JP2016156717A - リーク検査方法及びリーク検査装置 - Google Patents

リーク検査方法及びリーク検査装置 Download PDF

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晃一 阪本
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Abstract

【課題】 温度平衡時間が短縮され、且つ、検査精度が良好なリーク検査方法を提供すること。
【解決手段】 ワーク(W)に設けられている密閉空間(WS)のリークの有無を検査するリーク検査方法であって、密閉空間に気体を供給しながら密閉空間から気体を排出するとともに、密閉空間からの気体の排出量を減少させていくことにより、密閉空間の圧力を第一圧力(Pt)まで昇圧させる第一昇圧工程と、密閉空間からの気体の排出を停止するとともに、密閉空間の圧力を、第一圧力から第一圧力よりも高い第二圧力(Pex)まで昇圧させる第二昇圧工程と、密閉空間の圧力を、第二圧力から第二圧力よりも低いテスト圧力(Pt)まで減圧させる減圧工程と、減圧工程後に、予め定められた温度平衡時間の間、密閉空間の圧力をテスト圧力に維持する温度安定化工程と、温度安定化工程後に、密閉空間のリークの有無を検査するリーク検査工程と、を含む、リーク検査方法とすること。
【選択図】 図3

Description

本発明は、リーク検査方法及びリーク検査装置に関する。
大容量の密閉空間が内部に形成された容器等のリークを検査する方法の一つとして、ヘリウムガスを用いたトレーサガス法が例示される。しかしながら、トレーサガス法を用いるリーク検査は、設備コスト、ランニングコストが高いという問題を有する。そこで、検査対象のワークに形成された密閉空間の圧力とマスターワークに形成された比較空間の圧力との差圧に基づいて密閉空間のリークを検査する差圧式リーク検査方法が、しばしば用いられる。
差圧式リーク検査方法によりワークの密閉空間のリークを検査する場合、密閉空間の容積が大きくなるに従い、また、リーク検査の判定閾値が小さくなるに従い、検査時間が長くなるという問題がある。また、大気圧よりも高い高圧を密閉空間に印加した状態でその密閉空間のリークを検査する場合、密閉空間への高圧の印加によって密閉空間内の気体が圧縮されて、圧縮熱により密閉空間内の気体の温度が上昇する。そのため、リーク検査中には、圧縮熱の放熱により密閉空間内の気体の温度が変化(低下)する。密閉空間内の気体の温度が変化すると、密閉空間の圧力も変化する。こうして生じる圧力の変化がリーク検査に影響を及ぼす。その結果、リーク検査の検査精度が悪化する。
気体の温度変化に起因するリーク検査の検査精度の悪化を防止するためには、密閉空間内の気体の温度がほとんど変化しない状態に達するまで、具体的には密閉空間内の気体の温度がその密閉空間を構成するワークの温度とほぼ一致する温度に達するまで、リーク検査を待たなければならない。しかし、成り行きにより密閉空間内の気体の温度がほとんど変化しない状態に至るまでに多大な時間を要する。このように、ワークの密閉空間に高圧気体を供給してリーク検査を実施する場合、密閉空間内の気体の温度安定化に必要な時間(以下、温度平衡時間と呼ぶ場合がある)が非常に長い。よって、リーク検査を実施するにあたっては、温度平衡時間を短縮させることが求められる。
温度平衡時間を短縮させるために、検査対象のワークの密閉空間に供給する気体の温度上昇をできるだけ抑えるという方策が提案されている。例えば、特許文献1は、検査対象であるワークの密閉空間を減圧し、その後、密閉空間に高圧気体を供給することにより、高圧気体の供給に伴う気体の圧縮による温度上昇が抑えられたリーク検査方法を開示する。特許文献2は、検査終了後のワークの密閉空間内の高圧気体を検査前のワークの密閉空間内に送り込むことにより、高圧気体の供給に伴う気体の圧縮による温度上昇が抑えられたリーク検査方法を開示する。
特開平8−247888号公報 特開2008−232979号公報
(発明が解決しようとする課題)
特許文献1によれば、検査対象であるワークの密閉空間を減圧してから昇圧する際に、密閉空間内にて対流が発生することにより、効率良く密閉空間内の気体の入れ替えを行うことができず、その結果、残留気体の圧縮熱が密閉空間内に残存する虞がある。このため、残留気体の圧縮熱による温度上昇を避けることができず、それ故に、温度平衡時間を十分に短縮させることができない。また、特許文献2によれば、検査終了後のワークの密閉空間内の高圧気体を検査前のワークの密閉空間に送り込むことにより、温度上昇を抑えたまま検査前のワークの密閉空間の圧力を高めることができるが、それだけでは密閉空間の圧力を十分に高めることができない。そのため、その後に密閉空間の圧力をテスト圧力にまで昇圧している。従って、この昇圧による温度上昇が発生する。よって、上記特許文献1と同様に、温度平衡時を十分に短縮させることができない。
本発明は、温度平衡時間を十分に短縮させることができるリーク検査方法及びリーク検査装置を提供することを、目的とする。
(課題を解決するための手段)
本発明は、ワーク(W)に設けられている密閉空間(WS)のリークの有無を検査するリーク検査方法であって、密閉空間に気体を供給しながら密閉空間から気体を排出するとともに、密閉空間からの気体の排出量を減少させていくことにより、密閉空間の圧力を第一圧力(Pt)まで昇圧させる第一昇圧工程と、密閉空間からの気体の排出を停止するとともに、密閉空間の圧力を、第一圧力から第一圧力よりも高い第二圧力(Pex)まで昇圧させる第二昇圧工程と、密閉空間の圧力を、第二圧力から第二圧力よりも低いテスト圧力(Pt)まで減圧させる減圧工程と、減圧工程後に、予め定められた温度平衡時間の間、密閉空間の圧力をテスト圧力に維持する温度安定化工程と、温度安定化工程後に、密閉空間のリークの有無を検査するリーク検査工程と、を含む、リーク検査方法を含む、リーク検査方法を提供する。
また、本発明は、圧力源(2)から排出される気体の圧力を調整する圧力調整器(3)と、圧力調整器とワーク(W)に設けられている密閉空間(WS)とを接続し、圧力調整器から密閉空間に供給される気体が流れる供給配管(4a)と、供給配管に介装された第一開閉弁(5a)と、一方の端部が密閉空間に連結され、密閉空間から排出される気体が流れる排出配管(4b)と、排出配管に介装された流量調整弁(5b)と、マスターワーク(6)に設けられている比較空間(CS)を、供給配管のうち第一開閉弁の下流側の部分に接続する分岐配管(4c)と、分岐配管に介装された第二開閉弁(5c)と、比較空間と密閉空間との圧力差を検出する差圧検出装置(7)と、圧力調整器、流量調整弁、第一開閉弁、及び、第二開閉弁の作動を制御する制御装置(10)と、を備え、制御装置は、第一開閉弁、第二開閉弁及び流量調整弁を開弁させて、圧力源から密閉空間及び比較空間に気体を供給しながら密閉空間から気体を排出させるとともに、流量調整弁が全閉状態となるまでその開度を減少させて密閉空間からの気体の排出量を減少させることにより、密閉空間の圧力を第一圧力(Pt)まで昇圧させる第一昇圧処理(S2,S4,S5)と、密閉空間の圧力が第一圧力まで昇圧された後に、密閉空間の圧力が、第一圧力から第一圧力よりも高い第二圧力(Pex)まで昇圧するように、圧力調整器を制御する第二昇圧処理(S7,S8)と、密閉空間の圧力が第二圧力まで昇圧された後に、密閉空間の圧力が、第二圧力から第二圧力よりも低いテスト圧力(Pt)まで減圧するように、圧力調整器を制御する減圧処理(S11)と、第一開閉弁を閉弁し、予め定められた温度平衡時間の間、密閉空間の圧力をテスト圧力に維持する温度安定化処理(S13,S14)と、温度安定化処理の実施後に、第二開閉弁を閉弁させ、差圧検出装置により検出された差圧に基づいて、密閉空間のリークの有無を検査するリーク検査処理(S15,S16,S17,S18)と、を実行する、リーク検査装置(1)を提供する。
本発明によれば、第一昇圧工程(第一昇圧処理)にて、検査対象のワークの密閉空間に気体を供給しながら密閉空間から気体を排出するとともに、密閉空間からの気体の排出量を時間の経過とともに減少させていく。密閉空間からの気体の排出量が減少されるため、密閉空間内の圧力は上昇するが、その上昇勾配は、密閉空間から気体を排出せずに密閉空間に気体を供給する場合と比較して、小さい。このようにして密閉空間の圧力の上昇速度を低めることにより、密閉空間内の気体の温度が、急激な圧縮によって過度に上昇することを回避することができる。加えて、本発明によれば、減圧工程(減圧処理)にて密閉空間の圧力を減圧することにより密閉空間内の気体を膨張させる。斯かる膨張により密閉空間内の気体の温度が低下する。
すなわち、本発明によれば、第一昇圧工程(第一昇圧処理)にて密閉空間内の気体の圧縮による過度な温度上昇を抑えるとともに、減圧工程(減圧処理)にて密閉空間内の気体の膨張による温度低下を促進することで、リーク検査を行うまでに、密閉空間の温度を速やかに目標の温度(ワークの温度)に近づけることができる。このため、温度平衡時間を十分に短縮することができる。
上記第一圧力は、テスト圧力に近い圧力であるのがよい。この場合、上記第一圧力がテスト圧力に等しいとよい。これによれば、密閉空間の圧力がテスト圧力、第二圧力(後述する実施形態では目標追加圧力)、テスト圧力の順で変化させられる。変化する圧力設定値が2つであるので、圧力の制御が簡略化される。
また、本発明に係るリーク検査方法において、第二圧力は、減圧工程にて密閉空間の圧力が減圧されたときに、密閉空間内の気体が膨張することによって、密閉空間内の気体の温度がワークの温度に近づく温度まで低下するように、設定されるとよい。また、本発明に係るリーク検査装置は、供給配管内の気体の温度を検出する供給温度センサ(9a)と、ワークの温度を検出するワーク温度センサ(9c)と、排出配管内の気体の温度を検出する排出温度センサ(9b)と、を備え、制御装置は、供給温度センサにより検出された気体温度(Tk)と、ワーク温度センサにより検出されたワーク温度(Tw)と、排出温度センサにより検出された気体温度(Te)とに基づいて、減圧処理にて密閉空間の圧力が減圧されたときに、密閉空間内の気体が膨張することによって、密閉空間内の気体の温度が前記ワークの温度に近づく温度まで低下するように、第二圧力を設定するとよい。
これによれば、第二圧力を上記のように設定することにより、より一層、速やかに、ワークの密閉空間の温度を目標とする温度(ワークの温度)に近づけることができ、温度平衡時間をより一層短縮することができる。
また、第一昇圧工程(第一昇圧処理)にて、密閉空間の圧力の時間に対する上昇勾配が一定になるように、密閉空間内の気体の排出量が減少されるとよい。この場合、制御装置は、排出温度センサにより検出された気体温度及び圧力センサにより検出された圧力に基づいて、第一昇圧処理にて密閉空間の圧力の時間に対する上昇勾配が一定になるように、流量調整弁の開度を制御するとよい。これによれば、第一昇圧工程(第一昇圧処理)にて密閉空間の圧力の上昇勾配を一定にすることにより、第二圧力を精度良く求めることができる。
本実施形態に係るリーク検査装置の構成を示すブロック図である。 制御装置が実行するリーク検査理ルーチンの流れを示すフローチャートである。 制御装置がリーク検査処理ルーチンを実行した場合における、密閉空間の圧力P、差圧ΔPs、第一開閉弁の開閉状態、第二開閉弁の開閉状態、流量調整弁の開度状態、の、それぞれの時間変化を示すグラフである。 制御装置がリーク検査処理ルーチンを実行した場合における、密閉空間の圧力P及び密閉空間内の気体の温度(推定値)Taの時間変化を示すグラフである。 比較例1に係るリーク検査方法を実施した場合における、密閉空間の圧力P及び密閉空間内の気体の温度(推定値)Taの時間変化を示すグラフである。 比較例2に係るリーク検査方法を実施した場合における、密閉空間の圧力P及び密閉空間内の気体の温度(推定値)Taの時間変化を示すグラフである。
以下、本発明の実施形態について説明する。本実施形態では、ワークW内に設けられる密閉空間WSのリークの有無を検査するためのリーク検査方法及びリーク検査装置について説明する。ここで、検査対象であるワークWは、大容量の密閉空間WSが内部に形成された容器状の部材である。例えば、大型給湯容器等が、検査対象のワークWとして例示できる。密閉空間の容量は、例えば30リットルであるが、これに限定されず、より大きくても良いし、より小さくても良い。また、密閉空間WSとは、その空間に所定の圧力が印加されたときに、その圧力を維持し得るように構成された空間であり、ワークWの壁面のみによって区画された空間であってもよいし、ワークWの壁面及びその他の部材の壁面によって区画された空間であってもよい。
図1は、本実施形態に係るリーク検査装置の構成を示すブロック図である。図1に示すように、本実施形態に係るリーク検査装置1は、圧力調整器3と、供給配管4aと、排出配管4bと、分岐配管4cと、第一開閉弁5aと、流量調整弁5bと、第二開閉弁5cと、マスターワーク6と、差圧検出装置7と、バッファタンク8と、制御装置10と、を備える。
圧力調整器3は圧力源2に接続される。圧力源2は、検査対象であるワークWに形成される密閉空間WSに供給する高圧気体を圧力調整器3に供給する。高圧気体として高圧エアが例示できる。圧力調整器3には、圧力源2から高圧気体が供給される。圧力調整器3は、供給された高圧気体を所定の圧力に調圧し、調圧した気体を排出する。圧力調整器3の排出口に供給配管4aの一方端が接続される。供給配管4aの他方端はワークWの密閉空間WSに開口する。すなわち、供給配管4aは、圧力調整器3と密閉空間WSとを接続する。
供給配管4aに第一開閉弁5aが介装される。第一開閉弁5aは、供給配管4aを遮断又は接続する。また、供給配管4aのうち、圧力調整器3と第一開閉弁5aとの間の部分に、バッファタンク8が介装される。バッファタンク8は、圧力調整器3から排出された気体を貯留することができるように構成される。バッファタンク8内の圧力は圧力調整器3により調整される。第一開閉弁5aが開弁した場合、圧力調整器3から排出された気体がバッファタンク8を経由して供給配管4aを流れる。供給配管4aを流れた気体はワークWの密閉空間WSに供給される。また、第一開閉弁5aが開弁した場合、密閉空間WSにバッファタンク8の圧力が印加される。
排出配管4bは、その一方端にてワークWの密閉空間WSに接続される。この排出配管4bの他方端は大気開放されている。排出配管4bの他方端は、気体吸引装置に接続されていてもよい。排出配管4bには、密閉空間WSから排出される気体が流れる。また、排出配管4bに、流量調整弁5bが介装される。流量調整弁5bは、開度調整が可能に構成されており、この流量調整弁5bの開度を調整することにより、排出配管4bを流れる気体の流量、すなわち密閉空間WSから流出する気体の流量が調整される。
また、供給配管4aのうち、第一開閉弁5aが介装されている箇所の下流側(ワークWの密閉空間WSに近い側)の部分に、分岐配管4cの一方端が接続される。この分岐配管4cの他方端に、マスターワーク6に形成された比較空間CSが連通する。従って、分岐配管4cは、マスターワーク6に設けられている比較空間CSを、供給配管4aのうち第一開閉弁5aの下流側の部分に接続する。また、分岐配管4cには、第二開閉弁5cが介装される。第二開閉弁5cは、分岐配管4cを遮断又は接続する。
差圧検出装置7は、図1に示すように、内部に空間が形成されたケーシング71と、ケーシング71内の空間を第一空間71aと第二空間71bとに気密的に区画するダイヤフラム72と、ダイヤフラム72の動きを検出する検出部73とを備えて構成される。第一空間71aは、供給配管4aのうち分岐配管4cが接続されている箇所の下流側の部分に連通する。第二空間71bは、分岐配管4cのうち第二開閉弁5cが介装している箇所よりも他方端側(比較空間CSに連通する側)の部分に連通する。この差圧検出装置7は、ダイヤフラム72に動きに基づいて、第一空間71aの圧力と第二空間71bの圧力との差圧を検出する。ここで、第一空間71aは密閉空間WSに連通し、第二空間71bは比較空間CSに連通している。従って、この差圧検出装置7により、ワークWの密閉空間WSの圧力と、マスターワーク6の比較空間CSの圧力との差圧ΔPsが検出される。検出した差圧情報は、制御装置10に送信される。
また、本実施形態に係るリーク検査装置1は、供給温度センサ9a、排出温度センサ9b、ワーク温度センサ9c、圧力センサ9dを備える。供給温度センサ9aはバッファタンク8に取り付けられており、バッファタンク8内の気体の温度、すなわち供給配管4aからワークWの密閉空間WSに供給される気体の温度(供給温度Tk)を検出する。排出温度センサ9bは、排出配管4bに取り付けられており、排出配管4bを流れる気体の温度、すなわちワークWの密閉空間WSから排出される気体の温度(排出温度Te)を検出する。ワーク温度センサ9cは、ワークWに取り付けられており、ワークWの温度(ワーク温度Tw)を検出する。圧力センサ9dは、供給配管4aのうちワークWの密閉空間WSに連通する部分取り付けられており、供給配管4a内の圧力、すなわち密閉空間WSの圧力Pを検出する。各センサにより検出された温度情報或いは圧力情報は、制御装置10に送信される。
制御装置10は、CPU,ROM,RAMを備えるマイクロコンピュータを主要構成部品として備える。制御装置10は、差圧検出装置7、供給温度センサ9a、排出温度センサ9b、ワーク温度センサ9c、圧力センサ9dからの検出情報を入力するとともに、入力した情報をもとに、圧力調整器3、第一開閉弁5a、流量調整弁5b、第二開閉弁5c、の作動を制御する。
上記構成のリーク検査装置1を用いて、検査対象のワークWに形成されている密閉空間WSのリーク検査を実行する際には、まず、作業者により、ワークWの密閉空間WSが供給配管4a及び排出配管4bにそれぞれ連通するように、ワークWがリーク検査装置1にセットされる。この場合において、密閉空間WSへの供給配管4aの開口と排出配管4bの開口ができるだけ離れるように、ワークWが供給配管4a及び排出配管4bに接続される。その後、作業者がリーク検査装置1に備えられるスタートスイッチを押圧する。すると、制御装置10がリーク検査処理を実行する。図2は、制御装置10が実行するリーク検査処理ルーチンの流れを示すフローチャートである。
リーク検出処理ルーチンが起動すると、制御装置10は、まず、図2のステップ(以下、ステップ番号をSと略記する)1において、圧力調整器3の排出圧力が予め定められたテスト圧力Ptになるように、圧力調整器3を制御する。つまり、バッファタンク8内の圧力がテスト圧力Ptになるように、圧力調整器3を制御する。
次いで、制御装置10は、第一開閉弁5a及び第二開閉弁5cに開作動信号を出力し、且つ、流量調整弁5bに全開作動信号を出力する(S2)。これにより、第一開閉弁5a及び第二開閉弁5cが開弁し、且つ、流量調整弁5bが全開にされる。第一開閉弁5aが開弁することにより、バッファタンク8内の気体(すなわち圧力調整器3から排出された気体)が供給配管4aを流れてワークWの密閉空間WSに供給される。また、第二開閉弁5cも開いているので、バッファタンク8内の気体は、マスターワーク6の比較空間CSにも供給される。また、流量調整弁5bが全開にされることにより、密閉空間WS内の気体が排出配管4bを流れて外部に排出される。S2の処理の実行により、ワークWの密閉空間WSに気体が供給されながら、密閉空間WSから気体が排出される。
続いて、制御装置10は、内部に備えられるタイマtによる時間の計測を開始する(S3)。その後、制御装置10は、流量調整弁5bの目標開度Aを演算し(S4)、流量調整弁5bの開度が目標開度Aに一致するように流量調整弁5bを制御する(S5)。ここて、目標開度Aは、開度100%(全開)から0%(全閉)まで、時間の経過とともに減少するように演算される。このため、時間の経過とともに、ワークWの密閉空間WSからの気体の排出量が減少し、それに伴い、密閉空間WSの圧力が時間の経過とともに上昇する。また、目標開度Aは、密閉空間WSの圧力が直線的に上昇するように、すなわち時間に対する密閉空間WSの圧力の上昇勾配(上昇速度)が一定であるように、時間t、排出温度センサ9bにより検出された排出温度Te、及び、圧力センサ9dにより検出された圧力Pに基づいて、演算される。
S2,S4及びS5の処理の実行により、密閉空間WSに気体が供給されながら密閉空間WSから気体が排出されるとともに、密閉空間WSからの気体の排出量が0まで減少されることにより、密閉空間WSの圧力が上昇する。そして、最終的に密閉空間WSの圧力がバッファタンク8の圧力と同じ圧力、すなわちテスト圧力Ptまで昇圧される。S2,S4,及びS5の処理が、本発明の第一昇圧処理及び第一昇圧工程に相当する。
次いで、制御装置10は、流量調整弁5bの開度が10%未満であるか否かを判断する(S6)。流量調整弁5bの開度が10%以上である場合(S6:No)、制御装置10は、S4に処理を戻し、S4及びS5の処理を繰り返す。一方、流量調整弁5bの開度が10%未満である場合(S6:Yes)、制御装置10は、S7に処理を進める。
S7では、制御装置10は、目標追加圧力Pexを演算する。この場合、以下の(1)式を用いて目標追加圧力Pexが算出される。
Pex=α×(Te−Tw)+Pt (1)
上記(1)式において、αは定数であり、Teは排出温度センサ9bで検出された排出温度であり、Twはワーク温度センサ9cで検出されたワーク温度であり、Ptはテスト圧力である。その後、制御装置10は、圧力センサ9dで検出される圧力P、すなわちワークWの密閉空間WSの圧力が、テスト圧力Ptから目標追加圧力Pexまで上昇するように、圧力調整器3を制御する(S8)。
S7及びS8の処理の実行によって、密閉空間WSの圧力が、テスト圧力Ptからテスト圧力Ptよりも高い目標追加圧力Pexにまで昇圧される。S7及びS8の処理が、本発明の第二昇圧工程及び第二昇圧処理に相当する。
続いて、制御装置10は、流量調整弁5bの開度が0%であるか否か、すなわち流量調整弁5bが全閉状態であるか否かを判断する(S9)。流量調整弁5bの開度が0%ではない場合(S9:No)、制御装置はS4に処理を戻し、S4〜S8の処理を繰り返す。この場合において、S7及びS8の処理は省略してもよい。一方、流量調整弁5bの開度が0%である場合(S9:Yes)、制御装置10は、計測時間tが第一時間taに達したか否かを判断する(S10)。計測時間tが第一時間taに達していない場合(S10:No)、この処理を繰り返す。計測時間tが第一時間taに達した場合(S10:Yes)、制御装置10は、圧力センサ9dで検出される圧力P、すなわち密閉空間WS内の圧力Pがテスト圧力Ptまで下降するように、圧力調整器3を制御する(S11)。S11の処理の実行により、密閉空間WSが減圧されて、密閉空間WSの圧力Pがテスト圧力Ptに戻される。S11の処理が、本発明の減圧工程及び減圧処理に相当する。
次いで、制御装置10は、計測時間tが第二時間tb(>ta)に達したか否かを判断する(S12)。計測時間tが第二時間tbに達していない場合(S12:No)、この処理を繰り返す。計測時間tが第二時間tbに達した場合(S12:Yes)、制御装置10は、第一開閉弁5aに閉作動信号を出力する(S13)。これにより第一開閉弁5aが閉弁して供給配管4aが遮断される。このため圧力調整器3とワークWの密閉空間WSとの連通、及び、圧力調整器3とマスターワーク6の比較空間CSとの連通が、遮断される。
次に、制御装置10は、計測時間tが第三時間tc(>tb)に達したか否かを判断する(S14)。計測時間tが第三時間tcに達していない場合(s14:No)、この処理を繰り返す。S13及びS14の処理の実行により、第二時間tbから第三時間tcまでの間、密閉空間WSの圧力がテスト圧力Ptに維持されるとともに、密閉空間WS内の気体の温度が安定化される。S13、S14の処理が、本発明の温度安定化工程及び温度安定化処理に相当する。また、第二時間tbから第三時間tcまでの間の時間が、温度平衡時間である。
S14にて計測時間tが第三時間tcに達しと判断した場合(S14:Yes)、制御装置10は、第二開閉弁5cに閉作動信号を出力する(S15)。これにより、供給配管4aと分岐配管4cとの連通が遮断される。よって、ワークWの密閉空間WSとマスターワーク6の比較空間CSとの連通が遮断される。第一開弁弁5aと第二開閉弁5cがともに閉弁することにより、ワークWの密閉空間WSと、マスターワーク6の比較空間CSが、それぞれ、密閉状態にされる。
ワークWの密閉空間WSとマスターワーク6の比較空間CSとの連通が遮断された場合、差圧検出装置7の第一空間71aには、密閉空間WS及び比較空間CSのうち密閉空間WSの圧力のみが印加され、差圧検出装置7の第二空間71bには、密閉空間WS及び比較空間CSのうち比較空間CSの圧力のみが印加されることになる。このため、差圧検出装置7にて、密閉空間WSの圧力と比較空間CSの圧力との差圧が検出し得る状態にされる。S15の処理以降、リーク検査が開始される。
S15にて第二開閉弁5cに閉作動信号を出力した後に、制御装置10は、差圧検出装置7にて検出される差圧ΔPsを検出する(S16)。次いで、制御装置10は、計測時間tが第四時間td(>tc)に達したか否かを判断する(S17)。計測時間tが第四時間tdに達していない場合(S17:No)、制御装置10は、S16に処理を戻し、再度、差圧ΔPsを検出する。これにより、短時間ごとに連続的に、差圧ΔPsが検出される。そして、計測時間tが第四時間tdに達した場合(S17:Yes)、制御装置10は、それまでに差圧検出装置7で検出された差圧ΔPsに基づいて、検出対象空間にリークが発生したか否かの判定結果を出力する(S18)。S15〜S18の処理が、本発明のリーク検査工程及びリーク検査処理に相当する。
その後、制御装置10は、流量調整弁5bに全開作動信号を出力するとともに、第二開閉弁5cに開作動信号を出力する(S19)。これにより、流量調整弁5bが全開にされるとともに、第二開閉弁5cが開弁する。その後、制御装置10は、このルーチンを終了する。
図3は、制御装置10が上記したリーク検査処理ルーチンを実行した場合における、ワークWの密閉空間WSの圧力P、差圧ΔPs、第一開閉弁5aの開閉状態、第二開閉弁5cの開閉状態、流量調整弁5bの開度状態、の、それぞれの時間変化を示すグラフである。図3(a)が圧力P(密閉空間WSの圧力)の時間変化を示すグラフ、図3(b)が差圧ΔPsの時間変化を示すグラフ、図3(c)が第一開閉弁5aの開閉状態の時間変化を示すグラフ、図3(d)が第二開閉弁5cの開閉状態の時間変化を示すグラフ、図3(e)が流量調整弁5bの開度の時間変化を示すグラフである。
図3に示すように、測定開始(時間ts)から時間t0までの間、第一開閉弁5a及び第二開閉弁5cはともに開弁し、また、流量調整弁5bの開度が100%から徐々に小さくされる。このため、時間tsから時間t0までの間、圧力Pがほぼ直線的に増加する。そして、時間t0の直前にて、圧力Pはテスト圧力Ptに到達する。時間ts(開始)から時間t0までの間の工程が、第一昇圧工程である。第一昇圧工程にて昇圧される圧力(テスト圧力Pt)が、本発明の第一圧力に相当する。
また、時間t0にて、密閉空間WSの圧力Pがテスト圧力Ptからテスト圧力Ptよりも高い目標追加圧力Pexまで昇圧される。そして、時間t0から時間taの間、密閉空間WSの圧力が目標追加圧力Pexに維持される。時間t0から時間taまでの間の工程が、第二昇圧工程である。第二昇圧工程の間、第一開閉弁5a及び第二開閉弁5cはともに開弁している。また、第二昇圧工程の途中で流量調整弁5bが全閉状態にされる。第二昇圧工程にて昇圧される圧力(目標追加圧力Pex)が、本発明の第二圧力に相当する。
また、時間taにて、密閉空間WSの圧力Pが、目標追加圧力Pexからテスト圧力Ptまで減圧される。そして、時間taから時間tbまでの間、密閉空間WSの圧力Pがテスト圧力Ptに維持される。時間taから時間tbまでの間の工程が、減圧工程である。減圧工程の間、第一開閉弁5a及び第二開閉弁5cは、ともに開弁している。また、減圧工程の間、流量調整弁5bは全閉状態にされる。
また、時間tbから時間tcまでの間、密閉空間WSの圧力Pがテスト圧力Ptに維持される。時間tbから時間tcまでの間の工程は、密閉空間WS内の気体の温度を安定化させる工程(温度安定化工程)である。温度安定化工程の間、第一開閉弁5aは閉弁し、第二開閉弁5cは開弁している。また、温度安定化工程の間、流量調整弁5bは全閉状態にされる。また、上述したように、時間tbから時間tcまでの間の時間は、温度平衡時間である。この温度平衡時間は、予め定められる。
また、時間tcから時間tdまでの間、差圧検出装置7によって、密閉空間WSのリークが検査される。時間tcから時間tdまでの間の工程が、リーク検査工程である。リーク検査工程の間、第一開閉弁5a及び第二開閉弁5cが閉弁している。また、リーク検査工程の間、流量調整弁5bは全閉状態にされる。リーク検査工程において、図3(b)に実線で示すようにΔPsがほぼ一定である場合、検査対象のワークWの密閉空間WSのリークは無い(合格)と判断できる。一方、リーク検査工程において、図3(b)に破線で示すようにΔPsが変化する場合、検査対象のワークWの密閉空間WSのリークが有る(不合格)と判断できる。
図4は、制御装置10がリーク検査処理ルーチンを実行した場合における、密閉空間WSの圧力P及び密閉空間WS内の気体の温度(推定値)の時間変化を示すグラフである。図4(a)が、圧力Pの時間変化を示すグラフであり、図4(b)が、密閉空間WS内の気体の温度の推定値(以下、温度Ta)の時間変化を示すグラフである。
図4に示すように、第一昇圧工程(時間ts〜時間t0)の開始時には、温度Taはワーク温度Twに等しい。第一昇圧工程が実施されると、密閉空間WSの圧力Pが上昇するため密閉空間WS内の気体が圧縮される。それに伴い温度Taも上昇する。ここで、第一昇圧工程では、密閉空間WSに気体が供給されながら密閉空間WSから気体が排出されるため、密閉空間WSから気体が排出される分だけ密閉空間WSの圧力の上昇が抑えられる。つまり、圧力の上昇勾配が小さい。従って、密閉空間WS内の気体の温度の上昇勾配も小さく、そのため、温度Taの過度の上昇が防止される。
また、第一昇圧工程において、密閉空間WS内の気体の温度がある程度上昇すると、その温度とワーク温度Twとの差が大きくなり、密閉空間WS内の気体の熱がワークWの壁面に奪われる量が大きくなる。このため、圧力Pがテスト圧力Ptに到達するときには、密閉空間WS内の気体の熱がワークWの壁面に奪われることによる気体の温度低下量が、圧縮熱による密閉空間WS内の気体の温度上昇量に勝り、温度Taは低下し始める。
また、第二昇圧工程(時間t0〜時間ta)の開始時には、圧力P(密閉空間WSの圧力)が、テスト圧力Ptから目標追加圧力Pexにまで高められる。このため、密閉空間WS内の気体がさらに圧縮されて、温度Taは一旦上昇する。しかし、温度上昇により温度Taとワーク温度Twとの差が再び大きくされるため、密閉空間WS内の気体の熱がワークWの壁面により多く奪われる。このため、すぐに温度Taは低下する。
また、減圧工程(時間ta〜時間tb)の開始時には、圧力P(密閉空間WSの圧力)が、目標追加圧力Pexからテスト圧力Ptにまで減圧する。このため、密閉空間WSの気体が膨張する。斯かる膨張によって、温度Taが急激に低下する。この温度低下によって、温度Taがワーク温度Twに一気に近づく。このように、本実施形態においては、第一昇圧工程にて温度Taの過度な上昇が抑えられるとともに、減圧工程にて密閉空間WS内の気体を膨張させて気体の温度を一気に低下させることにより、温度Taを速やかにワーク温度Twに近づけることができる。
温度安定化工程(時間tb〜時間tc)では、温度Taがワーク温度Twにほぼ一致するまで、密閉空間WSの圧力がテスト圧力Ptに維持される。この場合において、上記したように、第一昇圧工程にて温度Taの過度な上昇が抑えられるとともに、減圧工程にて密閉空間WS内の気体を膨張させて気体の温度を一気に低下させることにより、温度Taがワーク温度Twに近づけられている。従って、温度安定化工程に必要な時間(温度平衡時間)は短い。
リーク検査工程(時間tc〜時間td)では、差圧検出装置7を用いてリーク検査が実施される。リーク検査工程においては、温度Taがワーク温度Twとほぼ等しくされているため、検査中に温度Taはほとんど変化しない。よって、温度変化に起因するリーク検査の精度の悪化が防止される。
図5は、比較例1に係るリーク検査方法を実施した場合における、密閉空間WSの圧力P及び密閉空間WS内の気体の温度の推定値(温度Ta)の時間変化を示すグラフである。図5(a)が圧力Pの時間変化を示すグラフであり、図5(b)が温度Taの時間変化を示すグラフである。
この比較例1においては、密閉空間WSの昇圧時に、密閉空間WS内の気体を排出することなく密閉空間WSの圧力がテスト圧力まで昇圧される。このため、昇圧時に密閉空間WS内の気体が一気に圧縮され、その結果、温度Taは大きく上昇する。このように大きく温度Taが上昇した場合、温度Taをワーク温度Twまで低下させるために多大な時間を要する。すなわち、温度平衡時間が長い。これに対し、本実施形態によれば、上述したように、第一昇圧工程にて密閉空間WSに気体を供給しながら密閉空間WSから気体を排出しているため、図5(a)に破線で示すように、密閉空間WSの圧力の上昇勾配は緩やかであり、よって、図5(b)の破線で示すように、温度Taの上昇量も小さい。よって、本実施形態によれば、温度Taをより速やかにワーク温度Twに近づけることができる。
図6は、比較例2に係るリーク検査方法を実施した場合における、密閉空間WSの圧力P及び密閉空間WS内の気体の温度の推定値(温度Ta)の時間変化を示すグラフである。図6(a)が圧力Pの時間変化を示すグラフであり、図6(b)が温度Taの時間変化を示すグラフである。
この比較例2に係るリーク検査方法は、本実施形態の第一昇圧工程を実施した後に、第二昇圧工程及び減圧工程を実施せずに、温度安定化工程及びリーク検査工程を実施する方法である。比較例2によれば、密閉空間WSの昇圧時に密閉空間WS内の気体を排出しているため、昇圧時における密閉空間WSの圧力の上昇勾配が緩やかにされる。このため、温度Taの上昇が抑えられる。しかし、その後は、本実施形態のように第二昇圧工程及び減圧工程を実施しないため、密閉空間WSの気体が膨張することによって気体の温度が低下するという効果は得られない。そのため、温度Taがなだらかに低下していき、ワーク温度Twにまで低下させるために多大な時間を要する。すなわち、温度平衡時間が長い。これに対し、本実施形態によれば、図6(a)の破線で示すように、第一昇圧工程の実施後に、密閉空間WSの圧力をさらに昇圧し、その後にテスト圧力Ptまで減圧しているため、減圧時における密閉空間WS内の気体の膨張によって気体の温度が低下する。このため、本実施形態によれば、図6(b)に破線で示すように、温度Taをより速やかにワーク温度Twに近づけることができる。
本実施形態においては、上述したように、密閉空間WSの圧力をテスト圧力Ptから一旦目標追加圧力Pexまで昇圧し、その後、再びテスト圧力Ptまで減圧している。ここで、目標追加圧力Pexが大きすぎる場合、その後の減圧工程にて密閉空間WS内の気体が膨張されることによって気体の温度が低下し過ぎる虞がある。この場合、減圧工程後における密閉空間WS内の気体の温度がワーク温度Twよりも低くなる虞がある。一方、目標追加圧力Pexが小さすぎる場合、その後の減圧工程における密閉空間WS内の気体の膨張によっても気体の温度が十分に低下しない虞がある。この場合、減圧工程後における密閉空間WS内の気体の温度がワーク温度Twよりもかなり高くなる虞がある。
このように、目標追加圧力Pexの大きさが適切ではない場合、減圧工程後における密閉空間WS内の気体の温度(温度Ta)をワーク温度Twに近づけることができず、結果として、温度平衡時間が長くなる虞がある。従って、目標追加圧力Pexは、適切に設定されるべきである。本実施形態においては、上記(1)式に従って、目標追加圧力Pexが定められる。上記(1)式によれば、目標追加圧力Pexは、排出温度Teと供給温度Tkとの差に比例するように定められる。従って、排出温度Teと供給温度Tkとの差が大きい場合、目標追加圧力Pexは大きい値に定められ、排出温度Teと供給温度Tkとの差が小さい場合、目標追加圧力Pexは小さい値に定められる。
排出温度Teと供給温度Tkとの差が大きい場合、密閉空間WS内の気体の温度(温度Ta)がワーク温度Twよりもかなり高いと推察される。よって、その後の減圧工程で温度Taを十分に低下させる必要がある。この場合、(1)式によれば、排出温度Teと供給温度Tkとの差が大きい場合に目標追加圧力Pexが大きく設定されるため、その後の減圧工程にて密閉空間WS内の気体を膨張させたときに、密閉空間WS内の気体の温度(温度Ta)を十分に低下させることができる。
また、排出温度Teと供給温度Tkとの差が小さい場合、密閉空間WS内の気体の温度(温度Ta)はワーク温度Twと比較してさほど高くないと推察される。よって、その後の減圧工程で温度Taをさほど低下させる必要はない。この場合、(1)式によれば、排出温度Teと供給温度Tkとの差が小さい場合に目標追加圧力Pexが小さく設定されるため、その後の減圧工程にて密閉空間WSの気体を膨張させたときに、密閉空間WS内の気体の温度はさほど低下しない。つまり、密閉空間WS内の気体の温度の過剰な温度低下が抑えられる。
このように、本実施形態によれば、目標追加圧力Pexは、減圧工程(減圧処理)にて密閉空間WSの圧力が減圧されたときに、密閉空間WS内の気体が膨張することによって、密閉空間WS内の気体の温度(Ta)がワーク温度(Tw)に近づく温度に冷却されるように、適切に設定される。具体的には、目標追加圧力Pexは、排出温度Teと供給温度Tkとの差に基づいて、より詳細には、目標追加圧力Pexは、排出温度Teと供給温度Tkとの差が大きいほど大きくなるように、設定される。
また、(1)式の定数αは、予め実験等によって設定される。この場合、例えば、多変量解析の推定式を用いて、排出温度Teと供給温度Tkとの差から、密閉空間WS内の気体の温度(温度Ta)のピーク温度Tmが推定され得る。さらに、推定したピーク温度Tmとワーク温度Twとに基づいて、例えば、多変量解析の推定式を用いて、リーク検査開始時間tcにおける温度Taとワーク温度Twとの温度差ΔTを推定し、ΔTの時間変化量を所定の閾値変化量以下にするための目標追加圧力Pexが設定されるように、定数αが定められる。なお、この定数αには次のような傾向がある。圧力勾配が大きい場合は、ピーク温度Tmが高くなるため、定数αは大きく設定され、圧力勾配が小さい場合は、ピーク温度Tmが低くなるため、定数αは小さく設定される。また、供給温度Tkが高い場合は、ピーク温度Tmが高くなるため、定数αは大きく設定され、供給温度Tkが低い場合は、ピーク温度Tmが低くなるため、定数αは小さく設定される。このように定数αを定める場合、定数αは、排出温度Te、供給温度Tk、ワーク温度Twに依存することになる。つまり、本実施形態においては、排出温度Te、ワーク温度Tw、及び供給温度Tkに基づいて、目標追加圧力Pexを定めている。このように目標追加圧力Pexを定めることで、後の減圧工程で密閉空間WSを減圧した場合に、密閉空間WS内の気体の温度(温度Ta)を、ワーク温度Twにより近い温度にまで低下させることができる。
また、本発明の実施形態では、第一昇圧工程において、密閉空間WSの圧力上昇勾配が一定であるため、予め行われる実験データから多変量解析等の推定式により、第二圧力が精度良く推定できる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されるべきものではない。例えば、上記実施形態においては、第一昇圧工程にて、密閉空間WSの圧力の上昇勾配が一定になるように、流量調整弁5bの開度が制御される例を示したが、一定のパターンで密閉空間WSの圧力が上昇するように流量調整弁5bの開度を制御してもよい。また、上記実施形態においては、第一昇圧工程にて密閉空間WSの圧力をテスト圧力Ptまで昇圧しているが、目標追加圧力Pexよりも低い圧力であれば、どのような圧力に昇圧してもよい。また、本発明は、大容量の密閉空間を持つワークのリーク検査に好適に適用することができるが、小容量の密閉空間を持つワークにも適用することができる。このように、本発明は、その趣旨を逸脱しない限りにおいて、変形可能である。
1…リーク検査装置、2…圧力源、3…圧力調整器、4a…供給配管、4b…排出配管、4c…分岐配管、5a…第一開閉弁、5b…流量調整弁、5c…第二開閉弁、6…マスターワーク、CS…比較空間、7…差圧検出装置、8…バッファタンク、9a…供給温度センサ、9b…排出温度センサ、9c…ワーク温度センサ、9d…圧力センサ、10…制御装置、Pex…目標追加圧力(第二圧力)、Pt…テスト圧力(第一圧力、テスト圧力)、Te…排出温度、Tk…供給温度、Tw…ワーク温度、W…ワーク、WS…密閉空間

Claims (8)

  1. ワークに設けられている密閉空間のリークの有無を検査するリーク検査方法であって、
    前記密閉空間に気体を供給しながら前記密閉空間から気体を排出するとともに、前記密閉空間からの気体の排出量を減少させていくことにより、前記密閉空間の圧力を第一圧力まで昇圧させる第一昇圧工程と、
    前記密閉空間からの気体の排出を停止するとともに、前記密閉空間の圧力を、前記第一圧力から前記第一圧力よりも高い第二圧力まで昇圧させる第二昇圧工程と、
    前記密閉空間の圧力を、前記第二圧力から前記第二圧力よりも低いテスト圧力まで減圧させる減圧工程と、
    前記減圧工程後に、予め定められた温度平衡時間の間、前記密閉空間の圧力を前記テスト圧力に維持する温度安定化工程と、
    前記温度安定化工程後に、前記密閉空間のリークの有無を検査するリーク検査工程と、
    を含む、リーク検査方法。
  2. 請求項1に記載のリーク検査方法において、
    前記第一圧力が前記テスト圧力に等しい、リーク検査方法。
  3. 請求項1又は2に記載のリーク検査方法において、
    前記第二圧力は、前記減圧工程にて前記密閉空間の圧力が減圧されたときに、前記密閉空間内の気体が膨張することによって、前記密閉空間内の気体の温度が前記ワークの温度に近づく温度まで低下するように、設定される、リーク検査方法。
  4. 請求項1乃至3のいずれか1項に記載のリーク検査方法において、
    前記第一昇圧工程にて、前記密閉空間の圧力の時間に対する上昇勾配が一定になるように、前記密閉空間内の気体の排出量が減少される、リーク検査方法。
  5. 圧力源から排出される気体の圧力を調整する圧力調整器と、
    前記圧力調整器とワークに設けられている密閉空間とを接続し、前記圧力調整器から前記密閉空間に供給される気体が流れる供給配管と、
    前記供給配管に介装された第一開閉弁と、
    一方の端部が前記密閉空間に連結され、前記密閉空間から排出される気体が流れる排出配管と、
    前記排出配管に介装された流量調整弁と、
    マスターワークに設けられている比較空間を、前記供給配管のうち前記第一開閉弁の下流側の部分に接続する分岐配管と、
    前記分岐配管に介装された第二開閉弁と、
    前記比較空間と前記密閉空間との圧力差を検出する差圧検出装置と、
    前記圧力調整器、前記流量調整弁、前記第一開閉弁、及び、前記第二開閉弁の作動を制御する制御装置と、を備え、
    前記制御装置は、
    前記第一開閉弁、前記第二開閉弁及び前記流量調整弁を開弁させて、前記圧力源から前記密閉空間及び前記比較空間に気体を供給しながら前記密閉空間から気体を排出させるとともに、前記流量調整弁が全閉状態となるまでその開度を減少させて前記密閉空間からの気体の排出量を減少させることにより、前記密閉空間の圧力を第一圧力まで昇圧させる第一昇圧処理と、
    前記密閉空間の圧力が第一圧力まで昇圧された後に、前記密閉空間の圧力が、前記第一圧力から前記第一圧力よりも高い第二圧力まで昇圧するように、前記圧力調整器を制御する第二昇圧処理と、
    前記密閉空間の圧力が第二圧力まで昇圧された後に、前記密閉空間の圧力が、前記第二圧力から前記第二圧力よりも低いテスト圧力まで減圧するように、前記圧力調整器を制御する減圧処理と、
    前記第一開閉弁を閉弁し、予め定められた温度平衡時間の間、前記密閉空間の圧力を前記テスト圧力に維持する温度安定化処理と、
    前記温度安定化処理の実施後に、前記第二開閉弁を閉弁させ、前記差圧検出装置により検出された差圧に基づいて、前記密閉空間のリークの有無を検査するリーク検査処理と、
    を実行する、リーク検査装置。
  6. 請求項5に記載のリーク検査装置において、
    前記第一昇圧処理にて前記第一圧力が前記テスト圧力に等しくなるように、前記圧力調整器が制御される、リーク検査装置。
  7. 請求項5又は6に記載のリーク検査装置において、
    前記供給配管内の気体の温度を検出する供給温度センサと、
    前記ワークの温度を検出するワーク温度センサと、
    前記排出配管内の気体の温度を検出する排出温度センサと、
    を備え、
    前記制御装置は、前記供給温度センサにより検出された気体温度と、前記ワーク温度センサにより検出されたワーク温度と、前記排出温度センサにより検出された気体温度とに基づいて、前記減圧処理にて前記密閉空間の圧力が減圧されたときに、前記密閉空間内の気体が膨張することによって、前記密閉空間内の気体の温度が前記ワークの温度に近づく温度まで低下するように、前記第二圧力を設定する、リーク検査装置。
  8. 請求項5乃至7のいずれか1項に記載のリーク検査装置において、
    前記制御装置は、前記排出温度センサにより検出された気体温度及び前記圧力センサにより検出された圧力に基づいて、前記第一昇圧処理にて前記密閉空間の圧力の時間に対する上昇勾配が一定になるように、前記流量調整弁の開度を制御する、リーク検査装置。
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