JP2016155592A - 装飾を有するpetボトル - Google Patents

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Abstract

【課題】高い意匠性を有するPETボトルを提供すること。
【解決手段】円筒状胴部を有するPETボトル1の前記胴部に、マルチプレックスホログラム2を巻き付ける。マルチプレックスホログラムは円筒状のホログラムであり、その内部から照明することにより、このホログラムに記録された三次元の像を円筒状ホログラムの内部に再生することができる。本発明においては、このマルチプレックスホログラムを円筒状胴部に巻き付けているから、PETボトルの直上又は直下に光源3を配置することにより、三次元の立体像を再生して観察することが可能である。
【選択図】図1

Description

本発明は胴部に装飾を有するPETボトルに関する。
PETボトルは、ポリエステル樹脂を材料として有底筒状のプリフォームを製造し、このプリフォームを縦延伸ブロー成形して得られる容器である。PETボトルはこのような製造工程によって製造されることから、PETボトル自体に表示や装飾を付与することは困難である。
このため、PETボトルには、印刷柄等を施したシュリンクラベルを適用して、その胴部に表示や装飾を付与することが通常である。すなわち、印刷柄等を施したシュリンクラベルを筒状に丸めてPETボトルの胴部に巻き付け、次にシュリンクラベルを熱収縮させることによりPETボトル胴部に緊縛して一体化する(特許文献1)。内容物を消費した後のPETボトルを破砕することによってシュリンクラベルが剥がれるから、PETボトルの材料、すなわち、ポリエステル樹脂とシュリンクラベルの素材とを分離して回収することができる。
なお、印刷柄等を施した接着ラベルをPETボトルに接着することにより、表示や装飾を付与する技術も知られている(特許文献1)。もっとも、内容物消費後のPETボトルから接着ラベルを剥離することが困難で、分別回収が難しいことから、接着ラベルを使用したPETボトルは普及していない。
特開2015−14630号公報
しかしながら、シュリンクラベルにしても接着ラベルにしても、その装飾は専ら印刷によって施されたものであるから、高い意匠性を付与することができなかった。
そこで、本発明は、高い意匠性を有するPETボトルを提供することを目的とする。
すなわち、請求項1に記載の発明は、円筒状胴部を有するPETボトルの前記胴部に、マルチプレックスホログラムを巻き付けて構成されることを特徴とする装飾を有するPETボトルである。
次に、請求項2に記載の発明は、前記マルチプレックスホログラムがレリーフホログラムであることを特徴とする請求項1に記載の装飾を有するPETボトルである。
次に、請求項3に記載の発明は、前記マルチプレックスホログラムが体積ホログラムであることを特徴とする請求項1に記載の装飾を有するPETボトルである。
マルチプレックスホログラムは円筒状のホログラムであり、その内部から照明することにより、このホログラムに記録された三次元の像を円筒状ホログラムの内部に再生するこ
とができる。本発明においては、このマルチプレックスホログラムを円筒状胴部に巻き付けているから、PETボトルの直上又は直下に光源を配置することにより、三次元の立体像を再生して観察することが可能である。
本発明に係る装飾を有するPETボトルの斜視図である。 マルチプレックスホログラムの撮影方法を示すもので、図2(a)はその第1工程を示す説明図、図2(b)は第1工程で得られたフィルムの正面説明図である。 マルチプレックスホログラムの撮影方法を示すもので、図3(a)はその第2工程を示す説明図、図3(b)は得られたマルチプレックスホログラムの正面説明図、図3(c)はマルチプレックスホログラムの断面説明図である。
本発明の装飾を有するPETボトルは、図1に示すように、PETボトル1とマルチプレックスホログラム2とを必須の構成要素とするものである。PETボトル1はその胴部が円筒状を有するもので、マルチプレックスホログラム2はその周囲に巻き付けられている。
マルチプレックスホログラム2は、後述するように、その円周方向に多数の領域(フレーム)2,2,‥2に区分されており、これら各フレーム2,2,‥2には、所定のホログラム画像が記録されている。そして、PETボトル1の直上又は直下に光源3を配置し、この光源3でマルチプレックスホログラム2を内部から照明すると共に、マルチプレックスホログラム2の外側から観察することにより、その内部に三次元の像を再生することができる。
マルチプレックスホログラム2は、二光束干渉法あるいは電子線描画法によって撮影することができる。そこで、まず、二光束干渉法によってマルチプレックスホログラム2を撮影する方法について説明する。
二光束干渉法は2つの工程を経てマルチプレックスホログラム2を撮影する方法である。すなわち、その第一工程は三次元の物体を、その全周に渡って撮影する工程である。この工程では、図2(a)に示すように、三次元の物体をターンテーブル上に載置し、ターンテーブルを間欠的に回転しながら、ロール状の感光性フィルムにコマ撮りする。図2(b)はこうして撮影されたロール状フィルムを示しており、このロール状フィルムには、ターンテーブルの回転に伴って各角度から撮影された三次元物体の写真像(図示せず)の各コマ2’,2’,‥2’が、その回転角度の順に、記録されている。
次に、第二工程はこのロール状フィルムからホログラム画像を撮影する工程である。この工程では、図3(a)に示すように、前記写真像を記録したロール状フィルムと長尺の感光性材料との間に、球面レンズとシリンドリカルレンズとを配置する。また、感光性材料の前には、スリットを設けた遮蔽板を配置する。そして、前記ロール状フィルムに記録された写真像多数のコマのうち、最初のコマ2’に対してレーザー光線を照射して透過させる。ロール状フィルムを透過したレーザー光線は球面レンズによって上下左右に拡大された後、シリンドリカルレンズによって左右方向、すなわち、マルチプレックスホログラム2の円周方向に縮小される。そして、このように前記ロール状フィルムの一コマ分の画像を透過したレーザー光線から成る物体光が上下左右に拡大又は縮小され、遮蔽板のスリットを通して感光性材料の最初のフレーム2に入射する。一方、感光性材料の斜め下方からレーザー光線から成る参照光を照射して、これら物体光と参照光とを干渉させ、この干渉縞をホログラム画像として記録する。そして、前記ロール状フィルムを、順次、間欠的に次のコマに移動させると共に、感光性材料を間欠的に次のフレームに移動させて、
同様の撮影を繰り返すことにより、各フレーム2,2,‥2にホログラム画像を撮影してマルチプレックスホログラム2を製造することができる。
こうして得られたマルチプレックスホログラム2は、図3(b)に示すように、その各フレーム2,2,‥2に、ロール状フィルムの各コマ2’,2’,‥2’に記録された写真画像の立体情報を波面の形式で記録したものである。このため、各フレーム2,2,‥2に対して参照光と同じ方向から照明光を照射すると、図3のロール状フィルムの位置に各コマ2’,2’,‥2’の写真画像が再生される。
そこで、このマルチプレックスホログラム2を円筒状に丸め、その下方から照明光を照射すると、各フレーム2,2,‥2によって再生される各写真画像は、いずれも、マルチプレックスホログラム2の中央付近に再生されることになる。
ところで、この円筒状マルチプレックスホログラム2をその外側から観察した場合には、左右の目で観察する各写真画像はその視差に応じて互いに異なるものである。そして、前述のように、マルチプレックスホログラム2に記録された各写真画像は、ターンテーブルの回転角度の順に並べたものであるから、両眼で観察する各写真画像は、その視差に応じて互いに異なった角度から前記三次元物体を観察したときの写真画像である。このため、両眼でこのマルチプレックスホログラム2を観察すると、その中央付近に、前記三次元物体の立体像が観察できる。
以上、二光束干渉法によってマルチプレックスホログラム2を撮影する方法を説明したが、電子線描画法によってマルチプレックスホログラム2を撮影する場合には、同様の干渉縞、すなわちホログラム画像を計算によって算出し、感光性材料に電子線を照射して描画すればよい。
ところで、この干渉縞(ホログラム画像)を記録する前記感光性材料としては種々の材料を使用できる。例えば、いわゆる銀塩フィルムである。銀塩フィルムを使用して記録したホログラム画像は、干渉縞が明暗の形式で記録された振幅型ホログラムである。
一方、感光性樹脂を塗布した透明フィルムを前記感光性材料として使用して記録したホログラム画像は、いわゆる位相型ホログラムである。図3(c)はこの例を示すもので、透明フィルム21の上に感光性樹脂22を塗布して前記感光性材料とし、この感光性材料に前記干渉縞(ホログラム画像)を記録したマルチプレックスホログラム2を示している。この例は、この感光性材料に露光し、現像して感光性樹脂22の表面に凹凸を形成した後、感光性樹脂22を硬化させて前記干渉縞(ホログラム画像)を記録したレリーフ型ホログラムである。また、透明フィルムに厚膜の感光性樹脂22を塗布し、露光によって内部の屈折率を部分的に変化させた体積ホログラムとすることも可能である。
次に、こうして撮影したマルチプレックスホログラム2をそのままPETボトルに巻き付けてもよいが、このマルチプレックスホログラム2を原版として、この原版から複製したマルチプレックスホログラム2をPETボトルに巻き付けることもできる。振幅型ホログラムを複製する場合には、例えば、銀塩フィルムに振幅型マルチプレックスホログラム2を重ね、ホログラム2側からレーザー光線を照射することにより、複製することができる。また、レリーフ型ホログラムを複製する場合には、このレリーフ型マルチプレックスホログラムの表面凹凸を転写してプレス型を作成し、このプレス型を熱可塑性樹脂に熱圧して表面凹凸を転写すればよい。また、体積ホログラムを複製する場合には、透明フィルムに厚膜の感光性樹脂を塗布し、この感光性樹脂に体積ホログラムを重ね、体積ホログラム側からレーザー光線を照射すればよい。
次に、マルチプレックスホログラム2の裏面に接着剤を塗布し、PETボトルの円筒状胴部に接着しながら巻き付けることにより、本発明に係る装飾を有するPETボトルを製造することができる。接着剤はマルチプレックスホログラム2の裏面全面に塗布することもできるが、両端に塗布すれば十分である。
こうして得られた装飾を有するPETボトルは、例えば、PETボトルの直下に光源3を配置して内面側から照明光を照射し、外面側から観察することにより、前記三次元物体の立体像を観察することができる。また、光源3をPETボトルの直上に配置して観察した場合にも同じ立体像を観察することが可能である。PETボトルに飲料等の内容物が収容されている場合には、この内容物を排出した後、照明光を照射して観察することが望ましい。なお、光源3としては任意のものを使用することができる。例えば、白熱電球、LED電球、ペンライト、懐中電灯等である。あるいは携帯用端末のディスプレイを光源3として、前記立体像を再生してもよい。
1‥PETボトル
2‥マルチプレックスホログラム
,2,‥2‥マルチプレックスホログラムの各フレーム
’,2’,‥2’‥ロール状フィルムの各コマ
21‥透明フィルム
22‥感光性樹脂
3‥光源

Claims (3)

  1. 円筒状胴部を有するPETボトルの前記胴部に、マルチプレックスホログラムを巻き付けて構成されることを特徴とする装飾を有するPETボトル。
  2. 前記マルチプレックスホログラムがレリーフホログラムであることを特徴とする請求項1に記載の装飾を有するPETボトル。
  3. 前記マルチプレックスホログラムが体積ホログラムであることを特徴とする請求項1に記載の装飾を有するPETボトル。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP7482394B2 (ja) 2020-08-03 2024-05-14 大日本印刷株式会社 複合容器

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