JP2016150415A - 加工装置、加工方法、および部品の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】触媒支援型加工法における加工量ないし加工速度を精度よく予測する。
【解決手段】加工面3が、被加工面の加水分解を支援する遷移金属を含む触媒物質により構成された工具2と、被加工物1とを、加工液4の水分子を介在させた状態で加工圧力で圧接した状態で相対的に運動させる。その加工の際、制御部により加工面3と被加工面11を相対的に運動させる相対速度または加工圧力を管理する加工制御を行う。その際、第1の定数、加工圧力、および相対速度の積からなる項と、第2の定数、および相対速度の三乗との積からなる項の差分によって表わされる加工速度の推定式によって被加工面11の加工速度を推定する。そして、推定された加工速度に基づき加工面と被加工面を相対的に運動させる相対速度または加工圧力を管理する。
【選択図】図5

Description

本発明は、加工面が被加工物の被加工面の加水分解を支援する遷移金属を含む触媒物質により構成された工具を用いて被加工物を加工する加工装置、加工方法、および部品の製造方法に関する。
従来、球面レンズ等の光学素子の研磨加工方法としては、酸化セリウム等の砥粒を含む研磨スラリーを工具表面に供給しながら、工具と被加工物を接触および相対的に運動させることで、被加工物の除去を行う遊離砥粒研磨方法が一般的である。この加工動作により、被加工物表面が平滑化され、表面粗さの小さい加工面が得られる。
また、この種の研磨加工においては、研削加工などの前処理によって被加工物表面に生じた加工変質層を除去することが重要である。加工変質層のない高品質な加工面を得るためには、研磨加工で一定以上の加工量が必要であるが、生産性を向上するという観点から、一定以上の加工量を得るための加工条件を効率よく設定することが求められる。
一般に、遊離砥粒研磨における加工量(加工深さ)は、被加工物と工具を接触させるときの加工圧力、工具と被加工物の相対速度、および加工時間に比例することが知られている。この比例関係は、プレストンの経験式として広く知られており、このプレストンの経験式に基づいて被加工物の加工量を予測する方法が提案されている(例えば下記の特許文献1)。特許文献1に開示された研磨方法は、被加工物の加工量分布が目標値になるようにプレストンの経験式に基づいて加工圧力、相対速度、加工時間や加工回数を設定するものである。
一方、光学素子材料として用いられるガラスの研磨には、旧来は酸化セリウムが砥粒として主に用いられている。しかしながら、酸化セリウムはレアアース(希土類)であって近年価格の変動が激しく、安定的に入手できないといった問題が生じるようになっている。
このような問題を背景に、近年、砥粒を使用しない被加工物の加工方法として、触媒支援型加工法が提案されている(例えば下記の特許文献2)。特許文献2の加工方法は、例えば固体酸化物を被加工物とし、加水分解による分解生成物の生成を助ける触媒物質を加工面(加工基準面)として用いる。そして、水(例えば純水)の存在下で、被加工物の被加工面と加工面とを接触もしくはごく接近させて配置し、両者を摺動させるような相対運動させることによって触媒反応により被加工面の加水分解を促進し、被加工物を除去する。
触媒支援型加工では、被加工面に工具の加工面を構成する触媒物質が接触、もしくはごく接近すると、酸化物を構成する酸素元素と他の元素とのバックボンドの結合力が弱くなる。そして、水分子が解離して酸化物の酸素元素と他の元素のバックボンドを切って吸着することにより加水分解による分解生成物が生成され、被加工面から除去されることによって加工が進行する。
触媒支援型加工によれば、砥粒を使用することなく光学ガラスに代表されるような固体酸化物からなる被加工物を平滑化することができる。なお、触媒支援型加工においては、当面の被加工面が酸化物となっていれば加工が可能であり、被加工物は必ずしも酸化物に限定されない。例えば、被加工面に紫外線を照射する、あるいは加工液に被加工面を酸化させる成分を用いることによって、被加工面を酸化させ、常態では酸化物とは異なる材質の被加工物の加工も可能である。
触媒支援型加工における、加工量、加工圧力、および被加工面と加工(触媒)面の相対速度との関係については、下記の非特許文献1に報告されている。非特許文献1によれば、相対速度が100mm/sより遅い条件においては、遊離砥粒研磨と同様に加工量は加工圧力と相対速度にほぼ比例することが示されている。
特開2001−298008号公報 国際公開第2013/084934号
しかしながら、触媒支援型加工法において、非特許文献1に示されている相対速度よりも速い条件で加工した場合においては、遊離砥粒研磨に適用可能なプレストンの経験式と同様の関係がそのまま成立しない可能性がある。後述のように、ある一定の加工圧力において実測された加工量、および被加工面と加工(触媒)面の相対速度との関係は、プレストンの経験式を逸脱している。従って、触媒支援型加工法では、プレストンの経験式を用いて、例えば加工圧力および被加工面と加工(触媒)面の相対速度の条件から加工量(加工速度)あるいは加工時間などを適切に予測することができない。
本発明の課題は、上記に鑑み、触媒支援型加工法において、任意の加工条件における被加工物の加工量ないし加工速度を精度よく予測し、高品質な被加工物を効率よく製造できるようにすることにある。
上記課題を解決するため、本発明においては、加工面が、被加工物の被加工面の加水分解を支援する遷移金属を含む触媒物質により構成された工具と、前記被加工物とを、水分子を介在させ加工圧力により圧接した状態で前記加工面と前記被加工面を相対的に運動させることにより、前記被加工面を加工する加工装置、加工方法、ないし部品の製造方法において、前記加工面と前記被加工面を相対的に運動させる相対速度または前記加工圧力を管理する制御部を備え、前記制御部によって第1の定数、前記加工圧力、および前記相対速度の積からなる項と、第2の定数、および前記相対速度の三乗との積からなる項の差分によって表わされる加工速度の推定式によって前記加工圧力の下で得られる前記被加工面の加工速度を推定し、推定された前記加工速度に基づき、前記加工面と前記被加工面を相対的に運動させる前記相対速度、または前記加工圧力を管理する構成を採用した。
本発明によれば、制御部の上記推定式を用いた推定演算によって、任意の加工条件における加工速度を精度よく予測でき、所定の加工量を得るための加工条件を効率的に設定できるため、高品質な被加工物を効率よく製造できるという効果を奏する。
本発明に係る被加工物の加工形態を示した説明図である。 被加工物の加工量(加工速度)と、工具および被加工物の相対速度の関係を示した線図である。 本発明に係る被加工物の加工量(加工速度)と、工具および被加工物の相対速度の関係を示した線図である。 本発明に係る被加工物の加工状態を拡大して示した説明図である。 本発明の実施例1における被加工物の加工形態を示した説明図である。 本発明の実施例1における被加工物の加工量(加工速度)と、工具および被加工物の相対速度の関係を示した線図である。 本発明の実施例1における被加工物の加工量(加工速度)の推定値と実加工量を示した棒グラフ図である。 本発明の実施例1で加工された被加工物の表面粗さを示した説明図である。 本発明の実施例2における被加工物の加工量(加工速度)と、工具および被加工物の相対速度の関係を異なる加工圧力ごとに示した線図である。 本発明における被加工物の加工ないし製造を制御する制御部の構成を示したブロック図である。 本発明における被加工物の加工ないし製造を制御する加工制御手順の流れを示したフローチャート図である。 本発明の実施例3における加工結果を示す図である。
以下、添付図面に示す実施例を参照して本発明を実施するための形態につき説明する。なお、以下に示す実施例はあくまでも一例であり、例えば細部の構成については本発明の趣旨を逸脱しない範囲において当業者が適宜変更することができる。また、本実施形態で取り上げる数値は、参考数値であって、本発明を限定するものではない。
図1に、本発明に係る加工形態の一例として、凹球面の被加工物1を加工するための構成の一例を示す。図1において、工具2は被加工物1の被加工面11と対向する加工面3(触媒部)を有する。
そして、水を含む加工液4を被加工面11と加工面3の間に供給し、被加工面11と加工面3(触媒部)の間に加工液4の水分子を介在させた状態で加工面3(触媒部)の形状に沿って被加工物1と工具2を相対的に運動させる。
工具2の加工面3は、被加工物1の被加工面11の加水分解を支援する遷移金属を含む触媒物質により構成される。工具2の加工面3を構成する触媒物質は、水分子が解離することで被加工物1を構成する元素と他の元素のバックボンドを切り、加水分解による分解生成物の生成を助長する触媒物質として、少なくとも1種類以上の遷移金属元素から選ばれる。この遷移金属元素としては、Pt、Au、Ag、Cu、Ni、Cr、Moなどが考えられる。触媒物質はこれらの金属元素単体、または複数の金属元素からなる合金であってもよい。
なお、本明細書では、レンズやミラーなどの光学素子のような凹球面の被加工物1を例示するが、被加工物1と工具2の凹凸関係はこの逆でもよく、図1(あるいは図5)の構成を凸球面の被加工物1の加工に応用することは容易である。
また、本発明における被加工物の種類は特に限定されないが、実生産レベルの加工速度が得られるという観点から、被加工物は光学ガラスであることが望ましい。例えば、カメラレンズ等に用いられる光学ガラスの仕上げ工程においては、加工前に残存する加工変質層の厚みは約1〜4μm程度が一般的である。実生産においては、この加工変質層を約20min以下の時間で除去することが一般的であるため、200nm/min以上の加工速度が求められる。よって、本発明における被加工物としては、200nm/min以上の加工速度が得られる光学ガラスであることが、より望ましい。
本明細書では、被加工物1、工具2は、それぞれ被加工物回転軸101、および工具回転軸102廻りに同一回転方向に回転駆動することにより相対運動させる構成を例示する。しかしながら、被加工物1と工具2の相対運動は、被加工物1もしくは工具2のいずれか一方を回転駆動することによっても可能である。また、被加工物1、工具2を両方とも回転駆動する場合、互いに逆方向の回転駆動方向を与える構成でも加工は可能である。いずれにしても後述の推定式(式(6))で用いられる被加工物1と工具2の相対速度を発生させることができる駆動方式であれば被加工物1と工具2の相対運動の形態は任意であり、本発明を限定するものではない。
なお、103の矢印に示すように、被加工物1もしくは工具2のいずれか一方もしくは両方を、被加工物1と工具2の接触面に沿って揺動運動させてもよい。このような揺動運動は、いわゆるカンザシなどと呼ばれる揺動機構を用いて行われる。以下では、説明を容易にするため、103のような被加工物1と工具2の相対揺動を行わない(あるいはこの揺動条件を無視して)前提で説明を進める。
本実施例では、被加工物1と工具2を圧接する加工圧力(P)と、被加工物1と工具2を相対運動(摺動)させる相対速度に基づき、推定式(後述の式(6))に基づいて加工速度(例えば1分あたりの加工量(加工深さ))を予測(推定)する。この推定式(後述の式(6))は、第1の定数、前記加工圧力、および前記相対速度の積からなる項と、第2の定数、および前記相対速度の三乗との積からなる項の差分によって表わされる加工速度の推定式である。
以下、この加工速度の推定式(後述の式(6))につき詳細に説明する。
旧来の砥粒を用いる遊離砥粒研磨においては、次式(1)に示すように、加工量は加工圧力と相対速度および加工時間に比例することが知られている。
ここで、式(1)におけるMは加工速度(1分あたりの加工量)、Kは研磨状態によって決まる定数、Pは加工圧力、Vは相対速度、Tは加工時間である。この式(1)はプレストンの経験式と呼ばれる公知のものである。
前述のように、触媒支援型加工においても、相対速度が低い条件においては、式(1)と同等の関係を有することが示されている。しかしながら、相対速度がより速い条件においても、式(1)と同等の関係が成り立つかは未知であった。
図2は、図1に示す加工形態によって光学ガラスからなる被加工物1を加工した場合の加工速度(1分あたりの加工量)と相対速度の関係を示している。なお、本明細書では、図1(あるいは後述の図5)のように、被加工物1と工具2の相対運動が円運動である場合、相対速度は例えば被加工物1の最外周の速度を用いるものとする。ただし、被加工物1と工具2の相対速度は、例えば後述の推定式(後述の式(6)や(7))の定数算出と、同推定式を用いた推定演算において、測定部位などを含むその定義が一致していればよい。即ち、被加工物1と工具2の相対速度には、必ずしも被加工物1の最外周の周速度を用いる必要はなく、例えば任意の部位の相対速度を用いるようにしてよい。
図2の例では、加工圧力は40kPとし、相対速度は188mm/sから1510mm/sの範囲の4条件で変化させている。図2に、相対速度が188mm/sのときの加工速度(1分あたりの加工量)を1としたときの、各条件における加工速度(1分あたりの加工量)の比率を示す。
同図のように、相対速度が754mm/s以上になると、加工速度の実験値がプレストンの経験式(201の直線)から大きく逸脱している。すなわち、触媒支援型加工法においては、被加工物1と工具2の加工面3(触媒部)との相対速度が速い場合、従来研磨では適用可能なプレストンの経験式では加工速度ないし加工量を精度よく予測することができない。
以上に鑑み、発明者は、加工速度(単位時間あたりの加工深さ)を予測する推定式を以下の仮定に基づき導出した。
まず、被加工物1と加工面3の単位接触点での加工量を「1接触あたりの加工量」と定義すると、加工量Mは、「1接触あたりの加工量」×「単位時間当たりの接触回数」×「加工時間T」で表せる。ここで「単位時間当たりの接触回数」が「触媒と被加工物の接触面積S」と「触媒とガラスの相対速度V」の積に比例すると仮定すると、加工速度Rは次式(2)によって表せる。
ここで、Kは比例定数である。さらに、加工面(触媒部)と被加工面11の接触面積Sは、工具2の加工面と被加工物1の平均接触圧力P」に比例すると考えられるため、次式(3)のように表せる。
次に、被加工物1に加わる圧力について考える。図4は、被加工物1を工具2の加工面3(触媒部)に対して加工圧力Pで接触させ、相対速度Vで運動させた場合の局所的な接触状態を概念的に示したものである。同図において、工具と被加工物1の間に水を含む加工液4が存在する状態で、工具2の加工面(触媒部)と被加工物1が相対運動(摺動)している。
また、工具2の加工面(触媒部)および被加工物1の表面は平滑面ではなく多少の凹凸が存在するため、図4に示すように、被加工物は相対運動の方向に対して垂直な方向に流体圧力Pを受けると考えてよい。そこで、平均接触圧力P、加工圧力P、流体圧力Pの関係は、次式(4)によって表せる。
また、流体中で物体が受ける抵抗力は速度の2乗に比例することから、流体圧力Pは次式(5)によって表せる。
上記の式(2)に式(3)〜(5)を代入して整理すると、R=K・K・V・P − K・K・Kc・Vのような形になる。ここで、K1=K・K、K2=K・K・Kとして纏め、整理すると、相対速度V、および加工圧力と、加工速度R(除去レート:単位時間あたりの加工深さ)と、の関係は次式(6)のような推定式にで表現される。
ここで、第1の定数K1および第2の定数K2は、上記のようにK1=K・K、K2=K・K・Kである。これら第1の定数Kおよび第2の定数Kは、それぞれ相対速度Vおよび加工圧力P以外のパラメータによって決まる定数である。
ここで、相対速度Vおよび加工圧力P「以外」のパラメータとは、例えば、被加工物1と加工面(触媒部)の材質、硬度などの加工条件であると考えられるが、実用上は、後述のようなサンプル加工によって算出できる。
ここで、上記推定式(式(6))の第1の定数Kおよび第2の定数Kに固定値を代入した場合の、推定値(301)と、実験値(302)を比較した結果を図3に示す。同図のように、上記推定式(式(6))による推定値(301)と実験で得た実測値(302)は良好な近似を示している。
従って、上記推定式(式(6))は、(少なくとも図3に図示した相対速度範囲内においては)触媒支援型加工法における加工速度R(除去レート:単位時間あたりの加工深さ)を予測する式として至極妥当なものと考えられる。
上記推定式(式(6))を実用に供するには、例えばサンプル加工を行って、同式の第1の定数Kおよび第2の定数Kを算出する必要がある。このサンプル加工の加工条件としては、加工圧力および相対速度の少なくとも一方を3条件以上変更して、当該の回数のサンプル加工を行い、得られた実験値を使用することが望ましい。また、例えば3ないしそれ以上の数の条件で、なるべくサンプル加工を多く実行し、推定式によって得られる加工量と実際の加工量との誤差が25%以下となるように上記の第1および第2の定数を求めることが望ましい。
また、前記推定式を用いて、任意の加工圧力において加工速度Rが最大値を超えないように相対速度を制御することができる。式(6)をVで微分すると、dR/dVは次式(7)によって表わされる。
このとき、dR/dVが0のとき、加工速度Rは最大となる。このときの相対速度をVmaxとすると、式(7)から、相対速度Vmaxは次式(8)で表わされる。
上記の式(8)に、前記求めた定数K、Kおよび加工圧力Pの値を代入することで、任意の条件におけるVmaxを算出することができる。ここで、式(6)〜(8)(ないし図3、図6など)は、最大(最適)の加工速度を得られる相対速度Vには上限(Vmax)があることを示している。すなわち、工具と被加工物の相対速度Vとして上記の最大の相対速度Vmax以上の値を与えても加工速度は向上せず、却って低下する。
従って、上記推定式(式(6)〜(8))を用いることによって、所望の(あるいは最適な)加工速度を得られるよう、加工圧力Pや相対速度Vを制御し、また、必要な加工時間を設定することができる。これにより、任意の加工条件における加工速度を精度よく予測でき、所定の加工量を得るための加工条件を効率的に設定でき、高品質な被加工物を効率よく生産することができる。
以下、触媒支援型加工法によって、被加工物1として凹面の球面レンズを加工する2つの実施例(実施例1および実施例2)を示す。
本実施例1では、被加工物1として、外径(2r:直径)が17.8mm、目標とする曲率半径RWが63.267mmの凹面の球面レンズを触媒支援型加工法によって加工する例を説明する。
図5に、本実施例の加工形態を示す。被加工物1の材料には、アニオン成分としてO2−を含有し、カチオン%(モル%)表示で少なくとも以下に列挙するカチオン成分を含有する光学ガラス(ランタン系ガラス(例えばオハラ社製S−LAM55))を用いた。
・Si4+として13%以上28%以下
・B3+として23%以上48%以下
・Ba2+として16%以上22%以下
・Ti4+として2%以上11%以下
・Zn2+として2%以上11%以下
・Zr4+として1%以上7%以下
・La3+として5%以上11%以下
・Sb3+として0%以上2%以下
なお、この被加工物1の材質は固体酸化物に属するものであるが、酸化物ではない半導体(窒化ガリウムなど)の基板などの被加工物1の場合には、被加工面11を酸化させる手段を併用することなどによって図5と同様の構成によって加工が可能である。その場合、例えば被加工面11に紫外線を照射する構成を追加したり、加工液4の組成を変更するなどして被加工面11を酸化させる。
工具2の上面に弾性体5を覆い、この弾性体5の表面に加工面3を構成する触媒部としてPtの薄膜を約100nmの厚さでコーティングした。この弾性体5には発泡ポリウレタン(例えば九重電機社製のNFP05)を用いた。加工液4には精製水を用い、供給手段7(ポンプその他の詳細な図示は省略)により工具2の加工面3の表面に対して毎分1000mlの流量で供給した。
被加工物1はホルダ6で支持され、被加工物回転軸101に対して工具回転軸102を8.1度、傾けた状態で、被加工物1と工具2を所定の加工圧力により接触させる。この加工圧力(P)は、工具回転軸102を軸方向に付勢するスプリング(不図示)などの付勢力を用いて発生させる。好ましくは、被加工物1と工具2の加工圧力を調節できるように構成しておく。
被加工物1および工具2は、被加工物回転軸101および工具回転軸102を回転駆動するモータ(図10の220、221)の駆動力により回転させる。本実施例では、これらのモータの回転方向は、図示のように同一とし、被加工物1と加工面3の接触面方向に相対運動(摺動)させる。
被加工物1および工具2の相対速度(V)は、被加工物1および工具2を駆動するモータ(図10の220、221)の速度を調節することによって制御できる。
ここで、工具2は図5(図1)のように、被加工物1(直径2r=17.8mm)の2倍あるいはそれ以上の大きさの直径を有しているものとし、同図のように被加工物1の外周が工具2の回転中心に一致するような姿勢について考えてみる。このような研磨姿勢において、工具2と被加工物1が同一回転方向、同一回転数の場合、工具2の加工面3の有効半径(長さ4r)、および被加工物1の直径(長さ2r)上での相対速度はいずれも同一で、被加工物1の最外周の周速度と等しくなる。本実施例(実施例2も同様)では、相対速度(V)はこの工具2の加工面3の有効半径(被加工物1の直径)上での速度を用いるものとする。
まず、上記構成において、上記推定式(式(6))における第1の定数Kおよび第2の定数Kを算出するために、図5の構成において、加工時間の1分あたりの加工量(加工深さ)を測定した。加工圧力は40kPaとし、被加工物および工具の回転速度を200rpm、400rpm、800rpm、1600rpmの4条件とした。このとき、被加工物1(直径2r=17.8mm)と工具2の加工面3の相対速度(V)はそれぞれ、ほぼ188mm/s、377mm/s、754mm/s、1510mm/sとなる。
上記の各条件における1分あたりの加工量(加工深さ)、即ち加工速度は、例えば走査型白色干渉計などを用いて測定でき、上記各条件におけるその実測値はそれぞれ374nm、718nm、1015nm、1026nmであった。図6の4つのプロット(602)はこれらの加工速度を示している。
次に、取得した加工量を用いて、式に示す上記推定式(式(6))における定数を算出する。上記推定式(式(6))の第1の定数Kおよび第2の定数Kは、各条件における実験値に対する推定値の誤差が25%以下になるよう、繰返し計算を行うことで算出した。その結果、第1の定数Kおよび第2の定数Kを、K=3.93×10−2、K=4.58×10−7とした場合、各実験値に対する推定値の誤差を25%以下とすることができた。次式(9)に、式(6)の定数KおよびKに求めた値を代入した式を示す。
式(7)の加工速度特性は、図6に特性カーブ(601)として示してある。
続いて、上記の式(9)(推定式(6)の一例である)を用いて、加工圧力Pを30kPa、相対速度Vを1510mm/sとして加工速度Rを求めた。また、必要な加工量(加工深さ)を2000nm以上として、必要な加工時間を算出した。
ここで、被加工物1には、前処理としてダイヤモンド砥石による研削加工を施し、その加工変質層が約2000nm程度の厚みで残っているものを使用した。本実施例の触媒支援型加工では、この加工変質層を除去できるだけの加工深さを達成するものとする。
一方、上記の推定式(9)で推定される加工速度で2000nm以上の加工量を得るには、加工時間は9.8分以上必要であることが判る。そこで、加工時間を10分に設定し、加工を実施した。
図7は、この時、実際に得られた加工量と推定式による加工量を示している。図7のように、推定値である2050nm(左側)に対して、実際に得られた加工量は2845nm(右側)であった。実際の加工量に対する推定値の誤差は28%であり、式(6)によって加工量をかなり精度よく予測できていることが確認された。
図8に、加工後の被加工物表面を走査型白色干渉計で測定した結果を示す。図8に示すように、表面粗さは加工前の70nmRMSから、加工後は中心部、中帯部、外周部に渡り、0.9nmRMS前後の値になっており、加工変質層がほぼ除去された高品質な被加工物が得られていることが判る。
上記の推定式(9)を用いた実例からも明らかなように、ことにより、上記のような推定式(式(6))を用いることにより、実用的に見て良好な精度で触媒支援型加工の加工速度を推定できることが判る。
以上のように、上記推定式(式(6))、即ち第1の定数、加工圧力P、および相対速度Vの積からなる項と、第2の定数、および前記相対速度Vの三乗との積からなる項の差分によって表わされる推定式によって加工速度を精度よく推定することができる。従って、上記推定式(式(6))を用いれば、任意の加工条件における加工量を精度よく予測でき、所定の加工量を得るための加工条件を効率的に設定できるため、高品質な被加工物を効率よく製造することができる。
本実施例2では、実施例1で第1の定数Kおよび第2の定数Kを求めたのと同じ推定式(式(9))を用いて、加工圧力Pおよび相対速度Vをより幅広い条件に設定し、加工速度Rの実験値と推定値を比較した実例につき説明する。本実施例2では、加工圧力を30kPa、80kPa、120kPaの3条件、回転速度を200rpm、400rpm、800rpm、1600rpmの4条件、計12条件において加工を実施した。
1分あたりの加工量と推定式による加工量を比較した結果を、図9に示す。同図において、上記の各条件における加工速度の実験値(丸、3角、4角などのシンボルによるプロット)と、推定式(式(9))で推定される加工速度特性901、902、903、904のカーブはよく一致している。この結果から、推定式(式(9)ないし(6))を用いれば、幅広い加工条件において、加工速度を精度よく推定することができることが判る。従って、推定式(式(9)ないし(6))を用いて得た加工速度の推定値を用いて、例えば、所定の加工量を得るための加工条件を効率よく設定することができる。
以上のように、本実施例2によっても、上記推定式(式(6))を用いれば、任意の加工条件における加工量を精度よく予測できることが判る。従って、推定式(式(9)ないし(6))を用いて得た加工速度の推定値を用いて、例えば、所定の加工量を得るための加工条件を効率よく設定することができる。即ち、本実施例2によれば、任意の加工条件における加工速度を精度よく予測でき、所定の加工量を得るための加工条件を効率的に設定できるため、高品質な被加工物(例えばレンズやミラーなどの光学素子)を効率よく生産することができる。
実施例3では、被加工物として、以下のようにアニオン成分としてO2−を含有し、カチオン%(モル%)表示で少なくとも以下に列挙するカチオン成分を含有する光学ガラス(オハラ社製のフツリン酸系ガラスS−TIH11)を用いて加工した例を説明する。
・Si4+として27%以上37%以下
・Ca2+として0%以上3%以下
・Ba2+として3%以上8%以下
・Ti4+として20%以上28%以下
・Sb3+として0%以上1%以下
・Kとして2%以上12%以下
・Nb5+として0.5%以上5%以下
・Naとして17%以上36%以下
被加工物1の形状は、外径Dが34.0 [mm]である平面形状とした。工具2の外径は被加工物の外径の2倍となる68.0[mm]とし、工具2の上面に弾性体5を設け、前記弾性体5の表面に触媒部3としてPtの薄膜を約100nmの厚さでコーティングした。弾性体5には九重電機社製の発泡ポリウレタンNFP05を用いた。前加工液4には精製水を用い、供給手段により触媒部3の表面に対して1000ml毎分で供給した。被加工物1はホルダ6で支持され、被加工物1と触媒2を加圧により接触させた。被加工物1および工具2を、それぞれモータの駆動力により回転させることで、被加工物1と触媒部3の接触面方向に相対運動させた。
式に示す推定式における定数を求めるために、加工圧力は40kPaとし、被加工物および工具の回転速度を100rpm、400rpm、800rpmの3条件に設定して、加工時間1分あたりの加工量を取得した。このとき、被加工物と触媒部の相対速度はそれぞれ、178mm/s、712mm/s、1424mm/sである。各条件における1分あたりの加工量は、138nm、453nm、466nmであった。次に、前記取得した加工量を用いて、式に示す推定式における定数を求めた。その結果、K=1.80×10−2、K=2.00×10−7とした場合、各実験値に対する推定値の誤差が25%以下となった。次式(10)に、式(6)の定数KおよびKに上記の値を代入した式を示す。
また、この場合、加工速度Rの最大値が得られる相対速度Vmaxは次式(11)のようになる。
上式(11)から、加工圧力Pが40kPaの条件において加工速度が最大になる工具と被加工物の相対速度Vmaxは、1095mm/sと求められる。この加工速度が最大となる相対速度から、およそ700mm/s遅い速度以上であって、700mm/s速い速度以下であれば実生産に耐える加工速度を得ることができると考えられる。そこで、被加工物および工具の回転速度を600rpm、相対速度を1068mm/sとし、加工速度を確認した。その結果、推定値の525nm/minに対し、実際の加工速度は530nm/minであった。
図12に本実施例における相対速度および加工速度の関係を示す。同図において、801は上記の推定式(式(11))に対応する加工速度カーブ、803は同推定式の定数項を求めるに用いた実験値である。図12において、803は実際の加工で得られた加工速度で、この実加工速度803に対する推定値(801)の誤差は約1%であり、式によって加工量を精度よく予測できていることが確認された。以上のように、本実施例によれば、加工速度が速い領域においても、式(6)に基づいて、効率的な加工速度を得られる相対速度を設定できることが実証された。また、光学レンズの生産で実用できる程度の高速な加工速度が得られることが確認された。
光学素子の実生産においては、一般に200nm/min以上の加工速度が求められることが多い。そこで、上記の推定式(6)〜(8)、推定式(9)〜(11)から、加工速度Rが200nm/min以上となる相対速度Vの範囲を計算した。この計算結果を下記表1に示す。ただし、相対速度の下限値(Vmin)については切り上げた値を示し、相対速度の上限値(Vmax)については切り捨てた値を示した。
上記表1から、被加工物が光学ガラスである場合、加工圧力が、30KPa以上40KPa未満の時は、相対速度を、400mm/s以上1400mm/s以下として加工することが好ましく、40KPa以上50KPa未満の時は、相対速度を、300mm/s以上1700mm/s以下とすることが好ましいことが判る。
また、加工圧力が、50KPa以上60KPa未満の時は、相対速度を、300mm/s以上1900mm/s以下として加工することが好ましく、60KPa以上70KPa未満の時は、相対速度を、200mm/s以上2200mm/s以下とすることが好ましいことが判る。
また、加工圧力が、70KPa以上80KPa未満の時は、相対速度を、200mm/s以上2400mm/s以下として加工することが好ましく、80KPa以上90KPa未満の時は、相対速度を、200mm/s以上2600mm/s以下とすることが好ましいことが判る。
また、加工圧力が、90KPa以上100KPa未満の時は、相対速度を、200mm/s以上2700mm/s以下として加工することが好ましく、100KPa以上110KPa未満の時は、相対速度を、200mm/s以上2900mm/s以下とすることが好ましいことが判る。
また、加工圧力が、110KPa以上120KPa未満の時は、相対速度を、200mm/s以上3000mm/s以下として加工することが好ましく、120KPa以上130KPa未満の時は、相対速度を、100mm/s以上3100mm/s以下とすることが好ましいことが判る。
以上のように、加工圧力を30KPa以上130KPa未満の範囲の中から、また、相対速度を100mm/s以上3100mm/s以下の範囲の中から適宜選択して光学ガラスを加工することによって、レンズやミラー等の光学素子などの部品を効率的に製造することが可能となる。以上のように、上述の推定式(6)〜(11)を利用して、所望の加工量を得るための加工条件を効率的に設定でき、高品質な被加工物を効率よく生産することができる。
さらに効率的に光学素子を加工できる加工速度800nm/min、および1000nm/min以上となる領域で用いるべき工具と被加工物の相対速度の範囲を、上述の推定式(6)〜(11)に基づき計算した結果を以下の表2、表3にそれぞれ示す。
表2、3から明らかなように、これらの加工速度領域おいて、より効率的に加工を進めるためには、加工圧力を60KPa以上130KPa未満の範囲の中から選択する、そして相対速度は、200mm/s以上3000mm/s以下の範囲の中から選択する。これにより、800nm/min以上の加工速度を得られることが判る。さらに好ましい加工条件としては、加工圧力を70KPa以上130KPa未満の中から選択し、相対速度を300mm/s以上3000mm/s以下の中から選択すれば、1000nm/min以上の加工速度を実現できることが判る。以上のように、実施例4よりも高速な加工速度の領域においても、上述の推定式(6)〜(11)を利用して、所望の加工量を得るための加工条件を効率的に設定でき、高品質な被加工物を効率よく生産することができる。
以下に、図1の加工装置ハードウェアを制御するための制御部200の構成例、および制御手順の一例につき説明する。
図10に、加工装置の制御部200の構成例を示している。図10の制御部は、汎用マイクロプロセッサなどから成るCPU201、およびROM202、RAM203、入力部211、出力部212、加工駆動系としてのモータ220、221、加工圧力制御部222などから構成される。
ROM202は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体であり、例えば後述する加工制御プログラムと制御データを格納するために用いることができる。なお、ROM202に格納した加工制御プログラムと制御データを後から更新(アップデート)できるよう、そのための記憶領域はE(E)PROMなどの書き換え可能な記憶デバイスによって構成されていてもよい。また、ROM202の上記書き換え可能な記憶デバイスの領域は、着脱式のフラッシュメモリから構成されていてもよい。このような着脱式のコンピュータ読み取り可能な記録媒体は、例えば、本発明の一部を構成する加工制御プログラムをROM202(E(E)PROM領域)にインストールしたりアップデートするために用いることができる。この場合、各種の着脱式のコンピュータ読み取り可能な記録媒体は、本発明を構成する制御プログラムを格納しており、記録媒体それ自体も本発明を構成することになる。
RAM203は、DRAM素子などから構成され、CPU201が各種の制御、処理を実行するためのワークエリアとして用いられる。本実施例における加工制御に係る機能は、RAM203をワークエリアとして、例えばROM202に格納された加工制御プログラムをCPU201が実行することにより実現される。
入力部211は、加工条件(制御条件)を入力するための入力部で、例えば他の制御端末(例えばコンピュータやサーバ装置)などから所定のデータフォーマットで記述された加工条件を入力するインターフェース装置から構成される。このインターフェース装置は、例えば各種のシリアルバスやパラレルバス、ネットワークインターフェースなどから構成される。また、入力部211は、操作者が所望の加工条件を入力するユーザーインターフェース装置から構成されていてもよい。その場合、このユーザーインターフェース装置は、例えば、キーボード、ディスプレイ、マウス、トラックパッド(ボール)といったポインティングデバイスなどから構成することができる。
CPU201は、出力部212を介して図5の加工装置の加工駆動系を制御する。本実施例の加工装置の加工駆動系には、少なくとも図5のホルダ6を介して被加工物1を回転駆動するモータ220、工具2を回転駆動するモータ221と加工圧力制御部222が含まれる。
なお、ホルダ6の揺動運動は、例えばカムやリンクなどの機構(不図示)を用いてモータ220または221の回転運動を揺動運動に変換することにより発生できる。しかしながら、被加工物1を揺動させるホルダ6に独立したモータなどの駆動源(不図示)が用いられる場合には、このホルダ6の駆動源もCPU201が制御するよう構成することができる。
さらに、図5の加工装置は、好ましくはホルダ6を介して被加工物1を工具2に圧接する加工圧力(P)を制御可能に構成する。その場合、加工圧力の発生機構(不図示)には、ソレノイド(不図示)などにより被加工物1を保持するホルダ6に工具2の方向への圧接力(加工圧力)を印加する構成を用いることができる。また、加工圧力自体はスプリング(不図示)などにより発生させ、例えばそのスプリングの圧縮量を変化させるソレノイド(不図示)を加工圧力の可変手段として設けてもよい。
例えば上記のいずれかのソレノイドは、加工圧力制御部222として用いることができ、ホルダ6を介して被加工物1を工具2に圧接する加工圧力は、によって、例えばソレノイドの駆動力を変化させることによって制御することができる。
CPU201は、出力部212を介してモータ220、221の例えば回転数(回転速度)を制御することにより、被加工物1と工具2の相対速度を制御することができる。また、CPU201は、出力部212を介して加工圧力制御部222を介して被加工物1と工具2を圧接する加工圧力(P)を制御することができる。出力部212は、CPU201の指令(1ないし数バイト程度のデジタルデータ)をモータ220、221、加工圧力制御部222を駆動可能な情報(電圧や電流など)に変換するインターフェース回路およびドライバ回路などから構成することができる。
タイマ回路213は、例えばRTC(リアルタイムクロック)のようなタイマ装置によって構成される。CPU201は、タイマ回路213を用いて例えば加工時間(期間)の長さを決定することができる。
CPU201は、入力部211から入力された後述の加工条件に応じて、上記各部を制御することにより、被加工物1の加工動作を制御する加工制御を行う。本実施例では、モータ220、221を介して制御可能な被加工物1と工具2の相対速度、加工圧力制御部222を介して制御可能な加工圧力、被加工物1の所望の加工量(加工深さ)、または加工時間などを入力部211から入力することができる。
入力部211を介して入力された加工条件に応じて、タイマ回路213の計時に応じて加工期間(加工時間)が終了した時点で、モータ220、221の回転駆動を終了させ、触媒支援加工を終了させる。さらに、その際、加工装置の不図示の機構を介して被加工物1を工具2から離間させる、加工液4の供給を停止させて、触媒反応を停止させる制御を行ってもよい。
(制御形態1)
図10の制御部200を用いた加工制御の最もシンプルな態様として、例えば作業者が入力部211を介して、被加工物1と工具2の相対速度、加工圧力、および加工時間を全てマニュアル操作により指定する方式が考えられる。
この構成では、タイマ回路213の計時に応じて加工期間(加工時間)が終了した時点で、加工動作を終了させる。この方式では、加工条件の全てをマニュアル操作により決定するため、上述の推定式(式(6))による加工速度推定を作用させる余地がない。作業者は経験に基づき上記加工条件を決定し、例えば加工時間を少なめに見積り、干渉計などを用いて被加工面11のサイズや形状を実測しながら加工を繰り返すことになる。
(制御形態2)
一方、上述の推定式(式(6))を用いることにより、上記実施例で示したように、正確に加工速度を推定することができる。そこで、上記推定式(式(6))の右辺に対応する被加工物1と工具2の相対速度および加工圧力とともに、被加工面11の所望の加工深さを入力する。そして、入力されたこれらの条件を用いてCPU201が上記推定式(式(6))を用いて加工速度を推定する。なお、当然ながら、上記推定式(式(6))中の第1および第2の定数については、上述の通り予め異なる相対速度ないし加工圧力を用いた実測によって決定しておく。
さらに、CPU201は、推定した加工速度で入力された加工深さを除算することにより、所要の加工時間を求める。この加工時間をタイマ回路213にセットする。そして、入力された相対速度および加工圧力となるよう、モータ220、221加工圧力制御部222を制御し、タイマ回路213がセットされた加工時間を計時したら加工を終了する。
このようにして、上記推定式(式(6))を用いて、被加工物1と工具2の相対速度および加工圧力とともに、精度よく所望の加工深さを加工するのに必要な所要の加工時間を決定することができる。
(制御形態3)
さらに、入力部211で、被加工面11の所望の加工深さを入力するとともに、相対速度または加工圧力のいずれか一方を指定し、上記推定式(式(6))を用いて、他方の加工圧力または相対速度を管理することもできる。その場合、例えばさらに入力部211から所望の加工時間(または加工速度)を指定しておき、所望の加工深さと所望の加工時間(加工速度)を達成できるよう、CPU201が上記推定式(式(6))を用いて、他方の加工圧力または相対速度を制御する。
このような制御によって、加工圧力または相対速度を制御し、被加工面11を所望の加工深さで、かつ所望の加工時間内に加工することができる。この制御は、例えば図9の異なる相対速度〜加工速度カーブのいずれかを選択して、所望の加工深さと所望の加工時間を達成する制御に相当する。
(制御形態4)
さらに、入力部211で加工深さ、加工圧力を指定し、CPU201で相対速度を制御する方式においては、上記推定式(式(6))の特性を考慮して、以下のような制御を行うことができる。
即ち、上記推定式(式(6))、および対応する図5や図9の相対速度〜加工速度カーブに着目すると、この触媒支援加工の加工特性はプレストンの経験式のような1次(線型)のものでないことが明らかである。即ち、上記推定式(式(6))に対応する相対速度〜加工速度カーブは最大値を有しており、ある加工圧力下において、一定以上の相対速度では加工速度が逆に低下する領域が認められる。
そこで、加工圧力が定まっており、上記推定式(式(6))の第1および第2の定数およびが算定されていれば、CPU201は特定の加工圧力の下において、最大の加工速度を得られる相対速度の最大値(最適値:式(8)、(11)のVmax)を計算することができる。そして、CPU201は、その加工圧力において最大の加工速度を得られる相対速度の最大値(最適値)を用いるよう相対速度を管理することができる。これにより、所望の加工圧力および加工深さを入力部211から入力するだけで、被加工物1と工具2の相対速度の最大値(最適値)を自動的に選択するよう相対速度を管理でき、最も加工効率の良い加工条件で被加工物1を加工することができる。
(制御手順)
図11は、図10の制御部によって行われる、加工制御手順の一例を示している。図11の手順は、CPU201の制御プログラムとして例えばROM202に格納しておくことができる。また、本実施例の加工制御手順を記述した制御プログラムは、コンピュータ読み取り可能な光ディスクや各種フラッシュメモリ(いずれも不図示)によって図10の制御系に供給することができる。その場合E(E)PROMなどで構成したROM202の所定領域を着脱可能な各種フラッシュメモリにより構成し、この領域を利用して図10の制御系への制御プログラムのインストールや更新を行うようにしてもよい。また、本実施例の加工制御手順を記述した制御プログラムは、不図示のネットワークインターフェースなどを介して図10の制御系に供給し、インストール、更新を行うようにしてもよい。
図11は、上記の制御形態1〜3に該当する加工制御に該当するステップS10〜S13、S15を基本とする。また、ステップS14は、上記の制御形態4として説明した被加工物1と工具2の相対速度の最適値を自動的に選択する制御の要部に該当し、このステップS14を追加することにより上記の制御形態4の加工制御が可能となる。
図11のステップS11において、入力部211により、加工圧力、被加工物1と工具2の相対速度、所望の加工深さ(あるいは所望の加工時間)などのうち、上記の制御形態1〜4で必要な加工制御条件を入力する。
また、推定式(式(6))の第1、第2の定数は例えば被加工物1の材質などに応じて予め複数組算出しておくことができる。この複数組の推定式(式(6))の第1、第2の定数は被加工物1の材質などと関連づけてデータベース化しRAM203やROM202に格納しておくことができる。その場合、ステップS11において、例えば被加工物1などの材質を入力部211から指定することによって、適切な第1、第2の定数を持つ推定式(式(6))を加工制御に用いるよう選択することができる。
上記の各加工制御条件は作業者の手動入力であれば、ユーザーインターフェース装置から成る入力部211を用いた手動操作によって入力される。また、入力部211にネットワークインターフェースなどが含まれている場合には、このインターフェースを用いて他の制御端末(例えばコンピュータやサーバ装置)などから所定のデータフォーマットで記述された上記の加工制御条件を入力することができる。
図11のステップS12では、CPU201はステップS11で入力された加工制御条件に応じてモータ220、221、加工圧力制御部222の設定を行う。例えば、入力部211から被加工物1と工具2の相対速度が指定されている場合は、その相対速度が得られるよう、モータ220、221の回転数を決定する。また、入力部211から指定された加工圧力が得られるよう、加工圧力制御部222の圧力制御条件を決定する。また、制御形態1のように加工時間が入力部211から指定されている場合はタイマ回路213の計時時間を設定する。
制御形態2〜4の場合は、ステップS12の設定処理は以下のようになる。
さらに、制御形態2のように、ステップS10で被加工物1と工具2の相対速度および加工圧力と、被加工面11の所望の加工深さが入力されている場合には、CPU201は推定式(式(6))を用いて加工速度を推定する演算を行う。本実施例において、推定式(式(6))を用いて加工速度を推定する処理は、加工速度の推定工程を構成する。CPU201は、推定式(式(6))を用いて推定された加工速度と、指定された加工深さを用いて加工時間を計算することができ、その加工時間をタイマ回路213に設定する。
また、制御形態3のように、入力部211から所望の加工深さと所望の加工時間(または加工速度)を達成できるよう、他方の加工圧力または相対速度を制御することもできる。この場合は、ステップS10で入力部211から加工時間(または加工速度)と、相対速度または加工圧力のいずれか一方を指定しておく。そして、CPU201は、上記推定式(式(6))を用いて、推定式(式(6))を用いて加工速度を推定する(推定工程)。さらに、CPU201は、加工速度の推定値を用いて、指定された加工深さ、ないし所望の加工時間を達成できるよう、他方の加工圧力または相対速度を計算し、加工圧力制御部222またはモータ220、221の設定を行う。
また、最適制御に相当する制御形態4の場合は、ステップS10では必ずしも加工時間(または加工速度)を指定する必要はない。この場合は、少なくとも加工圧力と所望の加工深さが決定されていればよく、CPU201はステップS12において上記推定式(式(6))を用いて相対速度、特にその最大値(最適値)を算出ことができる。
例えば、CPU201は、入力された加工圧力と第1、第2の変数(いずれも被加工物の材質などにより決定される)を適用した推定式(式(6))の表現する関数を微分する。そして、この微分関数からその変曲点を求めることなどにより、同式で推定される加工速度が最大となる最大(最適)の相対速度を計算できる。そして、CPU201は、この最大(最適)の相対速度を得られるよう、モータ220、221の回転数を選択する。また、所望の加工深さと上記演算で得られた最大の加工速度を用いて、CPU201は加工時間を計算し、その加工時間をタイマ回路213に設定することができる。
以上の設定の後、ステップS15で加工終了条件を監視しながらステップS12で設定した条件に基づきステップS13でモータ220、221、加工圧力制御部222などの各部を駆動する加工制御ループを実行する。この処理は、加工速度の推定工程において推定された加工速度に基づき、加工面3と被加工面11を相対的に運動させる相対速度、加工圧力などを管理する管理工程に相当する。
なお、ステップS14に示した最大ないし最適速度制御は、制御形態4のように相対速度を最大(最適)値(式(8)、(11)のVmax)に保つ制御を明示的に図示したものである。ステップS14は、制御形態4に該当する制御を行う場合、ステップS13の実行中に行われる。例えば上記のようにステップS12で相対速度が決定済みであり、開ループ制御で相対速度を制御する場合には、図中のステップS14の位置で殊更に制御を行う必要はない。
ただし、モータ220、221の実回転数を検出するエンコーダなどが設けられているなど場合には、ステップS14の位置で、被加工物1と工具2の相対速度が最大(最適)値を超えないように閉ループ制御を行うことができる。即ち、推定式(式(6))の加工速度特性では、上述のように被加工物1と工具2の相対速度が最大の加工速度が得られる速度値をオーバーすると、却って加工速度(効率)が低下する。上記のような閉ループ制御を行うことにより、相対速度超過により被加工物1の加工速度(効率)が低下するのを防止することができる。このように被加工物1と工具2の相対速度が最大(最適)値を超えないような閉ループ制御は、例えばステップS12で相対速度が決定済みである場合に併用してもよい。
なお、エンコーダなどを用いてモータ220、221の回転数を検出可能な構成では、CPU201は、被加工物1と工具2の相対速度の変動を刻々と検出できる。そして、これら各相対速度と推定式(式(6))を用いれば、加工速度(の推定値)の変動を刻々と検出でき、さらに例えば積分演算などにより加工量の推定値を求めることができる。以上のようにしてエンコーダなどを用いてモータ220、221の回転数を検出し、相対速度から(実)加工量の推定値を刻々と演算できる。例えば、この(実)加工量の推定値と、入力部211から入力された加工深さを用いて、タイマ回路213に設定した加工時間を補正する処理を行うようにしてもよい。
ステップS15の終了条件検出は、上記のようにタイマ回路213に加工時間が設定されている場合には、タイマ回路213のタイムアウト検出により実施できる。このようなタイマ制御は、例えばタイマ割り込み処理(例外処理)のようなCPU201の制御メカニズムを利用して実施することができる。
以上のようにして、制御部200は、入力部211から入力された加工深さを実現すべく、モータ220、221、加工圧力制御部222などの各部を駆動する加工制御を実行できる。
その場合、上述の制御形態1〜4として示した各制御態様で加工制御を行うことができる。特に、制御形態4では、被加工物1の加工速度(効率)が最大となる被加工物1と工具2の相対速度を自動的に選択することができる。このため、制御形態4の制御では、加工時間や相対速度を入力部211から指定することなく、例えば加工深さ(と加工圧力)を指定するだけで最適の加工効率を得ることができる。
上述の本発明の加工装置ないし加工方法を実施することにより、固体酸化物、半導体などから成る光学素子や半導体基板などの種々の部品を製造する製造方法を実現することができる。
なお、本発明は、上述の実施例の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステムまたは装置に供給することができる。その場合、本発明の制御は、そのシステムまたは装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサがプログラムを読出し実行する処理でも実現できる。また、本発明の制御は、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
また、図1に示したカンザシなどによる被加工物1と工具2の相対揺動を組合せる場合においても、本発明は実施可能である。例えば、回転方向や揺動条件などを含めた条件、および相対速度の測定(計算)方式が、推定式(式(6))の第1、第2の定数K、Kの測定時と、同じ式による推定演算時で整合していれば本発明は実施可能である。例えば、被加工物1と工具2の回転運動による相対運動に相対揺動を組合せる場合には、相対速度としては合成速度ベクトルの絶対値を用いる、あるいは特定回転部位の円運動の接線方向の速度成分を用いることが考えられる。また、図1、図5などにおいて工具と被加工物の回転駆動方向が互いに逆回転である場合などには、相対速度は測定部位によって異なってくる。そのような場合でも、回転方向などの条件、および相対速度の測定部位も含めた測定(計算)方式が、推定式(式(6))の第1、第2の定数K、Kの測定時と、同じ式による推定演算時で整合していれば本発明は実施可能である。
1…被加工物、2…工具、3…触媒部、4…加工液、5…弾性体、6…ホルダ、7…供給手段。

Claims (23)

  1. 加工面が、被加工物の被加工面の加水分解を支援する遷移金属を含む触媒物質により構成された工具と、前記被加工物とを、水分子を介在させ加工圧力により圧接した状態で前記加工面と前記被加工面を相対的に運動させることにより、前記被加工面を加工する加工装置において、
    前記加工面と前記被加工面を相対的に運動させる相対速度または前記加工圧力を管理する制御部を備え、
    前記制御部は、第1の定数、前記加工圧力、および前記相対速度の積からなる項と、第2の定数、および前記相対速度の三乗との積からなる項の差分によって表わされる加工速度の推定式によって前記加工圧力の下で得られる前記被加工面の加工速度を推定し、推定された前記加工速度に基づき、前記加工面と前記被加工面を相対的に運動させる前記相対速度、または前記加工圧力を管理することを特徴とする加工装置。
  2. 請求項1に記載の加工装置において、特定の加工圧力の下で、予め複数の異なる相対速度で前記工具の前記加工面と前記被加工面を相対的に運動させ、複数の異なる相対速度においてそれぞれ得られた加工速度を用いて、前記加工速度の推定式の前記第1の定数、および前記第2の定数の値が算出されることを特徴とする加工装置。
  3. 請求項1または2に記載の加工装置において、前記制御部は、前記加工速度の推定式を用いて推定した前記加工速度に基づき、前記工具を用いて前記被加工物を加工する加工時間を決定することを特徴とする加工装置。
  4. 請求項1から3のいずれか1項に記載の加工装置において、前記制御部は、前記工具と前記被加工物を圧接させる特定の加工圧力の下で得られる前記被加工面の加工速度が最大値を超えないよう前記加工面と前記被加工面を相対的に運動させる相対速度を制御することを特徴とする加工装置。
  5. 加工面が、被加工物の被加工面の加水分解を支援する遷移金属を含む触媒物質により構成された工具と、前記被加工物とを、水分子を介在させ加工圧力により圧接した状態で相対的に運動させることにより、前記被加工面を加工し、その加工の際、制御部によって前記加工面と前記被加工面を相対的に運動させる相対速度または前記加工圧力を管理する加工制御を行う加工方法において、
    前記制御部が、第1の定数、前記加工圧力、および前記相対速度の積からなる項と、第2の定数、および前記相対速度の三乗との積からなる項の差分によって表わされる加工速度の推定式によって前記加工圧力の下で得られる前記被加工面の加工速度を推定する推定工程と、
    前記制御部が、前記推定工程において推定された前記加工速度に基づき、前記加工面と前記被加工面を相対的に運動させる前記相対速度、または前記加工圧力を管理する管理工程と、を含むことを特徴とする加工方法。
  6. 請求項5に記載の加工方法において、特定の加工圧力の下で、予め複数の異なる相対速度で前記工具の前記加工面と前記被加工面を相対的に運動させ、複数の異なる相対速度においてそれぞれ得られた加工速度を用いて、前記加工速度の推定式の前記第1の定数、および前記第2の定数の値が算出されることを特徴とする加工方法。
  7. 請求項5または6に記載の加工方法において、前記制御部は、前記加工速度の推定式を用いて推定した前記加工速度に基づき、前記工具を用いて前記被加工物を加工する加工時間を決定することを特徴とする加工方法。
  8. 請求項5から7のいずれか1項に記載の加工方法において、前記制御部は、前記工具と前記被加工物を圧接させる特定の加工圧力の下で得られる前記被加工面の加工速度が最大値を超えないよう前記加工面と前記被加工面を相対的に運動させる相対速度を制御することを特徴とする加工方法。
  9. 前記制御部に、請求項5から8のいずれか1項に記載の加工制御を実行させることを特徴とする加工制御プログラム。
  10. 請求項9に記載の加工制御プログラムを格納したことを特徴とするコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
  11. 加工面が、被加工物の被加工面の加水分解を支援する遷移金属を含む触媒物質により構成された工具と、前記被加工物とを、水分子を介在させ加工圧力により圧接した状態で相対的に運動させることにより、前記被加工面を加工し、その加工の際、制御部によって前記加工面と前記被加工面を相対的に運動させる相対速度または前記加工圧力を管理する加工制御を行う部品の製造方法において、
    前記制御部が、第1の定数、前記加工圧力、および前記相対速度の積からなる項と、第2の定数、および前記相対速度の三乗との積からなる項の差分によって表わされる加工速度の推定式によって前記加工圧力の下で得られる前記被加工面の加工速度を推定する推定工程と、
    前記制御部が、前記推定工程において推定された前記加工速度に基づき、前記加工面と前記被加工面を相対的に運動させる前記相対速度、または前記加工圧力を管理する管理工程と、を含むことを特徴とする部品の製造方法。
  12. 光学ガラスと対向する面に遷移金属を含む触媒部を有する工具の前記触媒部と前記被加工物とを接触させて、前記触媒部と前記被加工物とを相対的に運動させることにより前記光学ガラスを加工し部品を製造する部品の製造方法であって、
    水分子を介在させた状態で、前記触媒部と前記光学ガラスとを、30KPa以上130KPa未満の範囲の中から選択した圧力で接触させ、100mm/s以上3100mm/s以下の範囲の中から選択した速度で相対的に運動させ、200nm/min以上の加工速度で加工することを特徴とする部品の製造方法。
  13. 請求項12に記載の部品の製造方法において、前記圧力として30KPa以上40KPa未満を選択した時は、前記速度として400mm/s以上1400mm/s以下を選択することを特徴とする部品の製造方法。
  14. 請求項12または13記載に記載の部品の製造方法において、前記圧力として40KPa以上50KPa未満を選択した時は、前記速度として300mm/s以上1700mm/s以下を選択することを特徴とする部品の製造方法。
  15. 請求項12から14のいずれか1項に記載の製造方法において、前記圧力として50KPa以上60KPa未満を選択した時は、前記速度として300mm/s以上1900mm/s以下を選択することを特徴とする部品の製造方法。
  16. 請求項12から15のいずれか1項に記載の製造方法において、前記圧力として60KPa以上70KPa未満を選択した時は、前記速度として200mm/s以上2200mm/s以下を選択することを特徴とする部品の製造方法。
  17. 請求項12から16のいずれか1項に記載の部品の製造方法において、前記圧力として70KPa以上80KPa未満を選択した時は、前記速度として200mm/s以上2400mm/s以下を選択することを特徴とする部品の製造方法。
  18. 請求項12から17のいずれか1項に記載の部品の製造方法において、前記圧力として80KPa以上90KPa未満を選択した時は、前記速度として200mm/s以上2600mm/s以下を選択することを特徴とする部品の製造方法。
  19. 請求項12から18のいずれか1項に記載の部品の製造方法において、前記圧力として90KPa以上100KPa未満を選択した時は、前記速度として200mm/s以上2700mm/s以下を選択することを特徴とする部品の製造方法。
  20. 請求項12から19のいずれか1項に記載の部品の製造方法において、前記圧力として100KPa以上110KPa未満を選択した時は、前記速度として200mm/s以上2900mm/s以下を選択することを特徴とする部品の製造方法。
  21. 請求項12から20のいずれか1項に記載の部品の製造方法において、前記圧力として110KPa以上120KPa未満を選択した時は、前記速度として200mm/s以上3000mm/s以下を選択することを特徴とする部品の製造方法。
  22. 請求項12から21のいずれか1項に記載の部品の製造方法において、前記圧力として120KPa以上130KPa未満を選択した時は、前記速度として100mm/s以上3100mm/s以下を選択することを特徴とする部品の製造方法。
  23. 請求項11から22のいずれか1項に記載の部品の製造方法によって製造されたことを特徴とする光学素子。
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