JP2016156638A - 情報提示装置、情報提示方法及び情報提示プログラム - Google Patents
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Abstract
【課題】SPRTを用いた目標検出装置の特性の把握が容易になるように情報を提示する。
【解決手段】本実施形態の情報提示装置は、センサからの信号検出結果に基づき、SPRTを用いて目標を検出する目標検出装置の特性に関する情報を提示するもので、シミュレーション諸元に基づいて、前記SPRTを用いた前記目標検出装置の処理と前記センサの信号検出結果を模擬するためにモンテカルロシミュレーションを実施し、前記モンテカルロシミュレーションの実施により得られる目標検出/目標不検出のいずれかの判定結果と判定結果が得られたときの観測回数とをシミュレーション結果として収集し、統計処理諸元に対応する値を算出するために、前記収集されたシミュレーション結果を統計処理し、前記統計処理された結果を前記SPRTを用いた前記目標検出装置の特性に関する情報として提示する。
【選択図】図1
【解決手段】本実施形態の情報提示装置は、センサからの信号検出結果に基づき、SPRTを用いて目標を検出する目標検出装置の特性に関する情報を提示するもので、シミュレーション諸元に基づいて、前記SPRTを用いた前記目標検出装置の処理と前記センサの信号検出結果を模擬するためにモンテカルロシミュレーションを実施し、前記モンテカルロシミュレーションの実施により得られる目標検出/目標不検出のいずれかの判定結果と判定結果が得られたときの観測回数とをシミュレーション結果として収集し、統計処理諸元に対応する値を算出するために、前記収集されたシミュレーション結果を統計処理し、前記統計処理された結果を前記SPRTを用いた前記目標検出装置の特性に関する情報として提示する。
【選択図】図1
Description
本実施形態は、目標観測用センサからの時系列の信号検出結果に基づき、SPRT(Sequential Probability Ratio Test、逐次確率比検定)を用いて目標を検出する目標検出処理を行い、目標検出/目標不検出の判定を行う目標検出装置の特性に関する情報を提示する情報提示装置、情報提示方法及び情報提示プログラムに関する。
従来より、レーダ装置、ソナー装置等の目標を観測するセンサからの時系列の信号検出結果に基づいて目標を検出する目標検出装置にあっては、目標を確実に検出するために、SPRTを用いた目標検出処理(非特許文献1)が実施される。このSPRTを用いた目標検出処理では、「目標が存在しない」とする仮説H0と「目標が存在する」とする仮説H1を設定し、仮説検定により「目標が存在しない」とする仮説H0が採択された場合、「目標不検出」と判定し、「目標が存在する」とする仮説H1が採択された場合、「目標検出」と判定する。この目標検出装置の開発に伴い、その特性に関する情報を提示する情報提示装置が開発されている。この情報提示装置では、目標不検出時の観測回数の期待値と目標検出時の観測回数の期待値を提示している。
なお、特許文献1には、M中N検出型の目標検出処理とSPRT型の目標検出処理を組み合わせたレーダ信号検出装置の記載がある。
Samuel S. Blackman, Multiple-Target Tracking with Radar Applications, Artech House, 1986.
ところで、上記のSPRTを用いた目標検出装置では、目標検出装置に設定された諸元(第1種の誤り率、第2種の誤り率、真目標の信号検出確率、偽目標の信号検出確率)と、レーダ装置等の目標観測用センサからの時系列の信号検出結果に基づいて、目標が存在するか存在しないのかを判定する。このため、目標検出装置に設定された諸元と目標観測用センサからの信号検出結果によって、目標検出装置の特性が変化する。これに対し、従来の情報提示装置では、SPRTを用いた目標検出装置の特性に関する情報として、目標不検出時の観測回数の期待値と目標検出時の観測回数の期待値を提示する。しかしながら、提示される情報が少ないため、目標検出装置の特性の把握が容易ではないという課題がある。
本実施形態は上記課題に鑑みなされたもので、SPRTを用いた目標検出装置の特性の把握が容易になるように情報を提示することのできる情報提示装置、情報提示方法及び情報提示プログラムを提供することを目的とする。
上記の課題を解決するために、本実施形態に係る情報提示装置は、センサからの信号検出結果に基づき、SPRT(Sequential Probability Ratio Test、逐次確率比検定)を用いて目標を検出する処理を行い、目標検出/目標不検出のいずれかの判定結果を出力する目標検出装置の特性に関する情報を提示する装置であって、シミュレーション部と、データ収集部と、統計処理部と、操作提示部とを備える。シミュレーション部は、シミュレーション諸元に基づいて、前記SPRTを用いた前記目標検出装置の処理と前記センサの信号検出結果を模擬するためにモンテカルロシミュレーションを実施し、このシミュレーションによる目標検出/目標不検出のいずれかの判定結果と判定結果が得られたときの観測回数とをシミュレーション結果として出力する。データ収集部は、前記シミュレーション部から出力されるシミュレーション結果を収集する。統計処理部は、前記データ収集部で収集されたシミュレーション結果を統計処理諸元に基づいて統計処理し、統計処理結果として出力する。操作提示部は、前記シミュレーション諸元を取り込んで前記シミュレーション部に出力すると共に、前記統計処理部で処理する統計処理諸元を取り込んで前記統計処理部へ出力し、前記SPRTを用いた前記目標検出装置の特性に関する情報として前記統計処理部から出力される統計処理結果を提示する。
まず、本発明の実施の形態を説明するに先立ち、本実施形態が適用される情報提示装置について、図9及び図10を参照して説明する。
図9は、SPRTを用いた目標検出装置の特性に関する情報を提示する情報提示装置の基本的な構成を示すブロック図である。この情報提示装置は、閾値算出部31、係数算出部32、期待値算出部33、操作表示部34を備える。
閾値算出部31は、操作表示部34からの計算諸元に基づいて、下限閾値C1と上限閾値C2を算出する。係数算出部32は、操作表示部34からの計算諸元に基づいて、係数a1と係数a2を算出する。期待値算出部33は、閾値算出部31からの下限閾値C1と上限閾値C2、係数算出部32からの係数a1と係数a2、操作表示部34からの計算諸元に基づいて、目標不検出時の観測回数の期待値E[K|θ0]と目標検出時の観測回数の期待値E[K|θ1]を算出する。操作表示部34は、SPRTを用いた目標検出装置の特性に関する情報として、期待値算出部33からの目標不検出時の観測回数の期待値E[K|θ0]と目標検出時の観測回数の期待値E[K|θ1]を表示する。
図10は、図9に示した情報提示装置の処理の流れの具体例を示すフローチャートである。図10に沿って、図9に示す情報提示装置の処理の流れを説明する。
まず、処理開始が指示されると、操作表示部34において、SPRTを用いた目標検出装置の特性に関する情報を提示(算出)するための計算諸元として、第1種の誤り率α、第2種の誤り率β、真目標の信号検出確率PD、偽目標の信号検出確率PFが取り込まれる(ステップS301)。次に、閾値算出部31において、操作表示部34からの第1種の誤り率αと第2種の誤り率βに基づいて、下限閾値C1と上限閾値C2が算出される(ステップS302)。下限閾値C1と上限閾値C2は、以下の式で算出される。
次に、係数算出部32において、操作表示部34からの真目標の信号検出確率PDと偽目標の信号検出確率PFに基づいて、係数a1と係数a2が算出される(ステップS303)。ここで、係数a1と係数a2は、以下の式で算出される。
次に、期待値算出部33において、閾値算出部31で算出された下限閾値C1と上限閾値C2、係数算出部32で算出された係数a1と係数a2、操作表示部34に取り込まれた計算諸元(第1種の誤り率α、第2種の誤り率β、真目標の信号検出確率PD、偽目標の信号検出確率PF)に基づいて、目標不検出時の観測回数の期待値E[K|θ0]と目標検出時の観測回数の期待値E[K|θ1]を算出する(ステップS304)。目標不検出時の観測回数の期待値E[K|θ0]と目標検出時の観測回数の期待値E[K|θ1]は、以下の式で算出される。
最後に、操作表示部34において、SPRTを用いた目標検出装置の特性に関する情報として、目標不検出時の観測回数の期待値E[K|θ0]と目標検出時の観測回数の期待値E[K|θ1]が表示される(ステップS305)。
以上のように、基本構成における情報提示装置では、SPRTを用いた目標検出装置の特性に関する情報として、目標不検出時の観測回数の期待値と目標検出時の観測回数の期待値を提示(表示)している。しかしながら、提示(表示)される情報が少ないため、目標検出装置の特性の把握が容易ではない。そこで、本実施形態では、目標検出装置の特性の把握が容易になるように情報を提示(算出)する。
以下、本発明の実施の形態の図面を参照しながら詳細に説明する。
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態に係る情報提示装置の構成を示すブロック図である。
図1は、第1の実施形態に係る情報提示装置の構成を示すブロック図である。
第1の実施形態に係る情報提示装置は、シミュレーション部11、データ収集部12、統計処理部13、操作表示部14を備える。
シミュレーション部11は、操作表示部14からのシミュレーション諸元に基づいて、SPRTを用いた目標検出装置の処理とセンサの信号検出結果を模擬するためにモンテカルロシミュレーションを実施し、目標検出/目標不検出のいずれかの判定結果と判定結果が得られたときの観測回数とをシミュレーション結果として出力する。データ収集部12は、シミュレーション部11からのシミュレーション結果を収集する。統計処理部13は、操作表示部14からの統計処理諸元に対応する値を算出するために、データ収集部12で収集したシミュレーション結果を統計処理し、統計処理結果として出力する。操作表示部14は、SPRTを用いた目標検出装置の特性に関する情報として、統計処理部13からの統計処理結果を表示する。
シミュレーション部11は、操作表示部14からのシミュレーション諸元に基づいて、SPRTを用いた目標検出装置の処理とセンサの信号検出結果を模擬するためにモンテカルロシミュレーションを実施し、目標検出/目標不検出のいずれかの判定結果と判定結果が得られたときの観測回数とをシミュレーション結果として出力する。データ収集部12は、シミュレーション部11からのシミュレーション結果を収集する。統計処理部13は、操作表示部14からの統計処理諸元に対応する値を算出するために、データ収集部12で収集したシミュレーション結果を統計処理し、統計処理結果として出力する。操作表示部14は、SPRTを用いた目標検出装置の特性に関する情報として、統計処理部13からの統計処理結果を表示する。
図2は、第1の実施形態に係る情報提示装置の処理の流れの具体例を示すフローチャートである。同図に基づいて、第1の実施形態に係る情報提示装置の処理の流れを説明する。
まず、処理開始が指示されると、操作表示部14において、モンテカルロシミュレーションを実施するためのシミュレーション諸元として、第1種の誤り率α、第2種の誤り率β、真目標の信号検出確率PD、偽目標の信号検出確率PF、センサの信号検出確率P、シミュレーション回数Nが取り込まれる(ステップS101)。
次に、シミュレーション部11において、操作表示部14からのシミュレーション諸元に基づいて、SPRTを用いた目標検出装置の処理とセンサの信号検出結果を模擬するためにモンテカルロシミュレーションが実施され、目標検出/目標不検出のいずれかの判定結果と判定結果が得られたときの観測回数がシミュレーション結果として出力される(ステップS102)。ステップS102の処理の詳細については後述する。
次に、データ収集部12において、シミュレーション部11からのシミュレーション結果が収集される(ステップS103)。所定のシミュレーション回数(シミュレーション諸元のシミュレーション回数N)に達するまで、ステップS102からステップS103の処理が繰り返される(ステップS104)。
次に、操作表示部14において、統計処理により算出する諸元が統計処理諸元として取り込まれる(ステップS105)。次に、統計処理部13において、操作表示部14からの統計処理諸元に対応する値を算出するために、データ収集部12で収集したシミュレーション結果がシミュレーション諸元毎に統計処理され、統計処理結果として出力される(ステップS106)。
最後に、操作表示部14において、SPRTを用いた目標検出装置の特性に関する情報として、統計処理諸元に対応する統計処理部13からの統計処理結果が表示される(ステップS107)。
図3は、シミュレーション部11におけるステップS102の処理の流れの具体例を示すフローチャートである。同図に基づいて、シミュレーション部11におけるステップS102の処理の流れを説明する。
ステップS151において、操作表示部14からの第1種の誤り率αと第2種の誤り率βに基づいて、上限閾値TUと下限閾値TLが算出される(ステップS151)。上限閾値TUと下限閾値TLは、以下の式で算出される。
ステップS151において、操作表示部14からの第1種の誤り率αと第2種の誤り率βに基づいて、上限閾値TUと下限閾値TLが算出される(ステップS151)。上限閾値TUと下限閾値TLは、以下の式で算出される。
なお、上記では、シミュレーション諸元として入力した第1種の誤り率αと第2種の誤り率βに基づいて、上限閾値TUと下限閾値TLを算出する例を示したが、シミュレーション諸元として、上限閾値TUと下限閾値TLを直接入力するように構成することができる。
ステップS152において、センサの信号検出結果を模擬するために、操作表示部14からのセンサの信号検出確率Pに基づき、乱数を用いて観測k回目の信号検出の有無が決定される。
ステップS153において、真目標の信号検出確率PD、偽目標の信号検出確率PF及び観測k回目の信号検出の有無に基づいて、観測k回目の尤度比ST(k)が算出される(ステップS153)。観測k回目の尤度比ST(k)は、以下の式で算出される。
ステップS154,S155において、観測k回目の尤度比ST(k)と上限閾値TUが比較され、尤度比ST(k)が上限閾値TU以上の場合、判定結果は「目標検出」とされる。
ステップS156,S157において、尤度比ST(k)が上限閾値TUよりも小さい場合、尤度比ST(k)と下限閾値TLが比較され、尤度比ST(k)が下限閾値TL以下の場合、判定結果は「目標不検出」とされる。
上記以外の場合(尤度比ST(k)が下限閾値TLよりも大きく、上限閾値TUよりも小さい場合)、ステップS152からの処理が繰り返される。すなわち、ステップS151とステップS153〜S157により、SPRTを用いた目標検出装置の処理が模擬される。
ステップS158において、目標検出/目標不検出のいずれかの判定結果が得られた場合、判定結果と判定結果が得られたときの観測回数(観測k回目のkと同じ)がシミュレーション結果として出力される。
図4は、上記操作表示部14の表示内容の具体例を示す図である。
図4(a)は、SPRTを用いた目標検出装置の特性に関する情報として、観測回数の相対度数分布を図として表示した例であり、図4(b)は、SPRTを用いた目標検出装置の特性に関する情報として、観測回数の累積相対度数分布を図として表示した例である。
従来の情報提示装置では、SPRTを用いた目標検出装置の特性に関する情報として、目標不検出時の観測回数の期待値E[K|θ0]と目標検出時の観測回数の期待値E[K|θ1]を提示(表示)することができるが、観測回数の分布については、何の情報も得られない。一方、第1の実施形態に係る情報提示装置によれば、図4(a)に示すように、観測回数の相対度数分布を図や表として提示(表示)することに加え、観測回数の期待値、分散、歪度、尖度等の分布特性を示す指標(分布の特徴を代表的に要約して表す統計学上の値である要約統計量と同じ)を提示(表示)することができる。また、図4(b)に示すように、シミュレーション回数Nで正規化するように変形した累積相対度数分布により、目標検出の性能を提示(表示)できる。
また、従来の情報提示装置では、センサの信号検出確率として、真目標の信号検出確率PDと偽目標の信号検出確率PFの2点以外では特性を提示(算出)することができないが、第1の実施形態に係る情報提示装置では、センサの信号検出確率として、任意の信号検出確率における特性を提示(算出)することができる。
さらに、第1の実施形態に係る情報提示装置では、モンテカルロシミュレーションの中に、制約条件(信号検出結果の観測回数として取り得る範囲が整数に限定されていること)が考慮されているので、シミュレーション回数Nを多くすることにより、より正確な特性を提示(算出)することができる。
以上説明したように、第1の実施形態に係る情報提示装置によれば、SPRTを用いた目標検出装置の特性に関する情報として、観測回数の度数分布、相対度数分布、累積度数分布、累積相対度数分布を図や表として提示(表示)することや、観測回数の期待値、分散、歪度、尖度等の分布特性を示す指標を提示(表示)することができるので、目標検出装置の特性を把握することが容易になる。また、センサの信号検出確率として、任意の信号検出確率における特性を提示(算出)することができるので、目標検出装置の総合的な特性を把握することが容易になる。さらに、モンテカルロシミュレーションの中で制約条件が考慮されているので、シミュレーション回数Nを多くすることにより、より正確な特性を提示(算出)することができる。
なお、第1の実施形態に係るシミュレーション部11、データ収集部12、統計処理部13、操作表示部14の機能をコンピュータに実現させるプログラムとして構成することができる。
(第2の実施形態)
第2の実施形態に係る情報提示装置は、「目標が存在する」とする仮説を異なる真目標の信号検出確率が設定された複数の仮説に細分化して、細分化した仮説の検定を行うと共に、これらの結果を総合的に判定し、目標検出/目標不検出の判定を行う目標検出装置の特性に関する情報を提示(算出)する。以下では、「目標が存在しない」とする仮説をH0、「目標が存在する」とする仮説をM(M≧2)個の仮説に細分化し、異なる真目標の信号検出確率が設定されたそれぞれの仮説をHi(1≦i≦M)と呼ぶ。また、それぞれの仮説に対応する目標モデルをi番目の目標モデルと呼ぶ。
第2の実施形態に係る情報提示装置は、「目標が存在する」とする仮説を異なる真目標の信号検出確率が設定された複数の仮説に細分化して、細分化した仮説の検定を行うと共に、これらの結果を総合的に判定し、目標検出/目標不検出の判定を行う目標検出装置の特性に関する情報を提示(算出)する。以下では、「目標が存在しない」とする仮説をH0、「目標が存在する」とする仮説をM(M≧2)個の仮説に細分化し、異なる真目標の信号検出確率が設定されたそれぞれの仮説をHi(1≦i≦M)と呼ぶ。また、それぞれの仮説に対応する目標モデルをi番目の目標モデルと呼ぶ。
図5は、第2の実施形態に係る情報提示装置の構成を示すブロック図である。
第2の実施形態に係る情報提示装置は、シミュレーション部21、データ収集部22、統計処理部23、操作表示部24を備える。
シミュレーション部21は、操作表示部24からのシミュレーション諸元に基づいて、複数の目標モデルを設定したSPRTを用いた目標検出装置の処理とセンサの信号検出結果を模擬するためにモンテカルロシミュレーションを実施し、目標検出/目標不検出のいずれかの判定結果と判定結果が得られたときの観測回数とをシミュレーション結果として出力する。データ収集部22は、シミュレーション部21からのシミュレーション結果を収集する。統計処理部23は、操作表示部24からの統計処理諸元に対応する値を算出するために、データ収集部22で収集したシミュレーション結果を統計処理し、統計処理結果として出力する。操作表示部24は、複数の目標モデルを設定したSPRTを用いた目標検出装置の特性に関する情報として、統計処理部23からの統計処理結果を表示する。
図6は、第2の実施形態に係る情報提示装置の処理の流れの具体例を示すフローチャートである。同図に基づいて、第2の実施形態に係る情報提示装置の処理の流れを説明する。
まず、処理開始が指示されると、操作表示部24において、モンテカルロシミュレーションを実施するためのシミュレーション諸元として、i番目の目標モデルに対する第1種の誤り率α(i)、i番目の目標モデルに対する第2種の誤り率β(i)、i番目の目標モデルに対する真目標の信号検出確率PD(i)のセットが、目標モデルの数であるM個取り込まれると共に、偽目標の信号検出確率PF、センサの信号検出確率P、シミュレーション回数Nが取り込まれる(ステップS201)。次に、シミュレーション部21において、操作表示部24からのシミュレーション諸元に基づいて、複数の目標モデルを設定したSPRTを用いた目標検出装置の処理とセンサの信号検出結果を模擬するためにモンテカルロシミュレーションが実施され、目標検出/目標不検出のいずれかの判定結果と判定結果が得られたときの観測回数がシミュレーション結果として出力される(ステップS202)。ステップS202の処理の詳細については、後述する。
次に、データ収集部22において、シミュレーション部21からのシミュレーション結果が収集される(ステップS203)。所定のシミュレーション回数(シミュレーション諸元のシミュレーション回数N)に達するまで、ステップS202からステップS203の処理が繰り返される(ステップS204)。
次に、操作表示部24において、統計処理により算出する諸元が統計処理諸元として取り込まれる(ステップS205)。次に、統計処理部23において、操作表示部24からの統計処理諸元に対応する値を算出するために、データ収集部22で収集したシミュレーション結果がシミュレーション諸元毎に統計処理され、統計処理結果として出力される(ステップS206)。
最後に、操作表示部24において、複数の目標モデルを設定したSPRTを用いた目標検出装置の特性に関する情報として、統計処理諸元に対応する統計処理部23からの統計処理結果が表示される(ステップS207)。
図7は、シミュレーション部21におけるステップS202の処理の流れの具体例を示すフローチャートである。同図に基づいて、シミュレーション部21におけるステップS202の処理の流れを説明する。
ステップS251において、操作表示部24からのi番目の目標モデルに対する第1種の誤り率α(i)と第2種の誤り率β(i)に基づいて、i番目の目標モデルに対する上限閾値TU(i)と下限閾値TL(i)が算出される。i番目の目標モデルに対する上限閾値TU(i)と下限閾値TL(i)は、以下の式で算出される。
なお、上記では、シミュレーション諸元として入力したi番目の目標モデルに対する第1種の誤り率α(i)と第2種の誤り率β(i)に基づいて、i番目の目標モデルに対する上限閾値TU(i)と下限閾値TL(i)を算出する例を示したが、シミュレーション諸元として、i番目の目標モデルに対する上限閾値TU(i)と下限閾値TL(i)を直接入力するように構成することができる。
ステップS252において、センサの信号検出結果を模擬するために、操作表示部24からのセンサの信号検出確率Pに基づき、乱数を用いて観測k回目の信号検出の有無が決定される。
ステップS253において、i番目の目標モデルにおける真目標の信号検出確率PD(i)、偽目標の信号検出確率PF、観測k回目の信号検出の有無に基づいて、i番目の目標モデルに対する観測k回目の尤度比ST(k,i)が算出される。i番目の目標モデルに対する観測k回目の尤度比ST(k,i)は、以下の式で算出される。
ステップS254において、i番目の目標モデルに対する観測k回目の尤度比ST(k,i)とi番目の目標モデルに対する上限閾値TU(i)が比較され、M個の目標モデルのうち、ST(k,i)≧TU(i)を満足する目標モデルが一つでもあった場合、判定結果は「目標検出」とされる(ステップS255)。
ST(k,i)≧TU(i)を満足する目標モデルが一つもない場合、ステップS256において、i番目の目標モデルに対する観測k回目の尤度比ST(k,i)とi番目の目標モデルに対する下限閾値TL(i)が比較され、M個の目標モデルのうち、ST(k,i)≦TL(i)を満足する目標モデルが一つでもあった場合、判定結果は「目標不検出」とされる(ステップS257)。
上記以外の場合、ステップS252からの処理が繰り返される。即ち、ステップS251とステップS253〜ステップS257により、複数の目標モデルを設定したSPRTを用いた目標検出装置の処理が模擬される。
目標検出/目標不検出のいずれかの判定結果が得られた場合、判定結果と判定結果が得られたときの観測回数(観測k回目のkと同じ)がシミュレーション結果として出力される(ステップS258)。
また、上記ステップS256〜S257の処理では、i番目の目標モデルに対する観測k回目の尤度比ST(k,i)とi番目の目標モデルに対する下限閾値TL(i)を比較し、ST(k,i)≦TL(i)を満足する目標モデルがひとつでもあった場合、判定結果を「目標不検出」とする例を示したが、J番目の目標モデルに対する観測k回目の尤度比ST(k,J)とJ番目の目標モデルに対する下限閾値TL(J)を比較し、ST(k,J)≦TL(J)を満足する場合、判定結果が「目標不検出」とされるように変形することができる。
図8は、操作表示部24の表示内容の具体例を示す図である。
図8(a)は、複数の目標モデルを設定したSPRTを用いた目標検出装置の特性に関する情報として、2種類の異なるシミュレーション諸元で算出した観測回数の相対度数分布を一つの図として表示した例であり、図8(b)は、複数の目標モデルを設定したSPRTを用いた目標検出装置の特性に関する情報として、2種類の異なるシミュレーション諸元で算出した観測回数の累積相対度数分布を一つの図として表示した例である。
従来の情報提示装置では、SPRTに複数の目標モデルを設定し、それぞれの目標モデルに対応する上限閾値、下限閾値及び尤度比に基づいて目標の検出を行う目標検出装置の特性を提示することができないが、第2の実施形態に係る情報提示装置によれば、観測回数の度数分布、相対度数分布、累積度数分布、累積相対度数分布を図または表として提示(表示)することや、第1の実施形態に係る情報提示装置と同様に観測回数の期待値、分散、歪度、尖度等の分布特性を示す指標を提示(表示)することができるので、複数の目標モデルを設定したSPRTを用いた目標検出装置の特性を把握することが容易になる。
また、第2の実施形態に係る情報提示装置では、センサの信号検出確率として、任意の信号検出確率における特性を提示(算出)することができるので、複数の目標モデルを設定したSPRTを用いた目標検出装置の総合的な特性を把握することが容易になる。
なお、第2の実施形態に係るシミュレーション部21、データ収集部22、統計処理部23、操作表示部24の機能をコンピュータに実現させるプログラムとして構成することができる。
その他、本実施形態は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
本発明は、レーダ装置、ソナー装置等のセンサからの時系列の信号検出結果に基づき、SPRTを用いて目標を検出する目標検出装置の特性に関する情報を提示する情報提示装置に適用可能である。
11,21…シミュレーション部、12,22…データ収集部、13,23…統計処理部、14,24…操作表示部、31…閾値算出部、32…係数算出部、33…期待値算出部、34…操作表示部。
Claims (9)
- センサからの信号検出結果に基づき、SPRT(Sequential Probability Ratio Test、逐次確率比検定)を用いて目標を検出する目標検出装置の特性に関する情報を提示する情報提示装置であって、
シミュレーション諸元に基づいて、前記SPRTを用いた前記目標検出装置の処理と前記センサの信号検出結果を模擬するためにモンテカルロシミュレーションを実施し、目標検出/目標不検出のいずれかの判定結果と判定結果が得られたときの観測回数とをシミュレーション結果として出力するシミュレーション部と、
前記シミュレーション部からのシミュレーション結果を収集するデータ収集部と、
統計処理諸元に対応する値を算出するために、前記データ収集部で収集したシミュレーション結果を統計処理し、統計処理結果として出力する統計処理部と、
前記シミュレーション諸元を取り込んで前記シミュレーション部へ出力し、前記統計処理諸元を取り込んで前記統計処理部へ出力し、前記SPRTを用いた前記目標検出装置の特性に関する情報として前記統計処理部からの統計処理結果を提示する操作提示部と
を具備する情報提示装置。 - センサからの信号検出結果に基づき、複数の目標モデルを設定したSPRT(Sequential Probability Ratio Test、逐次確率比検定)を用いて目標を検出する目標検出装置の特性に関する情報を提示する情報提示装置であって、
シミュレーション諸元に基づいて、前記複数の目標モデルを設定した前記SPRTを用いた前記目標検出装置の処理と前記センサの信号検出結果を模擬するためにモンテカルロシミュレーションを実施し、目標検出/目標不検出のいずれかの判定結果と判定結果が得られたときの観測回数とをシミュレーション結果として出力するシミュレーション部と、
前記シミュレーション部からのシミュレーション結果を収集するデータ収集部と、
統計処理諸元に対応する値を算出するために、前記データ収集部で収集したシミュレーション結果を統計処理し、統計処理結果として出力する統計処理部と、
前記シミュレーション諸元を取り込んで前記シミュレーション部へ出力し、前記統計処理諸元を取り込んで前記統計処理部へ出力し、前記複数の目標モデルを設定した前記SPRTを用いた前記目標検出装置の特性に関する情報として、前記統計処理部からの統計処理結果を提示する操作提示部と
を具備する情報提示装置。 - 前記統計処理部は、前記目標検出/目標不検出のいずれかの判定結果が得られたときの観測回数の度数分布、相対度数分布、累積度数分布、累積相対度数分布、分布特性を示す指標の少なくとも1つを統計処理結果として算出する請求項1または2に記載の情報提示装置。
- センサからの信号検出結果に基づき、SPRT(Sequential Probability Ratio Test、逐次確率比検定)を用いて目標を検出する目標検出装置の特性に関する情報を提示する情報提示方法であって、
シミュレーション諸元に基づいて、前記SPRTを用いた前記目標検出装置の処理と前記センサの信号検出結果を模擬するためにモンテカルロシミュレーションを実施し、
前記モンテカルロシミュレーションの実施により得られる目標検出/目標不検出のいずれかの判定結果と判定結果が得られたときの観測回数とをシミュレーション結果として収集し、
統計処理諸元に対応する値を算出するために、前記収集されたシミュレーション結果を統計処理し、
前記統計処理された結果を前記SPRTを用いた前記目標検出装置の特性に関する情報として提示する情報提示方法。 - センサからの信号検出結果に基づき、複数の目標モデルを設定したSPRT(Sequential Probability Ratio Test、逐次確率比検定)を用いて目標を検出する目標検出装置の特性に関する情報を提示する情報提示方法であって、
シミュレーション諸元に基づいて、前記複数の目標モデルを設定した前記SPRTを用いた前記目標検出装置の処理と前記センサの信号検出結果を模擬するためにモンテカルロシミュレーションを実施し、
前記モンテカルロシミュレーションの実施により得られる目標検出/目標不検出のいずれかの判定結果と判定結果が得られたときの観測回数とをシミュレーション結果として収集し、
統計処理諸元に対応する値を算出するために、前記収集されたシミュレーション結果を統計処理し、
統計処理された結果を前記複数の目標モデルを設定した前記SPRTを用いた前記目標検出装置の特性に関する情報として提示する情報提示方法。 - 前記統計処理は、前記目標検出/目標不検出のいずれかの判定結果が得られたときの観測回数の度数分布、相対度数分布、累積度数分布、累積相対度数分布、分布特性を示す指標の少なくとも1つを統計処理結果として算出する請求項4または5に記載の情報提示方法。
- センサからの信号検出結果に基づき、SPRT(Sequential Probability Ratio Test、逐次確率比検定)を用いて目標を検出する目標検出装置の特性に関する情報を提示する処理をコンピュータに実行させるための情報提示プログラムであって、
シミュレーション諸元に基づいて、前記SPRTを用いた前記目標検出装置の処理と前記センサの信号検出結果を模擬するためにモンテカルロシミュレーションを実施し、目標検出/目標不検出のいずれかの判定結果と判定結果が得られたときの観測回数とをシミュレーション結果として出力するシミュレーションステップと、
前記シミュレーションステップからのシミュレーション結果を収集するデータ収集ステップと、
統計処理諸元に対応する値を算出するために、前記データ収集ステップで収集したシミュレーション結果を統計処理し、統計処理結果として出力する統計処理ステップと、
前記シミュレーション諸元を取り込んで前記シミュレーションステップへ出力し、前記統計処理諸元を取り込んで前記統計処理ステップへ出力し、前記SPRTを用いた前記目標検出装置の特性に関する情報として前記統計処理ステップからの統計処理結果を提示する操作提示ステップと
を具備する情報提示プログラム。 - センサからの信号検出結果に基づき、複数の目標モデルを設定したSPRT(Sequential Probability Ratio Test、逐次確率比検定)を用いて目標を検出する目標検出装置の特性に関する情報を提示する処理をコンピュータに実行させるための情報提示プログラムであって、
シミュレーション諸元に基づいて、前記複数の目標モデルを設定した前記SPRTを用いた前記目標検出装置の処理と前記センサの信号検出結果を模擬するためにモンテカルロシミュレーションを実施し、目標検出/目標不検出のいずれかの判定結果と判定結果が得られたときの観測回数とをシミュレーション結果として出力するシミュレーションステップと、
前記シミュレーションステップからのシミュレーション結果を収集するデータ収集ステップと、
統計処理諸元に対応する値を算出するために、前記データ収集ステップで収集したシミュレーション結果を統計処理し、統計処理結果として出力する統計処理ステップと、
前記シミュレーション諸元を取り込んで前記シミュレーションステップへ出力し、前記統計処理諸元を取り込んで前記統計処理ステップへ出力し、前記複数の目標モデルを設定した前記SPRTを用いた前記目標検出装置の特性に関する情報として、前記統計処理ステップからの統計処理結果を提示する操作提示ステップと
を具備する情報提示プログラム。 - 前記統計処理ステップは、前記目標検出/目標不検出のいずれかの判定結果が得られたときの観測回数の度数分布、相対度数分布、累積度数分布、累積相対度数分布、分布特性を示す指標の少なくとも1つを統計処理結果として算出する請求項7または8に記載の情報提示プログラム。
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---|---|---|---|
JP2015032966A JP2016156638A (ja) | 2015-02-23 | 2015-02-23 | 情報提示装置、情報提示方法及び情報提示プログラム |
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