JP2016157280A - 事象予測システム、事象予測方法及びプログラム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】事象予測システムは、予測対象となる機器の稼働状態を示す稼働データを取得する稼働データ取得部と、所定期間における稼働データとその稼働データを取得した機器に前記所定期間において予測対象となる事象が発生したか否かを示す情報とが対応付けられた学習データに基づいて、当該機器に前記事象が発生するかどうかを予測する予測モデルを生成する予測モデル生成部と、前記予測モデルと稼働データ取得部が取得した稼働データとに基づいて、予測対象となる機器に前記事象が発生するかどうかを予測する稼働状態予測部と、前記稼働状態予測部の予測とその予測に対する前記機器に前記事象が発生したかどうかの実績とに基づいて、前記予測の信頼度を算出する予測信頼度算出部と、を備える。
【選択図】図1
Description
また、故障や異常の予測に限らずある特定の事象に着目してその発生を予測することが求められている。事象の発生とは、特定の状態量に対して設定された閾値や範囲を超えることと定義することができ、例えば、定常運転や高効率運転といった状態を事象ととらえることができる。これらの事象を予測することは、機器の適確な運用方法や高効率な制御方法を検討し、省エネや生産性向上を実現する上で有用である。
以下、本発明の一実施形態による事象予測システムを図1〜図6を参照して説明する。
なお、第一実施形態及び第二実施形態において、本発明の「事象予測システム」の一例として、予測対象となる事象を「故障」や「異常」とし、予測対象となる機器を「ガスエンジン」とする「故障予測装置」を例に説明を行うが、本発明の適用対象は、これらに限定されない。
図1は、本発明の第一実施形態における事象予測システムの構成の一例を示す概略ブロック図である。本実施形態において、事象予測システムは、例えば、1台のサーバ装置によって構成される。図1の故障予測装置10は、事象予測システムの一例である。故障予測装置10は、ガスエンジンに故障が発生するかどうかを予測し、ユーザが適切なガスエンジンのメンテナンス計画を立案できるよう補助する。図1が示すように、故障予測装置10は、稼働データ取得部11と、予測条件取得部12と、予測モデル生成部13と、稼働状態予測部14と、予測信頼度算出部15と、出力部16と、記憶部17とを備えている。
予測条件取得部12は、ユーザによって入力されるガスエンジンの故障の予測に必要な条件を取得する。
予測モデル生成部13は、稼働データに基づいてガスエンジンに異常が発生するかどうかを予測する予測モデルを生成する。
稼働状態予測部14は、予測モデル生成部13が生成した予測モデルと稼働データ取得部11が取得したガスエンジンの最新の稼働データ20とに基づいて、所定の予測期間中に、予測対象となるガスエンジンに異常が発生するか予測する。
予測信頼度算出部15は、稼働状態予測部14の予測とその予測に対する実績に基づいて、予測モデルによる予測の信頼度を算出する。
出力部16は、稼働状態予測部14の予測と予測信頼度算出部15の算出した予測の信頼度を出力する。
記憶部17は、稼働データ取得部11が取得した稼働データなど種々の情報を記憶する。
図2は、ある1つのガスエンジンAの日ごとの稼働データ、その日に異常が発生したかどうかを示す異常実績フラグ、稼働状態予測部14による予測値を含む予測履歴データである。「日付」には、何時の稼働データであるかを示す日付が格納されている。「シリンダ温度」には、ガスエンジンAに備えられた複数のシリンダのうちのある一つのシリンダの温度の1日の平均値が格納されている。説明の便宜上、ガスエンジンの状態量として「シリンダ温度」だけを記載しているが、稼働データには、この他に、他のシリンダの平均温度やエンジンの回転数や発電電力などの項目が含まれていてもよい。「予測値」には、稼働状態予測部14による「日付」項目に格納された日に異常が発生するかどうかの予測値が格納されている。この予測値は、例えば、稼働状態予測部14が、前日までの稼働データと異常実績フラグに基づいて予測モデル生成部13が生成した予測モデルと、その日の最新の稼働データとに基づいて、当日の0時に24時間以内に異常が発生するかどうかを予測した値である。「異常実績フラグ」には、「日付」項目に格納された日にガスエンジンAに異常が発生したかどうかを示す値が格納される。記憶部17には、例えば、2〜3年分の予測履歴データが記録されている。
同様に、6行目のデータの場合、1月6日のシリンダ平均温度は600℃、稼働状態予測部14は1月6日に異常が発生する(予測値=「異常」)と予測し、結果として異常が発生した(異常実績フラグ=「1」)ことを示している。
次に、稼働状態予測部14は、ガスエンジンの最新の稼働データ(この例の場合は1月7日におけるシリンダの最新温度)を取得し、この最新の稼働データと予測モデル生成部13が生成した予測器とに基づいて、ガスエンジンに異常が発生するかどうかを予測する。しかし、機械学習によって生成された予測器による予測だけでは、ガスエンジンAの状態は、正常・異常の何れであるかの予測しか行わず、その予測がどれほど信頼できる予測であるのかが分からない。そこで、本実施形態では、予測信頼度算出部15が、稼働状態予測部14の予測の信頼度を算出する。次に図3を用いて、予測信頼度算出部15による予測の信頼度の算出方法について説明を行う。
図3(a)は、あるガスエンジンAについての、所定期間における予測とその予測に対する実績を集計した表である。符号31〜33で示すこの表の1行目のデータは、稼働状態予測部14によって異常が発生すると予測された場合の実績と予測の信頼度を示している。欄31の値は、稼働状態予測部14が異常が発生すると予測し、実際に異常が発生した回数である。欄32の値は、稼働状態予測部14が異常が発生すると予測したが、実際には異常が発生しなかった回数である。欄33の値は、稼働状態予測部14が異常が発生すると予測し、実際に異常が発生した割合である。具体的には、1行目のデータは、稼働状態予測部14がガスエンジンAの所定の期間における稼働について100回異常が発生すると予測し、そのうち58回は実際に異常が発生し、42回は異常が発生せず正常に稼働したことを示している。また、このときの異常発生率は、58%となることを示している。この場合、稼働状態予測部14が異常が発生すると予測したことに対する信頼度は58%と考えることができる。
しかし、予防保全は、長期的なメンテナンス計画に基づいて行うことが好ましい。次に、1か月先までの期間について異常の発生の予測を行う場合を例に本実施形態の故障予測装置10の予測処理について説明を行う。
図4の予測履歴データは、図2のデータに比べ、「予測値」が「1ヶ月先までの期間に対する予測値」となっている点と、「異常実績フラグ(1ヶ月先までの予想用)」、「異常実績フラグ(1ヶ月先までの実績)」の項目を有している点が異なる。図4の場合、現在は2月4日で、2月3日までの稼働データ、異常の有無が実績として分かっているものとする。
「異常実績フラグ(1ヶ月先までの予想用)」には、予測モデル生成部13が1ヶ月先までの期間に異常が発生するかどうかを予測する場合に使用する異常実績フラグが格納される。例えば、「異常実績フラグ(1ヶ月先までの予想用)」には、実際に異常が発生した日付(2月3日)から1か月前の期間について「1」(異常)が格納される。それ以外の期間については、異常実績フラグと同じ値が格納される。図4の例の場合、実際には2月3日に異常が発生しており、2月3日の「異常実績フラグ」には「1」が格納されている。また、図示しない1月5日から1月31日までは、異常が発生していないとする。その場合、予測モデル生成部13は、2月3日を基準に1ヶ月前までの期間の「異常実績フラグ(1ヶ月先までの予想用)」の値に1を設定する。つまり、1月3日から2月3日までの「異常実績フラグ(1ヶ月先までの予想用)」には「1」が設定される。予測モデル生成部13は、1月1日と1月2日については実績どおり「0」(正常)を設定する。1ヶ月先までの予測を行う場合、予測モデル生成部13は、図4の予測履歴データのうち、「日付」、「シリンダ温度」と「異常実績フラグ(1ヶ月先までの予想用)」の値を用いて機械学習を行い、予測モデル(予測器)を生成する。つまり、予測モデル生成部13は、ガスエンジンAの状態が、実際に異常が発生する時点から1か月前までの期間の何れかの時点における状態になっているかどうかの予測を行う予測モデルを生成する。換言すれば、予測モデル生成部13は、実際に異常が発生した時点の1か月前から実際に異常が発生するまでの期間における稼働データが示すガスエンジンAの状態を、1ヶ月以内に異常が発生し得る状態とみなして予測モデルを生成する。また、稼働状態予測部14が、その予測モデルと最新の稼働データに基づいて、1ヶ月以内に異常が発生し得る状態になると予測する場合、1ヶ月先までの間に異常が発生すると予測したとみなす。図4の「1ヶ月先までの期間に対する予測値」には、稼働状態予測部14がこのようにして予測した値が記載されている。
1月1日の「異常実績フラグ(1ヶ月先までの実績)」の値は、1月1日から1ヶ月間に異常が発生したかどうかを示している。異常が発生した場合、この項目の値は「1」で、異常が1度も発生しなかった場合、この項目の値は「0」となる。図4の場合、記載を省略した期間(1月5日〜1月31日)に1度も故障が発生しなかったとする。すると1月1日から2月1日まで異常が発生しなかった為、予測信頼度算出部15は、図示するように1月1日のこの項目の値に「0」を設定する。1月2日についても同様である。次に1月3日について検討すると、1月3日を基準として1か月後の2月3日に異常が発生している為、予測信頼度算出部15は、1月3日の「異常実績フラグ(1ヶ月先までの実績)」の値に「1」を設定する。次に1月4日について検討すると、1ヶ月先の2月4日(現在)はまだ完了していない。従って、本日が終了するまで1月4日に予測した「1ヶ月先までの期間に対する予測値」に対する実績は分からない。しかし、図4の場合、2月3日に既に異常が発生しているので、1月4日から1ヶ月先までの期間において異常が発生したかどうかについては結果が出ていることになる。このように予測を行った日から1ヶ月が未経過であっても、その間に1度でも異常が発生している場合、実績として「異常実績フラグ(1ヶ月先までの実績)」に「1」(異常)を立てることができる。予測信頼度算出部15は、予測を立てた日から1ヶ月先までの期間における「異常実績フラグ」の値を参照して、「1ヶ月先までの期間に対する予測値」に対応する「異常実績フラグ(1ヶ月先までの実績)」の値を設定する。
図5は、本発明の第一実施形態における事象予測システムの処理フローである。
一例として1ヶ月先までの期間にガスエンジンAの稼働について異常が発生するかを予測する場合を例に説明を行う。前提として、記憶部17には図4で例示した予測履歴データが記録されており、予測履歴データには十分な期間(例えば3年間)のガスエンジンAに関する稼働データと、各稼働データに対応付けられた異常実績フラグ、過去において予測した予測値(「1ヶ月先までの期間に対する予測値」)が格納されているものとする。また、説明の便宜上、稼働データに含まれる予測に用いるガスエンジンの状態量は、シリンダの平均温度のみとする。
図6は、本発明の第一実施形態におけるガスエンジンの異常の予測に用いるデータの一例を示す第三の図である。
図6は、1ヶ月以内に発生する軽故障および重故障に対する予測値とその実績を含む予測履歴データである。軽故障とは、例えば、ガスエンジンが備える複数のシリンダのうち1つが故障することをいう。また、重故障とは、ガスエンジンが備える複数のシリンダのうち3つ以上が故障することをいう。「1ヶ月先までの期間における軽故障に対する予測値」には、1ヶ月以内にシリンダのうち1つが故障することに対する予測値が格納されている。「1ヶ月先までの期間における重故障に対する予測値」には、1ヶ月以内に3つ以上のシリンダが同時に故障することに対する予測値が格納されている。「軽故障実績フラグ」と「重故障実績フラグ」には、その日に軽故障が発生したかどうかとその日に重故障が発生したかどうかの実績がそれぞれ記載されている。
以下、本発明の第二実施形態による事象予測システムを、図7〜図8を参照して説明する。
第一実施形態では、1つの予測器を用いて予測を行い、その予測に対する信頼度を算出した。第二実施形態では、複数の予測器を用いて予測を行い、それぞれの予測器による予測値の組み合わせごとに予測の信頼度を算出する。
図7の表には、3種類の予測器が設けられている場合に、それぞれの予測器によって行った予測の全ての組み合わせに対して、予測に対する実績と異常発生率が記載されている。例えば、1行目のデータは、予測対象となるガスエンジンについて、予測器1および予測器2および予測器3の何れによっても異常と予測された回数が100回あり、そのうち実際に異常が発生した回数が90回で、異常が発生しなかった回数が10回あったことを示している。この場合の異常発生率は、90%である。2行目以降のデータについても同様である。
この出力結果には、各予測器による最新の稼働データに基づく予測値が表示されている。また、表示された予測値の組み合わせに対する異常発生率が表示されている。
ユーザは、この出力結果を見て、予測器1と予測器3によって1ヶ月以内に異常が発生すると予測され、その予測の信頼度は60%であることを知ることができる。
本実施形態によれば、複数の予測器による予測の組み合わせごとの異常発生率を得ることができ、ユーザは、より細分化された予測の信頼度に基づいて出力結果を判断することができる。
また、事象予測システムは、1台のコンピュータで構成されていても良いし、通信可能に接続された複数のコンピュータで構成されていてもよい。
11・・・稼働データ取得部
12・・・予測条件取得部
13・・・予測モデル生成部
14・・・稼働状態予測部
15・・・予測信頼度算出部
16・・・出力部
17・・・記憶部
Claims (6)
- 予測対象となる機器の稼働状態を示す稼働データを取得する稼働データ取得部と、
所定期間における稼働データとその稼働データを取得した機器に前記所定期間において予測対象となる事象が発生したか否かを示す情報とが対応付けられた学習データに基づいて、当該機器に前記事象が発生するかどうかを予測する予測モデルを生成する予測モデル生成部と、
前記予測モデルと稼働データ取得部が取得した稼働データとに基づいて、予測対象となる機器に前記事象が発生するかどうかを予測する稼働状態予測部と、
前記稼働状態予測部の予測とその予測に対する前記機器に前記事象が発生したかどうかの実績とに基づいて、前記予測の信頼度を算出する予測信頼度算出部と、
を備える事象予測システム。 - 前記予測モデル生成部は、前記事象が発生するかどうかを予測するにあたり複数の予測モデルを生成し、
前記稼働状態予測部は、前記複数の予測モデルのそれぞれに基づいて予測を行い、
前記予測信頼度算出部は、前記複数の予測モデルのそれぞれ基づく予測値の組み合わせごとに前記信頼度を算出する、
請求項1に記載の事象予測システム。 - 前記予測モデル生成部は、複数種類の事象のそれぞれについてその事象が発生するかどうかの予測モデルを生成し、
前記稼働状態予測部は、前記予測モデルのそれぞれに基づいて前記複数種類の事象のうち対応する事象の発生について予測を行う、
請求項1または請求項2に記載の事象予測システム。 - 前記予測モデル生成部は、所定期間先までの期間について予測モデルを生成する場合、実際に前記事象が発生した日を基準に前記所定期間だけ前の日から前記実際に前記事象が発生した日までの稼働データに対して前記事象が発生したことを示す情報を対応付けて予測モデルを生成する、
請求項1から請求項3の何れか1項に記載の事象予測システム。 - 予測対象となる機器の稼働状態を示す稼働データを取得し、
所定期間における稼働データとその稼働データを取得した機器に前記所定期間において予測対象となる事象が発生したか否かを示す情報とが対応付けられた学習データに基づいて、当該機器に前記事象が発生するかどうかを予測する予測モデルを生成し、
前記予測モデルと前記取得した稼働データとに基づいて、予測対象となる機器に前記事象が発生するかどうかを予測し、
前記予測とその予測に対する前記機器に前記事象が発生したかどうかの実績とに基づいて、前記予測の信頼度を算出する、
事象予測方法。 - 事象予測システムのコンピュータを、
予測対象となる機器の稼働状態を示す稼働データを取得する手段、
所定期間における稼働データとその稼働データを取得した機器に前記所定期間において予測対象となる事象が発生したか否かを示す情報とが対応付けられた学習データに基づいて、当該機器に前記事象が発生するかどうかを予測する予測モデルを生成する手段、
前記予測モデルと前記取得した稼働データとに基づいて、予測対象となる機器に前記事象が発生するかどうかを予測する手段、
前記予測とその予測に対する前記機器に前記事象が発生したかどうかの実績とに基づいて、前記予測の信頼度を算出する手段、
として機能させるためのプログラム。
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