過剰少数キャリアの実効ライフタイム測定方法は、半導体の光導電率を、前記半導体に照射する光の強度を変化させて測定する第1ステップと、前記光の強度と前記光導電率との関係を用いて、過剰少数キャリアのトラッピングによる影響が無視できる領域であるノントラッピング領域を特定する第2ステップと、前記ノントラッピング領域における前記光導電率の値を用いて、前記過剰少数キャリアの実効ライフタイムを求める第3ステップと、を有する。
本発明の過剰少数キャリアの実効ライフタイム測定装置は、強度を変化させて光を半導体に照射する光照射手段と、前記半導体に照射した前記光の強度を測定する光測定手段と
、前記半導体の光導電率を測定する光導電率測定手段と、前記光の強度と前記光導電率との関係を用いて、過剰少数キャリアのトラッピングによる影響が無視できる領域であるノントラッピング領域を特定する、ノントラッピング領域算出回路と、前記ノントラッピング領域における前記光導電率の値を用いて、前記過剰少数キャリアの実効ライフタイムを求める、実効ライフタイム算出回路と、を有する。
本発明の剰少数キャリアの実効ライフタイム測定方法および過剰少数キャリアの実効ライフタイム測定装置によれば、過剰少数キャリアの実効ライフタイムを容易かつ高精度に測定することができる。
本発明の過剰少数キャリアの実効ライフタイム測定装置を模式的に示す図である。 照射光強度Iphと光導電率σphの関係を示すグラフである。 本発明の過剰少数キャリアの実効ライフタイムの測定法における、キャリア対生成率Gと過剰少数キャリアの密度Δnの関係の例を示す図である。 本発明の過剰少数キャリアの実効ライフタイムの測定法における、実効ライフタイムτslopeとτderivativeを過剰少数キャリアの密度Δnに対してプロットした図である。 本発明の過剰少数キャリアの実効ライフタイムの測定法を、異なるSiブロックから切り出したシリコン多結晶基板に適用してτslopeを求め、セル形成後の電力変換効率ηに対してプロットした図である。 本発明の過剰少数キャリアの実効ライフタイムの測定法における、照射光強度Iphと光導電率σphの関係の測定例において、ノントラッピング領域のデータに対する回帰直線からσtrapを求めることを示した図である。 照射光強度Iphと光導電率σphの関係を示すグラフである。 従来のQSSPC法におけるτの計算式τ=Δn/Gを用いて図7のデータから過剰少数キャリアの実効ライフタイムτを求めた結果を示すグラフである。
以下、本発明の実施形態である過剰少数キャリアの実効ライフタイム測定方法および過剰少数キャリアの実効ライフタイム測定装置を添付の図面を参照しつつ詳細に説明する。
(過剰少数キャリアの実効ライフタイム測定方法)
例えば、図7のグラフでは、照射光強度Iphが0sun付近では、光導電率σphの照射光強度Iphに対する増加率(傾き)が非常に大きく、0〜10sunでは、この増加率(
傾き)が照射光強度の増加とともに小さくなっていき、非線形性が非常に強いことが認められる。一方、10〜40sunでは、ほぼ線形である。
本実施形態の過剰少数キャリアの実効ライフタイム測定方法では、照射光強度の低い領域に現れる、光導電率の照射光強度に対する増加率(傾き)が非常に大きく、さらにこの増加率(傾き)が照射光強度の増加とともに小さくなっていく非線形性の強い領域をトラッピング領域とし、照射光強度の高い領域における比較的線形な領域をノントラッピング領域として識別し、ノントラッピング領域のデータから過剰少数キャリアの実効ライフタイムを求める。なお、具体的には、照射光強度が、特定の第1強度から、第1強度よりも10sun以上大きい第2強度まで変化したときに、第1強度から第2強度までの範囲における、光導電率の光の強度に対する微分係数の最小値をA、最大値をB、平均値をCとしたときに、(A−B)/C≦1.0であるとき、第1強度から第2強度までの範囲をノントラッピング領域とする。
次に、ノントラッピング領域のデータから過剰少数キャリアの実効ライフタイムを求める方法を説明する。まず、光導電率σph (S/cm)から、数式(2)を用いて過剰少数
キャリア密度Δn(cm-3)を求める。
Figure 2016157907
ただし、数式(2)において、qは、キャリアの電荷であり、μnは、電子の移動度で
あり、μはホールの移動度である。実際にはμnとμpは半導体基板のドーピング濃度や過剰少数キャリア密度Δnにも依存して若干変化するため、Δnを式(2)から求める場合
には、繰り返し計算によってμn、μpとΔnの収束値を求める必要がある。
また、照射光強度Iph (sun)から、数式(3)を用いてキャリア対生成率G(cm-3-1)を求める。
Figure 2016157907
ただし、数式(3)において、fabsは、照射光の吸収率であり、Iphは、照射光強度
であり、qは1.6×10-19(クーロン)であり、tはウエハ厚(cm)である。このようにして求めたキャリア対生成率Gと過剰少数キャリア密度Δnの関係を図3に示す。
次に、ノントラッピング領域の一定区間における、過剰少数キャリア密度Δnのキャリア対生成率Gに対する平均傾きから、実効ライフタイムτslopeを、数式(4)により求
める。
Figure 2016157907
ただし、Δ(Δn)/ΔGはノントラッピング領域の一定区間におけるΔnのGに対する平均傾きである。この平均傾きは、ノントラッピング領域の一定区間におけるΔnとGの関係を直線回帰し、その傾きから求めることが望ましい。
また、ΔnのGに対する微分係数から実効ライフタイムτderivativeを、数式(5)により求める。
Figure 2016157907
ただし、d(Δn)/dGはノントラッピング領域における、ΔnのGに対する微分係数である。この微分係数は、ノントラッピング領域の一定区間におけるΔnとGの関係を二次以上の高次関数などで近似し、この近似関数の微分係数から求めることが望ましい。
以上述べたように、本実施形態の過剰少数キャリアの実効ライフタイム測定方法は、半導体の光導電率を、半導体に照射する光の強度を変化させて測定する第1ステップと、光の強度と光導電率との関係を用いて、過剰少数キャリアのトラッピングによる影響が無視できる領域であるノントラッピング領域を特定する第2ステップと、ノントラッピング領域における光導電率の値を用いて、過剰少数キャリアの実効ライフタイムを求める第3ステップと、を有する。これにより、過剰少数キャリアのトラッピングによる影響を容易に取り除くことができるので、過剰少数キャリアの実効ライフタイムを容易に高精度に測定することができる。
また、本実施形態の過剰少数キャリアの実効ライフタイム測定方法は、光の強度が、特定の第1強度から、第1強度よりも10sun以上大きい第2強度まで変化したときに、第1強度から第2強度までの範囲における、光導電率の光の強度に対する微分係数の最小値をA、最大値をB、平均値をCとしたときに、(A−B)/C≦1.0であるとき、第1強度から第2強度までの範囲をノントラッピング領域とする。これにより、ノントラッピング領域を容易に特定することができる。
また、本実施形態の過剰少数キャリアの実効ライフタイム測定方法は、ノントラッピング領域における、過剰少数キャリア密度のキャリア対生成率に対する平均変化率、または、ノントラッピング領域における、過剰少数キャリア密度のキャリア対生成率に対する微分係数、を用いて、過剰小数キャリアの実効ライフタイムを求める。これにより、過剰少数キャリアの実効ライフタイムを容易に高精度に測定することができる。
また、本実施形態の過剰少数キャリアの実効ライフタイム測定方法は、ノントラッピング領域における、過剰少数キャリア密度のキャリア対生成率に対する平均変化率、または、ノントラッピング領域における、過剰少数キャリア密度のキャリア対生成率に対する微分係数、を過剰小数キャリアの実効ライフタイムとする。これにより、過剰少数キャリアの実効ライフタイムを容易に高精度に測定することができる。
(過剰少数キャリアの実効ライフタイム測定装置)
図1は、本発明の実施形態である、過剰少数キャリアの実効ライフタイム測定装置を模式的に示す図である。本実施形態の過剰少数キャリアの実効ライフタイム測定装置は、図1に示すように、光照射手段11と、光導電率測定手段12と、ノントラッピング領域算出回路13と、実効ライフタイム算出回路14と、図示せぬ光測定手段と、制御回路15とを有している。
光照射手段11は、連続的に強度が変化する光を半導体21に照射する。光の照射時間は半導体21の実効ライフタイムに比べて十分に長い時間とする。また、照射する光は、可視光に限定されるものではないが、光子エネルギーが半導体21のバンドギャップ以上のエネルギーを有する波長領域である必要がある。このような光照射手段11としては、例えば、QSSPC法の市販装置に搭載されている光照射手段のような既知の光照射手段
を用いることができる。
光導電率測定手段12は、詳細に図示を省略するが、例えば、半導体21に近接して配置されたコイルと、コイルに高周波電圧を加える電圧印可手段と、コイルを流れる電流を測定する電流測定手段と、コイルに流れる電流の変化から半導体21の光導電率を算出する光導電率算出回路を有している。光導電率測定手段12は、コイルを流れる電流を計測することによって半導体21の光導電率を測定し、測定データをノントラッピング領域算出回路13および実効ライフタイム算出回路14へ出力する。
光測定手段は、半導体21に照射した光の強度を測定する。そして、測定した光の強度のデータをノントラッピング領域算出回路13へ出力する。このような光測定手段としては、既知の種々の光センサを用いることができる。
ノントラッピング領域算出回路13は、入力された光の強度と光導電率との関係を用いて、過剰少数キャリアのトラッピングによる影響が無視できる領域であるノントラッピング領域を算出して特定し、そのデータを実効ライフタイム算出回路14へ出力する。詳細には、光の強度が、特定の第1強度から、第1強度よりも10sun以上大きい第2強度まで変化したときに、第1強度から第2強度までの範囲における、光導電率の光の強度に対する微分係数の最小値をA、最大値をB、平均値をCとしたときに、(A−B)/C≦1.0であるとき、第1強度から第2強度までの範囲をノントラッピング領域とする。
実効ライフタイム算出回路14は、ノントラッピング領域算出回路13から入力されたノントラッピング領域を示すデータと、光導電率測定手段12から入力された光導電率のデータを用いて、過剰少数キャリアの実効ライフタイムを算出する。
制御回路15は、光照射手段11,光導電率測定手段12,図示せぬ光測定手段,ノントラッピング領域算出回路13および実効ライフタイム算出回路14を制御する。なお、光導電率測定手段12の光導電率算出回路,ノントラッピング領域算出回路13,実効ライフタイム算出回路14および制御回路15は、CPUやメモリによって構成することができる。また、ノントラッピング領域の算出や実効ライフタイムの算出は、前述した過剰少数キャリアの実効ライフタイム測定方法で説明した種々の数式を用いて行う。
このように、本実施形態の過剰少数キャリアの実効ライフタイム測定装置は、強度を変化させて光を半導体21に照射する光照射手段11と、半導体21に照射した光の強度を測定する図示せぬ光測定手段と、半導体21の光導電率を測定する光導電率測定手段12と、光の強度と光導電率との関係を用いて、過剰少数キャリアのトラッピングによる影響が無視できる領域であるノントラッピング領域を特定する、ノントラッピング領域算出回路13と、ノントラッピング領域における光導電率の値を用いて、過剰少数キャリアの実効ライフタイムを求める、実効ライフタイム算出回路14と、を有している。これにより、過剰少数キャリアのトラッピングによる影響を容易に取り除くことができるので、過剰少数キャリアの実効ライフタイムを容易に高精度に測定することができる。
また、本実施形態の過剰少数キャリアの実効ライフタイム測定装置は、光の強度が、特定の第1強度から、第1強度よりも10sun以上大きい第2強度まで変化したときに、第1強度から第2強度までの範囲における、光導電率の光の強度に対する微分係数の最小値をA、最大値をB、平均値をCとしたときに、(A−B)/C≦1.0であるとき、第1強度から第2強度までの範囲をノントラッピング領域とする。これにより、ノントラッピング領域を容易に特定することができる。
また、本実施形態の過剰少数キャリアの実効ライフタイム測定装置では、実効ライフタ
イム算出回路14は、ノントラッピング領域における、過剰少数キャリア密度のキャリア対生成率に対する平均変化率、または、ノントラッピング領域における、過剰少数キャリア密度のキャリア対生成率に対する微分係数、を用いて、過剰小数キャリアの実効ライフタイムを算出する。これにより、過剰少数キャリアの実効ライフタイムを容易に高精度に測定することができる。
また、本実施形態の過剰少数キャリアの実効ライフタイム測定装置では、実効ライフタイム算出回路14は、ノントラッピング領域における、過剰少数キャリア密度のキャリア対生成率に対する平均変化率、または、ノントラッピング領域における、過剰少数キャリア密度のキャリア対生成率に対する微分係数、を算出し、それを過剰小数キャリアの実効ライフタイムとする。これにより、過剰少数キャリアの実効ライフタイムを容易に高精度に測定することができる。
本発明の過剰少数キャリアの実効ライフタイム測定方法を用いて過剰少数キャリアの実効ライフタイムを求めた具体例について説明する。
図2は、半導体の光導電率を、半導体に照射する光の強度を変化させてQSSPC法により測定し、照射光強度Iph(sun)と光導電率σph(S/cm)の関係を示した図である。ただし1sun=100mW/cmである。また、測定試料は、多結晶シリコンブロックから切り出された後に、NaOHにより表面エッチング処理されたP型多結晶シリコン基板(厚さ180μm)であり、パッシベイション膜などは形成されていない。
次に、図2のグラフにおいてノントラッピング領域を特定した。詳細には、照射光強度が、特定の第1強度から、第1強度よりも10sun以上大きい第2強度まで変化したときに、第1強度から第2強度までの範囲における、光導電率の光の強度に対する微分係数の最小値をA、最大値をB、平均値をCとしたときに、(A−B)/C≦1.0であるとき、第1強度から第2強度までの範囲をノントラッピング領域とした。この場合、10sun以上の領域がノントラッピング領域となった。
次に、ノントラッピング領域における光導電率σph (S/cm)から、前述した数式(
2)を用いて過剰少数キャリア密度Δn(cm-3)を求め、ノントラッピング領域における照射光強度Iph (sun)から、前述した数式(3)を用いてキャリア対生成率G(cm-3-1)を求めた。このようにして求めたキャリア対生成率Gと過剰少数キャリア密度Δn
の関係を図3に示す。
次に、次に、ノントラッピング領域の一定区間における、過剰少数キャリア密度Δnのキャリア対生成率Gに対する平均傾きから、実効ライフタイムτslopeを、前述した数式
(4)により求めた。また、ΔnのGに対する微分係数から実効ライフタイムτderivativeを、数式(5)により求めた。このようにして求めたτslope、τderivativeを図4に
示す。また、図4には、比較のために、従来の算出式である前述した数式(1)で算出した実効ライフタイムτの値も示す。τslope、τderivativeは、τと比較して、Δnによ
る変化が非常に小さいことがわかる。
また、異なるSiブロックから切り出したシリコン多結晶基板のτslopeを求めた結果、
τslopeは表面再結合の強い影響のため1μsec程度の低い値となるにも関わらず、セル形成後の電力変換効率ηと相関を持つことを確認した。その結果を図5のグラフに示す。これにより、本発明の有効性が実証できた。
なお図4の過剰少数キャリア密度Δnはトラッピング効果を含んだ光導電率から計算し
た値なので、実際の過剰少数キャリア密度より大きい値になっているが、以下の方法により、Δnからトラッピング効果を除去することができる。
まず、図6に示すように、照射光強度Iphと光導電率σphの関係の測定例において、ノ
ントラッピング領域のデータに対する回帰直線をIph=0まで外挿することにより、トラ
ッピング効果による光導電率σtrapを求める。トラッピング効果がなければ、回帰直線は(Iph、σph)=(0、0)の点、あるいはその近傍に外挿されることが期待される。こ
れは、照射光強度がゼロであれば、キャリア対は励起されないからキャリア対による光導電率はゼロになるためである。従って、σtrapはトラッピング効果により生じる光導電率の近似値とすることができる。また、トラッピングによる光導電率σtrapを補正した光導電率はσphtrapで与えられる。補正した光導電率σphtrapは照射光により励起されたキャリア対による導電率を表している。
そして、補正した光導電率σphtrap(S/cm)から、数式(6)を用いて正しい過
剰少数キャリア密度Δn(cm-3)を求めることができる。
Figure 2016157907
11:光照射手段
12:光導電率測定手段
13:ノントラッピング領域算出回路
14:実効ライフタイム算出回路
15:制御回路
21:半導体

Claims (8)

  1. 半導体の光導電率を、前記半導体に照射する光の強度を変化させて測定する第1ステップと、
    前記光の強度と前記光導電率との関係を用いて、過剰少数キャリアのトラッピングによる影響が無視できる領域であるノントラッピング領域を特定する第2ステップと、
    前記ノントラッピング領域における前記光導電率の値を用いて、前記過剰少数キャリアの実効ライフタイムを求める第3ステップと、
    を有することを特徴とする過剰少数キャリアの実効ライフタイム測定方法。
  2. 前記光の強度が、特定の第1強度から、該第1強度よりも10sun以上大きい第2強度まで変化したときに、前記第1強度から前記第2強度までの範囲における、前記光導電率の前記光の強度に対する微分係数の最小値をA、最大値をB、平均値をCとしたときに、(A−B)/C≦1.0であるとき、前記第1強度から前記第2強度までの範囲をノントラッピング領域とすることを特徴とする請求項1に記載の過剰少数キャリアの実効ライフタイム測定方法。
  3. 前記ノントラッピング領域における、過剰少数キャリア密度のキャリア対生成率に対する平均変化率、または、前記ノントラッピング領域における、前記過剰少数キャリア密度の前記キャリア対生成率に対する微分係数、を用いて、前記過剰小数キャリアの前記実効ライフタイムを求めることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の過剰少数キャリアの実効ライフタイム測定方法。
  4. 前記ノントラッピング領域における、前記過剰少数キャリア密度の前記キャリア対生成率に対する前記平均変化率、または、前記ノントラッピング領域における、前記過剰少数キャリア密度の前記キャリア対生成率に対する前記微分係数、を前記過剰小数キャリアの前記実効ライフタイムとすることを特徴とする請求項3に記載の過剰少数キャリアの実効ライフタイム測定方法。
  5. 強度を変化させて光を半導体に照射する光照射手段と、
    前記半導体に照射した前記光の強度を測定する光測定手段と、
    前記半導体の光導電率を測定する光導電率測定手段と、
    前記光の強度と前記光導電率との関係を用いて、過剰少数キャリアのトラッピングによる影響が無視できる領域であるノントラッピング領域を特定する、ノントラッピング領域算出回路と、
    前記ノントラッピング領域における前記光導電率の値を用いて、前記過剰少数キャリアの実効ライフタイムを求める、実効ライフタイム算出回路と、
    を有することを特徴とする過剰少数キャリアの実効ライフタイム測定装置。
  6. 前記光の強度が、特定の第1強度から、該第1強度よりも10sun以上大きい第2強度まで変化したときに、前記第1強度から前記第2強度までの範囲における、前記光導電率の前記光の強度に対する微分係数の最小値をA、最大値をB、平均値をCとしたときに、(A−B)/C≦1.0であるとき、前記第1強度から前記第2強度までの範囲をノントラッピング領域とすることを特徴とする請求項5に記載の過剰少数キャリアの実効ライフタイム測定装置。
  7. 前記実効ライフタイム算出回路は、前記ノントラッピング領域における、過剰少数キャリア密度のキャリア対生成率に対する平均変化率、または、前記ノントラッピング領域における、前記過剰少数キャリア密度の前記キャリア対生成率に対する微分係数、を用いて、前記過剰小数キャリアの前記実効ライフタイムを算出することを特徴とする請求項5ま
    たは請求項6に記載の過剰少数キャリアの実効ライフタイム測定装置。
  8. 前記実効ライフタイム算出回路は、前記ノントラッピング領域における、前記過剰少数キャリア密度の前記キャリア対生成率に対する前記平均変化率、または、前記ノントラッピング領域における、前記過剰少数キャリア密度の前記キャリア対生成率に対する前記微分係数、を算出し、それを前記過剰小数キャリアの前記実効ライフタイムとすることを特徴とする請求項7に記載の過剰少数キャリアの実効ライフタイム測定装置。
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