JP2016155271A - 平版印刷版原版 - Google Patents

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孔明 関口
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昌道 神谷
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Koji Hayashi
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英次 早川
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Abstract

【課題】機上現像可能であり、且つ、優れた印刷特性及び耐薬品性を備える平版印刷版原版を提供すること。
【解決手段】基板、及び、前記基板上に形成された画像形成層を備え、前記画像形成層がインキ及び湿し水の一方、又は、インキ及び湿し水の両方によって除去可能である平版印刷版原版であって、
前記画像形成層が、(A)少なくとも1種のラジカル重合開始剤、及び、(B)少なくとも1種のラジカル重合性基、並びに、少なくとも1つのウレタン結合及び少なくとも2つの別個の尿素結合、又は、少なくとも1つの尿素結合及び少なくとも2つの別個のウレタン結合を有するラジカル重合性化合物
を含む、平版印刷版原版。
【選択図】なし

Description

本発明は、平版印刷版原版に関し、特に、デジタル信号に基づいて固体レーザー又は半導体レーザーから赤外線を照射することにより直接画像を形成できる、いわゆるコンピューター・トゥ・プレート(CTP)版として用いられる赤外線感受性又は感熱性の平版印刷版原版に関する。
近年、コンピュータ画像処理技術の進歩に伴い、デジタル信号に対応した輻射線照射により直接感光層に画像を書き込む方法が開発されている。この方法を平版印刷版に利用し、銀塩マスクフィルムへの出力を行わずに、直接、平版印刷版原版に画像を形成するコンピューター・トゥ・プレート(CTP)システムが注目されている。輻射線照射の光源として、近赤外線又は赤外線領域に最大強度を有する高出力レーザーを用いるCTPシステムは、短時間の露光で高解像度の画像が得られること、そのシステムに用いる平版印刷版原版が明室での取り扱いが可能であること、等の利点を有している。特に、波長760nm〜1200nmの赤外線を放射する固体レーザー及び半導体レーザーは、高出力かつ小型のものが容易に入手できるようになってきている。
ところで、このような固体レーザー又は半導体レーザーを用いて画像を形成することが可能な平版印刷版原版として、露光後に、従来の現像処理を行わず、そのまま印刷機に装着して、画像形成層の不要部分を湿し水等を用いて除去することができる、所謂「機上現像」可能なものが、特表2008−509245公報、特開2002−287334公報及び特開2009−234268公報に開示されている。
特表2008−509245公報 特開2002−287334公報 特開2009−234268公報
特表2008−509245公報、特開2002−287334公報及び特開2009−234268公報に記載されるような機上現像可能な平版印刷版原版は、従来の現像処理に伴う廃液処理が不要であり、環境への負荷が小さい。
しかし、これらの機上現像可能な平版印刷版原版において、印刷特性及び化学薬品への耐性の更なる改善が求められている。
本発明は、上記の現状に鑑みて為されたものであり、機上現像可能であり、且つ、優れた印刷特性及び耐薬品性を備える平版印刷版原版を提供することを目的とする。
本発明の目的は、基板、及び、前記基板上に画像形成層を備え、前記画像形成層がインキ及び湿し水の一方、又は、インキ及び湿し水の両方によって除去可能である平版印刷版原版であって、
前記画像形成層が、
(A)少なくとも1種のラジカル重合開始剤、及び、
(B)少なくとも1種のラジカル重合性基、並びに、少なくとも1つのウレタン結合及び少なくとも2つの別個の尿素結合、又は、少なくとも1つの尿素結合及び少なくとも2つの別個のウレタン結合を有するラジカル重合性化合物
を含む、平版印刷版原版によって達成される。
前記(B)成分中のウレタン結合及び尿素結合は、少なくとも、ポリアミン化合物又はヒドロキシアミン化合物、アルコール化合物及びポリイソシアネート化合物から誘導されることが好ましい。
前記アルコール化合物が前記ラジカル重合性基を有することが好ましい。
前記(B)成分は、ポリ(アルキレンオキシド)部位、アリーレン部位、ヘテロアリーレン部位及び(ビ)シクロアルキレン部位からなる群から選択される少なくとも1種を有することが好ましい。
前記ポリ(アルキレンオキシド)部位が2〜500のアルキレンオキシド単位を有することが好ましい。
前記(B)成分は画像形成層の全質量に対し1〜50質量%の割合で画像形成層中に存在することが好ましい。
前記画像形成層は、前記(B)成分とは異なる、少なくとも1種の追加のラジカル重合性化合物(C)を更に含むことが好ましい。
前記(C)成分が少なくとも1種のポリ(アルキレンオキシド)部位を有することが好ましい。
前記(C)成分が多官能性ウレタンアクリレートであることが好ましい。
前記(A)成分が熱重合開始剤を含むことが好ましい。
前記画像形成層が更に(D)光熱変換物質を含むことが好ましい。
前記画像形成層が更に(E)粒子状の高分子バインダー(但し、前記(B)成分を除く)を含むことが好ましい。
本発明は、上記の平版印刷版原版を機上現像する工程を含む平版印刷版の製造方法にも関する。前記製造方法は、前記平版印刷版原版を画像様露光する工程、前記平版印刷版原版を印刷機上に載置する工程、及び、前記平版印刷版原版をインキ及び湿し水の一方、又は、インキ及び湿し水の両方と接触させて現像する機上現像工程をこの順で含むか、或いは、前記平版印刷版原版を印刷機上に載置する工程、前記平版印刷版原版を画像様露光する工程、及び、前記平版印刷版原版をインキ及び湿し水の一方、又は、インキ及び湿し水の両方と接触させて現像する機上現像工程をこの順で含むことができる。
本発明の平版印刷版原版は機上現像可能であり、且つ、優れた印刷特性及び耐薬品性を備える。特に、本発明の平版印刷版原版は、良好なインキ受容性を備えており、印刷機上において速やかに現像可能であり、且つ、長期保存可能であり、また、高い印刷耐性を発揮することができる。
また、本発明の平版印刷版原版ではレーザー露光による画像形成が可能である。
そして、本発明の平版印刷版原版は、通常の現像処理が不要であり、これに伴う現像液の廃液処理が不要である。したがって、本発明の平版印刷版原版を用いて平版印刷版を比較的短時間で効率的に製造可能であり、また、平版印刷版製造(製版)の環境負荷を抑制することができる。
本発明の平版印刷版原版は、基板、及び、前記基板上に画像形成層を備え、前記画像形成層がインキ及び湿し水の一方、又は、インキ及び湿し水の両方によって除去可能である平版印刷版原版であって、
前記画像形成層が、
(A)少なくとも1種のラジカル重合開始剤、及び、
(B)少なくとも1種のラジカル重合性基、並びに、少なくとも1つのウレタン結合及び少なくとも2つの別個の尿素結合、又は、少なくとも1つの尿素結合及び少なくとも2つの別個のウレタン結合を有するラジカル重合性化合物
を含む。なお、平版印刷版原版は感光性平版印刷版とも称される。
[基板]
本発明の平版印刷版原版における基板としては、平版印刷版原版への使用に必要な強度、耐久性、可撓性等の特性を有するものであれば、任意のものを使用することができる。
基板としては、例えば、アルミニウム、亜鉛、銅、ステンレス、鉄等の金属板;ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリビニルアセタール、ポリエチレン等のプラスチックフィルム;合成樹脂を溶融塗布あるいは合成樹脂溶液を塗布した紙、プラスチックフィルム等に金属層を真空蒸着、ラミネート等の技術により設けた複合材料;その他平版印刷版の支持体として使用されている材料が挙げられる。これらのうち、特に、アルミニウム基板、及び、アルミニウムが他の材質の基板上に被覆された複合基板の使用が好ましい。
アルミニウム基板の表面は、保水性を高め、画像形成層若しくは任意に設けられる中間層との密着性を向上させる目的で表面処理されていることが望ましい。そのような表面処理としては、例えば、ブラシ研磨法、ボール研磨法、電解エッチング、化学的エッチング、液体ホーニング、サンドブラスト等の粗面化処理、及び、これらの組合せが挙げられる。これらの中でも、特に電解エッチングの使用を含む粗面化処理が好ましい。
電解エッチングの際に用いられる電解浴としては、酸、アルカリ又はそれらの塩を含む水溶液あるいは有機溶剤を含む水性溶液が用いられる。これらの中でも、特に、塩酸、硝酸、又はそれらの塩を含む電解液が好ましい。
さらに、粗面化処理の施されたアルミニウム基板は、必要に応じて酸又はアルカリの水溶液にてデスマット処理される。このようにして得られたアルミニウム基板は、陽極酸化処理されることが望ましい。特に、硫酸又はリン酸を含む浴で処理する陽極酸化処理が望ましく、また更に、陽極酸化処理後、酸水溶液又はアルカリ水溶液に接触させ、該陽極酸化皮膜中のマイクロポアの径を拡大させるポアワイド処理を行うことも望ましく、いずれの場合も、陽極酸化被膜に存在するマイクロポアのポア径が5〜100nmの範囲に入るように処理されることが望ましい。硫酸陽極酸化の場合の孔径は典型的には20nm未満であるが、リン酸陽極酸化の場合の孔径は20nm以上である。陽極酸化処理された基板は、20nm以上の、例えば20〜100nmの、径の孔を表面に有することが好適でありうる。
また、粗面化処理(砂目立て処理)及び陽極酸化処理後、親水化処理が施されたアルミニウム基板も好ましい。親水化処理としては、熱水、及び無機塩又は有機塩を含む熱水溶液へのアルミニウム支持体の浸漬、又は水蒸気浴等による封孔処理、ケイ酸塩処理(ケイ酸ナトリウム、ケイ酸カリウム)、フッ化ジルコニウム酸カリウム処理、ホスホモリブデート処理、アルキルチタネート処理、ポリアクリル酸処理、ポリビニルスルホン酸処理、ポリビニルホスホン酸処理、フィチン酸処理、親水性有機高分子化合物と2価の金属との塩による処理、スルホン酸基、カルボン酸基、又はアミド基を有する、又はそれらを二種以上有する水溶性重合体の下塗りによる親水化処理、酸性染料による着色処理、シリケート電着、特開2011−215476号公報の、例えば[0048]、特に[0055]に記載のフッ素化合物とリン酸塩との混合溶液による処理等の処理を行うことができる。前記親水化処理としては、ポリアクリル酸等の水溶性ポリマーを少なくとも1種を含む下塗り層を基板表面に形成することが好ましい。
[画像形成層]
本発明の平版印刷版原版は少なくとも1つの画像形成層を備える。必要に応じて、複数の画像形成層を備えてもよい。なお、画像形成層は感光層とも称される。本発明の平版印刷版原版は画像様露光された部位が硬化して画像部を形成するネガ型の画像形成層を少なくとも備えており、当該画像形成層は、好ましくは、赤外線レーザー照射部が硬化して画像部を形成するサーマルネガタイプである。
本発明の平版印刷版原版中の画像形成層は、
(A)少なくとも1種のラジカル重合開始剤、及び、
(B)少なくとも1種のラジカル重合性基、並びに、少なくとも1つのウレタン結合及び少なくとも2つの別個の尿素結合、又は、少なくとも1つの尿素結合及び少なくとも2つの別個のウレタン結合を有するラジカル重合性化合物を含む組成物から調製される。したがって、前記画像形成層は少なくとも上記成分(A)及び(B)を含む。以下、上記成分(A)及び(B)について説明する。
{ラジカル重合開始剤}
(A)ラジカル重合開始剤は、ラジカル重合性化合物の重合反応を開始させるためのラジカルを生成する。(A)ラジカル重合開始剤は単一の化合物でもよく、複数の化合物の組合せ又は系であってもよい。
(熱重合開始剤又は光重合開始剤)
(A)ラジカル重合開始剤は少なくとも1種の熱重合開始剤又は少なくとも1種の光重合開始剤、或いは、その両方を含むことが好ましい。
熱重合開始剤又は光重合開始剤としては、温度又は使用する光源の波長により、特許文献、非特許文献等で公知である種々の熱重合開始剤又は光重合開始剤、あるいは2種以上の熱重合開始剤又は光重合開始剤の併用系(熱重合開始系又は光重合開始系)を適宜選択して使用することができる。なお、本発明においては単独で用いる熱重合開始剤又は光重合開始剤、或いは、2種以上の熱重合開始剤又は光重合開始剤を併用した系を総括して単にそれぞれ「熱重合開始剤」又は「光重合開始剤」という。
熱重合開始剤としては、有機ボレート化合物、オニウム塩及びこれらの組合せが好適である。これらの熱重合開始剤は単独でもまたそれぞれ2種以上組合せて用いてもよい。
有機ボレート化合物は、後述する光熱変換物質と併用することで重合開始剤としての機能を発現することができる。有機ボレート化合物としては、下記式(1)で表される4級ボレートアニオンのアンモニウム塩が好適である。
Figure 2016155271
(式中、R,R,R及びRは、それぞれ独立してアルキル基、アリール基、アルカリール基、アリル基、アラルキル基、アルケニル基、アルキニル基、脂環式基、または飽和もしくは不飽和複素環式基を示す。また、R ,R ,R およびRは、それぞれ独立して水素原子、アルキル基、アリール基、アリル基、アルカリール基、アラルキル基、アルケニル基、アルキニル基、脂環式基、または飽和もしくは不飽和複素環式基を示す。)
これらの中でも、効率よく重合機能を発揮できることから、テトラn−ブチルアンモニウムn−ブチルトリフェニルボレート、テトラn−ブチルアンモニウムn−ブチルトリナフチルボレート、テトラn−ブチルアンモニウムn−ブチルトリ(p−t−ブチルフェニル)ボレート、テトラメチルアンモニウムn−ブチルトリフェニルボレート、テトラメチルアンモニウムn−ブチルトリナフチルボレート、テトラメチルアンモニウムn−オクチルトリフェニルボレート、テトラメチルアンモニウムn−オクチルトリナフチルボレート、テトラエチルアンモニウムn−ブチルトリフェニルボレート、テトラエチルアンモニウムn−ブチルトリナフチルボレート、トリメチルハイドロゲンアンモニウムn−ブチルトリフェニルボレート、トリエチルハイドロゲンアンモニウムn−ブチルトリフェニルボレート、テトラハイドロゲンアンモニウムn−ブチルトリフェニルボレート、テトラメチルアンモニウムテトラn−ブチルボレート、テトラエチルアンモニウムテトラn−ブチルボレート、テトラエチルアンモニウムテトラフェニルボレート、テトラエチルアンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートなどが好ましく用いられる。
上記の有機ボレート化合物は、後述する光熱変換物質(例えば、D)と併用することで、例えば、赤外線の照射によって下記式(2)に示すようにラジカル(R・)を発生させ、重合開始剤としての機能を発現することができる(式中、Phはフェニル基または水素原子がフッ素原子で置換されたフェニル基、Rはフェニル基、水素原子がフッ素原子で置換されたフェニル基または炭素数1〜8個のアルキル基、X はアンモニウムイオンを示す)。
Figure 2016155271
有機ボレート化合物の含有量は、画像形成層の固形分に対して、0.1〜15質量%の範囲が好ましく、0.5〜7質量%の範囲が特に好ましい。有機ボレート化合物の含有量が0.1質量%未満では、重合反応が不十分となり、硬化が不足して、得られるネガ型感光性平版印刷版の画像部が弱くなるおそれがあり、有機ボレート化合物の含有量が15質量%を超えると、重合反応が効率的に起こらないおそれがある。また必要に応じて、2種以上の有機ボレート化合物を併用してもよい。
熱重合開始剤はオニウム塩であることが好ましい。
オニウム塩は、分子中に1個以上のオニウムイオン原子を有するカチオンと、アニオンとからなる塩である。オニウム塩におけるオニウムイオン原子としては、スルホニウムにおけるS 、ヨードニウムのI、アンモニウムにおけるN、ホスホニウムにおけるP 原子、ジアゾニウムのN などが挙げられる。中でも、好ましいオニウムイオン原子としては、S、I、N が挙げられる。オニウム塩の構造としては、トリフェニルスルホニウム、ジフェニルヨードニウム、ジフェニルジアゾニウム、およびそれら化合物のベンゼン環にアルキル基、アリール基、アルコキシ基、ハロゲン原子等を導入した誘導体、およびその化合物のベンゼン環にアルキル基、アリール基等を導入した誘導体が挙げられる。
オニウム塩のアニオンとしては、ハロゲン陰イオン、ClO 、PF 、BF 、SbF 、CHSO 、CFSO 、CSO 、CHSO 、HOCSO 、ClCSO 、上記式(2)で表されるボレート陰イオンなどが挙げられる。
オニウム塩としては、感度、保存安定性の点から、分子中にS を有するオニウム塩と、分子中にI を有するオニウム塩とを組合せたものも好ましい。また、オニウム塩としては、感度、保存安定性の点から、1分子中に2個以上のオニウムイオン原子を有する多価オニウム塩も好ましい。ここで、カチオン中の2個以上のオニウムイオン原子は、共有結合により連結されている。多価オニウム塩の中でも、1分子中に2種以上のオニウムイオン原子を有するものが好ましく、1分子中にS およびI を有するものもより好ましい。特に、多価オニウム塩としては、下記式(3)、(4)で示されるものが好ましい。
Figure 2016155271
Figure 2016155271
さらに、特開2002−082429号公報の段落番号[0033]〜[0038]に記載されたオニウム塩並びに特表2009−538446号公報の段落番号[0037]〜[0049](国際公開第2007/139687号公報第9頁第3行〜第12頁第23行)に記載されたホウ酸ヨードニウム錯体も本発明において好適に用いることができる。
本発明の好ましい態様では、後述する光熱変換物質が赤外線を吸収し、吸収した赤外線を熱に変換し、この際発生した熱により、オニウム塩が分解し、ラジカルが発生する。発生したラジカルにより、ラジカル重合性化合物の重合反応が連鎖的に進行し、画像形成層の露光部位が硬化する。
オニウム塩の含有量は、画像形成層又は画像形成層の調製用組成物の固形分に対して、0.1〜25質量%の範囲が好ましく、1.0〜15質量%の範囲が特に好ましい。オニウム塩の含有量が0.1質量%未満では、重合反応が不十分となり、得られるネガ型感光性平版印刷版の感度、耐刷性が不十分となるおそれがあり、オニウム塩の含有量が25質量%を超えると、得られるネガ型感光性平版印刷版の現像性が悪くなるおそれがある。また必要に応じて、2種以上のオニウム塩を併用してもよい。また、多価オニウム塩と、一価のオニウム塩とを併用してもよい。
光重合開始剤としては、例えば、トリアジン系化合物が好適である。これらの光重合開始剤は単独でもまたそれぞれ2種以上組合せて用いてもよい。
トリアジン系化合物は、ラジカル重合に用いられる公知の重合開始剤であり、例えば、ビス(トリハロメチル)−s−トリアジン等を好適に光重合開始剤として使用することができる。
トリアジン系化合物の配合量は、通常わずかなものである。また、不適当に多い場合には感度低下や塗工後に画像形成層内で結晶化して再析出を起こす等の好ましくない結果を生じる。トリアジン系化合物の含有量は、画像形成層又は画像形成層の調製用組成物の固形分に対して0.1〜15質量%の範囲で使用するのが好ましい。特に0.5〜7質量%で良好な結果を得る。
また、光重合開始剤にはメルカプト−3−トリアゾール等のメルカプト化合物、アミン化合物等の任意の促進剤を加えてもよい。
有機ボレート化合物、オニウム塩、トリアジン系化合物以外の重合開始剤を使用する場合は、当該重合開始剤は、画像形成層又はその調製用組成物(固形分)に対し0.001〜20質量%、好ましくは0.01〜10質量%、特に好ましくは0.1〜5質量%の割合で画像形成層又はその調製用組成物中に存在することができる。
(光熱変換物質)
画像形成層、特に、画像形成層に含まれるラジカル重合開始剤、は少なくとも1種の(D)光熱変換物質を含むことが好ましい。
本明細書において「光熱変換物質」とは電磁波を熱エネルギーに変換することのできる任意の物質を意味しており、最大吸収波長が近赤外線から赤外線領域にある物質、具体的には最大吸収波長が760nm〜1200nmの領域にある物質である。このような物質としては、例えば、種々の顔料又は染料が挙げられる。
本発明で使用される顔料としては、市販の顔料、及び、カラーインデックス便覧「最新顔料便覧日本顔料技術協会編、1977年刊」、「最新顔料応用技術」(CMC出版、1986年刊)、「印刷インキ技術」(CMC出版、1984年刊)等に記載されている顔料が利用できる。顔料の種類としては、黒色顔料、黄色顔料、オレンジ色顔料、褐色顔料、赤色顔料、紫色顔料、青色顔料、緑色顔料、蛍光顔料、その他ポリマー結合染料等が挙げられる。具体的には、不溶性アゾ顔料、アゾレーキ顔料、縮合アゾ顔料、キレートアゾ顔料、フタロシアニン系顔料、アントラキノン系顔料、ペリレン及びペリノン系顔料、チオインジゴ系顔料、キナクリドン系顔料、ジオキサジン系顔料、イソインドリノン系顔料、キノフタロン系顔料、染め付けレーキ顔料、アジン顔料、ニトロソ顔料、ニトロ顔料、天然顔料、蛍光顔料、無機顔料、カーボンブラック等が使用できる。
これらの中でも、特に、近赤外線から赤外線領域の輻射線を効率よく吸収し、しかも経済的に優れた物質として、カーボンブラックが好ましく用いられる。また、このようなカーボンブラックとしては、種々の官能基を有する分散性のよいグラフト化カーボンブラックが市販されており、例えば、「カーボンブラック便覧第3版」(カーボンブラック協会編、1995年)の167ページ、「カーボンブラックの特性と最適配合及び利用技術」(技術情報協会、1997年)の111ページ等に記載されているものが挙げられ、いずれも本発明に好適に使用される。
これらの顔料は表面処理をせずに用いてもよく、また公知の表面処理を施して用いてもよい。公知の表面処理方法としては、樹脂やワックスを表面コートする方法、界面活性剤を付着させる方法、シランカップリング剤やエポキシ化合物、ポリイソシアネート等の、反応性物質を顔料表面に結合させる方法等が挙げられる。これらの表面処理方法については、「金属石鹸の性質と応用」(幸書房)、「最新顔料応用技術」(CMC出版、1986年刊)、「印刷インキ技術」(CMC出版、1984年刊)に記載されている。本発明で使用される顔料の粒径は、0.01〜15マイクロメートルの範囲にあることが好ましく、0.01〜5マイクロメートルの範囲にあることが更に好ましい。
本発明で使用される染料としては、公知慣用のものが使用でき、例えば、「染料便覧」(有機合成化学協会編、昭和45年刊)、「色材工学ハンドブック」(色材協会編、朝倉書店、1989年刊)、「工業用染料の技術と市場」(シーエムシー、1983年刊)、「化学便覧応用化学編」(日本化学会編、丸善書店、1986年刊)に記載されているものが挙げられる。より具体的には、アゾ染料、金属鎖塩アゾ染料、ピラゾロンアゾ染料、アントラキノン染料、フタロシアニン染料、カルボニウム染料、キノンイミン染料、メチン染料、シアニン染料、インジゴ染料、キノリン染料、ニトロ系染料、キサンテン系染料、チアジン系染料、アジン染料、オキサジン染料等の染料が挙げられる。
また、近赤外線又は赤外線を効率よく吸収する染料としては、例えば、アゾ染料、金属錯塩アゾ染料、ピラゾロンアゾ染料、ナフトキノン染料、アントラキノン染料、フタロシアニン染料、カルボニウム染料、キノンイミン染料、メチン染料、シアニン染料、スクワリリウム染料、ピリリウム塩、金属チオレート錯体(例えば、ニッケルチオレート錯体)等の染料を用いることができる。中でも、シアニン染料が好ましく、特開2001−305722号公報の一般式(I)で示されたシアニン染料、特開2002−079772号の[0096]〜[0103]で示されている化合物を挙げることができる。
特に、染料としては、前記熱重合開始剤に効率よく重合機能を発揮させることから、下記式で表される近赤外線吸収性陽イオン染料が好ましい。
Figure 2016155271
(式中、 D は近赤外線領域に吸収を持つ陽イオン色素を示し、A はアニオンを示す。)
近赤外線領域に吸収を持つ陽イオン色素としては、近赤外線領域に吸収を持つシアニン系色素、トリアリールメタン系色素、アミニウム系色素、ジインモニウム系色素等が挙げられる。近赤外線領域に吸収を持つ陽イオン色素の具体例としては、以下に示すものが挙げられる。
Figure 2016155271
Figure 2016155271
Figure 2016155271
アニオンとしては、ハロゲン陰イオン、ClO 、PF 、BF 、SbF 、CHSO 、CFSO 、CSO 、CHSO 、HOCSO 、ClCSO 、および下記式(5)で表されるボレート陰イオンなどが挙げられる。ボレート陰イオンとしては、トリフェニルn−ブチルボレート陰イオン、トリナフチルn−ブチルボレート陰イオン、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート陰イオン及びテトラフェニルボレート陰イオンが好ましい。
Figure 2016155271
(式中、R ,R ,R 及びR は、それぞれ独立して、アルキル基、アリール基、アラルキル基、アルケニル基、アルキニル基、脂環式基、又は、飽和若しくは不飽和複素環式基を示す)
光熱変換物質としては、以下の化学式で表されるシアニン染料が特に好ましい。
Figure 2016155271
Figure 2016155271
またその他好ましいシアニン色素の具体例としては、特開2001−133969号公報の段落番号[0017]〜[0019]に記載の化合物、特開2002−023360号公報の段落番号[0016]〜[0021]、特開2002−040638号公報の段落番号[0012]〜[0037]に記載の化合物、好ましくは特開2002−278057号公報の段落番号[0034]〜[0041]、特開2008−195018公報の段落番号[0080]〜[0086]に記載の化合物、最も好ましくは特開2007−90850号公報の段落番号[0035]〜[0043]に記載の化合物が挙げられる。また特開平5−5005号公報の段落番号[0008]〜[0009]、特開2001−222101号公報の段落番号[0022]〜[0025]に記載の化合物も好ましく使用することができる。
光熱変換物質は、画像形成層又はその調製用組成物(固形分)に対し0.001〜20質量%、好ましくは0.01〜10質量%、より好ましくは0.1〜5質量%の割合で画像形成層又はその調製用組成物中に存在することができる。添加量が0.001質量%未満であると感度が過度に低くなり、また5質量%を超えると印刷時非画像部に汚れが発生するおそれがある。これらの光熱変換物質は、1種のみを用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
{ラジカル重合性化合物}
本発明の平版印刷版原版の画像形成層に含まれる(B)ラジカル重合性化合物(以下、「(B)成分」という)は、少なくとも1種のラジカル重合性基、並びに、少なくとも1つのウレタン結合及び少なくとも2つの別個の尿素結合、又は、少なくとも1つの尿素結合及び少なくとも2つの別個のウレタン結合を有する。前記(B)成分は単一の化合物でもよく、複数の化合物の組合せであってもよい。
前記(B)成分中のウレタン結合及び尿素結合の数は、ウレタン結合1個及び別個の尿素結合2個でもよく、或いは、尿素結合1個及び別個のウレタン結合2個でもよいが、ウレタン結合及び尿素結合がそれぞれ2〜4個存在してもよい。したがって、ウレタン結合1個及び別個の尿素結合2〜4個でもよく、或いは、尿素結合1個及び別個のウレタン結合2〜4個でもよい。
更に、前記(B)成分中のウレタン結合及び尿素結合の数としては、例えば、以下の態様:
ウレタン結合数2、尿素結合数3; ウレタン結合数2、尿素結合数4; ウレタン結合数3、尿素結合数3; ウレタン結合数3、尿素結合数4; ウレタン結合数4、尿素結合数3; ウレタン結合数4、尿素結合数4; ウレタン結合数3、尿素結合数1;ウレタン結合数4、尿素結合数1;ウレタン結合数3、尿素結合数2;ウレタン結合数4、尿素結合数2
が挙げられる。
前記(B)成分中のラジカル重合性基は、少なくとも1つのウレタン結合及び少なくとも2つの別個の尿素結合、又は、少なくとも1つの尿素結合及び少なくとも2つの別個のウレタン結合を介して(B)成分の末端、特に両末端、に結合していることが好ましい。
前記(B)成分は、ポリ(アルキレンオキシド)部位、アリーレン部位、ヘテロアリーレン部位及び(ビ)シクロアルキレン部位からなる群から選択される少なくとも1種を有することが好ましい。前記ポリ(アルキレンオキシド)部位は2〜1000、好ましくは2〜500、更に好ましくは2〜300のアルキレンオキシド単位を有することができる。アルキレンオキシド単位はエチレンオキシド、プロピレンオキシド及びブチレンオキシドからなる群から選択される少なくとも1種からなることが好ましい。
「別個の」尿素結合とは、尿素結合(−NRCONR−:Rは、独立して、水素原子、C1−6アルキル基等の一価有機基を表す)が独立して複数存在していることを意味しており、各尿素結合の化学構造は同一であっても異なっていてもよい。各尿素結合間にはアルキレン部位、ポリ(アルキレンオキシド)部位、アリーレン部位、ヘテロアリーレン部位、(ビ)シクロアルキレン部位等のスペーサーが存在することが好ましい。尿素結合が2量化したビウレット(−NRCONRCONR−:Rは独立して水素原子等)は「別個」の尿素結合に相当しない。
「別個の」ウレタン結合とは、ウレタン結合(−NRCOO−:Rは、水素原子、C1−6アルキル基等の一価有機基を表す)が独立して複数存在していることを意味しており、各ウレタン結合の化学構造は同一であっても異なっていてもよい。各ウレタン結合間にはアルキレン部位、ポリ(アルキレンオキシド)部位、アリーレン部位、ヘテロアリーレン部位、(ビ)シクロアルキレン部位等のスペーサーが存在することが好ましい。
前記(B)成分は、少なくとも、ポリアミン化合物又はヒドロキシアミン化合物、アルコール化合物及びポリイソシアネート化合物から誘導されることが好ましい。すなわち、前記(B)成分は、少なくとも、ポリアミン化合物又はヒドロキシアミン化合物、アルコール化合物、及び、ポリイソシアネート化合物の反応によって得られることが好ましい。ポリイソシアネート化合物のイソシアネート基とアルコール化合物又はヒドロキシアミン化合物の水酸基との反応でウレタン結合が形成され、また、ポリイソシアネートのイソシアネート基とポリアミン化合物又はヒドロキシアミン化合物のアミノ基との反応で尿素結合が形成される。
前記ポリアミン化合物は2以上のアミノ基を有しており、1分子中に2つのアミノ基を有するジアミン、及び、3以上のアミノ基を有するポリアミンを包含する。
ジアミンは、2つのアミノ基を有するものであれば特に限定されるものではないが、ポリオキシアルキレンジアミン、3,3−ジアミノジフェニルスルホン、ノルボルナンジアミン、2,4−ジアミノ−6−ヒドロキシピリミジン、1,3−ジアミノプロパン、p−キシレンジアミン、m−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、4,4′−ジアミノジフェニルプロパン、4,4′−ジアミノジフェニルメタン、4,4′−ジアミノジフェニルエーテル、4,4′−ジアミノジフェニルスルホン、3,3′−ジメチル−4,4′−ジアミノジフェニルメタン、1,5−ジアミノナフタリン、1,4−ジアミノアントラキノン、2,6−ジアミノアントラキノン、2,6−ジアミノピリジン、4,6−ジアミノ−2−メルカプトピリミジン、1,6−ジアミノヘキサン等を挙げることができる。
3以上のアミノ基を有するポリアミンとしては、例えば、ポリオキシアルキレントリアミン、2,4,6−トリアミノピリミジン、ポリアミン樹脂(ポリビニルアミンポリマー、ポリアリルアミンポリマー、ポリジアリルアミン樹脂、アミノ(メタ)アクリレートポリマー等)が挙げられる。
前記ヒドロキシアミン化合物は1以上の水酸基及び1以上のアミノ基を有している。ヒドロキシアミン化合物としては、例えば、1−アミノ−2−プロパノール、1−アミノ−3−プロパノール、2−アミノ−2−メチル−1,3−プロパンジオール、2−アミノ−2−ヒドロキシメチル−1,3−プロパンジオール等が挙げられる。
前記アルコール化合物は1以上の水酸基を有しており、1分子中に1つの水酸基を有するモノアルコール、1分子中に2つの水酸基を有するジオール、及び、1分子中に3以上の水酸基を有するポリオールを包含する。なお、ここでの「アルコール化合物」はアミノ基を有さない。したがって、前記アルコール化合物は前記ヒドロキシアミン化合物ではない。
1つの水酸基を有するモノアルコールとしては、例えば、水酸基を含むエチレン系不飽和型化合物が挙げられる。水酸基を含むエチレン系不飽和型化合物は、末端基であることが好ましい少なくとも1つの非芳香族C−C二重結合を含む。水酸基は好ましくは、二重結合された炭素原子に結合されておらず、水酸基はカルボキシ基の部分ではない。1つの水酸基に加えて、エチレン系不飽和型化合物は、イソシアネートと反応することができる更なる官能基、例えばイミノ基を含まないことが好ましい。
前記エチレン系不飽和型化合物の例は、ヒドロキシ(C1−C12)アルキル(メタ)アクリレート(例えば2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−又は3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−、3−、又は4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート);ヒドロキシ(C1−C12)アルキル(メタ)アクリルアミド(例えば2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミド、2−又は3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリルアミド、2−、3−又は4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリルアミド);オリゴマー又はポリマーエチレングリコール又はプロピレングリコールのモノ(メタ)アクリレート(例えばポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート);アリルアルコール;4−ヒドロキシ(C1−C12)アルキルスチレン(例えば4−ヒドロキシメチルスチレン);4−ヒドロキシスチレン;ヒドロキシシクロヘキシル(メタ)アクリレートを含む。
前記エチレン系不飽和型化合物の例としては、更に、アルコール性水酸基を複数有する化合物と、カルボキシル基及び(メタ)アクリロイル基を含有する化合物とのエステル化反応で得られた化合物であって、アルコール性水酸基を1以上有する化合物、すなわち、アルコール性水酸基が少なくとも1個残るような割合で上記カルボキシル基含有化合物を反応させた反応物が挙げられる。より具体的には、アクリル酸3モルとペンタエリスリトール1モルを反応させた化合物、アクリル酸2モルとペンタエリスリトール1モルを反応させた化合物、アクリル酸5モルとジペンタエリスリトール1モルを反応させた化合物、アクリル酸4モルとジペンタエリスリトール1モルを反応させた化合物等の多価アルコール類とアクリル酸とのエステルであって1以上のアルコール性水酸基を有する水酸基含有多官能アクリレート化合物が挙げられ、具体的な化合物としては、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールジアクリレート、ジペンタエリスリトールジアクリレート、ジペンタエリスリトールトリアクリレート、ジペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート等が挙げられる。
ジオールは、2つの水酸基を有するものであれば特に限定されるものではないが、ジメチロールプロパン、ポリプロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,3−プロパンジオール、ポリテトラメチレンエーテルグリコール、ポリエステルポリオール、ポリマーポリオール、ポリカプロラクトンポリオール、ポリカーボネートジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ポリブタジエンポリオール、1,4−ジヒドロキシメチルベンゼン等が挙げられる。
3以上の水酸基を有するポリオールとしては、グリセリン;エリスリトール、キシリトール、マンニトール、ソルビトール、キシリトール等の糖アルコール;ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール等が挙げられる。
前記ポリイソシアネート化合物は複数のイソシアネート基を有しており、1分子中に2つのイソシアネート基を有するジイソソアネート、及び、1分子中に3以上のイソシアネート基を有するポリイソシアネートを包含する。
ジイソシアネートは、2つのイソシアネート基を有するものであれば特に限定されるものではないが、例えば、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ナフチレン−1,5−ジイソシアネート、テトラメチルキシレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、トルエン−2,4−ジイソシアネート、トルエン−2,6−ジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、水添キシリレンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、ノルボルネンジイソシアナート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、ダイマー酸ジイソシアネート等が挙げられる。
ポリイソシアネートは、3つ以上のイソシアネート基を有するものであれば特に限定されるものではないが、例えば、トリフェニルメタン−4,4,4−トリイソシアネート等、並びに、グリセリン、ペンタエリスリトール、ポリグリセリン等の1分子中に3つ以上のアルコール性水酸基を含有する化合物に、ヘキサメチレンジイソシアネート、トルエンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート等のジイソシアネート化合物を反応させて得られた化合物;エチレングリコール等の1分子中に2つ以上のアルコール性水酸基を含有する化合物に、旭化成株式会社製のデュラネート P−301−75E、E−402ー90T、E−405−80T等のアダクトタイプ等の1分子中にイソシアネート基を少なくとも3つ以上含有する化合物を反応させたもの等が挙げられる。
本発明では前記アルコール化合物が前記ラジカル重合性基を有することが好ましい。
ラジカル重合性基を有するアルコール化合物としては、例えば、上記の水酸基を含むエチレン系不飽和型化合物が挙げられる。
ポリアミン化合物又はヒドロキシアミン化合物、アルコール化合物及びポリイソシアネート化合物の反応を行う場合、まず、ポリイソシアネート化合物とアルコール化合物を反応させ、次に、当該反応により得られたモノイソシアネート化合物を更にポリアミン化合物又はヒドロキシアミン化合物と反応させることが好ましい。
前記(B)成分はイソシアネート基を有さないことが好ましい。したがって、ポリアミン化合物又はヒドロキシアミン化合物のアミノ基又は水酸基:前記モノイソシアネート化合物のイソシアネート基のモル比は5:1〜1:1が好ましく、3:1〜1:1がより好ましく、2:1〜1:1が更により好ましい。
前記(B)成分は、画像形成層又はその調製用組成物(固形分)に対し1〜50質量%、好ましくは3〜35質量%、特に好ましくは5〜20質量%の割合で存在することができる。
[高分子バインダー]
本発明の平版印刷版原版の画像形成層又はその調製用組成物は、前記(B)成分以外の(E)少なくとも1種の粒子状の高分子バインダーを含むことができる。前記(E)高分子バインダーはラジカル重合性基を含まないことが好ましい。
前記(E)高分子バインダーは、ポリマー粒子の形態であって、50nm以上の平均粒径を有し、且つ、ポリ(アルキレンオキシド)部位を有するポリマーからなるポリマー粒子であることが好ましい。2種以上のポリマー粒子を含んでもよい。前記ポリマー粒子を含むことにより、画像形成層への水等の浸透性が高まり、機上現像性が向上する。
前記ポリマー粒子の平均粒径は50nm以上である限り特に限定されるものではないが、50nm〜2000nmの範囲が好ましく、100〜1500nmの範囲がより好ましく、150〜1200nmの範囲が更により好ましい。
平均粒径は、レーザー回折・散乱法等を用いた公知の測定装置により測定することができる。なお、ここでの平均粒径はレーザー回折式粒度分布測定装置を使用して測定された体積平均粒子径を意味する。
いくつかの実施態様の場合、アルキレンオキシド部位は、(C1-C6)アルキレンオキシド基、より典型的には(C1-C)アルキレンオキシド基である。例えば、アルキレンオキシド部位は、炭素原子1〜4の直鎖状又は分枝状アルキレンオキシド基を含むことができ、これらの基は、-[CH2O-]、-[CH2CH2O-]、-[CH(CH3)O-]、-[CH2CH2CH2O-]、-[CH(CH3)CH2O-]、-[CH2CH(CH3)O-]、-[CH2CH2CH2CH2O-]、-[CH(CH3)CH2CH2O-]、-[CH2CH(CH3)CH2O-]、-[CH2CH2CH(CH3)O-]、又は、前記のもののいずれかの置換形を含む。いくつかの実施態様の場合、ポリ(アルキレンオキシド)部位は、このような構成単位から成る。1つの実施態様の場合、ポリ(アルキレンオキシド)単位は、-[CH2CH2O-]構成単位から成る。
ポリ(アルキレンオキシド)単位は、典型的には、全部で、1〜200個、好ましくは2〜150個、より好ましくは10〜100個のアルキレンオキシド構成単位を含む。一般には、ポリ(アルキレンオキシド)単位の数平均分子量(Mn)は、約300〜約10,000、好ましくは約500〜約5,000、そしてより好ましくは約1,000〜約3,000である。
ポリ(アルキレンオキシド)部位を含む好適なペンダント基は、下記一般式(1):
Figure 2016155271
若しくは、一般式(2):
Figure 2016155271
(式中、xは1〜5までの整数であり、yは1〜400までの整数であり、R1は独立に水素原子、またはメチル基を表し、R2は水素原子、または炭素原子数1〜8の1価炭化水素基を表す)、又は、下記一般式(3):
Figure 2016155271
若しくは、下記一般式(4):
Figure 2016155271
(式中、nとzは1〜5までの整数であり、mとqはそれぞれ独立した1〜200までの整数であり、R及びR4はそれぞれ独立に水素原子、またはメチル基を表し、ただしnとzが同じ数字の場合にはR及びR4はそれぞれ異なり、Rは水素原子、または炭素原子数1〜8の1価炭化水素基を表す)
で表される化学構造を有する。
炭素原子数1〜8の一価炭化水素基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基等のアルキル基;シクロペンチル基、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基;ビニル基、アリル基、ブテニル基等のアルケニル基;フェニル基、トリル基等のアリール基;ベンジル基等のアラルキル基;及び、これらの基の炭素原子に結合した水素原子が少なくとも部分的にフッ素等のハロゲン原子、又は、エポキシ基、グリシジル基、アシル基、カルボキシル基、アミノ基、メタクリル基、メルカプト基等を含む有機基で置換された基(但し、総炭素原子数は1〜8)が挙げられる。
ポリ(アルキレンオキシド)部位を含む好適なペンダント基の具体例は、下記式:
-C(=O)O-[CH2CH2O-]yCH3
を有しており、上記式中、yは約10〜約100であり、そしてより好適にはyは約25〜約75である。1実施態様の場合、yは約40〜約50である。
前記ポリマーは、好ましくは、約10,000〜約250,000、より好ましくは約25,000〜約200,000の数平均分子量(Mn)によって特徴付けられうる。
前記ポリマーは、バインダーとして機能することが可能であり、また、一般に、室温で固形であり、そして典型的には非エラストマーの熱可塑性材料である。前記ポリマーは、一般に、親水性及び疎水性の両方の領域を含む。いかなる理論にも縛られはしないが、疎水性領域と親水性領域との組合せは、露光済領域と未露光領域との区別化を高めることにより、現像可能性を容易にするのに重要であると考えられる。
前記ポリマーは、付加ポリマー又は縮合ポリマーであってよい。付加ポリマーは、例えばアクリレートエステル及びメタクリレートエステル、アクリル酸及びメタクリル酸、メチルメタクリレート、アリルアクリレート及びアリルメタクリレート、アクリルアミド及びメタクリルアミド、アクリロニトリル及びメタクリロニトリル、スチレン、ヒドロキシスチレン又はこれらの組合せから調製することができる。好適な縮合ポリマーは、ポリウレタン、エポキシ樹脂、ポリエステル、ポリアミド、並びに、フェノール/ホルムアルデヒド及びピロガロール/アセトンポリマーを含むフェノール系ポリマーを含む。
前記ポリマーは、好ましくは、上記ペンダント基が結合した構成単位を含む疎水性主鎖(バックボーン)を含む。いくつかの実施態様において、前記ポリマーがエチレン系不飽和型モノマーの組合せから誘導されたコポリマーである場合のように、疎水性主鎖は全炭素主鎖である。他の実施態様において、疎水性主鎖は、高分子バインダーが縮合反応又は何らかの他の手段によって形成される場合のように、疎水性主鎖はヘテロ原子を含んでよい。
具体的には、前記2種以上のポリ(アルキレンオキシド)部位を有するポリマーは、
ポリ(アルキレンオキシド)部位を含まない主鎖、及び
前記2種以上のポリ(アルキレンオキシド)部位を含む2種以上のペンダント基
を有するポリマーであることが好ましい。「ポリ(アルキレンオキシド)部位を含まない」とは、ポリ(アルキレンオキシド)が主鎖中に全く存在しないことを意味する。前記主鎖は好ましくは疎水性であり、前記ペンダント基は好ましくは親水性である。
前記ポリマーは、例えば、少なくとも、ポリ(アルキレングリコール)アルキルエーテル(メタ)アクリレート、及び、ポリ(アルキレングリコール)(メタ)アクリレートからなる群から選択される少なくとも2種から誘導することができる。
前記ポリマーは、疎水性主鎖に直接的に結合されたペンダントシアノ基(-C≡N)を有する複数の構成単位を含むことが好ましい。一例として挙げるならば、ペンダントシアノ基を有する構成単位は、-[CH2CH(C≡N)-]及び-[CH2C(CH3)(C≡N)-]を含む。
ペンダントシアノ基を有する構成単位は、エチレン系不飽和型モノマー、例えばアクリロニトリル又はメタクリロニトリルから、又はこれらの組合せから誘導することができる。本明細書中に使用される「(メタ)アクリロニトリル」という用語は、アクリロニトリル又はメタクリロニトリル、又はアクリロニトリルとメタクリロニトリルとの組合せが、上記目的に適していることを示す。
本発明のいくつかの実施態様の場合、前記ポリマーは、1つのコモノマーとして(メタ)アクリロニトリルから誘導されたコポリマーである。しかし、ペンダントシアノ基を有する構成単位は、他の従来の手段によって、ポリマー中に導入することもできる。例えば、前記ポリマーは、シアノアクリレートモノマー、例えばメチルシアノアクリレート又はエチルシアノアクリレートから誘導されたコポリマーであってよい。別の実施態様の場合、前記ポリマーは、(メタ)アクリロニトリルとエチルシアノアクリレートモノマーとの組合せから誘導することができる。
本発明の具体的な実施態様の場合、前記ポリマーの主鎖はまた、他の好適な重合性モノマー又はオリゴマーから誘導された構成単位を含むことができる。例えば、前記ポリマーは、アクリレートエステル、メタクリレートエステル、スチレン、ヒドロキシスチレン、アクリル酸、メタクリル酸、メタクリルアミド、又は前記のもののいずれかの組合せから誘導された構成単位を含んでよい。特に好適なのは、スチレン又はメタクリルアミドから誘導された構成単位である。やはり好適なのは、メチルメタクリレート又はアリルメタクリレートから誘導された構成単位である。具体的には、疎水性主鎖に直接的に結合された無置換型又は置換型のペンダントフェニル基を有する構成単位が有用であり得る。置換型フェニル基は、例えば4-メチルフェニル、3-メチルフェニル、4-メトキシフェニル、4-シアノフェニル、4-クロロフェニル、4-フルオロフェニル、4-アセトキシフェニル、及び3,5-ジクロロフェニルを含む。このような構成単位は、例えばスチレン又は置換型スチレンモノマーから誘導することができる。
いくつかの実施態様の場合、高分子バインダーは、シロキサン官能基を含有するペンダント基を有する構成ユニットを含む。好適な高分子バインダー及びこれらの調製に関しては、「On-Press Developable Imageable Element(オン・プレス現像が可能な画像形成可能要素)」と題された、同時係属中の米国特許出願第10/842,111号明細書に記載されており、その内容はここに組み込まれる。
前記ポリマーの場合、総反復単位の大部分がペンダントシアノ基を含んでもよい。前記ポリマー中の総構成単位の約70質量%〜約99.9質量%、典型的には約75質量%〜約95質量%が、疎水性主鎖に直接的に結合されたペンダントシアノ基を含むことができる。一方、前記ポリマーの中の総構成単位の一部だけが、2種以上のポリ(アルキレンオキシド)単位を含む2種以上のペンダント基を有することができる。前記ポリマー中の総構成単位の約0.1質量%〜約20質量%、典型的には約1質量%〜約10質量%が、2種以上のポリ(アルキレンオキシド)単位を含む2種以上のペンダント基を有することができる。他のモノマーが含まれる場合には、前記ポリマーの総構成単位のわずかな割合が、これらの他のモノマー(例えばスチレン、アクリルアミドなど)から誘導される。前記ポリマー中の総構成単位の一般には0質量%〜約35質量%、典型的には約1質量%〜約30質量%、より好適には約2質量%〜約25質量%が、他のモノマーから誘導される。
1実施態様の場合、前記ポリマーは:
i) 疎水性主鎖に直接的に結合されたペンダントシアノ基を有する構成単位;
ii) 2種以上のポリ(アルキレンオキシド)部位を含む2種以上のペンダント基を有する構成単位;及び
iii) 疎水性主鎖に直接的に結合された無置換型又は置換型のペンダントフェニル基を有する構成単位、
から本質的に成るランダムコポリマーである。別の実施態様の場合、前記ポリマーは:
i) 形態-[CH2C(R)(C≡N)-]の構成単位;
ii) 形態-[CH2C(R)(PEO)-]の構成単位(上記式中、PEOは形態-C(=O)O-[CH2CH2O-]yCH3の2種以上のペンダント基を表し、yは約25〜約75である);及び
iii) 形態:-[CH2CH(Ph)-]の構成単位(上記式中、各Rは独立して、-H又は-CH3を表し、そしてPhはペンダントフェニル基を表す)、から本質的に成るランダムコポリマーである。更に別の実施態様の場合、前記ポリマーは、ランダムコポリマー中の総構成単位の約70〜約99.9質量%が形態-[CH2C(R)(C≡N)-]を有し;ランダムコポリマー中の総構成単位の約0.1〜約20質量%が2種以上の形態-[CH2C(R)(PEO)-]の構成単位であり;そしてランダムコポリマー中の総構成単位の約2〜約10質量%が形態-[CH2CH(Ph)-]を有する構成単位であるランダムコポリマーである。
前記ポリマーは、典型的には、コモノマーのラジカル共重合によって得られるランダムコポリマーである。典型的な調製の場合には、3種以上のコモノマー、すなわち、ペンダントシアノ基、ペンダントアリール基及びペンダントアミド基からなる群から選択される少なくとも1つの基を有する構成単位の前駆体である1つのコモノマーと、2種以上のポリ(アルキレンオキシド)部位を含む2種以上のペンダント基を有する構成単位の前駆体である別のコモノマー(より好適には「マクロマー」と呼ばれる)との組合せが共重合される。本明細書中に使用される「モノマーの混合物」及び「モノマーの組合せ」という語句は、1つ又は2つ以上の重合性モノマー及び重合性マクロマーの一方、又は、重合性モノマー及び重合性マクロマーの両方の混合物又は組合せを含むように、簡単にする目的で使用される。
前記ポリマーは、シアノ基、アリール基及びアミド基からなる群から選択される少なくとも1つの基を更に有することが好ましい。
この場合、前記ポリマーは、少なくとも、
ポリ(アルキレングリコール)アルキルエーテル(メタ)アクリレート、及び、ポリ(アルキレングリコール)(メタ)アクリレートからなる群から選択される少なくとも2種、
並びに、
(メタ)アクリロニトリル、スチレン、(メタ)アクリルアミド、又は、これらの組合せ、
から誘導することができる。
一例を挙げるならば、前記ポリマーは、好適なモノマー/マクロマー、例えば:
A)アクリロニトリル、メタクリロニトリル、又はこれらの組合せ(すなわち(メタ)アクリロニトリル);
B)アクリル酸又はメタクリル酸のポリ(アルキレングリコール)エステル、ポリ(エチレングリコール)メチルエーテルアクリレート、及び、ポリ(エチレングリコール)メチルエーテルメタクリレートの組合せ(例えば、ポリ(プロピレングリコール)メタアクリレート及びポリ(エチレングリコール)メチルエーテルメタアクリレート);及び
C)任意には、モノマー、例えばスチレン、アクリルアミド、メタクリルアミドなど、又は好適なモノマーの組合せ
の組合せ又は混合物の重合によって形成することができる。
マクロマーBとして有用な前駆体は、例えば、ポリエチレングリコールモノメタクリレート、ポリプロピレングリコールメチルエーテルメタクリレート、ポリエチレングリコールエチルエーテルメタクリレート、ポリエチレングリコールブチルエーテルメタクリレート、ポリプロピレングリコールヘキシルエーテルメタクリレート、ポリプロピレングリコールオクチルエーテルメタクリレート、ポリエチレングリコールメチルエーテルアクリレート、ポリエチレングリコールエチルエーテルアクリレート、ポリエチレングリコールフェニルエーテルアクリレート、ポリプロピレングリコールモノアクリレート、ポリプロピレングリコールモノメタクリレート、ポリプロピレングリコールメチルエーテルメタクリレート、ポリプロピレングリコールエチルエーテルメタクリレート、ポリプロピレングリコールブチルエーテルメタクリレート、(ポリエチレングリコール/ポリプロピレングリコール)メチルエーテルメタクリレート、(ポリエチレングリコール/ポリテトラメチレングリコール)メチルエーテルメタクリレート、(ポリエチレングリコール/ポリテトラメチレングリコール)メタクリレート及び、ポリ(ビニルアルコール)モノメタクリレート、ポリ(ビニルアルコール)モノアクリレートからなる群から選択される少なくとも2種を含む。モノマーBとして一般に使用される前駆体は、ポリ(エチレングリコール)メチルエーテルメタクリレート、ポリ(エチレングリコール)モノアクリレート、ポリ(プロピレングリコール)メチルエーテルメタクリレート、(ポリエチレングリコール/ポリテトラメチレングリコール)メタクリレート、及び、ポリ(プロピレングリコール)モノメタクリレートからなる群から選択される2種以上の組合せを含む。重合性マクロマーに関連して本明細書中に使用される「(メタ)アクリレート」という用語は、アクリレートマクロマー又はメタクリレートマクロマー、又はアクリレートマクロマーとメタクリレートマクロマーとの組合せが、上記目的に適していることを示す。マクロマーに関する「アルキルエーテル」という語句は、低級アルキルエーテル、一般には(C1-C6)線状又は分枝状飽和型アルキルエーテル、例えばメチルエーテル又はエチルエーテルを示す。
任意のモノマーCとして使用することができる好適なモノマーは、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、アクリレートエステル、メタクリレートエステル、例えばメチルメタクリレート、アリルメタクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレート、スチレン、ヒドロキシスチレン、メタクリルアミド、又は、前記のもののいずれかの組合せを含む。特に好適なのは、スチレン、又はメタクリルアミド、又は、これらから誘導されたモノマーである。好適なモノマーの具体例は、スチレン、3-メチルスチレン、4-メチルスチレン、4-メトキシスチレン、4-アセトキシスチレン、アルファ-メチルスチレン、アクリル酸、メチルアクリレート、エチルアクリレート、ブチルアクリレート、n-ヘキシルアクリレート、メタクリル酸、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、n-プロピルメタクリレート、n-ブチルメタクリレート、n-ペンチルメタクリレート、ネオ-ペンチルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、n-ヘキシルメタクリレート、2-エトキシエチルメタクリレート、3-メトキシプロピルメタクリレート、アリルメタクリレート、ビニルアセテート、ビニルブチレート、メチルビニルケトン、ブチルビニルケトン、フッ化ビニル、塩化ビニル、臭化ビニル、無水マレイン酸、マレイミド、N-フェニルマレイミド、N-シクロヘキシルマレイミド、N-ベンジルマレイミド、及びこれらの混合物を含む。
前記ポリマーは、例えば、ラジカル重合によって調製することができる。ラジカル重合は当業者によく知られており、例えば、Macromolecules(マクロ分子)第2巻、第2版、H.G. Elias編、Plenum, New York, 1984の第20章及び21章に記載されている。有用なフリーラジカル開始剤は、過酸化物、例えば過酸化ベンゾイル、ヒドロペルオキシド、例えばクミルヒドロペルオキシド、及びアゾ化合物、例えば2,2'-アゾビス-イソブチロニトリル(AIBN)である。連鎖移動剤、例えばドデシルメルカプタンを使用して、化合物の分子量を制御することができる。
1実施態様の場合、前記ポリマーは、50質量%以上のモノマーAを含む、重合性モノマーの組合せから誘導されたコポリマーである。
別の実施態様の場合、前記ポリマーは、約55〜約90質量%の(メタ)アクリロニトリル;約5〜約15質量%のポリ(エチレングリコール)アルキルエーテル(メタ)アクリレート、ポリ(プロピレングリコール)モノ(メタ)アクリレート及び(ポリエチレングリコール/ポリテトラメチレングリコール)メタクリレートのうちの1種;及び約5〜約30質量%のスチレン、から誘導されたコポリマーである。さらに別の実施態様の場合、前記ポリマーは、約55〜約90質量%の(メタ)アクリロニトリル;約5〜約15質量%のポリ(エチレングリコール)アルキルエーテル(メタ)アクリレート、ポリ(プロピレングリコール)モノ(メタ)アクリレート及び(ポリエチレングリコール/ポリテトラメチレングリコール)メタクリレートのうちの1種;及び約5〜約30質量%のスチレン、から本質的に成るモノマーの組合せから誘導されたコポリマーである。さらに別の実施態様の場合、高分子バインダーは:約55〜約90質量%のアクリロニトリル;約5〜約15質量%のポリ(エチレングリコール)メチルエーテルメタクリレート、ポリ(プロピレングリコール)モノ(メタ)アクリレート及び(ポリエチレングリコール/ポリテトラメチレングリコール)メタクリレートのうちの1種;及び約5〜約30質量%のスチレン、から本質的に成るモノマーの組合せから誘導されたコポリマーである。
ラジカル重合に適した溶剤は、反応物質に対して不活性でありそして反応に対して特に不都合な影響を及ぼすことがない液体、例えばエステル、例えばエチルアセテート及びブチルアセテート;ケトン、例えばメチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、メチルプロピルケトン、及びアセトン;アルコール、例えばメタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、及びブタノール;エーテル、例えばジオキサン及びテトラヒドロフラン、及びこれらの混合物を含む。
しかし、前記ポリマーは、好ましくは親水性媒質(水、又は水とアルコールとの混合物)中で調製される。親水性媒質は、溶剤中に分散された粒子の形成を容易にすることができる。さらに、ポリマー主鎖に疎水性特性を提供する構成単位をもたらすモノマー、例えばアクリロニトリル又はメタクリロニトリルを完全には溶解しない溶剤系中で重合を行うことが望ましい場合がある。例えば、前記ポリマーは水/アルコール混合物、例えば水とn-プロパノールとの混合物中で合成することができる。
全てのモノマー/マクロマー及び重合開始剤は、反応媒質に直接的に添加することができ、重合反応は、選択された重合開始剤によって決定された適切な温度で進行する。或いは、ポリ(アルキレンオキシド)部位を含有するマクロマーを反応溶剤に先ず添加し、続いて、高温でモノマーをゆっくりと添加することもできる。開始剤はモノマー混合物に、又はマクロマーの溶液に、又はその両方に添加することができる。
前記ポリマーの調製を、コポリマーを形成するために使用することができるモノマー及びマクロマーに関して説明してきたが、本発明の実施は、コモノマーの混合物の重合によって形成されたコポリマーの使用に制限されることはない。前記ポリマーは、当業者に明らかなその他のルートによって、例えば前駆ポリマーの改質によって形成することができる。いくつかの実施態様の場合、前記ポリマーは、2種以上のポリ(アルキレンオキシド)部位が好適な高分子前駆体上にグラフトされる場合のように、グラフトコポリマーとして調製することができる。このようなグラフトは、例えばアニオン性、カチオン性、非イオン性、又はフリーラジカルグラフト法によって行うことができる。
一例を挙げるならば、重合性モノマーの好適な組合せを共重合してグラフト可能なコポリマーを生成し、そしてその後、グラフト可能なコポリマー上に2種以上のポリ(アルキレンオキシド)部位を含む官能基をグラフトすることにより、前記ポリマーを調製することができる。例えば、2種以上の、ヒドロキシ官能性又はアミン官能性ポリエチレングリコールモノアルキルエーテルと、酸塩化物、イソシアネート及び無水物基を含む共反応基を有するポリマーと反応させることにより、グラフトコポリマーを調製することができる。本発明における使用に適したグラフトコポリマーの他の調製方法は、米国特許第6,582,882号に記載された方法を含む。
前記(E)高分子バインダーは、画像形成層又はその調製用組成物(固形分)に対し10〜70質量%、好ましくは20〜65質量%、特に好ましくは30〜60質量%の割合で存在することができる。
前記(E)高分子バインダーが一次粒子の凝集体の形態である場合は、本発明の画像形成層中には、300nm未満の平均粒径を有する一次粒子が含まれていてもよい。前記一次粒子はそのままの形態、又は、凝集体の形態、或いは、その両方の形態で存在することができる。平均粒径が120〜400nmの範囲に分布する前記ポリマー粒子及びその一次粒子が画像形成層(固形分)の20〜60質量%、好ましくは25〜50質量%の割合で画像形成層中に存在することが好ましい。
{追加のラジカル重合性化合物}
本発明における画像形成層又はその調製用組成物は、前記(B)成分とは異なる、少なくとも1種の追加のラジカル重合性化合物(C)を更に含むことができる。(C)追加のラジカル重合性化合物は、ラジカル重合可能な化合物である。追加のラジカル重合性化合物は単一の化合物でもよく、複数の化合物の組合せであってもよい。
(C)追加のラジカル重合性化合物は特に限定されるものではないが、好ましくは、付加重合可能なエチレン性不飽和結合を有する化合物である。そのような化合物はラジカル重合末端であるエチレン性不飽和二重結合基を少なくとも1個、好ましくは2個以上有する化合物の中から任意に選択することができ、例えば、モノマー、プレポリマー、すなわち2量体、3量体およびオリゴマー、またはこれらの混合物ならびにこれらの共重合体等の化学的形態を持つものである。モノマーおよびその共重合体の例としては、不飽和カルボン酸(例えば、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸、マレイン酸等)と脂肪族多価アルコール化合物とのエステル、不飽和カルボン酸と脂肪族多価アミン化合物とのアミド等が挙げられる。
脂肪族多価アルコール化合物と不飽和カルボン酸とのエステルのモノマーの具体例としては、アクリル酸エステルとして、エチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、1,3−ブタンジオールジアクリレート、テトラメチレングリコールジアクリレート、プロピレングリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパントリ(アクリロイルオキシプロピル)エーテル、トリメチロールエタントリアクリレート、ヘキサンジオールジアクリレート、1,4−シクロヘキサンジオールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ペンタエリスリトールジアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールジアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ソルビトールトリアクリレート、ソルビトールテトラアクリレート、ソルビトールペンタアクリレート、ソルビトールヘキサアクリレート、トリ(アクロイルオキシエチル)イソシアヌレート、ポリエステルアクリレートオリゴマー等がある。
メタクリル酸エステルとしては、テトラメチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、トリメチロールエタントリメタクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、1,3−ブタンジオールジメタクリレート、ヘキサンジオールジメタクリレート、ペンタエリスリトールジメタクリレート、ペンタエリスリトールトリメタクリレート、ペンタエリスリトールテトラメタクリレート、ジペンタエリスリトールジメタクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサメタクリレート、ジペンタエリスリトールペンタメタクリレート、ソルビトールトリメタクリレート、ソルビトールテトラメタクリレート、ビス〔p−(3−メタクリルオキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)フェニル〕ジメチルメタン、ビス−〔p−(メタクリルオキシエトキシ)フェニル〕ジメチルメタン等がある。
イタコン酸エステルとしては、エチレングリコールジイタコネート、プロピレングリコールジイタコネート、1,3−ブタンジオールジイタコネート、1,4−ブタンジオールジイタコネート、テトラメチレングリコールジイタコネート、ペンタエリスリトールジイタコネート、ソルビトールテトライタコネート等がある。
クロトン酸エステルとしては、エチレングリコールジクロトネート、テトラメチレングリコールジクロトネート、ペンタエリスリトールジクロトネート、ソルビトールテトラジクロトネート等がある。イソクロトン酸エステルとしては、エチレングリコールジイソクロトネート、ペンタエリスリトールジイソクロトネート、ソルビトールテトライソクロトネート等がある。
マレイン酸エステルとしては、エチレングリコールジマレート、トリエチレングリコールジマレート、ペンタエリスリトールジマレート、ソルビトールテトラマレート等がある。更に、前述のエステルモノマーの混合物もあげることができる。
また、脂肪族多価アミン化合物と不飽和カルボン酸とのアミドのモノマーの具体例としては、メチレンビス−アクリルアミド、メチレンビス−メタクリルアミド、1,6−ヘキサメチレンビス−アクリルアミド、1,6−ヘキサメチレンビス−メタクリルアミド、ジエチレントリアミントリスアクリルアミド、キシリレンビスアクリルアミド、キシリレンビスメタクリルアミド等が挙げられる。
好適な(C)追加のラジカル重合性化合物として、具体的には、下記の構造を有するサートマー社製サートマーSR399:
Figure 2016155271
、下記の構造を有するサートマー社製サートマーSR494:
Figure 2016155271
、トリメチロールプロパンエトキシレートトリアクリレート等を挙げることができる。
(C)追加のラジカル重合性化合物は少なくとも1種以上のポリ(アルキレンオキシド)部位を有していてもよい。
上記のアルキレンオキシドとしては炭素原子数が2〜6のアルキレンオキシドが好ましく、特にエチレンオキシド、プロピレンオキシド、テトラメチレンオキシド、又はヘキサメチレンオキシドが好ましい。ポリ(アルキレンオキシド)部位におけるアルキレンオキシドの繰返し数は1〜50が好ましく、1〜20の範囲がより好ましい。
ポリ(アルキレンオキサイド)部位は、下記一般式(1)
Figure 2016155271
若しくは、一般式(2):
Figure 2016155271
(式中、xは1〜5までの整数であり、yは1〜400までの整数であり、R1は独立して水素原子、またはアルキル基を表す)、又は、下記一般式(3)
Figure 2016155271
若しくは、下記一般式(4):
Figure 2016155271
(式中、nとzはそれぞれ独立した1〜5までの整数であり、mとqはそれぞれ独立した1〜200までの整数であり、R及びRはそれぞれ独立に水素原子、またはアルキル基を表し、ただしnとzが同じ数字の場合にはR及びRはそれぞれ異なる。)で表される構造を有することが好ましい。
一般式(1)、(2)、(3)及び(4)中、y、m、qは1〜50の範囲の整数が好ましく、1〜20の範囲の整数がより好ましい。R、R及びRは水素原子又はメチル基が好ましく、水素原子がより好ましい。
ポリ(アルキレンオキシド)部位を有する(C)追加のラジカル重合性化合物としては、不飽和カルボン酸(例えば、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸、マレイン酸等)と脂肪族多価アルコール化合物とのエステルであって、エステル部位にポリ(アルキレンオキシド)部位を含むものが好ましい。
好適なポリ(アルキレンオキシド)部位を有する(C)追加のラジカル重合性化合物として、具体的には、下記の構造を有するサートマー社製サートマーSR602を挙げることができる。
Figure 2016155271
その他の例としては、ヘキサメチレンジイソシアネート等の1分子中に2個以上のイソシアネート基を有するポリイソシアネート化合物に、上記の不飽和カルボン酸と脂肪族多価アルコール化合物とのエステル、または、下記の一般式(A)若しくは(B)で示される水酸基を含有するビニルモノマーを付加せしめた、1分子中に2個以上の重合性ビニル基を含有するビニルウレタン化合物等が挙げられる。また、イソシアネート基と反応させる化合物は、分子内にアミノ基、イミノ基を有するものが好ましい。
Figure 2016155271
(式中、Q及びQは、独立してHあるいはCHを示す。)
Figure 2016155271
(式中、Q及びQは独立してHあるいはCHを示し、Qは−CHOHを示す。a及びcはそれぞれ独立して1〜3の整数であり、bは0又は1〜2の整数である。但し、a+b+c=4である)
また、特開昭51−37193号公報に記載されているようなウレタンアクリレート類、特開昭48−64183号、特公昭49−43191号、特公昭52−30490号の各公報に記載されているようなポリエステルアクリレート類、エポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸を反応させたエポキシアクリレート類等の多官能のアクリレートやメタクリレートを挙げることができる。更に日本接着協会誌Vol.20、No.7、300〜308頁(1984年)に光硬化性モノマー及びオリゴマーとして紹介されているものも、使用することができる。
具体的には、NKオリゴ U−4HA、U−4H、U−6HA、U−15HA、U−108A、U−1084A、U−200AX、U−122A、U−340A、U−324A、UA−53H、UA−100(以上、新中村化学工業(株)製)、UA−306H、AI−600、UA−101T、UA−101I、UA−306T、UA−306I(以上、共栄社化学(株)製)、アートレジン UN−9200A、UN−3320HA、UN−3320HB、UN−3320HC、UN−3320HS、SH−380G、SH−500、SH−9832、UN−901T、UN−904、UN−905、UN−906、UN−906S、UN−907、UN−952、UN−953、UN−954、H−91、H−135(以上、根上工業(株)製)、サートマー CN968、CN975、CN989、CN9001、CN9010、CN9025、CN9029、CN9165、CN2260(以上、サートマー社製)等を挙げることができる。
(C)追加のラジカル重合性化合物は多官能性ウレタンアクリレートであることが好ましく、5以上のアクリル基を有する多官能性ウレタンアクリレートがより好ましく、10以上のアクリル基を有する多官能性ウレタンアクリレートが更により好ましい。
前記多官能性ウレタンアクリレートは1000以上の分子量を有することが好ましく、1500以上の分子量を有することがより好ましく、2000以上の分子量を有することが更により好ましい。分子量は数平均分子量である。
好適な多官能性ウレタンアクリレートとして、具体的には、Desmodur N100(ヘキサメチレンジアクリレートを含む脂肪族ポリイソシアネート樹脂:バイエル社製)をヒドロキシエチルアクリレート及びペンタエリトリトールトリアクリレートと反応して得られた重合性化合物を挙げることができる。
(C)追加のラジカル重合性化合物は、画像形成層(固形分)又はその調製用組成物(固形分)に対し10〜90質量(重量)%、好ましくは20〜80質量%、特に好ましくは30〜70質量%の割合で画像形成層又はその調製用組成物中に存在することができる。
{画像形成層又はその調製用組成物のその他の構成成分}
本発明の平版印刷版原版の画像形成層又はその調製用組成物には、必要に応じて、共バインダー、並びに、公知の添加剤、例えば、着色材(染料、顔料)、界面活性剤、可塑剤、安定性向上剤、現像促進剤、重合禁止剤、焼出し剤、滑剤(シリコンパウダー等)を加えることができる。
典型的な共バインダーは、水溶性又は水分散性ポリマー、例えばセルロース誘導体、例えばカルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース;ポリビニルアルコール;ポリアクリル酸;ポリメタクリル酸;ポリビニルピロリドン;ポリラクチド、ポリビニルホスホン酸;合成コポリマー、例えばアルコキシポリエチレングリコールアクリレート又はメタクリレート、例えばメトキシポリエチレングリコールアクリレート又はメタクリレートと、モノマー、例えばメチルメタクリレート、メチルアクリレート、ブチルメタクリレート、ブチルアクリレート、又はアリルメタクリレートとのコポリマー;及びこれらの混合物である。
いくつかの実施態様の場合、共バインダーは架橋可能な部位を提供する。例えば、架橋可能な部位はエチレン系不飽和型部位であってよい。
好適な染料としては、例えば、クリスタルバイオレット、マラカイトグリーン、ビクトリアブルー、メチレンブルー、エチルバイオレット、ローダミンB等の、塩基性油溶性染料等が挙げられる。市販品としては、例えば、「ビクトリアピュアブルーBOH」〔保土谷化学工業(株)製〕、「オイルブルー#603」〔オリエント化学工業(株)製〕、「VPB−Naps(ビクトリアピュアブルーのナフタレンスルホン酸塩)」〔保土谷化学工業(株)製〕、「D11」〔PCAS社製〕等が挙げられる。顔料としては、例えば、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、ジオキサジンバイオレット、キナクリドンレッド等が挙げられる。
着色材として、露光により色の変化が生じる変色剤又は変色系を使用してもよい。これにより、画像形成層の露光部分と非露光部分を区別することが容易となる。そのような変色剤又は変色系としては、(i)トリアリールメタン系、(ii)ジフェニルメタン系、(iii)キサンテン系、(iv)チアジン系、(v)スピロピラン系化合物等があり、具体例としては、特開昭58−27253号公報等に記載のものが挙げられる。中でも(i)トリアリールメタン系、(iii)キサンテン系の発色剤が、カブリが少なく、高い発色濃度を与えるものが多く好ましい。
具体例としては、クリスタルバイオレットラクトン、マラカイトグリーンラクトン、ベンゾイルロイコメチレンブルー、3−(N,N−ジエチルアミノ)−6−クロロ−7−(β−エトキシエチルアミノ)−フルオラン、3−(N,N,N−トリエチルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N,N−ジエチルアミノ)−7−クロロ−7−o−クロロフルオラン、2−(N−フェニル−N−メチルアミノ)−6−(N−p−トリル−N−エチル)アミノ−フルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−(N−エチル−p− トルイジノ)フルオラン、3,6−ジメトキシフルオラン、3−(N,N−ジエチルアミノ)−5−メチル−7−(N,N−ジベンジルアミノ)−フルオラン、3−(N−シクロヘキシル−N−メチルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N,N−ジエチルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N,N−ジエチルアミノ)−6−メチル−7−キシリジノフルオラン、3−(N,N−ジエチルアミノ)−6−メチルー7−クロロフルオラン、3−(N,N−ジエチルアミノ)−6−メトキシ−7−アミノフルオラン、3−(N,N−ジエチルアミノ)−7−(4−クロロアニリノ)フルオラン、3−(N,N−ジエチルアミノ)−7−クロロフルオラン、3−(N,N−ジエチルアミノ)−7−ベンジルアミノフルオラン、3−(N,N−ジエチルアミノ)−7,8−ベンゾフロオラン、3−(N,N−ジブチルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N,N−ジブチルアミノ)−6−メチル−7−キシリジノフルオラン、3−ピペリジノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ピロリジノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3,3−ビス(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)フタリド、3,3− ビス(1−n−ブチル−2−メチルインドール−3−イル)フタリド、3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−6−ジメチルアミノフタリド、3−(4−ジエチルアミノ−2−エトキシフェニル)−3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−4−ザフタリド、3−(4−ジエチルアミノフェニル)−3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)フタリド、などが挙げられる。これらは、単独又は混合して用いられる。
界面活性剤としては、フッ素系界面活性剤、シリコーン系界面活性剤等が挙げられる。
可塑剤としては、例えば、ジエチルフタレート、ジブチルフタレート、ジオクチルフタレート、リン酸トリブチル、リン酸トリオクチル、リン酸トリクレジル、リン酸トリ(2−クロロエチル)、クエン酸トリブチル等が挙げられる。
更に、公知の安定性向上剤として、例えば、リン酸、亜リン酸、蓚酸、酒石酸、リンゴ酸、クエン酸、ジピコリン酸、ポリアクリル酸、ベンゼンスルホン酸、トルエンスルホン酸等も併用することができる。
その他の安定性向上剤として、公知のフェノール性化合物、キノン類、N−オキシド化合物、アミン系化合物、スルフィド基含有化合物、ニトロ基含有化合物、遷移金属化合物を挙げることができる。具体的には、ハイドロキノン、p−メトキシフェノール、p−クレゾール、ピロガロール、t−ブチルカテコール、ベンゾキノン、4,4’−チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2−メルカプトベンズイミダゾール、N−ニトロソフェニルヒドロキシアミン第一セリウム塩等が挙げられる。
現像促進剤としては、酸無水物類、フェノール類、有機酸類が挙げられる。酸無水物類としては環状酸無水物が好ましく、具体的に環状酸無水物としては米国特許第4,115,128号明細書に記載されている無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、3,6−エンドオキシ−テトラヒドロ無水フタル酸、テトラクロル無水フタル酸、無水マレイン酸、クロル無水マレイン酸、α−フェニル無水マレイン酸、無水コハク酸、無水ピロメリット酸等が使用できる。非環状の酸無水物としては無水酢酸等が挙げられる。フェノール類としては、ビスフェノールA、2,2'−ビスヒドロキシスルホン、p−ニトロフェノール、p−エトキシフェノール、2,4,4′−トリヒドロキシベンゾフェノン、2,3,4−トリヒドロキシベンゾフェノン、4−ヒドロキシベンゾフェノン、4,4′,4″−トリヒドロキシトリフェニルメタン、4,4′,3″,4″−テトラヒドロキシ−3,5,3′,5′−テトラメチルトリフェニルメタン等が挙げられる。
更に、有機酸類としては、特開昭60−88942号、特開平2−96755号公報等に記載されている、スルホン酸類、スルフィン酸類、アルキル硫酸類、ホスホン酸類、リン酸エステル類及びカルボン酸類等があり、具体的には、p−トルエンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルフィン酸、エチル硫酸、フェニルホスホン酸、フェニルホスフィン酸、リン酸フェニル、リン酸ジフェニル、安息香酸、イソフタル酸、アジピン酸、p−トルイル酸、3,4−ジメトキシ安息香酸、フタル酸、テレフタル酸、4−ジメチルアミノ安息香酸、4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸、エルカ酸、ラウリン酸、n−ウンデカン酸、アスコルビン酸等が挙げられる。
重合禁止剤としてはハイドロキノン、p−メトキシフェノール、ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ピロガロール、t−ブチルカテコール、ベンゾキノン、4,4′−チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2′−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、3−メルカプト−1,2,4−トリアゾール、N−ニトロソ−N−フェニルヒドロキシルアミンアルミニウム塩等が挙げられる。
これら各種の添加剤の添加量は、その目的によって異なるが、通常、画像形成層又はその調製用組成物の固形分の0〜30質量%の範囲が好ましい。画像形成層が多層タイプの場合は、全層の合計の固形分の0〜30質量%の範囲が好ましい。
その他、本発明の平版印刷版原版の画像形成層又はその調製用組成物には、必要に応じてアルカリ可溶性又は分散性の樹脂を併用することもできる。アルカリ可溶性又は分散性の樹脂としては、例えばアクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、イタコン酸、無水イタコン酸等の、アルカリ可溶性基含有のモノマーと他のモノマーとの共重合体、ポリエステル樹脂、アセタール樹脂等が挙げられる。
{画像形成層の調製}
本発明の平版印刷版原版の画像形成層は、基板又は当該基板上に任意に設けられる下地層上に、上記の各成分を含む組成物を塗布及び乾燥することにより形成することができる。
上記の組成物は少なくとも1種の溶媒を含むことができる。ここで使用する溶媒としては、エチレンジクロライド、シクロヘキサノン、メチルエチルケトン、メタノール、エタノール、プロパノール、エチレングリコールモノメチルエーテル、1−メトキシ−2−プロパノール、2−メトキシエチルアセテート、1−メトキシ−2−プロピルアセテート、ジメトキシエタン、乳酸メチル、乳酸エチル、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、テトラメチルウレア、N−メチルピロリドン、ジメチルスルホキシド、スルホラン、γ−ブチロラクトン、トルエン等を、また、水溶性の感光層を用いる場合には、水、或いはアルコール類等の水性溶媒を挙げることができるがこれに限定されるものではなく、画像形成層の物性にあわせて適宜選択すればよい。これらの溶媒は単独あるいは混合して使用される。溶媒中の上記成分(添加剤を含む全固形分)の濃度は、好ましくは1〜50質量%である。なお、前記ポリマー粒子中のポリマーは前記溶媒中に溶解しない。
また塗布、乾燥後に得られる基板上の塗布量(固形分)は、用途によって異なるが、平版印刷版原版についていえば一般的に0.5〜5.0g/m2が好ましい。塗布量が少なくなるにつれて、見かけの感度は大になるが、感光層の皮膜特性は低下する。基板上に塗布された組成物の乾燥は、通常、加熱により行われる。短時間で乾燥させるために、30〜150℃で10秒〜10分間、温風乾燥機、赤外線乾燥機等を用いて乾燥を行ってもよい。
塗布する方法としては、種々の方法を用いることができるが、例えば、ロールコーティング、ディップコーティング、エアナイフコーティング、グラビアコーティング、グラビアオフセットコーティング、ホッパーコーティング、ブレードコーティング、ワイヤドクターコーティング、スプレーコーティング等の方法が用いられる。
[その他の層]
本発明の平版印刷版原版には、画像形成層の他、目的に応じて、下地層、オーバーコート層、バックコート層等の他の層を適宜設けることもできる。
オーバーコート層としては、印刷時、湿し水等の親水性印刷液体により容易に除去できるものであり、親水性の有機高分子化合物から選ばれた樹脂を含有するものが好ましい。ここで用いる親水性の有機高分子化合物としては、フィルム形成能を有するものが好ましく、具体的には、ポリ酢酸ビニル(但し加水分解率65%以上のもの)、ポリアクリル酸アミン塩、ポリアクリル酸共重合体、そのアルカリ金属塩もしくはアミン塩、ポリメタクリル酸、そのアルカリ金属塩もしくはアミン塩、ポリメタクリル酸共重合体、そのアルカリ金属塩もしくはアミン塩、ポリアクリルアミド、その共重合体、ポリヒドロキシエチルアクリレート、ポリビニルピロリドン、その共重合体、ポリビニルメチルエーテル、ビニルメチルエーテル/無水マレイン酸共重合体、ポリ−2−アクリルアミド−2−メチル−1−プロパンスルホン酸、そのアルカリ金属塩もしくはアミン塩、ポリ−2−アクリルアミド−2−メチル−1−プロパンスルホン酸共重合体、そのアルカリ金属塩もしくはアミン塩、アラビアガム、繊維素誘導体(例えば、カルボキシメチルセルロース、カルボキシエチルセルロース、メチルセルロース等)、その変性体、ホワイトデキストリン、プルラン、酵素分解エーテル化デキストリン等を挙げることができる。また、目的に応じて、これらの樹脂を二種以上混合して用いることもできる。
オーバーコート層の乾燥塗布量は、0.1〜2.0g/mが好ましい。この範囲内で、現像性を損なわず、画像形成層の酸素からの遮断、指紋付着汚れなどの親油性物質による画像形成層表面の良好な汚染防止や爪などによる画像形成層表面の傷の防止ができる。
バックコート層としては、特開平5−45885号公報記載の有機高分子化合物及び特開平6−35174号公報記載の有機又は無機金属化合物を加水分解及び重縮合させて得られる金属酸化物からなる被覆層が好ましく用いられる。これらの被覆層のうち、Si(OCH34Si(OC254、Si(OC374、Si(OC494等の珪素のアルコキシ化合物が安価で入手し易く、それから与えられる金属酸化物の被覆層が耐現像性に優れており特に好ましい。
本発明の平版印刷版原版においては、画像形成層が最上層であってもよいが、画像形成層上にオーバーコート層を設けることが好ましい。前記オーバーコート層としては画像形成層と酸素との接触を防止乃至低減する酸素遮断層が好ましい。
以上のようにして、本発明の平版印刷版原版を作製することができる。
<露光>
本発明の平版印刷版原版は、画像形成層の特性に応じて、画像様露光を受ける。具体的な露光手段としては、例えば、赤外線レーザー、紫外線レーザー、紫外線ランプ、可視光線等による光照射、γ 線等の電子線照射、サーマルヘッド、ヒートロール、非接触式ヒータや熱風等を用いた加熱ゾーンの利用等による熱的なエネルギー付与等が適用可能である。特に、本発明が対象とする平版印刷版原版は、コンピュータ等からのデジタル画像情報を基に、レーザーを使用して直接版上に画像書き込みができる、いわゆるコンピュータ・トゥ・プレート(CTP)版として使用できる。その他、デジタル画像書き込み手段としてのGLV(Grating Light Valve)やDMD(Digital Mirror Device)等の技術を用いた方法により、画像書き込みを行うこともできる。
本発明の平版印刷版原版の露光用レーザーの光源としては、近赤外から赤外領域に最大強度を有する高出力レーザーが最も好ましく用いられる。このような近赤外から赤外領域に最大強度を有する高出力レーザーとしては、760nm〜3000nm、特に760nm〜11200nmの近赤外から赤外領域に最大強度を有する各種レーザー、例えば、半導体レーザー、YAGレーザー等が挙げられる。また、必要に応じ感光層にレーザーで画像書き込みを行った後、ヒートオーブン等により加熱処理を行ってもよい。
<機上現像>
本発明の平版印刷版原版は、例えば、画像形成層にレーザー光を用いて画像を潜像として書き込んだ後、これを現像処理して画像形成層から非画像部を除去することによって、画線が形成された平版印刷版となる。
本発明の平版印刷版原版は、画像形成後又は画像様露光後に印刷機上に直接的に載置し、そして最初の刷り中にインキ及び湿し水の一方、又は、インキ及び湿し水の両方と接触させることにより現像することができる。すなわち、本発明は、上記の平版印刷版原版を機上現像する工程を含む平版印刷版の製造(製版)方法にも関する。
印刷機上に載置する前には、別個の現像工程は必要とならない。このことは、処理装置及び現像剤の両方を伴う別個の現像工程をなくし、ひいては、印刷プロセスを単純化し、そして所要の高価な装置、及び発生する化学廃棄物の量を低減する。湿し水の典型的な成分は、水に加えて、pH緩衝系、例えばリン酸及びクエン酸緩衝液;減感剤、例えばデキストリン、アラビアゴム、及びカルボキシメチルセルロースナトリウム;界面活性剤及び湿潤剤、例えばアリール及びアルキルスルホネート、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド、及び、アルコール及びフェノールのポリエチレンオキシド誘導体;保湿剤、例えばグリセリン及びソルビトール;低沸点溶剤、例えばエタノール及び2-プロパノール;金属イオン封鎖剤、例えばホウ砂、ヘキサメタリン酸ナトリウム、及びエチレンジアミン四酢酸の塩;殺生剤、例えばイソチアゾリノン誘導体;及び消泡剤を含む。
湿し水等の温度は、5〜90℃の範囲が好ましく、10〜50℃の範囲がより好ましい。浸漬時間は1秒〜5分の範囲が好ましい。必要に応じて、現像中に軽く表面を擦ることもできる。
本発明の平版印刷版原版は、印刷機上で画像形成又は画像様露光されてもよい。オン・プレス画像形成の場合、本発明の平版印刷版原版は、平版印刷機のシリンダー上に載置された状態で画像形成され、そして画像形成層は、初期の印刷機操作時に、インキ及び湿し水の一方、又は、インキ及び湿し水の両方を用いてオン・プレス現像される。この方法は、別個の現像工程を含まない。この方法は、コンピューター・ツー・プレスの用途に特に適している。これらの用途の場合、平版印刷版原版は、コンピュータで生成されたデジタル画像形成情報に従って版シリンダー上で直接的に画像形成され、しかも処理を最小限にしか又は全く伴わずに、通常の印刷シートを直接的にプリントアウトする。直接画像形成用印刷機の一例は、Heidelberg USA, Inc(Kennesaw, Georgia)のSPEEDMASTER 74-DI印刷機である。
オン・プレス現像後、連続して湿し水及び平版インキを印刷版表面上に適用することにより、印刷を行うことができる。湿し水は、画像形成されていない領域、すなわち画像形成・現像プロセスによって露出された基板の親水性表面によって取りこまれ保持される、そしてインキは、画像形成済領域、すなわち現像プロセスによって除去されていない領域によって受容される。次いで、オフセット印刷ブランケットを使用して、直接的又は間接的にインキを好適な受理媒体(例えば布地、紙、金属、ガラス、又はプラスチック)に転写することにより、受理媒体上に画像の所望の刷りを提供する。
本発明の平版印刷用原版は、平版印刷機のシリンダー上で行うオン・プレス現像の他、公知の自動現像機を用いる現像方法によっても、平版印刷版とすることができる。公知の自動現像機を用いる現像方法に使用する現像液としては、当該業界で一般的なpH10以上のアルカリ現像液を使う方法のほか、pH10未満の弱アルカリから酸性の現像液を使うことも出来る。また現像方法は、現像工程、リンス工程、ガム工程の3工程からなる一般的な現像方法のほか、現像工程とガム工程を1液で行う1工程からなる現像方法でもよい。
前記現像に続いて、ポストベーキング処理を任意に用いて、耐刷性を上げることができる。
このように、本発明の平版印刷版原版は、デジタル信号に基づいた走査露光による画像記録が可能であり、画像記録したものはそのまま印刷機に装着して印刷が可能である。
本発明は、以下の実施形態及びこれらの組み合わせを少なくとも提供するが、他の組み合わせも、本明細書の教示から当業者が認識可能である限り、本発明の範囲内である。
1.基板、及び、
前記基板上に形成された画像形成層を備え、
前記画像形成層がインキ及び湿し水の一方、又は、インキ及び湿し水の両方によって除去可能である平版印刷版原版であって、前記画像形成層が
(A)少なくとも1種のラジカル重合開始剤、及び、
(B)少なくとも1種のラジカル重合性基、並びに、少なくとも1つのウレタン結合及び少なくとも2つの別個の尿素結合、又は、少なくとも1つの尿素結合及び少なくとも2つの別個のウレタン結合を有するラジカル重合性化合物
を含む組成物から調製される、平版印刷版原版。
2.前記(B)成分中のウレタン結合及び尿素結合が、少なくとも、ポリアミン化合物、アルコール化合物及びポリイソシアネート化合物から誘導される、実施形態1の平版印刷版原版。
3.前記アルコール化合物が前記ラジカル重合性基を有する、実施形態1の平版印刷版原版。
4.前記(B)成分が、ポリ(アルキレンオキシド)部位、アリーレン部位、ヘテロアリーレン部位及び(ビ)シクロアルキレン部位からなる群から選択される少なくとも1種を有する、実施形態1乃至3のいずれかの平版印刷版原版。
5.前記ポリ(アルキレンオキシド)部位が2〜500のアルキレンオキシド単位を有する、実施形態4の平版印刷版原版。
6.前記(B)成分が画像形成層の全質量に対し1〜50質量%の割合で画像形成層中に存在する、実施形態1乃至5のいずれかの平版印刷版原版。
7.前記画像形成層が、前記(B)成分とは異なる、少なくとも1種の追加のラジカル重合性化合物(C)を更に含む、実施形態1乃至6のいずれかの平版印刷版原版。
8.前記(C)成分が少なくとも1種のポリ(アルキレンオキシド)部位を有する、実施形態7の平版印刷版原版。
9.前記(C)成分が多官能性ウレタンアクリレートである、実施形態7又は8の平版印刷版原版。
10.前記(A)成分が熱重合開始剤を含む、実施形態1乃至9のいずれかの平版印刷版原版。
11.前記熱重合開始剤がオニウム塩である、実施形態10の平版印刷版原版。
12.前記画像形成層が更に(D)光熱変換物質を含む、実施形態10又は11の平版印刷版原版。
13.前記光熱変換物質がシアニン染料である、実施形態12の平版印刷版原版。
14.前記画像形成層が最上層である、実施形態1乃至13のいずれかの平版印刷版原版。
15.前記画像形成層上に酸素遮断層を備える、実施形態1乃至14のいずれかの平版印刷版原版。
16.前記画像形成層が更に(E)粒子状の高分子バインダー(但し、前記(B)成分を除く)を含む、実施形態1乃至15のいずれかの平版印刷版原版。
17.実施形態1乃至16のいずれかの平版印刷版原版を機上現像する工程を含む、平版印刷版の製造方法。
18.前記平版印刷版原版を画像様露光する工程、
前記平版印刷版原版を印刷機上に載置する工程、及び、
前記平版印刷版原版をインキ及び湿し水の一方、又は、インキ及び湿し水の両方と接触させて現像する機上現像工程
をこの順で実施する実施形態17の平版印刷版の製造方法。
19.前記平版印刷版原版を印刷機上に載置する工程、
前記平版印刷版原版を画像様露光する工程、及び、
前記平版印刷版原版をインキ及び湿し水の一方、又は、インキ及び湿し水の両方と接触させて現像する機上現像工程
ををこの順で実施する実施形態17の平版印刷版の製造方法。
以下、実施例を用いて本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例の範囲に限定されるものではない。なお、実施例中の「%」は、質量(重量)%を示す。
[モノイソシアネート化合物Aの合成]
温度計、攪拌機及び凝縮器を備えた容量1000mlのガラス製丸底フラスコ(反応器)内に、200.0gのN,N−ジメチルアセトアセタミドを仕込んだ。更に、100gのイソホロンジイソシアネート、0.3gの2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール、及び、0.5gのジブチル錫ジラウレートを仕込み、撹拌しつつ60℃に加熱した。次に、イソホロンジイソシアネートと等モル量のポリエチレングリコールモノアクリレート*1を反応器に仕込んだ。ポリエチレングリコールモノアクリレートを添加後、60℃で14時間攪拌した。このようにして、モノイソシアネート化合物Aを得た。
*1)ポリエチレングリコールモノアクリレート: ブレンマー(Blemmer)AE−400(Mw=ca.500、日油株式会社)
[モノイソシアネート化合物B〜Cの合成]
ポリエチレングリコールモノアクリレート(アルコール化合物:−OH化合物)を以下の表1に示すように変更した以外は、モノイソシアネート化合物Aの合成と同様にして、モノイソシアネート化合物B〜Cを得た。
Figure 2016155271
*2)サートマー(Sartomer)SR399: ジペンタエリスリトール ペンタアクリレート(サートマー社(米))
Figure 2016155271
*3)ブレンマーAE90: ポリエチレングリコールモノアクリレート(日油(株))
[合成例1]
温度計、攪拌機及び凝縮器を備えた容量1000mlのガラス製丸底フラスコ(反応器)内に、400.0gのN,N−ジメチルアセトアセタミドを仕込んだ。次に、反応器に100.0gのモノイソシアネート化合物Aを仕込んだ。次に、撹拌しつつ反応器にアミノ基がモノイソシアネート化合物Aのイソシアネート基のモル量と等モル量となる量の1,3−ジアミノプロパンを滴下した。1,3−ジアミノプロパン滴下後、反応器中の反応系をイソシアネートのIRピークが消失するまで撹拌した。こうして尿素化合物1を得た。
[合成例2〜9]
1,3−ジアミノプロパン及びモノイソシアネート化合物Aに代えて、以下の表2に記載の(ポリ)アミン化合物、及び、モノイソシアネート化合物をそれぞれ使用した以外は合成例1と同様に、尿素化合物2〜9を合成した。
Figure 2016155271
*4)バクスドア(Baxxodur)EC301: ポリオキシアルキレンジアミン(BASF社(独))
*5)バクスドアEC302: ポリオキシアルキレンジアミン(BASF社(独))
*6)バクスドアEC310: ポリオキシアルキレンジアミン(BASF社(独))
*7)ノルボルナンジアミン: NBDA(三井化学ファイン(株))
*8)DAHP: 2,4−ジアミノ−6−ヒドロキシピリミジン
[合成例10]
温度計、攪拌機及び凝縮器を備えた容量1000mlのガラス製丸底フラスコ(反応器)内に、400.0gのN,N−ジメチルアセトアセタミドを仕込んだ。次に、反応器に100.0gのモノイソシアネート化合物Aを仕込んだ。次に、撹拌しつつ反応器にアミノ基と水酸基の合計モル量がモノイソシアネート化合物Aのイソシアネート基のモル量と等モル量となる量の1―アミノー2−プロパノールを滴下した。1―アミノー2−プロパノール滴下後、反応器中の反応系をイソシアネートのIRピークが消失するまで撹拌した。こうして尿素化合物10を得た。
[比較合成例1]
温度計、攪拌機及び凝縮器を備えた容量1000mlのガラス製丸底フラスコ(反応器)内に、150.0gのN,N−ジメチルアセトアセタミドを仕込んだ。次に、300.0gのブレンマー55PET−800*9及び0.5gのDBTDL(ジブチル錫ジラウレート)を仕込んだ。次に、撹拌しつつ反応器にイソシアネート基がブレンマー55PET−800のヒドロキシ基と等モル量となる量の2−イソシアネートエチルメタクリレートを滴下した。2−イソシアネートエチルメタクリレート滴下後、反応器中の反応系を撹拌し、イソシアネートのIRピークが消失するまで撹拌した。こうして比較化合物1を得た。
*9)ブレンマー55PET−800: ポリ(エチレングリコール/テトラメチレングリコール)モノメタクリレート(日油(株))
[比較合成例2]
温度計、攪拌機及び凝縮器を備えた容量1000mlのガラス製丸底フラスコ(反応器)内に、400.0gのN,N−ジメチルアセトアセタミドを仕込んだ。次に、反応器に100.0gのモノイソシアネート化合物Aを仕込んだ。次に、撹拌しつつ反応器にアミノ基がモノイソシアネート化合物Aのイソシアネート基のモル量と等モル量となる量の1―アミノー2−プロパノールを滴下した。1―アミノー2−プロパノール滴下後、反応器中の反応系をイソシアネートのIRピークが消失するまで撹拌した。こうして比較化合物2を得た。
[実施例1]
<基板>
アルミニウム板を2%塩酸浴中で、電解研磨処理して平均粗さ(Ra)0.5μmの砂目板を得た。ついで、この砂目板を、リン酸水溶液中で陽極酸化処理して2.5g/mの酸化皮膜を形成した。
次に、下記表3に示す下塗り層塗布液を乾燥塗膜量が0.03g/m2になるようにバーコーターにて塗布し、120℃で40秒間乾燥した後、20−27℃まで冷却し、下塗り層を有する基板を得た。
Figure 2016155271
<画像形成層>
上記のようにして得られた下塗り層を有する基板上に下記表4に示す画像形成層用塗布液をバーコーターにて乾燥塗膜重量が1.0g/mとなるように塗布し、110℃で40秒間乾燥した後、20−27℃まで冷却して、平版印刷版原版を得た。
Figure 2016155271
*10)PEGMA:ポリエチレングリコールメチルエーテルメタクリレート(シグマアルドリッチ社)
*10−2)PEGMA/アクリロニトリル/スチレン(10/70/20質量比)の共重合により得られるPEGMA/アクリロニトリル/スチレン共重合体一次粒子の乳状液(1−プロパノール/水=76/24質量比混合溶媒の24質量%溶液);平均粒子径は178nm
*11)Desmodur N100(ヘキサメチレンジアクリレートを含む脂肪族ポリイソシアネート樹脂:バイエル社製)をヒドロキシエチルアクリレート及びペンタエリトリトールトリアクリレートと反応して得られた重合性化合物、2−ブタノン中の80質量%溶液
*12)トリメチロールプロパンテトラアクリレート(サートマー社製)
*13)プロピレンカーボネート中のヨードニウム(4−メトキシフェニル[4−(2−メ
チルプロピル)フェニル]ヘキサフルオロリン酸)の75質量%溶液(チバスペシャルテ
ィケミカルズ社製)
*14)PCAS社(仏)から入手可能な3−メルカプト−1,2,4−トリアゾール
*15)キシレン/メトキシプロピル酢酸溶液中の変性ジメチルポリシロキサンコポリマー
の25質量%溶液BYKケミー社製)
Figure 2016155271
[実施例2〜10]
合成例2〜10で得られた尿素化合物2〜10を尿素化合物1に代えて使用した以外は実施例1と同様に、平版印刷版原版を得た。
[比較例1]
比較化合物1を尿素化合物1に代えて使用した以外は実施例1と同様に、平版印刷版原版を得た。
[比較例2]
ブレンマー55PET−800を尿素化合物1に代えて使用した以外は実施例1と同様に、平版印刷版原版を得た。
[比較例3]
トリメチロールプロパンエトキシレートトリアクリレート(Mw=912)を尿素化合物1に代えて使用した以外は実施例1と同様に、平版印刷版原版を得た。
[比較例4]
比較化合物2を尿素化合物1に代えて使用した以外は実施例1と同様に、平版印刷版原版を得た。
[平版印刷版原版の評価]
<露光条件>
波長830nm、出力23Wの赤外光を照射可能なレーザーを備えたMagnus 800プレートセッター(コダック社製)を用いて実施例1〜10及び比較例1〜3の平版印刷版原版を150mJ/cm2の露光量で画像様露光した。
<耐刷性>
各平版印刷版原版を上記のように露光し、得られた平版印刷版を(株)小森コーポレーション製LITHRONE S26に取りつけ、湿し水(Presarto−WS100(DICグラフィックス(株)製)/イソプロピルアルコール/水=1/1/98(容量比))と印刷インキFusion−G紅N(DICグラフィックス(株)製)を供給し、毎時10,000枚の印刷速度で印刷を行った。この時、印刷を続け印刷枚数を増やしていくと徐々に平版印刷版の画像層が摩耗しインキ受容性が低下するため、印刷用紙におけるインキ濃度が低下した。そのインキ濃度(反射濃度)が印刷開始時の90%以下に低下した時の印刷枚数により、耐刷性を評価した。
<耐薬品性>
露光後の各平版印刷版原版の表面に下記表5に記載のプレートクリーナー(PC)を滴下し、5分、10分、20分又は30分放置した。その後、前記原版を洗浄して前記クリーナーを除去し、(株)小森コーポレーション製LITHRONE S26に取りつけた。湿し水(Presarto−WS100(DICグラフィックス(株)製)/イソプロピルアルコール/水=1/1/98(容量比))と印刷インキFusion−G紅N(DICグラフィックス(株)製)を供給し、毎時10,000枚の印刷速度で印刷を行った。その後、印刷された10,000枚目の紙面について、表7に示す「A」〜「E」のグレードで耐薬品性を評価した。
Figure 2016155271
耐刷性及び耐薬品性の結果を表6に示す。
Figure 2016155271
*16:耐刷性;枚数の多い方が良好。
*17:表7を参照
Figure 2016155271
表6から明らかなように、比較例1〜4の平版印刷版原版に比べて、実施例1〜10の平版印刷版原版は、良好な耐刷性及び耐薬品性を示した。

Claims (15)

  1. 基板、及び、前記基板上に画像形成層を備え、前記画像形成層がインキ及び湿し水の一方、又は、インキ及び湿し水の両方によって除去可能である平版印刷版原版であって、
    前記画像形成層が、
    (A)少なくとも1種のラジカル重合開始剤、及び、
    (B)少なくとも1種のラジカル重合性基、並びに、少なくとも1つのウレタン結合及び少なくとも2つの別個の尿素結合、又は、少なくとも1つの尿素結合及び少なくとも2つの別個のウレタン結合を有するラジカル重合性化合物
    を含む、平版印刷版原版。
  2. 前記(B)成分中のウレタン結合及び尿素結合が、少なくとも、ポリアミン化合物又はヒドロキシアミン化合物、アルコール化合物及びポリイソシアネート化合物から誘導される、請求項1記載の平版印刷版原版。
  3. 前記アルコール化合物が前記ラジカル重合性基を有する、請求項2記載の平版印刷版原版。
  4. 前記(B)成分が、ポリ(アルキレンオキシド)部位、アリーレン部位、ヘテロアリーレン部位及び(ビ)シクロアルキレン部位からなる群から選択される少なくとも1種を有する、請求項1乃至3のいずれかに記載の平版印刷版原版。
  5. 前記ポリ(アルキレンオキシド)部位が2〜500のアルキレンオキシド単位を有する、請求項4記載の平版印刷版原版。
  6. 前記(B)成分が画像形成層の全質量に対し1〜50質量%の割合で画像形成層中に存在する、請求項1乃至5のいずれかに記載の平版印刷版原版。
  7. 前記画像形成層が、前記(B)成分とは異なる、少なくとも1種の追加のラジカル重合性化合物(C)を更に含む、請求項1乃至6のいずれかに記載の平版印刷版原版。
  8. 前記(C)成分が少なくとも1種のポリ(アルキレンオキシド)部位を有する、請求項7記載の平版印刷版原版。
  9. 前記(C)成分が多官能性ウレタンアクリレートである、請求項7又は8に記載の平版印刷版原版。
  10. 前記(A)成分が熱重合開始剤を含む、請求項1乃至9のいずれかに記載の平版印刷版原版。
  11. 前記画像形成層が更に(D)光熱変換物質を含む、請求項1乃至10のいずれかに記載の平版印刷版原版。
  12. 前記画像形成層が更に(E)粒子状の高分子バインダー(但し、前記(B)成分を除く)を含む、請求項1乃至11のいずれかに記載の平版印刷版原版。
  13. 請求項1乃至12のいずれかに記載の平版印刷版原版を機上現像する工程を含む、平版印刷版の製造方法。
  14. 前記平版印刷版原版を画像様露光する工程、
    前記平版印刷版原版を印刷機上に載置する工程、及び、
    前記平版印刷版原版をインキ及び湿し水の一方、又は、インキ及び湿し水の両方と接触させて現像する機上現像工程
    をこの順で実施する請求項13記載の平版印刷版の製造方法。
  15. 前記平版印刷版原版を印刷機上に載置する工程、
    前記平版印刷版原版を画像様露光する工程、及び、
    前記平版印刷版原版をインキ及び湿し水の一方、又は、インキ及び湿し水の両方と接触させて現像する機上現像工程
    をこの順で実施する請求項13記載の平版印刷版の製造方法。
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