JP2016157907A - 過剰少数キャリアの実効ライフタイム測定方法および過剰少数キャリアの実効ライフタイム測定装置 - Google Patents
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Abstract
Description
この方法では、測定された実効ライフタイムτの過剰少数キャリア密度Δnに対する依存性τ(Δn)に対して、適当なバイアス光を設定して再計算し、τの異常値を抑制する。この考え方は、照射光強度の小さい領域において現れるトラッピングを、強度一定のバイアス光によりあらかじめ起こさせておき、照射光と光導電率の関係から除外するものである。ただし、バイアス光を実際に印加するのではなく、解析的にデータを補正するものである。
、前記半導体の光導電率を測定する光導電率測定手段と、前記光の強度と前記光導電率との関係を用いて、過剰少数キャリアのトラッピングによる影響が無視できる領域であるノントラッピング領域を特定する、ノントラッピング領域算出回路と、前記ノントラッピング領域における前記光導電率の値を用いて、前記過剰少数キャリアの実効ライフタイムを求める、実効ライフタイム算出回路と、を有する。
例えば、図7のグラフでは、照射光強度Iphが0sun付近では、光導電率σphの照射光強度Iphに対する増加率(傾き)が非常に大きく、0〜10sunでは、この増加率(
傾き)が照射光強度の増加とともに小さくなっていき、非線形性が非常に強いことが認められる。一方、10〜40sunでは、ほぼ線形である。
キャリア密度Δn(cm-3)を求める。
あり、μpはホールの移動度である。実際にはμnとμpは半導体基板のドーピング濃度や過剰少数キャリア密度Δnにも依存して若干変化するため、Δnを式(2)から求める場合
には、繰り返し計算によってμn、μpとΔnの収束値を求める必要がある。
であり、qは1.6×10-19(クーロン)であり、tはウエハ厚(cm)である。このようにして求めたキャリア対生成率Gと過剰少数キャリア密度Δnの関係を図3に示す。
める。
図1は、本発明の実施形態である、過剰少数キャリアの実効ライフタイム測定装置を模式的に示す図である。本実施形態の過剰少数キャリアの実効ライフタイム測定装置は、図1に示すように、光照射手段11と、光導電率測定手段12と、ノントラッピング領域算出回路13と、実効ライフタイム算出回路14と、図示せぬ光測定手段と、制御回路15とを有している。
を用いることができる。
イム算出回路14は、ノントラッピング領域における、過剰少数キャリア密度のキャリア対生成率に対する平均変化率、または、ノントラッピング領域における、過剰少数キャリア密度のキャリア対生成率に対する微分係数、を用いて、過剰小数キャリアの実効ライフタイムを算出する。これにより、過剰少数キャリアの実効ライフタイムを容易に高精度に測定することができる。
2)を用いて過剰少数キャリア密度Δn(cm-3)を求め、ノントラッピング領域における照射光強度Iph (sun)から、前述した数式(3)を用いてキャリア対生成率G(cm-3s-1)を求めた。このようにして求めたキャリア対生成率Gと過剰少数キャリア密度Δn
の関係を図3に示す。
(4)により求めた。また、ΔnのGに対する微分係数から実効ライフタイムτderivativeを、数式(5)により求めた。このようにして求めたτslope、τderivativeを図4に
示す。また、図4には、比較のために、従来の算出式である前述した数式(1)で算出した実効ライフタイムτの値も示す。τslope、τderivativeは、τと比較して、Δnによ
る変化が非常に小さいことがわかる。
τslopeは表面再結合の強い影響のため1μsec程度の低い値となるにも関わらず、セル形成後の電力変換効率ηと相関を持つことを確認した。その結果を図5のグラフに示す。これにより、本発明の有効性が実証できた。
た値なので、実際の過剰少数キャリア密度より大きい値になっているが、以下の方法により、Δnからトラッピング効果を除去することができる。
ントラッピング領域のデータに対する回帰直線をIph=0まで外挿することにより、トラ
ッピング効果による光導電率σtrapを求める。トラッピング効果がなければ、回帰直線は(Iph、σph)=(0、0)の点、あるいはその近傍に外挿されることが期待される。こ
れは、照射光強度がゼロであれば、キャリア対は励起されないからキャリア対による光導電率はゼロになるためである。従って、σtrapはトラッピング効果により生じる光導電率の近似値とすることができる。また、トラッピングによる光導電率σtrapを補正した光導電率はσph -σtrapで与えられる。補正した光導電率σph -σtrapは照射光により励起されたキャリア対による導電率を表している。
剰少数キャリア密度Δn(cm-3)を求めることができる。
12:光導電率測定手段
13:ノントラッピング領域算出回路
14:実効ライフタイム算出回路
15:制御回路
21:半導体
Claims (8)
- 半導体の光導電率を、前記半導体に照射する光の強度を変化させて測定する第1ステップと、
前記光の強度と前記光導電率との関係を用いて、過剰少数キャリアのトラッピングによる影響が無視できる領域であるノントラッピング領域を特定する第2ステップと、
前記ノントラッピング領域における前記光導電率の値を用いて、前記過剰少数キャリアの実効ライフタイムを求める第3ステップと、
を有することを特徴とする過剰少数キャリアの実効ライフタイム測定方法。 - 前記光の強度が、特定の第1強度から、該第1強度よりも10sun以上大きい第2強度まで変化したときに、前記第1強度から前記第2強度までの範囲における、前記光導電率の前記光の強度に対する微分係数の最小値をA、最大値をB、平均値をCとしたときに、(A−B)/C≦1.0であるとき、前記第1強度から前記第2強度までの範囲をノントラッピング領域とすることを特徴とする請求項1に記載の過剰少数キャリアの実効ライフタイム測定方法。
- 前記ノントラッピング領域における、過剰少数キャリア密度のキャリア対生成率に対する平均変化率、または、前記ノントラッピング領域における、前記過剰少数キャリア密度の前記キャリア対生成率に対する微分係数、を用いて、前記過剰小数キャリアの前記実効ライフタイムを求めることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の過剰少数キャリアの実効ライフタイム測定方法。
- 前記ノントラッピング領域における、前記過剰少数キャリア密度の前記キャリア対生成率に対する前記平均変化率、または、前記ノントラッピング領域における、前記過剰少数キャリア密度の前記キャリア対生成率に対する前記微分係数、を前記過剰小数キャリアの前記実効ライフタイムとすることを特徴とする請求項3に記載の過剰少数キャリアの実効ライフタイム測定方法。
- 強度を変化させて光を半導体に照射する光照射手段と、
前記半導体に照射した前記光の強度を測定する光測定手段と、
前記半導体の光導電率を測定する光導電率測定手段と、
前記光の強度と前記光導電率との関係を用いて、過剰少数キャリアのトラッピングによる影響が無視できる領域であるノントラッピング領域を特定する、ノントラッピング領域算出回路と、
前記ノントラッピング領域における前記光導電率の値を用いて、前記過剰少数キャリアの実効ライフタイムを求める、実効ライフタイム算出回路と、
を有することを特徴とする過剰少数キャリアの実効ライフタイム測定装置。 - 前記光の強度が、特定の第1強度から、該第1強度よりも10sun以上大きい第2強度まで変化したときに、前記第1強度から前記第2強度までの範囲における、前記光導電率の前記光の強度に対する微分係数の最小値をA、最大値をB、平均値をCとしたときに、(A−B)/C≦1.0であるとき、前記第1強度から前記第2強度までの範囲をノントラッピング領域とすることを特徴とする請求項5に記載の過剰少数キャリアの実効ライフタイム測定装置。
- 前記実効ライフタイム算出回路は、前記ノントラッピング領域における、過剰少数キャリア密度のキャリア対生成率に対する平均変化率、または、前記ノントラッピング領域における、前記過剰少数キャリア密度の前記キャリア対生成率に対する微分係数、を用いて、前記過剰小数キャリアの前記実効ライフタイムを算出することを特徴とする請求項5ま
たは請求項6に記載の過剰少数キャリアの実効ライフタイム測定装置。 - 前記実効ライフタイム算出回路は、前記ノントラッピング領域における、前記過剰少数キャリア密度の前記キャリア対生成率に対する前記平均変化率、または、前記ノントラッピング領域における、前記過剰少数キャリア密度の前記キャリア対生成率に対する前記微分係数、を算出し、それを前記過剰小数キャリアの前記実効ライフタイムとすることを特徴とする請求項7に記載の過剰少数キャリアの実効ライフタイム測定装置。
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