JP2016153858A - スクラッチラベルと秘密情報カード - Google Patents
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Abstract
【課題】改ざんを防止でき、スクラッチにより破損しないスクラッラベルと秘密情報担持カードを提供する。【解決手段】スクラッチラベル10は、透明フィルム1の一方側面に、削り取り可能な隠蔽墨ベタインキ層と隠蔽銀インキ層とを順に積層し、透明フィルム1の他方側面に、粘着剤層を設けたスクラッチラベル10において、透明フィルム1に改ざん防止を目的とし実質的な線幅を有しない屈曲した切り込み線2が少なくとも1本含まれるように形成すると共に、切り込み線の屈曲部に、0.40〜0.55mmの長さのアンカット部3を1箇所形成した。秘密情報担持カードは、上記スクラッチラベルを被覆したカード。【選択図】図1
Description
本発明は、スクラッチラベルと秘密情報カードに関する。詳しくは、スクラッチラベルの改ざん防止対策として行われるラベルの加工処理によって、スクラッチ時に破損しないようにしたスクラッチラベルと当該スクラッチラベルを秘密情報部に被覆した秘密情報カードに関するものである。
ラベル表面の隠蔽層を爪やコイン等で削ると、隠蔽層で被覆された秘密情報が露出し、「当たり」、「外れ」等のくじの文字情報、あるいはクイズの解答を示す文字、記号、図形が確認できるスクラッチラベルが従来から知られている。
このスクラッチラベルは、一般的には透明フィルム面に隠蔽用の墨インキを印刷し、さらに当該墨インキ上にアルミニューム粉入りの銀インキを印刷した隠蔽フィルムを、粘着剤により秘密情報部に被覆する形態にされている。隠蔽用の墨インキや銀インキは柔軟な削り取り易いインキ層にされていて、爪やコイン等で引っ掻くことで容易に切削でき、秘密情報を露出できるものである。
このスクラッチラベルは、一般的には透明フィルム面に隠蔽用の墨インキを印刷し、さらに当該墨インキ上にアルミニューム粉入りの銀インキを印刷した隠蔽フィルムを、粘着剤により秘密情報部に被覆する形態にされている。隠蔽用の墨インキや銀インキは柔軟な削り取り易いインキ層にされていて、爪やコイン等で引っ掻くことで容易に切削でき、秘密情報を露出できるものである。
図4は、従来からのスクラッチラベル付きカードを示す部分断面図である。
例えば、カード20の表面に秘密情報5sが印字または印刷されている場合、秘密情報5sを隠蔽するために、スクラッチラベル10が秘密情報5sの上に被覆される。
スクラッチラベル10は、透明フィルム1に隠蔽用墨ベタインキ層7を形成し、さらにその上に、銀インキ層8が形成されている。墨ベタインキ層7と銀インキ層8により隠蔽層6が構成される。透明フィルム1の反対側面には、ほぼ透明な粘着剤層9が形成されていて秘密情報5s面に密着するようにされている。
秘密情報5sを見るためには、爪やコイン15を用いて隠蔽層6を切削すれば秘密情報5sが現れるというものである。
例えば、カード20の表面に秘密情報5sが印字または印刷されている場合、秘密情報5sを隠蔽するために、スクラッチラベル10が秘密情報5sの上に被覆される。
スクラッチラベル10は、透明フィルム1に隠蔽用墨ベタインキ層7を形成し、さらにその上に、銀インキ層8が形成されている。墨ベタインキ層7と銀インキ層8により隠蔽層6が構成される。透明フィルム1の反対側面には、ほぼ透明な粘着剤層9が形成されていて秘密情報5s面に密着するようにされている。
秘密情報5sを見るためには、爪やコイン15を用いて隠蔽層6を切削すれば秘密情報5sが現れるというものである。
しかし、このような構成のスクラッチラベル10は、透明フィルム1を粘着剤層9から剥離して秘密情報5sを盗み見し、あるいは改ざんしようとするものが現れる。粘着剤層9は注意深く扱えば、透明フィルム1と共に剥離できる場合があるからである。
そこで、この不正行為防止対策として、スクラッチラベル10の透明フィルム1に切り込み線を入れておき、剥離しようとすればフィルムが破れる対策がされる場合がある。
そこで、この不正行為防止対策として、スクラッチラベル10の透明フィルム1に切り込み線を入れておき、剥離しようとすればフィルムが破れる対策がされる場合がある。
図5は、従来の切り込み線入りスクラッチラベルの表面図である。
切り込み線2は、スクラッチラベル10の少なくとも秘密情報5s部分、通常は透明フィルム1のほぼ全面に形成する。このように切り込み線2を形成する場合には、ラベル自体が脆弱になるため、秘密情報5sを改ざんする目的等でフィルム1を剥離する場合は、フィルム1が材料破壊して破れ、元の状態には復元できなくなる。これにより改ざんを防止するものである。
切り込み線2は、直線状でも良いが、材料破壊を生じさせ易くするため、図5のように「S」字状等に屈曲した形状にされる場合が多い。このような切り込み線2は、エッチング刃の先端をさらに研削して先鋭化したピナクル刃でフィルムを打ち抜くことにより形成され、実質的な線幅を有しない切断された線である。
切り込み線2は、スクラッチラベル10の少なくとも秘密情報5s部分、通常は透明フィルム1のほぼ全面に形成する。このように切り込み線2を形成する場合には、ラベル自体が脆弱になるため、秘密情報5sを改ざんする目的等でフィルム1を剥離する場合は、フィルム1が材料破壊して破れ、元の状態には復元できなくなる。これにより改ざんを防止するものである。
切り込み線2は、直線状でも良いが、材料破壊を生じさせ易くするため、図5のように「S」字状等に屈曲した形状にされる場合が多い。このような切り込み線2は、エッチング刃の先端をさらに研削して先鋭化したピナクル刃でフィルムを打ち抜くことにより形成され、実質的な線幅を有しない切断された線である。
ところで、このように切り込み線2を入れたスクラッチラベル10では、コイン15等で隠蔽層6を切削すると、コイン15が切り込み線2の屈曲部に引っかかり、材料破壊によりフィルム1を破るばかりでなく、ラベル下面の秘密情報5sである文字等をも削ってしまい秘密情報5sが識別できなくなる場合がある。
このようなスクラッチラベルでは、一般的な使用は難くなる。
そこで、本発明は、スクラッチラベルの透明フィルム1に切り込み線2を入れるが、切り込み線2にアンカット(非切断)部を設け、通常のスクラッチ動作では、透明フィルム1が破れないようにすることを課題とするものである。
このようなスクラッチラベルでは、一般的な使用は難くなる。
そこで、本発明は、スクラッチラベルの透明フィルム1に切り込み線2を入れるが、切り込み線2にアンカット(非切断)部を設け、通常のスクラッチ動作では、透明フィルム1が破れないようにすることを課題とするものである。
本願に直接関連する先行技術文献は検出できないが、不正使用防止対策を施したスクラッチカードに関して特許文献1がある。また、スクラッチ用途ではないが、切込により改ざん防止を図ったラベルとして特許文献2がある。
コイン等で隠蔽層を切削して秘密情報を露出させる形態のスクラッチラベルであって、不正防止目的でラベルの構成層である透明フィルムに、切り込み線を形成するスクラッチラベルにおいて、コイン等で切削してもフィルムを破損し、さらに秘密情報を削り取るような状態を生じないスクラッチラベルを提供することを課題とする。
上記課題を解決する本発明のスクラッチラベルは、透明フィルムの一方側面に、削り取り可能な隠蔽墨ベタインキ層と隠蔽銀インキ層とを順に積層し、前記透明フィルムの他方側面に、粘着剤層を設けたスクラッチラベルにおいて、前記透明フィルムに改ざん防止を目的とし実質的な線幅を有しない屈曲した切り込み線が少なくとも1本含まれるように形成すると共に、該切り込み線の屈曲部に、0.40〜0.55mmの長さのアンカット部を1箇所所形成したことを特徴とする。
上記において、前記切り込み線が、打ち抜き刃により「S」字形状に成されたものであって良く、前記「S」字形状が単位のスクラッチラベルに複数個形成されている、ようにしても良い。
本発明の秘密情報カードは、秘密情報が印刷または印字されたカードの当該秘密情報の上に請求項1ないし請求項3の何れか1の請求項記載のスクラッチラベルが被覆されていることを特徴とする。
本発明のスクラッチラベルは、スクラッチラベルを構成する透明フィルムに屈曲した切り込み線が形成されているが、該切り込み線の屈曲部にアンカット部を有するので、スクラッチラベルをコイン等で切削しただけでは透明フィルムが破れることはなく、秘密情報を破損することもない。
本発明の秘密情報カードは、秘密情報が改ざんされることがなく、スクラッチ時に秘密情報が損傷することもない。
本発明の秘密情報カードは、秘密情報が改ざんされることがなく、スクラッチ時に秘密情報が損傷することもない。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。
図1は、スクラッチラベルの平面図である。
スクラッチラベル10は、通常のスクラッチラベルと同様にカードや籤券の秘密情報5sを隠蔽できる大きさに形成されている。通常、長さLは、30〜50mm、幅Hは、5〜20mm程度であるが、秘密情報5sの大きさにより変動しこれに限定されない。
図1に図示のものは、両端が半円形の略矩形状にされているが、形状もこれに限定されるものでない。
本発明のスクラッチラベル10の特徴は、ラベルの構成層である透明フィルム1に改ざん防止を目的とする屈曲した切り込み線2が少なくとも1本含まれるように形成されていることと、当該各々の切り込み線2の屈曲部に長さが0.40〜0.55mm程度のアンカット部3が形成されていることである。屈曲部は、切り込み線2の中で、コイン15による進行方向に対して大きく屈曲する部分に形成される。コイン15は、ラベルの長さ方向に対して往復させるので、往復して擦過するコインの進行方向(進む方向と戻る方向)に対して突出する屈曲部に形成するのが好ましい。例えば、図1の「S」字形状切り込み線では、上下の2箇所の屈曲部に形成されたアンカット部3が該当する。
図1は、スクラッチラベルの平面図である。
スクラッチラベル10は、通常のスクラッチラベルと同様にカードや籤券の秘密情報5sを隠蔽できる大きさに形成されている。通常、長さLは、30〜50mm、幅Hは、5〜20mm程度であるが、秘密情報5sの大きさにより変動しこれに限定されない。
図1に図示のものは、両端が半円形の略矩形状にされているが、形状もこれに限定されるものでない。
本発明のスクラッチラベル10の特徴は、ラベルの構成層である透明フィルム1に改ざん防止を目的とする屈曲した切り込み線2が少なくとも1本含まれるように形成されていることと、当該各々の切り込み線2の屈曲部に長さが0.40〜0.55mm程度のアンカット部3が形成されていることである。屈曲部は、切り込み線2の中で、コイン15による進行方向に対して大きく屈曲する部分に形成される。コイン15は、ラベルの長さ方向に対して往復させるので、往復して擦過するコインの進行方向(進む方向と戻る方向)に対して突出する屈曲部に形成するのが好ましい。例えば、図1の「S」字形状切り込み線では、上下の2箇所の屈曲部に形成されたアンカット部3が該当する。
切り込み線2は、透明フィルム1を打ち抜いて形成される。先端が鋭利な抜き刃を押圧してフィルムを切断したものなので実質的な線幅を持たないものである。
切り込み線2は、悪意でスクラッチラベルを剥離しようとした際に透明フィルム1の破損を生じさせ、修復不可能にする目的である。従って、直線状であっても目的に適う場合があるが、本発明では、屈曲部を有する形状が好ましく採用される。屈曲した切り込み線2は少なくとも1本含まれれば良いから、1本でも良くそれ以上であっても良い。
例として挙げれば、図1に図示されるような「S」字状形状である。「S」字状形状は、一つのスクラッチラベルに複数個(1〜10個程度)形成できる。図1のものでは、5個の「S」字状形状が形成されている。屈曲した切り込み線に直線状の切り込み線を併用しても良い。
スクラッチラベル10は、剥離紙4の上に形成されており、使用時は剥離紙4から剥離して使用するものである。スクラッチラベル10の周囲の透明フィルム1と印刷されている隠蔽層6と粘着層9は打ち抜きして除去されている。
切り込み線2は、悪意でスクラッチラベルを剥離しようとした際に透明フィルム1の破損を生じさせ、修復不可能にする目的である。従って、直線状であっても目的に適う場合があるが、本発明では、屈曲部を有する形状が好ましく採用される。屈曲した切り込み線2は少なくとも1本含まれれば良いから、1本でも良くそれ以上であっても良い。
例として挙げれば、図1に図示されるような「S」字状形状である。「S」字状形状は、一つのスクラッチラベルに複数個(1〜10個程度)形成できる。図1のものでは、5個の「S」字状形状が形成されている。屈曲した切り込み線に直線状の切り込み線を併用しても良い。
スクラッチラベル10は、剥離紙4の上に形成されており、使用時は剥離紙4から剥離して使用するものである。スクラッチラベル10の周囲の透明フィルム1と印刷されている隠蔽層6と粘着層9は打ち抜きして除去されている。
図2は、スクラッチラベルの断面図である。図1のほぼ横中心線断面と考えて良い。
スクラッチラベル10は、透明フィルム1の一方側面に、削り取り可能な墨ベタインキ層7と銀インキ層8とを順に積層して隠蔽層6とし、透明フィルム1の他方側面には粘着剤層9を設けた構成にされている。粘着剤層9は剥離紙4との間に保持されるほぼ透明な粘着剤の層である。
切り込み線2は、隠蔽層6を印刷し、粘着剤層付き剥離紙4と積層した後に、スクラッチラベル10の輪郭線11の打ち抜きと同時に形成するので、隠蔽層6と透明フィルム1、および粘着剤層9を切断する線となる。ただし、細線なので肉眼的に表面からでは殆ど確認できない状態になっている。
スクラッチラベル10を使用する際は、粘着剤層9から上の部分(透明フィルム1と隠蔽層6を含む部分)を剥離して、カードの秘密情報5sの上に被覆する。
スクラッチラベル10は、透明フィルム1の一方側面に、削り取り可能な墨ベタインキ層7と銀インキ層8とを順に積層して隠蔽層6とし、透明フィルム1の他方側面には粘着剤層9を設けた構成にされている。粘着剤層9は剥離紙4との間に保持されるほぼ透明な粘着剤の層である。
切り込み線2は、隠蔽層6を印刷し、粘着剤層付き剥離紙4と積層した後に、スクラッチラベル10の輪郭線11の打ち抜きと同時に形成するので、隠蔽層6と透明フィルム1、および粘着剤層9を切断する線となる。ただし、細線なので肉眼的に表面からでは殆ど確認できない状態になっている。
スクラッチラベル10を使用する際は、粘着剤層9から上の部分(透明フィルム1と隠蔽層6を含む部分)を剥離して、カードの秘密情報5sの上に被覆する。
カードの秘密情報5sを見る場合は、図4のように、コイン15等を隠蔽層6面上に押圧して、スクラッチラベル10の長さ方向に2〜3回往復させれば、隠蔽層が削り取られるようにされている。
次に、スクラッチラベルの製造方法について説明する。
スクラッチラベルの製造は、2軸延伸ポリエチレンテレフタレート(PET)等の透明フィルム1に、シルクスクリーン印刷法やグラビア印刷法により、隠蔽用の墨ベタインキ層7と銀インキ層8の印刷を行い隠蔽層6とする。銀インキとは、ビヒクル中にアルミニュームの微粉末が混練されているインキのことである。
墨ベタインキ層7は、5〜10μmの厚さに印刷するのが好ましく、銀インキ層8は、3〜5μmの厚みに印刷するのが、隠蔽性を十分に確保する目的から好ましい。
スクラッチラベルの製造は、2軸延伸ポリエチレンテレフタレート(PET)等の透明フィルム1に、シルクスクリーン印刷法やグラビア印刷法により、隠蔽用の墨ベタインキ層7と銀インキ層8の印刷を行い隠蔽層6とする。銀インキとは、ビヒクル中にアルミニュームの微粉末が混練されているインキのことである。
墨ベタインキ層7は、5〜10μmの厚さに印刷するのが好ましく、銀インキ層8は、3〜5μmの厚みに印刷するのが、隠蔽性を十分に確保する目的から好ましい。
透明フィルム1の隠蔽層6とは反対側面に、粘着剤層9付き剥離紙4をラミネートして積層する。粘着剤は、10〜30μmの厚みに塗工されているのが好ましい。
その後、定幅に切断(スリッター)した後、スクラッチラベル10の輪郭線11と屈曲形状の切り込み線2とを、同一の刃に形成された型抜き刃を用い、半抜き機により平圧により打ち抜きする。切り込み線2にはアンカット部3を持たせたものを使用する。打ち抜きは、フレキシブル抜き刃を胴に組み込みしてする輪転式の打ち抜き法であっても良い。
型抜き刃には、鋼材をエッチングしさらに刃先を研磨したピナクルダイが使用される。刃の先端刃先角度は50°程度にされる。
その後、定幅に切断(スリッター)した後、スクラッチラベル10の輪郭線11と屈曲形状の切り込み線2とを、同一の刃に形成された型抜き刃を用い、半抜き機により平圧により打ち抜きする。切り込み線2にはアンカット部3を持たせたものを使用する。打ち抜きは、フレキシブル抜き刃を胴に組み込みしてする輪転式の打ち抜き法であっても良い。
型抜き刃には、鋼材をエッチングしさらに刃先を研磨したピナクルダイが使用される。刃の先端刃先角度は50°程度にされる。
打ち抜き後、スクラッチラベル10の周囲の余分な基材を除去する処理(この工程を製造現場では「粕上げ」という。)を行う。秘密情報カード等へのラベル貼り付けには、ラベリング装置を使用する。
〈材質に関する実施形態〉
本発明で使用する各種材料について説明する。
(1)透明フィルム
透明フィルム1としては、十分な強度と透明性、耐候性、耐摩擦性、印刷適性、耐薬品性等の耐久性を有するものであれば、用途に応じて種々の材料が適用できる。例えば、2軸延伸ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレートなどのポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、延伸ポリエチレンフィルム、延伸ポリプロピレン、延伸ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、アクリル系樹脂、イミド系樹脂、ポリアリレートなどのエンジニアリング樹脂、ポリカーボネート、環状ポリオレフィン系樹脂、セロファンなどのセルロース系フィルム等の樹脂フィルムを使用できる。
厚みは、コイン等の削り取りに耐える強度が必要なことから、20〜50μm程度のものが必要になる。
本発明で使用する各種材料について説明する。
(1)透明フィルム
透明フィルム1としては、十分な強度と透明性、耐候性、耐摩擦性、印刷適性、耐薬品性等の耐久性を有するものであれば、用途に応じて種々の材料が適用できる。例えば、2軸延伸ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレートなどのポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、延伸ポリエチレンフィルム、延伸ポリプロピレン、延伸ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、アクリル系樹脂、イミド系樹脂、ポリアリレートなどのエンジニアリング樹脂、ポリカーボネート、環状ポリオレフィン系樹脂、セロファンなどのセルロース系フィルム等の樹脂フィルムを使用できる。
厚みは、コイン等の削り取りに耐える強度が必要なことから、20〜50μm程度のものが必要になる。
(2)粘着剤
粘着作用をする通常の粘着剤が粘着剤層の形成に広く使用できる。
溶剤型粘着剤としては、NR、SBR、IR、CR等のゴム系が主流であるが、エマルジョン型のアクリル系粘着剤も使用できる。その他、シリコン系、ポリビニルエーテル系等があるが何れでも使用できる。
粘着作用をする通常の粘着剤が粘着剤層の形成に広く使用できる。
溶剤型粘着剤としては、NR、SBR、IR、CR等のゴム系が主流であるが、エマルジョン型のアクリル系粘着剤も使用できる。その他、シリコン系、ポリビニルエーテル系等があるが何れでも使用できる。
実施例および比較例の切り込み線2として、図3の3種の「S」字形状を使用した。
図3(A)は、「S」字形状切り込み線2の屈曲部に各1箇所のアンカット部3a,3bを形成したもの、図3(B)は、「S」字形状切り込み線2の屈曲部の両側に、各2箇所のアンカット部3c,3d,3e,3fを形成したもの、図3(C)は、「S」字形状切り込み線2の屈曲部に各1箇所とその両脇に各2箇所の都合3箇所のアンカット部3g,3h,3i,3j,3k,3lを形成したものである。
なお、「S」字形状の文字サイズは何れも縦4mm、幅3.8mmとした。
図3(A)は、「S」字形状切り込み線2の屈曲部に各1箇所のアンカット部3a,3bを形成したもの、図3(B)は、「S」字形状切り込み線2の屈曲部の両側に、各2箇所のアンカット部3c,3d,3e,3fを形成したもの、図3(C)は、「S」字形状切り込み線2の屈曲部に各1箇所とその両脇に各2箇所の都合3箇所のアンカット部3g,3h,3i,3j,3k,3lを形成したものである。
なお、「S」字形状の文字サイズは何れも縦4mm、幅3.8mmとした。
(実施例1)
透明フィルム11に、厚さ50μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(ルミラーT60#50)を使用した。隠蔽墨ベタインキには、シルクスクリーンインキ(SOF710ブラック大日本インキ化学株式会社製)を使用して、厚さ6〜8μmに塗工して墨ベタインキ層7を形成した。さらに、その上に隠蔽銀インキとして、シルクスクリーンインキ(VAHSNo.2シルバー昭和インク株式会社製)を使用して、厚さ3〜5μmに塗工して銀インキ層8を形成した。
透明フィルム11に、厚さ50μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(ルミラーT60#50)を使用した。隠蔽墨ベタインキには、シルクスクリーンインキ(SOF710ブラック大日本インキ化学株式会社製)を使用して、厚さ6〜8μmに塗工して墨ベタインキ層7を形成した。さらに、その上に隠蔽銀インキとして、シルクスクリーンインキ(VAHSNo.2シルバー昭和インク株式会社製)を使用して、厚さ3〜5μmに塗工して銀インキ層8を形成した。
透明フィルム1の墨ベタインキ層7と銀インキ層8とからなる隠蔽層6の反対側面に、グラビア印刷で粘着剤(ニッセツPE−118)を25μm厚に塗工してから、厚さ50μmの剥離紙(SP−PET−50B)をラミネートした。
その後、スリッターで15mm幅にスリットし、ピナクルダイ抜き刃でラベルサイズに打ち抜きした。ラベルサイズ打ち抜きの際、切り込み線2も同時に形成し、その後、粕あげを行って、スクラッチラベル1を完成した。
ラベルは、図1の形状であり、サイズは、幅Hが7mm、長さLが38mmのものである。
図1のように、ラベル内に切り込み線2として、5個の「S」字形状を有するものとし、アンカット部3a,3bは、図3(A)のように、左右の屈曲部に長さ0.40mmのものを各1個、合計2個有する形態にした。
その後、スリッターで15mm幅にスリットし、ピナクルダイ抜き刃でラベルサイズに打ち抜きした。ラベルサイズ打ち抜きの際、切り込み線2も同時に形成し、その後、粕あげを行って、スクラッチラベル1を完成した。
ラベルは、図1の形状であり、サイズは、幅Hが7mm、長さLが38mmのものである。
図1のように、ラベル内に切り込み線2として、5個の「S」字形状を有するものとし、アンカット部3a,3bは、図3(A)のように、左右の屈曲部に長さ0.40mmのものを各1個、合計2個有する形態にした。
(実施例2)
実施例1と同一の材料を使用し、同一の条件で加工してスクラッチラベル1を完成した。ラベル内の切り込み線2も5個の「S」字形状を有するものとした。
ただし、アンカット部3a,3bは、図3(A)のように、左右の屈曲部に長さ0.50mmのものを各1個、合計2個有する形態にした。
実施例1と同一の材料を使用し、同一の条件で加工してスクラッチラベル1を完成した。ラベル内の切り込み線2も5個の「S」字形状を有するものとした。
ただし、アンカット部3a,3bは、図3(A)のように、左右の屈曲部に長さ0.50mmのものを各1個、合計2個有する形態にした。
(実施例3)
実施例1と同一の材料を使用し、同一の条件で加工してスクラッチラベル1を完成した。ラベル内の切り込み線2も5個の「S」字形状を有するものとした。
ただし、アンカット部3a,3bは、図3(A)のように、左右の屈曲部に長さ0.55mmのものを各1個、合計2個有する形態にした。
実施例1と同一の材料を使用し、同一の条件で加工してスクラッチラベル1を完成した。ラベル内の切り込み線2も5個の「S」字形状を有するものとした。
ただし、アンカット部3a,3bは、図3(A)のように、左右の屈曲部に長さ0.55mmのものを各1個、合計2個有する形態にした。
(比較例1)
実施例1と同一の材料を使用し、同一の条件で加工してスクラッチラベル1を完成した。ラベル内の切り込み線2も5個の「S」字形状を有するものとした。
ただし、アンカット部3a,3bは、図3(A)のように、左右の屈曲部に長さ0.30mmのものを各1個、合計2個有する形態にした。
実施例1と同一の材料を使用し、同一の条件で加工してスクラッチラベル1を完成した。ラベル内の切り込み線2も5個の「S」字形状を有するものとした。
ただし、アンカット部3a,3bは、図3(A)のように、左右の屈曲部に長さ0.30mmのものを各1個、合計2個有する形態にした。
(比較例2)
実施例1と同一の材料を使用し、同一の条件で加工してスクラッチラベル1を完成した。ラベル内の切り込み線2も5個の「S」字形状を有するものとした。
ただし、アンカット部3a,3bは、図3(A)のように、左右の屈曲部に長さ0.60mmのものを各1個、合計2個有する形態にした。
実施例1と同一の材料を使用し、同一の条件で加工してスクラッチラベル1を完成した。ラベル内の切り込み線2も5個の「S」字形状を有するものとした。
ただし、アンカット部3a,3bは、図3(A)のように、左右の屈曲部に長さ0.60mmのものを各1個、合計2個有する形態にした。
(比較例3)
実施例1と同一の材料を使用し、同一の条件で加工してスクラッチラベル1を完成した。ラベル内の切り込み線2も5個の「S」字形状を有するものとした。
ただし、アンカット部3c,3d,3e,3fは、図3(B)のように、左右の屈曲部の両側に長さ0.30mmのものを各2個、合計4個有する形態にした。
実施例1と同一の材料を使用し、同一の条件で加工してスクラッチラベル1を完成した。ラベル内の切り込み線2も5個の「S」字形状を有するものとした。
ただし、アンカット部3c,3d,3e,3fは、図3(B)のように、左右の屈曲部の両側に長さ0.30mmのものを各2個、合計4個有する形態にした。
(比較例4)
実施例1と同一の材料を使用し、同一の条件で加工してスクラッチラベル1を完成した。ラベル内の切り込み線2も5個の「S」字形状を有するものとした。
ただし、アンカット部3g,3h,3i,3j,3k,3lは、図3(C)のように、左右の屈曲部とその両側に長さ0.30mmのものを各3個、合計6個有する形態にした。
実施例1と同一の材料を使用し、同一の条件で加工してスクラッチラベル1を完成した。ラベル内の切り込み線2も5個の「S」字形状を有するものとした。
ただし、アンカット部3g,3h,3i,3j,3k,3lは、図3(C)のように、左右の屈曲部とその両側に長さ0.30mmのものを各3個、合計6個有する形態にした。
実施例1〜4、比較例1〜4により得られたスクラッチラベル10を表面がPET製シートからなるカードの秘密情報5sの上に被覆し、秘密情報カード20を製造した。
このカードについて、以下の試験を行った。
(1)試験1;秘密情報カード20のスクラッチラベル10をピンセットで剥離する試験を行い、隠蔽層6付き透明フィルム1の破断(破れるか否か)性を確認した。
不正な動作で破れる結果が好ましいので、破れるものを「○」、破れ難いものを「×」とした。
(2)秘密情報カード20のスクラッチラベル10の隠蔽層6部分をコイン15で押圧しながらラベルの長さ方向に往復で3回削る(擦過する)動作を行い、スクラッチの適性試験を行った。
スクラッチで隠蔽層6付き透明フィルム1が破れない結果が好ましいので、破れないものを「○」、破れるものを「×」とした。
このカードについて、以下の試験を行った。
(1)試験1;秘密情報カード20のスクラッチラベル10をピンセットで剥離する試験を行い、隠蔽層6付き透明フィルム1の破断(破れるか否か)性を確認した。
不正な動作で破れる結果が好ましいので、破れるものを「○」、破れ難いものを「×」とした。
(2)秘密情報カード20のスクラッチラベル10の隠蔽層6部分をコイン15で押圧しながらラベルの長さ方向に往復で3回削る(擦過する)動作を行い、スクラッチの適性試験を行った。
スクラッチで隠蔽層6付き透明フィルム1が破れない結果が好ましいので、破れないものを「○」、破れるものを「×」とした。
表1の結果から、試験1については、切り込み線2の1屈曲部に対するアンカット部3が2箇所以上になる場合は、透明フィルム1の破断性が低下し、不正行為防止に効果しないことがみとめられた。ただし、1屈曲部に対するアンカット部3が1箇所であっても、アンカット部3の長さが0.6mm以上になる場合は、透明フィルム1の破断性が低下することが認められた。
また、試験2については、アンカット部3が1箇所で、長さが0.3mm以下の場合は、スクラッチにより透明フィルム1が破れることが認められ、その他の場合は透明フィルム1の破れは認められなかった。
また、試験2については、アンカット部3が1箇所で、長さが0.3mm以下の場合は、スクラッチにより透明フィルム1が破れることが認められ、その他の場合は透明フィルム1の破れは認められなかった。
以上の結果から、1屈曲部に対するアンカット部3の数は、1箇所が好ましく、その長さが、0.40〜0.55mmの範囲であることが明らかになった。
本発明のスクラッチラベルは、カード以外の各種抽選券や、クイズ用途に使用できることは明らかであり、本発明の適用外とするものではない。
1 透明フィルム
2 切り込み線
3 アンカット部
4 剥離紙
5s 秘密情報
6 隠蔽層
7 墨ベタインキ層
8 銀インキ層
9 粘着剤層
10 スクラッチラベル
15 コイン
20 カード
2 切り込み線
3 アンカット部
4 剥離紙
5s 秘密情報
6 隠蔽層
7 墨ベタインキ層
8 銀インキ層
9 粘着剤層
10 スクラッチラベル
15 コイン
20 カード
Claims (4)
- 透明フィルムの一方側面に、削り取り可能な隠蔽墨ベタインキ層と隠蔽銀インキ層とを順に積層し、前記透明フィルムの他方側面に、粘着剤層を設けたスクラッチラベルにおいて、前記透明フィルムに改ざん防止を目的とし実質的な線幅を有しない屈曲した切り込み線が少なくとも1本含まれるように形成すると共に、該切り込み線の屈曲部に、0.40〜0.55mmの長さのアンカット部を1箇所形成したことを特徴とするスクラッチラベル。
- 前記切り込み線が、打ち抜き刃により「S」字形状に成されたものであることを特徴とする請求項1記載のスクラッチラベル。
- 前記「S」字形状が単位のスクラッチラベルに複数個形成されていることを特徴とする請求項1または請求項2記載のスクラッチラベル。
- 秘密情報が印刷または印字されたカードの当該秘密情報の上に請求項1ないし請求項3の何れか1の請求項記載のスクラッチラベルが被覆されていることを特徴とする秘密情報カード。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2015032071A JP2016153858A (ja) | 2015-02-20 | 2015-02-20 | スクラッチラベルと秘密情報カード |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2015032071A JP2016153858A (ja) | 2015-02-20 | 2015-02-20 | スクラッチラベルと秘密情報カード |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2016153858A true JP2016153858A (ja) | 2016-08-25 |
Family
ID=56761215
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2015032071A Pending JP2016153858A (ja) | 2015-02-20 | 2015-02-20 | スクラッチラベルと秘密情報カード |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2016153858A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN109484058A (zh) * | 2018-10-22 | 2019-03-19 | 码路(海南)人工智能有限公司 | 拉开印刷物及遮盖物 |
-
2015
- 2015-02-20 JP JP2015032071A patent/JP2016153858A/ja active Pending
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CN109484058A (zh) * | 2018-10-22 | 2019-03-19 | 码路(海南)人工智能有限公司 | 拉开印刷物及遮盖物 |
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