JP2016151640A - 防音材 - Google Patents
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Abstract
Description
上記の芯材は、通常、板状に成形された合成樹脂発泡体の片面にハニカム材を重ねて、両者をプレス等で加圧することにより、合成樹脂発泡体をハニカム材のセル隔壁の一端縁で切断分割して各セル内に充填することにより製造される。
そのため、ハニカム材と合成樹脂発泡体とを加圧して一体化する工程に先立って、ハニカム材のセル隔壁の表面に接着剤を塗布し、同接着剤によって両者を接合することが行われていた(特許文献1参照)。
しかしながら、ハニカム材のセル隔壁の表面に接着剤が塗布された状態では、セル隔壁の一端縁による合成樹脂発泡体の切断分割が良好に行わず、製造不良を起こすおそれがあった。
このような積層構造を有する防音材の場合、ハニカム材とその各セル内に充填された合成樹脂発泡体とをいちいち接着しなくても、面材によって合成樹脂発泡体の脱落を防止することができるが、面材を使用する分だけコストがアップする上、防音材全体の重量が大きくなり、また、製造工程も複雑になるという問題があった。
従って、上記1)の防音材によれば、その製造をきわめて容易に行うことができ、コストが抑えられ、また、軽量のものとすることができる。
従って、上記2)の防音材によれば、その製造をきわめて容易に行うことができ、コストが抑えられ、また、軽量のものとすることができる。
図1〜図3は、この発明による第1の実施形態の防音材を示すものである。
図示の防音材(1)は、板状に成形された合成樹脂発泡体よりなる基材(2)と、基材(2)にその上面から厚さ中間まで差し込まれている第1ハニカム材(3A)と、基材(2)にその下面から厚さ中間まで差し込まれている第2ハニカム材(3B)とを備えている。
第1ハニカム材(3A)および第2ハニカム材(3B)は、これらのセル(30)の断面の形状および大きさが同一のものであって、平面より見て互いのセル(30)の配置がずれるように基材(2)に差し込まれている。
フェノールフォーム材としては、例えば、連続気泡型の密度10〜30kg/m3程度のものが用いられるが、高い遮音性能が要求される場合には、独立気泡型のフェノールフォーム材が使用される。
各ハニカム材(3A)(3B)としては、一般に、紙製のものが用いられるが、難燃性や高強度が要求される場合には、水酸化アルミニウム等を含浸した紙製のものや、アルミニウム等の金属製のものや、ポリ塩化ビニル・ポリプロピレン・FRP等の合成樹脂製のものが用いられる。
両ハニカム材(3A)(3B)のセル(30)の断面形状は、特に限定されず、図示のような六角形とする他、四角形や三角形等とすることも可能である。また、セル(30)のサイズも、防音材(1)の用途等に応じて、適宜設定すればよい。
また、両ハニカム材(3A)(3B)は、互いに異なる材質のものとしてもよい。例えば、防音材(1)を建材パネルとして使用する場合において、設置面側となる一方のハニカム材を、強度に優れた金属製・合成樹脂製とし、他方のハニカム材を、取扱性や接着性に優れた紙製とすることが可能である。
これらの突出端部(311)は、防音材(1)の上下両面に図示しない面材を貼り付ける際の接着部として使用される。つまり、基材(2)を構成する合成樹脂発泡体は、面材との接着性が良くない場合があるが、上記のように各ハニカム材(3A)(3B)のセル隔壁(31)の突出端部(311)が設けられていれば、これらに接着剤を塗布して面材と強固に接合することが可能である。
各ハニカム材(3A)(3B)のセル隔壁(31)の突出端部(311)の長さは、特に限定されないが、例えば1〜3mm程度となされる。
上記端縁(312)どうしの当接位置は、基材(2)の厚さ中間であれば特に限定されないが、通常、基材(2)の厚さ中央付近とされる。すなわち、第1ハニカム材(3A)の基材(2)上面側への差込深さと、第2ハニカム材(3B)の基材(2)下面側への差込深さが、ほぼ同一となされる。
また、これらの端縁(312)どうしは、通常、平面より見て交差状に接触させられる(図3参照)。
以上の構成により、基材(2)は、先行技術のようにハニカム材のセルに充填された部分毎に切断分割されず、全体が一体につながったままの状態となされる。
また、以上の構成により、第1ハニカム材(3A)および第2ハニカム材(3B)は、基材(2)の周縁ギリギリまで配置可能であるので、両ハニカム材(3A)(3B)による補強効果や吸音効果等が、防音材(1)のほぼ全面に亘って均等に得られる。
まず、所定寸法に成形された基材(2)、第1ハニカム材(3A)および第2ハニカム材(3B)を用意する。
ここで、両ハニカム材(3A)(3B)の厚さは、基材(2)の厚さの半分にセル隔壁(31)の突出端部(311)の長さを加えた大きさとなされる。
また、両ハニカム材(3A)(3B)の縦横の寸法は、基材(2)の縦横の寸法よりもやや大きいものとなされるのが好ましい。
上下両型(P1)(P2)のプレス面には、スポンジ等のクッション材(C)が配されている。
この際、上下型(P1)(P2)のプレス面に配されたクッション材(C)により、両ハニカム材(3A)(3B)が、基材(2)内に均等に差し込まれるようになっている。
そして、第1ハニカム材(3A)のセル隔壁(31)の下端縁(312)と、第2ハニカム材(3B)のセル隔壁(31)の上端縁(312)とが、基材(2)の厚さ中央付近で互いに当接した時点で、プレス成形装置(P)を停止して、上下型(P1)(P2)を開き、一体化された基材(2)および両ハニカム材(3A)(3B)を取り出す。
両ハニカム材(3A)(3B)のうち基材(2)の周縁からはみ出した部分があれば、同部分をカッター等によって切除する。
得られた防音材(1)は、そのままの形態で使用することができる他、更にその両面に面材を貼り付けた積層体の形態で使用することもできる。貼り付ける面材は、防音材(1)に要求される機能等に応じて適宜選定すればよく、例えば、アルミニウム板等の金属板や、通気性を有する不織布シート、あるいは所定構造の遮音板等が用いられる。
また、例えば工事現場等の屋外で使用される場合には、上記防音材(1)をフィルム製の袋状カバーで覆った形態や、上記防音材(1)を合成樹脂製の箱状ケースに収容した形態としてもよい。
図5は、この発明による第2の実施形態の防音材を示すものである。
この実施形態の防音材(10)は、以下の点を除いて、図1〜図4に示す第1の実施形態の防音材(1)と実質的に同じである。
すなわち、図5に示すように、この防音材(10)では、第1ハニカム材(3A)および第2ハニカム材(3B)が、これらのセル(30)の断面の大きさを互いに異にするものとなされている。より具体的には、第1ハニカム材(3A)および第2ハニカム材(3B)は、これらのセル(30)(30X)の断面の形状は、相似形の六角形で同一であるが、セル(30)(30X)の断面の大きさは、後者が前者の3分の2程度となされている。
そのため、平面より見て、両ハニカム材(3A)(3B)のセル(30)(30X)の配置は重なっておらず、基材(2)は全体が一体につながったままの状態となされているので、基材(2)と両ハニカム材(3A)(3B)との接着が不要であり、また、面材を貼り付けない形態でも防音材(10)を使用することが可能である。
なお、上記実施形態の防音材(10)においては、第1ハニカム材(3A)および第2ハニカム材(3B)のセル(30)(30X)の断面の大きさが互いに異なるものであるが、これに代えて、またはこれに加えて、両ハニカム材のセルの断面の形状を互いに異なるものとしてもよく、さらに、両ハニカム材の材質を互いに異なるものとしてもよい。
防音材(1)の基材(2)として、連続気泡型で密度20kg/m3のフェノールフォーム材を用意した。基材(2)のサイズは、縦1000mm、横1000mm、厚さ20mmとした。
また、2つの同形同大の紙製ハニカム材(3A)(3B)を用意した。ハニカム材(3A)(3B)には、セル(30)の断面が六角形であって、その長径が25mm、短径が20mmのものを使用した(図3参照)。また、各ハニカム材(3A)(3B)の全体のサイズは、縦1100mm、横1170mm、厚さ(=セル隔壁(31)の長さ)12.5mmとした。
次に、図4に示すプレス成形装置(P)を用いて、基材(2)に、その上下両面から、2つのハニカム材(3A)(3B)を、平面より見てセル(30)の配置がずれるように差し込んだ。
そして、両ハニカム材(3A)(3B)におけるセル隔壁(31)の差込側の端縁(312)どうしが基材(2)の厚さ中央付近で当接した時点で、プレス成形装置(P)を停止し、一体化された基材(2)および両ハニカム材(3A)(3B)を取り出した。
次いで、両ハニカム材(3A)(3B)のうち基材(2)の周面からはみ出した部分を、カッターを使って切除した。
こうして、実施例1の防音材(1)を得た(図1〜図3参照)。得られた防音材(1)は、縦910mm、横910mm、厚さ25mm、重量0.7kgであった。
防音材(1)の基材(2)として、連続気泡型で密度20kg/m3のフェノールフォーム材を用意した。基材(2)のサイズは、縦1000mm、横1000mm、厚さ45mmとした。
また、2つの同形同大の紙製ハニカム材(3A)(3B)を用意した。ハニカム材(3A)(3B)は、セル(30)の断面が六角形であって、その長径が25mm、短径が20mmのものを使用した(図3参照)。また、各ハニカム材(3A)(3B)の全体のサイズは、縦1100mm、横1170mm、厚さ(=セル隔壁(31)の長さ)25mmとした。
次に、図4に示すプレス成形装置(P)を用いて、基材(2)に、その上下両面から、2つのハニカム材(3A)(3B)を、平面より見てセル(30)の配置がずれるように差し込んだ。
そして、両ハニカム材(3A)(3B)におけるセル隔壁(31)の差込側の端縁(312)どうしが、基材(2)の厚さ中央付近で当接した時点で、プレス成形装置(P)を停止し、一体化された基材(2)および両ハニカム材(3A)(3B)を取り出した。
次いで、両ハニカム材(3A)(3B)のうち基材(2)の周面からはみ出した部分を、カッターを使って切除した。
こうして、実施例2の防音材(1)を得た。得られた防音材(1)は、縦910mm、横910mm、厚さ50mm、重量1.6kgであった。
実施例1,2の防音材(1)につき、公的機関(一般財団法人日本建築総合試験所)において、残響室法吸音率を測定した。測定は、JIS A 1409「残響室法吸音率の測定方法」に準拠して行った。
実施例1の防音材(1)についての測定結果(試験番号:IVA−14−0237)を、図6に示す。また、実施例2の防音材(1)についての測定結果(試験番号:IVA−14−0233)を、図7に示す。
図6から分かるように、実施例1の防音材(1)では、1/3オクターブバンド中心周波数が250Hz以上の範囲で大きな吸音効果が得られた。
また、図7から分かるように、実施例2の防音材(1)では、さらに低音の領域で大きな吸音効果が得られた。
(2):基材
(3A):第1ハニカム材
(3B):第2ハニカム材
(30)(30X):セル
(31):セル隔壁
(311):突出端部(セル隔壁における差込側と反対側の端部)
(312):セル隔壁の差込側の端縁
Claims (5)
- 板状に成形された合成樹脂発泡体よりなる基材と、基材にその一方の面から厚さ中間まで差し込まれている第1ハニカム材と、基材にその他方の面から厚さ中間まで差し込まれている第2ハニカム材とを備えており、第1ハニカム材および第2ハニカム材は、これらのセルの断面の形状および大きさがほぼ同一のものであって、平面より見て互いのセルの配置がずれるように基材に差し込まれている、防音材。
- 板状に成形された合成樹脂発泡体よりなる基材と、基材にその一方の面から厚さ中間まで差し込まれている第1ハニカム材と、基材にその他方の面から厚さ中間まで差し込まれている第2ハニカム材とを備えており、第1ハニカム材および第2ハニカム材は、これらのセルの断面の形状および大きさのうち少なくともいずれか一方が互いに相違するものである、防音材。
- 第1ハニカム材および第2ハニカム材は、これらの材質が互いに相違するものである、請求項1または2記載の防音材。
- 第1ハニカム材のセル隔壁における差込側と反対側の端部が、基材の一方の面から突出させられており、第2ハニカム材のセル隔壁における差込側と反対側の端部が、基材の他方の面から突出させられている、請求項1〜3のいずれか1つに記載の防音材。
- 第1ハニカム材および第2ハニカム材のセル隔壁における差込側の端縁どうしが、基材内で互いに当接させられている、請求項1〜4のいずれか1つに記載の防音材。
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