JP2016155425A - 航空機用構造体、航空機用構造体の製造方法及び航空機用構造体の設計情報の作成方法 - Google Patents

航空機用構造体、航空機用構造体の製造方法及び航空機用構造体の設計情報の作成方法 Download PDF

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Abstract

【課題】被雷時におけるスパークを防止しつつ、より良好な条件で航空機用のパネルを連結できる方法を提供する。【解決手段】航空機用構造体1は、第1の構造部材2、第2の構造部材3、ファスナ及び導電体5を備える。第2の構造部材は、第1の構造部材と結合される。ファスナは、第1及び第2の構造部材の重ね合わされた部分に設けられる挿入孔に、挿入孔内において第1及び第2の構造部材と電気的に非接触となるように挿入されることによって第1の構造部材と第2の構造部材とを結合させる。導電体は、第1及び第2の構造部材の少なくとも一方の内部に少なくとも一部が埋め込まれ、少なくとも一部が埋め込まれた第1及び第2の構造部材の少なくとも一方の内部を流れる電流を他方側に導く電流の経路を形成することによってファスナと第1及び第2の構造部材との間におけるスパークを防止する。【選択図】図3

Description

本発明の実施形態は、航空機用構造体、航空機用構造体の製造方法及び航空機用構造体の設計情報の作成方法に関する。
航空機の機体を構成する主翼等の構造体が被雷すると大電流が流れる。航空機の典型的な構造体は、複数のパネル(外板)を連結した構造を有している。このため、航空機が被雷すると複数のパネルの連結部において、スパークが発生する恐れがある。スパークが発生すると、温度上昇により溶融物が飛散する可能性がある。一方、一般に、航空機の主翼は燃料タンクを兼ねており、スパークに伴って生じる溶融物が可燃性の燃料蒸気に接触しないように対策を施す必要がある。
そこで、複数のパネルを導電性を有するブリッジ層で連結する技術が考案されている(例えば特許文献1参照)。この技術によれば、被雷によってパネルを流れる電流を、ブリッジ層を経由させて別のパネルに流すことができる。すなわち、ブリッジ層によってパネル間における電気的連続性を確保することができる。
また、パネルを構造材と連結するためのファスナに絶縁性シーラントを塗布したり、絶縁ワッシャや絶縁スペーサを使用することにより、ファスナに電流が流れることを抑止する技術も考案されている(例えば特許文献2参照)。ファスナに絶縁性シーラントを塗布する場合には、ファスナと挿入孔との間に絶縁性シーラント層を形成させるための隙間を設ける必要がある。このようなファスナと挿入孔との間に隙間が形成された状態でファスナを取付ける結合法は、クリアランスフィットと呼ばれる。
クリアランスフィットによりファスナを取付ける場合には、ファスナと挿入孔との間における距離が必ずしも一定とならない。このため、絶縁ワッシャや絶縁スペーサを使用してファスナの絶縁性を高めたとしても、ファスナとパネルとの間においてスパークが発生する可能性を確実に回避することは依然として困難である。
そこで、ファスナを挿入孔に接触させて複数のパネルを連結する技術が考案されている(例えば特許文献3参照)。ファスナを挿入孔に接触させた状態でファスナを取付ける結合法は、インターフェアレンスフィット又はトランジションフィットと呼ばれる。この方法では、ファスナが絶縁されずに、連結対象となるパネル間において電流を流すための導体として利用される。
特開平2−225200号公報 特開2009−227166号公報 特開2012−192752号公報
しかしながら、インターフェアレンスフィットとなるようにファスナでパネルを連結する方法を採用すると、ファスナとパネルとの接触によりパネルが損傷する恐れがある。特に、近年ではパネルの材料として複合材の利用が進んでおり、複合材パネルと金属性のファスナとの接触による複合材パネルの損傷を防止することは重要な課題である。
また、燃料タンクのアクセスパネルのようにパネルの開閉が行われる場合には、ファスナの着脱が生じることになる。このため、ファスナの着脱によるパネルの損傷防止が一層重要な課題となる。しかも、インターフェアレンスフィットの場合、アクセスパネルを開閉する度にパネルの損傷だけではなくファスナも摩耗し、パネルの修理及び交換に加えて、新しいファスナと交換する必要が生じる場合も多い。加えて、パネルとファスナとの間に隙間が存在するクリアランスフィットの場合に比べて、インターフェアレンスフィットの場合には、ファスナの着脱作業に手間がかかることになる。更に、インターフェアレンスフィットの場合には、連結対象となるパネルに設けられる挿入孔の製造誤差に対する許容範囲が狭くなるというデメリットがある。
このように、ファスナの連結法としてインターフェアレンスフィットを採用すると、パネルの損傷、ファスナの摩耗、ファスナの着脱作業時における労力の増加及び製造誤差における自由度の低下といったデメリットが生じる。一方、ファスナの連結法としてクリアランスフィットを採用すると、上述したようにファスナとパネルとの隙間に不均一性が存在することから被雷時にスパークが発生するリスクが生じるという問題がある。
そこで本発明は、被雷時におけるスパークを防止しつつ、より良好な条件で航空機用のパネルを連結できるようにすることを目的とする。
本発明の実施形態に係る航空機用構造体は、第1の構造部材、第2の構造部材、ファスナ及び導電体を備える。第2の構造部材は、前記第1の構造部材と結合される。ファスナは、前記第1の構造部材及び前記第2の構造部材の重ね合わされた部分に設けられる挿入孔に、前記挿入孔内において前記第1の構造部材及び前記第2の構造部材と電気的に非接触となるように挿入されることによって前記第1の構造部材と前記第2の構造部材とを結合させる。導電体は、前記第1の構造部材及び前記第2の構造部材の少なくとも一方の内部に少なくとも一部が埋め込まれ、前記少なくとも一部が埋め込まれた前記第1の構造部材及び前記第2の構造部材の少なくとも一方の内部を流れる電流を他方側に導く電流の経路を形成することによって前記ファスナと前記第1の構造部材及び前記第2の構造部材との間におけるスパークを防止する。
また、本発明の実施形態に係る航空機用構造体の製造方法は、第1の構造部材を製造するステップと、前記第1の構造部材と結合するための第2の構造部材を製造するステップと、前記第1の構造部材及び前記第2の構造部材の少なくとも一方の内部を流れる電流を他方側に導く電流の経路を形成する導電体であって、前記第1の構造部材と前記第2の構造部材とを結合させるためのファスナと前記第1の構造部材及び前記第2の構造部材との間におけるスパークを防止するための導電体の少なくとも一部を前記第1の構造部材及び前記第2の構造部材の少なくとも一方の内部に埋め込むステップと、前記第1の構造部材及び前記第2の構造部材を重ね合わせ、前記第1の構造部材及び前記第2の構造部材の重ね合わされた部分に挿入孔を設けるステップと、前記挿入孔に、前記挿入孔内において前記第1の構造部材及び前記第2の構造部材と電気的に非接触となるように前記ファスナを挿入することによって前記第1の構造部材と前記第2の構造部材とを結合させるステップとを有するものである。
また、本発明の実施形態に係る航空機用構造体の設計情報の作成方法は、第1の構造部材の形状を設計するステップと、前記第1の構造部材と結合するための第2の構造部材の形状を設計するステップと、前記第1の構造部材及び前記第2の構造部材の重ね合わされた部分に設けられる挿入孔に、前記挿入孔内において前記第1の構造部材及び前記第2の構造部材と電気的に非接触となるように挿入されることによって前記第1の構造部材と前記第2の構造部材とを結合させるファスナの位置を決定するステップと、前記第1の構造部材及び前記第2の構造部材の少なくとも一方の内部に少なくとも一部が埋め込まれ、前記少なくとも一部が埋め込まれた前記第1の構造部材及び前記第2の構造部材の少なくとも一方の内部を流れる電流を他方側に導く電流の経路を形成することによって前記ファスナと前記第1の構造部材及び前記第2の構造部材との間におけるスパークを防止するための導電体の位置を決定するステップとを有するものである。
本発明の第1の実施形態に係る航空機用構造体の一例を示す構造図。 図1に示すファスナの取付状態を示す位置A−Aにおける断面図。 図1に示す導電体の取付状態を示す位置B−Bにおける断面図。 図1に示す導電体と導電層との間における空隙に、導電体と導電層との間における電流の経路を形成するための導電性のシムを設けた例を示す図。 本発明の第2の実施形態に係る航空機用構造体の構造を示す断面図。 図5に示す第2の実施形態における航空機用構造体の変形例を示す断面図。 本発明の第3の実施形態に係る航空機用構造体の構造を示す断面図。 図7に示す第3の実施形態における航空機用構造体の第1の変形例を示す断面図。 図7に示す第3の実施形態における航空機用構造体の第2の変形例を示す断面図。
本発明の実施形態に係る航空機用構造体、航空機用構造体の製造方法及び航空機用構造体の設計情報の作成方法について添付図面を参照して説明する。
(第1の実施形態)
(構成及び機能)
図1は本発明の第1の実施形態に係る航空機用構造体の一例を示す構造図、図2は図1に示すファスナの取付状態を示す位置A−Aにおける断面図、図3は図1に示す導電体の取付状態を示す位置B−Bにおける断面図である。
航空機用構造体1は、少なくとも第1の構造部材2、第2の構造部材3、ファスナ4及び導電体5を有する。第2の構造部材3は、ファスナ4によって第1の構造部材2と結合される。具体的には、第1の構造部材2の端部に第2の構造部材3の端部が重ね合わされる。そして、第1の構造部材2及び第2の構造部材3の重ね合わされた部分にファスナ4の挿入孔が設けられる。更に、第1の構造部材2及び第2の構造部材3の重ね合わされた部分に形成された挿入孔にファスナ4が挿入されることによって第1の構造部材2と第2の構造部材3とが結合される。
但し、ファスナ4は、挿入孔内において第1の構造部材2及び第2の構造部材3と電気的に非接触となるように挿入される。すなわち、ファスナ4は、クリアランスフィットとなるように挿入孔に挿入される。ファスナ4は、図2に示すように結合用ボルト4A及び結合用ナット4Bで構成することができる。
図1は、第1の構造部材2が燃料タンクのケーシングを兼ねる主翼のパネルであり、第2の構造部材3が燃料タンクへのアクセスパネルである場合の例を示している。具体的には、板状の第1の構造部材2に2箇所の矩形の開口部が燃料タンクへのアクセス用に設けられている。そして、第1の構造部材2に設けられた2つの開口部がそれぞれアクセスパネルである板状の第2の構造部材3によって閉塞されている。
この場合、図2に示すようにアクセスパネルとなる第2の構造部材3を開閉できるように大気側に配置される場合が多い。また、第2の構造部材3を第1の構造部材2から着脱できるように、第2の構造部材3の縁が第1の構造部材2の縁と、オーバーラップするように、第2の構造部材3のサイズ及び第1の構造部材2の開口部のサイズが決定される。そして、第1の構造部材2と第2の構造部材3とがオーバーラップする部分において、第1の構造部材2と第2の構造部材3とがファスナ4で結合される。すなわち、アクセスパネルが、ファスナ4によりクリアランスフィットで主翼のパネルに取付けられる。
第2の構造部材3によって開口部が閉塞された第1の構造部材2の内部空間は、燃料タンクとなる。すなわち、第1の構造部材2及び第2の構造部材3で囲まれた空間側は、燃料側となる。従って、第2の構造部材3を開閉できるように、結合用ボルト4Aは、図2に示すように大気側から燃料側に向かって挿入される。すなわち、結合用ボルト4Aは、第2の構造部材3側から第1の構造部材2側に挿入される。このため、結合用ボルト4Aの頭は第2の構造部材3から大気側に突出する。一方、結合用ボルト4Aの先端は、第1の構造部材2から燃料側に突出する。
そして、結合用ボルト4Aの先端は、燃料タンク内となる第1の構造部材2の燃料側において結合用ナット4Bと連結される。これにより、第1の構造部材2及び第2の構造部材3がファスナ4によって固定される。
このようなアクセスパネルを取付けた主翼等の航空機用構造体1が被雷すると、航空機用構造体1に電流が流れる。第1の構造部材2及び第2の構造部材3が金属である場合はもちろん、複合材である場合においても、第1の構造部材2の表面及び内部に電流が流れる。特に、複合材が炭素繊維強化プラスチック(CFRP: Carbon Fiber Reinforced Plastics)である場合には、炭素繊維が雷電流の導体となり得る。
航空機用構造体1において雷電流が空間を伝播すると、スパークが生じる。スパークが生じると、温度上昇によりファスナ4、第1の構造部材2及び第2の構造部材3等の一部が溶融して飛散する可能性がある。このため、スパークの発生を防止することが必要である。特に、航空機用構造体1が燃料タンクを兼ねた翼構造である場合には、可燃性の燃料蒸気にスパークに伴って生じる溶融物が接触しないようにすることが必須である。
航空機用構造体1においてスパークが発生するリスクが高いのは、クリアランスフィットにより取付けられたファスナ4と、第1の構造部材2及び第2の構造部材3との間の隙間である。特に、第1の構造部材2及び第2の構造部材3の少なくとも一方が、複合材で構成される構造部材である場合には、伝導率が高い金属性のファスナ4が雷電流の経路となるリスクが高い。
そこで、ファスナ4に絶縁性シーラントを塗布してもよい。或いは、ファスナ4として絶縁材料で構成される絶縁ボルトを使用してもよい。これにより、第1の構造部材2及び第2の構造部材3から雷電流がファスナ4に流れ込むことによってスパークが生じることをある程度防止することができる。
また、第1の構造部材2から燃料側に突出する結合用ボルト4Aの先端及び結合用ナット4Bがファスナ用絶縁キャップ4Cでシールされる。実用的には、図2に示すように結合用ナット4Bとしてドームナットが使用される。この場合、結合用ボルト4Aの先端がドームナットの内部となるため、ドームナットがファスナ用絶縁キャップ4Cでシールされる。これにより、第1の構造部材2から燃料側に突出するファスナ4と燃料タンク内との間が絶縁される。
しかしながら、ファスナ4は、クリアランスフィットにより第1の構造部材2及び第2の構造部材3に取付けられるため、隙間を経由してファスナ4に電流が流れ込む可能性は依然として残る。これは、結合用ボルト4Aに絶縁性シーラントを塗布するか否かを問わず、クリアランスフィットにより取付けた場合には、結合用ボルト4Aと、第1の構造部材2及び第2の構造部材3との間の隙間が不均一となるためである。特に、結合用ボルト4Aに絶縁性シーラントを塗布する場合には、絶縁性シーラントが挿入孔内において固まった後に挿入孔内に微小な隙間が形成される可能性がある。
しかも、第1の構造部材2及び第2の構造部材3の一方又は双方が複合材であり、かつファスナ4として用いられる結合用ボルト4Aが金属性である場合には、電気伝導率の高い結合用ボルト4Aへの電流の流入リスクが高くなる。このため、結合用ボルト4Aへの電流の流入リスクを一層低減することが重要である。
そこで、ファスナ4と第1の構造部材2及び第2の構造部材3との間におけるスパークを防止するための導電体5が航空機用構造体1に設けられる。図示された例では、第1の構造部材2と第2の構造部材3が重ね合わされる部分に導電体5が設けられている。より具体的には、第1の構造部材2の大気側に重ね合わされる第2の構造部材3側から燃料側に向かって第1の構造部材2を貫通する導体用ボルト5Aが導電体5として設けられている。
従って、導体用ボルト5Aの頭は、第1の構造部材2と第2の構造部材3との間において第1の構造部材2側に埋め込まれる。すなわち、第1の構造部材2の挿入孔に差し込まれた導体用ボルト5Aの頭は、第2の構造部材3によって覆われる。従って、導体用ボルト5Aの頭は、大気側には曝されない。
一方、第1の構造部材2から燃料側に突出する導体用ボルト5Aの先端部に形成される雄ネジには、導体用ナット5Bが締付けられる。すなわち、導体用ナット5Bを導体用ボルト5Aの先端部に締付けることによって導体用ボルト5Aが第1の構造部材2に固定される。
この場合、導体用ボルト5Aの先端側及び導体用ナット5Bが、第1の構造部材2の燃料側に突出することになる。このため、導体用ボルト5Aの先端側及び導体用ナット5Bが、結合用ボルト4Aの先端側及び結合用ナット4Bと同様に、導体用絶縁キャップ5Cでシールされる。これにより、第1の構造部材2から燃料側に突出する導体用ボルト5Aの先端部及び導体用ナット5Bが、保護部材としての導体用絶縁キャップ5Cによって燃料タンク内から絶縁される。
導体用ナット5Bについても、ドームナットを使用することが実用的である。また、導体用ボルト5Aについては第1の構造部材2と電気的に接触させ、かつ第1の構造部材2を損傷させないようにスリーブボルトを使用することが実用的である。
このような導体用ボルト5Aを第1の構造部材2に設けると、第1の構造部材2の内部を流れる電流を第2の構造部材3側に導く電流の経路が導体用ボルト5Aによって形成される。換言すれば、導体用ボルト5Aが、第1の構造部材2の内部を流れる電流を第2の構造部材3側に導く電流の経路として機能する。すなわち、第1の構造部材2の内部を、第2の構造部材3との結合部分に向かって流れる電流を導体用ボルト5A内に導き、導体用ボルト5Aの頭から第2の構造部材3の第1の構造部材2側における表面層に電流を流すことができる。
従って、導電体5として導体用ボルト5Aを第1の構造部材2に設ければ、第1の構造部材2の内部を流れる電流が、クリアランスフィットによって第1の構造部材2及び第2の構造部材3を結合するための結合用ボルト4Aに流れ込む事態を抑止することができる。これにより、結合用ボルト4Aと第1の構造部材2及び第2の構造部材3との間におけるスパークの発生を防止することができる。そして、結合用ボルト4Aには電流を流すことなく第1の構造部材2及び第2の構造部材3の結合用に用いることができる。他方、導体用ボルト5Aについては、第1の構造部材2及び第2の構造部材3の結合用には使用せずに、電流を流すための導電体5として使用することができる。
しかも、導体用ボルト5Aの頭側は、第2の構造部材3で覆われるため大気側に曝されない。従って、導体用ボルト5Aに落雷し、高電流が導体用ボルト5Aに流れて溶解する事態も回避することができる。
図1に示す例では、燃料タンクへのアクセスパネルを主翼のパネルに取付けるための結合用ボルト4Aの間におけるアクセスパネルと主翼パネルとのオーバーラップ部分に、適切な間隔で複数の導体用ボルト5Aが設けられている。
結合用ボルト4Aへの電流の流れ込みをより確実に防止するためには、導体用ボルト5Aに加えて、図示されるように第1の構造部材2と第2の構造部材3との間に導電体5と接触する導電層6を設けることが効果的である。導電層6としては銅箔や銅ペースト等の電気伝導率が高く、かつ薄くできる材料を用いることが実用的である。
図1に示す例では、第2の構造部材3が燃料タンクへのアクセスパネルであり、第1の構造部材2と第2の構造部材3とのオーバーラップ部分が概ね矩形のリング状となっている。このため、第1の構造部材2と第2の構造部材3とのオーバーラップ部分にリング状の導電層6が設けられている。換言すれば、アクセスパネルが、導電層6を挟んで主翼パネルに取付けられる。但し、結合用ボルト4Aはクリアランスフィットであるため、結合用ボルト4Aは導電層6とも接触しない。従って、導電層6には、結合用ボルト4Aと接触しないように、結合用ボルト4Aの直径よりも十分に大きい挿入孔が設けられる。
図3に示すように導体用ボルト5Aの頭を導電層6と接触させると、第2の構造部材3側に向かって第1の構造部材2の内部を流れる電流は導体用ボルト5Aを経由して導電層6に導かれる。一方、第2の構造部材3側に向かって第1の構造部材2の大気側における表面層を流れる電流は導体用ボルト5Aを経由せずに直接導電層6に導かれる。つまり、第2の構造部材3側に向かって第1の構造部材2を流れる電流を全て導電層6に導くことができる。
電流が導電層6に導かれると、電流の一部が第2の構造部材3の燃料側、すなわち第1の構造部材2側における第2の構造部材3の表面層に流れ込む可能性があるが、電流の大部分は電気伝導率の高い導電層6を経由して電流の進行方向に向かって反対側の第1の構造部材2に再び流れ込む。すなわち、第1の構造部材2の内部を流れる電流の大部分は導体用ボルト5Aを経由して一旦導電層6に導かれ、電流の進行方向に向かって反対側の導体用ボルト5Aを経由して再び第1の構造部材2の内部に流入する。つまり、第2の構造部材3側に向かって第1の構造部材2を流れる電流の大部分が、第2の構造部材3を迂回することになる。
このように、アクセスパネルと主翼パネルとの間に導電層6を設け、かつアクセスパネルの結合用ボルト4A間に主翼パネル側を流れる電流を導電層6に導くための導体用ボルト5Aを設けることによって、雷電流の経路を形成することができる。換言すれば、航空機用構造体1全体の電気伝導率を向上させることができる。その結果、結合用ボルト4Aへの電流の流入を一層確実に回避することが可能となる。
尚、アクセスパネルと主翼パネルとの間に介在する導電層6の一端は大気側となり、他端は燃料側となる。そこで、図示されるように燃料側における導電層6の端部を絶縁体7でシールすることが望ましい。また、大気側における導電層6の端部を絶縁体で保護してもよい。
第1の構造部材2と第2の構造部材3との間に導電層6を形成する場合には、上述したような電流の経路を形成させるために導体用ボルト5Aの頭を導電層6と十分に接触させることが重要である。そこで、図3に例示されるような皿頭の導体用ボルト5Aを第1の構造部材2に挿入することによって、導体用ボルト5Aの頭が第2の構造部材3側に突出することなく、導体用ボルト5Aを導電層6と電気的に接触させることができる。すなわち、導電体5を第1の構造部材2に完全に埋め込んだ状態で導電層6と電気的に接触させることができる。
しかしながら、皿頭の導体用ボルト5Aの頭の位置を正確に合わせることは困難な場合が多い。すなわち、導体用ボルト5Aを締付けると、導体用ボルト5Aの頭が第1の構造部材2の表面から凹む場合がある。そのような場合には、導体用ボルト5Aの頭と導電層6との間に空隙が生じないように導電性を有するシムを設けることが適切である。
図4は図1に示す導電体5と導電層6との間における空隙に、導電体5と導電層6との間における電流の経路を形成するための導電性のシムを設けた例を示す図である。
図4に例示されるように、導体用ボルト5Aの頭と導電層6との間に導電性を有するシム5Dを設けることによって導体用ボルト5Aと導電層6との間における電気的連続性を確保することができる。シム5Dの材料としては、導電層6と同様に銅箔や銅ペースト等の電気伝導率が高く、かつ所望の形状を容易に形成できる材料を用いることが実用的である。
このように、導電性のシム5Dと、皿頭の導体用ボルト5Aとを併用することによって、導電体5を第1の構造部材2に完全に埋め込んだ状態で導電層6と電気的に確実に接触させることができる。すなわち、導電体5を第1の構造部材2から突出させずに、導電層6と接触させることが可能となる。
(設計情報の作成方法及び製造方法)
次に航空機用構造体1の設計情報の作成方法及び航空機用構造体1の製造方法について説明する。
図1に例示されるような航空機用構造体1の設計情報を作成して提供する場合には、主翼パネル等を含む第1の構造部材2の形状が公知の手法によって設計される。一方、第1の構造部材2と結合するための、燃料タンクへのアクセスパネル等の第2の構造部材の形状が公知の手法によって設計される。
次に、第1の構造部材2と第2の構造部材3とを結合させるファスナ4の位置が決定される。但し、ファスナ4は、第1の構造部材2及び第2の構造部材3の重ね合わされた部分に設けられる挿入孔に、挿入孔内において第1の構造部材2及び第2の構造部材3と電気的に非接触となるように挿入されるファスナとして設計される。つまり、クリアランスフィットとしてファスナ4が設計される。
加えて、第1の構造部材2の内部を流れる電流を第2の構造部材3側に導く電流の経路を形成するための導電体5として用いられる導体用ボルト5Aの位置が決定される。すなわち、ファスナ4と第1の構造部材2及び第2の構造部材3との間におけるスパークを防止するための導体用ボルト5Aの位置が決定される。このとき好適には、第1の構造部材2と第2の構造部材3との間に導電層6が形成されるように設計情報が作成される。この場合には、第1の構造部材2の内部を流れる電流を第2の構造部材3側の導電層6に導く電流の経路を形成するための導体用ボルト5Aの位置が決定されることになる。
このような手順で、図1から図3に例示されるような航空機用構造体1の設計情報を作成することができる。そして、作成された航空機用構造体1の設計情報を航空機の機体メーカや部品メーカ等に提供することができる。航空機用構造体1の設計情報が作成されると、作成された設計情報に従って航空機用構造体1を製造することが可能となる。航空機用構造体1の製造は、以下の手順で行うことができる。
まず、第1の構造部材2が設計仕様に従って公知の手法によって製造される。一方、第1の構造部材2と結合するための第2の構造部材3も設計仕様に従って公知の手法によって製造される。
次に、第1の構造部材2と第2の構造部材3とを結合させるためのファスナ4と第1の構造部材2及び第2の構造部材3との間におけるスパークを防止するための導電体5が第1の構造部材2に埋め込まれる。具体的には、導電体5として使用される導体用ボルト5Aが第1の構造部材2に設けられた貫通孔に挿入され、導体用ナット5Bで固定される。更に、導体用ボルト5Aの先端及び導体用ナット5Bが燃料側に突出する場合には、突出する部分が導体用絶縁キャップ5Cで絶縁される。
次に、第1の構造部材2及び第2の構造部材3を重ね合わせ、第1の構造部材2及び第2の構造部材3の重ね合わされた部分にファスナ4の挿入孔が設けられる。このとき、好適には、第1の構造部材2と第2の構造部材3との間に銅箔等の導電層6が設けられる。そして、第1の構造部材2及び第2の構造部材3を貫通する挿入孔に、ファスナ4を挿入することによって第1の構造部材2と第2の構造部材3とが結合される。但し、挿入孔内において第1の構造部材2及び第2の構造部材3と電気的に非接触となるようにファスナ4が挿入される。つまり、クリアランスフィットとなるようにファスナ4が挿入される。
ファスナ4として使用される結合用ボルト4Aには、絶縁性シーラントを塗布してもよい。結合用ボルト4Aの先端は、結合用ナット4Bで固定される。また、結合用ボルト4Aの先端及び結合用ナット4Bが燃料側に突出する場合には、突出する部分がファスナ用絶縁キャップ4Cで絶縁される。更に、第1の構造部材2と第2の構造部材3との間に導電層6が設けられる場合において、導電層6の端部が燃料側となる場合には、燃料側となる導電層6の端部が絶縁体7でシールされる。
これにより、図1から図3に例示されるような航空機用構造体1を製造することができる。尚、第1の構造部材2と第2の構造部材3との間に導電層6が設けられる場合において、導体用ボルト5Aの頭と導電層6との間に空隙が生じる場合には、図4に示すようにシム5Dで空隙を埋めることができる。
つまり以上のような航空機用構造体1は、第1の構造部材2及び第2の構造部材3をファスナ4でクリアランスフィットとなるように結合する場合において、第1の構造部材2及び第2の構造部材3とファスナ4との間に形成される隙間に雷電流によるスパークが生じないように、雷電流の経路となる導電体5を設けたものである。
(効果)
このため、航空機用構造体1によれば、クリアランスフィットによる航空機部品の結合と、被雷時における航空機部品の結合部でのスパークの防止を両立させることができる。すなわち、ファスナ4による航空機部品の損傷回避、ファスナ4の摩耗防止、ファスナ4の着脱作業時における労力の低減及び製造誤差における自由度の確保といったインターフェアレンスフィットでは得られないクリアランスフィットのメリットを確保しつつ、被雷時におけるスパークも回避することができる。
特に、ファスナ4による結合対象が燃料タンクへのアクセスパネルである場合には、航空機の運航後においてアクセスパネルの着脱作業が生じる。このため、クリアランスフィットによるアクセスパネルの取付けは、メンテナンス作業の容易化の観点から重要である。すなわち、クリアランスフィットとなるようにアクセスパネルを取付ければ、ファスナ4の着脱が容易となり、点検作業に要する労力の低減化に繋げることができる。また、アクセスパネルの開閉によってファスナ4がすぐに摩耗しないため、ファスナ4の再利用が可能となる。すなわち、ファスナ4の寿命を向上させることができる。
これは、アクセスパネルに限らず、着脱を要する第2の構造部材3をファスナ4で第1の構造部材2に結合する場合においても同様である。
また、第1の構造部材2及び第2の構造部材3の少なくとも一方が複合材で構成される構造部材である場合に金属のファスナ4を使用すると、電気伝導率が高いファスナ4が電流経路となるリスクが高い。加えて、第1の構造部材2及び第2の構造部材3の少なくとも一方が複合材である場合、ファスナ4との接触による損傷回避が一層重要な要求事項となる。
このため、ファスナ4による結合対象が複合材である場合には、雷電流を流すための導電体5を設けることによって、スパークの発生リスクを飛躍的に低減することができる。加えて、ファスナ4と複合材との接触に伴う複合材の損傷リスクも飛躍的に低減することができる。
(第2の実施形態)
図5は本発明の第2の実施形態に係る航空機用構造体の構造を示す断面図である。
図5に示された第2の実施形態における航空機用構造体1Aでは、導電体5を第1の構造部材2に挿入するための挿入孔を貫通孔ではなく非貫通孔とした点が第1の実施形態における航空機用構造体1と相違する。第2の実施形態における航空機用構造体1Aの他の構成については第1の実施形態における航空機用構造体1と実質的に異ならないため導電体5の取付け方法のみ図示し、同一の構成又は対応する構成については同符号を付して説明を省略する。
図5に示すように第1の構造部材2に導電体5としての導体用ボルト5Aを挿入するための挿入孔を貫通孔ではなく非貫通孔(止まり孔)としてもよい。すなわち、第1の構造部材2と第2の構造部材3とが重ね合わされる側を入口として第1の構造部材2に設けられた貫通しない孔に導電体5としての導体用ボルト5Aを挿入することができる。
この場合、導体用ボルト5Aが第1の構造部材2から突出しない。このため、図3に示すような導体用ナット5B及び導体用絶縁キャップ5Cを省略することができる。また、第1の構造部材2が燃料タンクのケーシングである場合には、導電体5の燃料タンク内からの絶縁を一層確実にすることができる。
尚、導体用ボルト5Aを第1の構造部材2に固定するために、第1の構造部材2に雌ネジを形成する一方、導体用ボルト5Aとしてスリーブ部分のないボルトを使用することが現実的となる。但し、導体用ボルト5Aは、アクセスパネル等の結合用ボルト4Aと異なり、頻繁に着脱されない。このため、導体用ボルト5Aと第1の構造部材2との接触に起因する第1の構造部材2の損傷を、最小限に留めることができる。
(変形例)
図6は図5に示す第2の実施形態における航空機用構造体1Aの変形例を示す断面図である。
第1の構造部材2に挿入される導電体5としては、導体用ボルト5Aに限らず、任意の導電性を有する物体を挿入することができる。そのため、入手が容易なノックピン等の導体用ピン5Eを第1の構造部材2の非貫通孔に導電体5として挿入することもできる。
導体用ピン5Eを導電体5として使用する場合には、第1の構造部材2に設けられる非貫通孔に雌ネジを形成することなく、導体用ピン5Eの圧入によって導体用ピン5Eを第1の構造部材2に固定することができる。すなわち、導体用ピン5Eの直径に対してしまりばめの公差となるように第1の構造部材2に非貫通孔を設けるのみで、導体用ピン5Eを第1の構造部材2に固定することが可能となる。このため、航空機用構造体1Aの部品点数を軽減し、航空機用構造体1Aの構造を簡易にすることができる。
加えて、導体用ピン5Eを第1の構造部材2に圧入することによって導体用ピン5Eを第1の構造部材2と接触させれば、導体用ピン5Eと第1の構造部材2との間における電気的な接触を確実に得ることができる。
もちろん、導電体5として導体用ピン5Eを使用する場合においても、導体用ピン5Eと、必要に応じて設けられる導電層6との間に空隙が生じる場合には、電気的な接触を確実に得るために図4に例示されるように導電性を有するシム5Dによって空隙を埋めることができる。
(第3の実施形態)
図7は本発明の第3の実施形態に係る航空機用構造体の構造を示す断面図である。
図7に示された第3の実施形態における航空機用構造体1Bでは、導電体5を第1の構造部材2及び第2の構造部材3の双方に設けた点が第2の実施形態における航空機用構造体1Aと相違する。第3の実施形態における航空機用構造体1Bの他の構成については第2の実施形態における航空機用構造体1Aと実質的に異ならないため導電体5の取付け方法のみ図示し、同一の構成又は対応する構成については同符号を付して説明を省略する。
図7に示すように、導電体5を第1の構造部材2及び第2の構造部材3の双方に設けることもできる。より具体的には、図7に示す例では、第1の構造部材2と第2の構造部材3とが重ね合わされる側を入口として第1の構造部材2及び第2の構造部材3の双方に設けられた貫通しない孔に、それぞれ導体用ボルト5Aが導電体5として挿入されている。
そして、第1の構造部材2に挿入された第1の導体用ボルト5Aと、第2の構造部材3に挿入された第2の導体用ボルト5Aとが、導電層6を介して間接的かつ電気的に接続されている。導電層6を省略する場合には、第1の導体用ボルト5Aと第2の導体用ボルト5Aとを直接接触させて電気的に接続することが望ましい。尚、導電層6を介して第1の導体用ボルト5Aと第2の導体用ボルト5Aとが電気的に接続される場合には、第1の導体用ボルト5Aの中心軸の位置と、第2の導体用ボルト5Aの中心軸の位置が同一直線上とならない位置であってもよい。
このように、導電体5を第2の構造部材3側にも設ければ、被雷によって第2の構造部材3から第1の構造部材2側に向かって電流が流れた場合であっても、第2の構造部材3から導電層6又は第1の構造部材2に電流を導くための電流の経路を形成することができる。このため、第2の構造部材3から第1の構造部材2側に向かって電流が流れた場合であっても、クリアランスフィットとなっているファスナ4への電流の流入を阻止することができる。
尚、第2の導体用ボルト5Aを挿入するために第2の構造部材3に設けられる挿入孔は、非貫通孔となっている。従って、第2の構造部材3から第2の導体用ボルト5Aの先端が突出することはない。このため、第1の構造部材2と重ね合わされない側の第2の構造部材3の表面が大気に曝される場合であっても、第2の導体用ボルト5Aへの被雷を回避することができる。
つまり、第1の構造部材2に挿入される第1の導体用ボルト5A及び第2の構造部材3に挿入される第2の導体用ボルト5Aのいずれについても、ボルトの先端が第1の構造部材2及び第2の構造部材3から突出しないようにすることが重要である。このため、第1の導体用ボルト5Aの頭及び第2の導体用ボルト5Aの頭は、いずれも第1の構造部材2と第2の構造部材3とが重ね合わされる側となる。換言すれば、第1の構造部材2と第2の構造部材3とが重ね合わされる側において開口する非貫通孔を、第1の導体用ボルト5A及び第2の導体用ボルト5Aの挿入孔としてそれぞれ第1の構造部材2及び第2の構造部材3に設けることが適切である。
(第1の変形例)
図8は図7に示す第3の実施形態における航空機用構造体1Bの第1の変形例を示す断面図である。
第3の実施形態においても、図8に示すように導電体5として導体用ボルト5Aの代わりに導体用ピン5Eを用いることができる。導電体5として導体用ピン5Eを用いる場合においても導体用ボルト5Aを用いる場合と同様に、第1の構造部材2に挿入される第1の導体用ピン5Eと第2の構造部材3に挿入される第2の導体用ピン5Eとを電気的に接続し、かつ第1の導体用ピン5Eの先端及び第2の導体用ピン5Eの先端が、それぞれ第1の構造部材2及び第2の構造部材3から突出しないようにすることが適切である。
(第2の変形例)
図9は図7に示す第3の実施形態における航空機用構造体1Bの第2の変形例を示す断面図である。
導電体5として導体用ピン5Eを用いる場合には、単一の導体用ピン5Eを第1の構造部材2及び第2の構造部材3の双方に跨るように挿入するようにしてもよい。この場合には、導電層6を省略したとしても、電流を良好に他方の構造部材2、3に導くことが可能となる。
尚、第1の構造部材2又は第2の構造部材3を取外す必要がある場合には、導体用ピン5Eも第1の構造部材2又は第2の構造部材3から取外されることになる。従って、導体用ピン5Eを第1の構造部材2又は第2の構造部材3から安全に取外すことが可能であり、かつ電気的な接触を維持できる程度の公差で導体用ピン5Eの挿入孔を第1の構造部材2又は第2の構造部材3に形成することが適切である。
逆に、第1の構造部材2又は第2の構造部材3を取外す必要がない場合には、単一の導体用ピン5Eを第1の構造部材2及び第2の構造部材3の双方に圧入してもよい。この場合、航空機用構造体1Bの構造を非常に簡易にすることができる。
(他の実施形態)
以上、特定の実施形態について記載したが、記載された実施形態は一例に過ぎず、発明の範囲を限定するものではない。ここに記載された新規な方法及び装置は、様々な他の様式で具現化することができる。また、ここに記載された方法及び装置の様式において、発明の要旨から逸脱しない範囲で、種々の省略、置換及び変更を行うことができる。添付された請求の範囲及びその均等物は、発明の範囲及び要旨に包含されているものとして、そのような種々の様式及び変形例を含んでいる。
例えば、上述した各実施形態を組合わせたり、逆に一部の構成要素を省略してもよい。具体例として、航空機用構造体の部位によっては導電体5を第2の構造部材3にのみ設けてもよい。導電体5を第1の構造部材2及び第2の構造部材3の双方に設けるか否か並びに導電体5を第1の構造部材2及び第2の構造部材3のいずれに設けるかについては、被雷によって電流が流れる可能性のある方向に応じて決定することができる。
航空機が被雷した場合には、電流が流れる方向が概ね特定される場合が多い。これは、雷は、原理的に航空機の翼端等の平坦でない構造を有する部位に優先的に落ちるためである。例えば、翼が被雷した場合であれば、電流は翼端から胴体側に向かって概ね一方向に流れることになる。このため、翼端等の被雷が想定される部分は、通常、予め被雷に対する耐性が得られるように設計される。
つまり、被雷時における電流が第1の構造部材2から第2の構造部材3のみに流れるケース、第2の構造部材3から第1の構造部材2のみに流れるケース、第1の構造部材2及び第2の構造部材3から双方向に他方に流れ得るケースのいずれになるのかが航空機用構造体の部位に応じて変わることになる。
従って、航空機用構造体が主翼、尾翼、中央翼又は胴体等のどの部分に使用される構造体であるかに応じて導電体5を設ける対象を、第1の構造部材2及び第2の構造部材3から選択することができる。すなわち、電流の上流側となり得る桁(スパー)、小骨(リブ)、外板及び縦通材(ストリンガー)等の任意の構造部材のウェブやフランジ等の任意の位置に、スパーク防止用の導電体5を設けることができる。
具体的には、航空機用構造体の適用部位に応じて第1の構造部材2及び第2の構造部材3の少なくとも一方の内部に少なくとも導電体5の一部を埋め込むことができる。これにより、少なくとも一部が埋め込まれた第1の構造部材2及び第2の構造部材3の少なくとも一方の内部を流れる電流を他方側に導く電流の経路を形成することができる。
但し、機体の平坦な部分への被雷を回避することが重要である。従って、大気側に導電体5が突出しないようにすることが適切である。そこで、第1の構造部材2と第2の構造部材3とが重ね合わされる側を入口として第1の構造部材2及び第2の構造部材3の少なくとも一方に設けられた貫通しない孔に導電体5を挿入することで、大気側への導電体5の突出を回避することができる。或いは、燃料タンク内への導電体5の突出を回避することができる。
1、1A、1B 航空機用構造体
2 第1の構造部材
3 第2の構造部材
4 ファスナ
4A 結合用ボルト
4B 結合用ナット
4C ファスナ用絶縁キャップ
5 導電体
5A 導体用ボルト
5B 導体用ナット
5C 導体用絶縁キャップ
5D シム
5E 導体用ピン
6 導電層
7 絶縁体

Claims (12)

  1. 第1の構造部材と、
    前記第1の構造部材と結合される第2の構造部材と、
    前記第1の構造部材及び前記第2の構造部材の重ね合わされた部分に設けられる挿入孔に、前記挿入孔内において前記第1の構造部材及び前記第2の構造部材と電気的に非接触となるように挿入されることによって前記第1の構造部材と前記第2の構造部材とを結合させるファスナと、
    前記第1の構造部材及び前記第2の構造部材の少なくとも一方の内部に少なくとも一部が埋め込まれ、前記少なくとも一部が埋め込まれた前記第1の構造部材及び前記第2の構造部材の少なくとも一方の内部を流れる電流を他方側に導く電流の経路を形成することによって前記ファスナと前記第1の構造部材及び前記第2の構造部材との間におけるスパークを防止するための導電体と、
    を備える航空機用構造体。
  2. 前記第1の構造部材と前記第2の構造部材との間に前記導電体と接触する導電層を設けた請求項1記載の航空機用構造体。
  3. 前記導電体は、前記第1の構造部材と前記第2の構造部材が重ね合わされる部分に設けられる請求項1又は2記載の航空機用構造体。
  4. 前記導電体の少なくとも一部が埋め込まれた前記第1の構造部材及び前記第2の構造部材の少なくとも一方は、複合材で構成される構造部材である請求項1乃至3のいずれか1項に記載の航空機用構造体。
  5. 前記第1の構造部材は燃料タンクのケーシングを兼ねる翼のパネルであり、前記第2の構造部材は前記燃料タンクへのアクセスパネルである請求項1乃至4のいずれか1項に記載の航空機用構造体。
  6. 前記導電体として、前記第1の構造部材の大気側に重ね合わされる前記第2の構造部材側から燃料側に向かって前記第1の構造部材を貫通するボルトを前記第1の構造部材と前記第2の構造部材とが重ね合わされる部分に設け、
    前記第1の構造部材から前記燃料側に突出する前記ボルトの先端部に形成される雄ネジに締付けられることによって前記ボルトを前記第1の構造部材に固定するためのナットと、
    前記第1の構造部材から前記燃料側に突出する前記ボルトの先端部及び前記ナットを絶縁するための保護部材と、
    を更に有する請求項5記載の航空機用構造体。
  7. 前記導電体として、前記第1の構造部材と前記第2の構造部材とが重ね合わされる側を入口として前記第1の構造部材及び前記第2の構造部材の少なくとも一方に設けられた貫通しない孔に挿入されるピン又はボルトを設けた請求項1乃至5のいずれか1項に記載の航空機用構造体。
  8. 前記導電体として、前記第1の構造部材と前記第2の構造部材とが重ね合わされる側を入口として前記第1の構造部材及び前記第2の構造部材の双方に設けられた貫通しない孔にそれぞれ挿入されるピン又はボルトを設け、前記第1の構造部材に挿入されたピン又はボルトと、前記第2の構造部材に挿入されたピン又はボルトとを電気的に直接又は間接的に接続した請求項7記載の航空機用構造体。
  9. 前記ファスナに絶縁性シーラントを塗布した請求項1乃至8のいずれか1項に記載の航空機用構造体。
  10. 前記導電体と前記導電層との間における空隙に、前記導電体と前記導電層との間における電流の経路を形成する導電性のシムを設けた請求項2記載の航空機用構造体。
  11. 第1の構造部材を製造するステップと、
    前記第1の構造部材と結合するための第2の構造部材を製造するステップと、
    前記第1の構造部材及び前記第2の構造部材の少なくとも一方の内部を流れる電流を他方側に導く電流の経路を形成する導電体であって、前記第1の構造部材と前記第2の構造部材とを結合させるためのファスナと前記第1の構造部材及び前記第2の構造部材との間におけるスパークを防止するための導電体の少なくとも一部を前記第1の構造部材及び前記第2の構造部材の少なくとも一方の内部に埋め込むステップと、
    前記第1の構造部材及び前記第2の構造部材を重ね合わせ、前記第1の構造部材及び前記第2の構造部材の重ね合わされた部分に挿入孔を設けるステップと、
    前記挿入孔に、前記挿入孔内において前記第1の構造部材及び前記第2の構造部材と電気的に非接触となるように前記ファスナを挿入することによって前記第1の構造部材と前記第2の構造部材とを結合させるステップと、
    を有する航空機用構造体の製造方法。
  12. 第1の構造部材の形状を設計するステップと、
    前記第1の構造部材と結合するための第2の構造部材の形状を設計するステップと、
    前記第1の構造部材及び前記第2の構造部材の重ね合わされた部分に設けられる挿入孔に、前記挿入孔内において前記第1の構造部材及び前記第2の構造部材と電気的に非接触となるように挿入されることによって前記第1の構造部材と前記第2の構造部材とを結合させるファスナの位置を決定するステップと、
    前記第1の構造部材及び前記第2の構造部材の少なくとも一方の内部に少なくとも一部が埋め込まれ、前記少なくとも一部が埋め込まれた前記第1の構造部材及び前記第2の構造部材の少なくとも一方の内部を流れる電流を他方側に導く電流の経路を形成することによって前記ファスナと前記第1の構造部材及び前記第2の構造部材との間におけるスパークを防止するための導電体の位置を決定するステップと、
    を有する航空機用構造体の設計情報の作成方法。
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