JP2016151331A - 円筒ころ軸受 - Google Patents

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一郎 上光
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一郎 上光
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Abstract

【課題】内輪、外輪、及び円筒ころが分離可能な構造であっても、それぞれバレることなく、容易に組み込むことができる円筒ころ軸受を提供する。【解決手段】円筒ころ軸受10は、外輪軌道面21の両側に一対の鍔部22を有する外輪20と、少なくとも軸方向一方の端部に鍔部を有しない内輪30と、複数の円筒ころ40と、を有する。また、円筒ころ軸受10は、外輪20と内輪30との間に装着されて弾性力により外輪20と内輪30との径方向相対位置を保持するバレ防止ゴム50を備える。【選択図】図1

Description

本発明は、円筒ころ軸受、特に、連続鍛造機、ブロワー、テーブルローラに使用される円筒ころ軸受に関する。
例えば、連続鍛造機に使用されるロールの一端には、搬送される鋳片の熱や重荷重によるロールの撓み及び伸縮を許容するように調心輪付き円筒ころ軸受を使用することが知られている。一方で、調心輪付き円筒ころ軸受は、調心輪が別途必要になると共に、球面加工も必要とされ、コストが嵩むという課題がある。
また、一般に、保持器を用いない円筒ころ軸受は、その機能上から内輪、外輪、及び円筒ころが分離可能な構造となっているため、円筒ころ軸受の組込み時や取外し時に内輪、外輪、及びころが分離してしまい、組込みや取外しに多くの手間を要する問題がある。
従来、円筒ころ軸受の軸方向一方に、鍔輪、及び輪溝に外嵌された断面L字形の止め輪を配置して、外輪と内輪とを非分離にすると共に、スラスト荷重やモーメント荷重が作用する用途においても止め輪の脱落を防止するようにした円筒ころ軸受が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
また、内輪の一方の側面に径方向溝を形成し、その径方向溝に先端部が軸受空間内に位置する状態でストッパ部材を挿入し、円筒ころの端面にストッパ部材の先端部を当接させて、外輪と内輪とを非分離とした円筒ころ軸受が開示されている(例えば、特許文献2参照。)。
特開2012−207735号公報 特開2012−215263号公報
しかしながら、特許文献1及び2によると、内輪に、止め輪を嵌合させるための輪溝や、ストッパ部材を挿入するための径方向溝などの複雑な形状の加工が必要であり、更に、鍔輪やストッパ部材なども加工し難い形状を有するため、コスト高となる問題があり、改善の余地があった。
本発明は、前述した課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、内輪、外輪、及び円筒ころが分離可能な構造であっても、それぞれバレることなく、容易に組み込むことができる円筒ころ軸受を提供することにある。
本発明の上記目的は、下記の構成により達成される。
(1) 内周面に形成された外輪軌道面を有する外輪と、
外周面に形成された内輪軌道面を有すると共に、前記内輪軌道面の片側に鍔部を有する、又は前記内輪軌道面の両側に鍔部を有しない内輪と、
前記外輪軌道面と前記内輪軌道面の間に転動自在に配置された複数の円筒ころと、を有する円筒ころ軸受であって、
前記円筒ころ軸受の軸方向一端側において前記外輪と前記内輪との間に装着され、弾性力により前記外輪と前記内輪との径方向相対位置を保持する組立用弾性部材を有することを特徴とする円筒ころ軸受。
(2) 前記外輪軌道面は、径方向内側に向かって凸となるクラウニング形状を有し、
前記内輪軌道面は、径方向外側に向かって凸となるクラウニング形状を有し、
前記円筒ころの転動面は、軸方向中央部の直径が、両端部の直径より大きくなるクラウニング形状を有し、
調心機能を有することを特徴とする(1)に記載の円筒ころ軸受。
本発明の円筒ころ軸受によれば、軸方向一端側において外輪と内輪との間に装着した組立用弾性部材の弾性力により外輪と内輪との径方向相対位置を保持することができる。これにより、内輪、外輪、及び円筒ころが分離可能な構造であっても、それぞれがバレることなく、円筒ころ軸受の機械装置などへの組込みや取外しを容易に行うことができる。
本発明に係る一実施形態の円筒ころ軸受の要部断面図である。 図1の円筒ころ軸受のハウジングへの組み付けを説明する説明図である。 バレ防止ゴムを用いずに円筒ころ軸受をハウジングに組み付ける手順を示す説明図ある。 本実施形態の円筒ころ軸受の組み付け手順を示す説明図である。 本実施形態の円筒ころ軸受の取り外し手順を示す説明図である。 変形例の円筒ころ軸受の要部断面図である。
以下、本発明に係る円筒ころ軸受の一実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1に示すように、本実施形態の円筒ころ軸受10は、自動調心機能付き軸受であり、外輪20と、内輪30と、転動体である複数の円筒ころ40と、軸方向一端側において外輪20と内輪30との間に装着されたバレ防止ゴム(組立用弾性部材)50と、を備える。
外輪20は、軸方向中央部が径方向内側に向かって凸となるクラウニング形状を持った外輪軌道面21を内周面に有し、外輪軌道面21の左右両側には一対の鍔部22が設けられている。なお、本実施形態の外輪軌道面21は、軸方向中央部を一様径の円筒面としてその両側にクラウニング部が形成されている。
内輪30は、軸方向中央部が径方向外側に向かって凸となるクラウニング形状を持った内輪軌道面31を外周面に有している。本実施形態の内輪軌道面31も、軸方向中央部を平坦面としてその両側にクラウニング部が形成されている。なお、本実施形態では、軸方向両端部は、円筒面としているが、クラウニング部によって形成されてもよい。
円筒ころ40は、転動面41の軸方向中央部の直径が、両端部の直径より僅かに太いクラウニング形状とされて略樽型となっている。また、外周面41の両端部と両端面42との境界部43には、曲面状の面取りが施されている。複数の円筒ころ40は、外輪20の外輪軌道面21と、内輪30の内輪軌道面31との間に転動自在に配置されている。なお、本実施形態の円筒ころ軸受10は、保持器を有していない。
上述したように、本実施形態では、外輪20の外輪軌道面21と、内輪30の内輪軌道面31、円筒ころ40の転動面41がそれぞれクラウニング形状を有しているので、円筒ころ軸受10は調心機能を有することができる。また、円筒ころ軸受10は、従来の調心輪付き円筒ころ軸受に比べて、円筒ころ40の径を大きくすることができ、ころ数を削減することができる。
バレ防止ゴム50は、断面略楕円形に形成されたリング状の部材であり、例えば、ゴムなどの弾性部材により形成されている。バレ防止ゴム50は、円筒ころ軸受10の軸方向一端側において外輪20と内輪30との間、より具体的には、外輪20の鍔部22と内輪30の外周面との間に装着されている。
バレ防止ゴム50の径方向太さ(バレ防止ゴム50の外径と内径との差の1/2)は、外輪20の鍔部22の内径と内輪30の外周面の外径との差の1/2より、僅かに大きく設定されている。従って、バレ防止ゴム50は、弾性変形しながら外輪20と内輪30との間に装着され、バレ防止ゴム50の弾性力で外輪20と内輪30との径方向相対位置を維持することができる。これにより、円筒ころ軸受10は、バレ防止ゴム50が装着された状態で、外輪20、内輪30、及び円筒ころ40が分離することなく、組付け状態が保持される。
このようにバレ防止ゴム50の弾性力により組付け状態が保持された円筒ころ軸受10は、図2に示すように、ハウジング60の内周面61に組付け状態のまま組み込むことが可能となる。
次に、円筒ころ軸受10のハウジング60への組込み、及び取外し方法について図3〜図5を参照して詳細に説明する。
先ず、バレ防止ゴム50を用いない場合の円筒ころ軸受の組み付け手順について説明する。図3(a)に示すように、内周面61を鉛直方向に向けてハウジング60を作業台62上に設置した後、外輪20を内周面61に嵌合させる。次いで、図3(b)に示すように、外輪20の外輪軌道面21内に複数の円筒ころ40を組込み、更に、図3(c)に示すように、円筒ころ40が外輪20から離脱しないように注意しながら、内輪30を軸方向から組み込む。
上記のように、バレ防止ゴム50を用いない場合の円筒ころ軸受の組み付けは、外輪20、内輪30、及び円筒ころ40を組み立てたままハウジング60に組み込もうとすると、内輪30の上方側に鍔部がないため、内輪30が自重により落下して、円筒ころ40がバレてしまう可能性がある。このため、外輪20、内輪30、及び円筒ころ40は、別々にハウジング60に組込む必要があり、手間がかかるばかりでなく、注意力を要する面倒な作業であった。
一方、本実施形態の円筒ころ軸受10をハウジング60に組み付ける際には、図4(a)に示すように、外輪20、内輪30、及び円筒ころ40を組み付け、更に、バレ防止ゴム50を弾性変形させて外輪20と内輪30との間に装着する。これにより、バレ防止ゴム50の弾性力により外輪20と内輪30との径方向相対位置が保持され、外輪20、内輪30、及び円筒ころ40は、それぞれバレることなく不分離な状態となる。
バレ防止ゴム50の装着により不分離状態に組み付けられた円筒ころ軸受10は、図4(b)に示すように、外輪20がハウジング60の内周面61に圧入されて組み付けられる。このとき、外輪20、内輪30、及び円筒ころ40は、バレ防止ゴム50によって不分離となっているので、一体の軸受として扱うことができ、容易に組み込むことができる。
そして、図4(c),(d)に示すように、円筒ころ軸受10からバレ防止ゴム50を取り外した後、ハウジング60の側方にシール装置66を組み付けると共に、内輪30に、フィレットリング67が組み付けられた回転軸65を挿通して組付けを終了する。なお、バレ防止ゴム50は、回転軸65が挿通される側とは反対側の側面に装着しておくことが、回転軸65の組付けを容易にする上で望ましい。
また、円筒ころ軸受10をハウジング60から取り外す際には、図5(a),(b)に示すように、まず、ハウジング60に組み込まれた円筒ころ軸受10の内輪30から回転軸65を取り外し、併せて、シール装置66やフィレットリング67を円筒ころ軸受10から分離する。そして、図5(c)に示すように、バレ防止ゴム50を円筒ころ軸受10の軸方向一端側において外輪20と内輪30との間に装着して外輪20、内輪30、及び円筒ころ40が分離するのを防止した後、図5(d)に示すように、円筒ころ軸受10をバレ防止ゴム50と共にハウジング60の内周面61から抜き取り、取り外す。取り外された円筒ころ軸受10は、バレ防止ゴム50によって組付け状態が保持されているので、その後の取扱いも容易となる。
本実施形態の円筒ころ軸受10によれば、軸方向一端側において外輪20と内輪30との間に装着したバレ防止ゴム50の弾性力により、外輪20と内輪30との径方向相対位置が保持されるので、外輪20、内輪30、及び円筒ころ40が分離可能な構造の円筒ころ軸受10であっても組み付け状態を維持することができる。これにより、円筒ころ軸受10の機械装置などへの組込みや取外しを容易に行うことができる。
また、外輪軌道面21は、径方向内側に向かって凸となるクラウニング形状を有し、内輪軌道面31は、径方向外側に向かって凸となるクラウニング形状を有し、円筒ころ40の転動面41は、軸方向中央部の直径が、両端部の直径より大きくなるクラウニング形状を有し、調心機能を有するので、本実施形態の円筒ころ軸受10は、従来のような調心輪付き円筒ころ軸受の代わりに、ロールの軸方向一端を支持する自由側転がり軸受として適用することができる。
尚、本発明は、前述した実施形態に限定されるものではなく、適宜、変形、改良、等が可能である。
例えば、上記実施形態では、内輪30の両端に鍔部を有していない円筒ころ軸受10について説明したが、これに限定されず、図6に示すように、内輪30の一方の端部に鍔部32を有する円筒ころ軸受10Aであっても同様に組込みや取外しを容易に行うことができる。また、バレ防止ゴム50の断面形状は、楕円形として説明したが、外輪20と内輪30との間に弾性変形しながら装着可能であれば楕円形に限定されず、円形、矩形など、任意の形状とすることができる。
10,10A 円筒ころ軸受
20 外輪
21 外輪軌道面
22,32 鍔部
30 内輪
31 内輪軌道面
40 円筒ころ
50 バレ防止ゴム(組立用弾性部材)

Claims (2)

  1. 内周面に形成された外輪軌道面を有する外輪と、
    外周面に形成された内輪軌道面を有すると共に、前記内輪軌道面の片側に鍔部を有する、又は前記内輪軌道面の両側に鍔部を有しない内輪と、
    前記外輪軌道面と前記内輪軌道面の間に転動自在に配置された複数の円筒ころと、を有する円筒ころ軸受であって、
    前記円筒ころ軸受の軸方向一端側において前記外輪と前記内輪との間に装着され、弾性力により前記外輪と前記内輪との径方向相対位置を保持する組立用弾性部材を有することを特徴とする円筒ころ軸受。
  2. 前記外輪軌道面は、径方向内側に向かって凸となるクラウニング形状を有し、
    前記内輪軌道面は、径方向外側に向かって凸となるクラウニング形状を有し、
    前記円筒ころの転動面は、軸方向中央部の直径が、両端部の直径より大きくなるクラウニング形状を有し、
    調心機能を有することを特徴とする請求項1に記載の円筒ころ軸受。
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